(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
車両に装着されるタイヤそれぞれに付与された識別情報と、前記タイヤそれぞれの使用期間に関する使用期間情報と、前記タイヤそれぞれの走行距離を含む走行情報とを記憶する記憶装置と、前記記憶装置に記憶すべき情報を他の装置から取得する情報取得部と、前記記憶装置の記憶内容に基づいて前記タイヤそれぞれの点検履歴を示すタイヤカルテ情報を作成する情報作成部と、前記情報作成部が作成したタイヤカルテ情報を運転者端末装置へ送信する情報送信部とを含み、
前記運転者端末装置において、
前記タイヤカルテ情報に含まれる、前記使用期間情報と前記走行情報とに基づいて、前記タイヤの使用期間情報および前記走行情報と、前記タイヤの状態を示す情報とを対応付けるタイヤライフテーブルを参照して、前記タイヤの使用開始から寿命までのうち、現在のタイヤの状態を示すタイヤライフメーターを作成し、前記タイヤライフメーターを表示するようにしたタイヤ整備記録管理装置。
車両に装着されるタイヤそれぞれに付与された識別情報と、前記タイヤそれぞれの使用期間に関する使用期間情報と、前記タイヤそれぞれの走行距離を含む走行情報とを記憶する記憶装置と、前記記憶装置に記憶すべき情報を他の装置から取得する情報取得部と、前記記憶装置の記憶内容に基づいて前記タイヤそれぞれの点検履歴を示すタイヤカルテ情報を作成する情報作成部と、前記情報作成部が作成したタイヤカルテ情報を他の装置へ送信する情報送信部とを含むタイヤ整備記録管理装置と、
前記タイヤ整備記録管理装置からタイヤそれぞれの点検履歴を示すタイヤカルテ情報を受信する受信部と、前記受信部が受信した前記タイヤカルテ情報に基づき、タイヤの使用開始から寿命までのうち、現在のタイヤの状態を示すタイヤライフメーターを作成するタイヤライフメーター作成部と、前記タイヤライフメーター作成部が作成したタイヤライフメーターを表示する表示部とを含む運転者端末装置と、
を有し、
前記運転者端末装置は、
前記タイヤの前記使用期間情報および前記走行情報と、前記タイヤの状態を示す情報とを対応付けるタイヤライフテーブルを記憶する記憶部を有し、
前記タイヤカルテ情報は、前記タイヤそれぞれの使用期間に関する使用期間情報と、前記タイヤそれぞれの走行距離を含む走行情報とを含み、
前記タイヤライフメーター作成部は、前記タイヤカルテ情報に含まれる使用期間情報と前記走行情報とに基づいて前記タイヤライフテーブルを参照して、前記タイヤライフメーターを作成するタイヤ整備記録管理システム。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施形態の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。また、この実施形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
【0015】
[タイヤ整備記録管理システム]
本発明の実施の形態に係るタイヤ整備記録管理システムについて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るタイヤ整備記録管理システムを示すブロック図である。
図1において、タイヤ整備記録管理システム10は、タイヤ整備記録管理装置1と、整備者端末装置2と、運転者端末装置3と、サービスマン端末装置4とを備える。
【0016】
タイヤ整備記録管理システム10は、タイヤ5について、タイヤ整備記録情報の管理を行う。本例では、各タイヤ5に識別情報が付与されており、識別情報に基づき、複数のタイヤ5について、タイヤ整備記録情報の管理を行う。タイヤ5は、車両に装着されているもののほか、車両に装着されずに倉庫などに保管されているものも含む。識別情報は、例えば、RFID(radio frequency identifier)タグ6に記憶されている情報である。RFIDタグ6は、各タイヤ5の内部に設けられている。
【0017】
タイヤ整備記録管理装置1は、タイヤ整備記録管理システム10内の他の複数の装置から情報を取得し、タイヤ整備記録情報を作成する。
【0018】
整備者端末装置2は、車両の整備を行う者が操作する装置である。整備者端末装置2は、例えば、運送会社のトラックを整備する者が操作する装置、または、バス運行会社のバスを整備する者が操作する装置である。整備者端末装置2は、例えば、トラックやバスなどの車両が運行されていない整備期間中に操作される。
【0019】
運転者端末装置3は、トラックやバスなどの車両を運転する運転者が操作する装置である。運転者端末装置3は、例えば、運転者により、運行開始直前に操作される。
【0020】
サービスマン端末装置4は、運送会社のトラックやバス運行会社のバスについて、それらのタイヤの保守を行う保守会社の保守者が操作する装置である。サービスマン端末装置4は、例えば、トラックやバスなどの車両が運行されていない整備期間中に操作される。
【0021】
整備者端末装置2、運転者端末装置3およびサービスマン端末装置4は、タブレット装置やノート型PC(Personal Computer)などの可搬型の装置であることが望ましい。
【0022】
[タイヤ整備記録管理装置]
図2は、タイヤ整備記録管理装置1の機能を示すブロック図である。
図2において、タイヤ整備記録管理装置1は、制御部11と、記憶装置12と、モニタなどの表示装置(図示省略)およびキーボードやマウスなどの入力装置(図示省略)とを備える。制御部11は、タイヤ整備記録管理システム10の動作を統括的に制御する装置であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random-Access Memory)などを備える。また、制御部11は、情報取得部111と、情報作成部112と、情報送信部113と、入出力部(I/O)114とを有する。具体的には、制御部11のCPUが、各種のプログラムを読み込んで実行することにより、これらの機能が実現される。情報取得部111は、タイヤカルテ情報を作成するために必要な情報など、記憶装置12に記憶すべき情報を他の装置から取得する。情報取得部111が取得した情報は、記憶装置12に記憶される。情報作成部112は、記憶装置12の記憶内容に基づいてタイヤカルテ情報を作成する。タイヤカルテ情報は、タイヤそれぞれの点検履歴を示す情報である。情報送信部113は、作成したタイヤカルテ情報を他の装置へ送信する。
【0023】
記憶装置12は、制御部11での処理に用いられる各種のプログラムやデータを格納する装置である。記憶装置12は、例えば、PCに内蔵あるいは外付けされた不揮発性メモリあるいは磁気記憶装置により構成される。記憶装置12は、タイヤ管理テーブル120を記憶する。また、記憶装置12は、タイヤカルテ情報を作成するために必要な情報を記憶する。
【0024】
タイヤ整備記録管理装置1は、各タイヤ5の識別情報と、各タイヤ5の走行情報と、各タイヤ5の溝深さを示す溝深さ情報とを入力する。識別情報は、例えば、各タイヤ5に設けられているRFIDタグ6に記憶されている情報である。走行情報は、走行距離および走行ルート情報のうちの少なくとも一方を含む。走行情報は、例えば、車両に備えられたGPS(Global Positioning System)機器から取得したものであってもよい。また、走行情報は、例えば、カーナビゲーション装置から取得したものであってもよい。タイヤ整備記録管理装置1は、各タイヤの状態を示すタイヤカルテ情報を出力する。タイヤカルテ情報は、そのタイヤの点検履歴を示す情報である。
【0025】
[タイヤ管理テーブル]
図3は、記憶装置12が記憶するタイヤ管理テーブル120の例を示す図である。
図3において、タイヤ管理テーブル120に記憶される情報は、例えば、タイヤ識別情報、走行距離(km)、溝深さ(mm)、車両識別情報、ポジション(装着位置)である。
図3に示すように、タイヤ管理テーブル120は、タイヤ別に、上記の情報のほか、各種の情報を記憶する。
【0026】
タイヤ識別情報は、各タイヤ5を識別するために設定される情報である。例えば、「X11」である。タイヤ識別情報により、各種の情報をタイヤ別に管理することができる。走行距離は、最新の走行距離を示す情報である。次に取得する走行距離との差を求めることによって、ある期間に走行した距離を算出することができる。例えば、タイヤ管理テーブル120に記憶されている走行距離が100000(km)で、次に取得した走行距離が120000(km)であれば、それらの差である20000(km)がある期間に走行した距離である。
【0027】
溝深さは、最新の溝深さを示す情報である。次に取得する溝深さとの差を求めることによって、ある期間に摩耗した溝深さを算出することができる。例えば、タイヤ管理テーブル120に記憶されている溝深さが15(mm)で、次に取得した溝深さが13(mm)であれば、それらの差である2(mm)がある期間に摩耗した溝深さである。上述したように、ある期間に走行した距離20000(km)をある期間に摩耗した溝深さ2(mm)で除することにより、摩耗速度を10000(km/mm)と算出することができる。
【0028】
車両識別情報は、タイヤが装着された車両を識別する情報である。例えば、「A11」である。
【0029】
ポジションは、タイヤが装着された車両において、そのタイヤが装着されている位置を示す情報である。ポジションは、例えば、6輪の車両の場合、車両の前側(フロント側)の右側を「FR」、その左側を「FL」とし、車両の後外側(リア外側)の右側を「RRo」、その左側を「RLo」とし、車両の後内側(リア内側)の右側を「RRi」、その左側を「RLi」とする。
【0030】
[タイヤ整備記録管理装置による処理]
次に、タイヤ整備記録管理装置1による処理について説明する。
図4は、タイヤ整備記録管理装置1による処理の例を示すフローチャートである。
図4に示すように、ステップS101では、タイヤ整備記録管理装置1は、各端末装置から情報取得部111を介して情報を取得し、記憶装置12に記憶する。タイヤ整備記録管理装置1が、各端末装置から取得する情報は、各タイヤ5の走行距離、各タイヤ5の溝深さなどである。タイヤ整備記録管理装置1は、各タイヤ5が装着されている車両の車両識別情報、各タイヤ5が装着されている車両のポジション、を各端末装置から取得してもよい。
【0031】
ステップS102では、タイヤ整備記録管理装置1は、記憶装置12の記憶内容から、タイヤカルテ情報の作成に必要な情報を抽出する。ステップS103では、タイヤ整備記録管理装置1は、情報作成部112によりタイヤカルテ情報を作成する。ステップS104では、タイヤ整備記録管理装置1は、情報送信部113を介して、作成したタイヤカルテ情報を他の装置へ送信する。
【0032】
[運転者端末装置]
運転者端末装置3は、例えば、タブレット装置やノート型PCなどの可搬型の装置として構成される。運転者端末装置3は、デスクトップ型の装置であってもよい。
【0033】
図5は、運転者端末装置3の機能を示すブロック図である。
図5において、運転者端末装置3は、制御部31と、記憶装置32と、液晶モニタなどの表示部33と、タッチパネルやキーボードなどの入力装置(図示省略)とを備える。表示部33はタッチパネルと一体に構成されていてもよい。制御部31は、例えば、CPU、ROM、RAMなどを備える。また、制御部31は、取得部311と、受信部312と、送信部313と、入出力部(I/O)314と、タイヤライフメーター作成部315とを有する。具体的には、制御部31のCPUが、各種のプログラムを読み込んで実行することにより、これらの機能が実現される。プログラムは、例えば、運転者端末装置3専用のアプリケーションプログラムを含む。
【0034】
記憶装置32は、制御部31での処理に用いられる各種のプログラムやデータを格納する装置である。記憶装置32は、例えば、不揮発性メモリあるいは磁気記憶装置により構成される。記憶装置32は、タイヤライフテーブル320を記憶する。タイヤライフテーブル320は、使用期間情報および走行情報と、タイヤの状態を示す情報とを対応付けるテーブルである。タイヤライフテーブル320は、後述するように、タイヤライフメーターの作成の際に参照される。タイヤライフメーターは、タイヤの使用開始から寿命までのうち、現在のタイヤの状態を示す情報である。
【0035】
取得部311は、例えば、各タイヤ5の識別情報、各タイヤ5の走行情報を取得する。取得部311は、例えば、予め定められた時刻(情報読取り時刻)になった場合に、上記の各情報を取得する。また、取得部311は、例えば、情報を読取るための情報読取り命令が入力された場合に、上記の各情報を取得する。情報読取り命令は、例えば、運転者端末装置3を操作する運転者が、図示しない入力装置のボタンを押下する操作によって入力される。取得部311は、例えば、RFIDタグ6から識別情報を取得したり、図示しない入力装置のボタンが押下されることによって走行情報を取得したりする。また、取得部311は、例えば、車両の運転者が入力する運行日報に含まれる情報を走行情報として取得するようにしてもよい。運行日報は、例えば、車両、積載物、走行オペレーション情報などを含む。
【0036】
受信部312は、タイヤ整備記録管理装置1からタイヤカルテ情報を受信する。受信部312が受信したタイヤカルテ情報は、記憶装置32に記憶される。送信部313は、取得部311によって取得した情報を送信する。送信部313は、タイヤ整備記録管理装置1へ情報を送信する。タイヤライフメーター作成部315は、タイヤカルテ情報に基づいてタイヤライフメーターを作成する。
【0037】
次に、運転者端末装置3による処理について説明する。
図6は、運転者端末装置3による処理の例を示すフローチャートである。
図6に示すように、ステップS201では、運転者端末装置3は、情報読取り時刻になったか否かを判定する。ステップS201の判定の結果、情報読取り時刻になった場合(ステップS201でYes)、運転者端末装置3は、ステップS202において、取得部311により、各タイヤ5の識別情報、各タイヤ5の走行情報などを取得する。
【0038】
ステップS203では、運転者端末装置3は、取得部311により取得した各タイヤ5の識別情報、各タイヤ5の走行情報などを、送信部313により、タイヤ整備記録管理装置1へ送信する。
【0039】
次に、ステップS204において、タイヤカルテ情報を受信したか否かを判定する。ステップS204の判定の結果、タイヤカルテ情報を受信した場合(ステップS204でYes)、受信したタイヤカルテ情報を記憶装置32に記憶する(ステップS205)。ここで、タイヤカルテ情報について表示命令が入力されたか否かを判定する(ステップS206)。ステップS206の判定の結果、表示命令が入力された場合(ステップS206でYes)、運転者端末装置3は表示部33にタイヤカルテ情報を表示し(ステップS207)、処理を終了する。
【0040】
なお、ステップS201の判定の結果、情報読取り時刻になっていない場合(ステップS201でNo)、運転者端末装置3は、ステップS208において、情報読取り命令が入力されたか否かを判定する。ステップS208の判定の結果、情報読取り命令が入力された場合(ステップS208でYes)、運転者端末装置3は、ステップS202において、取得部311により、各タイヤ5の識別情報、各タイヤ5の走行情報などを取得する。ステップS208の判定の結果、情報読取り命令が入力されていない場合(ステップS208でNo)、運転者端末装置3は、ステップS201に戻る。
【0041】
ステップS204の判定の結果、タイヤカルテ情報を受信していない場合(ステップS204でNo)、ステップS206の判定の結果、表示命令が入力されていない場合(ステップS206でNo)、運転者端末装置3はステップS201に戻る。
【0042】
[タイヤライフメーターの作成処理]
次に、運転者端末装置3によってタイヤライフメーターを作成する処理について説明する。
図7は、タイヤカルテ情報に基づいてタイヤライフメーターを作成する処理の例を示すフローチャートである。
図7に示すように、運転者端末装置3は、ステップS301において、タイヤライフメーターの表示命令が入力されたか否かを判定する。
【0043】
ステップS301の判定の結果、タイヤライフメーターの表示命令が入力された場合(ステップS301でYes)、運転者端末装置3は、記憶装置32に記憶されているタイヤカルテ情報から走行距離(累積距離)および使用開始日に関する情報を取得する(ステップS302)。運転者端末装置3は、取得した使用開始日に基づいて、使用期間を算出する(ステップS303)。具体的には、運転者端末装置3は、タイヤの使用開始日から現在の日付までの期間を、使用期間として算出する。
【0044】
次に、運転者端末装置3は、走行距離およびステップS303において算出した使用期間に基づいてタイヤライフテーブル320を参照する(ステップS304)。そして、運転者端末装置3は、タイヤライフテーブル320を参照して得た情報に従って、タイヤライフメーターを作成する(ステップS305)。運転者端末装置3は、ステップS305において作成したタイヤライフメーターを表示部33に表示する(ステップS306)。
【0045】
なお、ステップS301の判定の結果、タイヤライフメーターの表示命令が入力されていない場合(ステップS301でNo)、運転者端末装置3は、ステップS301に戻る。
【0046】
[整備者端末装置]
整備者端末装置2は、例えば、タブレット装置やノート型PCなどの可搬型の装置として構成される。整備者端末装置2は、デスクトップ型の装置であってもよい。
【0047】
図8は、整備者端末装置2の機能を示すブロック図である。
図8において、整備者端末装置2は、制御部21と、記憶装置22と、液晶モニタなどの表示部23と、タッチパネルやキーボードなどの入力装置(図示省略)とを備える。表示部23はタッチパネルと一体に構成されていてもよい。制御部21は、例えば、CPU、ROM、RAMなどを備える。また、制御部21は、取得部211と、受信部212と、送信部213と、入出力部(I/O)214とを有する。具体的には、制御部21のCPUが、各種のプログラムを読み込んで実行することにより、これらの機能が実現される。プログラムは、例えば、整備者端末装置2専用のアプリケーションプログラムを含む。
【0048】
記憶装置22は、制御部21での処理に用いられる各種のプログラムやデータを格納する装置である。記憶装置22は、例えば、不揮発性メモリあるいは磁気記憶装置により構成される。
【0049】
取得部211は、例えば、各タイヤ5の識別情報、各タイヤ5の溝深さを示す溝深さ情報、各タイヤ5の走行情報、整備記録情報を取得する。取得部211は、例えば、情報を読取るための情報読取り命令が入力された場合に、上記の各情報を取得する。情報読取り命令は、例えば、整備者端末装置2を操作する整備者が、図示しない入力装置のボタンを押下する操作によって入力される。取得部211は、例えば、RFIDタグ6から識別情報を取得したり、図示しない入力装置のボタンが押下されることによって溝深さ情報、走行情報、整備記録情報を取得したりする。
【0050】
整備者端末装置2は、RFIDタグ6の情報を読取るタグリーダの機能を有していてRFIDタグ6から識別情報を取得してもよいし、RFIDタグ6から識別情報を取得したタグリーダから識別情報を取得してもよい。
【0051】
受信部212は、タイヤ整備記録管理装置1から情報を受信する。送信部213は、取得部211によって取得した情報を送信する。送信部213は、タイヤ整備記録管理装置1へ情報を送信する。なお、運転者端末装置3と同様に、タイヤライフメーター作成部を整備者端末装置2に設けておき、受信部212がタイヤカルテ情報を受信し、そのタイヤカルテ情報に基づいてタイヤライフメーターを作成して表示部23に表示するようにしてもよい。このようにすれば、整備者端末装置2を操作する者が、表示部23によって提示されたタイヤライフメーターを確認することにより、そのタイヤの状態を容易に理解することができる。
【0052】
次に、整備者端末装置2による処理について説明する。
図9は、整備者端末装置2による処理の例を示すフローチャートである。
図9に示すように、ステップS401では、整備者端末装置2は、情報読取り命令が入力されたか否かを判定する。ステップS401の判定の結果、情報読取り命令が入力された場合(ステップS401でYes)、整備者端末装置2は、ステップS402において、取得部211により、各タイヤ5の識別情報、各タイヤ5の溝深さを示す溝深さ情報、各タイヤ5の走行情報、整備記録情報などの各種の情報を取得する。
【0053】
ステップS403では、整備者端末装置2は、取得部211により取得した各タイヤ5の識別情報、各タイヤ5の溝深さを示す溝深さ情報、各タイヤ5の走行情報、整備記録情報などを、送信部213により、タイヤ整備記録管理装置1へ送信する。
【0054】
また、ステップS404では、整備者端末装置2は、受信部212がタイヤ整備記録管理装置1から情報を受信したか否かを判定する。ステップS404の判定の結果、タイヤ整備記録管理装置1から情報を受信した場合(ステップS404でYes)、ステップS405において情報を表示部23に表示する。
【0055】
なお、ステップS401の判定の結果、情報読取り命令が入力されていない場合(ステップS401でNo)、またはステップS404の判定の結果、タイヤ整備記録管理装置1から情報を受信していない場合(ステップS404でNo)、整備者端末装置2は、ステップS401に戻る。
【0056】
[サービスマン端末装置]
サービスマン端末装置4は、例えば、タブレット装置やノート型PCなどの可搬型の装置として構成される。サービスマン端末装置4は、デスクトップ型の装置であってもよい。サービスマン端末装置4の構成および処理の内容は、
図5から
図7までを参照して説明した運転者端末装置3と同様であり、その説明を省略する。
【0057】
[タイヤカルテ情報の例]
図10は、タイヤカルテ情報の例を示す図である。
図10に示すタイヤカルテ情報は、例えば、運転者端末装置3の表示部33に表示される。
図10に示すように、本例のタイヤカルテ情報は、タイヤ識別情報である「タイヤ識別ID」、タイヤの製造会社を示す「メーカー」、タイヤの形式を示す「形式」、タイヤのサイズを示す「サイズ」、タイヤの状態を示す「状態」、タイヤが現在装着されている車両を特定するための「装着車両」、タイヤが現在装着されている車両の車種を示す「装着車種」、タイヤが現在装着されている車両の装着位置を示す「ポジション」、タイヤについての点検履歴を示す「点検履歴」を含む。
【0058】
「タイヤ識別ID」は、RFIDタグ6などから取得した情報であり、本例では「1223456789」である。「メーカー」は、本例では「YOKOHAMA」である。「形式」は、本例では「ZZ」である。「サイズ」は、本例では「295/80R22.5」である。
【0059】
「状態」は、更生の回数および正常か否かを示し、本例では「更生1回目 正常」である。「装着車両」は、車両を特定する情報であり、本例では「横浜100さ1234(201号車)」である。「装着車種」は、本例では「XXX(2010年製)」である。「ポジション」は、そのタイヤの車両への装着位置を示す。
【0060】
「点検履歴」は、本例では「作業名」、「日付」、「累積距離(km)」、「コスト(¥)/km」、「溝深さ(mm)」、「状態」、「ポジション」、「場所」、「作業者」を含む。「作業名」は、例えば、そのタイヤを購入したことを意味する「新規購入」、車両への装着を意味する「装着」、タイヤが点検中であることを意味する「点検」、車両の装着位置を変更したことを意味する「ローテーション」、車両から取り外したことを示す「回収」、更生処理を発注したことを示す「委託依頼」、更生中であることを示す「更生中」、更生処理済のタイヤを購入したことを示す「購入」のいずれかの情報である。
【0061】
「日付」は、「作業名」の作業が行われた日付を示す。「新規購入」の日付をそのタイヤの使用開始時としてもよいし、「装着」の日付をそのタイヤの使用開始時としてもよい。「累積距離」は、そのタイヤの走行距離を示す。「コスト」は、そのタイヤにかかった費用を1kmごとに算出した値である。「溝深さ」は、タイヤのトレッド部の最大溝深さを示す値である。
【0062】
「状態」は、例えば、そのタイヤが保管中であることを示す「保管」、そのタイヤが使用中であることを示す「使用」、車両から取り外したことを示す「取外」、更生処理のために出荷したことを示す「出荷」、更生処理中であることを示す「更生中」のいずれかの情報である。
【0063】
「ポジション」は、例えば、前側2輪で後側4輪の車両について、車両の左前の位置を「POS1」、同じく右前の位置を「POS2」、同じく左後外側の位置を「POS3」、同じく左後内側の位置を「POS4」、同じく右後内側の位置を「POS5」、同じく右後外側の位置を「POS6」とする。
【0064】
「場所」は、そのタイヤが装着されている車両やそのタイヤが保管されている倉庫などを示す情報である。「作業者」は、そのタイヤについて作業を行った者を特定するための情報である。
【0065】
図10に示すようにタイヤカルテ情報を一覧とし、それを画面に表示して提示することにより、それを見た者は個別のタイヤの情報を容易に理解することができる。
【0066】
[タイヤライフテーブルの例]
図11は、タイヤライフテーブルの例を示す図である。
図11に示すように、本例のタイヤライフテーブル320は、タイヤの走行情報である走行距離が縦軸、タイヤの使用期間(月)が横軸である。
【0067】
図11に示すように、タイヤライフテーブル320は、タイヤの使用期間および走行距離によって、テーブル内のハッチングが異なる。タイヤライフテーブル320を参照することにより、タイヤの使用期間および走行距離に基づいて、ハッチングを選択できる。左上から右下まで変化するハッチングのなかで、選択できたハッチングの位置を現在のタイヤの状態としてタイヤライフメーターで表示すれば、タイヤの現在の状態を直感的に理解することができる。
【0068】
図11では、ハッチングで示しているが、タイヤライフテーブル320を色で示してもよい。タイヤライフテーブル320を色で示す場合、例えば、左上の1.5万km未満および3月未満の欄を濃い緑色、1.5万km以上4万km未満および3月以上12月未満の欄を緑色、4万km以上7.5万km未満および12月以上24月未満の欄を黄緑色、7.5万km以上12.5万km未満および24月以上36月未満の欄を黄色、12.5万km以上17.5万km未満および36月以上48月未満の欄を橙色、17.5万km以上20万km未満および48月以上60月未満の欄を濃い橙色、右下の20万km以上または60月以上の欄を赤色、としてもよい。
【0069】
以上のように濃い緑色から黄色、橙色を経て、赤色まで徐々に色が変化するタイヤライフテーブル320を用いるのが好ましい。安全を観念させる緑色から、注意を観念させる黄色を経て、危険を観念させる赤色まで徐々に変化する色のなかで、選択できた色の位置を現在のタイヤの状態としてタイヤライフメーターで表示すれば、タイヤの現在の状態を直感的に理解することができる。
【0070】
また、本例のタイヤライフテーブル320は、タイヤの状態を説明するメッセージ情報を更に含む。本例のメッセージ情報は、タイヤの使用期間および走行距離ごとに異なり、そのタイヤの状態に相応しい内容である。例えば、タイヤライフテーブル320の左上の1.5万km未満および3月未満の欄はタイヤの使用開始時期に対応するので、その時期に相応しい内容のメッセージ情報とする。タイヤライフテーブル320の左上から右下に向かうにしたがって、タイヤの寿命末期に近づく。タイヤライフテーブル320の右下の20万km超または60月超の欄はタイヤの寿命末期に対応するので、その時期に相応しい内容のメッセージ情報とする。本例のタイヤライフテーブル320を参照することにより、タイヤの使用期間および走行距離に基づいて、メッセージ情報を選択できる。
【0071】
以上のように、タイヤライフテーブル320は、タイヤの使用期間情報および走行情報と、タイヤの状態を示す情報とを対応付けるテーブルである。そして、タイヤカルテ情報に含まれる使用期間情報と走行情報とに基づいてタイヤライフテーブル320を参照することによって、タイヤライフメーターを作成することができる。タイヤライフテーブル320を参照してタイヤライフメーターを作成することにより、タイヤの走行距離および使用期間を指標に、ユーザへのリコメンドを適切に行うことができる。また、タイヤライフメーターとともにメッセージ情報を確認することにより、ユーザはタイヤの状態を詳細に理解することができ、適切な対処を行うことが期待できる。
【0072】
なお、タイヤライフテーブル320は、車両ごと、タイヤサイズごと、パターンごと、新品タイヤおよび更生タイヤごと、走行オペレーションごとに、複数準備しておき、走行情報に基づき、合致するものを選択して用いることが好ましい。その場合、タイヤライフテーブル320は、車両ごと、タイヤサイズごと、パターンごと、新品タイヤおよび更生タイヤごと、走行オペレーションごとに、タイヤの使用期間および走行距離の数値が異なるテーブルとなる。このようにすれば、車両ごと、タイヤサイズごと、パターンごと、新品タイヤおよび更生タイヤごと、走行オペレーションごとに適切なタイヤライフメーターを作成することができる。
【0073】
また、タイヤライフテーブル320は、トラック・バス用、乗用車用などの車両ごと、積載物、走行オペレーション情報などのカテゴリーごとに内容の異なるものを複数用意しておくことが好ましい。その場合、車両ごとやカテゴリーごとに、タイヤの使用期間および走行距離の数値が異なる複数種類のテーブルとなる。このようにすれば、複数種類のタイヤライフテーブルから、車両ごとやカテゴリーごとに、適切なタイヤライフテーブルを選択でき、より適切なタイヤライフメーターを作成することができる。運転者が入力する運行日報に含まれる情報を走行情報として取得する場合、走行情報に含まれる車両、積載物、走行オペレーション情報などからも適切なタイヤライフテーブルを選択するようにしてもよい。
【0074】
[タイヤライフメーターの例]
運転者端末装置3は、タイヤライフテーブル320を参照することによって、タイヤライフメーターを作成する。運転者端末装置3は、作成したタイヤライフメーターを、表示部33に表示する。
【0075】
図12は、タイヤライフメーターの表示例を示す図である。
図12は、横長の画面にタイヤライフメーターを表示する例を示す。
図12に示す例では、図中の各種情報が、表示部33に表示される。
【0076】
図12において、タイヤライフメーター220は、
図11に示すタイヤライフテーブル320のハッチングと同じハッチングの背景模様を有する。タイヤライフテーブル320を色で示す場合、その色と同じ背景色を有するものとする。例えば、タイヤライフメーター220は、左端の色を濃い緑色、右端の色を赤色とし、左端の濃い緑色から黄色、橙色を経て、右端の赤色まで徐々に色が変化する表示としてもよい。
【0077】
図12に示すように、タイヤライフメーター220は、タイヤの図柄221を含む。タイヤの図柄221は、背景模様または背景色が左端から右端まで変化する途中に位置する。タイヤライフメーター220のタイヤの図柄221の位置は、
図11に示すタイヤライフテーブル320における、タイヤの走行距離および使用期間の位置の背景模様または背景色と同じ背景模様または背景色の位置である。このため、タイヤの図柄221の位置は、タイヤの走行距離および使用期間が大きくなるにしたがい、タイヤライフメーター220の左端から右端に向かって移動する。
【0078】
タイヤライフメーター220の近傍に、
図11に示すタイヤライフテーブル320を参照して得られるメッセージ情報を表示することが望ましい。メッセージ情報については、メッセージ情報全体を1つの画面に表示してもよいし、右側から左側へメッセージ情報が流れるようにスクロールさせつつ表示してもよい。
【0079】
タイヤライフメーター220を作成した日付「20YY.MM.DD.」(年月日)と、走行距離を示すODOメータの値「XXkm」とを表示することが望ましい。また、そのタイヤのタイヤ識別IDを表示することが望ましい。例えば、「ID:1223456789」などと表示することが望ましい。
【0080】
タイヤライフメーター220とともに、タイヤ情報として、タイヤ内部の空気圧およびタイヤ内部の温度を表示してもよい。例えば、タイヤ内部の空気圧を「900kPa」、タイヤ内部の温度を「30℃」と表示してもよい。
【0081】
また、
図12に示すように、「メーカー」を「YOKOHAMA」、「形式」を「ZZ」、「サイズ」を「295/80R22.5」、「状態」を「更生1回目 正常」、「装着車両」を「横浜100さ1234(201号車)」、「装着車種」を「XXX(2010年製)」と表示してもよい。なお、そのタイヤの「ポジション」を表示してもよい。
【0082】
図13は、タイヤライフメーターの他の表示例を示す図である。
図13は、縦長の画面にタイヤライフメーターを表示する例を示す。例えば、表示部33がスマートフォンやタブレット装置の表示部である場合、
図13に示すように、タイヤライフメーターを表示してもよい。
図13に示す表示部33は、表示画面が大きくないため、
図12のように多くの内容を一度に表示することができない。このため、予め設定しておいた項目を表示したり、ユーザが設定した項目を表示したりしてもよい。また、ユーザの操作によってスクロール表示することで、
図12のように多くの項目を表示するようにしてもよい。
【0083】
図12または
図13に示すように、ハッチングや色を含む図形によるタイヤライフメーターを表示することにより、表示を見るユーザが個別のタイヤの状態を直感的に理解することができる。
【0084】
[変形例]
上記は、各タイヤ5を管理するための識別情報についてRFIDタグ6を用いる場合について説明したが、これに限らず非接触で読取ることができる他の方法を用いてもよい。例えば、識別情報に対応する2次元または3次元のバーコードを各タイヤ5の表面に付加しておき、バーコードを読取ることによって取得できる識別情報を用いて各タイヤ5を管理してもよい。
【0085】
図10を参照して説明したタイヤカルテ情報に、空気圧異常や温度異常の情報を追加し、追加した情報を反映したメッセージをタイヤライフメーター220の近傍に表示してもよい。例えば、温度異常があった場合に、「異常温度履歴がありました。お近くのYOKOHAMAタイヤサービスセンターにて詳細をご確認下さい。」などを表示してもよい。更生不可である旨をタイヤライフメーター220の近傍に表示してもよい。このようにすれば、より適切なメッセージを表示することができる。
【0086】
図10を参照して説明したタイヤカルテ情報に含まれている「溝深さ」に基づき、残溝深さを考慮したメッセージをタイヤライフメーター220の近傍に表示してもよい。この場合、
図11のタイヤライフテーブル320は、使用期間および走行距離に溝深さを加えた内容になる。このようにすれば、より適切なメッセージを表示することができる。