(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ステアリングホイールに取り付けられるホーンスイッチなどの電装品の多くはボディアースとなっている。しかし、上記特許文献1のように、アウタコラムとインナコラムの嵌合部に低摩擦材をコーティングすると、アウタコラムとインナコラムの接触面を経由したボディアース経路を利用できなくなる。また、ステアリングシャフトのスプライン結合部に樹脂コーティングが施されると、スプライン結合部を経由したボディアース経路を利用できなくなる。
【0007】
このような問題に鑑み、本発明は、ステアリングホイールから車体への新たな通電経路を確保したステアリング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は、
下方に延びる一対の側板を備え、導電性を有し、車体に取り付けられるチルトブラケットと、
導電性を有し、前記一対の側板の間を通したアウタコラムと、
導電性を有し、前記アウタコラムに軸方向に相対移動可能に内嵌したインナコラムと、
前記一対の側板を介して前記アウタコラムと前記インナコラムを締付ける締付機構と、
導電性を有し、前記アウタコラムと前記インナコラムの内側を通して配置されたステアリングシャフトとを有し、
前記アウタコラムには、軸方向に延びるガイド溝部が形成されており、
前記ガイド溝部内に配置され、前記インナコラムに固定された導電性を有するストッパーと、
導電性を有し、前記ストッパーに取り付けられ、前記ストッパーの接触部と前記ガイド溝部の内側側面に接触した通電部材とを有
し、
前記通電部材は、軸方向に延び、前記ガイド溝部の前記内側側面に接触する摺接部を備え、
前記ストッパーは、前記摺接部の上方に張り出した係止部を備えることを特徴とするステアリング装置を提供
する。これにより、通電部材とガイド溝部との接触面積を大きくして通電の確実性を高めることができる。また、通電部材が使用者の意に反してストッパーから外れるのを防ぐことができる。
【0010】
また、本発明において好ましくは、前記摺接部には、前記ガイド溝部の前記内側側面に対して略垂直な方向に弾性変形可能な撓み部が形成されている。これにより、寸法精度及び各部材の相対移動に関わらず、通電部材とガイド溝部を確実に接触させることができる。
【0012】
また、本発明において好ましくは、前記通電部材は、両端部で前記ストッパーを上方から挟み込み、前記通電部材を前記ストッパーに取外し自在に固定する挟持部を備える。これにより、通電部材の着脱が容易になる。
【0013】
また、
本発明は、下方に延びる一対の側板を備え、導電性を有し、車体に取り付けられるチルトブラケットと、
導電性を有し、前記一対の側板の間を通したアウタコラムと、
導電性を有し、前記アウタコラムに軸方向に相対移動可能に内嵌したインナコラムと、
前記一対の側板を介して前記アウタコラムと前記インナコラムを締付ける締付機構と、
導電性を有し、前記アウタコラムと前記インナコラムの内側を通して配置されたステアリングシャフトとを有し、
前記アウタコラムには、軸方向に延びるガイド溝部が形成されており、
前記ガイド溝部内に配置され、前記インナコラムに固定された導電性を有するストッパーと、
導電性を有し、前記ストッパーに取り付けられ、前記ストッパーの接触部と前記ガイド溝部の内側側面に接触した通電部材とを有し、
前記通電部材は、軸方向に延び、前記ガイド溝部の前記内側側面に接触する摺接部を備え
前記通電部材は、両端部で前記ストッパーを上方から挟み込み、前記通電部材を前記ストッパーに取外し自在に固定する挟持部を備え、
前記挟持部は、下側に凸に屈曲した形状をして前記ストッパーの前記接触部に接触した中間部を有することを特徴とするステアリング装置を提供する。これにより、通電部材とガイド溝部との接触面積を大きくして通電の確実性を高めることができる。また、通電部材の着脱が容易になる。また、通電部材をストッパーに強固に取り付けながら、通電部材とストッパーを確実に接触させることができる。
【0014】
また、
本発明は、下方に延びる一対の側板を備え、導電性を有し、車体に取り付けられるチルトブラケットと、
導電性を有し、前記一対の側板の間を通したアウタコラムと、
導電性を有し、前記アウタコラムに軸方向に相対移動可能に内嵌したインナコラムと、
前記一対の側板を介して前記アウタコラムと前記インナコラムを締付ける締付機構と、
導電性を有し、前記アウタコラムと前記インナコラムの内側を通して配置されたステアリングシャフトとを有し、
前記アウタコラムには、軸方向に延びるガイド溝部が形成されており、
前記ガイド溝部内に配置され、前記インナコラムに固定された導電性を有するストッパーと、
導電性を有し、前記ストッパーに取り付けられ、前記ストッパーの接触部と前記ガイド溝部の内側側面に接触した通電部材とを有し、
前記通電部材は、前記ストッパーの車両左側で車両前方に延び、前記ガイド溝の車両左側の前記内側側面に接触する第1の摺接部と、前記ストッパーの車両左側で車両後方に延び、前記ガイド溝の車両左側の前記内側側面に接触する第2の摺接部と、前記ストッパーの車両右側で車両前方に延び、前記ガイド溝の車両右側の前記内側側面に接触する第3の摺接部と、前記ストッパーの車両右側で車両後方に延び、前記ガイド溝の車両右側の前記内側側面に接触する第4の摺接部とを備え、
前記ストッパーは、前記第1の摺接部の上方に張り出した第1の係止部と、前記第2の摺接部の上方に張り出した第2の係止部と、前記第3の摺接部の上方に張り出した第3の係止部と、前記第4の摺接部の上方に張り出した第4の係止部とを備えることを特徴とするステアリング装置を提供する。これにより、通電部材とガイド溝部との接触箇所を増やし、通電を確実なものとすることができる。また、通電部材が使用者の意に反してストッパーから外れるのを防ぐことができる。
【0015】
また、本発明において好ましくは、前記第1ないし第4の摺接部には、前記ガイド溝の前記内側側面に対して略垂直な方向に弾性変形可能な撓み部がそれぞれ形成されている。これにより、寸法精度及び各部材の相対移動に関わらず、通電部材とガイド溝部を確実に接触させることができる。
【0017】
また、本発明において好ましくは、前記通電部材は、両端部で前記ストッパーを上方から挟み込み、前記通電部材を前記ストッパーに取外し自在に固定する挟持部を備える。これにより、通電部材の着脱が容易になる。
【0018】
また、本発明
は、下方に延びる一対の側板を備え、導電性を有し、車体に取り付けられるチルトブラケットと、
導電性を有し、前記一対の側板の間を通したアウタコラムと、
導電性を有し、前記アウタコラムに軸方向に相対移動可能に内嵌したインナコラムと、
前記一対の側板を介して前記アウタコラムと前記インナコラムを締付ける締付機構と、
導電性を有し、前記アウタコラムと前記インナコラムの内側を通して配置されたステアリングシャフトとを有し、
前記アウタコラムには、軸方向に延びるガイド溝部が形成されており、
前記ガイド溝部内に配置され、前記インナコラムに固定された導電性を有するストッパーと、
導電性を有し、前記ストッパーに取り付けられ、前記ストッパーの接触部と前記ガイド溝部の内側側面に接触した通電部材とを有し、
前記通電部材は、前記ストッパーの車両左側で車両前方に延び、前記ガイド溝の車両左側の前記内側側面に接触する第1の摺接部と、前記ストッパーの車両左側で車両後方に延び、前記ガイド溝の車両左側の前記内側側面に接触する第2の摺接部と、前記ストッパーの車両右側で車両前方に延び、前記ガイド溝の車両右側の前記内側側面に接触する第3の摺接部と、前記ストッパーの車両右側で車両後方に延び、前記ガイド溝の車両右側の前記内側側面に接触する第4の摺接部とを備え、
前記通電部材は、両端部で前記ストッパーを上方から挟み込み、前記通電部材を前記ストッパーに取外し自在に固定する挟持部を備え、
前記挟持部は、下側に凸に屈曲した形状をして前記ストッパーの前記接触部に接触した中間部を有することを特徴とするステアリング装置を提供する。これにより、通電部材とガイド溝部との接触箇所を増やし、通電を確実なものとすることができる。また、通電部材の着脱が容易になる。また、通電部材をストッパーに強固に取り付けながら、通電部材とストッパーを確実に接触させることができる。
【0019】
また、本発明において好ましくは、前記ガイド溝部の前記内側側面に抜き勾配を付けている。これにより、アウタコラムをダイキャストにより製造する際の型抜き性が向上する。
【0020】
また、本発明において好ましくは、前記ガイド溝部の前記内側側面に切削加工が施されている。これにより、ガイド溝部と通電部材との引っ掛かりを防ぐことができる。
【0021】
また、本発明において好ましくは、前記ステアリングシャフトは互いに連結したロアステアリングシャフトとアッパーステアリングシャフトとを有し、
前記ロアステアリングシャフトと前記アッパーステアリングシャフトの連結部に樹脂がコーティングされている。
これにより、ロアステアリングシャフトとアッパーステアリングシャフトの間でガタ音が発生するのを防止することができる。
【0022】
また、本発明において好ましくは、前記インナコラムの外周面または前記アウタコラムの内周面に低摩擦材がコーティングされている。これにより、二次衝突時の衝撃吸収機構が小さい荷重によって作動するようになる。
【発明の効果】
【0023】
本発明のステアリング装置によれば、新たな通電経路を確保したステアリング装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明をチルト・テレスコピック調整式のコラムアシスト型電動パワーステアリング機構(以下、単にステアリング機構と記す)に用いるステアリング装置に適用した実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、説明にあたっては、図面中に前後・左右・上下を矢印で示し、各部材の位置や方向をこれに沿って説明する。これらの方向は、ステアリング装置を車両に搭載した際の車両の方向と概略一致する。
【0026】
図1は本願の実施形態に係るステアリング装置2を備えたステアリング機構1を斜め前方から見た斜視図である。
図1に示すように、本実施形態のステアリング機構1は、ステアリングホイール101からステアリングシャフト3および中間シャフト102を介してステアリングギヤ103に伝達された操舵力によって図示しないラック軸を左右に往復運動させる。これにより、ステアリング機構1は、ラック軸に連結した左右のタイロッド104を介して前輪を転舵する。
【0027】
図2は、本願の実施形態に係るステアリング装置2の縦断面図である。
図2に示すように、ステアリング装置2は、中間部を構成するアルミ合金ダイキャスト成形品で筒状のアウタコラム10と、車体100に取り付けられ、アウタコラム10の車両後方側部分を保持するチルトブラケット12と、アウタコラム10の車両後方側に内嵌したインナコラム11と、アウタコラム10の車両前方側に取り付けられた電動アシスト機構4と、インナコラム11および電動アシスト機構4によって中心軸線を中心とする回転を可能に支持されたステアリングシャフト3とを有する。
【0028】
(ステアリングコラム)
ステアリングコラムは、アウタコラム10とインナコラム11とを有し、軸方向に伸縮可能に構成されている。アウタコラム10にはインナコラム11の外径よりも僅かに大きい内径を有する保持筒孔13が軸方向に沿って形成されており、この保持筒孔13にインナコラム11の車両前方側部分が軸方向に相対移動可能に内嵌している。インナコラム11は鋼管などの導電性を有する材料から形成することができる。
【0029】
インナコラム11のうち保持筒孔13と嵌合する部位の外周面には、低摩擦材がコーティングされている。これにより、後述する二次衝突時にはインナコラム11が比較的小さな締付摩擦力に抗して車両前方側へ移動することとなる。なお、アウタコラム10の内周面に低摩擦材をコーティングしても良い。後述する芯金59を取り付ける面には低摩擦材をコーティングしない。例えば、インナコラム11またはアウタコラム10に低摩擦材をコーティングする際、マスキングにより芯金59を取り付ける面が低摩擦材でコーティングされないようにすることができる。また、インナコラム11またはアウタコラム10に低摩擦材をコーティングした後に、芯金59を取り付ける面から低摩擦材を除去してもよい。
【0030】
図2に示すように、電動アシスト機構4のハウジング5の前側上部には、左右方向に貫通するボス孔22aに鋼管製のカラー21を保持したピボットボス22が形成されている。アウタコラム10は、径方向外方へ広がった前端部10fがボルト56によってハウジング5に固定されている。電動アシスト機構4、アウタコラム10、インナコラム11およびステアリングシャフト3は、ピボットボス22内を通した不図示のピボットボルトによって回動可能に車体100に取り付けられる。
【0031】
図3は本願の実施形態に係るステアリング装置2の
図2に示すIII−III断面を示す断面図である。
図2、
図3に示すように、アウタコラム10の上部には、上方に突出し、車両前後方向に延びる左右一対のガイド壁23、24を備えたガイド溝部25が形成されている。ガイド溝部25は、上側(径方向外側)が覆われた有底溝であり、アウタコラム10の車両後方端まで延び、車両後方に開放している。アウタコラム10をダイキャストにより製造する場合には、ガイド溝部25の内側側面25a、25b(
図10参照)に抜き勾配を付けることが好ましい。なお、内側側面25a、25bは平面に限られず、軸方向に見て下方に広がった種々の形状を採用することができる。例えば、内側側面25a、25bは、それぞれ、軸方向に見て内側に凸の曲面であってもよい。また、内側側面25a、25bは、それぞれ、軸方向に見て階段状としてもよい。階段状とした場合、可動側ストッパー30からのトルクを受ける面と、通電部材58が摺接する面が異なる平面であってもよい。例えば、内側側面25a、25bは、いずれも上側に配置された第1の鉛直面と、下側に配置された第2の鉛直面を有し、第1の鉛直面は第2の鉛直面よりも車幅方向の内側に配置され、第1の鉛直面が可動側ストッパー30からのトルクを受け、第2の鉛直面が通電部材58と摺接するものとしてもよい。ガイド溝部25は、カバー10bによって覆われているが、カバー10bを設けず、径方向に貫通したものとすることもできる。アウタコラム10の下部には、
図2に示すように、径方向に貫通し前後方向(軸方向)に延び、後方側が開放したスリット部26が設けられている。
【0032】
図4は、
図3に示す断面のアウタコラム10とその内側に収容された部材を拡大した拡大断面図である。アウタコラム10の車両後方側の下部には、下方に突出した一対のクランプ部10a、10aが形成されている。一対のクランプ部10a、10aには左右方向(車幅方向)に貫通した貫通孔28が形成されている。
図3に示すように、この貫通孔28には、後述する締付機構80の締付ボルト81が通されている。後述する締付機構80によってインナコラム11を締付けるアウタコラム10の締付部10g(
図4参照)は、クランプ部10aから更に車両後方側へ延びている。車両後方側へ延びた締付部10gの下端には、概略U字型をした変形抑制部10cが一体に形成されている(
図2参照)。変形抑制部10cは、締付部10gの車両後方側部分の剛性を高めることで、締付部10gを後述する締付機構80によって締め付けた際に、締付部10gの車両後方側が車両前方側に比べて大きく変形し過ぎるのを防ぐ。
【0033】
インナコラム11の後端部内側には、
図2に示すように、ステアリングシャフト3の車両後方側部分を構成するアッパーステアリングシャフト62を回転自在に支持する転がり軸受29が嵌装されている。
【0034】
(ストッパー)
図5は本願の実施形態に係るステアリング装置2の
図2に示す縦断面図のうち可動側ストッパー30周辺を拡大して示す拡大断面図である。
図5に示すように、インナコラム11の前方側の上部にはアウタコラム10のガイド溝部25内に収容された可動側ストッパー30が装着されている。アウタコラム10とインナコラム11の中心軸線を中心とする相対回転は、ガイド溝部25の内側側面25a、25bと可動側ストッパー30との係合によって阻止される。
【0035】
ガイド溝部25の車両後方側部分には、断面がL字型をした固定側ストッパー33が取り付けられている。固定側ストッパー33は、ガイド溝部25の上部(アウタコラム10の外周面)に面接触してネジ止めされた板状の基部33aと、基部33aと一体に形成され、基部33aの車両前方側部分からガイド溝部25を径方向に貫通した孔25cを通って下方へ延びる板状の遮断部33bとを有している。遮断部33bは、車両後方側にテレスコピック調整が行われた際に、可動側ストッパー30が当接することで、車両後方側のテレスコピック調整範囲(
図2、
図5において符号「TAr」にて示す。)を画定する。
【0036】
図6(a)は本願の実施形態に係るステアリング装置2のインナコラム11、可動側ストッパー30及び通電部材58の分解斜視図である。
図6(b)はインナコラム11、可動側ストッパー30及び通電部材58を示す斜視図である。可動側ストッパー30は、金属材料から形成された芯金59と、芯金59に取り付けられた樹脂製の芯金押さえ60とを有している。なお、
図6(a)において芯金59と芯金押さえ60は別体の部材として図示しているが、芯金押さえ60が芯金59と一体に成型されたものとしても良い。
【0037】
図7(a)は本願の実施形態に係るステアリング装置2の可動側ストッパー30を車両右後方の下側から見た斜視図である。
図7(b)は可動側ストッパー30を車両左後方の上側から見た斜視図である。
図7(c)は可動側ストッパー30を車両左前方の下側から見た斜視図である。
【0038】
また、
図8(a)は本願の実施形態に係るステアリング装置2の可動側ストッパー30及び通電部材58を車両右後方の下側から見た斜視図である。
図8(b)は可動側ストッパー30及び通電部材58を車両左後方の上側から見た斜視図である。
図8(c)は可動側ストッパー30及び通電部材58を車両左前方の下側から見た斜視図である。
【0039】
芯金59は、概略四角形の板状部59aと、板状部59aの中央から下方に突出した直方体状の凸部59bとを有している。
【0040】
芯金押さえ60は、芯金59の板状部59aの外縁部を囲む囲繞部60aと、囲繞部60aの車両後方側中央部から下方(径方向内側)へ延びる係止爪60bとを有している。係止爪60bは、軸方向に対して垂直に配置された板状をしており、車両後方側面の下端から上下方向の中間部まで厚みを漸次厚くして傾斜面を形成し、その上部に概略水平な面を形成した突起を有している。
【0041】
図8(a)〜(c)に示すように、通電部材58は、挟持部58aと、挟持部58aの両端部から車両前後方向にそれぞれ延びる第1の摺接部58b、第2の摺接部58c、第3の摺接部58d及び第4の摺接部58eを有している。挟持部58aは、その両端部で可動側ストッパー30を上方から挟み込み通電部材58を可動側ストッパー30に取外し自在に固定する。挟持部58aは、芯金59および芯金押さえ60の上側を車幅方向に横切って芯金押さえ60の左右両側で下方へ延び、芯金押さえ60を挟み込み、中間部が下方に凸に屈曲して芯金59の板状部59aに接触している。通電部材58は、金属などの導電性を有する材料から形成することができる。
【0042】
芯金押さえ60の囲繞部60aは、第1の摺接部58bの上方に張り出した第1の係止部60cと、第2の摺接部58cの上方に張り出した第2の係止部60dと、第3の摺接部58dの上方に張り出した第3の係止部60eと、第4の摺接部58eの上方に張り出した第4の係止部60fと備えている。
図7(a)及び
図7(c)に示すように、第1ないし第4の係止部60c〜60fは、その下側に、それぞれガイド溝部25の内側側面25a、25bと芯金押さえ60との間で第1ないし第4の摺接部58b〜58eを収容するスペースを確保する。第1ないし第4の係止部60c〜60fは、第1ないし第4の摺接部58b〜58eの上部と係合して通電部材58が使用者の意に反して芯金59および芯金押さえ60から外れるのを防ぐ。芯金押さえ60の囲繞部60aの上側の外周縁は曲面状に形成されている。
【0043】
通電部材58及び芯金押さえ60を以上のように構成することで、通電部材58を可動側ストッパー30に容易に取り付けることができる。具体的には、通電部材58を上方から可動側ストッパー30に押し当てることで、通電部材58の挟持部58aの両端部が、芯金押さえ60の囲繞部60aの上側の外周縁の曲面によって案内され、弾性変形して広がる。その後、更に通電部材58を押し込むことで、第1ないし第4の摺接部58b〜58eが第1ないし第4の係止部60c〜60fを越えて弾性復帰する。これにより、第1ないし第4の摺接部58b〜58eが第1ないし第4の係止部60c〜60fと係合して通電部材58が可動側ストッパー30に固定される。
【0044】
通電部材58と芯金押さえ60の寸法及び形状は、通電部材58の挟持部58aを上方から可動側ストッパー30側に押し当てることで、弾性変形によって挟持部58aの中間部の屈曲が小さくなったとき、または、中間部が直線状になったときに第1ないし第4の摺接部58b〜58eがそれぞれ対応する第1ないし第4の係止部60c〜60fを越えて、挟持部58aが弾性復帰するように設定することが好ましい。例えば、挟持部58aの中間部の下端から第1ないし第4の摺接部58b〜58eの上端までの上下方向の距離を、芯金59の板状部59aの上面(接触部)から第1ないし第4の係止部60c〜60fの下端までの上下方向の距離よりも短く設定することができる。このように設定する事で、挟持部58aの中間部が弾性復帰して芯金59の板状部59aの上面に押し当てられると共に、第1ないし第4の摺接部58b〜58eが引き上げられ第1ないし第4の係止部60c〜60fの下部に押し当てられる。これにより、通電部材58が可動側ストッパー30に強固に取り付けられる。また、摺接部58b〜58eが内側側面25a、25bに対して突っ張りながら摩擦力を発生させ、挟持部58aの中間部が芯金59の上面に接触していることで、芯金59がインナコラム11から抜けにくいものとしている。また、通電部材58の挟持部58aが確実に芯金59の板状部59aに接して、確実な通電を可能とする。
【0045】
図6(a)に示すように、インナコラム11の車両前方側の上部には、径方向に貫通して形成された第1の孔11bと、第1の孔11bの車両後方側に並んで配置された第2の孔11cとが形成されている。第1の孔11bは、概略四角形状に形成されている。第2の孔11cは、車幅方向に長い長方形状に形成されている。
【0046】
可動側ストッパー30は、芯金59の凸部59bを第1の孔11bに差し込み、芯金押さえ60の係止爪60bを第2の孔11cに差し込むことで、インナコラム11に容易に取り付けることができる。可動側ストッパー30及び通電部材58は、インナコラム11をアウタコラム10に差し込む前に、インナコラム11に取り付ける。
図5に示す固定側ストッパー33は、可動側ストッパー30及び通電部材58が取り付けられたインナコラム11をアウタコラム10に差し込んだ後にアウタコラム10にネジ止めする。なお、固定側ストッパー33の代わりに、アウタコラム10の車両後方側部分と一体に可動側ストッパー30に当接する部分を形成して固定側ストッパーとしてもよい。この場合、アウタコラム10のガイド溝部25を上下方向(径方向)に貫通した開口部を設け、インナコラム11をアウタコラム10に差し込んだ後にこの開口部から可動側ストッパー30を挿入してインナコラム11に取り付けるものとしても良い。なお、芯金59のインナコラム11への取り付けは、芯金59の凸部59bを雄ネジ部とし、インナコラム11に形成したネジ孔に螺入するものとしてもよい。また、芯金59の凸部59bを雄ネジ部として、インナコラム11の内側に配置したナットに螺入するものとしてもよい。さらに、芯金59をリベットとしてインナコラム11に取り付けてもよい。また、芯金59とは別のリベットを用いて芯金59をインナコラム11に取り付けてもよい。
【0047】
図9(a)は、本願の実施形態に係るステアリング装置2のインナコラム11に取り付けた可動側ストッパー30を車両前方の下側から見た斜視図である。
図9(b)は上記可動側ストッパー30を車両左前方の下側から見た斜視図である。
図9(c)は上記可動側ストッパー30を車両左後方の上側から見た斜視図である。
図10は、本願の実施形態に係るステアリング装置2の
図4に示すX−X断面を示す断面図である。
【0048】
図10に示すように、通電部材58の摺接部58b、58c、58d、58eは、芯金押さえ60とガイド壁23、24の間で弾性変形し、それぞれガイド溝部25の内側側面25a、25bに押し当てられている。摺接部58b〜58eは、その基部側にガイド溝部25の内側側面25a、25bの垂直方向に弾性変形可能な部分(撓み部)を有している。導電性を有する通電部材58がインナコラム11に接した芯金59とアウタコラム10のガイド溝部25に接することで、インナコラム11とアウタコラム10を電気的に接続し、ステアリングホイール101から車体100への通電経路を確保するものとしている。また、摺接部58b、58c、58d、58eは弾性変形してガイド溝部25の内側側面25a、25bに押し当てられることで、通電を確実なものとしながらアウタコラム10と可動側ストッパー30の間のガタ詰めを行っている。通電部材58の挟持部58aは、摺接部58bと摺接部58cの中間位置と、摺接部58dと摺接部58eの中間位置とを結ぶように配置することが好ましい。このように配置することで、摺接部58b又は58dと摺接部58c又は58eとに等配され、接触の確実性が高まる。また、通電部材58を左右対称の形状とすることで組立性が高まる。インナコラム11が強く捩じられると、摺接部58b、58c、58d、58eは弾性変形してそれぞれ第1から第4の係止部60c、60d、60e、60fの下に入り込む。これにより、インナコラム11が強く捩じられた場合には、芯金押さえ60がガイド壁23、24に接触して力を伝え、接触部58b、58c、58d、58eが潰れるのを防ぐことができる。なお、ガイド溝部25の内側側面25a、25bは切削加工などにより平滑にすることが好ましい。これにより、通電部材58の摺接部58b、58c、58d、58eが内側側面25a、25b上をスムーズに摺動することができる。アウタコラム10は、
図3に示すカバー10bを設けず、ガイド溝部25が径方向に貫通したものとし、通電部材58がガイド溝部25の上面に摺接するように構成することもできる。しかし、本実施形態のように、摺接部58b〜58eが、鉛直方向に延びるガイド溝部25の内側側面25a、25bに接触することで、接触面に埃が溜まりにくく、埃によって通電部材58とアウタコラム10の間の通電が妨げられるのを防ぐことができる。
【0049】
(チルトブラケット)
図3に示すように、チルトブラケット12は、左右方向に延びる上板71と、この上板71の下面に溶接された左右一対の側板72、73とを有している。上板71は、ボルト等によって車体100に締結される。一対の側板72、73の間隔は、自由状態でアウタコラム10の左右方向の幅よりも若干大きく設定されている。一対の側板72、73には、チルト調整用長孔72a、73aが形成されている。チルト調整用長孔72a、73aは、前述したピボットボス22を中心とする円弧状に形成されている。
【0050】
図3に示すように、チルトブラケット12の下部には、ステアリングコラムのチルト調整およびテレスコピック調整に供される締付機構80が設けられている。締付機構80は、アウタコラム10のクランプ部10a、10aに形成された貫通孔28に左側から挿入された締付ボルト81によって、使用者の操作に応じた締め付けとその解除を行い、これによりチルト・テレスコピック位置の固定とその解除を行う。
【0051】
図3に示すように、締付ボルト81には、その頭部とチルトブラケット12の左側板72との間に、運転者によって回転操作される操作レバー82と、操作レバー82と一体に回転する可動カム83と、チルト調整用長孔72aに回転不能に係合した固定カム84とが外嵌している。固定カム84と可動カム83の対向する面は、相補的な形状をした傾斜カム面となっている。締付機構80は、操作レバー82の回転に応じて、固定カム84と可動カム83が互いに噛み合って近接することで締め付けを解除し、互いに反発して遠ざかることで締付ボルト81に張力を発生させ、締め付けを行う。
【0052】
図3に示すように、チルトブラケット12の一対の側板72、73とアウタコラム10との間で、締付ボルト81には、後述するロアストッパ50から左右に延びる係止腕に先端が固定された摩擦板85が左側と右側でそれぞれ2枚ずつ外嵌している。また、中間摩擦板86の左右端板部86a、86bが左右両側でそれぞれ2枚の摩擦板85の間に挟まれて締付ボルト81に外嵌している。摩擦板85は、上述のようにロアストッパ50に固定されており、摩擦面を増やすことでアウタコラム10によるインナコラム11の保持を補強している。
【0053】
図2に示すように、摩擦板85には、締付機構80による締付が解除された状態で締付ボルト81との相対移動を許し、テレスコピック調整を可能とすべく、前後方向に延びた長孔85aが設けられている。中間摩擦板86は、四角い板状の部材の中央に締付ボルト81が通る丸孔が形成され、摩擦板85に面接触する左右一対の端板部を連結板部によって概略U字型に連結した形状を呈している。
【0054】
図3に示すように、右側板73の外側では、押圧板87とスラスト軸受88が締付ボルト81に外嵌しており、これらが締付ボルト81の雄ねじ81aにねじ込まれるナット89によって他の部材と共に締め付けられている。
【0055】
(ロアストッパ)
図2に示すように、インナコラム11の前方側部分の下面には、スリット部26に遊嵌するアルミ合金ダイキャスト成型品のロアストッパ50が装着されている。ロアストッパ50の前端には軸方向かつ上下方向に切断した断面が略L字形状のバッファ保持部52が下方に向けて突出して形成されており、このバッファ保持部52にゴム製のバッファブロック53が保持されている。
【0056】
バッファブロック53は、スリット部26の前端部に当接することにより、インナコラム11の前方へのテレスコピック調整範囲(
図2中に符号「TAf」で示す)を画定する。
【0057】
ロアストッパ50は、前後一対の樹脂ピン51によってインナコラム11に固定されている。2次衝突の荷重がステアリングホイール101に加えられると、当該荷重は、アッパーステアリングシャフト62を介してインナコラム11に伝わり、インナコラム11を前方に移動させる。一方、摩擦板85に支持されているバッファ保持部52は移動しない。このため、樹脂ピン51にせん断力が加わり、樹脂ピン51は切断される。樹脂ピン51が切断されると、インナコラム11とバッファ保持部52との結合が解除され、インナコラム11はインナコラム11とアウタコラム10との間に生じる摩擦力のみによって軸方向の移動が制限された状態になる。これにより、2次衝突の荷重が比較的小さい場合であってもインナコラム11前方への移動を許し、符号「CP」により示す範囲でインナコラム11が移動することで、2次衝突の衝撃を緩和する。
【0058】
(ステアリングシャフト)
図2に示すように、ステアリングシャフト3は、テレスコピック調整を可能とすべくステアリングコラム内で互いにスプライン結合されたロアステアリングシャフト61およびアッパーステアリングシャフト62と、トーションバー44を介してロアステアリングシャフト61と連結された出力軸39とによって構成されている。ステアリングシャフト3は、インナコラム11の後方側部分に嵌挿された転がり軸受29と、電動アシスト機構4のハウジング5に嵌挿された転がり軸受37、38とによって中心軸線を中心として回転可能に支持されている。
【0059】
ロアステアリングシャフト61は、後半部の外周に雄スプライン61aを有している。ロアステアリングシャフト61は、鋼丸棒を素材として転造やブローチ加工などによって成型可能である。アッパーステアリングシャフト62は、前半部の内周にロアステアリングシャフト61の雄スプライン61aに嵌合する雌スプライン62aを有している。アッパーステアリングシャフト62は、鋼管を素材として絞り加工やブローチ加工などによって成型可能である。
【0060】
ロアステアリングシャフト61とアッパーステアリングシャフト62の連結部には、がた付きを防止すべく、樹脂がコーティングされている。なお、樹脂コーティングに代えて低摩擦材のコーティングとすることもできる。
【0061】
アッパーステアリングシャフト62の後端にはステアリングホイール101のボス101a(
図2にて破線で示す)が外嵌するセレーション62bが形成されている。
【0062】
<実施形態の作用>
上記実施形態によれば、ステアリングホイール101から、アッパーステアリングシャフト62、転がり軸受29、インナコラム11、芯金59、通電部材58、アウタコラム10及びチルトブラケット12を介して車体100に至る通電経路を確保することができる。ステアリングホイール101から芯金59までの通電経路は、
図2において破線矢印により示している。芯金59からアウタコラム10までの通電経路は、
図4において破線矢印により示している。
図8(b)を参照すると、芯金59からアウタコラム10までの通電は、芯金59の板状部59aに接した通電部材58の挟持部58aと、アウタコラム10に接した摺接部58b〜58eとを介して行われる。アウタコラム10から車体100までの通電経路は、
図3において破線矢印により示している。アウタコラム10から車体100までの通電は、アウタコラム10に接したチルトブラケット12の側板72、73と、車体100に接した上板71を介して行われる。アウタコラム10とチルトブラケット12の間の通電は、摩擦板85や中間摩擦板86を介するなど、他の経路でも行われる。
【0063】
図3に示すように、運転者が操作レバー82を締め付け側に回動させると、固定カム84の傾斜カム面の山に可動カム83の傾斜カム面の山が乗り上げ、締付ボルト81を左側に引っ張る一方で固定カム84を右側に押圧する。これにより、一対の側板72、73がアウタコラム10のクランプ部10a、10aを左右から締め付け、アウタコラム10のチルト方向の移動を制限するのと同時に、アウタコラム10がインナコラム11を締め付ける締付摩擦力と摩擦板85に生じる摩擦力とによってインナコラム11の軸方向の移動が制限される。
【0064】
一方、運転者が操作レバー82を解除方向に回動させると、上述のように自由状態における間隔がアウタコラム10の幅より広いチルトブラケット12の一対の側板72、73がそれぞれ弾性復帰する。これにより、アウタコラム10のチルト方向の移動の制限とインナコラム11の軸方向の移動の制限がともに解除され、使用者がステアリングホイール101の位置の調整を行うことができるようになる。
【0065】
この状態において、使用者は、
図2、
図5に符号「TAr」で示すように、可動側ストッパー30と固定側ストッパー33の間の軸方向距離だけステアリングホイール101を車両後方側へ移動させることができる。車両後方側へのテレスコピック調整によって可動側ストッパー30が所定の位置(「TAr」だけ後方へ移動した位置)に達すると、可動側ストッパー30が固定側ストッパー33の遮断部33bに当接する。固定側ストッパー33に当接する際に可動側ストッパー30が受ける荷重は、芯金55からインナコラム11に伝えられる。
【0066】
図5、
図6に示すように、芯金押さえ60の係止爪60bが挿入される第2の孔11cは、芯金59の凸部59bが挿入される第1の孔11bに対して、可動側ストッパー30が固定側ストッパー33に当接する側に配置されている。したがって、第1の孔11bと第2の孔11cの間のインナコラム11の横断部11dは、可動側ストッパー30が固定側ストッパー33に当接した際、芯金59からの荷重を受けない。仮に、第1の孔11bと第2の孔11cを入れ替えて配置した場合、芯金59からインナコラム11へ伝わる荷重が第1の孔11bと第2の孔11cの間の横断部11dにかかり、横断部11dが破損しやすくなる。第1の孔11bと第2の孔11cを円周方向に並べて配置した場合にも同様のことが言える。つまり、この場合にインナコラム11が中心軸線を中心としていずれかの方向に回転し、可動側ストッパー30がアウタコラム10のガイド溝部25に押し当てられた際、第1の孔11bと第2の孔11cとの間の横断部11dは、可動側ストッパー30からの荷重を受けることになるため、好ましくない。
【0067】
以上に説明した実施形態によれば、新たな通電経路を確保したステアリング装置を提供することができる。
【0068】
上記実施形態の説明においては、本発明の理解を助けるために具体的な説明を行ったが、本発明はこれらに限られるものではなく構成要素の付加、削除又は転換などが可能である。
【0069】
例えば、上記実施形態はコラムアシスト型電動パワーステアリング装置に本発明を適用したものであるが、ラックアシスト型電動パワーステアリング装置などの他のステアリング装置にも当然に適用可能である。また、固定側ストッパーをアウタコラム10の車両前方側部分に設け、第2の穴を第1の穴の車両前方側に配置し、可動側ストッパー30の係止爪60bを芯金59の車両前方側に配置することで、車両前方側へのテレスコピック調整の範囲を制限するものとしても良い。
【0070】
また、ステアリングコラムや締付機構80、可動側ストッパー30、通電部材58などの具体的構成や形状についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0071】
例えば、インナコラム11に対する可動側ストッパー30の取り付けは、ねじ等の他の取り付け手段を用いても良い。例えば、芯金59の代わりにボルトを用いても良い。
【0072】
また、固定側ストッパー33の形状や取付方法も上記実施形態のものに限らず、インナコラム11をアウタコラム10に差し込んだ後にガイド溝部25内に可動側ストッパー30と当接する部分を構成するものであればよい。
【0073】
また、インナコラム11の第1の孔11bと第2の孔11cの間に横断部11dを設けず、第1の孔11bと第2の孔11cを軸方向に連続した1つの孔として形成もよい。例えば、第1の孔11bの軸方向前端から第2の孔11cの軸方向後端に至る長孔としてもよい。
【0074】
通電部材58の形状は、上記実施形態に記載のものに限られず、可動側ストッパー30の上面とガイド溝部25の内側側面25a、25bに接触するものであれば良い。例えば、通電部材58の摺接部58b〜58eの個数は4つに限られず、1以上の任意の数とすることができる。また、可動側ストッパー30への通電部材58の取り付けは、挟持部58aによるものに限られない。例えば、ねじ止め、溶接、ろう接などの取付手段を用いることができる。
【0075】
また、通電部材58の固定方法も、上記実施形態に記載のものに限られない。