特許第6818239号(P6818239)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6818239
(24)【登録日】2021年1月5日
(45)【発行日】2021年1月20日
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20210107BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20210107BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20210107BHJP
【FI】
   H04N1/00 885
   G03G21/00 370
   G03G15/00 107
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-16763(P2018-16763)
(22)【出願日】2018年2月1日
(65)【公開番号】特開2019-134369(P2019-134369A)
(43)【公開日】2019年8月8日
【審査請求日】2019年12月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114971
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修
(72)【発明者】
【氏名】田代 雅也
【審査官】 松永 隆志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−137606(JP,A)
【文献】 特開2017−072631(JP,A)
【文献】 特開2002−361990(JP,A)
【文献】 特開2004−109349(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00− 1/64
G03G 15/00
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器において、
第1の部位の状態を検出し、前記第1の部位の状態に対応する論理値をセンサー信号として出力する第1センサーと、
第2の部位の状態を検出し、前記第2の部位の状態に対応する論理値をセンサー信号として出力する第2センサーと、
前記第1センサーのセンサー信号の論理値が変化したときに第1パルスを生成する第1ワンショットパルス生成回路と、
前記第2センサーのセンサー信号の論理値が変化したときに第2パルスを生成する第2ワンショットパルス生成回路と、
所定の論理演算を行うことで、前記第1パルスと前記第2パルスとを含む出力信号を生成する論理演算部と、
前記出力信号において前記第1パルスまたは前記第2パルスが検出されたときに、当該電子機器の動作状態をスリープ状態から通常動作状態へ復帰させるコントローラーと、
を備え
前記第1ワンショットパルス生成回路は、前記第1センサーのセンサー信号のレベル変化を遅延させる第1ローパスフィルターと、前記第1ローパスフィルターの出力レベルを反転する第1反転回路と、前記第1センサーのセンサー信号のレベルと前記第1反転回路の出力レベルとの排他的論理和を演算し前記第1パルスを生成する第1排他的論理和回路とを備え、
前記第2ワンショットパルス生成回路は、前記第2センサーのセンサー信号のレベル変化を遅延させる第2ローパスフィルターと、前記第2ローパスフィルターの出力レベルを反転する第2反転回路と、前記第2センサーのセンサー信号のレベルと前記第2反転回路の出力レベルとの排他的論理和を演算し前記第2パルスを生成する第2排他的論理和回路とを備え、
前記論理演算部は、前記第1パルスを含む前記第1ワンショットパルス生成回路の出力信号および前記第2パルスを含む前記第2ワンショットパルス生成回路の出力信号に対して前記所定の論理演算として論理積を行うことで、前記第1パルスと前記第2パルスとを含む出力信号を生成し、
前記第1センサーのセンサー信号の論理値および前記第2センサーのセンサー信号の論理値の少なくとも一方が変化したときに、前記論理演算部の前記出力信号においてパルスが生成されること、
を特徴とする電子機器。
【請求項2】
スリープ状態において、前記第1センサーおよび前記第2センサーに間欠動作をさせる間欠制御回路と、
前記第1センサーと前記第1ワンショットパルス生成回路との間に配置され、前記間欠動作の動作期間における前記第1センサーの論理値を、前記間欠動作の不動作期間において保持する第1ラッチ回路と、
前記第2センサーと前記第2ワンショットパルス生成回路との間に配置され、前記間欠動作の動作期間における前記第2センサーの論理値を、前記間欠動作の不動作期間において保持する第2ラッチ回路と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
自動原稿送り器を有する原稿カバーを備える画像読取装置をさらに備え、
前記第1センサーは、前記自動原稿送り器の状態として、前記自動原稿送り器に原稿がセットされていることを検出し、
前記第2センサーは、前記原稿カバーの状態として、前記原稿カバーが開けられていることを検出すること、
を特徴とする請求項1または請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
前記自動原稿送り器は、開閉可能なADFカバーを備え、
前記第1センサーおよび前記第2センサーの一方または両方は、前記自動原稿送り器の状態および前記原稿カバーの状態の一方または両方とともに、ADFカバーが開けられていることを検出すること、
を特徴とする請求項3記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スリープ機能を有する電子機器では、電子機器の物理的な部位の状態(筐体カバーの開閉、給紙カセットの着脱、自動原稿送り器に対する原稿セット・除去など)を検出する各種センサーが設けられており、スリープモード(通常動作モードより消費電力の少ない省電力モード)においてセンサーにより所定の状態が検出されたときに、電子機器は、スリープモードから通常動作モードへ復帰する(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−8245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の電子機器では、複数の部位に対応する複数のセンサーの出力信号の論理和に基づいて、スリープモードから通常動作モードへ復帰するか否かが判定されている。つまり、各センサーは、対応する部位が通常状態であるときには出力信号をローレベルとし、対応する部位が特定状態(カバー開、給紙カセットの不在、原稿セットなど)であるときには出力信号をハイレベルとすることで、いずれかのセンサーにより特定状態が検出されると、電子機器の動作モードがスリープモードから通常動作モードへ復帰する。
【0005】
そのため、複数のセンサーが、それぞれに対応する部位の特定状態を検出している状態では、上述の論理和はハイレベルであり、その状態で、電子機器の動作モードが通常動作モードからスリープモードへ移行した場合、スリープモードにおいて、その複数のセンサーのうちの一部のみが、対応する部位の状態が特定状態から通常状態へ変化したことを検出しても、(他のセンサーの出力信号がハイレベルであるため)、依然として、上述の論理和はハイレベルのままである。したがって、部位の状態が変化したにも拘わらず、電子機器の動作モードがスリープモードから通常動作モードへ復帰しない。
【0006】
例えば、画像読取装置における自動原稿送り器(ADF)への原稿がセットされていることを検出するセンサーと、ADFが開けられていること(つまり、ADFが設けられており、原稿が載置されるプラテンガラスを覆う原稿カバーが開けられていること)を検出するセンサーとが設けられている場合、ADFに原稿がセットされ、かつADFが開けられている状態で、電子機器がスリープモードへ移行した後、ADF(原稿カバー)が閉じられても、電子機器の動作モードはスリープモードから通常動作モードへ復帰しない。
【0007】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、複数の部位の状態変化に対応してスリープモードから通常動作モードへ適切に復帰する電子機器を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る電子機器は、第1の部位の状態を検出し、前記第1の部位の状態に対応する論理値をセンサー信号として出力する第1センサーと、第2の部位の状態を検出し、前記第2の部位の状態に対応する論理値をセンサー信号として出力する第2センサーと、前記第1センサーのセンサー信号の論理値が変化したときに第1パルスを生成する第1ワンショットパルス生成回路と、前記第2センサーのセンサー信号の論理値が変化したときに第2パルスを生成する第2ワンショットパルス生成回路と、所定の論理演算を行うことで、前記第1パルスと前記第2パルスとを含む出力信号を生成する論理演算部と、前記出力信号において前記第1パルスまたは前記第2パルスが検出されたときに、当該電子機器の動作モードをスリープモードから通常動作モードへ復帰させるコントローラーとを備える。前記第1ワンショットパルス生成回路は、前記第1センサーのセンサー信号のレベル変化を遅延させる第1ローパスフィルターと、前記第1ローパスフィルターの出力レベルを反転する第1反転回路と、前記第1センサーのセンサー信号のレベルと前記第1反転回路の出力レベルとの排他的論理和を演算し前記第1パルスを生成する第1排他的論理和回路とを備える。前記第2ワンショットパルス生成回路は、前記第2センサーのセンサー信号のレベル変化を遅延させる第2ローパスフィルターと、前記第2ローパスフィルターの出力レベルを反転する第2反転回路と、前記第2センサーのセンサー信号のレベルと前記第2反転回路の出力レベルとの排他的論理和を演算し前記第2パルスを生成する第2排他的論理和回路とを備える。そして、前記論理演算部は、前記第1パルスを含む前記第1ワンショットパルス生成回路の出力信号および前記第2パルスを含む前記第2ワンショットパルス生成回路の出力信号に対して前記所定の論理演算として論理積を行うことで、前記第1パルスと前記第2パルスとを含む出力信号を生成する。これにより、前記第1センサーのセンサー信号の論理値および前記第2センサーのセンサー信号の論理値の少なくとも一方が変化したときに、前記論理演算部の前記出力信号においてパルスが生成される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数の部位の状態変化に対応してスリープモードから通常動作モードへ適切に復帰する電子機器が得られる。
【0010】
本発明の上記又は他の目的、特徴および優位性は、添付の図面とともに以下の詳細な説明から更に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る電子機器の構成を示すブロック図である。
図2図2は、図1におけるワンショットパルス生成回路3−1の構成例を示す回路図である。
図3図3は、図1におけるPIセンサー1−1,1−2のセンサー信号のレベル変化と、出力信号におけるパルスの有無との対応関係を説明する図である。
図4図4は、図1に示す電子機器の動作を説明するタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施の形態に係る電子機器の構成を示すブロック図である。図1に示す電子機器は、PIセンサー1−1,1−2、Dフリップフロップ2−1,2−2、ワンショットパルス生成回路3−1,3−2、論理積回路4、間欠制御回路5、およびコントローラー11を備える。
【0014】
PIセンサー1−1,1−2は、特定位置における物体の有無を光学的に検出するPI(Photo Interrupter)センサーである。PIセンサー1−1は、当該電子機器における第1の部位の状態を検出し、その第1の部位の状態に対応する論理値をセンサー信号として出力する。PIセンサー1−2は、当該電子機器における第2の部位の状態を検出し、その第2の部位の状態に対応する論理値をセンサー信号として出力する。
【0015】
ワンショットパルス生成回路3−1は、PIセンサー1−1のセンサー信号の論理値が変化したときにパルスを生成する。ワンショットパルス生成回路3−2は、PIセンサー1−2のセンサー信号の論理値が変化したときにパルスを生成する。
【0016】
なお、この実施の形態では、後述するように、PIセンサー1−1,1−2のセンサー信号がDフリップフロップ2−1,2−2によってラッチされ、ラッチされたセンサー信号がワンショットパルス生成回路3−1,3−2に供給される。
【0017】
図2は、図1におけるワンショットパルス生成回路3−1の構成例を示す回路図である。なお、ワンショットパルス生成回路3−2の構成は、ワンショットパルス生成回路3−1の構成と同一である。また、ワンショットパルス生成回路3−1,3−2の回路構成は、図2のものに限定されない。
【0018】
図2に示すワンショットパルス生成回路3−1は、ローパスフィルター41、反転回路42、および排他的論理和回路43を備える。ローパスフィルター41は、ワンショットパルス生成回路3−1の入力信号のレベル変化を遅延させ、反転回路42は、ローパスフィルター41の出力レベルを反転する。排他的論理和回路43は、ワンショットパルス生成回路3−1の入力信号のレベルと反転回路42の出力レベルとの排他的論理和を演算し、パルスを生成する。
【0019】
図2に示すワンショットパルス生成回路3−1は、(a)ワンショットパルス生成回路3−1の入力信号のレベル変化がない場合には、当該ワンショットパルス生成回路3−1の出力レベルをハイレベルとし、(b)ワンショットパルス生成回路3−1の入力信号がハイレベルからローレベルへ変化したとき、およびワンショットパルス生成回路3−1の入力信号がローレベルからハイレベルへ変化したときに、当該ワンショットパルス生成回路3−1の出力レベルを、パルス状に所定時間(ローパスフィルター41の時定数に対応する時間)だけローレベルとする。
【0020】
論理積回路4は、ワンショットパルス生成回路3−1の出力信号およびワンショットパルス生成回路3−2の出力信号に対して所定の論理演算(ここでは、論理積)を行うことで、ワンショットパルス生成回路3−1により生成されたパルスとワンショットパルス生成回路3−2により生成されたパルスとを含む出力信号を生成する。
【0021】
間欠制御回路5は、スリープモードにおいて、省電力のために、PIセンサー1−1およびPIセンサー1−2に間欠動作をさせる。具体的には、間欠制御回路5は、スリープモードにおいて、所定周期のパルス状の電源電圧をPIセンサー1−1およびPIセンサー1−2に印加し、電源電圧がハイレベルである期間(動作期間)において、PIセンサー1−1およびPIセンサー1−2を動作させ、電源電圧がローレベルである期間(不動作期間)において、PIセンサー1−1およびPIセンサー1−2を停止させる。
【0022】
なお、通常動作モードにおいては、間欠制御回路5は、継続的にハイレベルの電源電圧をPIセンサー1−1およびPIセンサー1−2に印加して、連続動作をさせる。また、この電源電圧は、Dフリップフロップ2−1,2−2にクロックとして印加される。つまり、その電源電圧がハイレベルであるときに、Dフリップフロップ2−1,2−2の入力レベルに対応して、Dフリップフロップ2−1,2−2の出力レベルが更新される。
【0023】
Dフリップフロップ2−1は、PIセンサー1−1とワンショットパルス生成回路3−1との間に配置され、上述の間欠動作の動作期間におけるPIセンサー1−1の論理値を、上述の間欠動作の不動作期間において保持するラッチ回路である。
【0024】
Dフリップフロップ2−2は、PIセンサー1−2とワンショットパルス生成回路3−2との間に配置され、上述の間欠動作の動作期間におけるPIセンサー1−2の論理値を、上述の間欠動作の不動作期間において保持するラッチ回路である。
【0025】
この実施の形態では、スリープモードでの省電力のために、PIセンサー1−1,1−2が間欠動作をし、動作期間において、現時点のセンサー信号のレベルと前回の動作期間でのセンサー信号のレベルとが異なる場合(つまり、センサー信号のレベルが変化すると)、Dフリップフロップ2−i(i=1,2)の出力レベルが変化し、ワンショットパルス生成回路3−iは、そのDフリップフロップ2−iの出力レベルの変化タイミングでパルスを生成する。
【0026】
なお、スリープモードで間欠動作を行わない場合には、Dフリップフロップ2−1,2−2および間欠制御回路5は設けられず、PIセンサー1−1,1−2は連続動作をし、PIセンサー1−1,1−2のセンサー信号がワンショットパルス生成回路3−1,3−2に直接供給される。
【0027】
また、コントローラー11は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)や制御プログラムを実行するマイクロコンピューターを備え、そのASICやマイクロコンピューターを使用して、当該電子機器の内部デバイスを制御する。
【0028】
コントローラー11は、通常動作モードでは、特定の内部デバイスの電源をオン状態とし、スリープモードでは、特定の内部デバイスの電源をオフ状態とする。
【0029】
特に、コントローラー11は、その出力信号のレベルを監視し、その出力信号においてパルスが検出されたときに、当該電子機器の動作モードをスリープモードから通常動作モードへ復帰させる。
【0030】
図3は、図1におけるPIセンサー1−1,1−2のセンサー信号のレベル変化と、出力信号におけるパルスの有無との対応関係を説明する図である。
【0031】
図3に示すように、PIセンサー1−1,1−2のセンサー信号Vi1,Vi2の少なくとも一方にレベル変化(ハイレベルおよびローレベルの一方から他方への変化)が発生すると、出力信号Voにおいてパルスが生成される。つまり、スリープモードに移行した際のセンサー信号Vi1,Vi2のレベル(つまり、上述の部位の状態)に拘わらず、センサー信号Vij(j=1,2)のレベルが変化すれば、出力信号Voにおいてパルスが生成される。したがって、スリープモードに移行した際の上述の部位の状態に拘わらず、スリープモードにおいて、その部位の状態が変化すれば、出力信号Voにおいてパルスが生成され、コントローラー11は、当該電子機器の動作モードをスリープモードから通常動作モードへ復帰させる。
【0032】
この実施の形態に係る電子機器は、複合機などといった画像形成装置であり、画像読取装置21を備える。画像読取装置21は、自動原稿送り器(ADF)31aを有する原稿カバー31を備える。原稿カバー31は、開閉自在であって、原稿が載置されるプラテンガラスを覆うためのカバーである。
【0033】
PIセンサー1−1は、ADF31aに設けられ、ADF31aの状態として、ADF31aに原稿がセットされていることを検出するPIセンサーである。PIセンサー1−1は、センサー信号を出力し、原稿がセットされているときにセンサー信号をハイレベルとし、原稿がセットされていないときにセンサー信号をローレベルとする。
【0034】
PIセンサー1−2は、原稿カバー31に設けられ、原稿カバー31の状態として、原稿カバー(つまり、ADF31a)が開けられていることを検出するPIセンサーである。PIセンサー1−2は、センサー信号を出力し、原稿カバー31が開けられているときにセンサー信号をハイレベルとし、原稿カバー31が開けられていないときにセンサー信号をローレベルとする。
【0035】
また、コントローラー11は、図示せぬ印刷装置などが収容されている本体部22に設けられている。
【0036】
次に、上記電子機器の動作について説明する。図4は、図1に示す電子機器の動作を説明するタイミングチャートである。
【0037】
コントローラー11は、所定長の不操作時間の検出などに起因して、動作モードを通常動作モードからスリープモードへ移行する。これにより、間欠制御回路5は、PIセンサー1−1,1−2の間欠動作を開始させる。
【0038】
図4に示す場合では、スリープモード移行時に、原稿カバー31が開けられており、かつADF31aに原稿がセットされており、PIセンサー1−1,1−2のセンサー信号Vi1,Vi2は、間欠動作の動作期間taにおいて、ハイレベルになり、Dフリップフロップ2−1,2−2の出力レベルV1d,V2dは、継続的にローレベルである。したがって、ワンショットパルス生成回路3−1,3−2の出力レベルV1p,V2pは、継続的にハイレベルである。
【0039】
その後、スリープモードにおいて原稿カバー31が閉じられると、原稿カバー31が閉じられたタイミングから最初の動作期間taにおいて、PIセンサー1−2のセンサー信号Vi2は、ローレベルになる。
【0040】
このPIセンサー1−2のセンサー信号Vi2のレベル変化のタイミングT1で、Dフリップフロップ2−2の出力レベルが反転し、ワンショットパルス生成回路3−2の出力レベルV2pにおいてパルスが生成され、論理積回路4の出力信号Voにおいてもパルスが生成される。
【0041】
スリープモードにおいて、コントローラー11は、画像読取装置21の出力信号Voにおけるパルスを検出すると、動作モードをスリープモードから通常動作モードへ移行する。
【0042】
そして、通常動作モードでは、PIセンサー1−1,1−2は、連続動作をし、例えば、図4に示すように、ADF31aにセットされている原稿が除去されると、原稿が除去されたタイミングT2で、PIセンサー1−1のセンサー信号のレベルがローレベルに変化し、Dフリップフロップ2−1の出力レベルV1dが反転し、ワンショットパルス生成回路3−1の出力レベルV1pにおいてパルスが生成され、論理積回路4の出力信号Voにおいてもパルスが生成される。通常動作モードでは、コントローラー11は、例えば、画像読取装置21の出力信号Voにおけるパルスを検出すると、スリープモードへの移行条件の判定のための不操作時間のカウンターをリセットする。
【0043】
なお、原稿カバーが再度開けられたり閉じられたりしても同様のパルスが出力信号Voにおいて生成され、原稿が再度セットされたり除去されたりしても同様のパルスが出力信号Voにおいて生成される。
【0044】
以上のように、上記実施の形態によれば、PIセンサー1−1は、当該電子機器の第1の部位の状態を検出し、その第1の部位の状態に対応する論理値をセンサー信号として出力する。PIセンサー1−2は、当該電子機器の第2の部位の状態を検出し、その第2の部位の状態に対応する論理値をセンサー信号として出力する。ワンショットパルス生成回路3−1は、PIセンサー1−1のセンサー信号の論理値が変化したときにパルスを生成する。ワンショットパルス生成回路3−2は、PIセンサー1−2のセンサー信号の論理値が変化したときにパルスを生成する。論理積回路4は、所定の論理演算を行うことで、ワンショットパルス生成回路3−1により生成されたパルスとワンショットパルス生成回路3−2により生成されたパルスとを含む出力信号を生成する。コントローラー11は、その出力信号においてパルスが検出されたときに、当該電子機器の動作モードをスリープモードから通常動作モードへ復帰させる。
【0045】
これにより、複数の部位の状態変化に対応して動作モードがスリープモードから通常動作モードへ適切に復帰する。
【0046】
なお、上述の実施の形態に対する様々な変更および修正については、当業者には明らかである。そのような変更および修正は、その主題の趣旨および範囲から離れることなく、かつ、意図された利点を弱めることなく行われてもよい。つまり、そのような変更および修正が請求の範囲に含まれることを意図している。
【0047】
例えば、上記実施の形態において、ADF31aは、開閉可能なADFカバーを備え、ADFカバーの開閉を検出する専用センサーを別途設けることなく、PIセンサー1−1,1−2の一方または両方が、ADF31aの状態および原稿カバー31の状態の一方または両方とともに、ADFカバーが開けられていることを検出するようにしてもよい。なお、ADFカバーは、例えば、ADF31aのジャム解消などのメンテナンス作業のために設けられるものである。電子機器の機種によって(ADF31aおよびADFカバーを含む)原稿カバー31の構造が異なり、PIセンサー1−1,1−2のうち、ADFカバーの開閉を検知するセンサーが、機種によって異なっていても(例えば、ある機種ではPIセンサー1−1,1−2の両方、別の機種では、PIセンサー1−1,1−2の一方のみ)、ADFカバーの開閉を検知し適切に動作モードをスリープモードから通常動作モードへ移行させることができる。したがって、上述の実施の形態によれば、このような、原稿カバー31の構造が互いに異なる複数機種に対して、コントローラー11の使用を変更せずに、ADFカバーの開閉に対応してスリープモードから通常動作モードへの復帰が行われる。
【0048】
また、上記実施の形態において、ワンショットパルス生成回路3−1,3−2は、ハイレベルのパルスを生成するようにし、論理積回路4の代わりに論理和回路を設けるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、例えば、スリープモードを有する電子機器に適用可能である。
【符号の説明】
【0050】
1−1 PIセンサー(第1センサーの一例)
1−2 PIセンサー(第2センサーの一例)
2−1 Dフリップフロップ(第1ラッチ回路の一例)
2−2 Dフリップフロップ(第2ラッチ回路の一例)
3−1 ワンショットパルス生成回路(第1ワンショットパルス生成回路の一例)
3−2 ワンショットパルス生成回路(第2ワンショットパルス生成回路の一例)
4 論理積回路(論理演算部の一例)
5 間欠制御回路
11 コントローラー
21 画像読取装置
図1
図2
図3
図4