(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記テーパ面の角度は、前記カラーフィルタ層としての機能が有効とされる領域である有効領域の外側に設けられる無効領域に前記塗布ムラが発生する範囲が収まるように設定される
請求項1に記載の固体撮像素子。
前記カラーフィルタ層としての機能が有効とされる領域である有効領域の外側に設けられる無効領域に、前記カラーフィルタ層の端部が配置される形成位置で前記カラーフィルタ層が設けられた
請求項1に記載の固体撮像素子。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本技術を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
図1は、本技術を適用した固体撮像素子の一実施の形態の構成例を示す図である。
図1のAには、固体撮像素子の断面的な構成例が示されており、
図1のBには、
図1のAの固体撮像素子のカラーフィルタ層における平面的な構成示されている。
【0016】
図1に示すように、固体撮像素子11は、半導体基板12、平坦化膜13、カラーフィルタ層14、およびオンチップレンズ層15が積層されて構成される。
【0017】
半導体基板12は、例えば、単結晶シリコンを薄くスライスした板状のウェハであり、複数の画素がアレイ状に配置された画素領域21が形成される。
【0018】
平坦化膜13は、例えば、有機または無機の高分子材料をスピンコート法により塗布することで、半導体基板12に形成されている凹部(例えば、スクライブラインなど)を埋め込むように成膜され、その表面を平坦な状態にする。
【0019】
カラーフィルタ層14は、画素領域21に形成される複数の画素ごとに、それぞれの画素が受光する色(例えば、赤色、青色、および緑色の三原色)の光を透過するフィルタが配置されて構成される。ここで、
図1のAに示すように、固体撮像素子11では、カラーフィルタ層14は、平坦化膜13の表面を凹ませて形成される凹み領域(後述する
図2の凹み領域32)に埋め込まれるように形成される。また、カラーフィルタ層14は、その表面が、平坦化膜13の表面とフラットな状態となるように形成される。
【0020】
オンチップレンズ層15は、画素領域21に形成される複数の画素ごとに光を集光するように、画素サイズの小型のレンズが配置されて構成される。
【0021】
このように構成される固体撮像素子11は、カラーフィルタ層14を平坦化膜13の凹み領域に埋め込む構成とすることで、カラーフィルタ層14を形成する際に発生する塗布ムラを抑制することができる。これにより、カラーフィルタ層14の厚みを均一に形成することができ、固体撮像素子11の品質の向上を図ることができる。従って、固体撮像素子11により撮像される画像の色ごと(カラーフィルタ層14の各色のフィルタごと)に、明るさの不均一性が発生することを回避することができ、画質を向上させることができる。
【0022】
また、固体撮像素子11は、カラーフィルタ層14を形成した状態で、平坦化膜13およびカラーフィルタ層14の表面が平坦となる構成とすることで、その表面にオンチップレンズ層15を形成する際に発生する塗布ムラを抑制することができる。これにより、オンチップレンズ層15のレンズを均一な形状で形成することができ、固体撮像素子11の品質の向上を図ることができる。従って、固体撮像素子11により撮像される画像の画素ごと(オンチップレンズ層15のレンズごと)に、明るさの不均一性が発生することを回避することができ、画質を向上させることができる。
【0024】
次に、
図2および
図3を参照して、固体撮像素子11の製造方法について説明する。
【0025】
まず、第1の工程において、
図2の1段目に示すように、例えば、P型の半導体基板12に対してN型の不純物をイオン注入して画素ごとにフォトダイオードを形成することで、半導体基板12に画素領域21を形成する。また、半導体基板12の画素領域21が形成される周辺となる周辺領域には、例えば、アライメントマークなどに利用される凹状に窪んだ溝部22、および、固体撮像素子11を個片化する際の境界となる凹状に窪んだスクライブライン23が形成されている。なお、複数個の固体撮像素子11を1枚の半導体ウェハで同時に製造することができ、後の工程で個片化される。
【0026】
そして、第2の工程において、
図2の2段目に示すように、平坦化膜13となる材料をスピンコート法により半導体基板12に塗布して、平坦化膜13の表面を平坦な状態とする。このとき、平坦化膜13は、溝部22およびスクライブライン23を埋め込むように成膜される。
【0027】
また、第3の工程において、
図2の3段目に示すように、平坦化膜13上にフォトレジスト31を塗布する。
【0028】
その後、第4の工程において、
図2の4段目に示すように、フォトレジスト31上から露光現像処理を行って一部分を除去し、後の工程でカラーフィルタ層14を形成する領域に対応して開口する開口部をフォトレジスト31に形成する。即ち、カラーフィルタ層14を形成する領域以外の部分に、フォトレジスト31を残すように露光現像処理を行う。
【0029】
そして、第5の工程において、エッチング装置を使用して、必要な量(深さ)だけ平坦化膜13をエッチングすることで、フォトレジスト31の開口部に対応する平坦化膜13の一部分を除去する。その後、フォトレジスト31を除去することで、
図2の5段目に示すように、平坦化膜13の表面がくり抜かれ、半導体基板12の画素領域21に対応してカラーフィルタ層14を埋め込むための凹み領域32が形成される。
【0030】
次に、第6の工程において、
図3の1段目に示すように、平坦化膜13に形成された凹み領域32内に、カラーフィルタ層14を構成する緑色フィルタ14Gのパターンが形成される。例えば、緑色のカラーフィルタレジスト(一般的にはネガ型の感光性樹脂)をスピンコート法により塗布し、緑色のカラーフィルタレジストが乾燥した後、紫外線照射のできるマスクを用いて露光し、専用の現像液を用いて緑色フィルタ14Gのパターンが形成される。
【0031】
そして、第7の工程において、
図3の2段目に示すように、平坦化膜13に形成された凹み領域32内に、カラーフィルタ層14を構成する青色フィルタ14Bのパターンが形成される。例えば、青色のカラーフィルタレジストをスピンコート法により塗布し、青色のカラーフィルタレジストが乾燥した後、紫外線照射のできるマスクを用いて露光し、専用の現像液を用いて青色フィルタ14Bのパターンが形成される。
【0032】
続いて、第8の工程において、
図3の3段目に示すように、平坦化膜13に形成された凹み領域32内に、カラーフィルタ層14を構成する赤色フィルタ14Rのパターンが形成される。例えば、赤色のカラーフィルタレジストをスピンコート法により塗布し、赤色のカラーフィルタレジストが乾燥した後、紫外線照射のできるマスクを用いて露光し、専用の現像液を用いて赤色フィルタ14Rのパターンが形成される。これにより、緑色フィルタ14G、青色フィルタ14B、および赤色フィルタ14Rからなるカラーフィルタ層14が凹み領域32内に形成される。
【0033】
また、第9の工程において、
図3の4段目に示すように、平坦化膜13およびカラーフィルタ層14の表面に、透明な樹脂からなるレンズ材料15aをスピンコート法により塗布する。
【0034】
そして、第10の工程において、レンズ材料15aに対して画素ごとにレンズパターンを形成することで、
図3の5段目に示すように、オンチップレンズ層15が形成される。
【0035】
その後、例えば、ダイシングブレードなどを使用して、スクライブライン23に沿ってウェハを切断することで、個片化された固体撮像素子11が製造される。
【0036】
以上のような工程により製造される固体撮像素子11は、画素領域21に応じて平坦化膜13に形成される凹み領域32にカラーフィルタ層14を形成することで、カラーフィルタレジストをスピンコート法により塗布する際に発生する塗布ムラを抑制することができる。また、平坦化膜13およびカラーフィルタ層14からなる平坦な表面に対してオンチップレンズ層15を形成することで、レンズ材料15aをスピンコート法により塗布する際に発生する塗布ムラを抑制することができる。
【0037】
ここで、
図4を参照して、従来の固体撮像素子の構成について説明する。
【0038】
図4のAには、従来の固体撮像素子11Aの断面的な構成例が示されており、
図4のBには、固体撮像素子11Aのカラーフィルタ層14を製造する工程が示されている。
【0039】
図示するように、固体撮像素子11Aは、画素領域21が形成された半導体基板12に平坦化膜13の表面が平坦に成膜され、平坦化膜13の表面にカラーフィルタ層14が形成され、その上にオンチップレンズ層15が積層された構成となっている。即ち、
図1の固体撮像素子11は、平坦化膜13にくり抜かれた凹み領域32(
図2参照)に埋め込まれるようにカラーフィルタ層14が形成された構成であるのに対し、固体撮像素子11Aは、平坦化膜13上にカラーフィルタ層14が形成された構成となっている。このような構成の違いにより、固体撮像素子11Aでは、カラーフィルタ層14を形成する際に、カラーフィルタレジストに塗布ムラが発生することがあった。
【0040】
つまり、
図4のBに示すように、赤色フィルタ14Rを形成する赤色のカラーフィルタレジストを塗布する工程では、平坦化膜13上に凸形状となるように緑色フィルタ14Gおよび青色フィルタ14Bが形成されている。このとき、緑色フィルタ14Gおよび青色フィルタ14Bが平坦化膜13から突出するように形成される段差によって、赤色のカラーフィルタレジストに塗布ムラが発生することになる。
【0041】
なお、青色フィルタ14Bを形成する青色のカラーフィルタレジストを塗布する工程においても、同様に、平坦化膜13上に凸形状に形成されている緑色フィルタ14Gによって、青色のカラーフィルタレジストに塗布ムラが発生する。
【0042】
例えば、スピンコート法では、
図5に示すように、複数の固体撮像素子11Aが形成される半導体ウェハ51の中心点を回転軸として、半導体ウェハ51を高速回転させ、半導体ウェハ51の中央にカラーフィルタレジスト(感光性の有機材料)が塗布される。そして、回転による遠心力によってカラーフィルタレジストが拡がることにより、半導体ウェハ51の全面に均一の厚みで塗布される。
【0043】
その際、平坦化膜13上に凸形状となるように緑色フィルタ14Gおよび青色フィルタ14Bが形成されていると、その段差の高い部分が原因となって、半導体ウェハ51の中心から外側に向かって、破線で図示するような塗布ムラが発生することになる。
【0044】
これに対し、固体撮像素子11では、上述した
図3に示したように、赤色フィルタ14Rを形成する赤色のカラーフィルタレジストを塗布する第8の工程では、赤色フィルタ14Rが形成される箇所が平坦化膜13に対して凹形状となっている。このため、平坦化膜13上に緑色フィルタ14Gおよび青色フィルタ14Bが凸形状に形成されている状況と異なり、赤色のカラーフィルタレジストを成膜する際に段差により受ける影響を抑制することができる。
【0045】
なお、固体撮像素子11では、青色フィルタ14Bを形成する青色のカラーフィルタレジストを塗布する工程においても、青色フィルタ14Bが形成される箇所が平坦化膜13に対して凹形状となっているため、その段差により受ける影響を抑制することができる。
【0046】
このように、固体撮像素子11は、固体撮像素子11Aとの構造の違いにより、カラーフィルタ層14を形成する際に、カラーフィルタレジストに発生する塗布ムラを抑制することができる。
【0047】
さらに、固体撮像素子11は、オンチップレンズ層15のレンズ材料15aを塗布する際に発生する塗布ムラを抑制することができる。
【0048】
図6を参照して、従来の固体撮像素子11Aにおいてレンズ材料15aを塗布する工程について説明する。
【0049】
図4のAに示したように、固体撮像素子11Aは、平坦な平坦化膜13の表面上にカラーフィルタ層14が形成されるため、
図6の上側に示すように、カラーフィルタ層14の端部(破線で囲んだ部分)に段差が形成されることになる。このため、
図6の下側に示すように、レンズ材料15aをスピンコート法で塗布するとき、カラーフィルタ層14の端部の段差が起因となって塗布ムラが発生してしまう。
【0050】
これに対し、
図1の固体撮像素子11は、上述した
図3に示したように、平坦化膜13およびカラーフィルタ層14の表面が平坦に形成されるため、レンズ材料15aを塗布する際の塗布ムラの発生を抑制することができる。従って、レンズ材料15aが均一な厚みで形成されることより、レンズ材料15aから形成されるオンチップレンズ層15のレンズを高精度に均一な形状で形成することができる。
【0052】
次に、
図7を参照して、固体撮像素子11の製造方法の変形例について説明する。
【0053】
まず、第21の工程において、
図7の1段目に示すように、上述の第1の工程(
図2)と同様に、半導体基板12に画素領域21を形成する。
【0054】
そして、第22の工程において、
図7の2段目に示すように、第1の平坦化膜13−1となる樹脂をスピンコート法により半導体基板12に塗布して、第1の平坦化膜13−1の表面を平坦な状態とする。ここで、第1の平坦化膜13−1は、
図1の平坦化膜13の厚みよりも薄く、平坦化膜13に凹み領域32が形成された残りの厚みと同等となるように形成される。また、第1の平坦化膜13−1には、感光性を有さない樹脂が用いられる。
【0055】
また、第23の工程において、
図7の3段目に示すように、第2の平坦化膜13−2となる樹脂を第1の平坦化膜13−1上にスピンコート法により塗布して、第2の平坦化膜13−2の表面を平坦な状態とする。ここで、第2の平坦化膜13−2は、カラーフィルタ層14の高さとなる膜厚で成膜される。また、第2の平坦化膜13−2には、第1の平坦化膜13−1と同一の材料となる樹脂に、感光材を添加することにより感光性を有した樹脂が用いられる。
【0056】
そして、第24の工程において、
図7の4段目に示すように、カラーフィルタ層14を形成する領域に応じて第2の平坦化膜13−2をくり抜くために、レチクルを用いた露光を行って現像処理し、第2の平坦化膜13−2の一部分を除去する。これにより、画素領域21に対応する領域の外側に第2の平坦化膜13−2が成膜され、第1の平坦化膜13−1および第2の平坦化膜13−2からなる平坦化膜13に凹み領域32が形成される。
【0057】
その後、
図3の第6の工程以降と同様の工程が行われることで、カラーフィルタ層14およびオンチップレンズ層15が形成され、固体撮像素子11が製造される。このような製造方法により平坦化膜13に凹み領域32を形成することで、上述した製造方法と同様に、カラーフィルタ層14およびオンチップレンズ層15を形成するときに発生する塗布ムラを抑制することができる。
【0058】
次に、
図8を参照して、カラーフィルタ層14の周辺部分の構成について説明する。
【0059】
図8のAには、
図2の5段目と同様に、平坦化膜13に凹み領域32が形成された状態における断面的な構成例が示されている。図示するように、平坦化膜13の凹み領域32の外周部には、破線で囲う部分のように、中央に向かって凹むような段差が形成されている。このため、カラーフィルタ層14の形成時に、凹み領域32の段差の影響によって、カラーフィルタ層14の周囲部分に塗布ムラが発生することが想定される。
【0060】
そこで、固体撮像素子11では、カラーフィルタ層14の形成時における凹み領域32の段差の影響が抑制されるように、
図8のBに示すように、凹み領域32の外周部に、凹み領域32の高さ(深さ)に応じて所定の角度で傾斜するテーパ面を形成する。これにより、カラーフィルタレジストを塗布する際の凹み領域32の段差の影響を抑制することができ、カラーフィルタレジストに塗布ムラが発生する範囲を制限することができる。
【0061】
例えば、カラーフィルタ層14としての機能が有効とされる領域である有効領域の外側に無効領域を設け、カラーフィルタレジストに塗布ムラが発生する範囲が無効領域内に収まるように、凹み領域32の外周部のテーパ面の角度を設定する。これにより、カラーフィルタ層14の有効領域においては、均一な厚みでカラーフィルタレジストを塗布することができ、塗布ムラが画質に悪影響を及ぼすことを回避することができる。
【0062】
さらに、
図8のCに示すように、カラーフィルタ層14の端部が無効領域内に配置されるように、カラーフィルタ層14の形成位置を、凹み領域32の外周部から所定の間隔が設けられるように設定する。このように、カラーフィルタ層14が、凹み領域32よりも若干内側に形成されるように形成位置を調整することによっても、カラーフィルタレジストを塗布する際の凹み領域32の段差の影響を抑制することができる。
【0063】
以上のように、固体撮像素子11は、例えば、凹み領域32を形成する際のプロセス条件を適切に設定することで、凹み領域32の外周部にテーパ面を形成することができ、カラーフィルタレジストに塗布ムラが発生する範囲を無効領域内に制限することができる。これにより、固体撮像素子11は、有効領域におけるカラーフィルタ層14を均一な厚みで形成することができ、品質の向上を図ることができる。
【0064】
なお、固体撮像素子11において凹み領域32を形成する工程としては、
図2および
図7を参照して上述したような手法に限定されることなく、その他の様々な手法を採用することができる。
【0066】
なお、上述したような実施の形態の固体撮像素子11は、例えば、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラなどの撮像システム、撮像機能を備えた携帯電話機、または、撮像機能を備えた他の機器といった各種の電子機器に適用することができる。
【0067】
図9は、電子機器に搭載される撮像装置の構成例を示すブロック図である。
【0068】
図9に示すように、撮像装置101は、光学系102、撮像素子103、信号処理回路104、モニタ105、およびメモリ106を備えて構成され、静止画像および動画像を撮像可能である。
【0069】
光学系102は、1枚または複数枚のレンズを有して構成され、被写体からの像光(入射光)を撮像素子103に導き、撮像素子103の受光面(センサ部)に結像させる。
【0070】
撮像素子103としては、上述した実施の形態の固体撮像素子11が適用される。撮像素子103には、光学系102を介して受光面に結像される像に応じて、一定期間、電子が蓄積される。そして、撮像素子103に蓄積された電子に応じた信号が信号処理回路104に供給される。
【0071】
信号処理回路104は、撮像素子103から出力された画素信号に対して各種の信号処理を施す。信号処理回路104が信号処理を施すことにより得られた画像(画像データ)は、モニタ105に供給されて表示されたり、メモリ106に供給されて記憶(記録)されたりする。
【0072】
このように構成されている撮像装置101では、上述した実施の形態の固体撮像素子11を適用することで、例えば、明るさが均一で良好な画質の画像を撮像することができる。
【0074】
図10は、上述のイメージセンサ(固体撮像素子11)を使用する使用例を示す図である。
【0075】
上述したイメージセンサは、例えば、以下のように、可視光や、赤外光、紫外光、X線等の光をセンシングする様々なケースに使用することができる。
【0076】
・ディジタルカメラや、カメラ機能付きの携帯機器等の、鑑賞の用に供される画像を撮影する装置
・自動停止等の安全運転や、運転者の状態の認識等のために、自動車の前方や後方、周囲、車内等を撮影する車載用センサ、走行車両や道路を監視する監視カメラ、車両間等の測距を行う測距センサ等の、交通の用に供される装置
・ユーザのジェスチャを撮影して、そのジェスチャに従った機器操作を行うために、TVや、冷蔵庫、エアーコンディショナ等の家電に供される装置
・内視鏡や、赤外光の受光による血管撮影を行う装置等の、医療やヘルスケアの用に供される装置
・防犯用途の監視カメラや、人物認証用途のカメラ等の、セキュリティの用に供される装置
・肌を撮影する肌測定器や、頭皮を撮影するマイクロスコープ等の、美容の用に供される装置
・スポーツ用途等向けのアクションカメラやウェアラブルカメラ等の、スポーツの用に供される装置
・畑や作物の状態を監視するためのカメラ等の、農業の用に供される装置
【0077】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
複数の画素がアレイ状に配置された画素領域を有する半導体基板と、
前記半導体基板の凹部を埋め込むように成膜される平坦化膜と、
前記画素領域に対応して前記平坦化膜に形成される凹み領域内に形成されるカラーフィルタ層と
を備える固体撮像素子。
(2)
前記凹み領域は、前記平坦化膜を成膜した後、前記カラーフィルタ層の厚みに応じて前記平坦化膜の前記画素領域に対応する領域をくり抜くことにより形成される
上記(1)に記載の固体撮像素子。
(3)
前記凹み領域は、所定の厚みで平坦に第1の平坦化膜を成膜し、前記第1の平坦化膜に対して前記画素領域に対応する領域の外側に第2の平坦化膜を成膜することにより形成される
上記(1)に記載の固体撮像素子。
(4)
前記平坦化膜および前記カラーフィルタ層からなる平面上に形成されるオンチップレンズ層
をさらに備える上記(1)から(3)までのいずれかに記載の固体撮像素子。
(5)
前記凹み領域の外周部にテーパ面が形成される
上記(1)から(4)までのいずれかに記載の固体撮像素子。
(6)
前記カラーフィルタ層としての機能が有効とされる領域である有効領域の外側に設けられる無効領域に、前記カラーフィルタ層の端部が配置される形成位置で前記カラーフィルタ層が形成される
上記(1)から(5)までのいずれかに記載の固体撮像素子。
(7)
複数の画素がアレイ状に配置された画素領域を有する半導体基板の凹部を埋め込むように平坦化膜を成膜し、
前記画素領域に対応して前記平坦化膜に形成される凹み領域内にカラーフィルタ層を形成する
工程を含む固体撮像素子の製造方法。
(8)
複数の画素がアレイ状に配置された画素領域を有する半導体基板と、
前記半導体基板の凹部を埋め込むように成膜される平坦化膜と、
前記画素領域に対応して前記平坦化膜に形成される凹み領域内に形成されるカラーフィルタ層と
を有する固体撮像素子を備える電子機器。
【0078】
なお、本実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。