特許第6818802号(P6818802)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ スタンダード エナジー カンパニー リミテッドの特許一覧

<>
  • 特許6818802-レドックスフロー電池 図000002
  • 特許6818802-レドックスフロー電池 図000003
  • 特許6818802-レドックスフロー電池 図000004
  • 特許6818802-レドックスフロー電池 図000005
  • 特許6818802-レドックスフロー電池 図000006
  • 特許6818802-レドックスフロー電池 図000007
  • 特許6818802-レドックスフロー電池 図000008
  • 特許6818802-レドックスフロー電池 図000009
  • 特許6818802-レドックスフロー電池 図000010
  • 特許6818802-レドックスフロー電池 図000011
  • 特許6818802-レドックスフロー電池 図000012
  • 特許6818802-レドックスフロー電池 図000013
  • 特許6818802-レドックスフロー電池 図000014
  • 特許6818802-レドックスフロー電池 図000015
  • 特許6818802-レドックスフロー電池 図000016
  • 特許6818802-レドックスフロー電池 図000017
  • 特許6818802-レドックスフロー電池 図000018
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6818802
(24)【登録日】2021年1月5日
(45)【発行日】2021年1月20日
(54)【発明の名称】レドックスフロー電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/18 20060101AFI20210107BHJP
   H01M 8/0258 20160101ALI20210107BHJP
   H01M 8/2483 20160101ALI20210107BHJP
   H01M 8/0271 20160101ALI20210107BHJP
【FI】
   H01M8/18
   H01M8/0258
   H01M8/2483
   H01M8/0271
【請求項の数】6
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2019-71917(P2019-71917)
(22)【出願日】2019年4月4日
(62)【分割の表示】特願2017-556982(P2017-556982)の分割
【原出願日】2015年9月30日
(65)【公開番号】特開2019-133947(P2019-133947A)
(43)【公開日】2019年8月8日
【審査請求日】2019年4月4日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0061825
(32)【優先日】2015年4月30日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517374720
【氏名又は名称】スタンダード エナジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】STANDARD ENERGY CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100153268
【弁理士】
【氏名又は名称】吉原 朋重
(72)【発明者】
【氏名】キム、プ キ
(72)【発明者】
【氏名】キム、キ ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】キム、タ ヤン
【審査官】 高木 康晴
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−007913(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第103647099(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第103022542(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/18
H01M 8/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
両面でそれぞれ伝達される電解液を反応させるメンブレインと、
前記メンブレインの一面と反対面に、陽極電解液と陰極電解液をそれぞれ伝達するように積層される一つ以上の流路フレームと;
前記流路フレームを介して供給される電解液を前記メンブレインへ伝達する含浸部と;
前記メンブレイン乃至流路フレームを固定する一つ以上の固定部材とを含み、
前記メンブレイン乃至固定部材は、電解液を伝達する共通流路を形成する貫通孔がそれぞれ形成され、
前記固定部材は、
最外郭に位置し、それらの間に積層されるメンブレインおよび流路フレームを固定する第1固定部材と第2固定部材を含み、
前記第1固定部材と前記第2固定部材は、前記メンブレイン乃至前記流路フレームに形成される貫通孔とは平面上で異なる位置に貫通孔が形成され、
前記共通流路は、前記第1固定部材から一の前記流路フレームまで垂直方向に形成され、その後、前記共通流路は、前記一の流路フレームによって水平方向に転換され、再び前記一の流路フレーム、前記メンブレイン及び他の前記流路フレーム間の積層構造によって垂直方向に転換され、さらに、垂直方向の前記共通流路は、前記他の流路フレームによって水平方向に転換された後、前記第2固定部材の貫通孔で垂直方向に転換されることによって、前記共通流路は、ジグザグ状に形成されることを特徴とする、レドックスフロー電池。
【請求項2】
前記流路フレームは、一面において、前記固定部材から連結される共通流路を水平方向に転換させる流入流路と、前記流入流路から含浸部へ電解液を水平方向に転換させ伝達する流出流路とを含むことを特徴とする、請求項1に記載のレドックスフロー電池。
【請求項3】
前記流入流路は、
前記流路フレームの両面のうちの少なくとも一面に内向きの溝に連結される流路溝として形成されることを特徴とする、請求項に記載のレドックスフロー電池。
【請求項4】
前記流入流路と前記流出流路は、貫通形成され、電解液を前記含浸部へ伝達する伝達孔へ連結されることを特徴とする、請求項3に記載のレドックスフロー電池。
【請求項5】
前記流出流路は、前記流路フレームの両面のうちの少なくとも一面に、前記伝達孔に連結される流出溝として形成されることを特徴とする、請求項に記載のレドックスフロー電池。
【請求項6】
前記流入流路及び前記流出流路が、前記流路フレームにおける互いに異なる面に形成されることを特徴とする請求項5に記載のレドックスフロー電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レドックスフロー電池に係り、さらに詳しくは、流路の断面積を増加させて電解液の流量を高めると同時に、流路を二重に密閉させて電解液の漏れを防止することができるレドックスフロー電池に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、エネルギー貯蔵システム(ESS:Energy storage system)の開発が盛んに行われている中、充放電が可能な二次電池(Secondary battery)が有力な技術として脚光を浴びている。
【0003】
エネルギー貯蔵システムは、火力、水力、原子力、太陽光、風力、潮力および熱電併給などにより生産された電力を貯蔵した後に、電力が必要な装置や系統に電源を供給するシステムである。このために、エネルギー貯蔵システムは、LiB電池、NaS電池、バナジウムレドックスフロー電池(VRFB:Vanadium Redox Flow Battery)、スーパーキャパシタなどの二次電池を用いるバッテリーを利用した貯蔵方式と、非バッテリー貯蔵方式で構成される。
【0004】
これらの中で、バナジウムレドックスフロー電池(以下、「フロー電池」という)は、充電容量を増やすために、電池の内部に反応物質が反応するメンブレインとフレーム(Frame)などが直列(Series)に配置されてスタック(Stack)を構成することにより、電気エネルギーの充放電が可能な二次電池(Secondary battery)の機能を有する。
【0005】
より詳細に説明すると、フロー電池は、メンブレインの両側に陽極電解質(Electrolyte)と陰極電解質が循環しながらイオン交換が行われ、この過程で電子の移動が発生して充放電が行われる。このようなフロー電池は、既存の二次電池に比べて寿命が長く、kW〜MW級の中大型システムに製作できるので、エネルギー貯蔵システムに最も適すると知られている。
この種の従来のフロー電池は、図1乃至図3に示されている通りである。
図1は従来のフロー電池を簡単に示すブロック図、図2は従来のフロー電池を示す断面図、図3は従来のフロー電池における流路を示す斜視図である。
【0006】
図1乃至図3を参照すると、従来のフロー電池は、陽極または陰極電解液20a、20bが貯蔵される電解液タンク2と、電解液タンク2から供給される電解液の供給圧力を発生させるポンプ3と、陽極電解液20aと陰極電解液20bとを反応させて電気を生成するスタック1とを含んでなる。
【0007】
前記スタック1は、内部に多数のセル10、20が直列に連結されており、それぞれのセル10、20は、電解液を伝達する流路フレーム11、13、21、23と、前記流路フレーム11、13、21、23から伝達される陽極電解液20aおよび陰極電解液20bを伝達する含浸部50と、含浸部50から伝達された電解液を反応させるメンブレイン12、22と、前記流路フレーム11、13、21、23乃至メンブレイン12、22を固定させる固定部材とを含む。
【0008】
セルは、第1セル10と第2セル20が第2固定部材32を挟んで積層され、第1セル10と第2セル20は、それぞれメンブレイン12、22の上下側で陽極電解液と陰極電解液を移動させる流路が形成される流路フレーム11、13、21、23が積層される。
【0009】
固定部材31、32、33は、フロー電池において一つ以上のセルを固定する。より詳細に説明すると、第1固定部材31は、第1セル10の陽極流路フレーム11の上側に積層され、第2固定部材32は、第1セル10の下側に位置する陰極流路フレーム13と第2セル20の陽極流路フレーム21の上側との間に設置され、第3固定部材33は、第2セル20の陰極流路フレーム23の下側に積層される。
【0010】
流路フレーム11、13、21、23について、第1セル10の陰極流路フレーム13と第2セル20の陽極流路フレーム21を例として説明すると、四角形のフレームであって、それぞれのコーナーに貫通口13a、21aが形成され、中心部にはメンブレイン12、22へ電解液を伝達するように空き空間をなす含浸部50が形成される。また、流路フレーム13、21は、貫通口13a、21aを介して伝達される電解液20bを含浸部50へ案内するために、メンブレイン12側を指向する一面に内向きの流路溝21bがそれぞれ形成される。
【0011】
ここで、貫通口13a、21a、32aは、電解液タンク2から流入する電解液20bが第1セル10と第2セル20へすべて案内されるように、第1セル10と第2セル20をなす流路フレーム11、13、21、23、固定部材31、32、33およびメンブレイン12、22に形成される。
【0012】
したがって、従来のフロー電池は、前述のような流路構造が形成されて共通流路40a、40bを介して電解液タンク2から電解液の供給を受ける。このとき、陽極電解液20aと陰極電解液20bは、共通流路40a、40bのうち、陽極共通流路40aと陰極共通流路40bを介してそれぞれ流入する。例えば、陽極電解液20aは、第1共通流路40aを介して第1セル10と第2セル20の陽極流路フレーム11、21に流入し、陰極電解液20bは、第2共通流路40bを介して第1セル10と第2セル20の陰極流路フレーム13、23に流入する。
【0013】
このとき、各セル10、20の流路フレーム11、13、21、23は、流入する陽極電解液と陰極電解液が漏れて混合されないように圧着されて密閉されるべきである。
【0014】
しかし、従来の流路フレーム11、13、21、23は、一面に形成される流路溝21bと固定部材31、32、33の一面とが密着した状態で固定されることにより、流路溝21bと固定部材31、32、33の一面との間に圧密されていない領域32bが存在する。
【0015】
したがって、陽極共通流路40aに沿って流れる陽極電解液20aは、第1セル10と第2セル20の陽極流路フレーム11、21にのみ供給されるようにし、陰極流路フレーム13、23へ陽極電解液20aが伝達されないように圧密させなければならないが、固定部材32と陰極流路フレーム13との間の圧密されていない領域32bを介して電解液の漏れ20cが発生し、陽極電解液と陰極電解液とが混合されて電池の性能を低下させるという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
かかる従来の問題点を解決するための本発明の第一の目的は、電解液の流路フレームの流路を両面に形成して他の部材と圧密される領域との間に閉曲面からなる未圧密領域を形成することにより、電解液の漏れを防止することができるレドックスフロー電池を提供することにある。
本発明の第二の目的は、流路フレームの流路断面積を増加させて電解液の流量を高めることができるレドックスフロー電池を提供することにある。
本発明の第三の目的は、流路フレームの流路を分散させて電解液が含浸部の内部に均等に分布できるようにするレドックスフロー電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
開示するレドックスフロー電池の一形態は、両面でそれぞれ伝達される電解液を反応させるメンブレインと、前記メンブレインの一面と反対面に、陽極電解液と陰極電解液をそれぞれ伝達するように積層される一つ以上の流路フレームと;前記流路フレームを介して供給される電解液を前記メンブレインへ伝達する含浸部と;前記メンブレイン乃至流路フレームを固定する一つ以上の固定部材とを含み、前記メンブレイン乃至固定部材は、電解液を伝達する共通流路を形成する貫通孔がそれぞれ形成され、前記固定部材は、最外郭に位置し、それらの間に積層されるメンブレインおよび流路フレームを固定する第1固定部材と第2固定部材を含み、前記第1固定部材と前記第2固定部材は、前記メンブレイン乃至前記流路フレームに形成される貫通孔とは平面上で異なる位置に貫通孔が形成され、前記共通流路は、前記第1固定部材から一の前記流路フレームまで垂直方向に形成され、その後、前記共通流路は、前記一の流路フレームによって水平方向に転換され、再び前記一の流路フレーム、前記メンブレイン及び他の前記流路フレーム間の積層構造によって垂直方向に転換され、さらに、垂直方向の前記共通流路は、前記他の流路フレームによって水平方向に転換された後、前記第2固定部材の貫通孔で垂直方向に転換されることによって、前記共通流路は、ジグザグ状に形成されることを特徴とする。
また、本発明は、上記の実施例に含まれている流入流路と流出流路が流路フレームにおける互いに異なる面に形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
上述した本発明のレドックスフロー電池によれば、本発明は、流路フレームの両面に形成された流路に一つ以上の漏洩防止部材を形成して電解液の漏れを遮断することができるという効果がある。
【0019】
また、本発明は、流路フレームと他の部材とが積層される場合に相互密着する圧密領域同士の間に空き空間が形成される未圧密領域を閉曲面に形成することにより、電解液の漏れを防止することができるという効果がある。
【0020】
また、本発明は、流路フレームに一つ以上の漏洩防止部材を積層して流路フレームの流路断面積を拡張することができて電解液の流量を増加させることができるという効果がある。
【0021】
また、本発明は、流路フレームの両面に形成された流路を延長するか分配または併合することにより、含浸部の内部に流れる電解液が含浸部の全面に均等に分布するようにすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】従来のレドックスフロー電池のブロック図である。
図2】従来のレドックスフロー電池を示す断面図である。
図3】従来のレドックスフロー電池を示す斜視図である。
図4】本発明に係るレドックスフロー電池の第1実施例を示す分解斜視図である。
図5】本発明に係るレドックスフロー電池における流路フレームの一面を示す斜視図である。
図6】本発明に係るレドックスフロー電池における流路フレームの一面を示す斜視図である。
図7】本発明に係るレドックスフロー電池における流路フレームの反対面を示す斜視図である。
図8】本発明に係るレドックスフロー電池における流路フレームと固定部材との積層構造を示す分解斜視図である。
図9】本発明に係るレドックスフロー電池における固定部材の未圧密領域を示す平面図である。
図10】本発明に係るレドックスフロー電池の第2実施例を示す断面図である。
図11】本発明に係るレドックスフロー電池の第3実施例を示す分解斜視図である。
図12】本発明に係るレドックスフロー電池の第3実施例を示す断面図である。
図13】本発明に係るレドックスフロー電池の第3実施例の漏洩防止部材を示す斜視図である。
図14】本発明に係るレドックスフロー電池の第3実施例の漏洩防止部材を示す斜視図である。
図15】本発明に係るレドックスフロー電池の第4実施例を示す断面図である。
図16】本発明に係るレドックスフロー電池の第4実施例の第1セルを示す分解斜視図である。
図17】本発明に係るレドックスフロー電池の第4実施例の流路フレームを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明に係るレドックスフロー電池の好適な実施例を添付図面を参照して詳細に説明する。
以下、本願の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施し得るように、本発明の具現例および実施例を挙げて詳細に説明する。
しかし、本願は、さまざまな異なる形態で実現でき、ここで説明する具現例および実施例に限定されない。
【0024】
本明細書および請求の範囲で使用される用語や単語は、通常的かつ辞典的な意味に限定解釈されず、発明者は自分の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則に立脚して、本発明の技術的思想に符合する意味と概念で解釈されるべきである。
【0025】
本明細書および請求の範囲全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0026】
本願明細書全体において、ある段階が他の段階に対して「前」または「後ろ」に位置しているとするとき、またはある装置と「連携」されているとするとき、これは、ある段階(装置)が他の段階(装置)と直接連動する場合だけでなく、両段階の間に別の段階が存在しても実質的に同一である場合も含むことを意味する。
【0027】
本願明細書全体において使用されるA「および/または」Bの用語は、A単独、B単独、AとBとを含む形態を全て指すものであって、「または」が持つ用語の定義をより明確にしたものである。
【0028】
本願明細書全体において使用される、程度の用語「約」、「実質的に」などは、記載された意味に固有の製造および物質許容誤差が提示されるとき、その数値からまたはその数値に近接した意味で使用され、本発明の理解を助けるために正確かつ絶対的な数値が記載された開示内容を非良心的な侵害者が不当に利用することを防止するために使用される。
次に、本発明の詳細な説明のために使用される用語を説明する。
「反応面側」は、流路フレームの両面のうち、メンブレイン(membrane)130の反応面を指向する面を意味する。
「反応面」は、メンブレインにおける、電解液が反応する両面を意味する。
「固定部材側」は、流路フレームの両面のうち、固定部材を指向する一面を意味する。
「電解液」は、外部電解液タンクから供給される陽極電解液と陰極電解液を意味する。以下では、陽極電解液と陰極電解液を電解液と総称して説明する。
以下、前述したような用語を使って本発明に係るレドックスフロー電池を詳細に説明する。
図4は本発明に係るレドックスフロー電池の第1実施例の分解斜視図である。
【0029】
図4を参照すると、本発明に係るレドックスフロー電池は、一つ以上のセルと、一つ以上のセルを固定する固定部材310、320、330と、前記一つ以上のセルに共通連結され、陽極電解液と陰極電解液が伝達される陽極共通流路400aと陰極共通流路400bとを含む。
【0030】
陽極共通流路400aと陰極共通流路400bは、それぞれ陽極電解液タンク2と陰極電解液タンク2から供給される電解液を伝達するように、各セル100、200において連通する貫通孔を介して形成される。以下、共通流路400a、400bと総称して説明する。
【0031】
固定部材310、320、330は、PE、PP、PC、PVCの少なくとも一つを含む高分子グループと、VITON、TYGON、シリコーンの少なくとも一つを含む弾性材グループの中から選択されたいずれか一つで製造された一つ以上のセル100、200を積層されるように固定するか、或いはセル100とセル200との間を分離して固定することができるように、第1乃至第3固定部材310、320、330を含む。
【0032】
より詳細に説明すると、第1固定部材310と第3固定部材330は、積層されたセルの上面と下面にそれぞれ固定され、それらの間に積層される一つ以上のセルを固定する。また、第2固定部材320は、電池を構成するセル100とセル200との間を絶縁させる。すなわち、本発明の固定部材310、320、330は、セル100とセル200との間を絶縁させる分離板と、積層される一つ以上のセルを固定する固定フレームとして含む。分離板および固定フレームは、公知の技術なのでその詳細な説明を省略し、固定部材310、320、330と総称する。
【0033】
セル100、200は、一つ以上であって、それぞれ、陽極電解液を伝達する流路が形成される陽極流路フレーム110、210と、陰極電解液を伝達する流路が形成される陰極流路フレーム120、220と、陽極流路フレーム110、210と陰極流路フレーム120、220を通じた電解液を反応させるメンブレイン130、230と、陽極流路フレーム110、210と陰極流路フレーム120、220から電解液をメンブレイン130へ伝達する含浸部141、142、241、242とを含む。
【0034】
含浸部141、142、241、242は、陽極流路フレーム110、210と陰極流路フレーム120、220の中心部に形成される空き空間からなり、陽極流路フレーム110、210と陰極流路フレーム120、220に形成される流路を介して伝達される電解液をメンブレイン130、230の反応面へ伝達する。
【0035】
ここで、含浸部141、142、241、242は、流路フレーム120、120、130、230の内部に形成される空き空間と説明するが、必要に応じて、フェルト、繊維、フォーム(foam)、メッシュ(mesh)など、電解液が流れ易い材料が含まれ得る。
【0036】
メンブレイン130、230は、陽極流路フレーム110、210の含浸部141、142、241、242に入ってきた陽極電解液と反応して水素イオンを陰極流路フレーム120、220の含浸部141、142、241、242へ伝達する。
【0037】
陽極流路フレーム110、210と陰極流路フレーム120、220は、PE、PP、PC、PVCの少なくとも一つを含む高分子グループと、VITON、TYGON、シリコーンの少なくとも一つを含む弾性材グループの中から選択されたいずれか一つで製造され、共通流路400a、400bを介して供給された電解液を含浸部141、142、241、242へガイドする。
【0038】
この際、陽極流路フレーム110、210と陰極流路フレームは、メンブレイン130の反応面側を向く一面が互いに対向するように積層される。例えば、陽極流路フレーム110、210は、上面がメンブレイン130、230の一側の反応面を指向するように積層されると、陰極流路フレーム120、220は、下面がメンブレイン130、230の他側の反応面を指向するように積層される。このような陽極流路フレーム110、210の構造と陰極流路フレーム120、220の構造とが同一であるので、第1セル100の陽極流路フレーム110を示す図5および図7を参照して説明し、以下、流路フレーム110と総称して説明する。
図5は本発明に係るレドックスフロー電池における流路フレームの一面を示す斜視図、図7は流路フレームの反対面を示す斜視図である。
【0039】
図5および図7を参照すると、流路フレーム110は、水平および垂直方向に延び、中心部に含浸部141が形成される空き空間を挟んで水平および垂直方向に延びるフレーム本体111と、フレーム本体111に陽極共通流路400aと陰極共通流路400bを形成するように穿設される複数の貫通孔115と、一面に内向きに延設される流路溝112と、流路溝112に連結されるように貫通する流路孔113と、流路孔113から延びる内向きの流出溝114とを含む。
【0040】
フレーム本体111は、含浸部141が形成される空き空間を挟んで水平および垂直方向に連結される。このようなフレーム本体111の形状は、設計者や事業者の選択に応じて様々な変形が可能なものであって、本明細書の詳細な説明や図面に示されていることに限定されるものではない。
【0041】
貫通孔115は、フレーム本体111に複数個が穿設される。ここで、貫通孔115は、固定部材310、320、330の貫通孔311、321、331、およびメンブレイン130、230の貫通孔131、231と一致するように穿設される。すなわち、貫通孔115は、流路フレーム110、120、210、220、メンブレイン130、230および固定部材310、320、330が積層されたときに相互連通し、電解液タンク2から供給される電解液が伝達される共通流路400a、400bを形成する。
【0042】
流路溝112は、貫通孔115から一方向に内向きに延びる溝からなり、共通流路400a、400bを介して伝達される電解液をガイドする。ここで、本発明の流路フレーム110に形成される流路は、流路溝112から流路孔113へ延びるにつれてフレーム本体111内で閉曲面に形成されることが特徴である。
【0043】
流路孔113は、貫通孔115から延びる流路溝112の終端から反対面に貫通形成される。よって、流路孔113は、流路溝112を介して伝達される電解液を反対面へ伝達する。
【0044】
流出溝114は、流路フレーム110における反対面から含浸部141へ電解液を伝達するように内向きの溝として形成される。よって、流出溝114は、流路孔113を介して流入する電解液を含浸部141へガイドする。
【0045】
すなわち、本発明の流路フレーム110は、貫通孔115、流路溝112および共通流路400a、400bを介して流入した電解液をガイドする流入流路と、流路孔113と流出溝114を介して含浸部141に電解液を伝達する流出流路とを備える。
【0046】
このように、互いに異なる面に形成される流入流路と流出流路は、固定部材との積層の際に閉曲面に形成される未圧密領域を形成することができ、これについての説明は後述する。
また、本発明は、含浸部141に伝達される電解液を分岐させて伝達することも可能である。これは図6を参照して説明する。
図6を参照すると、流路フレーム110は、内向きの溝に形成される流路溝112と、流路溝112の底面から上方に突出する分岐壁112aとを含む。
【0047】
分岐壁112aは、流路溝112の底面から上方に突出して一方向に延び、一つ以上が相互離隔して電解液を分岐させて伝達する。すなわち、分岐壁112aは、流路溝112の底面から相互離隔して形成されることにより、それらの間に、電解液が分岐して移動できる流路が形成される。
【0048】
したがって、分岐壁112aは、貫通孔115によって形成される共通流路400a、400bを介して流入した電解液を分岐させて流路孔113を介して流出溝114に伝達する。よって、電解液は、分岐した流入流路を介して含浸部141へ伝達されるにつれて、供給される量が多くてなっても、各セル別に均一に伝達できる。
【0049】
したがって、本発明の第1実施例は、流路フレーム110の両面に流路を形成して電解液を均一に伝達することができ、また、流入流路を閉曲面に形成することにより、従来の問題点として指摘された流路フレーム110の未圧密領域324から電解液の漏れを防止することができる。このような流路フレームの電解液漏れの防止についての説明は、図8および図9を参照して説明する。
【0050】
図8は本発明に係るレドックスフロー電池における流路フレームと固定部材の積層構造を示す分解斜視図、図9は本発明に係るレドックスフロー電池における固定部材の圧密領域を示す平面図である。
【0051】
ここで、図8は第1セル100の陰極流路フレーム120と第2セル200の陽極流路フレーム210と第2固定部材320の積層構造を一例として示すものであり、これを用いて本発明の電解液漏れ防止作用について説明する。
【0052】
第1セル100の陰極流路フレーム120は第2固定部材320の一面に積層され、第2セル200の陽極流路フレーム210は第2固定部材320の反対面に積層される。この際、陽極流路フレーム210と陰極流路フレーム120は、それぞれ、貫通孔125、215と流路溝122、212からなる流入流路が形成された一面が第2固定部材320の一面と反対面にそれぞれ密着するように積層される。
【0053】
したがって、第2固定部材320は、一面と反対面においてそれぞれ流入流路と含浸部142、241によって流路フレーム120、210との間に空き空間をなす領域(以下、未圧密領域322、323という)が形成され、その残りの領域で流路フレーム210に圧力によって密着する圧密領域324が形成される。
【0054】
ここで、第2固定部材320に形成される未圧密領域322、323は、図9に示すように、平面上で閉曲面をなすのが特徴である。すなわち、流入流路は、貫通孔と流路孔113に延びる内向きの流路溝112によって閉曲面をなす未圧密領域322と、含浸部141、142、143による未圧密領域323とが、圧密領域324とは独立に形成される。
【0055】
したがって、本発明は、流入流路による未圧密領域322、323が、それぞれ独立している閉曲面をなし、それらの間に圧密領域324が存在することにより、未圧密領域322、323を通じた電解液の漏れが遮断される。
【0056】
すなわち、本発明は、流路フレーム120、210に流入流路と流出流路を形成し、両面で固定部材320との密着の際に圧密されない未圧密領域322、323を閉曲面に構成することにより、共通流路400a、400bを介して伝達される電解液の供給圧力が高くても、閉曲面をなす未圧密領域322、323の間に圧密領域324を存在させることができるため、電解液の漏れが防止できる。
【0057】
また、本発明は、上述したように、未圧密領域322、323を閉曲面に構成する第1実施例において漏洩防止部材が備えられる第2実施例を含む。本発明の第2実施例は、添付された図10および図11を参照して説明する。
図10は本発明に係るレドックスフロー電池の第2実施例を示す断面図である。第2実施例は第1実施例の第1セルを例として説明する。
【0058】
図10を参照すると、第1セル100は、第1固定部材310と、陽極流路フレーム110と、メンブレイン130と、陰極流路フレーム120と、第2固定部材320とを含む。ここで、第2実施例は、陽極流路フレーム110と陰極流路フレーム120の電解液の漏れを防止するための漏洩防止部材をさらに含む。
【0059】
漏洩防止部材は、流路フレーム110、120とメンブレイン130とを、または流路フレーム110、120と固定部材310、320とを接着させる接着剤、流路フレーム110の両面または選択された一面に積層されるガスケットおよびOリングの中から選択された一つ以上を含む。
以下、ガスケットを適用する実施例として、第2実施例を説明する。
【0060】
漏洩防止部材は、固定部材310、320と流路フレーム110、120との間に積層されて密閉させる第1ガスケット510と、流路フレーム110、120とメンブレイン130との間に積層される第2ガスケット520とからなる。
【0061】
第1ガスケット510は、第1固定部材310と陽極流路フレーム110との間、および第2固定部材320と陰極流路フレーム120との間にそれぞれ積層され、第2ガスケット520は、陽極流路フレーム110とメンブレイン130との間、および陰極流路フレーム120とメンブレイン130との間にそれぞれ積層される。
【0062】
このような第2実施例の構造は、第1実施例において流路フレーム110を挟んで積層される一対のガスケットを備えることで、第1実施例の閉曲面をなす未圧密領域322、323と同時に形成できるため、電解液の漏れを二重に防止することができる。
また、固定部材310、320乃至漏洩防止部材は、空気圧、油圧、ボルトまたはナットなどの機械的締結具によって固定されることが好ましい。
【0063】
さらに好ましくには、前記固定部材310、320乃至漏洩防止部材510、520は、相互密着する一面に、相互結合可能な凹凸が形成され、機構的締結力を高めることができるように形成するのである。
【0064】
例えば、流路フレーム110、120は、一面に「n」字状の突起が一つ以上形成され、流路フレーム110、120に密着するガスケット510、520、漏洩防止部材および/または固定部材310、320の一面には、「n」字状の突起が挿入できる「u」字状の溝を形成する。このような凹凸構造は、固定部材310、320、330と流路フレーム110、120と漏洩防止部材510、520との結合を強化させて電解液の供給圧力による離脱を防止することができる。
【0065】
また、本発明は、流路フレーム110、120、210、220の流路断面積に拡大して流量を増加させることができる第3実施例を含む。第3実施例は図11乃至図14を参照して説明する。
【0066】
図11は本発明に係るレドックスフロー電池の第3実施例を示す分解図、図12は第3実施例の断面図、図13および図14は漏洩防止部材を示す斜視図である。
【0067】
図11乃至図14を参照すると、第3実施例は、第1固定部材310、陽極流路フレーム110、メンブレイン130、陰極流路フレーム120、220、第2固定部材320、および陽極流路フレーム110と陰極流路フレーム120、220との間に積層される漏洩防止部材とを含む。
【0068】
漏洩防止部材は、固定部材310、320、330と流路フレーム110との間に積層されて密閉させる第1ガスケット510と、流路フレーム110とメンブレイン130との間に積層される第2ガスケット520とからなる。
【0069】
第1ガスケット510は、第1固定部材310と陽極流路フレーム110との間、および第2固定部材320と陰極流路フレーム120、220との間にそれぞれ積層され、第2ガスケット520は、陽極流路フレーム110とメンブレイン130との間、および陰極流路フレーム120、220とメンブレイン130との間にそれぞれ積層される。すなわち、第1ガスケット510と第2ガスケット520はそれぞれ流路フレーム110を挟んで積層される。
【0070】
ここで、第1ガスケット510は、横方向および縦方向に連結される第1ガスケット本体511と、第1ガスケット本体511に穿設されて共通流路400a、400bをなす貫通孔512と、貫通孔512から一方向に延びて切開される第1切開口513とを含む。
【0071】
第1ガスケット本体511は、フレーム本体111と一致する形状であって、中心部に含浸部143が形成された空き空間を挟んで水平および垂直方向に延設される。
【0072】
貫通孔512は、第1ガスケット本体511に少なくとも一つ備えられるもので、流路フレーム110、120および固定部材310、320、330にそれぞれ穿設される貫通孔115、125、311、321、313に連通して共通流路400a、400bを形成する。
【0073】
第1切開口513は、第1ガスケット本体511において相互対角線方向にそれぞれ位置するが、一側において貫通孔512から延びて切開された形状をなす。ここで、第1切開口513は、その形状が流路フレーム110、120の流入流路の長さおよび形状に一致するものと図示されたが、これに限定されるものではない。
【0074】
すなわち、本発明において、切開口513は、未圧密領域322、323の閉曲面を損なわない範囲内で流入流路の長さと形状よりも大きいか小さいことができ、平面上で完全に除去されて貫通する形状のみを意味するのではなく、平面上の一部が切除されて断面の厚さが変化しうる。
【0075】
したがって、第1ガスケット510は、流路フレーム110、120の流入流路が形成された一面に密着するように積層され、この際、第1切開口513は、流入流路の上側に位置することにより、流入流路の高さAを厚さ分Bだけ増加させる。よって、第1ガスケット510は、流路フレーム110、120と固定部材310、320、330との間を圧密させる役割を果たすと同時に、流入流路の高さA、Bを上げることにより流入流路の断面積を増加させることができる。
【0076】
第2ガスケット520は、中心部に含浸部144が形成される空き空間をなす第2ガスケット本体521と、共通流路400a、400bを形成する貫通孔522と、第2ガスケット本体521が切開されて形成される第2切開口523とを含む。
第2ガスケット本体521は、第1ガスケット本体511と一致する形状を有し、中心部が空き空間をなして含浸部144を形成する。
【0077】
貫通孔522は、第2ガスケット本体521に一つ以上が穿設されて共通流路400a、400bをなす。ここで、第1ガスケット本体511と第2ガスケット本体521は、流路フレーム110、固定部材310、320、330およびメンブレイン130にそれぞれ形成される貫通孔115、125、131、311、321、331と一致する形状に製造される、および/または位置に形成され、陽極共通流路400aと陰極共通流路400bを形成する。
【0078】
第2切開口523は、第2ガスケット本体521における、流路フレーム110、120の流出溝114、124に一致する位置で含浸部144側に開口するように切開される。すなわち、第2切開口523は、流路フレーム110、120の流出溝114、124と一致する位置に形成され、流出流路の高さを上げて流路の断面積を増加させる。
【0079】
したがって、本発明の第3実施例は、第1ガスケット510と第2ガスケット520における、流路フレーム110、120の流入流路と流出流路の高さを上げることができるように第1切開口513と第2切開口523を含むことにより、流路の断面積を増加させて、共通流路400a、400bを介して流入して含浸部141、142、143、144へ伝達される電解液の流量を増加させることができる。
【0080】
また、本発明は、共通流路400a、400bをジグザグ状に形成して含浸部141、142、143、144で電解液が均一に含浸できる第4実施例を含む。第4実施例は図15乃至図17を参照して説明する。
図15は本発明に係るレドックスフロー電池の第4実施例を示す断面図である。
【0081】
図15を参照すると、本発明の第4実施例は、それぞれ陽極流路フレーム110と陰極流路フレーム120とメンブレイン130を備えて、直列に連結されて上下側でそれぞれ積層される固定部材310、320、330によって圧着固定される一つ以上のセルを含む。
【0082】
ここで、第4実施例は、陽極電解液タンク2から供給される陽極電解液を伝達する陽極共通流路400aと、陰極電解液タンク2から供給される陰極電解液を伝達する陰極共通流路400bとを形成する。
【0083】
この際、第4実施例の陽極共通流路400aと陰極共通流路400bは、電解液が流入する流入口と流出口(例えば、両側の最外郭に位置した固定部材の貫通孔)間の距離が最短距離を外れるように形成される。すなわち、第4実施例は、共通流路がジグザグ状に形成されることを特徴とする。このような共通流路400a、400bは第1セル100を例として説明する。
図16は本発明に係るレドックスフロー電池の第4実施例の第1セルを示す分解斜視図である。
【0084】
図16を参照すると、第4実施例において、第1セル100は、第1固定部材310と、陽極電解液を含浸部141へ伝達する陽極流路フレーム110と、陰極電解液を伝達する含浸部142へ伝達する陰極流路フレーム120と、両面でそれぞれ含浸部141、142を介して伝達される陽極電解液と陰極電解液とを反応させるメンブレイン130と、陰極流路フレーム120の下側で圧着固定させる第2固定部材320とを含む。
【0085】
ここで、第1固定部材310と第2固定部材320は、それぞれ陽極共通流路400aと陰極共通流路400bを形成する貫通孔311、321を含むが、各貫通孔311、321は、流路フレーム110、120およびメンブレイン130の貫通孔115、125、131と平面上で異なる位置に設置される。ここで、第1固定部材310の貫通孔311は流入口に相当し、第2固定部材320の貫通孔321は流出口に相当する。
【0086】
すなわち、本発明の第4実施例は、第1固定部材310乃至第2固定部材320において共通流路400a、400bを形成する貫通孔311、321を、平面上で流路フレーム乃至メンブレインの貫通孔115、125、131とは異なる位置に形成して上下方向にジグザグ形状をなす。よって、共通流路400a、400bは、流入口と流出口との距離が最短距離を外れるように形成される。
【0087】
例えば、第1固定部材310は、一側縁部の中心部に陽極共通流路400aと陰極共通流路400bを形成する貫通孔311が形成され、その下側に積層される陽極流路フレーム110の貫通孔115は、フレーム本体111の一側縁部の両端側に位置するように形成される。また、メンブレイン130は、陽極流路フレーム110の下側に積層され、陽極流路フレーム110および陰極流路フレーム120の貫通孔115、125と一致する位置に形成される。そして、第2固定部材320の貫通孔321は、陰極流路フレーム120の下側に積層されるが、第1固定部材310の貫通孔311と一致する位置に形成される。
【0088】
したがって、共通流路400a、400bは、第1固定部材310から陽極流路フレーム110まで垂直方向に形成される。その後、共通流路400a、400bは、陽極流路フレーム110によって水平方向に転換され、再び陽極流路フレーム110、メンブレイン130および陰極流路フレーム120間の積層構造によって垂直方向に転換される。さらに、垂直方向の共通流路400a、400bは、陰極流路フレーム120、220によって水平方向に転換された後、第2固定部材320の貫通孔321で垂直方向に転換される。
【0089】
この際、陽極流路フレーム110と陰極流路フレーム120は、上述のような水平および垂直方向の共通流路400a、400bを形成するとともに、含浸部141、142へ電解液を伝達するための伝達流路を形成する。これは図17を参照して説明する。
図17は本発明に係るレドックスフロー電池の第4実施例の流路フレームを示す斜視図である。
【0090】
図17を参照すると、本発明の第4実施例に係る流路フレーム110、120は、図16の陽極流路フレーム110を一例として説明する。流路フレーム110は、含浸部141が形成されるフレーム本体111と、フレーム本体111に垂直方向の共通流路400a、400bを形成する貫通孔115と、貫通孔115から延びる内向きの流路溝112と、流路溝112に貫通形成され、含浸部141へ電解液を伝達する伝達孔と116を含む。
【0091】
貫通孔115は、メンブレイン130の貫通孔131と一致する位置に穿設され、流路溝112と一緒に共通流路400a、400bを形成する。例えば、陽極流路フレーム110、陰極流路フレーム120およびメンブレイン130は、同じ位置に貫通孔115、131が穿設されて垂直方向の流路が形成される。
【0092】
流路溝112は、フレーム本体111において貫通孔115へ連結されるように内向きの溝として形成され、上側に積層される第1固定部材310の貫通孔311を介して流入した電解液を貫通孔115へ伝達する水平方向の共通流路400a、400bを形成する。
【0093】
伝達孔116は、流路溝112の底面に貫通形成され、水平方向の共通流路400a、400bを介して伝達される電解液を含浸部141へ伝達する伝達流路を形成する。
【0094】
すなわち、本発明の第4実施例は、ジグザグ状の共通流路400a、400bを形成することにより、電解液の流量が大きくなっても流路の方向が転換される過程(垂直方向から水平方向へ)で伝達流路を通じて含浸部141、142、143へ伝達させることにより、各セル別に均一な量の電解液が流入できるようにする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17