(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明を実施するための形態(実施形態)について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、本実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組合せることが可能である。
【0019】
図1は、本実施形態に係る短絡接地器具の構成例を示す図である。発変電所での停電作業、又は送電線で停電作業を行う場合などには、作業者の安全を確保するために、感電防止措置を講じる必要がある。誤通電、他の電路又は電線(以下電線路という。)との混触、又は他の電線路からの誘導による感電の危険性を抑制するために、例えばアースフックと呼ばれる短絡接地器具を用いて確実に短絡接地しなければならない。
【0020】
図1に示すように、本実施形態に係る短絡接地器具100は、絶縁棒1と、フック部3と、端子部5と、アース線7と、共通キー9と、を備える。電気設備において停電作業を実施する場合、作業者は、端子部5をアース手段(接地箇所)に固定するとともに、フック部3を電線路の母線などのアース付け箇所(電気流入端)に固定することにより、短絡接地している。電線路とは、発変電所、電力を供給する送電線及びその支持物(鉄塔、碍子など)、付帯設備を含み、誘導電流が誘起する可能性のある導電体である。アース線7は、フック部3と端子部5との間を電気的に接続する導電性の部材である。
【0021】
絶縁棒1は、絶縁棒本体11を備える。絶縁棒本体11は、例えばエポキシ樹脂等の絶縁材料からなる。絶縁棒本体11が回転すると、フック部3の第2ねじ部41は、第2ねじ部41の軸周りに回転する。
【0022】
図2は、本実施形態に係る端子部の構成例を示す斜視図である。
図3は、
図2に示す端子部をX−Z平面で切断した断面図である。端子部5は、
図1に示したアース線7とアース部材とを電気的に接続するための部材である。アース部材として、例えば、地面に打ち込まれた打込接地棒(図示せず)や、打込接地棒に接続された金属板等が挙げられる。
図2及び
図3に示すように、端子部5は、第1筐体50と、第1ねじ部61と、押圧板62と、第1ロックピン63と、弾性部材64と、第2ロックピン65と、弾性部材66と、フック片71とを備える。第1筐体50、第1ねじ部61、押圧板62、第1ロックピン63、弾性部材64、第2ロックピン65、弾性部材66及びフック片71は、例えば、金属等の導電材料からなる。弾性部材64及び弾性部材66は、例えば、圧縮コイルばねである。
【0023】
本実施形態では、端子部5の厚さ方向と、フック部の厚さ方向とをそれぞれZ方向とする。また、Z方向と直交する平面において、第1ロックピン63が移動する方向と、フック部3の後述する第3ロックピン43(例えば、
図20参照)が移動する方向とをそれぞれX方向とする。Z方向及びX方向とそれぞれ直交する方向をY方向とする。
【0024】
図4は、第1筐体の構成例を示す断面図である。
図4に示すように、第1筐体50は、第1部位51と、第1部位51とZ方向で向かい合う第2部位52と、第1部位51と第2部位52とを接続する第3部位53とを有する。第1部位51には、貫通孔511と、ねじ孔513と、第1空間部515とが設けられている。Z方向において、貫通孔511と重なる位置にねじ孔513は設けられている。また、貫通孔511とねじ孔513は第1空間部515を介して接続している。第1空間部515は、X方向及びY方向に広がりを持つ空間である。貫通孔511とねじ孔513とには、
図3に示したように第1ねじ部61が通される。ねじ孔513の内壁には、ねじ溝513aが設けられている。また、第1空間部515には、
図3に示したように第1ロックピン63が配置される。
【0025】
第2部位52には、第1部位51側に開口した開口部521と、開口部521に接続した第2空間部523とが設けられている。Z方向において、ねじ孔513と重なる位置に開口部521が設けられている。また、第2空間部523は、X方向及びY方向に広がりを持つ空間である。開口部521及び第2空間部523には、
図3に示したように第2ロックピン65が配置される。
【0026】
また、Z方向において、第1部位51、第2部位52及び第3部位53が重なる部分には、第1キー孔54が設けられている。X方向において、第1キー孔54は、第1空間部515と第2空間部523とにそれぞれ接続している。また、第1キー孔54の内壁には、キーの脱離を防止するための第1突起部50aが設けられている。なお、本実施形態では、Z方向において、ねじ孔513と開口部521との間に位置する第3空間部55に、アース部材が配置される。
【0027】
図5は、第1ねじ部の構成例を示す正面図である。
図6は、
図5に示す第1ねじ部をX5−X’5線で切断した断面図である。
図5及び
図6に示すように、第1ねじ部61は、円筒状の胴部611と、胴部611の一端に設けられた頭部613と、を有する。胴部611の外周面には、ねじ山611aが設けられている。ねじ山611aは、
図4に示したねじ孔513のねじ溝513aに対応している。これにより、第1ねじ部61は、ねじ孔513に螺合する。また、胴部611の外周面には、Z方向に延びる第1溝部611bが設けられている。例えば、
図6に示すように、胴部611には4本の第1溝部611bが設けられている。4本の第1溝部611bは、胴部611の軸心611cからみて90°の等間隔で配置されている。なお、4本の第1溝部611bはそれぞれ、第1ロックピン63の後述する第2先端部635(例えば、
図7参照)が入るように、第2先端部635よりもサイズが大きく形成されている。
【0028】
図7は、本実施形態に係る第1ロックピンの構成例を示す平面図である。
図7に示すように、第1ロックピン63は、環状のベース部631と、第1先端部633と、第2先端部635及び保持部637、を有する。ベース部631の輪の形状は、例えば矩形である。第1先端部633、第2先端部635及び保持部637はベース部631にそれぞれ固定されている。X方向において、第1先端部633は、ベース部631の一端からベース部631の輪の外側に向けて設けられている。また、X方向において、第2先端部635は、ベース部631の他端からベース部631の輪の内側に向けて設けられている。さらに、X方向において、保持部637は、ベース部631の他端からベース部631の輪の外側に向けられている。ベース部631と、第1先端部633と、第2先端部635及び保持部637は一体に形成されている。また、弾性部材64は例えば圧縮コイルばねであり、圧縮コイルばねの内側に保持部637が配置されている。これにより、保持部637は、弾性部材64をY方向への移動を抑制しつつ保持している。
【0029】
図8及び
図9は、
図2に示す端子部のうち、第1ロックピンを含む第1部位をX−Y平面で切断した断面図である。
図8は第1キー孔54に共通キーが挿し込まれていない場合を示し、
図9は第1キー孔54に共通キー9が挿し込まれている場合を示している。
図8に示すように、第1キー孔54に共通キー9が挿し込まれていない場合、弾性部材64によって、第1先端部633は第1キー孔54まで押し出され、第2先端部635は第1ねじ部61の外周面に押し当てられている。このとき、第2先端部635が第1溝部611bに嵌れば、第1ねじ部61は軸周りに回転することができない状態となる。また、第2先端部635が第1溝部611bと向かい合っていない場合でも、第1ねじ部61が軸周りに回転すれば、第1溝部611bは第2先端部635と向かい合う位置まで移動する。これにより、第2先端部635は第1溝部611bに嵌り、第1ねじ部61はそれ以上回転することができなくなる。このように、第1キー孔54に共通キー9が挿し込まれていない場合、第1ねじ部61の回転は第1ロックピン63によってロックされる。
【0030】
一方、
図9に示すように、第1キー孔54に共通キー9が挿し込まれると、共通キー9によって、第1先端部633は第1キー孔54の外側まで押し戻され、第2先端部635は第1溝部611bの内側から外側へ移動する。
図9の破線矢印で示すように、弾性部材64は縮んでおり、第1ロックピン63は第1ねじ部61から離れているので、第1ねじ部61は軸周りに回転することができる。このように、第1キー孔54に共通キー9が挿し込まれることにより、第1ロックピン63は第1ねじ部61に対するロックを解除する。
【0031】
図10は、
図2に示す端子部のうち、第2ロックピンを含む第2部位をX−Y平面で切断した断面図である。
図10に示すように、第2ロックピン65は、頭部651とピン本体653とを有する。頭部651は、ピン本体653の一端に固定されている。例えば、頭部651とピン本体653は一体に形成されている。頭部651は開口部521に配置され、ピン本体653は第2空間部523に配置されている。また、ピン本体653の他端は第1キー孔54に位置する。頭部651と開口部521の底面との間には、
図3に示した弾性部材66が配置されている。
図3において、頭部651がZ方向の下側、つまり開口部521の底面側に押されると、弾性部材66が縮み、頭部651と共にピン本体653もZ方向の下側に移動する。
【0032】
図11から
図16は、本実施形態に係る共通キーの構成例を示す6面図であり、
図11は平面図、
図12は左側面図、
図13は正面図、
図14は右側面図、
図15は背面図、
図16は底面図である。
図11から
図16に示すように、共通キー9は、軸部91と、軸部91に固定された頭部93と、頭部93に固定されたフック受部97と、を有する。軸部91は、その軸方向において、一端91aと、一端91aの反対側に位置する他端91bとを有する。頭部93は、軸部91の他端91b側に設けられている。頭部93は、作業者が把持するための把持部94と、磁石部95とを有する。例えば、磁石部95は、把持部94よりも他端91bに近い側に設けられている。フック受部97は、把持部94の上面又は側面に固定されている。また、フック受部97には、フック片71を通すための貫通孔97aが設けられている。
【0033】
軸部91の外周面には第1キー溝92a、第2キー溝92b、第3キー溝92c及び第4キー溝92dがそれぞれ設けられている。第1キー溝92aは、一端91aから軸部91の軸方向、つまり、他端91bに向かう方向に延設されている。第2キー溝92bは、一端91aと他端91bとの間の位置で第1キー溝92aに接続し、かつ軸部91の周方向に延設されている。軸部91の周方向は、軸部91の軸方向と交差する方向であり、例えば軸方向と直交する方向である。
図14及び
図15に示すように、例えば、第1キー溝92aは軸部91の右側面に形成されており、第2キー溝92bは軸部91の右側面から背面にかけて形成されている。
【0034】
図12及び
図13に示すように、第3キー溝92c及び第4キー溝92dは軸部91の一端91a側に設けられている。例えば、第3キー溝92cは軸部91の正面に形成されており、第4キー溝92dは軸部91の正面から左側面にかけて形成されている。第4キー溝92dは第3キー溝92cに接続している。第3キー溝92cの周方向の長さW3は、第2キー溝92bの周方向の長さW2よりも短い。つまり、W3<W2である。
【0035】
図17及び
図18は、本実施形態に係るフック片及びフック受部の構成例を示す図である。
図17はフック受部97がフック片71に係止されている場合を示し、
図18はフック受部97がフック片71から外されている場合を示している。
【0036】
図17及び
図18に示すように、フック片71は開閉可能な環状の金具であり、第1筐体50に取り付けられている。フック片71は、作業者が指等で押すことで金具の輪が開く開閉部71aを有する。フック片71をフック受部97に係止する場合、作業者は、開閉部71aを指等で押して輪を開き、開いた輪をフック受部97の貫通孔97aに通し、その後、開閉部71aから指を離して輪を閉じる。これにより、作業者は、フック片71をフック受部97に係止することができる。また、フック片71をフック受部97から取り外す場合、作業者は、開閉部71aを指等で押して輪を開き、開いた輪をフック受部97の貫通孔97aから外し、その後、開閉部71aから指等を離して輪を閉じる。これにより、作業者は、フック片71をフック受部97から取り外すことができる。
【0037】
図19は、本実施形態に係るフック部の構成例を示す斜視図である。
図20は、
図19に示すフック部をX−Z平面で切断した断面図である。
図19及び
図20に示すように、フック部3は、第2筐体31と、開閉フック32と、開閉機構40と、第3ロックピン43と、弾性部材44と、第1受部49aと、第2受部49bと、フック片48とを備える。第2筐体31と、開閉フック32と、開閉機構40と、第3ロックピン43と、第1受部49aと、第2受部49b及びフック片48は、例えば金属などの導電材料からなる。フック片48の構成は、例えば
図17及び
図18に示したフック片71と同じである。開閉フック32と、第1受部49aと、第2受部49b及びフック片48は第2筐体31の外側に配置されている。開閉機構40と、第3ロックピン43は、第2筐体31の内側に配置されている。
【0038】
開閉機構40は、第1回転軸33と、第1アーム34と、第2回転軸35と、第2アーム36と、第3回転軸37と、第3アーム38と、第2ねじ部41及び昇降部42を有する。開閉機構40は、第2筐体31に対して開閉フック32を開閉動作させる部位である。
【0039】
第1回転軸33は、第2筐体31に回転可能に取り付けられている。また、第1回転軸33に、開閉フック32の一端と、第1アーム34の一端とがそれぞれ固定されている。これにより、開閉フック32及び第1アーム34は、第1回転軸33を中心に、第2筐体31に対して回動可能となっている。例えば、開閉フック32は、第1アーム34が第1回転軸33を中心に回動することで、第2筐体31に近づく近接方向FWと、第2筐体31から遠ざかる離隔方向BWとにそれぞれ開閉することができる。
【0040】
第1アーム34の他端と、第2アーム36の一端は第2回転軸35に取り付けられている。第2回転軸35は第2筐体31及び昇降部42に固定されていない。第2回転軸35は、昇降部42によって支えられている。
図21から
図23は、第2回転軸に対する第1アーム及び第2アームの取り付け状態を示す図である。
図21及び
図23はY方向から見た図であり、
図22はZ方向から見た図である。
【0041】
図21から
図23に示すように、第1アーム34の他端には、第1アーム34の長手方向に平行なスリット341が設けられている。同様に、第2アーム36の一端には、第2アーム36の長手方向に平行なスリット361が設けられている。また、第2回転軸35は、軸部351と、軸部351のY方向の両端に設けられた一対の回転板352とを有する。軸部351の直径はスリット341、361の各幅よりも小さく、軸部351はスリット341、361にそれぞれ通されている。また、回転板352の直径は、第1アーム34及び第2アーム36の各幅よりも大きい。そして、軸部351の両端部は、回転板352の中心部にそれぞれ固定されている。これにより、軸部351は、スリット341、361内を移動することが可能となっている。本実施形態では、昇降部42の昇降動作、つまり、Z方向への移動に応じて、第2回転軸35は第1アーム34及び第2アーム36に対して相対的に移動し、昇降部42の上面をX方向に移動することも可能となっている。
【0042】
また、第2アーム36の他端と、第3アーム38の一端は第3回転軸37に取り付けられている。第3回転軸37は第2筐体31に固定されていない。第2アーム36は第3回転軸37を中心に回動可能となっている。
【0043】
第3アーム38は、複数の部材で構成されている。
図24及び
図25は、第3アームの構成例を示す側面図である。
図24はY方向から見た図であり、
図25はX方向から見た図である。
図24及び
図25に示すように、第3アーム38は、第1部位381と、ロック片382と、第2部位383と、弾性部材385及び連結部386を有する。ロック片382は、共通キー9の軸周りの回転をロックするための部位であり、第1部位381の一端に固定されている。例えば、第1部位381とロック片382は一体に形成されている。また、第1部位381の他端は、弾性部材385を介して第2部位383と向かい合っている。弾性部材385は第1部位381と第2部位383との間に配置されている。
【0044】
連結部386の一端は第1部位381に固定され、連結部386の他端は第2部位383に可動な状態で取り付けられている。第2部位383には、第2部位383の長手方向に平行なスリット状のガイド部384が設けられている。連結部386の他端は、ガイド部384に沿って移動することができるように第2部位383に取り付けられている。
【0045】
例えば、連結部386は、第1棒状部材386a及び第2棒状部材386bを有する。第1棒状部材386aと第2棒状部材386bは直交しており、第2棒状部材386bの長手方向の中間部に第1棒状部材386aの一端が固定されている。つまり、第1棒状部材386aと第2棒状部材386bはT字状に固定されている。また、第2棒状部材386bは第2部位383内に配置されており、その両端はスリット状のガイド部384にそれぞれ通されている。これにより、第2棒状部材386bは、ガイド部384に沿って移動することが可能となっている。また、第1棒状部材386aの他端は第1部位381に固定されている。このような構造により、第1部位381と第2部位383は連結され、第1部位381と第2部位383との離隔距離は変動することが可能となっている。また、弾性部材385は例えば圧縮コイルばねであり、圧縮コイルばねの内側に第1棒状部材386aが配置されている。このような構造により、弾性部材385は、第1部位381と第2部位383との間に保持されている。
【0046】
図26は、第2筐体の構成例を示す断面図である。第2筐体31は、金属等の導電性部材からなる。
図26に示すように、第2筐体31には、貫通孔311と、ねじ孔312と、第2キー孔313と、第1空間部314と、第2空間部315と、開口部317及び位置規制部318が設けられている。貫通孔311及びねじ孔312には、
図20に示したように第2ねじ部41が配置される。ねじ孔312の内壁には、ねじ溝312aが設けられている。また、第1空間部314には、
図20に示したように第3ロックピン43が配置される。
図26に示すように、Z方向において貫通孔311の延長線上にねじ孔312が位置し、貫通孔311とねじ孔312は第1空間部314を介して接続している。また、第2空間部315には、
図20に示したように第1アーム34、第2アーム36、第3アーム及び38及び昇降部42が配置される。第2キー孔313には、
図20に示したように共通キー9が配置される。X方向において、第2キー孔313は、第1空間部314と第2空間部315とにそれぞれ接続している。また、第2キー孔313の内壁には、共通キー9の脱離を防止するための第2突起部31aが設けられている。
【0047】
位置規制部318は、
図24及び
図25に示した第1部位381の水平方向、つまり、X方向及びY方向への移動を規制する部位である。位置規制部318は第1部位381との間に隙間を確保しつつ、その周囲を囲むように形成されている。
【0048】
図27は、第2ねじ部の構成例を示す正面図である。
図28は、
図27に示す第2ねじ部をX27−X’27線で切断した断面図である。
図27及び
図28に示すように、第2ねじ部41は、円筒状の胴部411を有する。胴部411の外周面には、ねじ山411aが設けられている。ねじ山411aは、
図26に示したねじ孔312のねじ溝312aに対応している。これにより、第2ねじ部41は、ねじ孔312に螺合する。また、胴部411の外周面には、Z方向に延びる第2溝部411bが設けられている。例えば、
図28に示すように、胴部411には4本の第2溝部411bが設けられている。4本の第2溝部411bは、胴部411の軸心411cからみて90°の等間隔で配置されている。なお、4本の第2溝部411bはそれぞれ、第3ロックピン43の後述する第2先端部435(例えば、
図29参照)が入るように、第2先端部435よりもサイズが大きく形成されている。
【0049】
図29及び
図30は、
図20に示すフック部の第3ロックピンを含む部位をX−Y平面で切断した断面図である。
図29は第2キー孔313に共通キー9が挿し込まれていない場合を示し、
図30は第2キー孔313に共通キー9が挿し込まれている場合を示している。
図29及び
図30に示すように、第3ロックピン43は、環状のベース部431と、第1先端部433と、第2先端部435及び保持部437、を有する。ベース部431の輪の形状は、例えば矩形である。第1先端部433、第2先端部435及び保持部437はベース部431にそれぞれ固定されている。
【0050】
X方向において、第1先端部433は、ベース部431の一端からベース部431の輪の外側に向けて設けられている。また、X方向において、第2先端部435は、ベース部431の他端からベース部431の輪の内側に向けて設けられている。さらに、X方向において、保持部437は、ベース部431の他端からベース部431の輪の外側に向けられている。ベース部431と、第1先端部433と、第2先端部435及び保持部437は一体に形成されている。また、弾性部材44は例えば圧縮コイルばねであり、圧縮コイルばねの内側に保持部437が配置されている。これにより、保持部437は、弾性部材44をY方向への移動を抑制しつつ保持している。
【0051】
図29に示すように、第2キー孔313に共通キー9が挿し込まれていない場合、弾性部材44によって、第1先端部433は第2キー孔313まで押し出され、第2先端部435は第2ねじ部41の外周面に押し当てられている。このとき、第2先端部435が第2溝部411bに嵌れば、第2ねじ部41は軸周りに回転することができない状態となる。また、第2先端部435が第2溝部411bと向かい合っていない場合でも、第2ねじ部41が軸周りに回転すれば、第2溝部411bは第2先端部435と向かい合う位置まで移動する。これにより、第2先端部435は第2溝部411bに嵌り、第2ねじ部41はそれ以上回転することができなくなる。このように、第2キー孔313に共通キーが挿し込まれていない場合、第2ねじ部41の回転は第1ロックピン43によってロックされる。
【0052】
一方、
図30に示すように、第2キー孔313に共通キー9が挿し込まれると、共通キー9によって、第1先端部433は第2キー孔313の外側まで押し戻され、第2先端部435は第2溝部411bの内側から外側へ移動する。
図9の破線矢印で示すように、弾性部材44は押されて縮み、第3ロックピン43は第2ねじ部41から離れているので、第2ねじ部41は軸周りに回転することができる。このように、第2キー孔313に共通キー9が挿し込まれることにより、第3ロックピン43は第2ねじ部41に対するロックを解除する。
【0053】
図31は、短絡接地器具を電線路に取り付ける手順を示すフローチャートである。また、
図32及び
図33は短絡接地器具を電線路に取り付ける手順を示す断面図である。
【0054】
図31から
図33に示すように、作業者は、まず、第1ねじ部を締まる方向へ回転させる(ステップS1)。ステップS1では、共通キー9は第1キー孔54に挿し込まれており、第2ロックピン65のピン本体653は共通キー9の第3キー溝92cに位置する。ピン本体653が第3キー溝92cに位置すると、共通キー9は回転することができない。つまり、第2ロックピン65によって、共通キー9は回転できないようにロックされている。
【0055】
また、ステップS1では、第1キー孔54の内壁に設けられた第1突起部50aは共通キー9の第2キー溝92b内に位置する。第1突起部50aが第2キー溝92bに位置すると、共通キー9はZ方向に移動することができない。つまり、第1突起部50aによって、共通キー9は第1キー孔54から引き抜きできないようにロックされている。また、共通キー9のフック受部97にはフック片71が取り付けられている(
図17参照)。さらに、共通キー9の磁石部95は端子部5の第1筐体50と接触しており、共通キー9は第1筐体50に磁力で取り付けられている。これらにより、共通キー9に対する引き抜きロックが解除された場合でも、共通キー9は第1キー孔54から簡単に抜けないようになっている。
【0056】
ステップS1では、第1ロックピン63は共通キー9によって弾性部材64側に押圧されており、第1ロックピン63は第1ねじ部61と接触していない。このため、第1ねじ部61は軸周りに回転可能となっている。そこで、作業者は、押圧板62と、端子部5の第2部位52との間にアース部材99を配置した状態で、第1ねじ部61を締まる方向に回転させる。この回転作業は、作業者が手で行ってもよいし工具を用いて行ってもよい。これにより、アース部材99は、押圧板62と第2部位52とに挟まれて固定される。アース部材99は第2ロックピン65の頭部651を下側に押圧した状態で固定される。このため、第2ロックピン65は下側へ移動し、ピン本体653は第3キー溝92cから第4キー溝92dへ相対的に移動する。これにより、共通キー9は回転が可能となる。つまり、共通キー9に対する回転ロックは解除される(ステップS2)。
【0057】
次に、作業者は、共通キー9のフック受部97からフック片71を取り外す(
図18参照)。そして、作業者は、共通キー9を軸周りに回転させる。共通キー9の回転方向は、第1突起部50aが第2キー溝92bから第1キー溝92aへ相対的に移動する方向である。これにより、第1キー孔54からの共通キー9の引き抜きが可能となる。つまり、共通キー9に対する引き抜きロックが解除される(ステップS3)。
【0058】
次に、作業者は、第1キー孔54から共通キー9を引き抜く(ステップS4)。共通キー9が引き抜かれる過程で、第1突起部50aは第1キー溝92a内を相対的に移動する。
図8に示したように、共通キー9が第1キー孔54から引き抜かれると、第1ロックピン63は弾性部材64に押されて第1キー孔54側へ移動し、第1ロックピン63の第2先端部635は第1ねじ部61に接触する。これにより、第1ねじ部61は回転ができなくなる。つまり、第1ねじ部61は回転しないようにロックされる。
【0059】
次に、作業者は、フック部3の第2キー孔313に共通キー9を挿し込む(ステップS5)。第2キー孔313への共通キー9の挿し込みは、一端91aを先頭にして行われる。共通キー9が第2キー孔313に挿し込まれる過程で、第2突起部31aは第1キー溝92a内を相対的に移動する。
図29に示したように、第2キー孔313に共通キー9が挿し込まれていないときは、第3ロックピン43は第2ねじ部41に接触しており、第2ねじ部41の回転はロックされている。これに対し、
図30に示したように、第2キー孔313に共通キー9が挿し込まれると、共通キー9によって第3ロックピン43は弾性部材44側に押圧され、第3ロックピン43は第2ねじ部41から離れる。その結果、第2ねじ部41は回転が可能となる。つまり、第2ねじ部41に対する回転ロックは解除される。
【0060】
共通キー9が第2キー孔313の奥まで挿し込まれると、共通キー9の磁石部95がフック部3の第2筐体31と接触する。磁石部95が第2筐体31と接触すると、磁力によって、共通キー9は第2筐体31に取り付けられる。これにより、共通キー9は第2キー孔313から簡単には抜けないようになる。また、第3アーム38のロック片382が第4キー溝92d内に配置される。この状態で、共通キー9を軸周りに回転させる。共通キー9の回転方向は、第2突起部31aが第1キー溝92aから第2キー溝92bへ相対的に移動する方向である。第2突起部31aが第2キー溝92b内に移動すると、共通キー9はZ方向に移動することができない。つまり、共通キー9は第2キー孔313から引き抜きできないようにロックされる(ステップS6)。その後、作業者は、共通キー9のフック受部97にはフック片48を取り付ける。
【0061】
次に、作業者は絶縁棒1を手にして、フック部3の開閉フック32にアークホーン等の電線路199を引っ掛ける。そして、作業者は、絶縁棒1を介して第2ねじ部41を回転させる。第2ねじ部41の回転方向は、第2ねじ部41が締まる方向である(ステップS7)。第2ねじ部41の締まる方向への回転により、昇降部42はZ方向の上側に移動し、昇降部42と共に第2回転軸35もZ方向の上側へ移動する。
【0062】
第2回転軸35がZ方向の上側へ移動すると、第1アーム34は第1回転軸33を中心に回動し、開閉フック32は近接方向FWに移動する。これにより、第1受部49aと第2受部49bとに電線路199が挟まれて、開閉アーム32は閉じた状態となる。また、第2回転軸35がZ方向の上側へ移動すると、第2アーム36及び第3回転軸37を介して第3アーム38が下側に押され、第3アーム38のロック片382は第4キー溝92dから第3キー溝92c内へ移動する。ロック片382が第3キー溝92cに位置すると、共通キー9は回転することができない。つまり、共通キー9は回転しないようにロックされる(ステップS8)。
【0063】
なお、
図24及び
図25に示したように、第3アーム38の第1部位381は、位置規制部318によって、X方向及びY方向の位置ずれが規制されている。このため、第1部位381は位置規制部318にガイドされてZ方向に沿って移動することができ、ロック片382は第3キー溝92cに高精度に配置される。また、第3アーム38の第1部位381と第2部位383との間には弾性部材385が配置されている。ロック片382が第3キー溝92cに移動して共通キー9の回転がロックされた後に、第3アーム38がさらに下側に押された場合でも、その押す力は弾性部材385が変形することで蓄積される。したがって、作業者は、共通キー9の回転がロックされた後も、第2ねじ部41を締める方向に回転させて開閉フックをさらに閉じることができる。
【0064】
図34は、短絡接地器具を電線路から取り外す手順を示すフローチャートである。また、
図35及び
図36は短絡接地器具を電線路から取り外す手順を示す断面図である。
図34から
図36に示すように、作業者は、まず絶縁棒1を操作して、第2ねじ部41を回転させる。第2ねじ部41の回転方向は、第2ねじ部41が緩む方向である(ステップS11)。第2ねじ部41の緩む方向への回転により、昇降部42はZ方向の下側に移動し、第2回転軸35も重力に従ってZ方向の下側へ移動する。
【0065】
これにより、第1アーム34は第1回転軸33を中心に回転し、開閉フック32は第2筐体31から遠ざかる離隔方向BWに移動する。第1受部49aと第2受部49bとから電線路199は離れ、開閉アーム32は開いた状態となる。作業者は、絶縁棒1を動かして、フック部3を電線路199から取り外す。また、第2回転軸35がZ方向の下側へ移動すると、第2アーム36及び第3回転軸37を介して第3アーム38は上側に持ち上げられ、第3アーム38のロック片382は第3キー溝92cから第4キー溝92d内へ移動する。これにより、共通キー9は回転可能となる。つまり、共通キー9に対する回転ロックは解除される(ステップS12)。
【0066】
次に、作業者は、共通キー9のフック受部97からフック片48を取り外す。そして、作業者は、共通キー9を軸周りに回転させる。共通キー9の回転方向は、第2突起部31aが第2キー溝92bから第1キー溝92aへ相対的に移動する方向である。これにより、共通キー9の引き抜きがロックされた状態を解除する(ステップS13)。
【0067】
次に、作業者は、フック部3の第2キー孔313から共通キー9を引き抜く(ステップS14)。共通キー9が引き抜かれる過程で、第2突起部31aは第1キー溝92a内を相対的に移動する。第2キー孔313から共通キー9が引き抜かれると、弾性部材44によって第3ロックピン43は第2キー孔313側に押し出され、共通キー9の第2先端部435は第2ねじ部41に接触する。これにより、第2ねじ部41は回転しないようにロックされる。
【0068】
次に、作業者は、端子部5の第1キー孔54に共通キー9を挿し込む(ステップS15)。第1キー孔54への共通キー9の挿し込みは、一端91aを先頭にして行われる。第1キー孔54に共通キー9が挿し込まれると、共通キー9によって第1ロックピン63は弾性部材64側に押圧され、第1ロックピン63は第1ねじ部61から離れる。その結果、
図9に示したように、第1ねじ部61に対する回転ロックは解除される。
【0069】
共通キー9が第1キー孔54の奥まで挿し込まれると、共通キー9の磁石部95が端子部5の第1筐体50と接触する。磁石部95が第1筐体50と接触すると、磁力によって、共通キー9は第1筐体50に取り付けられる。この状態で、共通キー9を軸心周りに回転させる。共通キー9の回転方向は、第1突起部50aが第1キー溝92aから第2キー溝92bへ相対的に移動する方向である。これにより、共通キー9は第1キー孔54から引き抜きできないようにロックされる(ステップS16)。
【0070】
次に、作業者は、第1ねじ部61を緩む方向に回転させる(ステップ17)。この回転作業は、作業者が手で行ってもよいし工具を用いて行ってもよい。これにより、アース部材99の固定状態が解かれ、アース部材99から端子部5を取り外すことが可能となる。アース部材99の固定状態が解かれると、第2ロックピン65は弾性部材66に押されてZ方向の上側に移動する。これにより、ピン本体653は第4キー溝92dから第3キー溝92cに移動して、共通キー9は回転しないようにロックされる(ステップS18)。
【0071】
以上説明したように、本実施形態に係る短絡接地器具100は、絶縁棒1と、絶縁棒1の一端に取り付けられたフック部3と、アース部材に取り付けられる端子部5と、フック部3と端子部5とを電気的に接続するアース線7と、フック部3と端子部5とにそれぞれ挿し込まれる共通キー9と、を備える。端子部5は、第1筐体50と、第1筐体50に設けられ、共通キー9が挿し込まれる第1キー孔54と、第1筐体50に取り付けられ、アース部材99を締め付ける第1ねじ部61と、第1ねじ部61を回転しないようにロックする第1ロック部と、共通キー9を第1キー孔54から抜けないようにロックする第2ロック部と、を有する。フック部3は、第2筐体31と、第2筐体31に設けられ、共通キー9が挿し込まれる第2キー孔313と、第2筐体31に取り付けられた第2ねじ部41と、第2筐体31に取り付けられ、第2ねじ部41が回転することによって開閉動作する開閉フック32と、第2ねじ部41を回転しないようにロックする第3ロック部と、共通キー9を第2キー孔313から抜けないようにロックする第4ロック部と、を有する。第1ロック部は第1キー孔54に共通キー9が挿し込まれるとロックを解除する。第2ロック部は第1ねじ部61がアース部材99を締め付けるとロックを解除する。第3ロック部は第2キー孔313に共通キー9が挿し込まれるとロックを解除する。第4ロック部は開閉フック32が開くとロックを解除する。
【0072】
これによれば、端子部5がアース部材99を締め付けていないと、共通キー9は第1キー孔54から抜けることができない。また、共通キー9が第2キー孔313に挿し込まれていないと、開閉フック32は開閉動作することができない。つまり、端子部5がアース部材99を締め付けていないと、開閉フック32は開閉動作することができない。このため、電線路199に対する取り付け手順に誤りが生じることを防ぐことができる。
【0073】
また、開閉フック32が開いていないと、共通キー9は第2キー孔313から抜けることができない。また、共通キー9が第1キー孔54に挿し込まれていないと、端子部5はアース部材99の締め付けを緩めることができない。つまり、開閉フック32が開いていないと、端子部5はアース部材99の締め付けを緩めることができない。このため、電線路199に対する取り外し手順に誤りが生じることを防ぐことができる。
【0074】
また、共通キー9は、外周面に第1キー溝92a及び第2キー溝92bが形成された軸部91を有する。第1キー溝92aは、軸部91の一端91aから他端91bに向けて軸方向に延設されている。第2キー溝92bは、第1キー溝92aに接続して軸部91の周方向に延設されている。これによれば、第1キー溝92aを第1キー孔54又は第2キー孔313の内壁所定位置(例えば、第1突起部50a又は第2突起部31a)に対向させることができる。また、軸部91を軸方向に回転させることによって、第2キー溝92bを上記の内壁所定位置に対向させることができる。
【0075】
また、第2ロック部は、第1キー孔54の内壁から第1キー孔54の直径方向の中心部に向けて突き出た第1突起部50aを有する。軸部91が第1キー孔54に挿し込まれているとき、第1突起部50aは第1キー溝92aの内側又は第2キー溝92bの内側に位置する。軸部91が軸周りに回転することによって、第1突起部50aは第1キー溝92a及び第2キー溝92bの一方から他方へ相対的に移動する。これによれば、第1突起部50aが第1キー溝92aの内側に位置するとき、軸部91は軸方向に移動することができる。また、第1突起部50aが第2キー溝92bの内側に位置するとき、軸部91は軸方向に移動することができない。
【0076】
また、第4ロック部は、第2キー孔313の内壁から第2キー孔313の直径方向の中心部に向けて突き出た第2突起部31aを有する。軸部91が第2キー孔313に挿し込まれているとき、第2突起部31aは第1キー溝92aの内側又は第2キー溝92bの内側に位置する。軸部91が軸周りに回転することによって、第2突起部31aは第1キー溝92a及び第2キー溝92bの一方から他方へ相対的に移動する。これによれば、第2突起部31aが第1キー溝92aの内側に位置するとき、軸部91は軸方向に移動することができる。また、第2突起部31aが第2キー溝92bの内側に位置するとき、軸部91は軸方向に移動することができない。
【0077】
また、第1ねじ部61の外周面には、第1ねじ部61の軸方向に延設された第1溝部611bが形成されている。第1ロック部は、第1溝部611bの内側に配置されることにより第1ねじ部61の軸周りの回転をロックする第1ロックピン63を有する。第1ロックピン63は、共通キー9が第1キー孔54に挿し込まれると、第1溝部611bの内側から外側へ移動する。これによれば、共通キー9が第1キー孔54に挿し込まれることによって、第1ねじ部61に対する回転ロックを解除することができる。また、軸部91の外周面には、第2キー溝92bよりも周方向の長さが短い第3キー溝92cが形成されている。第2ロック部は、第3キー溝92cの内側に配置されることにより軸部91の軸周りの回転をロックする第2ロックピン65を有する。第2ロックピン65は、第1ねじ部61がアース部材99を締め付けると、第3キー溝92cの内側から外側へ移動する。これによれば、第1ねじ部61がアース部材99を締め付けることによって、共通キー9に対する回転ロックを解除することができる。
【0078】
また、第2ねじ部41の外周面には、第2ねじ部41の軸方向に延設された第2溝部411bが形成されている。第3ロック部は、第2溝部411bの内側に配置されることにより第2ねじ部41の軸周りの回転をロックする第3ロックピン43を有する。第3ロックピン43は、共通キー9が第2キー孔313に挿し込まれると、第2溝部411bの内側から外側へ移動する。これによれば、共通キー9が第2キー孔313に挿し込まれることによって、第2ねじ部41に対する回転ロックを解除することができる。
【0079】
また、共通キー9の少なくとも一部は磁石からなる。これによれば、共通キー9を第1筐体50又は第2筐体31に磁力で取り付けることができる。
【0080】
本実施形態では、第1ロックピン63及び弾性部材64が本発明の「第1ロック部」に対応している。第1突起部50aと、第2ロックピン65及び弾性部材66が本発明の「第2ロック部」に対応している。第3ロックピン43及び弾性部材44が本発明の「第3ロック部」に対応している。第2突起部31a及びロック片382が本発明の「第4ロック部」に対応している。
【0081】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、ベース部431、631の輪の形状としてそれぞれ矩形を示したが、矩形に限定されるものではなく、円形等でもよい。また、弾性部材44、64、66、385として圧縮コイルばねをそれぞれ示したが、圧縮コイルばねに限定されるものではなく、ゴムでもよい。さらに、頭部93は、磁石部95だけでなく、作業者が把持するための把持部94も磁石であってよい。つまり、頭部93全体が磁石であってもよい。