(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1スクリューシャフトは、前記第1交差方向側の端部に、前記第1キャリッジにおける前記第1挿通孔のねじ溝が形成された範囲の長さよりも長い範囲に、前記第1位置合わせ部が形成され、
前記第2スクリューシャフトは、前記第1交差方向側の端部に、前記第2キャリッジにおける前記第2挿通孔のねじ溝が形成された範囲の長さよりも長い範囲に、前記第2位置合わせ部が形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の媒体検出装置。
前記第1スクリューシャフト及び前記第2スクリューシャフトにおけるねじ溝のピッチは、前記受信素子が前記発信素子からの前記光又は前記電磁波を受信可能な、該受信素子及び該発信素子の交差方向に関する位置ずれの範囲よりも小さい
ことを特徴とする請求項2に記載の媒体検出装置。
前記制御部は、前記受信素子による前記光又は前記電磁波の受信結果を基に、該受信素子に対して前記発信素子が交差方向に関して位置ずれを生じていると判断した場合、前記駆動力供給部から前記連動部に駆動力を供給させる
ことを特徴とする請求項1に記載の媒体検出装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
【0016】
[1.画像形成装置の構成]
図1に示すように、本実施の形態による画像形成装置1は、電子写真式のプリンタとして構成されており、例えば長尺の用紙Pに対し、所望のカラー画像を印刷するようになっている。画像形成装置1は、大きく分けて、印刷処理を行う本体部2、用紙Pの搬送及び切断を行う搬送切断部3、及び用紙Pを供給するロールフィーダユニット4により構成されている。また本体部2の内部には、全体を統括制御する制御部5が設けられている。
【0017】
制御部5は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成されており、図示しないROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、印刷に関する種々の処理を行う。また制御部5は、内部にRAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等でなる記憶部を有しており、この記憶部に種々の情報を記憶させる。
【0018】
この制御部5は、図示しない通信処理部を介して、パーソナルコンピュータのような上位装置(図示せず)と無線又は有線により接続されている。制御部5は、上位装置から印刷対象の画像を表す画像データが与えられると共に当該画像データの印刷が指示されると、用紙Pの表面に画像を形成する印刷処理を開始する。
【0019】
説明の都合上、以下では、ロールフィーダユニット4側を前側、本体部2側を後側とし、
図1における紙面の手前側を左側、奥側を右側とし、さらに上側及び下側を定義した上で、説明する。
【0020】
媒体としての用紙Pは、左右方向に沿った芯材(図示せず)の周側面を周回するように巻き付けられてロール状となっており(以下この部分をロール部PRと呼ぶ)、印刷時にその最外周から一端が引き剥がされ、後述する搬送路に沿って走行する。この用紙Pは、
図2(A)及び(B)に示すように、いわゆるラベル用紙となっており、台紙PM及び複数のラベル紙片PLにより構成されている。台紙PMは、走行する方向に沿って長尺であり、表面の剥離性が高められている。ラベル紙片PLは、比較的小さな長方形状でなると共に裏面の粘着性が高められており、台紙PMの表面に対し、走行する方向に沿って、所定間隔ごとに整列して貼り付けられている。
【0021】
ロールフィーダユニット4(
図1)は、取付アーム7により搬送切断部3の前側に取り付けられており、その前側に設けられたロールホルダ8により、用紙Pのロール部PRを回転可能に保持している。用紙Pは、ロール部PRの最外周から一端が引き剥がされると、矢印E1に沿って後下方へ引き出される。
【0022】
搬送切断部3は、筐体10内にガイドローラ11及び搬送部12が設けられている。ガイドローラ11は、筐体10の前側における下寄りに設けられ、中心軸を左右方向に沿わせた円筒状に形成されており、筐体10に対しこの中心軸を回転中心として回転し得るように支持されている。このガイドローラ11は、ロール部PRから引き出された用紙Pを周側面の下側部分に当接させながら案内し、矢印E2に沿って後ろ斜め上方へ進行させて搬送部12へ引き渡す。
【0023】
搬送部12には、前後方向に沿った搬送路12Yが形成されており、この搬送路12Yに沿って、前から順に搬送ローラ対13、用紙検出センサ部14及び用紙切断部18が設けられている。搬送ローラ対13は、搬送路12Yを上下から挟むように配置された2本の搬送ローラにより構成されており、各搬送ローラを適宜回転させることにより、後方向を搬送方向として用紙Pを進行させる。
【0024】
媒体検出装置としての用紙検出センサ部14は、大きく分けて、主に搬送路12Y(
図1)の下側部分を占める本体下部15と、主に搬送路12Yの上側部分を占める本体上部16とにより構成されている。この用紙検出センサ部14は、透過センサ及び反射センサを有しており、光の反射や透過を利用して用紙Pの有無や当該用紙Pにおけるラベル紙片PL(
図2)の先端位置等を検出し、得られた検出結果を制御部5へ通知する。
【0025】
用紙切断部18は、内部に用紙Pを切断するカッタや用紙Pを搬送する搬送ローラ対等が組み込まれている。この用紙切断部18は、制御部5の制御に基づき、用紙検出センサ部14により検出したラベル紙片PLの位置等に合わせて、用紙Pを切断する。また搬送部12は、搬送ローラ対13及び用紙切断部18内の搬送ローラ対により用紙Pを搬送路12Yに沿って搬送し、後方の本体部2内へ進行させる。
【0026】
本体部2は、直方体状に形成された筐体20の内部における上寄りに、複数の1次転写部21が前後方向に沿って整列するように配置されている。各1次転写部21は、例えば制御部5の制御に基づいて複数色のトナー画像を形成し、これらを中間転写部22の中間転写ベルト31にそれぞれ転写する。中間転写部22は、複数のベルトローラの間に張架された中間転写ベルト31を適宜走行させ、1次転写部21から転写されたトナー画像を2次転写部24に到達させる。
【0027】
中央搬送部23は、複数の搬送ローラ対により搬送路20Yに沿って用紙Pを後方へ搬送すると共に、複数の検出センサにより用紙Pにおけるラベル紙片PL(
図2)の先端位置等を検出し、これを中間転写ベルト31に担持されているトナー画像の位置に合わせるよう制御して、2次転写部24に到達させる。2次転写部24は、搬送路20Yの上下にそれぞれ配置されているローラにより中間転写ベルト31及び用紙Pを間に挟み込み、各ローラを回転させ、トナー画像を当該中間転写ベルト31から当該用紙Pに転写する。
【0028】
定着部25は、搬送路20Yの下側及び上側にそれぞれ配置された各定着ローラをそれぞれ加熱すると共に回転させ、用紙Pに熱及び圧力を加えてトナー画像を定着させて、これを後方の後搬送部26に引き渡す。後搬送部26は、搬送路20Yに沿って用紙Pを後方へ搬送する。因みに本体部2から後方へ排出された用紙Pは、本体部2の後側に設置された用紙巻取部(図示せず)により巻き取られる。
【0029】
[2.用紙検出センサ部の構成]
図3(A)及び(B)に斜視図を示すと共に、
図4(A)及び(B)に左側面図を示すように、用紙検出センサ部14は、下側の本体下部15に対して、上側の本体上部16が本体回動部としての回動部17を介して支持されている。回動部17は、左右方向に沿った仮想的な中心軸を中心として、本体下部15に対して本体上部16を回動させることができる。因みにこの中心軸は、搬送される用紙Pと平行であり、且つ搬送方向である後ろ方向と交差する交差方向(すなわち左右方向)に沿ったものとなる。
【0030】
このため用紙検出センサ部14は、
図3(A)及び
図4(A)に示すように、本体下部15の上側に対して本体上部16の下側を対向させた状態(以下これを閉塞状態と呼ぶ)と、
図3(B)及び
図4(B)に示すように、本体下部15に対して本体上部16を回動させた状態(以下これを開放状態と呼ぶ)とに遷移することができる。
【0031】
第1本体部としての本体下部15は、全体として上下方向に比較的短い直方体状に形成されており、上側部分における前後方向の中央付近に、用紙切断部18(
図1)の下側約半分を収容すべき空間が形成さている。また本体下部15における用紙切断部18よりも前側となる箇所には、下センサ部50が配置されている。
【0032】
第2本体部としての本体上部16は、全体として上下方向に比較的短い直方体状に形成されており、下側部分における前後方向の中央付近に、用紙切断部18(
図1)の上側約半分を収容すべき空間が形成さている。また本体上部16の前上側部分は、斜めに切り落とされたような傾斜面が形成されている。さらに本体上部16における用紙切断部18よりも前側となる箇所には、上センサ部70が配置されている。
【0033】
[2−1.下センサ部の構成]
下センサ部50(
図3)は、本体下部15に固定された左側板15L及び右側板15Rにより、左右の両端近傍から支持された構成となっている。左側板15L及び右側板15Rは、左右方向に薄い板状に形成されており、
図5(B)に示す下第1規制シャフト51、下スクリューシャフト52及び下第2規制シャフト53における左右の両端近傍をそれぞれ支持している。説明の都合上、以下では、搬送方向である後方向と交差する左右方向を交差方向とも呼ぶ。また以下では、交差方向のうち一方の右方向を第1交差方向とも呼び、その反対方向である左方向を第2交差方向とも呼ぶ。
【0034】
下第1規制シャフト51及び下第2規制シャフト53は、中心軸を左右方向に沿わせた細長い円柱状に形成されており、左側板15L及び右側板15R(
図3)によりそれぞれ回転可能に支持されている。因みに下第1規制シャフト51は、下第2規制シャフト53よりも左右方向に長くなっている。
【0035】
第1スクリューシャフトとしての下スクリューシャフト52は、中心軸を左右方向に沿わせた細長い円柱状に形成されており、左端近傍から全体の約3/4ないし約7/8の範囲を占めるねじ部52Sと、右端近傍から約1/4ないし約1/8の範囲を占める不完全ねじ部52Fとにより構成されている。ねじ部52Sの周側面には、螺旋状の溝(ねじ溝)が刻まれている。一方、第1位置合わせ部としての不完全ねじ部52Fには、ねじ溝が刻まれていない。この下スクリューシャフト52は、左側板15L及び右側板15R(
図3)によりそれぞれ回転可能に支持されている。
【0036】
下スクリューシャフト52の左端近傍には、下連動ギア54が取り付けられている。下連動ギア54は、左右方向に薄い円板状に形成されると共に、その周側面に複数の歯が形成されることにより、歯車(ギア)を構成している。この下連動ギア54は、中央に形成された孔部に下スクリューシャフト52が挿通されることにより、当該下スクリューシャフト52に固定されている。
【0037】
また下センサ部50には、下キャリッジ55が設けられている。第1キャリッジとしての下キャリッジ55は、比較的小さな直方体状に形成されており、左右方向に貫通する挿通孔55H1、55H2及び55H3がそれぞれ穿設されている。このうち第1挿通孔としての挿通孔55H2は、内周面に螺旋状の溝(すなわちねじ溝)が刻まれており、下スクリューシャフト52のねじ部52Sに形成されたねじ溝と螺合する。一方、挿通孔55H1及び55H3は、内周側面に溝が形成されておらず、下第1規制シャフト51及び下第2規制シャフト53に対しそれぞれ円滑に摺動するようになっている。また下スクリューシャフト52の不完全ねじ部52Fも、挿通孔55H2に対して円滑に摺動し得るようになっている。
【0038】
この下キャリッジ55は、挿通孔55H1及び55H3に下第1規制シャフト51及び下第2規制シャフト53がそれぞれ挿通されることにより、本体下部15に対する上下方向及び前後方向への移動並びに各方向への回転がそれぞれ規制される。これを換言すれば、下第1規制シャフト51及び下第2規制シャフト53は、下キャリッジ55における前後方向及び上下方向の位置の基準となっている。
【0039】
下キャリッジ55は、下スクリューシャフト52のねじ部52Sに挿通されている状態において、下スクリューシャフト52がいずれかの方向へ回転されると、挿通孔55H2との間で互いのねじ溝を螺合させているため、当該下スクリューシャフト52、下第1規制シャフト51及び下第2規制シャフト53に沿って左方向又は右方向へ移動する。
【0040】
下スクリューシャフト52の右端近傍には、第1付勢部としての付勢部材56が取り付けられている。この付勢部材56は、中心軸を左右方向に沿わせた比較的小さな円柱状に形成されており、例えばゴムのような弾性材料によって構成されている。また付勢部材56は、その右側面を右側板15R(
図3)に当接させている。
【0041】
さらに下スクリューシャフト52の不完全ねじ部52Fにおける付勢部材56の挿通部分を除いた左右方向の長さは、下キャリッジ55における左右方向の長さよりも僅かに短くなっている。このため下センサ部50では、仮に下キャリッジ55が右端近傍に位置し、挿通孔55H2が不完全ねじ部52Fに挿通されている場合、付勢部材56により下キャリッジ55を左方向へ付勢することができる。
【0042】
下キャリッジ55には、上側における後寄りの箇所及び前寄りの箇所に、反射センサ57及び受光素子58が組み込まれている。反射センサ57は、発光素子及び受光素子が組み込まれており、発光素子から上方に向けて光を照射すると共に上方から進行してくる光を受光素子により受光し、当該受光素子による受光結果を制御部5(
図1)に通知する。受信素子としての受光素子58は、上方からの光を受光し、得られた受光結果を制御部5に通知する。
【0043】
[2−2.上センサ部の構成]
上センサ部70(
図3)は、本体上部16に固定された左側板16L及び右側板16Rにより、左右の両端近傍から支持されており、下センサ部50と類似した構成となっている。すなわち上センサ部70には、
図5(A)に示すように、下センサ部50の下第1規制シャフト51、下スクリューシャフト52及び下第2規制シャフト53とそれぞれ概ね同様に構成された上第1規制シャフト71、上スクリューシャフト72及び上第2規制シャフト73が設けられている。
【0044】
第2スクリューシャフトとしての上スクリューシャフト72は、下スクリューシャフト52と同様、中心軸を左右方向に沿わせた細長い円柱状に形成されており、左端近傍から全体の約3/4ないし約7/8の範囲を占めるねじ部72Sと、右端近傍から約1/4ないし約1/8の範囲を占める不完全ねじ部72Fとにより構成されている。ねじ部72Sは、ねじ部52Sと同様、その周側面に螺旋状の溝(ねじ溝)が刻まれている。因みにねじ部72Sにおけるねじ溝のピッチ(周期)は、ねじ部52Sと同一となっている。一方、第2位置合わせ部としての不完全ねじ部72Fには、不完全ねじ部52Fと同様、ねじ溝が刻まれていない。
【0045】
上第1規制シャフト71、上スクリューシャフト72及び上第2規制シャフト73は、左側板16L及び右側板16R(
図3)によりそれぞれ回転可能に支持されている。また上スクリューシャフト72の左端近傍には、下連動ギア54と同様に構成された上連動ギア74が取り付けられている。
【0046】
上センサ部70には、上キャリッジ75が設けられている。第2キャリッジとしての上キャリッジ75は、下キャリッジ55と同様に比較的小さな直方体状に形成されており、挿通孔55H1、55H2及び55H3とそれぞれ同様の挿通孔75H1、75H2及び75H3が穿設されている。このうち第2挿通孔としての挿通孔75H2は、挿通孔55H2と同様、内周面に螺旋状の溝(すなわちねじ溝)が刻まれており、上スクリューシャフト72のねじ部72Sに形成されたねじ溝と螺合する。
【0047】
この上キャリッジ75は、下キャリッジ55の場合と同様、挿通孔75H1及び75H3に上第1規制シャフト71及び上第2規制シャフト73がそれぞれ挿通されることにより、本体上部16に対する上下方向及び前後方向への移動及び各方向への回転がそれぞれ規制される。これを換言すれば、上第1規制シャフト71及び上第2規制シャフト73は、上キャリッジ75における前後方向及び上下方向の位置の基準となっている。
【0048】
上キャリッジ75は、上スクリューシャフト72のねじ部72Sに挿通されている状態において、上スクリューシャフト72がいずれかの方向へ回転されると、挿通孔75H2との間で互いのねじ溝を螺合させているため、当該上スクリューシャフト72、上第1規制シャフト71及び上第2規制シャフト73に沿って左方向又は右方向へ移動する。
【0049】
上スクリューシャフト72の右端近傍には、付勢部材56と同様の構成でなる第2付勢部としての付勢部材76が取り付けられている。この付勢部材76は、その右側面を右側板16R(
図3)に当接させている。
【0050】
さらに上スクリューシャフト72の不完全ねじ部72Fにおける付勢部材76の挿通部分を除いた左右方向の長さは、上キャリッジ75における左右方向の長さよりも僅かに短くなっている。このため上センサ部70では、下センサ部50の場合と同様、仮に上キャリッジ75が右端近傍に位置し、挿通孔75H2が不完全ねじ部72Fに挿通されている場合、付勢部材76により上キャリッジ75を左方向へ付勢することができる。
【0051】
さらに上キャリッジ75には、下側における前寄りの箇所に、発光素子78が組み込まれている。発信素子としての発光素子78は、下方へ向けて光を発射する。この発光素子78は、下キャリッジ55に組み込まれた受光素子58との組合せにより、搬送路12Yを搬送される用紙Pに光を照射し、当該用紙Pを透過した光を受光する透過型センサとして機能するようになっている。すなわち用紙検出センサ部14では、搬送される用紙Pに関して、ラベル紙片PLが張り付けられた一面側に発光素子78位置しており、その反対側である他面側に受光素子58等が位置している。
【0052】
[2−3.用紙検出センサ部の開閉]
ところで用紙検出センサ部14の左側には、
図4(A)及び(B)に示したように、回動部17と共通の中心軸を中心として回転する仲介ギア82が設けられている。仲介回転体としての仲介ギア82は、歯車(ギア)として構成されており、本体下部15や回動部17に対し自在に回転し得るようになっている。
【0053】
また用紙検出センサ部14の左側には、下連動ギア54と仲介ギア82との間で駆動力を伝達する複数のギアでなる下仲介ギア群83と、上連動ギア74と仲介ギア82との間で駆動力を伝達する複数のギアでなる上仲介ギア群84とが設けられている。下仲介ギア群83の各ギアは、図示しないギア支持部材により、本体下部15に対する位置を保ったまま自在に回転し得るように支持されている。これと同様に上仲介ギア群84の各ギアは、図示しないギア支持部材により、本体上部16に対する位置を保ったまま自在に回転し得るように支持されている。説明の都合上、以下では、下連動ギア54、上連動ギア74、仲介ギア82、下仲介ギア群83及び上仲介ギア群84をまとめて連動部80と呼ぶ。
【0054】
因みに下仲介ギア群83における一部のギアには、円板状の回転ノブ(図示せず)が設けられている。このため連動部80では、保守作業者により該回転ノブが手動操作により回転されると、各ギアを連動して回転させることができる。
【0055】
かかる構成により用紙検出センサ部14では、連動部80により、下スクリューシャフト52及び下連動ギア54と、上スクリューシャフト72及び上連動ギア74とを、連動して同一の回転量ずつ回転させることができる。これにより用紙検出センサ部14では、下キャリッジ55及び上キャリッジ75を連動させること、すなわち互いに同一方向に同一距離ずつ移動させることができる。
【0056】
また用紙検出センサ部14では、本体下部15に対する本体上部16の回動中心と、仲介ギア82の回転中心とを一致させている。これにより用紙検出センサ部14では、本体下部15に対し本体上部16を開放させた状態(
図4(A))又は閉塞させた状態(
図4(B))、さらにはその間の状態の何れにおいても、連動部80の各ギアを互いに噛み合わせた状態を維持でき、左右方向に関する下キャリッジ55及び上キャリッジ75の相対的な位置を保つことができる。
【0057】
[2−4.用紙検出センサ部の組立]
ところで用紙検出センサ部14は、その製造時に、下キャリッジ55及び上キャリッジ75の左右方向に関する位置(以下これを位相とも呼ぶ)を相互に合わせることにより、発光素子78から出射された光を受光素子58により受光させる必要がある。そこで用紙検出センサ部14では、下スクリューシャフト52の不完全ねじ部52F及び上スクリューシャフト72の不完全ねじ部72Fを利用することにより、下キャリッジ55及び上キャリッジ75の位相を揃えるようになっている。
【0058】
具体的に用紙検出センサ部14では、まず本体下部15の組立が行われる。すなわち用紙検出センサ部14では、
図6に示すように、下スクリューシャフト52の右端側である不完全ねじ部52Fと、下第1規制シャフト51及び下第2規制シャフト53の右端近傍とが、下キャリッジ55の挿通孔55H2、55H1及び55H3(
図5)にそれぞれ挿通される。また下スクリューシャフト52の右端には、付勢部材56が挿通される。
【0059】
続いて用紙検出センサ部14では、下第1規制シャフト51、下スクリューシャフト52及び下第2規制シャフト53の左端近傍及び右端近傍が、本体下部15の左側板15L及び右側板15Rにそれぞれ挿通されることにより、該本体下部15に取り付けられる。このとき下キャリッジ55は、右側板15Rの近傍において、下スクリューシャフト52の不完全ねじ部52Fに挿通され、且つ付勢部材56により左方向へ付勢された状態となる。
【0060】
次に用紙検出センサ部14では、本体上部16の組立が、本体下部15と概ね同様に行われる。具体的に用紙検出センサ部14は、上スクリューシャフト72の右端側である不完全ねじ部72Fと、上第1規制シャフト71及び上第2規制シャフト73の右端近傍とが、上キャリッジ75の挿通孔75H2、75H1及び75H3(
図5)にそれぞれ挿通される。また上スクリューシャフト72の右端には、付勢部材76が挿通される。
【0061】
続いて用紙検出センサ部14では、上第1規制シャフト71、上スクリューシャフト72及び上第2規制シャフト73の左端近傍及び右端近傍が、本体上部16の左側板16L及び右側板16Rにそれぞれ挿通されることにより、該本体上部16に取り付けられる。このとき上キャリッジ75は、下キャリッジ55の場合と同様、右側板16Rの近傍において、上スクリューシャフト72の不完全ねじ部72Fに挿通され、且つ付勢部材76により左方向へ付勢された状態となる。
【0062】
これにより用紙検出センサ部14では、
図6に示したように、下キャリッジ55及び上キャリッジ75がそれぞれ付勢部材56及び76を挟んで右側板15R及び16Rにそれぞれ近接しており、互いの左右方向の位置(すなわち位相)を合わせた状態にある。
【0063】
さらに用紙検出センサ部14では、本体下部15及び本体上部16の左側部分に連動部80(
図4)、すなわち下連動ギア54、上連動ギア74、仲介ギア82、下仲介ギア群83及び上仲介ギア群84が組み込まれる。ここで用紙検出センサ部14では、各ギアが隣接するギアと噛み合わされるために適宜回転され、下連動ギア54及び上連動ギア74がそれぞれ取り付けられる下スクリューシャフト52及び上スクリューシャフト72もそれぞれ回転される。このとき用紙検出センサ部14では、下キャリッジ55及び上キャリッジ75を右方向へ移動させる場合の回転方向(以下これを右移動回転方向と呼ぶ)に下スクリューシャフト52及び上スクリューシャフト72を回転させるよう、各ギアが適宜回転されながら噛み合わされる。
【0064】
このため下キャリッジ55及び上キャリッジ75は、下スクリューシャフト52及び上スクリューシャフト72における不完全ねじ部52F及び72Fにそれぞれ挿通された状態を維持する。換言すれば、下スクリューシャフト52及び上スクリューシャフト72は、不完全ねじ部52F及び72Fが下キャリッジ55及び上キャリッジ75の挿通孔55H2及び75H2にそれぞれ挿通されているために、いわば空回りすることになる。
【0065】
その後、用紙検出センサ部14では、連動部80の各ギアを、下キャリッジ55及び上キャリッジ75を左方向へ移動させる場合の回転方向(以下これを左移動回転方向と呼ぶ)に回転させる。このとき下キャリッジ55は、付勢部材56により左方向へ付勢されているため、挿通孔55H2の左端を下スクリューシャフト52におけるねじ部52Sの右端に押し付けて螺合を開始させ、左方向への移動を開始する。これと同時に上キャリッジ75は、付勢部材76により左方向へ付勢されているため、挿通孔75H2の左端を上スクリューシャフト72におけるねじ部72Sの右端に押し付けて螺合を開始させ、左方向への移動を開始する。
【0066】
これにより用紙検出センサ部14では、
図7に示すように、下キャリッジ55及び上キャリッジ75が左右方向の位置を合わせた(すなわち位相を揃えた)まま、左方向への移動を開始することができる。その後、用紙検出センサ部14では、連動部80の各ギアが適宜回転され、下スクリューシャフト52及び上スクリューシャフト72が連動して回転することにより、ねじ部52S及び72Sの範囲内で、下キャリッジ55及び上キャリッジ75の位相を維持したまま、左右方向へそれぞれ移動させることができる。
【0067】
ところで下キャリッジ55及び上キャリッジ75にそれぞれ搭載されている受光素子58及び発光素子78では、位置ずれの許容量が例えば±1.0[mm]となっている。このことは、下キャリッジ55及び上キャリッジ75における左右方向の位置ずれが±1.0[mm]以内であれば、発光素子78から出射された光を受光素子58により受光できることを意味する。
【0068】
そこで下スクリューシャフト52及び上スクリューシャフト72は、直径が約4[mm]とされた上で、それぞれのねじ部52S及び72Sに、ISO 724:1993やJIS B 0205:2001等に規定されている「M4」と呼ばれるねじと同等の螺旋状の溝が刻まれている。この「M4」のねじでは、溝同士の周期であるピッチが0.7[mm]となっている。
【0069】
すなわち用紙検出センサ部14では、連動部80の各ギアを回転させて下キャリッジ55及び上キャリッジ75の移動を同時に開始するときに、両者の間に最大で1ピッチ分の位置ずれが生じる恐れがあるものの、これを最大でも0.7[mm]に、すなわち上述した±1.0[mm]の範囲内に抑えることができる。
【0070】
これを換言すれば、用紙検出センサ部14では、下スクリューシャフト52及び上スクリューシャフト72におけるねじ溝のピッチよりも、受光素子58及び発光素子78における位置ずれの許容量のほうが大きくなっている。これにより用紙検出センサ部14では、発光素子78から出射された光を受光素子58により受光できるため、ラベル紙片PL(
図2)の先端位置等を精度良く検出することができる。
【0071】
ところで用紙検出センサ部14では、保守作業として分解や再組立等が行われた場合等に、下キャリッジ55及び上キャリッジ75の位相がずれた状態、すなわち位置ずれの量が±1.0[mm]以上となる場合がある。ここでは一例として、
図8に示すように、下キャリッジ55が上キャリッジ75よりも右側に位置していた場合を想定する。
【0072】
このような場合、用紙検出センサ部14では、まず保守作業者の操作により、連動部80の各ギアが右移動回転方向に回転され、これに伴って下スクリューシャフト52及び上スクリューシャフト72もそれぞれ右移動回転方向に回転する。これにより用紙検出センサ部14では、下キャリッジ55及び上キャリッジ75が互いの位置ずれを維持したまま、それぞれ右方向へ、すなわち第1交差方向へ移動する。
【0073】
しばらくすると、用紙検出センサ部14では、
図9に示すように、下キャリッジ55が下スクリューシャフト52の右端近傍、すなわち不完全ねじ部52Fに到達し、付勢部材56に当接して右側板15Rに近接した状態となる。これ以降、用紙検出センサ部14の本体上部16では、上スクリューシャフト72の右移動回転方向への回転により、上キャリッジ75が右方向へ移動し続ける。その一方で本体下部15では、下スクリューシャフト52が右移動回転方向に回転するものの、下キャリッジ55の挿通孔55H2内の内溝に対して不完全ねじ部52Fが空回りするため、該下キャリッジ55の位置をそのまま維持する。
【0074】
すなわち用紙検出センサ部14では、下スクリューシャフト52及び上スクリューシャフト72が連動して回転するものの、上キャリッジ75のみを移動させることにより、下キャリッジ55及び上キャリッジ75の位置ずれを徐々に縮小していくことができる。
【0075】
やがて用紙検出センサ部14では、上キャリッジ75が上スクリューシャフト72の右端近傍、すなわち不完全ねじ部72Fに到達し、
図6に示したように、付勢部材76に当接して右側板16Rに近接した状態となる。これにより用紙検出センサ部14では、下キャリッジ55及び上キャリッジ75の位相が揃えられた状態、すなわち組立時と同様の状態となる。その後、用紙検出センサ部14では、やはり組立時と同様に、連動部80の各ギアが、左移動回転方向に回転されることにより、
図7に示したように、互いの位相が揃えられた状態で、左方向(すなわち第2交差方向)への移動を開始することができる。
【0076】
[3.効果等]
以上の構成において、画像形成装置1の用紙検出センサ部14は、下センサ部50が組み込まれた本体下部15に対し、回動部17を回動中心として、上センサ部70が組み込まれた本体上部16を回動可能に構成した(
図3及び
図4)。
【0077】
そのうえで用紙検出センサ部14は、連動部80により下スクリューシャフト52及び上スクリューシャフト72を連動して回転させるようにした(
図4)。このため用紙検出センサ部14では、本体上部16の開閉に拘わらず、上キャリッジ75及び下キャリッジ55を連動して左右方向へ移動させることができる。
【0078】
これにより用紙検出センサ部14では、用紙Pに対し互いに反対に位置する発光素子78及び受光素子58を、左方向又は右方向へ同一距離ずつ移動させることができ、透過型センサとしての検出精度を維持したまま、検出位置を左右へ自在に変位させることができる。
【0079】
さらに用紙検出センサ部14では、下スクリューシャフト52及び上スクリューシャフト72の右端近傍に不完全ねじ部52F及び72Fをそれぞれ形成し、さらに付勢部材56及び76を設けた。
【0080】
用紙検出センサ部14では、その製造時に、下キャリッジ55及び上キャリッジ75をそれぞれ不完全ねじ部52F及び72Fに挿通させた状態で各部を組み立てた後、連動部80の各ギアを左移動回転方向に回転させ、下キャリッジ55及び上キャリッジ75の左方向への移動を同時に開始させる(
図7)。これにより用紙検出センサ部14では、下キャリッジ55及び上キャリッジ75の位相を揃えた状態で、下スクリューシャフト52及び上スクリューシャフト72のねじ部52S及び72Sにそれぞれ螺合させることができ、その位相を崩すことなく、左右方向へ移動させることができる。
【0081】
すなわち用紙検出センサ部14では、作業者に対して、下スクリューシャフト52及び上スクリューシャフト72の回転角度を調整する作業や、連動部80を分解して各ギアの連動を一時的に解除する作業、或いは専用の治具を用いて各キャリッジの位置を調整する作業等を行わせる必要がない。このため用紙検出センサ部14では、作業者に対し、極めて容易に且つ短時間で、下キャリッジ55及び上キャリッジ75の位相を揃えさせることができる。
【0082】
特に用紙検出センサ部14では、下スクリューシャフト52及び上スクリューシャフト72において、不完全ねじ部52F及び72Fの左右方向に関する長さを、下キャリッジ55及び上キャリッジ75における左右方向の長さよりも長く設定した。そのうえで用紙検出センサ部14では、付勢部材56及び76が取り付けられた状態における不完全ねじ部52F及び72Fの左右方向に関する長さを、下キャリッジ55及び上キャリッジ75における左右方向の長さよりも僅かに短く設定した。
【0083】
これにより用紙検出センサ部14では、下スクリューシャフト52及び上スクリューシャフト72を左移動回転方向へ回転させるだけで、ねじ部52S及び72Sと挿通孔55H2及び75H2の内溝との螺合をほぼ同時に開始させて、下キャリッジ55及び上キャリッジ75の位相を維持したまま移動させることができる。すなわち用紙検出センサ部14では、作業者に対して、下キャリッジ55及び上キャリッジ75を左方向へ付勢させる等の作業を行わせること無く、連動部80のギアを左移動回転方向に回転させるだけで良い。
【0084】
また用紙検出センサ部14では、保守作業等により下キャリッジ55及び上キャリッジ75の位相がずれた場合であっても、連動部80の各ギアを右移動回転方向に回転させるだけで、下キャリッジ55及び上キャリッジ75を右端近傍の不完全ねじ部52F及び72Fに順次到達させることができる(
図8及び
図9)。これにより用紙検出センサ部14では、この不完全ねじ部52F及び72Fにおいて下キャリッジ55及び上キャリッジ75の位相を揃えることができるので、今度は連動部80の各ギアを左移動回転方向に回転させるだけで、製造時と同様に、左方向への移動を同時に開始させることができる。
【0085】
以上の構成によれば、用紙検出センサ部14は、下スクリューシャフト52及び上スクリューシャフト72にそれぞれ不完全ねじ部52F及び72Fをそれぞれ形成した(
図5)。このため用紙検出センサ部14は、下キャリッジ55及び上キャリッジ75をそれぞれ不完全ねじ部52F及び72Fに挿通させた状態で、連動部80の各ギアを左移動回転方向に回転させるだけで、両者の位相を揃えたまま左方向へ移動させることができる。これにより用紙検出センサ部14では、作業者に分解や治具を用いた位置調整等の煩わしい作業を行わせる必要がない。
【0086】
[4.他の実施の形態]
なお上述した実施の形態においては、不完全ねじ部52F及び72Fを下スクリューシャフト52及び上スクリューシャフト72の右端近傍に設ける場合について述べた(
図5等)。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば不完全ねじ部52F及び72Fを下スクリューシャフト52及び上スクリューシャフト72の左端近傍等、他の箇所に設けても良い。
【0087】
また上述した実施の形態においては、下スクリューシャフト52及び上スクリューシャフト72の右端近傍に設ける付勢部材56及び76をゴム等の弾性材料により構成する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば付勢部材56及び76を金属や樹脂材料によるばねとする等、他の種々の構成としても良い。さらには下スクリューシャフト52及び上スクリューシャフト72から付勢部材56及び76を省略しても良い。
【0088】
さらに上述した実施の形態においては、下キャリッジ55及び上キャリッジ75における左右方向の長さを基準として、下スクリューシャフト52及び上スクリューシャフト72における不完全ねじ部52F及び72Fの左右方向の長さを定める(例えば長くする)場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば下キャリッジ55及び上キャリッジ75における挿通孔55H2及び75H2において、内溝が形成されている範囲が外形における左右方向の幅よりも短い場合に、該内溝が形成されている範囲の長さを基準として、不完全ねじ部52F及び72Fの左右方向の長さを定めても良い。
【0089】
さらに上述した実施の形態においては、下第1規制シャフト51及び下第2規制シャフト53を下キャリッジ55の挿通孔55H1及び55H3にそれぞれ挿通させることにより、該下キャリッジ55の前後方向及び上下方向の位置を定め、下スクリューシャフト52を中心とした回転を抑制する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば本体下部15に左右方向に沿ったレールを設けると共に下キャリッジ55にこのレールと係合して摺動する係合体を設けても良い。要は、下スクリューシャフト52を中心とした下キャリッジ55の回転を抑止できれば良い。上キャリッジ75についても同様である。
【0090】
さらに上述した実施の形態においては、製造時に作業者が連動部80の各ギアを左移動回転方向に回転させて下キャリッジ55及び上キャリッジ75の左方向への移動を開始する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば駆動力供給部としてのモータ(図示せず)から連動部80の各ギアに駆動力を供給して回転させることにより、左移動回転方向に回転させて下キャリッジ55及び上キャリッジ75の左方向への移動を開始しても良い。
【0091】
また保守作業時には、例えば下キャリッジ55及び上キャリッジ75の位相がずれた状態のまま保守作業を終了して画像形成装置1の電源を投入した際に、制御部5の制御によりモータ(図示せず)を駆動して下キャリッジ55及び上キャリッジ75の位相を揃えても良い。例えば制御部5は、まず連動部80の各ギアを右移動回転方向に回転させて下キャリッジ55及び上キャリッジ75を右端近傍にそれぞれ位置させると共に位相を揃えた後、右移動回転方向に回転させて下キャリッジ55及び上キャリッジ75の位相を揃えたまま左方向へ移動させれば良い。或いは、このような動作を電源投入直後の初期動作の一部とすることにより、電源が投入される度に下キャリッジ55及び上キャリッジ75の位相を揃えるようにしても良い。若しくは、例えば受光素子58による受光結果、すなわち受信結果を基に、下キャリッジ55及び上キャリッジ75の位相がずれていると制御部5が判断した場合に、このような動作を行うようにしても良い。
【0092】
さらに上述した実施の形態においては、本体下部15の製造時に、下キャリッジ55に挿通させた下第1規制シャフト51及び下第2規制シャフト53並びに下スクリューシャフト52の不完全ねじ部52Fを左側板15L及び右側板15Rに組み付け、さらに連動部80の各ギアを取り付ける場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば本体下部15から右側板15Rが取り外された状態で、左側板15Lに下第1規制シャフト51、下スクリューシャフト52及び下第2規制シャフト53の左端近傍を挿通させ、連動部80の各ギアを組み込み、さらに下キャリッジ55を挿通させて付勢部材56を取り付けてから右側板15Rを取り付ける等、種々の順序で組み立てても良い。本体上部16についても同様である。
【0093】
さらに上述した実施の形態においては、本体下部15の製造時に、下キャリッジ55を下スクリューシャフト52の不完全ねじ部52Fに挿通させた状態で組み立てる場合について述べた(
図6)。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば本体下部15の製造時に、下キャリッジ55を下スクリューシャフト52のねじ部52Sにおける任意の位置に挿通させた状態で組み立てても良い。この場合、本体上部16も同様に組み立てることにより、
図7と同様の状態になるため、上述した保守作業の場合と同様に、連動部80の各ギアを右移動回転方向に回転させることにより、
図6の状態にすることができる。
【0094】
さらに上述した実施の形態においては、下キャリッジ55及び上キャリッジ75における左右方向の長さを揃えると共に、下スクリューシャフト52及び上スクリューシャフト72における不完全ねじ部52F及び72Fの左右方向の長さも揃える場合について述べた(
図7及び
図8)。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば下キャリッジ55及び上キャリッジ75における左右方向の長さが相違する場合に、下スクリューシャフト52及び上スクリューシャフト72における不完全ねじ部52F及び72Fの左右方向の長さを相違させても良い。要は、発光素子78及び受光素子58の位置ずれを許容範囲内に抑えた状態で、ねじ部52S及び72Sと挿通孔55H2及び75H2のねじ溝との螺合をそれぞれ開始して、下キャリッジ55及び上キャリッジ75の左方向への移動を開始できれば良い。
【0095】
さらに上述した実施の形態においては、上キャリッジ75に発光素子78を設けると共に、下キャリッジ55に受光素子58を設ける場合について述べた(
図4及び
図5)。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば上キャリッジ75に受光素子58を設けると共に、下キャリッジ55に発光素子78を設けても良い。或いは、例えば上キャリッジ75に超音波を発信する発信素子を設け、下キャリッジ55にこの超音波を受信する受信素子を設けても良い。要は、上キャリッジ75及び下キャリッジ55の何れか一方に種々の光や電磁波を発信する発信素子を設け、その他方にこの光や電磁波を受信する受信素子を設ければ良い。
【0096】
さらに上述した実施の形態においては、用紙Pをいわゆるラベル用紙とする場合について述べた(
図2)。しかしながら本発明はこれに限らず、用紙Pを種々の構成でなる用紙としても良い。この場合、発光素子78及び受光素子58により構成される透過型センサにより、用紙Pにおける画像を形成すべき位置を検出することができれば良い。また用紙Pは、長尺紙に限らず、例えばA4サイズ等の比較的短い長さでなるカット紙でも良い。
【0097】
さらに上述した実施の形態においては、ラベル紙でなる用紙Pに画像を形成する画像形成装置1において、ラベル紙片PLの位置を検出するための用紙検出センサ部14に本発明を適用する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば本体部2の中央搬送部23に設けられた検出センサ群34(
図1)等、透過型のセンサを用いて用紙等の媒体の位置を検出する種々のセンサに適用しても良い。
【0098】
さらに本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
【0099】
さらに上述した実施の形態においては、第1本体部としての本体下部15と、第2本体部としての本体上部16と、本体回動部としての回動部17と、第1スクリューシャフトとしての下スクリューシャフト52と、第1位置合わせ部としての不完全ねじ部52Fと、第2スクリューシャフトとしての上スクリューシャフト72と、第2位置合わせ部としての不完全ねじ部72Fと、第1キャリッジとしての下キャリッジ55と、第2キャリッジとしての上キャリッジ75と、発信素子としての発光素子78と、受信素子としての受光素子58と、連動部としての連動部80とによって媒体検出装置としての用紙検出センサ部14を構成する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる第1本体部と、第2本体部と、本体回動部と、第1スクリューシャフトと、第1位置合わせ部と、第2スクリューシャフトと、第2位置合わせ部と、第1キャリッジと、第2キャリッジと、発信素子と、受信素子と、連動部とによって媒体検出装置を構成しても良い。