(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6818265
(24)【登録日】2021年1月5日
(45)【発行日】2021年1月20日
(54)【発明の名称】改良型比率差動無段変速機
(51)【国際特許分類】
F16H 15/28 20060101AFI20210107BHJP
F16H 37/02 20060101ALI20210107BHJP
【FI】
F16H15/28
F16H37/02 A
【請求項の数】1
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2017-164832(P2017-164832)
(22)【出願日】2017年8月14日
(65)【公開番号】特開2019-35498(P2019-35498A)
(43)【公開日】2019年3月7日
【審査請求日】2017年8月14日
【審判番号】不服2019-6563(P2019-6563/J1)
【審判請求日】2019年4月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】500571620
【氏名又は名称】生武 好包
(72)【発明者】
【氏名】生武 好包
【合議体】
【審判長】
平田 信勝
【審判官】
田村 嘉章
【審判官】
井上 信
(56)【参考文献】
【文献】
特許第3787769(JP,B2)
【文献】
特開2002−250421(JP,A)
【文献】
特開昭53−17867(JP,A)
【文献】
特公昭39−26103(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 15/28
F16H 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
比率差動型無段変速機(日本国特許第3787769号)は遊星歯車部分(減速部)と球面摩擦車及び球面リングよりなる摩擦伝動部で回転数比を入力設定する部分と差動歯車装置により必要な回転数の動力を確実に伝える出力部とを備え、その球面摩擦車を3個以上にして球面リングに均等配置し、球面摩擦車と球面リングの間に必要な圧接力を球面摩擦車軸にばねを装着して得るようにした無段変速装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
無段変速機F16H61−66
【背景技術】
【0002】
日本国特許第3787769号の比率差動型無段変速機は遊星歯車装置による減速部と球面摩擦車・入力内側球面リング・従動内側球面リング等よりなる摩擦伝動部で球面摩擦車軸の方向を設定することにより両リングの回転数比を球面摩擦車と両リングとの接点から球面摩擦車軸への垂直距離比で入力設定する部分と差動歯車装置により必要な回転数の動力を零回転数から無段階に確実に伝える出力部よりなる。【0003】
【特許文献1】日本国特許第3787769号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
摩擦伝動部の2個の球面摩擦車軸を直角に支える支点軸にはばねを使って球面摩擦車が両リングに圧接するようになっているが、支点軸とレバー及びコントロール棒の操作性が確実ではない
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで球面摩擦車を2個から3個にし、両リングとの接点が正三角形になるようにすれば両リングも安定する。球面摩擦車軸を軸長の中点で直角に支える支点軸3本を正三角形に組み各支点軸端(正三角形の頂点)に6個の傘歯車を設置結合して、3本の支点軸・6個の傘歯車・3個の球面摩擦車が一体回転し、正確確実に同じ回転角度(無段階に両リングの回転数比を設定)になるようにする。【0006】
球面摩擦車の軸にはばねで球面摩擦車が2つの入力内側球面リングと従動内側球面リングに等分に押し付けられスリップがないようにする。
なお摩擦伝動部は圧接力に限界があるため球面摩擦車は個数を多くした方がよいし、球面リングの直軽は大きくした方が合計圧接力及びそれによる合計伝達可能トルクは大きくなる。また動力を主として伝える差動歯車に比べて球面リングを相対的に大きくした方が入力設定する摩擦伝動部の負荷は軽くなる。【0007】
傘歯車6個の軸受けを支える支柱はそれぞれ噛み合った傘歯車の軸受け2個ずつを支える支柱が正三角形の頂点に3か所ありこの支柱を2方向に伸ばす。1方向は正三角形の重心を通り正三角形の面に垂直な重心線上で正三角形の面の両側の適当な位置に3か所の支柱から合流させ、それを正三角形の面の片側にある入力内側球面リングの中空軸と入力傘歯車の中空軸を支える軸受を支える支柱となし、面のもう片側にある従動内側球面リングの中空軸と従動傘歯車の中空軸を支える軸受を支える支柱となす。もう1方向は反重心方向に伸ばして2つの入力内側球面リングと従動内側球面リングの間を通り収納箱に固定する。
【0008】
支点軸よりなる正三角形の3辺(軸)のうち1辺(軸)だけの片方の傘歯車の軸の先を伸ばし入力内側球面リングと従動内側球面リングの間を通り収納箱を貫通し終端にハンドルを取り付ける。このハンドルを左右に回すことにより無段変速や逆回転が出来る。
【0009】
入力内側球面リングの中空軸と入力傘歯車の中空軸及び従動内側球面リングの中空軸と従動傘歯車の中空軸とは焼きばめ或るいはスプラインにより固く一体化する。
【発明の効果】
【0010】
球面摩擦車3個が確実に無段変速や逆回転を可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
効率の良い無段変速を可能にするには球面摩擦車が3個とも入力内側球面リングと従動内側球面リングに同じ角度で同じ圧接力で駆動しされなければならない。それがこの構造では可能である。
【産業上の利用可能性】
【0013】
伝達効率がよく自動車その他無段階に速度を変化させたり逆回転させる機械に利用可能である。
【符号の説明】
【0015】
0:入力軸
1:太陽外歯歯車
2:遊星歯車
3:太陽内歯歯車
4:キャリア
5:入力内側球面リング
6:球面摩擦車
7:従動内側球面リング
8:球面摩擦車の軸
9:
3本で正三角形に組んだ支点軸
10:傘歯車
11:軸受
12:ハンドル
13:支柱
14:軸受
15:軸受
16:入力傘歯車
17:中間傘歯車でその軸はキャリアと一体回転
18:従動傘歯車
19:入力内側球面リングの中空軸
20:入力傘歯車の中空軸
21:従動傘歯車の中空軸
22:従動内側球面リングの中空軸
23:軸受
24:出力軸
25:収納箱