(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記給水ラインは、真空圧状態に維持され、前記吸引ラインは、前記給水ラインにおける前記入口弁より上流側に接続され、前記吸引ラインの内部圧力より前記ケーシングの内部圧力を高くすることを特徴とする請求項1に記載のストレーナの洗浄装置。
前記吸引ラインは、前記ドレンラインに接続され、前記ドレンラインにおける前記吸引ラインとの接続部の上流側と下流側にそれぞれ前記ドレン弁として第1ドレン弁と第2ドレン弁が設けられることを特徴とする請求項2に記載のストレーナの洗浄装置。
前記ケーシング内の水位を検出または推定する水位検出推定装置と、前記ケーシング内の水位が予め設定された所定水位まで低下すると前記吸引弁を閉止すると共に前記逆洗弁及び前記ドレン弁を開放する制御装置とが設けられることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のストレーナの洗浄装置。
前記差圧発生装置は、前記加圧ラインが加圧装置に接続され、前記出口側室のドレン排出側に接続される吸引ラインと、前記吸引ラインに設けられる吸引弁とを有し、前記吸引ラインの圧力より前記ケーシングの内部圧力を高くすることを特徴とする請求項6に記載のストレーナの洗浄装置。
前記吸引ラインは、前記ドレンラインに接続され、前記ドレンラインにおける前記吸引ラインとの接続部の上流側と下流側にそれぞれ前記ドレン弁として第1ドレン弁と第2ドレン弁が設けられることを特徴とする請求項9に記載のストレーナの洗浄装置。
前記ケーシング内の水位が予め設定された所定水位まで低下すると前記吸引弁を閉止すると共に前記逆洗弁及び前記ドレン弁を開放する制御装置とが設けられることを特徴とする請求項11に記載のストレーナの洗浄装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ストレーナを洗浄する前には、内部の復水を排出してからスクリーンに洗浄水を噴射する逆洗処理を実行する。ストレーナの排水時には、ストレーナの上部に設けたベントラインから大気を導入し、下部に設けた排水用ドレンラインから排水するが、ストレーナ内部の復水はドレンラインの圧力に対し、自重によって排出されるため、この排水作業に長時間を要してしまうという問題がある。
【0006】
本発明は上述した課題を解決するものであり、洗浄処理時間の短縮化を図るストレーナの洗浄装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための本発明のストレーナの洗浄装置は、ケーシングの内部がスクリーンにより入口側室と出口側室に区画され、前記入口側室に給水ラインが接続されて入口弁が設けられる一方、前記出口側室に前記給水ラインが接続されて出口弁が設けられるストレーナにおいて、前記出口側室に接続されて洗浄水を供給可能な逆洗ラインと、前記逆洗ラインに設けられる逆洗弁と、前記入口側室のドレン排出側に接続されて異物を排出可能なドレンラインと、前記ドレンラインに設けられるドレン弁と、前記ケーシングの内部圧力を前記ケーシングのドレン排出側の圧力より高く調整する差圧発生装置と、を備えることを特徴とするものである。
【0008】
従って、差圧発生装置によりケーシングのドレン排出側の圧力より高くなるように調整すると、ケーシング内の処理水がドレン排出側に流れてケーシング内の水位が低下する。ここで、逆洗弁を開放して洗浄水を逆洗ラインから出口側室に供給すると共にドレン弁を開放すると、ストレーナに付着していた異物が除去され、異物が入口側室からドレンラインに排出される。即ち、差圧発生装置によりケーシングの内部圧力をドレン排出側の圧力より高く調整することで、ケーシング内の処理水を早期に排出することができ、ストレーナの洗浄処理時間を短縮して処理効率を向上することができる。
【0009】
本発明のストレーナの洗浄装置では、前記差圧発生装置は、前記出口側室に接続されるベントラインと、前記ベントラインに設けられるベント弁と、前記出口側室のドレン排出側に接続される吸引ラインと、前記吸引ラインに設けられる吸引弁とを有することを特徴としている。
【0010】
従って、吸引弁を開放すると、吸引ラインから出口側室に吸引力が作用し、ケーシングの内部圧力が吸引ラインの圧力より高くなり、ケーシング内の処理水を吸引ラインに急速に流すことができ、ケーシング内の水位を早期に低下させることができる。
【0011】
本発明のストレーナの洗浄装置では、前記給水ラインは、真空圧状態に維持され、前記吸引ラインは、前記給水ラインにおける前記入口弁より上流側に接続され、前記吸引ラインの内部圧力より前記ケーシングの内部圧力を高くすることを特徴としている。
【0012】
従って、吸引ラインを真空圧状態に維持された給水ラインに接続するだけで、ケーシング内の処理水を吸引ラインに流し、ケーシング内の水位を早期に低下させることができる。
【0013】
本発明のストレーナの洗浄装置では、前記吸引ラインは、前記ドレンラインに接続され、前記ドレンラインにおける前記吸引ラインとの接続部の上流側と下流側にそれぞれ前記ドレン弁として第1ドレン弁と第2ドレン弁が設けられることを特徴としている。
【0014】
従って、吸引ラインをドレンラインに接続することで、ケーシング内の水位が低下した後、逆洗弁を開放して洗浄水を逆洗ラインから出口側室に供給すると共に、第1ドレン弁及び第2ドレン弁を開放すると、ストレーナに付着していた異物が入口側室からドレンラインに排出されると共に、吸引ラインに残っている処理水も排出することができる。
【0015】
本発明のストレーナの洗浄装置では、前記ケーシング内の水位を検出または推定する水位検出推定装置が設けられることを特徴としている。
【0016】
従って、水位検出推定装置によりケーシング内の水位の低下がわかることから、吸引弁を閉止すると共に逆洗弁及びドレン弁を開放と、ケーシング内の排水と異物除去を連続して実施することができる。
【0017】
本発明のストレーナの洗浄装置では、前記ケーシング内の水位を検出または推定する水位検出推定装置と、前記ケーシング内の水位が予め設定された所定水位まで低下すると前記吸引弁を閉止すると共に前記逆洗弁及び前記ドレン弁を開放する制御装置とが設けられることを特徴としている。
【0018】
従って、ケーシング内の水位が所定水位まで低下すると、吸引弁を閉止すると共に逆洗弁及びドレン弁を開放するため、ケーシング内の排水と異物除去を連続して実施することができる。
【0019】
本発明のストレーナの洗浄装置では、前記差圧発生装置は、前記入口側室または前記出口側室に接続される加圧ラインと、前記加圧ラインに設けられる加圧弁とを有することを特徴としている。
【0020】
従って、加圧弁を開放すると、加圧ラインから入口側室に加圧力が作用することとなり、ケーシングの内部圧力がドレンラインの圧力より高くなり、ケーシング内の処理水をドレンラインに流すことができ、入口側室に加圧ラインを接続するだけでケーシング内の水位を早期に低下させることができる。
【0021】
本発明のストレーナの洗浄装置では、前記加圧ラインは、加圧装置に接続され、前記ドレンラインの圧力より前記ケーシングの内部圧力を高くすることを特徴としている。
【0022】
従って、加圧ラインに加圧装置を接続するだけで、ケーシング内の処理水をドレンラインに流し、ケーシング内の水位を早期に低下させることができる。
【0023】
本発明のストレーナの洗浄装置では、前記差圧発生装置は、前記加圧ラインが加圧装置に接続され、前記出口側室のドレン排出側に接続される吸引ラインと、前記吸引ラインに設けられる吸引弁とを有し、前記吸引ラインの圧力より前記ケーシングの内部圧力を高くすることを特徴としている。
【0024】
従って、吸引弁を開放すると、吸引ラインから出口側室に吸引力が作用し、ケーシングの内部圧力が吸引ラインの圧力より高くなり、ケーシング内の処理水を吸引ラインに急速に流すことができ、ケーシング内の水位を早期に低下させることができる。
【0025】
本発明のストレーナの洗浄装置では、前記給水ラインは、真空圧状態に維持され、前記吸引ラインは、前記給水ラインにおける前記入口弁より上流側に接続されることを特徴としている。
【0026】
従って、吸引ラインを真空圧状態に維持された給水ラインに接続するだけで、ケーシング内の処理水を吸引ラインに流し、ケーシング内の水位を早期に低下させることができる。
【0027】
本発明のストレーナの洗浄装置では、前記吸引ラインは、前記ドレンラインに接続され、前記ドレンラインにおける前記吸引ラインとの接続部の上流側と下流側にそれぞれ前記ドレン弁として第1ドレン弁と第2ドレン弁が設けられることを特徴としている。
【0028】
従って、吸引ラインをドレンラインに接続することで、ケーシング内の水位が低下した後、逆洗弁を開放して洗浄水を逆洗ラインから出口側室に供給すると共に、第1ドレン弁及び第2ドレン弁を開放すると、ストレーナに付着していた異物が入口側室からドレンラインに排出されると共に、吸引ラインに残っている処理水も排出することができる。
【0029】
本発明のストレーナの洗浄装置では、前記ケーシング内の水位を検出または推定する水位検出推定装置が設けられることを特徴としている。
【0030】
従って、水位検出推定装置によりケーシング内の水位の低下がわかることから、吸引弁を閉止すると共に逆洗弁及びドレン弁を開放と、ケーシング内の排水と異物除去を連続して実施することができる。
【0031】
本発明のストレーナの洗浄装置では、前記ケーシング内の水位が予め設定された所定水位まで低下すると前記吸引弁を閉止すると共に前記逆洗弁及び前記ドレン弁を開放する制御装置とが設けられることを特徴としている。
【0032】
従って、ケーシング内の水位が所定水位まで低下すると、吸引弁を閉止すると共に逆洗弁及びドレン弁を開放するため、ケーシング内の排水と異物除去を連続して実施することができる。
【0033】
また、本発明のストレーナの洗浄方法は、ケーシングの内部がスクリーンにより入口側室と出口側室に区画され、前記入口側室に給水ラインが接続されて入口弁が設けられる一方、前記出口側室に前記給水ラインが接続されて出口弁が設けられるストレーナにおいて、前記入口弁と前記出口弁を閉止する工程と、前記ケーシングの内部圧力を前記ケーシングのドレン排出側の圧力より高く調整する工程と、前記ケーシング内の水位が予め設定された所定水位まで低下すると前記出口側室に洗浄水を供給すると共に前記ドレンラインを開放する工程と、を有することを特徴とするものである。
【0034】
従って、ケーシングの内部圧力をケーシングのドレン排出側の圧力より高く調整することで、ケーシング内の処理水を早期にドレンラインに排出することができ、ストレーナの洗浄処理時間を短縮して処理効率を向上することができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明のストレーナの洗浄装置及び方法によれば、ケーシングの内部圧力をドレン排出側の圧力より高く調整するので、ケーシング内の処理水を早期に排出することができ、ストレーナの洗浄処理時間を短縮することができる。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下に添付図面を参照して、本発明に係るストレーナの洗浄装置及び方法の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
【0038】
[第1実施形態]
図3は、火力発電プラントを表す概略図である。
【0039】
第1実施形態の火力発電プラントは、燃料を燃焼させ、燃焼により発生した熱で蒸気を生成し、生成した蒸気により蒸気タービンを回転させることで、蒸気タービンに接続される発電機を駆動して電力を発生させるものである。
【0040】
図3に示すように、火力発電プラント10は、ボイラ11と、蒸気タービン12と、復水器13と、ストレーナ14と、復水ポンプ15と、低圧給水加熱器16と、脱気器17と、高圧給水加熱器18と、発電機19とを備えている。
【0041】
ボイラ11は、例えば、コンベンショナルボイラが用いられており、燃料としての微粉炭を燃焼バーナにより燃焼させ、この燃焼により発生した熱を伝熱管として機能する火炉壁管21を用いて回収することができる。蒸気タービン12は、高圧タービン22と、中圧タービン23と、低圧タービン24とを有し、各タービン22,23,24は、回転軸となるロータ25によって一体回転可能に連結されている。
【0042】
高圧タービン22は、その流入側にボイラ11の火炉壁管21からの主蒸気ライン26が接続され、その流出側にボイラ11の再熱器(図示略)に至る低温再熱蒸気ライン27が接続されている。高圧タービン22は、主蒸気ライン26から供給される蒸気によって回転し、使用後の蒸気を低温再熱蒸気ライン27から排出する。中圧タービン23は、その流入側にボイラ11の再熱器からの高温再熱蒸気ライン28が接続され、その流出側に低圧タービン24に至る蒸気ライン29が接続されている。中圧タービン23は、高温再熱蒸気ライン28から供給される再熱された蒸気によって回転し、使用後の蒸気を蒸気ライン29から低圧タービン24へ向けて排出する。低圧タービン24は、その流入側に蒸気ライン29が接続され、その流出側に復水器13が接続されている。低圧タービン24は、蒸気ライン29から供給される蒸気によって回転し、使用後の蒸気を復水器13へ向けて排出する。発電機19は、高圧タービン22、中圧タービン23、低圧タービン24の回転がロータ25を介して伝達され、回転駆動して発電する。
【0043】
復水器13は、低圧タービン24から排出される蒸気を、冷却水が流れる冷却ラインに接触させることによって凝縮して水(復水)に戻すものである。復水器13で生成された復水は、ストレーナ14により異物が除去されてから復水ポンプ15により低圧給水加熱器16へ向けて供給される。復水器13の流出側に接続された第1給水ライン31は、2つの分岐ライン32,33に分岐され、再び集合して第2給水ライン34となり、ボイラ11の火炉壁管21に接続されている。ストレーナ14は、第1ストレーナ41と第2ストレーナ42とから構成される。第1ストレーナ41は、分岐ライン32に設けられており、流入側に入口弁43が設けられ、流出側に出口弁44が設けられている。第2ストレーナ42は、分岐ライン33に設けられており、流入側に入口弁45が設けられ、流出側に出口弁46が設けられている。なお、第1ストレーナ41の入口弁43と出口弁44は、図で白抜きとして開放状態を示し、第2ストレーナ42の入口弁45と出口弁46は黒塗りとして弁が閉止状態であることを示している。即ち、第1ストレーナ41は通水状態で、第2ストレーナ42は通水が遮断状態であることを示している。
【0044】
復水ポンプ15と低圧給水加熱器16と脱気器17と高圧給水加熱器18は、第2分岐ライン34に直列に設けられている。低圧給水加熱器16は、復水を低圧の状態で加熱する。加熱された水は、低圧給水加熱器16から脱気器17へ向けて供給される。脱気器17は、低圧給水加熱器16から供給された復水から溶存酸素や不凝結ガス(アンモニアガス)などの不純物を除去する。脱気された水は、脱気器17から高圧給水加熱器18へ向けて供給される。高圧給水加熱器18は、脱気された復水を高圧の状態で加熱する。加熱された復水は、高圧給水加熱器18から給水としてボイラ11の火炉壁管21へ向けて供給される。
【0045】
なお、復水器13は、蒸気タービン12で使用された蒸気を冷却水により冷却し、凝縮させることで復水とし、体積を減らすことにより高い真空状態を作り、蒸気の流れをよくしてタービンの効率を向上させている。そのため、少なくとも、復水器13、ストレーナ14、復水ポンプ15までの第1給水ライン31と分岐ライン32,33と第2給水ライン34は、真空状態が維持されている。
【0046】
そのため、火力発電プラント10では、ボイラ11の火炉壁管21内を流通する水は、内部の火炎により加熱されて蒸気が生成され、生成された蒸気は、蒸気タービン12に供給される。蒸気タービン12に供給された蒸気は、高圧タービン22、中圧タービン23、低圧タービン24を順に流動して復水器13に流入する。このとき、蒸気タービン12は、流通した蒸気により回転することで、ロータ25を介して発電機19を回転駆動し、発電機19が電力を発生させる。復水器13に流入した蒸気は、冷却ラインによって凝縮されることで復水に戻される。復水器13で凝縮された復水は、ストレーナ14により異物が除去された後、低圧給水加熱器16、脱気器17、高圧給水加熱器18を通ってボイラ11の火炉壁管21内へ戻される。
【0047】
ここで、ストレーナ14について説明するが、このストレーナ14を構成する第1ストレーナ41と第2ストレーナ42は、各給水ライン31,34の間で並列に配置されてほぼ同様の構成をなすことから、第1ストレーナ41について詳細に説明する。
図1は、第1実施形態のストレーナの洗浄装置を表す概略図である。
【0048】
図1に示すように、第1ストレーナ41は、ケーシング51内にスクリーン(メッシュ)52が傾斜状態で配置されることで、内部が入口側室53と出口側室54とに区画されている。そして、入口側室53は、分岐ライン32における入口ライン32aの下流側端部が接続され、出口側室54に分岐ライン32における出口ライン32bの上流側端部が接続されている。入口ライン32aは、入口弁43が設けられ、出口ライン32bは、出口弁44が設けられている。
【0049】
ケーシング51は、出口側室54にベントライン61が接続され、ベントライン61にベント弁62が設けられている。ベントライン61は、一端部が大気に開放されており、ベント弁62を閉止することでケーシング51内を密閉状態に維持し、開放することでケーシング51内を大気に連通する。なお。ベントライン61は、ケーシング51の入口側室53に接続してもよい。
【0050】
ケーシング51は、出口側室54に逆洗ライン63が接続され、逆洗ライン63に逆洗弁64が設けられている。逆洗ライン63は、一端部が第2給水ライン34(
図3参照)に接続されており、逆洗弁64を開放することで、第2給水ライン34の給水を洗浄水として出口側室54内に供給することができる。また、ケーシング51は、入口側室53にドレンライン65が接続され、ドレンライン65に第1ドレン弁66と第2ドレン弁67が直列に設けられている。ドレンライン65は、一端部が図示しない排水処理設備に接続されており、各ドレン弁66,67を開放することで、入口側室53内の処理水や洗浄水を排水処理設備に排出することができる。
【0051】
また、第1ストレーナ41は、ケーシング51の内部圧力をドレンライン65の圧力より高く調整する差圧発生装置が設けられている。差圧発生装置は、ケーシング51の出口側室54に接続され、ケーシング51のドレン排出側に設けられる吸引ライン68と、吸引ライン68に設けられる真空弁(吸引弁)69とを有している。即ち、吸引ライン68は、一端部がケーシング51の出口側室54に接続され、他端部が分岐ライン32を構成する入口ライン32aにおける入口弁43より上流側に接続されている。この場合、吸引ライン68は、ドレンライン65に接続されており、ドレンライン65における吸引ライン68との接続部の上流側(ケーシング51側)に第1ドレン弁66が設けられ、接続部より下流側(排水処理設備側)に第2ドレン弁67が設けられている。また、真空弁69は、吸引ライン68におけるドレンライン65との接続部より入口ライン32a側に設けられている。
【0052】
前述したように、復水器13とストレーナ14と復水ポンプ15と第1給水ライン31と分岐ライン32,33と第2給水ライン34の一部が真空圧状態に維持されている。そのため、ベント弁62を開放して出口側室54を大気に開放し、真空弁69を開放して吸引ライン68により出口側室54と入口ライン32aとを連通すると、入口ライン32aの真空度が吸引ライン68を通して出口側室54に作用する。すると、ケーシング51(出口側室54)は、内部にベントライン61から急激に大気が導入されることで、ケーシング51の内部圧力がケーシング51のドレン排出側となる吸引ライン68の圧力より高くなり、内部の処理水が吸引ライン68を通して入口ライン32a側に吸引され、ケーシング51内の処理水の水位が急速に減少する。
【0053】
ケーシング51は、内部の水位を検出する水位検出推定装置が設けられている。水位検出推定装置は、一端部が吸引ライン68(出口側室54)に接続される計測ライン70と、計測ライン70の端部に接続される水位計71と、計測ライン70に設けられる計測器側開閉弁72とを有している。計測ライン70は、一端部を吸引ライン68ではなくて出口側室54に直接接続してもよい。そのため、計測器側開閉弁72を開放すると、ケーシング51と水位計71が吸引ライン68及び計測ライン70を通して連通し、水位計71は、ケーシング51内の水位を計測することができる。
【0054】
制御装置73は、入口弁43、出口弁44、ベント弁62、逆洗弁64、第1ドレン弁66、第2ドレン弁67、真空弁69、水位計71、計測器側開閉弁72に接続されていると共に、外部の操作装置(図示略)からの制御信号が入力可能となっている。制御装置73は、操作装置からの制御信号や水位計71の検出結果に応じて入口弁43、出口弁44、ベント弁62、逆洗弁64、第1ドレン弁66、第2ドレン弁67、真空弁69、計測器側開閉弁72を開閉制御可能となっている。
【0055】
例えば、第1ストレーナ41にて、入口弁43と出口弁44を閉止し、ベント弁62と真空弁69と計測器側開閉弁72を開放することで、ケーシング51内の処理水を排出しているとき、制御装置73は、水位計71が計測したケーシング51内の水位が予め設定された所定水位まで低下すると、つまり、ケーシング51内の処理水がなくなると、真空弁69を閉止すると共に逆洗弁64及び各ドレン弁66,67を開放する。即ち、ケーシング51内の処理水の排出作業と、スクリーン52からの異物除去及び排出作業を連続して実施する。
【0056】
ここで、第1実施形態のストレーナの洗浄装置による第1ストレーナ41の洗浄方法について説明する。
図2は、第1実施形態のストレーナの洗浄方法を表すフローチャートである。
【0057】
第1実施形態のストレーナの洗浄方法は、入口弁43と出口弁44を閉止する工程と、出口側室54を大気開放する工程と、ケーシング51の内部圧力を出口側室54に接続される吸引ライン68の圧力より高く調整する工程と、ケーシング51内の水位が所定水位まで低下すると出口側室54に洗浄水を供給すると共にドレンライン65を開放する工程とを有している。
【0058】
具体的に説明すると、
図3に示すように、復水器13に接続される第1給水ライン31は、各分岐ライン32,33に分岐され、分岐ライン32に入口弁43と第1ストレーナ41と出口弁44が設けられ、分岐ライン33に入口弁45と第2ストレーナ42と出口弁46が設けられている。そのため、各入口弁43,45と出口弁44,46を交互に開閉することで、第1ストレーナ41と第2ストレーナ42を交互に使用する。ここでは、第2ストレーナ42が清掃済で待機状態にあり、使用中の第1ストレーナ41を待機状態として洗浄する場合について説明する。なお、ストレーナの使用状態、即ち、通水状態では、ベント弁62、第1ドレン弁66、第2ドレン弁67、真空弁69、計測器側開閉弁72は閉止状態である。
【0059】
第1実施形態のストレーナの洗浄方法において、ステップS11にて、待機側の第2ストレーナ42の入口弁45及び出口弁46を開放して第2ストレーナ42に通水し、ステップS12にて、清掃側(使用中)の第1ストレーナ41の入口弁43及び出口弁44を閉止して第1ストレーナ41への通水を停止する。そして、
図1及び
図2に示すように、ステップS13にて、ベント弁62を開放してケーシング51の出口側室54を大気開放することで、ケーシング51の内部(入口側室53と出口側室54)に外気を導入する。
【0060】
ステップS14にて、計測器側開閉弁72を開放してケーシング51(出口側室54)と水位計71を連通し、水位計71によりケーシング51内の処理水の水位を計測可能とする。そして、ステップS15にて、真空弁69を開放して吸引ライン68により出口側室54と入口ライン32aとを連通する。すると、入口ライン32aの真空度が吸引ライン68を通して出口側室54に作用し、出口側室54の圧力が吸引ライン68の圧力より相対的に高くなる。そのため、出口側室54内の処理水が吸引ライン68から入口ライン32aに流れることで、ケーシング51内の水位が減少する。なお、出口側室54内の処理水は、スクリーン52を通過してろ過処理されたろ過水であることから、入口ライン32aに流れ込んでも、復水が汚れることはない。
【0061】
制御装置73は、水位計71が計測しているケーシング51内の処理水の水位を把握しており、ステップS16にて、ケーシング51内の水位が所定水位レベルまで低下したかどうかを判定している。ここで、ケーシング51内の水位が所定水位レベルまで低下していないと判定(No)すると、この処理を継続し、ケーシング51内の水位が所定水位レベルまで低下したと判定(Yes)すると、ステップS17に移行する。ステップS17では、真空弁69を閉止して吸引ライン68による出口側室54と入口ライン32aとの連通を遮断し、ステップS18では、計測器側開閉弁72を閉止して水位計71によるケーシング51内の処理水の水位の計測を停止する。
【0062】
そして、ステップS19にて、第1ドレン弁66及び第2ドレン弁67を開放することで、ドレンライン65による入口側室53からのケーシング51内の処理水の排出を可能とする。また、ステップS20にて、逆洗弁64を開放することで、第2給水ライン34の給水を洗浄水として出口側室54内に供給する。すると、逆洗ライン63から出口側室54内に供給された給水が図示しないノズルによりスクリーン52における出口側室54側の面に噴射されることで、スクリーン52における入口側室53側の面に付着している異物が除去される。そして、スクリーン52から除去された異物は、給水と共に入口側室53からドレンライン65に流れ込み、排水処理設備に排出されて処理される。
【0063】
ステップS21では、逆洗弁64を開放してから予め設定された所定時間が経過したかどうかを判定する。この所定時間とは、スクリーン52の洗浄時間であり、スクリーン52からほとんどの異物を除去可能な洗浄時間を予め実験等により確認しておく。ここで、逆洗弁64を開放してから所定時間が経過していないと判定(No)されるとこの処理を継続し、逆洗弁64を開放してから所定時間が経過したと判定(Yes)されると、ステップS22に移行する。
【0064】
制御装置73は、ステップS22にて、逆洗弁64を閉止し、ステップS23にて、第1ドレン弁66及び第2ドレン弁67を閉止し、ステップS24にて、ベント弁62を閉止する。そして、ステップS25にて、出口側室54と出口弁44の間に設けられ復水器13に接続された図示しないバランス弁を開放することにより、ケーシング51内の空気を除去して真空状態とする。その後、入口弁43を開放することによりケーシング51に復水が満たされ通水の準備がなされる。
【0065】
このように第1実施形態のストレーナの洗浄装置にあっては、出口側室54に接続されるベントライン61と、ベントライン61に設けられるベント弁62と、出口側室54に接続されて洗浄水を供給可能な逆洗ライン63と、逆洗ライン63に設けられる逆洗弁64と、入口側室53に接続されて異物を排出可能なドレンライン65と、ドレンライン65に設けられるドレン弁66,67と、ケーシング51の内部圧力を吸引ライン68の圧力より高く調整する差圧発生装置とを備えている。
【0066】
従って、ベント弁62により出口側室54を大気に開放し、差圧発生装置によりケーシング51の内部圧力を吸引ライン68の圧力より高くなるように調整すると、ケーシング51内の処理水が吸引ライン68に流れてケーシング51内の水位が低下する。その後、所定の水位になった時点で、真空弁69を閉止し、逆洗弁64を開放して洗浄水を逆洗ライン63から出口側室54に供給すると共にドレン弁66,67を開放すると、スクリーン52に付着していた異物が除去され、異物が入口側室53からドレンライン65に排出される。即ち、差圧発生装置によりケーシング51の内部圧力を吸引ライン68の圧力より高く調整することで、ケーシング51内の処理水を早期に吸引ライン68に排出することができ、ストレーナ14の洗浄処理時間を短縮して処理効率を向上することができる。また、ストレーナ14の洗浄処理時間を短縮することができることから、それぞれのストレーナ41,42の交互の洗浄回数を増やせば、ストレーナ14(41,42)は小型であっても対応できるので、製造コストを低減することができる。
【0067】
第1実施形態のストレーナの洗浄装置では、差圧発生装置として、出口側室54に接続されるベントライン61と、ベントライン61に設けられるベント弁62と、吸引ライン68と、吸引ライン68に設けられる真空弁69とを設けている。従って、真空弁69を開放すると、吸引ライン68から出口側室54に吸引力が作用し、ケーシング51の内部圧力が吸引ライン68の圧力より高くなり、ケーシング51内の処理水を吸引ライン68に急速に流すことができ、ケーシング51内の水位を早期に低下させることができる。
【0068】
第1実施形態のストレーナの洗浄装置では、第1給水ライン31は、真空圧状態に維持され、吸引ライン68を第1給水ライン31における入口弁43より上流側の入口ライン32aに接続している。従って、吸引ライン68を真空圧状態に維持された入口ライン32aに接続するだけで、ケーシング51内の処理水を吸引ライン68に流し、ケーシング51内の水位を早期に低下させることができる。
【0069】
第1実施形態のストレーナの洗浄装置では、吸引ライン68をドレンライン65に接続し、ドレンライン65における吸引ライン68との接続部の上流側と下流側にそれぞれ第1ドレン弁66と第2ドレン弁67を設けている。従って、ケーシング51内の水位が低下した後、真空弁69を閉止した後、逆洗弁64を開放して洗浄水を逆洗ライン63から出口側室54に供給すると共に、第1ドレン弁66及び第2ドレン弁67を開放すると、スクリーン52に付着していた異物が入口側室53からドレンライン65に排出されると共に、吸引ライン68に残っている処理水も排出することができる。
【0070】
第1実施形態のストレーナの洗浄装置では、ケーシング51内の水位を検出または推定する水位検出推定装置と、ケーシング51内の水位が予め設定された所定水位まで低下すると、真空弁69を閉止すると共に逆洗弁64及びドレン弁66,67を開放する制御装置73とを設けている。従って、ケーシング内51の水位が所定水位まで低下すると、真空弁69を閉止すると共に逆洗弁64及びドレン弁66,67を開放するため、ケーシング51内の排水と異物除去を連続して実施することができる。
【0071】
また、第1実施形態のストレーナの洗浄方法にあっては、入口弁43と出口弁44を閉止する工程と、出口側室54を大気開放する工程と、ケーシング51の内部圧力を入口側室53に接続される吸引ライン68の圧力より高く調整する工程と、ケーシング51内の水位が予め設定された所定水位まで低下すると出口側室54に洗浄水を供給すると共にドレンライン65を開放する工程とを有している。
【0072】
従って、ケーシング51の内部圧力を出口側室54に接続される吸引ライン68の圧力より高く調整することで、ケーシング51内の処理水を早期に吸引ライン68に排出することができ、ストレーナ14(41,42)の洗浄処理時間を短縮して処理効率を向上することができる。
【0073】
なお、上述した第1実施形態では、ケーシング51の内部の水位を検出する水位検出推定装置として、計測ライン70と水位計71と計測器側開閉弁72を設けたが、この構成に限定されるものではない。例えば、入口弁43と出口弁44を閉止し、ベント弁62と真空弁69を開放してから、ケーシング51内の水位が所定水位まで低下する時間を予め実験等により計測しておく。そして、制御装置73は、ベント弁62と真空弁69を開放してから所定時間が経過したら、真空弁69を閉止すると共に逆洗弁64及び各ドレン弁66,67を開放するようにしてもよい。
【0074】
[第2実施形態]
図4は、第2実施形態のストレーナの洗浄装置を表す概略図、
図5は、第2実施形態のストレーナの洗浄方法を表すフローチャートである。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0075】
第2実施形態において、
図4に示すように、ケーシング51は、出口側室54にベントライン61が接続され、ベント弁62が設けられている。ケーシング51は、出口側室54に逆洗ライン63が接続され、逆洗弁64が設けられている。ケーシング51は、入口側室53にドレンライン65が接続され、ドレン弁66が設けられている。
【0076】
第1ストレーナ41は、ケーシング51の内部圧力をドレンライン65の圧力より高く調整する差圧発生装置が設けられている。差圧発生装置は、逆洗ライン63に接続される加圧ライン81と、加圧ライン81に設けられる加圧弁82及び加圧ポンプ(加圧装置)83とを有している。即ち、加圧ライン81は、一端部が逆洗ライン63における逆洗弁64より出口側室54側に接続され、加圧弁82と加圧ポンプ83が設けられている。この場合、加圧ライン81は、出口側室54に直接接続してもよいし、入口側室53に接続してもよい。また、ここでは、加圧装置として加圧ポンプ83を適用したが、プラント内に加圧エアラインがあれば、加圧ライン81をこの加圧エアラインに接続してもよい。
【0077】
そのため、加圧弁82を開放して加圧ポンプ83を駆動すると、加圧空気が加圧ライン81及び逆洗ライン63を通して出口側室54に供給される。すると、ベント弁62は閉止されているので、ケーシング51(出口側室54)は、加圧ライン81から加圧空気が供給されることで、ケーシング51の内部圧力がドレンライン65の圧力より高くなる。
【0078】
制御装置73は、入口弁43、出口弁44、ベント弁62、逆洗弁64、ドレン弁66、加圧弁82に接続されていると共に、外部の操作装置(図示略)からの制御信号が入力可能となっている。制御装置73は、操作装置からの制御信号に応じて入口弁43、出口弁44、ベント弁62、逆洗弁64、ドレン弁66、加圧弁82を開閉制御可能となっている。
【0079】
ここで、第2実施形態のストレーナの洗浄装置による第1ストレーナ41の洗浄方法について説明する。なお、ストレーナの使用状態、即ち、通水状態では、ベント弁62、逆洗弁64、ドレン弁66、加圧弁82は閉止状態である。
【0080】
第2実施形態のストレーナの洗浄方法において、
図3及び
図5に示すように、ステップS31にて、待機側の第2ストレーナ42の入口弁45及び出口弁46を開放して第2ストレーナ42に通水し、ステップS32にて、清掃側(使用中)の第1ストレーナ41の入口弁43及び出口弁44を閉止して第1ストレーナ41への通水を停止する。
【0081】
ステップS33にて、ドレン弁66を開放することで、ドレンライン65による入口側室53からのケーシング51内の処理水の排出を可能とする。そして、ステップS34にて、加圧弁82を開放すると共に加圧ポンプ83を駆動して加圧ライン81及び逆洗ライン63により出口側室54に加圧空気を供給する。すると、ケーシング51の出口側室54の圧力がドレンライン65の圧力より相対的に高くなる。そのため、ケーシング51内の処理水が入口側室53からドレンライン65により排出されることで、ケーシング51内の水位が減少する。
【0082】
ステップS35にて、加圧弁82を開放してから予め設定された所定時間が経過したかどうかを判定する。この所定時間とは、ケーシング51内の処理水が排出される排出時間であり、予め実験等により確認しておく。ここで、加圧弁82を開放してから所定時間が経過していないと判定(No)されるとこの処理を継続し、加圧弁82を開放してから所定時間が経過したと判定(Yes)されると、ステップS36に移行する。ステップS36では、加圧弁82を閉止すると共に加圧ポンプ83の駆動を停止する。
【0083】
そして、ステップS37にて、逆洗弁64を開放することで、第2給水ライン34の給水を洗浄水として出口側室54内に供給する。すると、逆洗ライン63から出口側室54内に供給された給水が図示しないノズルによりスクリーン52における出口側室54側の面に噴射されることで、スクリーン52における入口側室53側の面に付着している異物が除去される。
【0084】
ステップS38では、逆洗弁64を開放してから予め設定された所定時間(洗浄時間)が経過したかどうかを判定する。ここで、逆洗弁64を開放してから所定時間が経過していないと判定(No)されるとこの処理を継続し、逆洗弁64を開放してから所定時間が経過したと判定(Yes)されると、ステップS39に移行する。制御装置73は、ステップS39にて、逆洗弁64を閉止し、ステップS40にて、ベント弁62を開放する。これにより、スクリーン52から除去された異物は、洗浄水と共に入口側室53からドレンライン65に流れ込み、排水処理設備に排出されて処理される。次いで、ステップS41にて、ベント弁62の開放時間が異物と給水を排出するのに適切な予め設定した所定時間が経過したかどうかを判定する。ベント弁62を開放してから所定時間が経過していないと判定(No)されるとこの処理を継続し、所定時間が経過したと判定(Yes)されると、ステップS42にてベント弁62を閉止し、ステップS43にて、ドレン弁66を閉止する。そして、ステップS44にて、出口側室54と出口弁44の間に設けられ復水器13に接続された図示しないバランス弁を開放することにより、ケーシング51内の空気を除去して真空状態とする。その後、入口弁43を開放することによりケーシング51に復水が満たされ通水の準備がなされる。
【0085】
このように第2施形態のストレーナの洗浄装置にあっては、差圧発生装置として、出口側室54に接続される加圧ライン81と、加圧ライン81に設けられる加圧弁82とを設けている。
【0086】
従って、ドレン弁66によりドレンライン65を開放した状態で、加圧弁82を開放すると、ケーシング51内に加圧空気が供給されることでケーシング51の内部圧力がドレンライン65の圧力より高くなり、ケーシング51内の処理水がドレンライン65に流れてケーシング51内の水位が低下する。ここで、逆洗弁64を開放して洗浄水を逆洗ライン63から出口側室54に供給すると、スクリーン52に付着していた異物が除去され、異物が入口側室53からドレンライン65に排出される。即ち、加圧ライン81からの加圧空気によりケーシング51の内部圧力をドレンライン65の圧力より高く調整することで、ケーシング51内の処理水を早期にドレンライン65に排出することができ、ストレーナ14の洗浄処理時間を短縮して処理効率を向上することができる。また、出口側室54に加圧ライン81を接続するだけでケーシング51内の水位を早期に低下させることができる。
【0087】
第2実施形態のストレーナの洗浄装置では、加圧ライン81に加圧装置としての加圧ポンプ83を設けている。従って、加圧ライン81に加圧ポンプ83を設けるだけで、ケーシング51内の処理水をドレンライン65に流し、ケーシング51内の水位を早期に低下させることができる。
【0088】
[第3実施形態]
図6は、第3実施形態のストレーナの洗浄装置を表す概略図、
図7は、第3実施形態のストレーナの洗浄方法を表すフローチャートである。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0089】
第3実施形態において、
図6に示すように、ケーシング51は、出口側室54にベントライン61が接続され、ベントライン61にベント弁62が設けられている。ケーシング51は、出口側室54に逆洗ライン63が接続され、逆洗ライン63に逆洗弁64が設けられている。ケーシング51は、入口側室53にドレンライン65が接続され、ドレンライン65に第1ドレン弁66と第2ドレン弁67が直列に設けられている。
【0090】
第1ストレーナ41は、ケーシング51の内部圧力をドレンライン65の圧力より高く調整する差圧発生装置が設けられている。差圧発生装置は、逆洗ライン63に接続される加圧ライン81と、加圧ライン81に設けられる加圧弁82及び加圧ポンプ83とを有している。また、差圧発生装置は、ケーシング51の出口側室54に接続される吸引ライン68と、吸引ライン68に設けられる真空弁69とを有している。
【0091】
ここで、第3実施形態のストレーナの洗浄装置による第1ストレーナ41の洗浄方法について説明する。なお、ストレーナの使用状態、即ち、通水状態では、ベント弁62、逆洗弁64、第1ドレン弁66、第2ドレン弁67、真空弁69、計測器側開閉弁72、加圧弁82は閉止状態である。
【0092】
第3実施形態のストレーナの洗浄方法において、
図3及び
図7に示すように、ステップS51にて、待機側の第2ストレーナ42の入口弁45及び出口弁46を開放して第2ストレーナ42に通水し、ステップS52にて、清掃側(使用中)の第1ストレーナ41の入口弁43及び出口弁44を閉止して第1ストレーナ41への通水を停止する。
【0093】
ステップS53にて、加圧弁82を開放すると共に加圧ポンプ83を駆動して加圧ライン81及び逆洗ライン63により出口側室54に加圧空気を供給する。また、ステップS54にて、計測器側開閉弁72を開放してケーシング51(出口側室54)と水位計71を連通し、水位計71によりケーシング51内の処理水の水位を計測可能とする。そして、ステップS55にて、真空弁69を開放して吸引ライン68により出口側室54と入口ライン32aとを連通する。
【0094】
すると、出口側室54に加圧空気が供給されることで、ケーシング51の出口側室54の圧力が高くなる。また、入口ライン32aの真空度が吸引ライン68を通して出口側室54に作用することでも、ケーシング51の出口側室54の圧力が高くなる。その結果、ケーシング51の出口側室54の圧力が吸引ライン68の圧力より相対的に高くなる。そのため、出口側室54内の処理水が吸引ライン68から入口ライン32aに流れることで、ケーシング51内の水位が急速に減少する。
【0095】
制御装置73は、ステップS56にて、ケーシング51内の水位が所定水位レベルまで低下したかどうかを判定している。ここで、ケーシング51内の水位が所定水位レベルまで低下していないと判定(No)すると、この処理を継続し、ケーシング51内の水位が所定水位レベルまで低下したと判定(Yes)すると、ステップS57に移行する。ステップS57では、加圧弁82を閉止すると共に加圧ポンプ83の駆動を停止する。また、ステップS58では、真空弁69を閉止して吸引ライン68による出口側室54と入口ライン32aとの連通を遮断し、ステップS59では、計測器側開閉弁72を閉止して水位計71によるケーシング51内の処理水の水位の計測を停止する。
【0096】
そして、ステップS60にて、第1ドレン弁66及び第2ドレン弁67を開放することで、ドレンライン65による入口側室53からのケーシング51内の処理水の排出を可能とする。また、ステップS61にて、逆洗弁64を開放することで、第2給水ライン34の給水を洗浄水として出口側室54内に供給する。すると、逆洗ライン63から出口側室54内に供給された給水が図示しないノズルによりスクリーン52における出口側室54側の面に噴射されることで、スクリーン52における入口側室53側の面に付着している異物が除去される。
【0097】
ステップS62では、逆洗弁64を開放してから予め設定された所定時間が経過したかどうかを判定する。ここで、逆洗弁64を開放してから所定時間が経過していないと判定(No)されるとこの処理を継続し、逆洗弁64を開放してから所定時間が経過したと判定(Yes)されると、ステップS63に移行する。制御装置73は、ステップS63にて、逆洗弁64を閉止し、ステップS64にてベント弁62を開放する。これにより、スクリーン52から除去された異物は、洗浄水と共に入口側室53からドレンライン65に流れ込み、排水処理設備に排出されて処理される。次いで、ステップS65にて、ベント弁62の開放時間が異物と給水を排出するのに適切な予め設定した所定時間が経過したかどうかを判定する。ベント弁62を開放してから所定時間が経過していないと判定(No)されるとこの処理を継続し、所定時間が経過したと判定(Yes)されると、ステップS66にてベント弁62を閉止し、ステップS67にて、第1ドレン弁66及び第2ドレン弁67を閉止する。そして、ステップS68にて、出口側室54と出口弁44の間に設けられ復水器13に接続された図示しないバランス弁を開放することにより、ケーシング51内の空気を除去して真空状態とする。その後、入口弁43を開放することによりケーシング51に復水が満たされ通水の準備がなされる。
【0098】
このように第3施形態のストレーナの洗浄装置にあっては、差圧発生装置として、出口側室54に接続される吸引ライン68と、吸引ライン68に設けられる真空弁69とを設けると共に、出口側室54に接続される加圧ライン81と、加圧ライン81に設けられる加圧弁82とを設けている。
【0099】
従って、加圧ライン81からの加圧空気と、吸引ライン68による吸引力によりケーシング51の内部圧力を吸引ライン68の圧力より高く調整することで、ケーシング51内の処理水を早期に吸引ラインに排出することができ、ストレーナ14の洗浄処理時間を短縮して処理効率を向上することができる。
【0100】
なお、上述した第2、第3実施形態では、逆洗弁64を閉止したのちにベント弁62を所定時間開放するように構成したが、加圧弁82を閉止後、逆洗弁64を開放する前にベント弁62を開放し、逆洗弁64を閉止した後、所定時間経過後にベント弁62を閉止するようにしてもよい。この構成によれば、ベント弁62の開放時間をより短くすることが可能となる。
【0101】
また、上述した第2、第3実施形態では、逆洗ライン63による洗浄で生じた異物と洗浄水の排出のために、ベント弁62を開放し、ドレンライン65から排出するようにしたが、ベントライン61及びベント弁62を設けずに、逆洗ライン63による洗浄後、すなわち逆洗弁64を閉止後に、加圧弁82を開放し、加圧ライン81による圧力により、ドレンライン65から異物と洗浄水を排出するようにしてもよい。これにより、ベントライン61による排出よりも、より早く異物と洗浄水を排出することが可能となる。
【0102】
また、上述した第1〜第3実施形態では、制御装置73によって自動制御するよう構成したが、手動操作によって実施してもよい。
【0103】
また、上述した第1〜第3実施形態では、復水器13に接続される第1給水ライン31を2つの分岐ライン32,33に分岐し、分岐ライン32に入口弁43と第1ストレーナ41と出口弁44を設け、分岐ライン33に入口弁45と第2ストレーナ42と出口弁46を設けたが、この分岐数は2つに限らず3つ以上としてもよい。
【0104】
また、上述した第1〜第3実施形態では、本発明のストレーナの洗浄装置及び方法を火力発電プラントの給水系統に適用して説明したが、原子力発電プラントや地熱発電プラントの給水系統、または、その他の給水系統に適用することもできる。