(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6818388
(24)【登録日】2021年1月5日
(45)【発行日】2021年1月20日
(54)【発明の名称】収納構造
(51)【国際特許分類】
E04H 1/12 20060101AFI20210107BHJP
【FI】
E04H1/12 B
E04H1/12 307
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2020-104887(P2020-104887)
(22)【出願日】2020年5月18日
【審査請求日】2020年5月21日
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、実施許諾の用意がある。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】305047731
【氏名又は名称】本田 慶治
(72)【発明者】
【氏名】本田 慶治
【審査官】
土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】
特開平01−304279(JP,A)
【文献】
特開2012−007424(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0174606(US,A1)
【文献】
韓国公開特許第10−2016−0116384(KR,A)
【文献】
実開昭54−103672(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 1/12
E04D 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の屋上に収納庫を設置する収納構造であって、前記収納庫は、前記屋上の床に立設される壁部材に沿って配置されるとともに、この壁部材は、ほぼ並行状態で複数配置されるとともに、これらの複数の壁部材は、それぞれ複数の梁部材で連結されており、前記壁部材及び前記梁部材には給水設備に連結された給水管と、この給水管に取り付けられる散水口とが設けられていることを特徴とする収納構造。
【請求項2】
前記建物の屋上の床にはヒータユニットが埋設されていることを特徴とする請求項1記載の収納構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビルなどの建物の屋上に収納庫を設置する収納構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来は、ビルなどの建物の屋上、例えば3階建て、5階建てのような中層建築から10階を超えるような高層建築の屋上を有効的に使用できるように収納庫を設置することが考えられる。なお、ビルなどの屋上に関する先行技術としては特許文献1が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−027017
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
生活必需品以外で、日常、必要でない日用品などの荷物については、収納する場所に困っていた。この問題を解決するために近年では有料のトランクルームなどが出回ってきている。しかしながら、有料のトランクルームでは費用も掛かるので、費用の掛からない収納先を確保する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記した問題を解決するために、建物の屋上に収納庫を設置する収納構造であって、前記収納庫は、前記屋上の床に立設される壁部材に沿って配置されるとともに、この壁部材は、ほぼ並行状態で複数配置されるとともに、これらの複数の壁部材は、それぞれ複数の梁部材で連結されており、
前記壁部材及び前記梁部材には給水設備に連結された給水管と、
この給水管に取り付け散水口とが設けことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ビルなどの建物の屋上のデッドスペースを有効に活用することが可能となり、設置する収納庫については壁部材で囲まれるように配置することができ、強風によって倒壊するおそれがなく、また散水口から水を散布することが可能なので収納庫の温度上昇を防ぐことが可能となる。
【0007】
また、上記した散水口から水を散布することで春先などにおいては少し積もった雪などを融雪させることが可能となる効果がある。
【0008】
さらに、屋上の床にはヒータユニットを設置しているので、冬場においては床に積もった雪を早期に融かすことが可能となる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図3】本発明の収納庫の設置の仕方を説明した斜視図。収納庫とコンクリートブロックの図面
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0010】
本発明のビル屋上の収納構造について図面に基づいて説明する。本発明の収納構造は、ビルなどの屋上の床4に立設された複数の壁部材1と、この壁部材1に沿って配置される収納庫6とで構成されている。
【0011】
この壁部材1は、コンクリート材で成形されると共に、床4に四角状となるように立設されており、この四角状の壁部材1の中には互いに並行となるように複数の壁部材1がさらに立設されている。そして、この壁部材1、1はその上部が梁部材2でそれぞれ連結されており、これら梁部材2もコンクリート材で構成されている。
【0012】
前記した壁部材1の壁面101の上部と、梁部材2の側面には、例えばポンプなどの給水設備(図示せず)に一端が連結された給水管3が留具(図示せず)などを介して取付けられている。そして、この給水管3の途中には散水口5が複数個所に取り付けられている(
図2参照)。
【0013】
また、この散水口5は、床4、梁部材2、壁部材1に向けて散水できるようにそれぞれの方向に向けられており、この散水口5から水がシャワー状に散水されるようになっている。なお、前記した散水口5は、床4の下側に配設した給水管3を介して床4に取付けてもよいものである。この床4に設置した散水口5は、収納庫6の前側に設置するのが良い(
図2参照)。
【0014】
一方、収納庫6は、
図3に示すように、床4に設置した、例えばコンクリート材で成形した2つのブロック材8,8にボルト9、ナット10によって固定されている。このように収納庫6の下側に隙間を形成することで通気性が確保できて収納庫の腐食などを抑えることが可能となる。
【0015】
前記した床4は、上面がモルタルの第1保護層206とされ、その下側にモルタルの第2保護層204、さらにその下側に防水層203、最後にスラブ層202とされた構成されている。そして、第1保護層206の内部には複数のヒーターユニットの配管205が設けられている。この実施例ではボイラー(図示せず)で沸かされた温水を配管205内に循環させるように構成されているが、ヒーティング機能を備えるものであれば、熱戦など種々の構成が考えられるものである。
【0016】
前記した実施例では、寒冷地におけるビルなどの建物の床4の構成で説明したが、温暖な地域のビルなどの建物の床4は、第1保護層206を無くして、スラブ層202、防水層203と、第2保護層204とで構成しても良いものである。
【0017】
前記した構成によれば、夏場などの外気温が高い状態では、給水設備から水を供給することで、給水管3を通って給水口5から冷たい水が壁部材1、梁部材2床4に放水されるようになり、温度上昇が抑えられて収納庫6内に収納した荷物が傷むのを防ぐ事ができる。なお、散水口7を通って下水路に排出されるようになっている。
【0018】
積雪があるような寒冷地においては、床4の第1保護層206の内部に設けたヒータユニットである配管205内にボイラーで沸かした温水を循環させることで床4に積もった雪を融かすことができる。また、春先などの雪が少し積もった状態などでは、散水口5から水を放水することで雪を融かすことも可能である。
【0019】
なお、雨が降るさいの対応としては、収納庫6を耐水性のものとする必要がでてくるが、収納庫6の上側に位置するところに庇や屋根などを設置しても良いものである。
【符号の説明】
【0020】
1. 壁部材
2. 梁部材
3. 給水管
4. 床
5. 散水口
6. 収納庫
205 配管(ヒータユニット)
【要約】
【課題】生活必需品以外で、日常、必要でない日用品などの荷物については、収納する場所に困っていた。この問題を解決するために近年では有料のトランクルームなどが出回ってきている。しかしながら、有料のトランクルームでは費用も掛かるので、費用が掛からない収納先を確保する必要がある。
【解決手段】発明は、上記した問題を解決するために、建物の屋上に収納庫を設置する収納構造であって、前記収納庫は、前記屋上の床に立設される壁部材に沿って配置されるととともに、この壁部材は、ほぼ並行状態で複数設置されるとともに、これらの複数の壁部材は、それぞれ複数の梁部材で連結されており、前記、壁部材及び梁部材には給水設備に連結された給水管と、核給水管に取り付けられる散水口とが設けたことを特徴とする。
【選択図】
図2