【実施例】
【0035】
次に具体的な数値実施例1−5を示す。諸収差図及び横収差図並びに表中において、d線、g線、C線はそれぞれの波長に対する収差、Sはサジタル、Mはメリディオナル、FNO.はFナンバー、fは全系の焦点距離、Wは半画角(゜)、Yは像高、fB
はバックフォーカス、LDはレンズ全長、fsはワイドコンバータレンズ系(変換光学系)単体の焦点距離、Rは曲率半径、dはレンズ厚またはレンズ間隔、Nは屈折率、νはアッベ数を示す。バックフォーカスはレンズ全系の最も像側の面から設計上の像面Iまでの距離である。長さの単位は[mm]である。
回転対称非球面は次式で定義される。
x=cy
2/[1+[1-(1+K)c
2y
2]
1/2] +A3y
3+A4y
4+A6y
6+A8y
8 +A10y
10+A12y
12・・・
(但し、cは曲率(1/r)、yは光軸からの高さ、Kは円錐係数、A4、A6、A8、・・・・・は各次数の非球面係数、xはサグ量)
アッベ数νは次式で定義される。
ν=(nd-1)/(nF-nC)
nd:d線(587.56nm)に対する屈折率
nF:F線(486.13nm)に対する屈折率
nC:C線(656.27nm)に対する屈折率
【0036】
[数値実施例1]
図1はマスターレンズ系(主光学系)の物体側に数値実施例1のワイドコンバータレンズ系(変換光学系)を装着した全光学系のレンズ構成図、
図2A−
図2Dはその諸収差図、
図3A−
図3Dはその横収差図である。表1は面データ、表2は各種データ、表3は非球面データである。
【0037】
数値実施例1のワイドコンバータレンズ系WLは、マスターレンズ系MLの物体側に装着されて全系の焦点距離を短い方(広角側)に変化させる機能を持つ。ワイドコンバータレンズ系WLのこの機能は、後述する数値実施例2−5でも同様である。
【0038】
ワイドコンバータレンズ系WLは、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズからなる第1レンズ(第1光学要素)WL1と、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズからなる第2レンズ(第2光学要素)WL2と、両凹負レンズからなる第3レンズ(第3光学要素)WL3と、両凸正レンズからなる第4レンズ(第4光学要素)WL4とから構成されている。第2レンズWL2の像側の面と第3レンズWL3の物体側の面は、接合されている。
【0039】
マスターレンズ系MLは、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズからなる第5レンズ(第5光学要素)ML5と、両凸正レンズからなる第6レンズ(第6光学要素)ML6と、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズからなる第7レンズ(第7光学要素)ML7と、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズからなる第8レンズ(第8光学要素)ML8と、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズからなる第9レンズ(第9光学要素)ML9と、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズからなる第10レンズ(第10光学要素)ML10とから構成されている。第6レンズML6の像側の面と第7レンズML7の物体側の面は、接合されている。第10レンズML10の物体側の面には、非球面が形成されている。マスターレンズ系MLのこの構成は、後述する数値実施例2−5でも同様である。
【0040】
(表1)
面データ
面番号 R d N ν
1 84.915 3.00 1.74320 49.3
2 47.598 17.48
3 -161.224 11.00 1.72047 34.7
4 -47.991 2.50 1.80000 29.8
5 903.940 0.15
6 75.676 9.80 1.72825 28.5
7 -290.179 10.36
8 146.963 1.50 1.51823 59.0
9 18.423 14.68
10 28.642 8.40 1.77250 49.6
11 -28.642 1.40 1.60342 38.0
12 -381.090 12.95
13 -17.426 1.38 1.80518 25.4
14 -150.390 0.42
15 -74.060 4.40 1.80400 46.6
16 -21.222 0.10
17* -216.808 3.10 1.66910 55.4
18 -35.520 -
*は回転対称非球面である。
(表2)
各種データ
FNO. 2.2
f 28.85
W 38.9
Y 21.64
fB 37.92
LD 140.54
fs -1.2E08(略無限大)
(表3)
非球面データ
面番号 K A4 A6 A8
17 0.000 -0.1172E-04 -0.5051E-08 -0.7061E-10
【0041】
[数値実施例2]
図4はマスターレンズ系(主光学系)の物体側に数値実施例2のワイドコンバータレンズ系(変換光学系)を装着した全光学系のレンズ構成図、
図5A−
図5Dはその諸収差図、
図6A−
図6Dはその横収差図である。表4は面データ、表5は各種データ、表6は非球面データである。
【0042】
数値実施例2のワイドコンバータレンズ系WLのレンズ構成は、以下の点を除いて、数値実施例1のワイドコンバータレンズ系WLのレンズ構成と同様である。
(1)第3レンズWL3が、両凹負レンズではなく、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズからなる。
【0043】
(表4)
面データ
面番号 R d N ν
1 99.894 3.00 1.74100 52.6
2 53.703 17.30
3 -135.513 11.00 1.72047 34.7
4 -48.287 2.50 1.80000 29.8
5 -3824.009 0.15
6 83.372 10.00 1.72151 29.2
7 -258.790 10.89
8 146.963 1.50 1.51823 59.0
9 18.423 14.68
10 28.642 8.40 1.77250 49.6
11 -28.642 1.40 1.60342 38.0
12 -381.090 12.95
13 -17.426 1.38 1.80518 25.4
14 -150.390 0.42
15 -74.060 4.40 1.80400 46.6
16 -21.222 0.10
17* -216.808 3.10 1.66910 55.4
18 -35.520 -
*は回転対称非球面である。
(表5)
各種データ
FNO. 2.2
f 28.86
W 39.4
Y 21.64
fB 37.92
LD 141.09
fs -1.5E08(略無限大)
(表6)
非球面データ
面番号 K A4 A6 A8
17 0.000 -0.1172E-04 -0.5051E-08 -0.7061E-10
【0044】
[数値実施例3]
図7はマスターレンズ系(主光学系)の物体側に数値実施例3のワイドコンバータレンズ系(変換光学系)を装着した全光学系のレンズ構成図、
図8A−
図8Dはその諸収差図、
図9A−
図9Dはその横収差図である。表7は面データ、表8は各種データ、表9は非球面データである。
【0045】
数値実施例3のワイドコンバータレンズ系WLのレンズ構成は、数値実施例2のワイドコンバータレンズ系WLのレンズ構成と同様である。
【0046】
(表7)
面データ
面番号 R d N ν
1 96.034 3.00 1.77250 49.6
2 52.526 17.30
3 -147.140 11.00 1.72047 34.7
4 -50.415 2.50 1.80000 29.8
5 -2000.000 0.15
6 84.242 10.00 1.72825 28.5
7 -305.837 10.73
8 146.963 1.50 1.51823 59.0
9 18.423 14.68
10 28.642 8.40 1.77250 49.6
11 -28.642 1.40 1.60342 38.0
12 -381.090 12.95
13 -17.426 1.38 1.80518 25.4
14 -150.390 0.42
15 -74.060 4.40 1.80400 46.6
16 -21.222 0.10
17* -216.808 3.10 1.66910 55.4
18 -35.520 -
*は回転対称非球面である。
(表8)
各種データ
FNO. 2.2
f 28.89
W 39.1
Y 21.64
fB 37.92
LD 140.93
fs -1.1E08(略無限大)
(表9)
非球面データ
面番号 K A4 A6 A8
17 0.000 -0.1172E-04 -0.5051E-08 -0.7061E-10
【0047】
[数値実施例4]
図10はマスターレンズ系(主光学系)の物体側に数値実施例4のワイドコンバータレンズ系(変換光学系)を装着した全光学系のレンズ構成図、
図11A−
図11Dはその諸収差図、
図12A−
図12Dはその横収差図である。表10は面データ、表11は各種データ、表12は非球面データである。
【0048】
数値実施例4のワイドコンバータレンズ系WLのレンズ構成は、数値実施例2、3のワイドコンバータレンズ系WLのレンズ構成と同様である。
【0049】
(表10)
面データ
面番号 R d N ν
1 108.168 3.00 1.88300 40.8
2 58.773 18.04
3 -137.016 9.97 1.72047 34.7
4 -50.153 2.50 1.80000 29.8
5 -4538.934 0.15
6 77.210 10.03 1.76182 26.5
7 -380.206 10.32
8 146.963 1.50 1.51823 59.0
9 18.423 14.68
10 28.642 8.40 1.77250 49.6
11 -28.642 1.40 1.60342 38.0
12 -381.090 12.95
13 -17.426 1.38 1.80518 25.4
14 -150.390 0.42
15 -74.060 4.40 1.80400 46.6
16 -21.222 0.10
17* -216.808 3.10 1.66910 55.4
18 -35.520 -
*は回転対称非球面である。
(表11)
各種データ
FNO. 2.2
f 28.84
W 39.5
Y 21.64
fB 37.78
LD 140.11
fs 7.0E03(略無限大)
(表12)
非球面データ
面番号 K A4 A6 A8
17 0.000 -0.1172E-04 -0.5051E-08 -0.7061E-10
【0050】
[数値実施例5]
図13はマスターレンズ系(主光学系)の物体側に数値実施例5のワイドコンバータレンズ系(変換光学系)を装着した全光学系のレンズ構成図、
図14A−
図14Dはその諸収差図、
図15A−
図15Dはその横収差図である。表13は面データ、表14は各種データ、表15は非球面データである。
【0051】
数値実施例5のワイドコンバータレンズ系WLのレンズ構成は、数値実施例1−4のワイドコンバータレンズ系WLのレンズ構成と全体的に異なっており、具体的には以下の通りである。
(1)ワイドコンバータレンズ系WLが、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズからなる第1レンズ(第1光学要素)WL1’と、両凹負レンズからなる第2レンズ(第2光学要素)WL2’と、両凸正レンズからなる第3レンズ(第3光学要素)WL3’と、両凸正レンズからなる第4レンズ(第4光学要素)WL4’とから構成されている。第2レンズWL2’の像側の面と第3レンズWL3’の物体側の面は、接合されている。
【0052】
(表13)
面データ
面番号 R d N ν
1 102.742 3.00 1.61272 58.7
2 50.378 18.50
3 -94.613 2.50 1.80000 29.8
4 105.194 7.65 1.72047 34.7
5 -257.096 0.15
6 93.227 7.65 1.69895 30.1
7 -222.838 10.73
8 146.963 1.50 1.51823 59.0
9 18.423 14.68
10 28.642 8.40 1.77250 49.6
11 -28.642 1.40 1.60342 38.0
12 -381.090 12.95
13 -17.426 1.38 1.80518 25.4
14 -150.390 0.42
15 -74.060 4.40 1.80400 46.6
16 -21.222 0.10
17* -216.808 3.10 1.66910 55.4
18 -35.520 -
*は回転対称非球面である。
(表14)
各種データ
FNO. 2.2
f 28.81
W 39.6
Y 21.64
fB 38.02
LD 136.53
fs -1.0E04(略無限大)
(表15)
非球面データ
面番号 K A4 A6 A8
17 0.000 -0.1172E-04 -0.5051E-08 -0.7061E-10
【0053】
各数値実施例の各条件式に対する値を表16に示す。
(表16)
実施例1 実施例2 実施例3
条件式(1) -0.70 -1.00 -1.16
条件式(2) 0.398 0.394 0.394
条件式(3)
νp 34.7 34.7 34.7
νn 29.5 29.8 29.8
条件式(4)
ν1 49.3 52.6 49.6
νp 34.7 34.7 34.7
νn 29.5 29.8 29.8
ν4 28.5 29.2 28.5
実施例4 実施例5
条件式(1) -1.06 -2.16
条件式(2) 0.413 0.469
条件式(3)
νp 25.7 34.7
νn 27.5 29.8
条件式(4)
ν1 40.8 58.7
νp 25.7 34.7
νn 27.5 29.8
ν4 64.1 30.1
【0054】
表16から明らかなように、数値実施例1〜数値実施例5は、条件式(1)を満足しており、諸収差図及び横収差図から明らかなように、諸収差及び横収差は比較的よく補正されている。
【0055】
以上の数値実施例1〜数値実施例5では、全系の焦点距離を短い方(広角側)に変化させるワイドコンバータレンズ系を例示して説明した。しかし、本実施形態の変換光学系は、全系の焦点距離を長い方(望遠側)に変化させるテレコンバータレンズ系に適用することも可能である。この場合、第1レンズと第2レンズと第3レンズと第4レンズを、マスターレンズ系(主光学系)から物体側に向けて順に配置すればよい(数値実施例1−数値実施例5と逆の並び順にすればよい)。