【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1.電気通信回線を通じた公開 ウェブサイトの掲載日 平成30年7月11日 ウェブサイトのURL https://www.konami.com/sportsclub/corporate/press/2018/07/11/ 2.公然実施による公開 実施日 平成30年6月1日 実施場所 コナミスポーツクラブ大森店 3.公然実施による公開 実施日 平成30年7月20日 実施場所 コナミスポーツクラブ荻窪南口店 4.公然実施による公開 実施日 平成30年7月20日 実施場所 コナミスポーツクラブ横浜店 5.公然実施による公開 実施日 平成30年7月23日 実施場所 コナミスポーツクラブ目黒店 6.公然実施による公開 実施日 平成30年7月28日 実施場所 コナミスポーツクラブ明石大久保店 7.公然実施による公開 実施日 平成30年7月30日 実施場所 コナミスポーツクラブ茨木店 8.公然実施による公開 実施日 平成30年8月2日 実施場所 コナミスポーツクラブ府中店 9.公然実施による公開 実施日 平成30年8月2日 実施場所 コナミスポーツクラブ本店西宮 10.公然実施による公開 実施日 平成30年8月3日 実施場所 コナミスポーツクラブ長崎店 11.公然実施による公開 実施日 平成30年8月11日 実施場所 コナミスポーツクラブ大阪ステーションシティ店 12.公然実施による公開 実施日 平成30年8月12日 実施場所 コナミスポーツクラブ西大路御池店 13.公然実施による公開 実施日 平成30年8月16日 実施場所 コナミスポーツクラブ渋谷店 14.公然実施による公開 実施日 平成30年8月18日 実施場所 コナミスポーツクラブ目黒青葉台店 15.公然実施による公開 実施日 平成30年8月23日 実施場所 コナミスポーツクラブ岐阜店
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1実施形態]
〔進級評価の概要〕
本実施形態の進級評価システムは、ユーザについて進級評価を行う。ここでの進級評価とは、本実施形態の進級評価システムがユーザのゴルフの技術について評価し、評価結果に応じてユーザへの級の付与の可否を決定することである。
本実施形態に進級評価システムのもとでは、ユーザのゴルフの技量に応じて所定段階数による級位が定められている。本実施形態の進級評価システムは、ユーザが選択した仮想の1つのゴルフコース(1ホール)をユーザに提供する。
【0011】
また、進級評価システムは、ゴルフコースから一部を抜き出した仮想空間としてのシーンを複数提供する。1つのゴルフコースから抜き出された複数のシーンは、それぞれ、適用される条件が異なるようにされる。
本実施形態においては、1つのゴルフコースに対応して提供されるシーンが8つである場合を例に挙げる。8つのシーンのそれぞれは、条件として、ユーザがショットを行う環境が異なることが規定される。つまり、8つのシーンのそれぞれは、ゴルフコースにおける範囲が異なる。
【0012】
図1を参照して、1つのゴルフコースGC(ホール)におけるある級位のシーンごとの条件設定例について説明する。
図1(A)は、1つのゴルフコースGCにおけるシーンごとの条件についての設定例を模式的に示している。
同図のゴルフコースGCにおいては、シーンSC1〜SC8の8つのシーンが設定された例が示されている。例えばシーンSC1はティーショットを行う最初のシーンであり、シーンSC2は、シーンSC1に対応するティーショットの次にユーザが行うべきショットの場面に対応するシーンである。以降、シーンSC3〜SC8の順でユーザが行うべきショットの場面に対応するシーンとなる。ここで、シーンSC2〜SC5は、それぞれグリーンGRにボールを到達させる(グリーンオンさせる)ことを目標とするショットが行われる場面として設定されている。シーンSC2〜SC5は、それぞれ、グリーンオンまでの距離(例えばショット位置PSからカップ位置CPまでの距離)が異なるシーンである。シーンSC6〜SC8は、それぞれ、ボールがグリーンオンした状態から、ボールをカップ位置CPに到達させる(カップインさせる)ことを目標とするショットが行われるシーンである。シーンSC6〜SC8は、それぞれ、グリーンGR上でカップインまでの距離(例えばショット位置PSからカップ位置CPまでの距離)が異なるシーンである。
以降の説明において、シーンSC1〜SC8について特に区別しない場合には、シーンSCと記載する。
【0013】
シーンSCにおいては、それぞれ、ショット位置PSと、目標範囲BDが設定されている。目標範囲は、対応のシーンSCの環境下でショット位置PSにてショットを行ったことによるボールの到達位置が含まれるべき範囲である。
【0014】
例えば、同図のシーンSC1の目標範囲BDは、「ショット位置からの距離が250ヤード以上であり、所定の基準線に対する幅が左右方向にそれぞれ30ヤード以内」のように定められる。
このようなシーンSC1の目標範囲を、ゴルフコースGCにて平面方向からみた場合には、
図1(B)のように表すことができる。なお、同図においては、図示の便宜上、ゴルフコースGC、グリーンGRの形状について四角形としている。
この場合のショット位置PSは、ティーショット位置TSであるとして設定される。また、この場合のシーンSC1に対応して定められた基準線Lrefは、ショット位置PSとカップ位置CPを結ぶ直線として設定されている。
なお、目標範囲BDを設定する際の「幅」については、例えばショット位置を通る基準線を基準とする所定の角度範囲であってもよい。
なお、例えばシーンSC1の目標範囲BDのようにショット位置からの距離が一定以上であることが条件となるシーンSCの場合には、例えば、目標範囲BDについて、幅の制約は無く、「ショット位置からの距離が一定以上であること」として定められてもよい。すなわち、ショット位置からの距離が一定以上であれば、目標範囲BDは任意の形状であってもよい。
【0015】
また、シーンSC2の目標範囲BDは、「ショット位置からのボールの目標距離が180ヤードであり、所定の中心位置(基準位置)から目標距離の5%(9ヤード=180ヤード×0.05)以内の半径距離の範囲内」というように定められる。ここでの中心位置は、カップ位置CPとなる。なお、SC2の目標範囲BDは、例えば、「グリーンGR全体」としてもよく、また例えば、「グリーンGR上であってカップ位置CPから所定の半径距離の範囲内」というように定めてもよい。
このようなシーンSC2の目標範囲BDを、ゴルフコースGCにて平面方向からみた場合には、
図1(C)のように表すことができる。
この場合のショット位置PSとしては、
図1(B)に示される基準線Lref上におけるティーショット位置TSから250ヤードの位置であるとして設定された例が示されている。また、この場合の、目標範囲BDは、ショット位置PSから180ヤードの距離にあってグリーンGR内にて設定された中心位置Prefを中心として9ヤードの半径距離の範囲内として設定される。
【0016】
図1(A)において、残るシーンSC3〜SC7についても、シーンSC2と同様に、ショット位置PSが定められたうえで、ショット位置PSからの目標距離と、中心位置Prefを中心とする半径距離とが定められることにより、目標範囲BDが設定される。
また、最後のショットであるシーンSC8については、目標距離が0.8mであり、目標範囲BDはカップ位置CPであるとして定められた例が示されている。
【0017】
図1から理解されるように、本実施形態においては、例えば1つのゴルフコースでのプレイの進行に対応させるようにして、8つのシーンSC1〜SC8が設定される。ここで、プレイとは、一般には、例えばユーザがショットを行うことを含み、ゴルフコースにてユーザが競技のための行為であり、本実施形態との対応では、各シーンSCにてショットを行うことを含み、ユーザが進級評価装置30を用いた進級合否の評価を受けるための行為である。例えば、本実施形態において1ホールのプレイに要したプレイ時間とは、進級評価装置30がユーザの1ホール単位の進級合否の評価を開始(後述の開始トリガの発生)してから終了するまでの時間としてもよい。
シーンSC1〜SC8は、それぞれ異なるゴルフコース内のショット位置PSが定められるとともに、要求されるショットの内容に応じて目標範囲BDも定められる。
このようなシーンSC1〜SC8の設定の場合、
図1からも理解されるように、SC1〜SC8のそれぞれが対応するゴルフコース内のエリアは重複する場合があってよい。つまり、例えばショット位置からグリーンまでの距離や、ショット位置からカップ位置CPまでの距離にバリエーションを与えるようにして、複数の条件の異なるシーンSCが設定されてよい。
【0018】
なお、以降の説明にあたり、ショット位置PSや目標範囲BD等のようにシーンSCにおける条件設定に用いられる情報については、シーン条件情報と呼ぶ。
【0019】
ユーザは、進級評価システムを用いて自分の進級評価を行うにあたり、進級評価システムにおいて備えられる進級評価装置に対して、自分が獲得したい級位を指定する操作を行う。進級評価装置は、進級評価に用いるシーン条件情報として、指定された級に対応付けられたシーン条件情報を選択する。
【0020】
進級評価装置は、評価の開始にあたり、まず、ゴルフコースにおける1番目のシーンSC1に対応するゴルフコース内の画像を、ユーザがボールをショットする方向に設けられたスクリーンに表示させる。このように表示されるゴルフコース内の画像は、例えばシーンSC1に対応するショット位置(ティーショット位置)にユーザが立って、ボールを到達させるべき方向を向いたときに見える景色の画像であってよい。
ユーザは、シーンSC1の画像が表示された状態のもとで、所定の位置にボールを置き、自分の判断で選んだゴルフクラブによりボールをショットする。このように行われるショットは、シーンSC1において設定されたショット位置PSにてボールを置いて行われたものとして扱われる。なお、シーンSC1は、ゴルフコースにおける最初のシーンであることから、ここでのショットはティーショットとなる。
進級評価装置は、ユーザのショットに応じたゴルフクラブの速度、ボールの速度、ボールの回転状態、ボールの打ち出し角度等を検出し、検出された情報に基づいて、ショットされたことにより移動されたボールが、ゴルフコースの仮想空間にて停止する位置(到達位置)を算出する。進級評価装置は、算出された到達位置が、シーンSC1に対応して定められた目標範囲BDに含まれているか否かについて判定する。
なお、ボールがショットされたことに応じて、シーンSC1としてのゴルフコースの一部を表示する画像は、ショットされたボールの移動に応じて変更されるようにしてよい。
【0021】
上記のようにシーンSC1でのユーザによるショットが行われて、ボールの到達位置が目標範囲BDに含まれたか否かの判定が完了すると、進級評価装置は、次のシーンSC2の画像を表示させる。
ユーザは、シーンSC2が表示された状態のもとで、シーンSC2の状況に応じて自分の判断でゴルフクラブを選択し、ショットを行う。このようにショットが行われたことに応じて、進級評価装置は、シーンSC1の場合と同様に、ボールの到達位置を算出し、算出された到達位置が、シーンSC2にて設定された目標範囲BDに含まれるか否かについての判定(到達評価)を行う。
【0022】
以降、進級評価装置は、同様にして、シーンSC3〜シーンSC8まで、順次、表示を行い、表示されたシーンSCごとに、ユーザがショットを行ったことに応じて、到達評価を行う。
【0023】
上記のようにして、ゴルフコースにおいて設定された8つのシーンSC1〜SC8のそれぞれに対応して到達評価が行われると、1ホールが終了したことになる。
本実施形態の進級評価では、上記のようなシーンSC1〜SC8ごとの到達評価を含む1ホール相当の評価(ホール単位評価)を複数回行うようにされる。具体的に、ここでは、ホール単位評価について3回行われる場合を例に挙げる。
このため、進級評価装置は、上記のように1回のホール単位評価が終了すると、さらに続けて2回のホール単位評価を行うようにされる。
【0024】
進級評価装置が計3回のホール単位評価を完了させた段階では24個の到達評価結果が得られている。
図2は、3回のホール単位評価が完了した段階での24個の到達評価結果の一例を示している。同図においては、シーンSC1〜SC8までに対応してシーン番号として「1」〜「8」がそれぞれ付されている。同図においては、1回目から3回目のホールごとにおいて、シーンSC1〜SC8それぞれの到達評価が示されている。同図においては、到達位置が目標範囲BDに含まれていることを「1」により示し、目標範囲BDに含まれていないことを「0」により示している。
【0025】
この場合の進級評価装置は、24のショット数に対して、目標範囲BDに含まれていると判定されたショット数が所定以上である場合に、進級に合格したと判定する。具体例として、本実施形態の進級評価装置は、ショット数が18以上である場合に、進級に合格したと判定する。
同図に示される到達評価結果の例では、24のショット数のうち、目標範囲BDに含まれていると判定されたショット数が18である。従って、同図の到達評価結果の成績の場合、進級評価装置は、進級に合格したと判定する。
このようにして行われる進級の合否判定は、1つのゴルフコースから選ばれた、それぞれが異なる条件による複数のシーンごとに対応してショットを行った成績に基づいている。つまり、本実施形態においては、例えば特定のゴルフクラブを用いた特定の状況でのショットのみを評価するのではなく、ゴルフコース全体において場面ごとに変化する状況ごとのショットについての評価を総合した結果として、進級に合格したか否かが判定されるものである。
【0026】
進級評価装置は、進級に合格したかの判定結果が得られたことに応じて、ユーザに向けて進級に合格したか否かを報知する。進級評価装置は、進級に合格したか否かの報知を表示により行うことができる。また、進級評価装置は、例えばプリンタ等が接続されることで、進級に合格したか否かの評価結果を、例えば用紙に印刷して出力するようにされてよい。また、進級評価装置は、ネットワークを介して例えばユーザの情報を管理している他のシステムへ進級に合格したか否かの評価結果や各シーンにおける詳細結果を送信するようにされてもよい。
【0027】
また、本実施形態では、同じゴルフコースのもとで同じシーンSC1〜SC8ごとの評価を、3回繰り返して行うようにされる。このため、到達評価結果の成績に基づいては、同じシーンSCごとに3つの到達評価の結果も得られることになる。そこで、進級評価装置は、評価結果の報知として、進級に合格したか否かの判定結果だけではなく、シーンごとの成績も所定の態様により提示するようにされてよい。
例えば、同じゴルフコースでプレイする場合でも、ユーザによって得意、不得意な場面が異なってくる。例えば或るユーザはティーショットが得意でないが、別のユーザはティーショットが得意であっても、ショートパットが得意でないといったように、それぞれ得意、不得意が異なる。このような得手不得手は、例えばシーンSCごとの成績に反映されやすい。このため、進級評価装置によりシーンごとの成績が提示されることで、ユーザは、どのような場面が自分にとって不得意なのかを的確に把握することも可能になる。
【0028】
[進級評価システムの構成例]
図3は、本実施形態の進級評価システムの設置例を示している。
図4は、本実施形態の進級評価システムの構成例を示している。本実施形態の進級評価システムは、ユーザについて進級評価を行う。ここでの進級評価とは、進級評価システムがユーザのゴルフの技術について評価し、評価結果に応じてユーザへの級の付与の可否を決定することである。
【0029】
まず、
図4を参照して、進級評価システムの構成例から説明する。
図4に示されるように、本実施形態の進級評価システムは、センサ部10、表示装置20、及び進級評価装置30を備える。
センサ部10は、所定のセンサデバイスを備え、ユーザがゴルフクラブによりボールをショットしたことに応じた所定の検出対象(所定の事象の一例)を検出する。センサデバイスとしては、カメラ、ドップラーセンサ等が採用されてよい。センサ部10は、所定の事象として、例えばユーザがボールをショットした際のボールの速度(初速度)、ボールの回転状態(例えば、回転速度、上下及び左右における回転方向等)、上下方向及び左右方向におけるボールの打ち出し角度、ゴルフクラブのヘッド速度等を検出してよい。
【0030】
表示装置20は、進級評価装置30の制御に応じて表示を行う。例えば表示装置20においては、進級評価に際してユーザがショットを行う環境として提供される仮想のゴルフコースの画像が表示される。また、表示装置20においては、進級評価装置30による評価結果も表示されてよい。
【0031】
進級評価装置30は、センサ部10により検出された情報に基づいて、進級評価を実行する。また、進級評価装置30は、進級評価を実行するにあたり、仮想のゴルフコースのシーンを表示装置20に表示する。
【0032】
次に、
図3を参照して、
図4の構成に対応する本実施形態の進級評価システムの設置例について説明する。
図3に示されるように、室内の床には、マットMT1とマットMT2とが配置されている。マットMT1は、進級評価を受けるユーザがショットを行う際の立ち位置に対応して配置されるマットである。マットMT2は、ボールBLがセットされる位置に対応して配置されるマットである。ユーザは、マットMT1の上に立ち、マットMT2上の所定位置にセットされたボールBLをショットする。
また、ショットされたボールBLが移動していく方向にはスクリーンSRが配置される。ショットされたボールは、例えばスクリーンSRにより受け止められるようにされてよい。あるいは、図示は省略するが、スクリーンSRの手前側にネット等を設け、ショットされたボールがネットにて受け止められるようにされてもよい。
【0033】
スクリーンSRには、例えばプロジェクタとしての表示装置20により投影された画像が表示される。スクリーンSRには、前述のシーンSCの画像を表示させることができる。なお、同図の例では、プロジェクタとしての表示装置20は、スクリーンSRの前面から投射するようにされているが、スクリーンSRの背面から投射する構成であってもよい。
【0034】
図3において、センサ部10について、センサ部10a、10bに分離された例が示されている。センサ部10aは、例えばカメラを備え、ショットを行うユーザと対向する位置にて、セットされたボールBLを撮像可能なように設置される。センサ部10aは、例えば撮像によって得られた画像に基づいて、ボールの速度、ボールの回転状態、ボールの打ち出し角度等の、ショットされたボールの状態についての検出を行う。
センサ部10bは、例えばドップラーセンサを備え、ボールBLがショットされて移動する方向において、ボールBLのセット位置の後方に設置されることで、ショットの際のゴルフクラブのヘッド速度を検出する。このように、センサ部10は、検出対象等に応じて複数の装置に分離されてよい。
【0035】
また、
図3においては、進級評価装置30として、装置本体30aとユーザインターフェースユニット30bとに分離して設置された例が示されている。ユーザインターフェースユニット30bには表示デバイスが設けられている。ユーザインターフェースユニット30bは、表示デバイスの表示面がユーザに向けられるように設置される。
【0036】
図3において、装置本体30aとユーザインターフェースユニット30bは相互に情報の授受が可能なように接続されている。また、センサ部10a、10b、表示装置20は、例えば装置本体30aと接続されている。
【0037】
図5は、進級評価装置30のハードウェア構成の一例を示す図である。同図の進級評価装置30は、データインターフェース部31、ユーザインターフェース部32、CPU33(Central Processing Unit)、及び記憶部34を備える。
【0038】
データインターフェース部31は、センサ部10や表示装置20等のデバイスと情報の入出力を行う部位である。
ユーザインターフェース部32は、ユーザインターフェースに対応する部位である。ユーザインターフェース部32は、ユーザが進級評価装置30に情報を入力するための操作が行われる各種操作子、操作デバイス等を含む。また、ユーザインターフェース部32は、ユーザに情報を提示する表示デバイス、音声出力デバイス等を含む。ユーザインターフェース部32は、さらにプリンタ等を含んでもよい。
図3との対応では、ユーザインターフェース部32の一部または全ては、ユーザインターフェースユニット30bに対応するものであってよい。
【0039】
CPU33は、記憶部34に記憶された各種プログラムを実行し、進級評価装置30の各部を制御する。なお、CPU33は、進級評価装置30で処理を実行するプロセッサの一例である。
【0040】
記憶部34は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)、ROM(Read−Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを含み、進級評価装置30が処理に用いる各種情報や画像、プログラム等を記憶する。なお、記憶部34は、進級評価装置30に内蔵されるものに限らず、USB等のデジタル入出力ポート等によって接続された外付け型の記憶装置でもよい。
【0041】
図6は、進級評価装置30の機能構成例を示している。同図の進級評価装置30は、機能構成として、制御部330、及び情報記憶部340を備える。
制御部330は、進級評価装置30における各種制御を実行する。制御部330としての機能は、進級評価装置30が備えるCPU(Central Processing Unit)がプログラムを実行することにより実現される。
制御部330は、シーン表示制御部331、到達位置算出部332、到達評価部333、及び進級評価部334を備える。
【0042】
シーン表示制御部331は、仮想のゴルフコースに基づいて得られるシーンSCであって、それぞれ条件が定められた複数のシーンSCを順に1つずつ表示させるホール単位表示を所定回数(例えば3回)行う。
到達位置算出部332は、1つのシーンが表示されているときに検出された、ユーザのショットに応じた所定の事象に基づいて、ボールの到達位置を算出する。
到達評価部333は、到達位置算出部332により算出された到達位置が、表示されているシーンに対応して設定された目標範囲に収まっているか否かについて判定する。
進級評価部334は、所定回数(例えば3回)のホール単位表示が行われた間において、到達評価部333により目標範囲に入っていると判定された回数に基づいて、進級に合格したか否かについて判定する。
【0043】
情報記憶部340は、進級評価装置30に関連する情報を記憶する。同図の情報記憶部340は、ゴルフコース情報記憶部341と、シーン条件情報記憶部342と、評価情報記憶部343とを備える。
【0044】
ゴルフコース情報記憶部341は、進級評価に用いるゴルフコース(ホール)の情報(ゴルフコース情報)を記憶する。ゴルフコース情報は、例えば
図1に示したように1つのゴルフコースGC全体(即ち、ホール)の仮想空間を再現するための情報である。本実施形態において、ゴルフコース情報により再現されるゴルフコース(ホール)は、級位のそれぞれに対して共通となる。
【0045】
シーン条件情報記憶部342は、シーン条件情報を記憶する。
図7は、シーン条件情報記憶部342が記憶するシーン条件情報の一例を示している。同図に示されるように、シーン条件情報記憶部342は、級位ごとにそれぞれ異なるシーン条件情報を記憶する。同図の例では、1級から13級までの13の級位が設定される場合を例に挙げている。同図では、1級から13級の級位ごとに、それぞれ、シーン条件情報1〜13が対応付けられている。
【0046】
図8は、或る1つの級位に対応付けられたシーン条件情報の一例を示している。同図のシーン条件情報は、シーン番号1〜8(シーンSC1〜SC8)ごとに対応して、ショット位置、及び目標範囲の領域を含む。
ショット位置の領域は、対応のシーンにおいて設定されたショット位置PSを示す情報を格納する。ショット位置は、例えばカップ位置やグリーンからの距離として示されてよい。
目標範囲の領域は、対応のシーンにおいて設定された目標範囲BDを指定する情報(目標範囲指定情報)を格納する。目標範囲指定情報は、具体的には、例えば
図1に示したシーンSC1であれば、「ショット位置からの距離が250ヤード以上であり、所定の基準線に対する幅が左右方向にそれぞれ30ヤード以内であること」を示す。この場合において、目標範囲指定情報は、基準線については、「ショット位置PSとカップ位置CPを結ぶ直線であること」も指定する。
また、目標範囲指定情報は、
図1に示したシーンSC2であれば、「ショット位置からのボールの目標距離が180ヤードであり、所定の中心位置(基準位置)から目標距離の5%以内の半径距離の範囲内であること」を示す。この場合において、目標範囲指定情報は、中心位置(基準位置)として、ゴルフコースGCにおける座標も指定する。
【0047】
説明を
図6に戻す。
評価情報記憶部343は、評価情報を記憶する。評価情報は、ユーザが行った進級評価ごとに対応して、進級評価装置30が評価した結果を示す情報である。
ユーザが行った1回の進級評価に対応する評価情報は、例えば
図2に示したように、所定回数のホール単位評価ごとにおける、シーンごとの到達評価の結果を示す情報を含んでよい。また、評価情報は、進級に合格したか否かを示す合否結果を含んでよい。
【0048】
[処理手順例]
図9のフローチャートを参照して、進級評価装置30が進級評価に対応して実行する処理手順例について説明する。
ステップS101:進級評価装置30により自己の進級評価を行おうとするユーザは、まず、ユーザインターフェース部32に対して、評価を所望する級位を指定する操作(級位指定操作)を行う。CPU33は、級位指定操作を受け付けることで、級位指定操作によって指定された級位を示す情報を取得する。
【0049】
ステップS102:CPU33は、進級評価の開始トリガが発生するのを待機する。進級評価の開始トリガは、例えばユーザインターフェース部32に対してユーザが行う、進級評価開始を指示する操作に応じて発生されてもよいし、ステップS101により級位指定操作が受け付けられてから所定時間を経過したことに応じて発生されてもよい。
【0050】
ステップS103:進級評価の開始トリガが発生したことに応じて、CPU33は、初期化処理として、ホール単位表示の実行回数を示す変数mに1を代入する。
ステップS104:また、CPU33は、初期化処理として、シーン番号を示す変数nに1を代入する。
【0051】
ステップS105:CPU33は、1シーンに応じた到達評価の開始にあたり、表示装置20にn番目のシーンの画面を表示させる。CPU33は、n番目のシーンの表示にあたり、ステップS101にて指定された級位に対応付けられたシーン条件情報を、シーン条件情報記憶部342から取得する。CPU33は、取得されたシーン条件情報におけるシーン番号nのシーン条件情報を利用して、ゴルフコース情報からn番目のシーンとしての仮想空間の画像を生成する。具体的には、CPU33は、シーン条件情報により指定されるショット位置と目標範囲とから、ユーザがショット位置から、ボールの理想的移動方向(目標範囲指定情報により指定される基準線、中心位置等によって求められる)を見た場合の視野の画像を生成してよい。CPU33は、生成されたn番目のシーンの画像を表示装置20に表示させる。
【0052】
ステップS106:n番目のシーンの画面が表示された状態において、ユーザは、到達評価のためのショットを行う。CPU33は、ショットされたボールの到達位置を算出する。CPU33は、ショットが行われた際にセンサ部10が検出した情報と、n番目のシーンについて設定された気象条件やゴルフコースの環境条件等に基づいて、シーン条件情報にて示されるショット位置を起点とするボールの軌跡を算出する。CPU33は、算出された軌跡の終端を到達位置とする。
【0053】
ステップS107:CPU33は、n番目のシーンに対応する到達評価を実行する。つまり、CPU33は、ステップS106により算出されたボールの到達位置が、n番目のシーンに対応して設定された目標範囲に含まれるか否かについて判定する。n番目のシーンの目標範囲は、シーン番号nのシーン条件情報により指定されている。
ステップS108:CPU33は、ステップS107により得られた到達評価の結果を、記憶部34に記憶させる。
【0054】
ステップS109:CPU33は、現在の変数nが最大値以上であるか否かについて判定する。本実施形態においては1ホールにおけるシーンの数が「8」である場合を例に挙げている。この場合、ステップS109にて変数nと比較される最大値は「8」である。
ステップS110:変数nが最大値未満であることが判定された場合には、m回目のホールにおいて到達評価が行われるべきシーンが残っていることになる。そこで、この場合のCPU33は、変数nをインクリメントしたうえで、ステップS105に処理を戻す。
【0055】
ステップS111:ステップS109にて変数nが最大値以上であると判定された場合には、m回目のホールにおける全てのシーンごとの到達評価が行われていることになる。そこで、CPU33は、現在の変数mが最大値以上であるか否かについて判定する。本実施形態の場合、3回のホールでのシーンごとのショットが繰り返されるので、変数mの最大値は「3」である。
【0056】
ステップS112:現在の変数mが最大値未満であることが判定された場合には、次の回のホールが未だ残っている。そこで、この場合のCPU33は、変数mをインクリメントしてステップS104に戻る。これにより、次の回のホールでのシーンごとの到達判定のための処理が開始される。
【0057】
ステップS113:現在の変数mが最大値以上であることが判定された場合、CPU33は、進級合否判定を行う。ステップS113に至った段階では、
図2に例示したように、例えば3回のホールのそれぞれにおける1番目から8番目のシーンごとに応じた24個の到達評価結果が得られている。そこで、CPU33は、24個の到達評価結果のうち、到達位置が目標範囲に入っていることを示す到達評価結果が18個以上であるか否かについて判定する。CPU33は、到達評価結果が18個以上であれば進級に合格したと判定し、18個未満であれば進級は不合格であると判定する。
ステップS114:CPU33は、ステップS113により得られた進級合否結果を出力させる。進級合否結果は、表示装置20や、進級評価装置30が備える表示部にて表示により出力されてよい。あるいは、進級合否結果は、音声や用紙への印刷によって出力されてよい。また、進級合否結果は、ネットワークを介して例えばユーザの情報を管理している他のシステムへ送信されてよい。なお、進級合否結果は、進級に合格したか否かの情報に加えて、各シーンにおける詳細な結果を含んでいてもよい。
また、進級合否結果とともに、シーン番号が共通のシーンについての到達評価結果が出力されてよい。この際、CPU33は、同じシーン番号のシーンごとの3回の到達評価結果について分析した結果や分析結果に基づくユーザへのアドバイスなども出力させてよい。
【0058】
〔第1実施形態のまとめ〕
(1)以上説明したように本実施形態の一態様は、進級評価装置30としてのコンピュータを、仮想のゴルフコースに基づいて得られる、それぞれ条件が定められた複数のシーンを順に1つずつ表示させるホール単位表示を所定回数行うシーン表示制御部331、1つのシーンSCが表示されているときに検出された、ユーザのショットに応じた所定の事象に基づいて、ショットされたボールの到達位置を算出する到達位置算出部332、前記到達位置算出部332により算出された到達位置が、表示されているシーンに対応して設定された目標範囲に収まっているか否かについて判定する到達評価部333、前記所定回数のホール単位表示が行われた間において、前記到達評価部333により目標範囲に入っていると判定された回数に基づいて、進級に合格したか否かについて判定する進級評価部(334)として機能させるための進級評価プログラムである。
上記構成によれば、例えば特定の種類のショットに関するのではなく、ゴルフコースにてティーショットからカップインまでの過程における各種のショットを個々に評価したうえで、これらの個々の評価結果に基づいて進級の合否判定を行える。つまり、本実施形態によっては、ユーザのゴルフの技術について総合的な評価を行うことができる。また、1回ショットするごとにシーンが切り替わるため、同じシーンを連続的に複数回繰り返してショットを打たせる場合と比較してより実践的な評価を行うことができる。
【0059】
(4)また、本実施形態の一態様としての進級評価プログラムにおいて、前記条件の異なる複数のシーンのそれぞれは、同じ1つのホールから選択されたゴルフコースの一部である。
上記構成によれば、ユーザは、1つの仮想のゴルフコースにおいて、例えば、ティーショットからカップインまでの複数回のショットを順次行っていくような実践的なイメージで、進級評価を受けることができる。
【0060】
(5)また、本実施形態の一態様としての進級評価プログラムにおいて、前記進級評価部334は、複数回行われた前記ホール単位表示におけるシーンのうちから共通のシーンごとに対応してショットについての評価を行う。
上記構成によれば、複数回(例えば、3回)行われるホール単位表示におけるシーンのうちから共通のシーンごとの評価結果が得られる。これにより、ユーザは、どのような場面でのショットが得意、あるいは不得意であるのかといったことを的確に把握できる。
【0061】
(7)本実施形態の一態様は、仮想のゴルフコースに基づいて得られる、それぞれ条件が定められた複数のシーンを順に1つずつ表示させるホール単位表示を所定回数行うステップS111、S112と、1つのシーンが表示されているときに検出された、ユーザのショットに応じた所定の事象に基づいて、ショットされたボールの到達位置を算出するステップS106と、算出された到達位置が、表示されているシーンに対応して設定された目標範囲に収まっているか否かについて判定するステップS107と、前記所定回数のホール単位表示が行われた間において、目標範囲に入っていると判定された回数に基づいて、進級に合格したか否かについて判定するステップS113とを含む進級評価方法である。
【0062】
(8)本実施形態の一態様は、仮想のゴルフコースに基づいて得られる、それぞれ条件が定められた複数のシーンを順に1つずつ表示させるホール単位表示を所定回数行うシーン表示制御部331と、1つのシーンが表示されているときに検出された、ユーザのショットに応じた所定の事象に基づいて、ショットされたボールの到達位置を算出する到達位置算出部332と、前記到達位置算出部により算出された到達位置が、表示されているシーンに対応して設定された目標範囲に収まっているか否かについて判定する到達評価部333と、前記所定回数のホール単位表示が行われた間において、前記到達評価部333により目標範囲に入っていると判定された回数に基づいて、進級に合格したか否かについて判定する進級評価部334とを備える進級評価装置30である。
【0063】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。実際のゴルフコースでプレイするにあたっては、マナーとして、できるだけ短い時間でラウンドすることが求められる。このようなマナーは、例えばプレイファストと呼ばれる。このようなプレイファストのマナーが求められていることを考慮すると、進級評価にあたり、目標範囲内にボールが到達したと判定された到達評価結果数が多かったとしても、ショットまでにあまりに時間がかかる場合には、進級させる価値がないという考え方をとることができる。
そこで、本変形例の進級評価装置30は、進級評価における所定回数(3回)のホールのプレイに要した時間(総合プレイ時間)を計測し、到達評価結果に加えて、計測された時間も反映させるようにして進級評価を行うようにされる。
【0064】
プレイ時間の計測の仕方についてはいくつかの例を挙げることができる。1つには、進級評価装置30が、シーンごとに応じてユーザが要した時間を計測し、計測されたシーンごとの時間を総合(合算)することにより総合プレイ時間を計測することができる。
この場合において、進級評価装置30は、1シーンに対応する時間を以下のようにして算出することができる。進級評価装置30は、例えば搬送機の動作、あるいはユーザの作業によってボールがショット位置にセットされたことに応じて、ユーザにショットが可能であることを報知したタイミングから、ユーザがゴルフクラブを振ってショットを行ったタイミング(センサ部10によりセンシングされたタイミング)までの時間を計測してよい。また、1シーンに対応して計時を開始するタイミングは、例えば表示装置20にてシーンの表示が開始されたタイミングであってもよい。
【0065】
また、1つのゴルフコースに対応するシーンは、それぞれ、表示順に従って対応のゴルフコースを進んでいくことを想定して設定されている。そこで、総合プレイ時間を計測するにあたっては、例えば、現実のゴルフコースに近い環境を想定して、1つのシーンと次のシーンとの間での移動時間を定めておき、シーンごとの時間に加えて、シーン間の移動時間も加算するようにされてよい。
また、シーン間の移動時間は、移動手段が徒歩、走る、カート等のいずれであるのかによっても異なってくるので、例えば進級評価の開始に先立って、ユーザが移動手段を選択する操作が行えるようにされてもよい。
【0066】
また、上記のように計測された総合プレイ時間は、例えば以下のようにして進級評価の判定に反映させることができる。
例えば、進級評価装置30は、目標範囲内にボールが到達したと判定された到達評価結果の数が一定以上で、かつ、計測された総合プレイ時間が一定以下であるとの条件を満たした場合に、進級に合格したと判定するようにされてよい。
あるいは、進級評価装置30は、目標範囲内にボールが到達したと判定された到達評価結果の数と、計測された総合プレイ時間との合計値が一定範囲内であるとの条件を満たした場合に、進級に合格したと判定するようにされてよい。この場合、進級評価装置30は、適正な合計値が得られるように、到達評価結果の数と総合プレイ時間との少なくともいずれか一方を正規化し、正規化した値を用いて合計値を算出してよい。
さらに、進級評価装置30は、例えば到達評価結果の数に基づくことなく、総合プレイ時間に基づいて、進級の合否を判定してよい。
【0067】
なお、進級評価装置30は、シーンごとにプレイに要したシーン単位プレイ時間を計測し、シーン単位プレイ時間ごとについて評価した結果を、進級の合否判定に反映させるようにしてよい。この場合、進級評価装置30は、到達評価結果とシーン単位プレイ時間とに基づいて、進級の合否を判定してもよいし、到達評価結果に基づくことなく、シーン単位プレイ時間に基づいて、進級の合否を判定してもよい。
この場合、到達評価結果とシーン単位プレイ時間とに基づいては、以下のように、進級の合否を判定することができる。つまり、進級評価装置30は、1つのシーンについて、目標範囲内にボールが到達したとの到達評価結果が得られたとしても、シーン単位プレイ時間が例えば所定以上であるとの評価である場合には、当該シーンについては目標が達成できなかったと判定する。つまり、目標範囲内にボールが到達し、かつシーン単位プレイ時間が所定以上である場合に目標達成であると判定される。
そのうえで、進級評価装置30は、例えば規定回数のホール単位評価を完了させた段階で得られている、目標達成であると判定されたシーンが所定以上であるか否かにより、進級の合否判定を行うようにしてよい。
【0068】
なお、進級評価装置30は、1ホール単位ごとに対応してプレイに要したホール単位プレイ時間を計測し、ホール単位プレイ時間ごとについて評価した結果を、進級の合否判定に反映させるようにしてよい。この場合、進級評価装置30は、到達評価結果とホール単位プレイ時間とに基づいて、進級の合否を判定してもよいし、到達評価結果に基づくことなく、ホール単位プレイ時間に基づいて、進級の合否を判定してもよい。
【0069】
〔第2実施形態のまとめ〕
(2)以上説明したように、本実施形態において、進級評価部334は、1ホールのプレイに要したプレイ時間を計測し、目標範囲に入っていると判定された回数とプレイ時間とに基づいて、進級に合格したか否かについて判定する。
上記構成によれば、プレイファストのマナーに従って、ユーザはできるだけショットまでに要する時間が短くなることもゴルフの技量の1つであるとの意識で進級評価を受けるようにすることができる。
【0070】
[第3実施形態]
続いて、第3実施形態について説明する。ユーザが男性である場合と女性である場合とでは、例えば技量的には同じであっても、ショットにより得られる飛距離等が異なってくる。このことを考慮すると、シーンにおいて設定される目標範囲については、男女の性別に応じてそれぞれ異なる適正な範囲が設定されることが好ましい。
そこで、本実施形態の進級評価装置30は、同じ1つの級に対応する1つのゴルフコースにおけるシーンごとの目標範囲を、ユーザの属性に応じて変更可能なように構成される。
【0071】
本実施形態において、ユーザは、進級評価装置30に進級評価を開始させるにあたり、自分の性別を入力する操作を行う。
本実施形態のシーン条件情報は、性別のそれぞれに応じた2つの目標範囲を格納する。進級評価装置30は、シーン条件情報を用いてシーンを生成するにあたり、目標範囲については、入力された性別に応じた目標範囲をシーンに適用するようにされる。これにより、ユーザが入力した性別に応じて、シーンごとにおける目標範囲が変更される。
【0072】
なお、シーンの目標範囲の変更に関するユーザの属性は性別以外であってもよい。例えば、進級評価装置30は、年齢に基づいてシーンの目標範囲を変更してもよい。
【0073】
〔第3実施形態のまとめ〕
(6)以上説明したように、本実施形態において、到達評価部333は、ユーザの性別(属性の一例)に応じて目標範囲を変更する。
上記構成によれば、ユーザの性別に合わせて目標範囲を設定できる。これにより、ユーザの属性に応じて適切に進級評価を行うことが可能となる。
【0074】
以下、本実施形態の変形例について説明する。
[第1変形例]
先の第1実施形態では、シーンごとのショットに使用するゴルフクラブは、ユーザが自身の判断により選択するようにされていた。この場合には、ゴルフクラブ選択にあたってのユーザの判断の良否も含めて進級の合否に関する評価が行えるという側面がある。
一方で、ユーザによっては、例えば或るゴルフクラブの種類については苦手意識があり、本来であれば使用することが好ましい状況でも他の種類のゴルフクラブを使用してごまかしたプレイをしてしまう、といった場合がある。このようなことを考慮すると、進級評価にあたり、シーンごとに使用するゴルフクラブの種類を指定するようにした場合には、このような苦手意識がどの程度克服できているのかといったことも評価できるという側面がある。この点で、ユーザのゴルフの技術について、総合的な評価をさらに有効に行えることになる。
【0075】
そこで、本変形例においては、シーンSCごとの条件として、指定の種類のゴルフクラブの使用が規定される。
このためには、例えばシーン設定情報において、ショット位置と目標範囲に加えて、さらに、使用すべきゴルフクラブの種類を示すゴルフクラブ種別の情報をシーンごとに対応付けるようにしてよい。これにより、進級評価装置30は、シーンごとにユーザが使用すべきゴルフクラブの種類を把握できる。
そのうえで、例えば1つのシーンの開始に対応する所定のタイミングで、表示装置20と進級評価装置30の表示デバイスとの少なくともいずれか一方により、ユーザに使用すべきゴルフクラブの種類を指示する表示が行われるようにする。なお、音声による指示が行われてもよい。
【0076】
〔第1変形例のまとめ〕
(3)以上説明したように、本変形例において、シーンに定められる条件は、シーンごとに指定の種類のゴルフクラブを使用してショットを行うべきことを含む。
上記構成によれば、ユーザは、ゴルフコースにおけるシーンごとに使用するゴルフクラブの種別が指定されることから、ユーザのゴルフの技術について総合的な評価をさらに有効に行うことが可能になる。
【0077】
[第2変形例]
なお、級位に応じて異なるゴルフコースが対応付けられてもよい。この場合、表示されるシーンの画像も、級位に対応付けられたゴルフコースに応じて変化してよい。
また、1つの級位に複数のゴルフコースが対応付けられてもよい。この場合の進級評価装置30は、進級評価に用いるゴルフコースとして、指定された級位に対応付けられた複数のゴルフコースのうちから、ユーザが選択したゴルフコースを選択するようにされてよい。あるいは、進級評価装置は、指定された級位に対応付けられた複数のゴルフコースのうちから、ランダムのあるいは所定の選択条件に従って選択したゴルフコースを、進級評価に用いるゴルフコースとしてもよい。
【0078】
[付記]
以上の記載から本発明の複数の態様は例えば以下のように把握される。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を便宜的に括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の態様に限定されるものではない。
【0079】
(付記1)本発明の一態様は、コンピュータ(例えば、進級評価装置30が備えるコンピュータ)を、仮想のゴルフコースに基づいて得られる、それぞれ条件が定められた複数のシーンを順に1つずつ表示させるホール単位表示を所定回数行うシーン表示制御部(331)、1つのシーンが表示されているときに検出された、ユーザのショットに応じた所定の事象に基づいて、ショットされたボールの到達位置を算出する到達位置算出部(332)、前記到達位置算出部により算出された到達位置が、表示されているシーンに対応して設定された目標範囲に収まっているか否かについて判定する到達評価部(333)、前記所定回数のホール単位表示が行われた間において、前記到達評価部により目標範囲に入っていると判定された回数に基づいて、進級に合格したか否かについて判定する進級評価部(334)として機能させるための進級評価プログラムである。
上記構成によれば、例えば特定の種類のショットに関するのではなく、ゴルフコースにてティーショットからカップインまでの過程における各種のショットを個々に評価したうえで、これらの個々の評価結果に基づいて進級の合否判定を行える。つまり、本発明によっては、ユーザのゴルフの技術について総合的な評価を行うことができる。
【0080】
(付記2)本発明の一態様は、(付記1)に記載の進級評価プログラムであって、上記進級評価部は、1ホールのプレイに要したプレイ時間を計測し、前記回数と前記プレイ時間とに基づいて、進級に合格したか否かについて判定する。
上記構成によれば、プレイファストのマナーに従って、ユーザはできるだけショットまでに要する時間が短くなることもゴルフの技量の1つであるとの意識で進級評価を受けるようにすることができる。
【0081】
(付記3)本発明の一態様は、(付記1)または(付記2)に記載の進級評価プログラムであって、前記条件は、シーンごとに指定の種類のゴルフクラブを使用してショットを行うべきことを含む。
上記構成によれば、ユーザは、ゴルフコースにおけるシーンごとに使用するゴルフクラブの種類が指定されることから、ユーザのゴルフの技術について総合的な評価をさらに有効に行うことが可能になる。
【0082】
(付記4)本発明の一態様は、(付記1)から(付記3)のいずれか1つに記載の進級評価プログラムであって、前記条件の異なる複数のシーンのそれぞれは、同じ1つのホールから選択されたゴルフコースの一部である。
上記構成によれば、ユーザは、1つの仮想のゴルフコースにおいて、例えば、ティーショットからカップインまでの複数回のショットを順次行っていくような実践的なイメージで、進級評価を受けることができる。
【0083】
(付記5)本発明の一態様は、(付記1)から(付記4)のいずれか1つに記載の進級評価プログラムであって、前記進級評価部は、複数回行われた前記ホール単位表示におけるシーンのうちから共通のシーンごとに対応してショットについての評価を行う。
上記構成によれば、複数回(例えば、3回)行われるホール単位表示におけるシーンのうちから共通のシーンごとの評価結果が得られる。これにより、ユーザは、1のゴルフコース全体において、どのような場面でのショットが得意、あるいは不得意であるのかといったことを的確に把握できる。
【0084】
(付記6)本発明の一態様は、(付記1)から(付記5)のいずれか1つに記載の進級評価プログラムであって、前記到達評価部は、ユーザの属性(例えば、男性、女性)に応じて目標範囲を変更する。
上記構成によれば、ユーザの属性に合わせて目標範囲を設定できる。これにより、ユーザの属性に応じて適切に進級評価を行うことが可能となる。
【0085】
(付記7)本発明の一態様は、仮想のゴルフコースに基づいて得られる、それぞれ条件が定められた複数のシーンを順に1つずつ表示させるホール単位表示を所定回数行うステップ(S111、S112)と、1つのシーンが表示されているときに検出された、ユーザのショットに応じた所定の事象に基づいて、ショットされたボールの到達位置を算出するステップ(S106)と、算出された到達位置が、表示されているシーンに対応して設定された目標範囲に収まっているか否かについて判定するステップ(S107)と、前記所定回数のホール単位表示が行われた間において、目標範囲に入っていると判定された回数に基づいて、進級に合格したか否かについて判定するステップ(S113)とを含む進級評価方法である。
【0086】
(付記8)本発明の一態様は、仮想のゴルフコースに基づいて得られる、それぞれ条件が定められた複数のシーンを順に1つずつ表示させるホール単位表示を所定回数行うシーン表示制御部(331)と、1つのシーンが表示されているときに検出された、ユーザのショットに応じた所定の事象に基づいて、ショットされたボールの到達位置を算出する到達位置算出部(332)と、前記到達位置算出部により算出された到達位置が、表示されているシーンに対応して設定された目標範囲に収まっているか否かについて判定する到達評価部(333)と、前記所定回数のホール単位表示が行われた間において、前記到達評価部により目標範囲に入っていると判定された回数に基づいて、進級に合格したか否かについて判定する進級評価部(334)とを備える進級評価装置(30)である。
【0087】
なお、上述の進級評価装置30等の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述の進級評価装置30等に応じた処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD−ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。