(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ブームを支持するサブフレームに、車体に設けられたメインフレームと係合する係合位置と、前記メインフレームとの係合が解除された解除位置との間で移動可能に支持されると共に、前記係合位置から前記解除位置へ向かう解除方向に付勢された係合部材と、
前記サブフレームに、前記係合部材が前記係合位置から前記解除方向へ移動するのを規制する規制位置と、前記係合部材が前記解除位置へ移動するのを許可する規制解除位置との間で移動可能に支持された規制部材と、
前記規制部材を前記規制位置及び前記規制解除位置で保持する保持機構と、
を具備し、
前記規制部材は、
前記規制解除位置から前記規制位置へ向かう規制方向に付勢されており、
前記係合部材が前記解除位置から前記係合位置へ向けて移動すると、前記係合部材に追従して前記規制解除位置から前記規制方向に移動するように形成され、
前記保持機構は、
前記規制位置と前記規制解除位置との間の中間位置で、前記規制部材を前記規制方向に移動しないように係止するディテント機構を具備し、
前記係合部材は、
前記規制部材が前記ディテント機構によって前記中間位置で係止された状態において、前記解除方向に移動すると、前記規制部材を押圧して前記規制解除位置まで移動させる、
フロントローダの着脱構造。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下では、図中の矢印U、矢印D、矢印F、矢印B、矢印L及び矢印Rで示した方向を、それぞれ上方向、下方向、前方向、後方向、左方向及び右方向と定義して説明を行う。
【0043】
まず、
図1及び
図2を用いて本発明の第一実施形態に係るフロントローダ20を備えたトラクタの車体1の全体構成について説明する。
【0044】
トラクタは、主として機体フレーム2、エンジン3、トランスミッションケース4、前輪5、後輪6、ボンネット7、SCR8、マフラ9、キャビン10、ステアリングホイール11及びフロントローダ20を具備する。
【0045】
機体フレーム2は、複数の板材を適宜組み合わせて形成される枠状の部材である。機体フレーム2は、平面視略矩形状に形成される。機体フレーム2は、その長手方向を前後方向に向けて車体1の前部に配置される。機体フレーム2の後部にはエンジン3が固定される。当該エンジン3の後部には、トランスミッションケース4が固定される。機体フレーム2の前部は、フロントアクスル機構(不図示)を介して左右一対の前輪5に支持される。トランスミッションケース4の後部は、リアアクスル機構(不図示)を介して左右一対の後輪6に支持される。エンジン3はボンネット7に覆われる。
【0046】
ボンネット7の右側方には、エンジン3の排気ガスを浄化するためのSCR(Selective Catalytic Reduction)8が配置される。SCR8の上部には、エンジン3の排気ガスを排出するマフラ9が配置される。当該SCR8及びマフラ9は、トランスミッションケース4に固定される。
【0047】
エンジン3の動力は、トランスミッションケース4に収容された変速装置(不図示)で変速された後、前記フロントアクスル機構を経て前輪5に伝達可能とされると共に、前記リアアクスル機構を経て後輪6に伝達可能とされる。エンジン3の動力によって前輪5及び後輪6が回転駆動され、トラクタは走行することができる。
【0048】
エンジン3の後方にはキャビン10が設けられる。キャビン10の内部には、運転者が搭乗する居住空間が形成される。当該居住空間には、前輪5の切れ角を調節するためのステアリングホイール11、種々の操作具(不図示)、及び運転者が着座するための座席(不図示)等が配置される。
【0049】
車体1の前部には、フロントローダ20が装着される。フロントローダ20は、主として左右一対のメインフレーム100、左右一対のサブフレームユニット200、左右一対のブーム300及びバケット400を具備する。
【0050】
メインフレーム100は、車体1(機体フレーム2及びトランスミッションケース4)の左右にそれぞれ固定される。サブフレームユニット200は、各メインフレーム100の上部に着脱可能に支持される。ブーム300は、各サブフレームユニット200に回動可能に支持される。ブーム300は、メインフレーム100の上部から前下方に向けて延びるように配置される。バケット400は、ブーム300の前端部に回動可能に連結される。ブーム300はブームシリンダ300aを伸縮させることで、サブフレームユニット200に対して回動させることができる。バケット400はバケットシリンダ400aを伸縮させることで、ブーム300に対して回動させることができる。このように、ブーム300及びバケット400を適宜回動させながら土砂の運搬作業等を行うことができる。
【0051】
次に、
図2、
図3及び
図7を用いて、メインフレーム100の詳細な構成について説明する。左右一対のメインフレーム100は、互いに左右対称の位置に配置される。
【0052】
図2に示すメインフレーム100は、ブーム300を支持するサブフレームユニット200を支持するものである。換言すれば、メインフレーム100は、サブフレームユニット200を介してブーム300を支持するものである。メインフレーム100は、主として固定フレーム110、連結フレーム120及び支持フレーム130を具備する。
【0053】
図2に示す固定フレーム110は、車体1に固定される部分である。固定フレーム110は、板面を左右方向に向けた板状に形成される。固定フレーム110は、ボルト等によって機体フレーム2に固定される。
【0054】
図2に示す連結フレーム120は、固定フレーム110と後述する支持フレーム130とを連結するものである。連結フレーム120は、軸線を左右方向に向けた略円筒状に形成される。連結フレーム120の一端部(左端)は固定フレーム110に挿通され、当該固定フレーム110に溶接によって適宜固定される。
【0055】
図2に示す支持フレーム130は、サブフレームユニット200を支持する部分である。支持フレーム130は、板面を左右方向に向けた板状に形成される。支持フレーム130は、長手方向を上下方向に向けて配置される。支持フレーム130の下部には連結フレーム120が挿通され、当該支持フレーム130と連結フレーム120とが溶接によって固定される。支持フレーム130には、メインフレーム側ピン131、メインフレーム側フック132及びメインフレーム側案内面133が形成される。
【0056】
図3及び
図7に示すメインフレーム側ピン131は、後述するサブフレームユニット200(より詳細には、ガイド板220のサブフレーム側フック222)によって保持される部分である。メインフレーム側ピン131は、支持フレーム130の前上端部に、軸線を左右方向に向けた円柱状に形成される。メインフレーム側ピン131は、支持フレーム130から左右に突出するように形成される。
【0057】
図3及び
図7に示すメインフレーム側フック132は、後述するサブフレームユニット200(より詳細には、サブフレーム210のサブフレーム側ピン211)を保持する部分である。メインフレーム側フック132は、側面視において、前方が開放された略U字状に形成され、後述するサブフレーム側ピン211を下方から支持することができる。メインフレーム側フック132は、支持フレーム130の後上端部に、かつ、メインフレーム側ピン131よりも上方に形成される。
【0058】
図3及び
図7に示すメインフレーム側案内面133は、後述するサブフレームユニット200をメインフレーム100に装着するときに、サブフレームユニット200(より詳細には、サブフレーム210のサブフレーム側ピン211)を取付位置に案内するためのものである。メインフレーム側案内面133は、支持フレーム130の上端部に、面を略上方に向けた平面状に形成される。より詳細には、メインフレーム側案内面133は、メインフレーム側ピン131とメインフレーム側フック132との間に、前方に向かうにつれて上下方向の高さが低くなる前下がりの斜面状に形成される。メインフレーム側案内面133は、メインフレーム側ピン131まで連続して形成しておらず、メインフレーム側ピン131とメインフレーム側案内面133との間には凹部133aが形成される。凹部133aが形成されることで、着脱時の接触衝撃等によるメインフレーム側ピン131の変形や損傷を防止することが可能となる。
【0059】
次に、
図4から
図8を用いて、サブフレームユニット200の詳細な構成について説明する。なお、左右一対のサブフレームユニット200は、互いに左右対称に形成されるものであって、
図4から
図8(及び後述する
図9から
図19)においては、左右一対のサブフレームユニット200のうち右側のサブフレームユニット200を図示している。以下においては、特に断りのない限り、右側のサブフレームユニット200について説明を行い、左側のサブフレームユニット200については説明を省略する。また、
図4から
図8は、サブフレームユニット200がメインフレーム100に装着された状態(装着状態)を示しており、以下では、この装着状態を基準として説明を行う。
【0060】
サブフレームユニット200は、メインフレーム100とブーム300との間に設けられる部分である。サブフレームユニット200は、その上部において、ブーム300を回動可能に支持する(
図2参照)。サブフレームユニット200は、サブフレーム210、ガイド板220、サム230、ロックバー240、制御板250、ディテントピン260及び操作具270を具備する。
【0061】
サブフレーム210は、サブフレームユニット200の右部及び左部を構成する部分である。サブフレーム210は、板面を左右方向に向けた板状に形成される。サブフレーム210は、長手方向を上下方向に向けて配置される。サブフレーム210は、左右に一対設けられ、適宜の部材によって互いに接続される。なお、
図5から
図8(及び後述する
図9から
図20)においては、説明の便宜上、左側のサブフレーム210については図示を省略している。サブフレーム210には、サブフレーム側ピン211及び規制孔212が形成される。
【0062】
図4、
図5及び
図7に示すサブフレーム側ピン211は、支持フレーム130のメインフレーム側フック132(
図3参照)によって保持される部分である。サブフレーム側ピン211は、円柱状に形成される。サブフレーム側ピン211は、軸線を左右方向へ向けた状態でサブフレーム210の後下部に固定される。サブフレーム側ピン211は、左右一対のサブフレーム210の間に、当該左右一対のサブフレーム210を接続するように設けられる。
【0063】
図4から
図8に示す規制孔212は、後述する操作具270の動作範囲を規制するためのものである。規制孔212は、サブフレーム210を左右方向に貫通するように形成される。規制孔212は、側面視において、後述するロックバー240の揺動中心(揺動軸241)を中心とする、中心角約30°の部分円環状に形成される。規制孔212は、揺動軸241の上方に形成される。
【0064】
図4から
図8に示すガイド板220は、メインフレーム100にサブフレームユニット200を装着するときに、メインフレーム100を取付位置に案内し、当該取付位置でメインフレーム100を保持するものである。ガイド板220は、板面を左右方向に向けた板状に形成される。ガイド板220は、左右に一対設けられる。各ガイド板220は、左右一対のサブフレーム210の内側にそれぞれ固定される。なお、
図5から
図8(及び後述する
図9から
図20)においては、説明の便宜上、左側のガイド板220については図示を省略している。ガイド板220には、サブフレーム側案内面221、サブフレーム側フック222、切欠部223及び被係合孔224が形成される。
【0065】
図7及び
図8に示すサブフレーム側案内面221は、メインフレーム100にサブフレームユニット200を装着するときに、メインフレーム側ピン131を取付位置に案内するためのものである。サブフレーム側案内面221は、ガイド板220の下端部に、面を略下方に向けた平面状に形成される。より詳細には、サブフレーム側案内面221は、前方に向かうにつれて上下方向の高さが低くなる斜面状に形成される。サブフレーム側案内面221は、メインフレーム側案内面133と平行となるように形成される。サブフレーム側案内面221は、ガイド板220の後端部から前端部近傍(より詳細には、後述するサブフレーム側フック222)まで延びるように形成される。
【0066】
サブフレーム側フック222は、メインフレーム100のメインフレーム側ピン131を保持する部分である。サブフレーム側フック222は、ガイド板220の前下部に形成される。サブフレーム側フック222は、側面視において、後方が開放された略U字状に形成され、後述するメインフレーム側ピン131を下方から支持することができる。サブフレーム側フック222は、サブフレーム側案内面221の前端部と接続される。
【0067】
図8に示す切欠部223は、後述するディテントピン260の移動を規制するものである。切欠部223は、ガイド板220の上端部が開口するように形成される。切欠部223は、ガイド板220の上端部から下方に延びるように形成される。
【0068】
図8に示す被係合孔224は、後述するロックバー240の揺動範囲を規制するものである。被係合孔224は、ガイド板220を左右方向に貫通するように形成される。被係合孔224は、側面視において、後述するロックバー240の揺動中心(揺動軸241)を中心とする、中心角約65°の部分円環状に形成される。被係合孔224は、揺動軸241の後上方に形成される。
【0069】
図4から
図8に示すサム230は、メインフレーム側ピン131をサブフレーム側フック222に移動不能に保持する(メインフレーム側ピン131がサブフレーム側フック222から離脱するのを防止するための)ものである。サム230は、側面視において、略台形状に形成される。サム230は、左右一対のガイド板220の間に設けられる。サム230の上部には、軸線を左右方向に向けた揺動軸231が形成される。サム230は、メインフレーム側ピン131の上方で、サブフレーム210に当該揺動軸231の軸線回りに揺動可能に支持されている。サム230は、ばね等の付勢手段(不図示)によって、当該サム230が左側面視(
図8参照)において反時計回りに揺動する方向に付勢されている。サム230には、揺動軸231の他に、係合溝232及びサム側当接面233が形成される。
【0070】
図5から
図8に示す係合溝232は、メインフレーム側ピン131と係合する部分である。係合溝232は、サム230の下部、かつ、前後中央部に形成される。係合溝232は、側面視において、下方が開放された半円弧状に形成される。係合溝232は、側面視において、その径がメインフレーム側ピン131の径と略同一となるように形成される。
【0071】
図6及び
図8に示すサム側当接面233は、サム230の後方の側面である。サム側当接面233は、面を後上方に向けた平面状又は後述するロックバー側当接面243の円弧より大きな半径を有する曲面状に形成される。
【0072】
図5から
図8に示すロックバー240は、サム230の揺動を規制するものである。ロックバー240は、側面視において略五角形状に形成される。ロックバー240の右面は、右側のガイド板220の左面と対向するように設けられる。ロックバー240の左右方向の厚さは、サム230の左右方向の厚みよりも薄く形成される。
【0073】
ロックバー240の略中央部には、軸線を左右方向に向けた揺動軸241が形成される。ロックバー240は、サム230の後上方で、サブフレーム210に揺動軸241の軸線回りに揺動可能に支持されている。ロックバー240は、ばね等の付勢手段(不図示)によって、当該ロックバー240が左側面視(
図8参照)において反時計回りに揺動する方向に付勢されている。ロックバー240が受ける左側面視反時計回り方向の付勢力は、サム230が受ける左側面視反時計回り方向の付勢力よりも大きくなるように設定されている。ロックバー240には、揺動軸241の他に、突出部242、ロックバー側当接面243、挿通ピン244及び第一被係止部245が形成される。
【0074】
図6及び
図8に示す突出部242は、後述する制御板250を押圧して揺動させるためのものである。ロックバー240の前部は、ロックバー240のその他の部分と比べて肉厚に形成されており、突出部242は、その肉厚部の一部が揺動軸241へ向けて突出するように形成される(
図6参照)。
【0075】
図6及び
図8に示すロックバー側当接面243は、ロックバー240の前方の側面である。ロックバー側当接面243は、側面視において、揺動軸241を中心とする円弧状に形成される。ロックバー側当接面243は、装着状態において、サム側当接面233と当接可能に形成される。
【0076】
図8に示す挿通ピン244は、ガイド板220の被係合孔224に挿通されるものである。挿通ピン244は、ロックバー240の左面から右方に突出する円柱状に形成される。挿通ピン244及び被係合孔224によって、ロックバー240の揺動範囲が規制される。
【0077】
図6及び
図8(b)に示す第一被係止部245は、後述するディテントピン260と係止するための部分である。第一被係止部245は、ロックバー240の外周部に形成される。第一被係止部245は、装着状態において、切欠部223よりも前方に位置するように形成される。第一被係止部245は、ロックバー240の外周面が、左側面視時計回り方向に向かうにつれて、径方向外側に立ち上がる斜面状に形成される。
【0078】
図5から
図8に示す制御板250は、ロックバー240の揺動を制御するものである。制御板250は、板面を左右方向に向けた略円形の板状に形成される。制御板250は、ロックバー240の揺動軸241回りに揺動可能に設けられる。制御板250の右面は、ロックバー240の左面と対向するように設けられる。制御板250の左面は、ロックバー240の突出部242の左面と略面一となるように形成される。制御板250には、切欠部251、第二被係止部252及び第三被係止部253が形成される。
【0079】
図6及び
図8(a)に示す切欠部251は、制御板250をロックバー240と共回り可能とさせるための部分である。切欠部251は、制御板250の前端部が開口するように形成される。切欠部251は、揺動軸241を中心とする中心角約30°の円弧状に形成される。切欠部251は、ロックバー240の突出部242と対向する位置に、当該突出部242を収容可能に形成される。
【0080】
図6及び
図8(b)に示す第二被係止部252は、後述するディテントピン260と係止するための部分である。第二被係止部252は、制御板250の外周部に形成される。第二被係止部252は、装着状態において、側面視で切欠部223と重複する位置に形成される。第二被係止部252は、制御板250の外周面が、左側面視反時計回り方向に向かうにつれて、径方向外側に立ち上がる斜面状に形成される。
【0081】
図6及び
図8(b)に示す第三被係止部253は、後述するディテントピン260と係止するための部分である。第三被係止部253は、制御板250の外周部に形成される。第三被係止部253は、装着状態において、切欠部223よりも前方に位置するように形成される。より詳細には、第三被係止部253は、第二被係止部252に対して、左側面視における時計回り方向側に約35°の間隔をおいて形成される。第三被係止部253は、制御板250の外周面が、左側面視時計回り方向に向かうにつれて、径方向外側に立ち上がる斜面状に形成される。
【0082】
図6及び
図8(a)に示すディテントピン260は、ロックバー240及び制御板250の揺動を規制するためのものである。ディテントピン260は、円柱状に形成される。ディテントピン260は、軸線を左右方向に向けた状態で、その左右両端部が左右一対のガイド板220それぞれの切欠部223に挿通されるように設けられる。また、ディテントピン260は、ばね等の付勢手段(不図示)によって、切欠部223に沿って下方に向かう方向に付勢されている。ディテントピン260は、装着状態において、当該ディテントピン260が受ける付勢力によってロックバー240の外周面に当接している。
【0083】
図4及び
図6に示す操作具270は、メインフレーム100からサブフレームユニット200を取り外すときに、ロックバー240を揺動させるためのものである。操作具270は、把持部271、挿通ピン272及び接続板273を具備する。
【0084】
図4に示す把持部271は、作業者が把持する部分である。把持部271は、サブフレーム210の外側(車体1の左右方向外側)に設けられる。把持部271は、作業者が把持し易い適宜の形状に形成される。
【0085】
挿通ピン272は、サブフレーム210の規制孔212に挿通される部分である。挿通ピン272は、軸線を左右方向に向けた円柱状に形成される。挿通ピン272は、後述する接続板273を介して把持部271と接続され、サブフレーム210の規制孔212に挿通される。よって、挿通ピン272の移動範囲は、規制孔212によって規制される。
【0086】
接続板273は、把持部271及び挿通ピン272と、ロックバー240の揺動軸241とを接続するものである。接続板273は、板面を左右方向に向けた板状に形成される。接続板273の一端部には、把持部271及び挿通ピン272が接続される。一方、接続板273の他端部には、ロックバー240の揺動軸241が、挿通ピン272の移動範囲においてロックバー240と共回りするように接続される。
【0087】
次に、
図7から
図12を用いて、フロントローダ20(より詳細には、フロントローダ20のうちメインフレーム100を除く部分)を車体1から取り外す方法について説明する。
【0088】
図7及び
図8は、サブフレームユニット200がメインフレーム100に装着された状態(装着状態)を示している。装着状態においては、メインフレーム側ピン131がサブフレーム側フック222に保持されていると共に、サブフレーム側ピン211がメインフレーム側フック132に保持されている(
図7参照)。
【0089】
このとき、ロックバー240は、左側面視反時計回り方向に付勢されているため、挿通ピン244と被係合孔224とで決められる移動範囲の中で、最も前下がりの位置(規制位置)とされている。そして、ロックバー240は、ロックバー側当接面243がサム側当接面233と当接することで、サム230の左側面視反時計回り方向への揺動を規制している。これにより、サム230は、係合溝232がメインフレーム側ピン131と係合する位置(係合位置)で保持され、メインフレーム側ピン131のサブフレーム側フック222からの離脱を防止している。このとき、メインフレーム側ピン131は、左右の各サブフレーム側フック222と、その間に位置する係合溝232との3点で固定されている。
【0090】
このとき、ロックバー240がサム230から受ける押圧力が、ロックバー240の揺動中心(揺動軸241)に向かうように、サム側当接面233及びロックバー側当接面243は形成されている。これにより、ロックバー240がサム230から受ける押圧力によって、ロックバー240が揺動しないようにすることができる。
【0091】
図7及び
図8に示す装着状態において、操作具270を規制孔212に沿って左側面視時計回り方向に30°揺動させると、これに伴って、ロックバー240が左側面視時計回り方向(前上がり方向)に30°揺動する(
図9(a)参照)。
【0092】
装着状態からロックバー240が左側面視時計回り方向に30°揺動すると、ディテントピン260は、ロックバー240の第一被係止部245に係止する(
図9(b)参照)。ここで、ロックバー240が受ける左側面視反時計回り方向への付勢力は、ディテントピン260が第一被係止部245を乗り越えることができない大きさに設定されている。このため、ロックバー240は、ディテントピン260と第一被係止部245とによって、左側面視反時計回り方向(前下がり方向)への揺動が規制されている。したがって、ロックバー240は、装着状態から左側面視時計回り方向に30°揺動した位置(
図9(a)に示す位置)で保持される。
【0093】
このとき、制御板250は、ロックバー240の突出部242によって、左側面視反時計回り方向(前下がり方向)への揺動が規制されている(
図9(a)参照)。また、制御板250は、ディテントピン260が第二被係止部252に係止することにより、左側面視時計回り方向(前上がり方向)への揺動が規制されている(
図9(b)参照)。
【0094】
図9に示す状態において、フロントローダ20(メインフレーム100を除く部分)を地面に降ろした状態で車体1を後退させる。すると、メインフレーム100(メインフレーム側ピン131)は、サム230の後部を上方に押し上げながら、サブフレームユニット200に対して後方に相対移動する(
図10(a)参照)。すると、サム230とメインフレーム100(メインフレーム側ピン131)との係合が解除される。そして、サム230は、当該サム230が受ける付勢力によって左側面視反時計回り方向に揺動し、ロックバー240と当接する。
【0095】
ここで、サム230が受ける左側面視反時計回り方向(前下がり方向)への付勢力は、ロックバー240が受ける左側面視反時計回り方向(前下がり方向)への付勢力よりも大きくなるように設定されている。このため、ロックバー240の前部は、サム230によって押し上げられる。これにより、ロックバー240は、左側面視時計回り方向(前上がり方向)に揺動し始める。このとき、制御板250は、突出部242によって切欠部251が押されることで、ロックバー240と一体的に左側面視時計回り方向(前上がり方向)に揺動し始める。
【0096】
さらにサム230がロックバー240の前部を押し上げると、制御板250は、さらにロックバー240の突出部242によって左側面視時計回り方向に押圧される。ここで、サム230が受ける左側面視反時計回り方向(前下がり方向)への付勢力とロックバー240が受ける左側面視反時計回り方向(前下がり方向)への付勢力との差分は、ディテントピン260が制御板250の第二被係止部252を乗り越えることができる大きさとなるように設定されている。したがって、制御板250は、さらにロックバー240の突出部242によって押圧されると、ディテントピン260が第二被係止部252を乗り越えることで(
図11(b)参照)、ロックバー240と左側面視時計回り方向(前上がり方向)に共回りすることとなる(
図11(a)参照)。
【0097】
さらにサム230がロックバー240の前部を押し上げると、ロックバー240は、挿通ピン244と被係合孔224とで決められる揺動範囲の中で、最も前上がりの位置(規制解除位置)まで揺動する(
図12(a)参照)。具体的には、規制解除位置は、
図8に示す最も前下がりの位置(規制位置)から左側面視時計回り方向に65°揺動した位置である。このとき、ロックバー240は、被係合孔224によって左側面視時計回り方向(前上がり方向)への揺動が規制される。また、ロックバー240は、サム230による押圧力によって左側面視反時計回り方向(前下がり方向)への揺動が規制される。サム230は、ロックバー240を最も前上がりの位置まで押し上げた位置(解除位置)で保持される。
【0098】
このとき、制御板250は、ロックバー240と共回りして、装着状態から左側面視時計回り方向(前上がり方向)に35°だけ揺動した位置まで揺動する。このとき、制御板250は、ディテントピン260が第三被係止部253に係止することにより、左側面視反時計回り方向(前下がり方向)への揺動が規制される(
図12(b)参照)。
【0099】
このように、フロントローダ20(メインフレーム100を除く部分)を地面に降ろした状態で、操作具270を操作してサム230とメインフレーム側ピン131とのロックを解除した後、車体1を後退させることにより、フロントローダ20のサブフレームユニット200、ブーム300及びバケット400を、メインフレーム100から容易に取り外すことができる。
【0100】
次に、
図13から
図20を用いて、フロントローダ20(より詳細には、フロントローダ20のうちメインフレーム100を除く部分)を車体1に装着する方法について説明する。
【0101】
図13に示すように、フロントローダ20(メインフレーム100を除く部分)をメインフレーム100から取り外して地面に降ろした状態で、車体1を前進させ、メインフレーム100をサブフレームユニット200に近接させる。
【0102】
図14に示すように、さらに車体1が前進すると、メインフレーム側ピン131がサブフレーム側案内面221に当接する。そして、メインフレーム側ピン131は、サブフレーム側案内面221によってサブフレーム側フック222へと案内される。また、車体1が前進すると、メインフレーム側案内面133は、サブフレーム側ピン211に当接する。そして、サブフレーム側ピン211は、メインフレーム側案内面133によってメインフレーム側フック132へと案内される。
【0103】
ここで、サブフレーム側案内面221が前下がりの斜面状に形成されているため、車体1を前進させたときに、メインフレーム側ピン131がサブフレーム側案内面221に当接し易い。また、メインフレーム100に対するサブフレームユニット200の高さが多少ずれていても、メインフレーム側ピン131をサブフレーム側案内面221に当接させることができるため、メインフレーム側ピン131をサブフレーム側フック222に案内し易くすることができる。
【0104】
同様に、メインフレーム側案内面133も前下がりの斜面状に形成されているため、車体1を前進させたときに、サブフレーム側ピン211がメインフレーム側案内面133に当接し易い。また、メインフレーム100に対するサブフレームユニット200の高さが多少ずれていても、サブフレーム側ピン211をメインフレーム側案内面133に当接させることができるため、サブフレーム側ピン211をメインフレーム側フック132に案内し易くすることができる。
【0105】
図15に示すように、メインフレーム側ピン131は、サブフレーム側フック222に案内される途中で、サム230と当接する。そして、メインフレーム側ピン131は、サム230を前方に押圧して、左側面視時計回り方向(前上がり方向)に揺動させ始める。ロックバー240は、当該ロックバー240が受ける付勢力によって、サム230に追従して左側面視反時計回り方向(前下がり方向)に揺動しようとする。
【0106】
このとき、ディテントピン260は、制御板250の第三被係止部253に係止している(
図15(b)参照)。ここで、側面視において、ロックバー240の外周面のうち、第一被係止部245の後端と隣接する部分の径(揺動軸241の軸線との間の距離)は、制御板250の外周面のうち、第三被係止部253の前端と隣接する部分の径よりも小さくなるように形成されている。このため、ロックバー240は、ディテントピン260が第一被係止部245と係止することがなく、サム230に追従して左側面視反時計回り方向(前下がり方向)に揺動することができる(
図16(a)及び
図16(b)参照)。
【0107】
車体1がさらに前進すると、サム230はメインフレーム側ピン131による前方への押圧力によって、さらに左側面視時計回り方向(前上がり方向)に揺動し、ロックバー240はサム230に追従して左側面視反時計回り方向(前下がり方向)に揺動する(
図17(a)参照)。制御板250は、ロックバー240の突出部242に押圧されて、ロックバー240と左側面視反時計回り方向(前下がり方向)へと共回りしようとする。
【0108】
ここで、ロックバー240が受ける左側面視反時計回り方向(前下がり方向)への付勢力は、ディテントピン260が第三被係止部253を乗り越えることができる大きさに設定されている。したがって、制御板250は、さらにロックバー240の突出部242によって押圧されると、ディテントピン260が第三被係止部253を乗り越えることで(
図17(b)参照)、ロックバー240と左側面視反時計回り方向(前下がり方向)に共回りすることができる。
【0109】
車体1がさらに前進すると、サム230は、係合位置に戻り、メインフレーム側ピン131と係合する(
図18参照)。ロックバー240は、サム230に追従してロックバー240の最も前下がりの位置(規制位置)に戻り、サム230の揺動を規制する。こうして、メインフレーム側ピン131は、サム230によって、サブフレーム側フック222に移動不能に保持される。したがって、メインフレーム側ピン131のサブフレーム側フック222からの離脱が防止される。
【0110】
こうして、メインフレーム側フック132にサブフレーム側ピン211が係合すると共に、サブフレーム側フック222にメインフレーム側ピン131が係合する。そして、サブフレーム側フック222とメインフレーム側ピン131との係合は、サム230の係合溝232によって保持される。
【0111】
このように、フロントローダ20(メインフレーム100を除く部分)を地面に降ろした状態で、車体1を前進させるだけで、サブフレームユニット200並びに当該サブフレームユニット200に設けられたブーム300及びバケット400を、メインフレーム100に容易に装着することができる。また、前述の如く、操作具270を操作してロックバー240によるロックを解除し、フロントローダ20(メインフレーム100を除く部分)を地面に降ろした状態で、車体1を後退させるだけで、サブフレームユニット200並びに当該サブフレームユニット200に設けられたブーム300及びバケット400を、メインフレーム100から容易に取り外すことができる。
【0112】
したがって、フロントローダ20の脱着作業時に、メインフレーム100との位置合わせのための油圧によるブーム300の操作や、ブーム300をメインフレーム100に固定するためのピンの抜き差しといった従来の作業を不要とすることができる。また、これらの作業のために作業者がキャビン10から乗降する必要がなくなる。よって、フロントローダ20の脱着時の作業工数の低減、及びこれに伴う作業時間の短縮が可能となる。
【0113】
また、メインフレーム100とサブフレームユニット200とが互いに位置合わせを行う構造としているため、メインフレーム100とサブフレームユニット200との位置合わせをスムーズに行うことができる。
【0114】
以上の如く、本実施形態に係るフロントローダ20の着脱構造は、ブーム300を支持するサブフレーム210に、車体1に設けられたメインフレーム100と係合する係合位置と、前記メインフレーム100との係合が解除された解除位置との間で移動可能に支持されると共に、前記係合位置から前記解除位置へ向かう解除方向に付勢されたサム230(係合部材)と、前記サブフレーム210に、前記サム230が前記係合位置から前記解除方向へ移動するのを規制する規制位置と、前記サム230が前記解除位置へ移動するのを許可する規制解除位置との間で移動可能に支持されたロックバー240(規制部材)と、を具備するものである。
このように構成されることにより、車体1への着脱作業の容易化を図ることができる。具体的には、ロックバー240を規制解除位置に移動させるだけで、容易にサム230を解除位置へ移動させることができ、ひいてはサム230とメインフレーム100との係合を解除することができる。
【0115】
また、前記ロックバー240は、前記規制位置において、前記係合位置に位置する前記サム230と当接して、前記サム230の前記解除方向への移動を規制するように形成されているものである。
このように構成されることにより、簡易な構造で、サム230の解除方向への移動を規制することができる。
【0116】
また、前記サム230は、前記サブフレーム210に、前記係合位置と前記解除位置との間で揺動可能に支持されるように形成されているものである。
このように構成されることにより、簡易な構造で、サム230をメインフレーム100と係合することができると共に、サム230とメインフレーム100との係合を解除することができる。
【0117】
また、前記ロックバー240は、前記サブフレーム210に、前記規制位置と前記規制解除位置との間で揺動可能に支持されるように形成されているものである。
このように構成されることにより、簡易な構造で、サム230が係合位置から解除方向へ移動するのを規制することができると共に、サム230の移動の規制を解除することができる。
【0118】
また、前記サム230は、前記メインフレーム100が前記サブフレーム210に対して近接するように相対移動すると、前記メインフレーム100によって押圧されて前記解除位置から前記係合位置へ向けて移動するように形成されているものである。
このように構成されることにより、車体1(メインフレーム100)から取り外したサブフレーム210に車体1を近接させることで、容易にサム230をメインフレーム100に係合させることができる。
【0119】
また、前記ロックバー240は、前記規制解除位置から前記規制位置へ向かう規制方向に付勢されており、前記サム230が前記解除位置から前記係合位置へ向けて移動すると、前記サム230に追従して前記規制解除位置から前記規制方向に移動するように形成されているものである。
このように構成されることにより、サム230が係合位置に戻ってメインフレーム100と係合されたとき、ロックバー240を規制位置に戻すことができ、ひいてはロックバー240によってサム230の解除方向への移動を規制することができる。
【0120】
また、本実施形態に係るフロントローダ20の着脱構造は、前記ロックバー240を前記規制位置及び前記規制解除位置で保持する保持機構(サム230、ロックバー240、制御板250及びディテントピン260)を具備するものである。
このように構成されることにより、ロックバー240を規制位置で保持することにより、サム230を係合位置で保持することができる。また、ロックバー240を規制解除位置で保持することにより、サム230を解除位置で保持することができる。
【0121】
また、本実施形態に係るフロントローダ20の着脱構造は、前記ロックバー240を前記規制位置及び前記規制解除位置で保持する保持機構を具備し、前記保持機構は、前記規制位置と前記規制解除位置との間の中間位置で、前記ロックバー240を前記規制方向に移動しないように係止するディテント機構(第一被係止部245及びディテントピン260)を具備し、前記サム230は、前記ロックバー240が前記ディテント機構によって前記中間位置で係止された状態において、前記解除方向に移動すると、前記ロックバー240を押圧して前記規制解除位置まで移動させるものである。
このように構成されることにより、サム230が勢い良く解除位置へ移動してしまうのを抑制することができる。
【0122】
また、前記ディテント機構は、前記ロックバー240の外周部と当接するように付勢されたディテントピン260(係止部)と、前記ロックバー240に設けられ、前記中間位置において前記係止部によって係止される第一被係止部245(被係止部)と、を具備するものである。
このように構成されることにより、ディテントピン260が第一被係止部245に係止されることで、ロックバー240を中間位置に保持することができる。
【0123】
また、前記ロックバー240が前記規制解除位置から前記規制方向へ向けて移動する際に、前記中間位置において、前記ディテントピン260が前記第一被係止部245に係止されるのを回避する制御板250(制御部材)を具備するものである。
このように構成されることにより、ロックバー240を規制位置から規制解除位置へ向けて移動させる場合には、中間位置でロックバー240を保持することが可能であり、ロックバー240を規制解除位置から規制位置へ向けて移動させる場合には、ロックバー240を、中間位置で保持されることなく規制位置へと移動させることができる。
【0124】
また、前記制御板250は、前記中間位置において、前記ディテントピン260を当該ディテントピン260が受ける付勢力に抗して押圧することで、前記ディテントピン260が前記第一被係止部245に係止されるのを回避するように形成されているものである。
このように構成されることにより、簡易な構造で、ロックバー240を規制解除位置から規制位置へ向けて移動させる場合に、ロックバー240を、中間位置で保持されることなく規制位置へと移動させることができる。
【0125】
また、前記ロックバー240は、前記規制位置において、前記係合位置に位置する前記サム230から受ける押圧力が、当該ロックバー240の揺動中心に向かうように形成されているものである。
このように構成されることにより、ロックバー240が係合部材の揺動を規制しているときに、サム230から受ける押圧力によってロックバー240が揺動してしまうのを防止することができる。
【0126】
また、本実施形態に係るフロントローダ20の着脱構造は、前記ロックバー240を移動させるための操作具270を具備するものである。
このように構成されることにより、操作具270を用いてロックバー240を容易に移動させることができる。
【0127】
また、本実施形態に係るフロントローダ20の着脱構造は、車体1に設けられたメインフレーム100に設けられたメインフレーム側ピン131(第一被保持部)と、前記メインフレーム100に着脱可能であってブーム300を支持するサブフレーム210に設けられたサブフレーム側ピン211(第二被保持部)と、前記サブフレーム210に設けられ、前記メインフレーム側ピン131を保持するサブフレーム側フック222(第一保持部)と、前記メインフレーム100に設けられ、前記サブフレーム側ピン211を保持するメインフレーム側フック132(第二保持部)と、前記サブフレーム210を前記メインフレーム100に装着する装着時において、前記メインフレーム側ピン131を前記サブフレーム側フック222へと案内するサブフレーム側案内面221(第一案内部)と、前記装着時において、前記サブフレーム側ピン211を前記メインフレーム側フック132へと案内するメインフレーム側案内面133(第二案内部)と、を具備するものである。
このように構成されることにより、車体1への着脱作業の容易化を図ることができる。具体的には、車体1への装着時において、メインフレーム100とサブフレーム210との位置合わせを行い易くすることができる。また、メインフレーム100及びサブフレーム210が互いに位置合わせを行うので、メインフレーム100とサブフレーム210との位置合わせを行い易くすることができる。
【0128】
また、前記サブフレーム側フック222及び前記メインフレーム側フック132のそれぞれは、前記メインフレーム側ピン131及び前記サブフレーム側ピン211のそれぞれを下方から支持するように形成されているものである。
このように構成されることにより、メインフレーム100によってサブフレーム210を下方から支持することができる。
【0129】
また、前記サブフレーム側案内面221は、前記サブフレーム210に設けられ、前記装着時において前記メインフレーム側ピン131(メインフレーム側被保持部)を前記サブフレーム側フック222(サブフレーム側保持部)へと案内するもの(サブフレーム側案内部)であって、前記メインフレーム側案内面133は、前記メインフレーム100に設けられ、前記装着時において前記サブフレーム側ピン211(サブフレーム側被保持部)を前記メインフレーム側フック132(メインフレーム側保持部)へと案内するもの(メインフレーム側案内部)である。
このように構成されることにより、メインフレーム100及びサブフレーム210が互いに位置合わせを行うので、メインフレーム100とサブフレーム210との位置合わせを行い易くすることができる。
【0130】
また、前記メインフレーム側案内面133は、前記装着時において、前記サブフレーム側ピン211を下方から支持しながら、前記メインフレーム側フック132へと案内するように形成されているものである。
このように構成されることにより、車体1への装着時において、サブフレーム210を下方から支持しながらメインフレーム100とサブフレーム210との位置合わせを行うことができるので、作業性を向上させることができる。
【0131】
また、前記サブフレーム側案内面221は、前記装着時において、前記メインフレーム側ピン131によって下方から支持されながら、前記メインフレーム側ピン131を前記サブフレーム側フック222へと案内するように形成されているものである。
このように構成されることにより、車体1への装着時において、サブフレーム210を下方から支持しながらメインフレーム100とサブフレーム210との位置合わせを行うことができるので、作業性を向上させることができる。
【0132】
また、前記メインフレーム側案内面133及び前記サブフレーム側案内面221のそれぞれは、前記車体1の前方向に向かうにつれて上下方向の高さが低くなる斜面状に形成されているものである。
このように構成されることにより、車体1への装着時において、車体1を前進させてメインフレーム100をサブフレーム210に近接させたときに、各被保持部(メインフレーム側ピン131及びサブフレーム側ピン211)が各案内部(サブフレーム側案内面221及びメインフレーム側案内面133)に当接し易くなる。このため、各被保持部を各保持部(サブフレーム側フック222及びメインフレーム側フック132)に案内し易くすることができる。
【0133】
また、前記メインフレーム100は、前記メインフレーム側案内面133と前記メインフレーム側ピン131との間に形成された凹部133aを具備するものである。
このように構成されることにより、車体1への着脱時の接触衝撃等によるメインフレーム側ピン131の変形や損傷を防止することができる。
【0134】
また、本実施形態に係るフロントローダ20の着脱構造は、前記サブフレーム210に設けられ、前記サブフレーム側案内面221によって前記メインフレーム側ピン131が前記サブフレーム側フック222に案内されると、前記メインフレーム側ピン131と係合して、前記メインフレーム側ピン131の前記サブフレーム側フック222からの離脱を防止するサム230(係合部材)と、を具備するものである。
このように構成されることにより、メインフレーム側ピン131のサブフレーム側フック222からの離脱を防止することができる。
【0135】
また、本実施形態に係るフロントローダ20は、本実施形態に係る着脱構造を具備するものである。
このように構成されることにより、車体1への着脱作業の容易化を図ることができるフロントローダ20を提供することができる。
【0136】
また、本実施形態に係るトラクタ(作業車)は、フロントローダ20を具備するものである。
このように構成されることにより、フロントローダ20の車体1への着脱作業の容易化を図ることができるトラクタ作業車を提供することができる。
【0137】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0138】
例えば、本実施形態においては、サム230は、メインフレーム側ピン131との係合及び当該係合の解除を、揺動により行うものとしたが、サム230の移動の態様は揺動に限定されるものではなく、例えばサブフレーム210に対してスライドすることにより行うものであってもよい。
【0139】
また、本実施形態においては、ロックバー240は、サム230の揺動の規制及び当該規制の解除を、揺動により行うものとしたが、ロックバー240の移動の態様は揺動に限定されるものではなく、例えばサブフレーム210に対してスライドすることにより行うものであってもよい。
【0140】
また、本実施形態においては、2つのガイド板220の内側(間)にサム230が設けられる構造としたが、これに限定されるものではなく、例えばガイド板220が1つであってもよく、ガイド板220の外側にサム230が設けられるものであってもよい。但し、メインフレーム100に対するサブフレームユニット200の支持の安定性等の点において、本実施形態のように、左右一対のサブフレーム210にそれぞれ設けられたガイド板220の内側(間)にサム230が設けられる構造が好ましい。
【0141】
また、本実施形態においては、2つのガイド板220の内側において、サム230と左右方向において概ね同じ位置にロックバー240が設けられるものとしたが、これに限定されるものではなく、例えばサム230と左右方向において異なる位置にロックバー240が設けられるもの(例えばサム230を左右方向から押圧して揺動を規制するもの)であってもよい。但し、サム230の揺動の規制のし易さ等の点において、本実施形態のように、左右一対のサブフレーム210にそれぞれ設けられたガイド板220の内側において、サム230と左右方向において概ね同じ位置(同じ平面上)にロックバー240が設けられる構造が好ましい。
【0142】
また、本実施形態においては、制御板250は、ロックバー240と同軸(揺動軸241)回りに揺動するものとしたが、制御板250のために別途揺動軸を設けてもよい。但し、ロックバー240の揺動の制御のし易さや部品点数の低減等の点において、本実施形態のように、制御板250は、ロックバー240と同軸回りに揺動するものであることが好ましい。
【0143】
また、本実施形態においては、制御板250は、ロックバー240の片側に設けられるものとしたが、ロックバー240の左右両側に設けられるものであってもよい。
【0144】
また、本実施形態においては、各被保持部(メインフレーム側ピン131及びサブフレーム側ピン211)は互いに異なる部材(メインフレーム100及びサブフレーム210)に設けられるものとしたが、同一の部材に設けられるものであってもよい。各保持部(サブフレーム側フック222及びメインフレーム側フック132)もまた、同一の部材に設けられるものであってもよい。例えば、各被保持部(ピン)を共にメインフレーム100側に設けて、各保持部(フック)を共にサブフレーム210側に設けてもよい。或いは、各被保持部(ピン)を共にサブフレーム210側に設けて、各保持部(フック)を共にメインフレーム100側に設けてもよい。
【0145】
また、本実施形態においては、サム側当接面233は平面状に形成されるものとしたが、
図19に示すように、側面視において、曲率半径がロックバー側当接面243の曲率半径と略同一の円弧状に形成されているものであってもよい。これにより、サム230によって阻害されることなくロックバー240を前上がり方向に揺動させることができると共に、装着状態において、サム側当接面233とロックバー側当接面243との接触面積を増やすことができるため、サム230の揺動を規制し易くすることができる。
【0146】
以上の如く、本実施形態に係るフロントローダ20の着脱構造は、前記サム230は、前記サブフレーム210に、前記係合位置と前記解除位置との間で揺動可能に支持されるように形成されており、前記ロックバー240は、前記サブフレーム210に、前記規制位置と前記規制解除位置との間で揺動可能に支持されるように形成されており、前記サム230の揺動軸231は、前記ロックバー240の揺動軸241と平行となるように設けられ、ロックバー側当接面243(前記ロックバー240の前記サム230との当接部分)は、前記ロックバー240の揺動軸線方向視において、前記ロックバー240の揺動軸241を中心とする円弧状に形成されており、サム側当接面233(前記サム230の前記ロックバー240との当接部分)は、前記サム230の揺動軸線方向視において、曲率半径が前記ロックバー側当接面243の曲率半径と略同一の円弧状に形成されているものである。
このように構成されることにより、サム230によって阻害されることなく、ロックバー240を揺動させることができる。