(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
容器の上部に、電源コードに設けた電源スイッチと、マグネトロンの照射時間を設定するタイマースイッチと、地中差込囲壁に設けたセンサーにより土と接触したことを感知して前記タイマースイッチをオンにするタイマースタータと、前記タイマースイッチがオフとなったときに終了したことを表すランプ及びブザーと、を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁波地中照射装置。
地中差込囲壁の下部又は地中差込囲壁の内部に温度センサーを配設し、設定温度に達したときにタイマースイッチを強制的にオフとするタイマー制御回路を設けたことを特徴とする請求項3に記載の電磁波地中照射装置。
マグネトロンに、異なる複数の電力に切り換えて供給可能とする複数電力供給部を備えると共にその異なる複数の電力の中から一つを選択して使用可能とする電力切換ダイヤルを設けたことを特徴とする請求項1から4のうちのいずれかに記載の電磁波地中照射装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の電子除草機は、道路の舗装部とブロックと間の細い隙間に生える雑草に対応させるため細長い照射口からマイクロ波を照射すると共に該照射口は車体の移動の際に地表との衝突を避けるために地表とは距離を多めに取っている。このためマイクロ波の空中への漏出等のロスが多く、発生させたマイクロ波を効果的に地中へ照射させることが困難となっている。
更に、車輪で地表を移動させつつマイクロ波を照射するので、地中が高温となる前に場所を移動してしまうと雑草を確実に熱死させることができない。
【0006】
本発明は、一箇所毎に止まって、電磁波を周囲に漏らさずに集中させて効率良く地中に照射可能とると共に、地中の土に含まれた水分と雑草や害虫等に含まれた水分を雑草や害虫等の生物が確実に熱死するまで照射可能とする電磁波地中照射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の電磁波地中照射装置は、地面に無底の容器を被せて該容器上部からマグネトロンで該容器内部に電磁波を照射して雑草、害虫等の生物を殺処理する装置であって、該容器の上部には、電磁波を容器内へ射出可能なマグネトロンを備え、前記容器の側面には、電磁波を下方へ誘導する内側斜め下向きの電磁波反射面を形成した電磁波誘導囲壁と、雑草、害虫等の生物が死滅可能に電磁波を囲壁の内部へ集中的に閉じ込めるよう前記電磁波誘導囲壁の下端に垂設した地中に圧入可能な地中差込囲壁とを形成し、前記電磁波誘導囲壁と地中差込囲壁との境界付近には、囲壁内部の空間を上下に隔て、照射された電磁波が背の高い草で遮られずに地中に到達可能となるよう草を抑え付ける電磁波透過性の草押圧板を固設したことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、装置本体の重心よりも前側の電磁波誘導囲壁の外壁の左右対向した側面下部には、夫々枢支部を設け、前記枢支部の後側には、後斜め上方に向けて上部に把持部を形成した左右のハンドルの両端部を夫々枢支すると共に前記枢支部の前側には、前方に向けた左右のアームの両端部を前記ハンドルの両端部と一体的に結合させて枢支し、前記左右のアームの先端部には、フリー回転する車輪又はスキー板状の滑走板を装着し、地中差込囲壁の左右対向する側面には、前記把持部を持ち上げて前記車輪又は滑走板の下端部よりも前記地中差込囲壁の下端辺が高い位置となったとき、前記地中差込囲壁の下端辺が略水平となって前記アームの下側に当って停止するストッパを突設し、前記電磁波誘導囲壁の上部には、足踏み部を設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、前記容器の上部に、電源コードに設けた電源スイッチと、マグネトロンの照射時間を設定するタイマースイッチと、地中差込囲壁に設けたセンサーにより土と接触したことを感知して前記タイマースイッチをオンにするタイマースタータと、前記タイマースイッチがオフとなったときに終了したことを表すランプ及びブザーと、を設けたことを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、前記地中差込囲壁の下部又は地中差込囲壁の内部に温度センサーを配設し、設定温度に達したときにタイマースイッチを強制的にオフとするタイマー制御回路を設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、前記マグネトロンに、異なる複数の電力に切り換えて供給可能とする複数電力供給部を備えると共にその異なる複数の電力の中から一つを選択して使用可能とする電力切換ダイヤルを設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、前記マグネトロンに、マグネトロンアンテナを回転させる回転部を設けたことを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、前記容器の上部に、電力が供給されるマグネトロンを複数備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の電磁波地中照射装置は、マグネトロンから容器内に射出した電磁波が電磁波誘導囲壁に反射されて全て下方へ誘導され、地中に差し込んだ地中差込囲壁内の水分及び水分を含む生物に対して集中的に照射可能となる。
又、地中差込囲壁を地中に差し込む際に、電磁波誘導囲壁と地中差込囲壁との境界付近に設けた草押圧板が、背の高い草を地面付近に押し付けるので、マグネトロンから射出された電磁波は、電磁波誘導囲壁場内では雑草の葉や茎に遮られるとなく、減衰せずに地中差込囲壁内へ集中させることが可能となる。
そして、マグネトロンから射出された電磁波により、定位置で地中差込囲壁内の土に含まれる水分と草や虫等の生物の体内の水分とを一定時間継続して加熱することで地中差込囲壁内の雑草や害虫等の生物を熱死させる高い温度にすることが可能となる。
即ち、地中の深い場所に出芽する雑草の根や茎及び種が生育していたとしても、地中差込囲壁に囲われた土の中に電磁波が集中して照射されるので、雑草を確実に熱死させ、又、害虫の卵や幼虫がいても確実に熱殺することが可能となる。
更に、電磁波で土に含まれた水分が加熱されて土壌自体が殺菌され、土に付着した有害な病原菌類も確実に熱殺することが可能となり、これまで、薬剤でも処理できなかった野菜や果樹の病気の感染を防止することが可能となる。
【0015】
請求項2の発明においては、ハンドルの把持部を持ち、立ったままで一回毎に足踏み部による地中差込囲壁の差し込みと引き抜きとが行え、その際に、足踏み部に体重を乗せることで地中差込囲壁を強く地中に差し込めるようになり、又地中差込囲壁を地中から引き抜くときには車輪又は滑走板を支点とし枢支部を作用点とした梃子の原理で力点の把持部を持ち上げることで地中差込囲壁を地中から容易に引き抜くことが可能となる。
又、その際に地中差込囲壁を地中に深く差し込むときにはストッパからアームが離れて該アームに拘束されずに装置本体の水平状態が保持され、地中差込囲壁を真っ直ぐに立てて地中へ差し込めるようになる。このため容易に深く地中へ圧入可能となる。
又、場所を移動する際には、ハンドルの把持部を持ち上げると、装置本体が自重で枢支部を中心に回動してストッパがアームに当たって地中差込囲壁の底辺の水平が維持された状態で地面から離れて浮き上がり、地中差込囲壁を地面に接触させることなく車輪を回転させるか又は滑走板を滑らせて楽に移動させることが可能となる。
【0016】
請求項3の発明においては、マグネトロンの電源スイッチをオンにすることで、作業が開始でき、又、照射時間を設定するタイマースイッチは、マグネトロンを任意の照射時間に設定することができる。
その際、地面の乾燥状態や雑草の種類や混み合い等地面の状況に合った時間設定を行うことで効率良く作業を行うことが可能となる。
又、前記地中差込囲壁の側面には土からの圧力を受けると電流が流れる感圧センサーを備えると共に該感圧センサーの電流でタイマースイッチをオンにするタイマースタータを設けたことで、一回の地中差込囲壁を地面に差し込む作業を行う毎に自動的にタイマーがスタートしてマグネトロンが稼働し、設定時間経過後にタイマーがオフとなってマグネトロンの稼働が自動的に停止できるようになる。
その際、タイマースイッチが切れるときにランプが点灯し、短時間ブザーが鳴って一回の作業が終了したことを作業者に知らせることができ、過度な照射や照射不足を解消し、効率良く確実な雑草や害虫等の殺処理を行うことが可能となる。
【0017】
請求項4の発明においては、前記地中差込囲壁内の土の温度が温度センサーで感知され、雑草や害虫等の熱死可能な設定した温度に土の温度が到達したとき、タイマー制御回路によりタイマースイッチが強制的にオフとなるので、効率良く確実に雑草や害虫等を死滅させることが可能となる。
【0018】
請求項5の発明においては、使用する電力を切り換えて最適な電力を選択することで、作業場所に応じた電力の選択が可能となるので作業効率をより高めることが可能となる。
【0019】
請求項6の発明においては、回転部でマグネトロンアンテナを回転させることで電磁波の照射ムラがなくなり地中差込囲壁の内部を満遍なく照射して加熱することができるので、効率良く雑草や害虫等を熱殺することが可能となる。
【0020】
請求項7の発明においては、複数のマグネトロンを使用することで、多量の電磁波を短時間で照射できるので作業場所に応じた効率の良い雑草や害虫等の死滅処理が行えるようになる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施形態を、以下図を参照して説明する。
本発明の電磁波地中照射装置は、
図1に示すように、地面Lに無底の容器1を被せて該容器1の上部からマグネトロン2で該容器1の内部に電磁波Mを照射し、その電磁波Mによって地中の雑草P、害虫等を殺処理する装置である。
【0023】
前記マグネトロン2は、コイルに高電圧の電流を流すことで生じるマイクロ波(以下電磁波と呼ぶ)を発生させるものであり、容器1内部に電磁波Mを射出可能となるようマグネトロンアンテナ3を下方へ向けて容器1の上部に固設する。
該マグネトロン2の固定は、直接容器1の上部に固定することもできるが、
図1及び
図3に示すように、容器1の上部に上面板5aを水平に固着し、該上面板5aの上に固定することもできる。この態様ではマグネトロンアンテナ3は上面板5aを貫通させて下方へ突出させ、容器1内部に電磁波Mを射出できるようにする。
該マグネトロン2の内部には高電圧を得るための高圧トランス8が備られ、該高圧トランス8には外部から電力を供給する電源コード15を接続する。
該マグネトロン2で使用する電流は、例えば、交流100V〜200V、電力は300W〜2000W、電磁波の周波数は法的規制があるので2450MHzとなるものを使用することができる。
【0024】
前記マグネトロン2の上部及び側部周囲は、
図1、
図2、
図3及び
図4に示すように、電磁波Mが外部へ漏出するのを防止するために、鉄やステンレス等の電磁波Mを通さない金属製の電磁波遮断カバー4で覆い、容器1の上部にボルトや溶接等で固着する。
【0025】
又、前記マグネトロン2の下側の前記容器1は、
図1、
図2、
図3及び
図4に示すように、前記マグネトロンアンテナ3の下方域の側方全周囲を囲う内側斜め下向きの電磁波反射面を内部に形成した電磁波誘導囲壁5を備える。
該電磁波誘導囲壁5の材質は電磁波Mを通さず、内側に反射させることができる鉄やステンレス等の金属製とする。
前記マグネトロンアンテナ3から該電磁波誘導囲壁5内へ射出された電磁波Mは下方へ直接向かって進行する電磁波Mと、一旦側方へ向かって内側斜め下向きの電磁波反射面で反射されてから下方へ向かって進行する電磁波Mとが一緒になって全て開放されている下方へ出て行く。
【0026】
又、前記電磁波誘導囲壁5の下端には、
図1、
図2、
図3及び
図4に示すように、帯板状の金属製地中差込囲壁6を全周に垂設する。
該地中差込囲壁6の下端辺6aは、地中に圧入し易いようにするために薄く又は鋭く形成する。
特に、鋭い刃状とした地中差込囲壁6は、土に圧入し易くなり、容易に地中に深く差し込むことができる。
【0027】
本発明では、
図1、
図3及び
図4に示すように、前記電磁波誘導囲壁5と地中差込囲壁6との境界又は境界付近の内壁に、該電磁波誘導囲壁5と地中差込囲壁6とで囲われた空間を上側の電磁波の誘導空間Aと下側の電磁波の照射空間Bとに仕切る電磁波透過性を有する草押圧板7を固設する。
該草押圧板7の材質は、電磁波透過性を有した板であり、ガラス板又はセラミック板が使用できる。
【0028】
又、
図1に示すように、前記電磁波誘導囲壁5には差し込んだ地中差込囲壁6を地中から引き抜いて移動させるために人が手で持つ把持部16を固設する。
該把持部16の形状は限定するものではないが、手で握り易い形状とすることが好ましい。例えば、
図2に示すように、左右に平行な棒体を前記電磁波誘導囲壁5の上面に溶接で固着した態様が可能である。
【0029】
本発明は上述の如く、マグネトロンアンテナ3から下側には前記電磁波誘導囲壁5、地中差込囲壁6及び草押圧板7を備え、
図1及び
図3に示すように、上部のマグネトロンアンテナ3から射出された電磁波Mは障害物のない空洞の誘導空間Aを減衰されずに通過し、前記電磁波誘導囲壁5下部の草押圧板7を透過して、その下の地中差込囲壁6内の照射空間Bへと進む。
【0030】
背の高い草が生い茂っている場所で使用されることもあり、その場所ではマグネトロンアンテナ3から射出した電磁波は、前記草押圧板7がない場合には、背の高い草の葉や茎に当たってエネルギーを消耗してしまい、その下の土中へ照射を集中できなくなる。
従って、前記草押圧板7は、
図1に示すように、前記地中差込囲壁6が地中に差し込まれたとき、その下にある背の高い草の葉や茎は上から地表へ低く抑え付けて、電磁波が土中へ集中できるようにするものである。
【0031】
即ち、地中差込囲壁6を地中に差し込むと、背の高い雑草は草押圧板7の下の地面との間に押さえ付けられるので、照射された電磁波Mの一部は草の葉や茎に当り、多くは草の葉や茎の隙間から更にその下の地中差込囲壁6内の前記照射空間B内の土の中へと進む。
そして、前記照射空間Bでは、前記地中差込囲壁6により側方へ向かった電磁波Mは地中内部へ反射し、外部に漏洩ることなく閉じ込められるので、電磁波は前記地中差込囲壁6内を集中して照射することとなる。
【0032】
電磁波Mが照射されると水分子は高熱を発し、その熱で雑草の細胞が熱死する。同様に、水の分子を体内に含む虫や虫の卵、クテリア、細菌等の病原菌や病原菌の感染を媒介する微生物も死滅する。
【0033】
殺処理対象となる雑草は、出芽深度はカヤツリグサやハコベ等の地表の浅いところのものもあるが、深いものでは地下部に栄養繁殖器官を伸張させるスギナやヤブカラシ等の如く20cmから30cm程度となるものもある。又、雑草の種は深度30cmでも発芽し、地下に数年から数十年埋っていて発芽するものもある。
地表近くの雑草は引き抜いて除去できても、出芽深度が大きい雑草は生き残ってしまい、又深い場所には除草剤が届き難く、何度引き抜いても、又何度薬剤を散布しても毎年雑草が生えることとなる。
本発明は、地中に差し込まれた前記地中差込囲壁6の内部の土に含まれる生物を全て熱死させるものであり、たとえ出芽深度が大きい雑草であっても茎、根及び種を熱死させることが可能であり、前記地中差込囲壁6を地中により深く差し込めば、より深い場所にある雑草の出芽可能な部分まで熱死させることが可能となる。
【0034】
雑草の出芽深度は、種によっては50cm程度の深さであっても出芽が可能となるものも稀にはあるが、通常はせいぜい地下茎、栄養根が20cm〜30cm程度までの深さであり、地中を透過する電磁波は地中差込囲壁6の下端辺6aよりもさらに下側まで届くので、地中差込囲壁6の縦幅は雑草の出芽深度よりも短くても照射効果は得られる。
このため、前記地中差込囲壁6の高さは例えば10cm〜20cm程度とすることができる。
又、使用に当っては、人が踏み固めた畦道のように固くて、前記地中差込囲壁6を土中深く圧入させることが困難な場合もあるが、雑草が多く生える農地や園芸用の土地等では道路よりも土が柔らかいので容易に深く圧入させることが可能となり、更にロータリ式の耕耘機等で土を深く耕耘しておいてから使用することで前記地中差込囲壁6をより深く楽に圧入させることが可能となる。
なお、前記草押圧板7は、土や草が前記誘導空間Aに侵入を防止し、マグネトロンアンテナ3や電磁波誘導囲壁5内の電磁波反射面を汚さないようにする機能も持つものである。又、該草押圧板7の下側の板面は雑巾等で簡単に拭けるで、土等が付着して汚れたら拭き取ればその下方への電磁波の進行の妨害とはならない。
【0035】
又、前記電磁波遮蔽カバー4の内部には、
図1に示すように、例えば、300W、600W、1000Wと3段階の異なる電力に切り換えて供給可能とする複数電力供給部29を設け、その異なる複数の電力の中から一つを選択して使用可能とする電力切換ダイヤル11を設けることができる。
そして、大きい電力を選択すれば、より強力な電磁波が照射されるので、短時間に水分の温度を上昇させることが可能となるので、より短時間で作業を終了させることが可能となる。又、地中のより深い位置まで強力に照射することができるようになる。
このように草の種類や茂った状態や、処理する根や茎の深さ等に応じた電力に切り替えることが可能となる。
【0036】
又、
図1に示すように、マグネトロンアンテナ3を回転可能とした回転部27をマグネトロン2に付設した形態が可能である。
殺処理の対象となる生物が生息している土は、乾燥状態にムラがあったり、含まれる土壌、砂礫の種類や空気、密度、組成など多様であり、照射された電磁波の透過は均一とはならない場合が多い。
電磁波はセラミックを多く含む土では透過して地中深くまで照射でき、金属を含んだ土や、湿気の高い土では深い場所までは照射できない場合もある。
この形態では、地中差込囲壁6で囲われた地中に電磁波を外部に漏れないように内部に閉じ込めるだけではなく、地中差込囲壁6内の抱え込んだ土の全体を均一に照射することで生存可能となる照射ムラを減少させ、土中の生物の殺傷効率を高めることが可能となる。
【0037】
又、
図3に示すように、マグネトロンアンテナ3を電磁波誘導空間Aに臨ませたマグネトロン2を電磁波誘導囲壁5の上部の電磁波遮蔽カバー4内に複数個備え、各マグネトロン2へ外部から電力を供給する電源コード15に接続した形態が可能である。
この形態では複数のマグネトロン2を一斉に稼働させることによって電磁波Mの照射量を増大させ、短時間で効率良く処理することが可能となる。
そして、複数のマグネトロン2のうちから使用数を選択することで、使用場所の状況応じた電磁波の強さを適宜切り替えて効率良く作業を行うことが可能となる。
【0038】
又、
図1に示すように、前記電磁波誘導囲壁5に上面には外部からマグネトロン2へ電力を供給する電源コード15に接続された電源スイッチ9を設け、前記電磁波遮蔽カバー4にはマグネトロン2の照射時間を設定するタイマースイッチ10を設ける。
【0039】
該タイマースイッチ10はマグネトロン2の稼働時間の設定を行うもので、電磁波の照射が設定時間経過すると自動的に切れるタイマーを内蔵したスイッチであり、マグネトロン2の照射時間を秒単位で稼働時間を決めることができるように、例えば、30秒、60秒、90秒、120秒と30秒単位の目盛を設けることができる。
【0040】
そして、前記地中差込囲壁6の側面には土からの圧力を受けるとそれをスイッチとして電流か流れる感圧センサー14を設け、その感圧センサー14の信号を受けて前記タイマースイッチ10をオンにするタイマースタータ10を設ける。なお、
図1中に示す符号14aはセンサーケーブルである。
該感圧センサー14は、前記地中差込囲壁6の側面の当った土の圧力を受けるとそれをスイッチとして電流か流れる感圧センサー14が使用でき、該感圧センサー14の電流で前記タイマースイッチ10をオンにするためのタイマースタータを該タイマースイッチ10に付設する。
前記タイマースイッチ10が作動するとマグネトロン2が稼働し、一定の設定時間でタイマースイッチ10がオフとなって、マグネトロン2への電流が切れる。
即ち、前記地中差込囲壁6を地面に差し込むと、電磁波の照射が自動的に始まり、自動的に切れることとなり、無駄な時間に照射することなく効率良く確実な除草作業を行うことが可能となる。
【0041】
又、
図1に示すように、タイマースイッチ10がオフとなったとき短時間音声を発するブザー13及び短時間点灯するランプ12を設ける。
前記ブザー13は電磁波遮蔽カバー4内に設け、前記ランプ12は電磁波遮蔽カバー4の上部に設ける。
この形態では、作業する人は、時計を一々確認することなく、ブザー13の音やランプ12の光を感じて、照射終了を知り、タイミングを逃さずに次の場所への移動を開始することができる。
【0042】
又、
図4に示すように、前記地中差込囲壁6の下部に温度センサー30を配設し、設定温度に達したときに前記タイマースイッチ10を強制的にオフにするタイマー制御回路31を設けることができる。
この形態では、前記地中差込囲壁6内の土の温度が温度センサー30で感知され、雑草や害虫等の熱死可能な設定した温度に土の温度が到達したとき、タイマー制御回路31によりタイマースイッチ10が強制的にオフとなる。
例えば、設定温度を80度や90度に設定するなど、雑草や細菌等の種が死滅する温度に応じた温度設定することで、狙い撃したい雑草や害虫等を確実に死滅させることが可能となる。
なお、温度センサー30を設置する場所は、前記地中差込囲壁6の下部とは別に、温度センサー30を棒体の下端に固定して、温度センサー30が前記地中差込囲壁6の内部の下部に達する位置になるよう棒体を草押圧板7から垂下させても良い。
【0043】
上記の如く、各ダイヤル等の操作により無駄な時間や電力を消費することなく、雑草や害虫等を殺処理するための効率良く確実なマグネトロン2の照射が可能となる。
なお、
図1に示すように、電磁波遮蔽カバー4の上部には、使用する電力の選択等の操作を行うための調節ダイヤル類やランプ12等を操作パネル28に集中して設けることができる。
【0044】
又、手で持って前記地中差込囲壁6を地中に差し込み易くするためと、地中に差し込んだ地中差込囲壁6を引き抜いて移動させるために前記電磁波誘導囲壁5の上部に人が手で持ち易い把持部16を設ける。
その形状は特に限定するものではないが、手で握り易い形状とすることが好ましい。
図2では、両手で持ち易いように、左右に平行な棒体を前記電磁波誘導囲壁5の上面に固定した態様を示している。
【0045】
以上本発明の基本となる装置本体の形態を説明したが、次に、
図5及び
図7に示すように、上部に把持部17aを備えたハンドル17を装置本体に取り付け、該把持部17aを持って前記地中差込囲壁6の地中への差し込み作業、地中からの引き抜き作業及び装置本体の場所換え作業とが楽に行えるようにした形態を説明する。
【0046】
この形態では、装置本体の重心よりも前側寄りの電磁波誘導囲壁5の対向した外側面下部に左右の枢支部19を設け、該左右の枢支部19の後側には後斜め上方に向けたコ字形のハンドル17の両端部を枢支する。該ハンドル17の上部には手で持つための把持部17aを設ける。
又、前記左右の枢支部19の前側には、前方に向けたコ字形のアーム18の両端部を前記ハンドル17の両端部と一体的に結合させて枢支する。
そして、前記ハンドル17とアーム18とが前記左右の枢支部19を中心に一体的に回動可能となるようにする。
【0047】
そして、前記アーム18の左右の先端部を繋ぐ横軸20には、
図5に示すように、フリー回転する移動用の車輪21の車輪軸受部22又は、
図7に示すように、長手方向を前後方向に向けたスキー板状の滑走板23の上部に設けた滑走板枢支部24を枢支する。
【0048】
又、地中差込囲壁6の外壁側面には、装置本体が自重で回動して前記地中差込囲壁6の下端が略水平となる位置で左右のアーム18の下側に当って停止するストッパ25を左右夫々に設ける。
この左右のストッパ25は、決まった位置で左右のアーム18の下部に当って装置本体の後部が下方向に回動するのを停止可能となるように、金属棒等を地中差込囲壁6の外側の側面に外向きに突出させたものである。
【0049】
又、前記電磁波誘導囲壁5の上部には足踏み部26を設ける。
該足踏み部26は、
図5及び
図7に示すように、足を乗せやすいように靴の面積が多く載るよう金属板をその板面を後方斜め上向に傾けて左右方向水平に取り付ける。
該足踏み部26は前記電磁波誘導囲壁5の上部に直接装着しても良いが、
図5及び
図7に示すように、前記左右の把持部16に架橋させて設けても良い。
【0050】
この形態では、
図5に示すように、ハンドル17上部の把持部17aを手で持って、足踏み部26に足を乗せて該足踏み部26に体重を懸けて踏むことができ、地中差込囲壁6が容易に地中に差し込めるようになる。
又、差し込んである地中差込囲壁6を抜くときには、ハンドル17の把持部17aを持ち上げることで、地面Lに載った車輪21又は滑走板23を支点とし、枢支部19を作用点とし、把持部17aを力点とする梃子の原理で小さい力でも地中に深く差し込まれていて大きな引き抜き抵抗となっている地中差込囲壁6を小さい力で容易に引き抜くことが可能となる。
【0051】
そして、前記地中差込囲壁6を地中に圧入する際には、足踏み部26に足を載せて足を踏み込んだとき、
図6の(ロ)に示すように、地面Lに載った車輪21又は滑走板23を支点としてアーム18が傾いてストッパ25から離れるので装置本体は該アーム18に拘束されずに地面Lに載って地中差込囲壁6の下端辺6aを水平状態としたままで地中に差し込むことが可能となる。
【0052】
又、前記地中差込囲壁6を地中から引く抜く際には、
図6の(イ)に示すように、把持部17aを持ってハンドル17と持ち上げると、装置本体の重心の過重と土による摩擦抵抗とで、枢支部19の後ろ側は下方に引っ張られ、該枢支部19を中心に装置本体の上部が後方へ回動しようとするが、ハンドル17と一体のアーム18はストッパ25に当たって装置本体はそれ以上回動できなくなって回動が停止する。
この結果、地中差込囲壁6の下端辺6が水平を保った状態で地中から引き上げられ、地面Lから地中差込囲壁6の下端辺6を浮かせることができる。
そして、地面Lから地中差込囲壁6の下端辺6を浮かせたままで把持部17aを後前へ引けば、車輪21の回転又は滑走板23の滑走で容易に装置本体を前後に移動させることが可能となる。