(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1無機絶縁層と接触する前記領域は、前記表示部の外側に位置すると共に、前記第1有機絶縁層の前記端部の前記表示部とは反対の側、且つ前記第2有機絶縁層の前記端部の前記表示部とは反対の側に位置すること、
を特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載の表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
【0010】
また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。さらに各要素に対する「第1」、「第2」と付記された文字は、各要素を区別するために用いられる便宜的な標識であり、特段の説明がない限りそれ以上の意味を有さない。
【0011】
また、本明細書において、ある部材又は領域が他の部材又は領域の「上に(又は下に)」あるとする場合、特段の限定がない限りこれは他の部材又は領域の直上(又は直下)にある場合のみでなく他の部材又は領域の上方(又は下方)にある場合を含み、すなわち、他の部材又は領域の上方(又は下方)において間に別の構成要素が含まれている場合も含む。なお、以下の説明では、特に断りのない限り、断面視においては、第1基板に対して表示素子が配置される側を「上」又は「表面」といい、その逆を「下」又は「裏面」として説明する。
【0012】
<第1実施形態>
(1−1.表示装置の構成)
図1に、本発明の一実施形態に係る表示装置10の上面図を示す。
図1において、表示装置10は、基板100と、複数の表示素子130を有する表示部103と、周縁部104と、ソースドライバとしての機能を有する駆動回路106と、ゲートドライバとしての機能を有する駆動回路107と、フレキシブルプリント基板108とを有する。表示装置10において、表示部103と、駆動回路106、駆動回路107、およびフレキシブルプリント基板108は、それぞれ電気的に接続される。駆動回路106および駆動回路107は、ASIC(Application Specific Integlated Circuit)等の集積回路で構成される。表示装置10は、フレキシブルプリント基板108を介して外部からの映像信号を入力することにより駆動回路106、駆動回路107が画素102を駆動し、表示部103において静止画および動画を表示することができる。
【0013】
次に、表示装置10のA1−A2間の断面図を
図2に示す。A1−A2間には、表示部103および、周縁部104が含まれる。
図2に示すように、表示装置10は、第1基板100、絶縁層141、トランジスタ110、容量素子120、容量素子122、表示素子130、絶縁層150、隔壁157、封止層161、充填材174、および第2基板101を含む。
【0014】
(1−2.封止層の構成)
表示装置10において、封止層161には、第1無機絶縁層162、第1有機絶縁層164、第2有機絶縁層166、第2無機絶縁層168が含まれる。以下に各層について説明する。
【0015】
第1無機絶縁層162は、表示部103を覆う。第1無機絶縁層162は、表示素子130への水の侵入を防止する機能を有する。第1無機絶縁層162には、無機絶縁材料が用いられる。無機絶縁材料としては、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコンから選ばれた一種又は複数種が用いられる。また、無機絶縁層162の膜厚は、数十nm以上5μm未満としてもよい。
【0016】
第1有機絶縁層164は、第1無機絶縁層162上に設けられる。第1有機絶縁層164にはアクリル、エポキシ、ポリイミド等の有機絶縁材料が用いられる。第1有機絶縁層164の膜厚は、5μm以上20μm未満であってもよい。第1有機絶縁層164の端部は、周縁部104に設けられる。
【0017】
第2有機絶縁層166は、第1有機絶縁層164を覆う。第2有機絶縁層166には、第1有機絶縁層164と同様に、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド等の有機絶縁材料が用いられる。第2有機絶縁層166の膜厚は、第1有機絶縁層164の膜厚よりも小さくてもよい。例えば、第2有機絶縁層166の膜厚は、1μm以上、5μm未満であってもよい。また、第2有機絶縁層166の端部は、第1有機絶縁層164の端部よりも外側に設けられる。また、第2有機絶縁層166の端部は、下面D2と側面S2とによりテーパー形状を有する。上記テーパー形状のテーパー角T2(第2有機絶縁層166の端部に位置する側面S2と、第2有機絶縁層166の下層に位置する第1無機絶縁層162と直に接する下面D2とがなす角)は、第1有機絶縁層164の端部において下面D1と側面S1とにより設けられたテーパー角T1(第1有機絶縁層164の端部に位置する側面S1と、第1有機絶縁層164の下層に位置する第1無機絶縁層162と直に接する下面D1とがなす角)よりも小さい。
【0018】
また、第2有機絶縁層166は、水または酸素と反応する化合物を含んでもよい。水分と反応して発色する色素としては、フェノールフタレイン、チモールフタレイン、炭酸ナトリウムなどが用いられる。酸素と反応して発色する化合物としては、例えばインジゴガーミン、またはメチレンブルーなどが用いられる。上記化合物を有することにより、封止層161に存在する欠陥を容易に発見することができる。なお、水分と反応する材料には、色素以外にアルカリ金属、アルカリ土類金属などが設けられてもよい。
【0019】
第2無機絶縁層168は、第2有機絶縁層166を覆う。また、第2無機絶縁層168は、第1無機絶縁層162と接触される。第2無機絶縁層168には、第1無機絶縁層162と同様の材料が用いられてもよい。
【0020】
なお、第2無機絶縁層168は、第1無機絶縁層162と接触されるように設けられることにより、水分の遮断効果は高められる。また、上述の通り、第2有機絶縁層166の端部のテーパー角T2が小さいことにより、第2無機絶縁層168の被覆率が高められる。これにより、第2無機絶縁層168の欠陥の発生が抑えられ、水分の遮断効果がさらに高められる。したがって、表示装置10は、表示素子130への水分侵入を防止する十分な封止性能を有しているということができる。
【0021】
(1−3.表示装置のその他の構成)
以下に、表示装置10のその他の構成について説明する。第1基板100、第2基板101は、ガラス基板又は有機樹脂基板が用いられる。有機樹脂基板には、例えば、ポリイミド基板が用いられる。なお、第1基板100、第2基板101の第2面(断面を見た際の、基板外側の面)にカバーガラス、保護フィルムなどを設けられてもよい。
【0022】
絶縁層141は、下地膜としての機能を有する。絶縁層141は、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化シリコン、窒化酸化シリコンなどが用いられる。絶縁層141は、単層であっても、積層であってもよい。
【0023】
トランジスタ110は、半導体層142、ゲート絶縁層143、ゲート電極層145、ソース・ドレイン電極層147等を有する。トランジスタ110は、nチャネルおよびpチャネル両方を有している場合は、CMOS構造を有してもよい。
【0024】
半導体層142は、シリコン、シリコンゲルマニウム、酸化物半導体、有機物半導体などが用いられる。例えば、シリコンには、アモルファスシリコン、多結晶シリコンが用いられる。酸化物半導体には、例えばインジウム、ガリウム、亜鉛を有する酸化物(IGZO)が用いられる。
【0025】
ゲート絶縁層143には、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコンなどの高誘電材料が用いられる。
【0026】
絶縁層149、絶縁層154は、絶縁層141またはゲート絶縁層143と同様の材料が用いられる。また、絶縁層149、絶縁層154は、単層としてもよいし、上記材料の積層構造としてもよい。
【0027】
ゲート電極層145には、タングステン、アルミニウム、クロム、銅、チタン、タンタル、モリブデン、タングステン、から選ばれた金属元素、または上記金属元素を成分とする合金か、上述した金属元素を組み合わせた合金等が用いられる。ゲート電極層145は、窒素、酸素、水素などを有してもよい。また、ゲート電極層145は、上記材料の積層としてもよい。ソース・ドレイン電極層147には、ゲート電極層145と同様の材料が用いられる。
【0028】
絶縁層150は、平坦化膜としての機能を有する。絶縁層150には有機絶縁材料、無機絶縁材料、または有機材料と無機材料の積層された絶縁材料が用いられる。絶縁層150は、周縁部104において側面部を有してもよい。
【0029】
導電層153は、ゲート電極層145またはソース・ドレイン電極層147と同様の材料が用いられる。
【0030】
容量素子120は、ゲート絶縁層143を誘電体層として、半導体層142のソースまたはドレイン領域と、ゲート電極層145と同層に設けられた導電層146とが重畳する領域に設けられる。また、容量素子122は、絶縁層154を誘電体として、導電層153および導電層155を用いて構成される。
【0031】
表示素子130は、有機EL素子であってもよい。表示素子130には、導電層155、有機EL層159、および導電層160が用いられる。表示素子130は、有機EL層159で発光した光を導電層160側に放射する、いわゆるトップエミッション型の構造を有する。
【0032】
導電層155は、画素電極としての機能を有し、さらに光を反射させる性質を有することが好ましい。例えば導電層155には、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、等の光反射性の金属材料が用いられてもよい。また、導電層155は、正孔注入性に優れるITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウムスズ)やIZO(Indium Zinc Oxide:酸化インジウム亜鉛)による透明導電層と、光反射性の金属層とが積層された構造を有してもよい。
【0033】
有機EL層159は、有機エレクトロルミネセンス材料などの発光材料が用いられる。有機EL層159は、低分子系又は高分子系の有機材料を用いて形成される。また、図示を省略するが、有機EL層159は、発光性の有機材料を含む発光層に加え、当該発光層を挟むように正孔注入層や電子注入層、さらに正孔輸送層や電子輸送層等含んで構成されてもよい。
【0034】
導電層160は、有機EL層159で発光した光を透過させるため、透光性を有し、かつ導電性を有する材料が用いられる。導電層160には銀(Ag)とマグネシウム(Mg)との合金の薄膜が用いられる。また、ITOやIZO等の透明導電膜が用いられてもよい。
【0035】
隔壁157は、導電層155の周縁部を覆うと共に、導電層155の端部で滑らかな段差を形成するために設けられる。隔壁157には、有機樹脂材料を用いることができる。例えば、隔壁157として、アクリルやポリイミドなどが用いられる。隔壁157は、周縁部104において、側面部を有してもよい。隔壁157の側面は、第1無機絶縁層162により覆われる。
【0036】
充填材174には、無機材料、有機材料、または、有機材料と無機材料の複合材料が用いられる。例えば、充填材174には、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などが用いられる。
【0037】
(1−4.表示装置の製造方法)
以下、表示装置10の製造方法について、
図3乃至
図12を用いて説明する。
【0038】
まず、
図3に示すように、第1基板100の第1面(断面方向から見た場合の上面)に、絶縁層141、トランジスタ110(半導体層142、ゲート絶縁層143及びゲート電極層145により構成される)及び容量素子120(導電層146、ゲート絶縁層143、半導体層142のソース・ドレイン領域により構成される)、ソース・ドレイン電極層147、絶縁層149、絶縁層150を形成する。
【0039】
半導体層142、ゲート電極層145、及びソース・ドレイン電極層147は、化学気相堆積(Chemical Vapor Deposition:CVD)法、スパッタリング法、真空蒸着法などにより形成される。半導体層142、ゲート電極層145、及びソース・ドレイン電極層147は、適宜フォトリソグラフィ法、ナノインプリンティング法、インクジェット法、エッチング法などを用いて、所定の形状に加工される。
【0040】
絶縁層141、ゲート絶縁層143、および絶縁層149は、CVD法、スパッタリング法、真空蒸着法、スピンコーティング法などにより形成される。
【0041】
絶縁層150は、スピンコーティング法、インクジェット法、ラミネート法、ディップコーティング法等により形成される。絶縁層150は、周縁部104において、側面部を有するように加工される。
【0042】
次に、
図4に示すように、絶縁層150上に、容量素子122(導電層153、絶縁層154、導電層155により構成される)、表示素子130(導電層155、有機EL層159、導電層160で形成される)、隔壁157を形成する。各層は、適宜フォトリソグラフィ法、ナノインプリンティング法、インクジェット法、エッチング法などにより、所定の形状に加工される。
【0043】
導電層153、導電層155および導電層160は、スパッタリング法、真空蒸着法、メッキ法などにより形成される。
【0044】
絶縁層154は、CVD法(プラズマCVD法、熱CVD法)、スピンコーティング法、印刷法などにより形成される。
【0045】
隔壁157は、有機EL層159の上面を露出するように開口部が形成される。隔壁157の開口部の端部は、なだらかなテーパー形状となるように形成されてもよい。また、隔壁157は、周縁部104において、側面部を有するように加工される。
【0046】
有機EL層159は、少なくとも導電層155と重なるように形成される。例えば、有機EL層159は、真空蒸着法、印刷法、スピンコーティング法などにより形成される。有機EL層159を真空蒸着法により形成する場合、シャドーマスクを用い、成膜されない領域を設けてもよい。有機EL層159は、隣接する画素と異なる材料を用いて形成されてもよいし、全ての画素において同一の有機EL層159を用いて形成されてもよい。
【0047】
次に、
図5に示すように、導電層160上に、第1無機絶縁層162を形成する。このとき、第1無機絶縁層162は表示部103を覆うように形成される。第1無機絶縁層162は、CVD法、真空蒸着法、スパッタリング法などにより形成される。また、第1無機絶縁層162には、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコンなどが用いられる。例えば、第1無機絶縁層162には、プラズマCVD法により形成した窒化シリコン膜が用いられる。
【0048】
次に、
図6に示すように、第1無機絶縁層162上に、第1有機絶縁層164を形成する。第1有機絶縁層164は、スクリーン印刷法またはインクジェット法により形成されてもよい。例えば、インクジェット法により第1有機絶縁層164を形成する場合、
図7に示すように、吐出位置P1に対して第1有機絶縁層164に相当する第1有機材料(インク164a)が吐出される。インク164aには、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂が用いられる。吐出されたインク164aは、濡れ広がることにより、表示部103を覆うように形成される。なお、インク164aの吐出量は、数ピコリットルから数十ピコリットルとして適宜設定すればよい。例えば、インク164aの吐出量は、14ピコリットルとしてもよい。
【0049】
次に、
図8に示すように、第1有機絶縁層164上に第2有機絶縁層166を形成する。第2有機絶縁層166は、インクジェット法により形成されてもよい。第2有機絶縁層166には、第1有機絶縁層164と同じ材料が用いられてもよいし、異なる材料が用いられてもよい。例えば、インクジェット法により第1有機絶縁層164を形成する場合、
図9に示すように、インク164aの吐出位置P1と異なる吐出位置P2に対して第2有機絶縁層166に相当するインク第2有機材料(インク166a)が吐出される。インク166aには、インク164aと同一の材料が用いられてもよいし、異なる材料が用いられてもよい。例えば、インク166aには、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂が用いられる。吐出されたインク166aは、濡れ広がることにより、第1有機絶縁層164を覆うように形成される。なお、インク166aの吐出量は、数ピコリットルから数十ピコリットルとして適宜設定すればよい。例えば、インク166aの吐出量は、14ピコリットルとしてもよい。
【0050】
ここで、インク166aは、インク164aに比べて粘性が低い。例えば、第1有機絶縁層164形成時のインク164aの粘度は、10mPa・s以上50mPa・s未満であって、第2有機絶縁層166形成時のインク166aの粘度は、1mPa・s以上10mPa・s未満であってもよい。これにより、インク166aは、インク164aに比べて濡れ広がりやすくなる。例えば、
図10に示すように、吐出位置P1’にインク164aが吐出されず、凹凸が発生してしまっても、インク166aにより凹凸が埋まりやすい。したがって、封止層161の平坦性が向上する。
【0051】
また、第2有機絶縁層166形成時の基板100またはインク166aの温度は、第1有機絶縁層164形成時の基板100またはインク164aの温度よりも高くてもよい。これにより、インク166aの粘度がさらに下がり、インク166aがさらに濡れ広がりやすくなる。したがって、第2有機絶縁層166が凹凸をさらに埋めやすくなる。これにより、封止層161の平坦性がさらに向上する。
【0052】
また、第2有機絶縁層166形成前に、第1有機絶縁層164は硬化されてもよい。また、第2有機絶縁層166形成前に、第1有機絶縁層166表面にプラズマ処理を行ってもよい。これらにより、第1有機絶縁層164の表面が改質され、インク166aの接触角が下がる。したがって、インク166aはさらに濡れ広がりやすくなり、第2有機絶縁層166が凹凸をさらに埋めやすくなる。
【0053】
次に、
図11に示すように、第2有機絶縁層166を覆うように第2無機絶縁層168を形成する。第2無機絶縁層168は、第1無機絶縁層162と同様の材料および方法を用いて形成される。例えば、第2無機絶縁層168には、プラズマCVD法により形成された酸化シリコンと、窒化シリコンとの積層膜が用いられる。なお、第2有機絶縁層166により凹凸が緩和されているので、第2無機絶縁層168形成時の欠陥の発生が抑制される。
【0054】
また、第2無機絶縁層168は、第1無機絶縁層162と接触するように形成される。これにより、周縁部104において、第1有機絶縁層164および第2有機絶縁層166は、第1無機絶縁層162および第2無機絶縁層168によって、挟み込まれた状態となる。そのため、封止層161は、水分をより遮断しやすい構造を有している。上記領域は水分遮断領域として機能させることができ、その構造を「水分遮断構造」という場合がある。この構造を有することにより、表示素子130への水分の侵入防止が可能となる。したがって、封止層161は高い封止性能を有することができる。
【0055】
最後に、
図12に示すように、第1基板100と、第2基板101とを、充填材174を介して貼り合わせる。充填材174には、光硬化性の光硬化型接着剤を用いた場合、材料の硬化速度が速く、作業時間を短縮することが可能である。
【0056】
上記製造方法を用いることにより、封止層161の平坦性の向上と、表示素子130への水分侵入を防止する高い封止性能とを、ともに有する表示装置10を製造することができる。
【0057】
<第2実施形態>
以下に、第1実施形態と異なる構造を有する表示装置について説明する。なお、第1実施形態において示した構造、材料、および方法については、その説明を援用する。
【0058】
図13に、表示装置1010の断面図を示す。
図13に示すように、表示装置1010は、表示装置10と同様に、第1基板100、絶縁層141、トランジスタ110、容量素子120、容量素子122、表示素子130、絶縁層150、隔壁157、封止層161、充填材174、および第2基板101を備える。表示装置1010の封止層161には、第1無機絶縁層162、第1有機絶縁層164、第2有機絶縁層166、第2無機絶縁層168の他に、第3有機絶縁層170および第4有機絶縁層172が含まれる。表示装置1010は、第3有機絶縁層170および第4有機絶縁層172を有することにより、封止層161の平坦性がさらに向上する。これにより、第2無機絶縁層168の欠陥の発生がさらに抑えられる。また、第2無機絶縁層168の欠陥がなくなることにより、表示素子130への水分侵入がさらに防止される。したがって、封止層161の平坦性のさらなる向上と、表示素子130への水分侵入を防止するより高い封止性能とが両立した表示装置10が提供される。
【0059】
(変形例)
本実施形態においては、有機EL表示装置の場合を例示したが、その他の適用例として、液晶表示装置、その他の自発光型表示装置、あるいは電気泳動表示素子等を有する電子ペーパー型表示装置、あらゆるフラットパネル型の表示装置が挙げられる。
【0060】
また、本実施形態においては、インクジェット法により第2有機絶縁層166を形成する例を示したが、第2有機絶縁層166はスクリーン印刷法、または蒸着法により形成されてもよい。第2有機絶縁層166が蒸着法により形成される場合、
図14に示すように、表示部103にのみ形成されるようにマスク166bなどが用いられてもよい。
【0061】
また、本実施形態においては、封止層161の第2有機絶縁層166の端部が周縁部104に設けられた例を示したが、駆動回路107上に設けられてもよい。駆動回路107には、トランジスタ111、容量素子121などが設けられる。周縁部104に形成される凹凸は、第2有機絶縁層166により埋められる。これにより、第2無機絶縁層168形成時に欠陥が発生しにくい。したがって、封止層161の封止性能が高められる。
【0062】
なお、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例および修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。例えば、前述の各実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。