(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、近年のカメラモジュール又はレンズモジュール等の小型化に伴い、単位断面積あたりに加えられる可能性のある応力は、増加傾向にある。そのため、圧電素子と駆動シャフトの接続部分だけでなく、圧電素子の中央部分や、圧電素子と錘との接続部分についても、折れや変形を防ぐための対策が必要となっている。また、圧電ユニットの小型化に伴い、迅速に精度良く組み立てることが可能な圧電ユニットが求められている。
【0006】
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、外力が加えられた場合にも、折れや変形を効果的に防止することができ、迅速かつ精度よく組み立てることが可能な圧電ユニットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る圧電ユニットは、
第1方向に伸縮する圧電素子と、
前記圧電素子における前記第1方向の一方の端面である第1端面に接続される駆動シャフトと、
前記圧電素子における前記第1方向の他方の端面である第2端面に接続される錘と、
前記圧電素子の少なくとも一部と、前記駆動シャフトの少なくとも一部と、前記錘の少なくとも一部と、を覆う保護部材と、
前記駆動シャフトにおいて前記保護部材から露出するシャフト露出部に、前記第1方向に沿って相対移動可能に係合する移動部材と、を有しており、
前記保護部材の内壁面は、前記錘の外周面に対向し前記第1方向に直交する方向に関する前記錘の位置を規制する錘位置規制部と、前記圧電素子の外周面に対向し前記第1方向に直交する方向に関する前記圧電素子の位置を規制する素子位置規制部と、前記駆動シャフトの外周面に対向し前記第1方向に直交する方向に関する前記駆動シャフトの位置を規制するシャフト位置規制部と、を有し、
前記保護部材の外壁面は、前記移動部材に対して前記第1方向に直交する方向に対向し、前記第1方向に直交する方向に関して前記移動部材が前記圧電素子に近づくことを妨げる移動部材規制部を有する。
【0008】
本発明に係る圧電ユニットは、保護部材が圧電素子、駆動シャフト、及び錘の少なくとも一部を覆うため、駆動シャフトと圧電素子の接続部分だけを覆う補強部材を有する従来の圧電アクチュエータに比べて、圧電素子の中央部や、錘と圧電素子との接続部分近傍で、衝撃等により折れが生じる問題を効果的に防止できる。また、保護部材の内壁面は、錘位置規制部と、素子位置規制部と、シャフト位置規制部とを有するため、保護部材に対して錘、圧電素子及び駆動シャフトを配置することにより、素早く正確に組み立てることができるため、生産性に優れている。
【0009】
さらに、保護部材が移動部材に対向する移動部材規制部を有していることにより、移動部材が圧電素子に近づく方向に傾くことを規制することで、圧電素子や圧電素子と錘又は駆動シャフトとの接合部分に強い応力が作用することを防止し、圧電ユニットの耐久力を向上させることができる。
【0010】
また、例えば、前記錘は、前記内壁面に対して固定されていてもよく、
前記素子位置規制部は、前記圧電素子に対して第1の微小隙間を隔てて配置されていてもよく、
前記シャフト位置規制部は、前記駆動シャフトに対して第2の微小隙間を隔てて配置されていてもよい。
【0011】
錘が内壁面に固定されていることにより、保護部材の錘に対する位置が固定されるため、この保護部材の内壁面に沿って錘、圧電素子及び駆動シャフトを組み立てることにより、このような圧電ユニットは、精度が高く効率の良い組み立てを、容易に実現可能である。また、錘が保護部材に固定されているため、保護部材を基板等に固定しなくても、保護部材が、外部からの衝撃等に対して、圧電素子や駆動シャフトを好適に保護することができる。また、素子位置規制部とシャフト位置規制部が、圧電素子または駆動シャフトに対して微小隙間を隔てて配置されていることにより、保護部材が圧電素子の変位を拘束する問題も生じない。
【0012】
また、例えば、本発明の第2の観点に係る圧電ユニットは、
第1方向に伸縮する圧電素子と、
前記圧電素子における前記第1方向の一方の端面である第1端面に接続される駆動シャフトと、
前記圧電素子における前記第1方向の他方の端面である第2端面に接続される錘と、
前記圧電素子の少なくとも一部と、前記駆動シャフトの少なくとも一部と、前記錘の少なくとも一部と、を覆う保護部材と、を有しており、
前記保護部材の内壁面は、前記錘の外周面に対向し前記第1方向に直交する方向に関する前記錘の位置を規制する錘位置規制部と、前記圧電素子の外周面に対向し前記第1方向に直交する方向に関する前記圧電素子の位置を規制する素子位置規制部と、前記駆動シャフトの外周面に対向し前記第1方向に直交する方向に関する駆動シャフトの位置を規制するシャフト位置規制部と、を有し、
前記錘は、前記内壁面に対して固定されており、
前記素子位置規制部は、前記圧電素子に対して第1の微小隙間を隔てて配置されており、
前記シャフト位置規制部は、前記駆動シャフトに対して第2の微小隙間を隔てて配置されている。
【0013】
本発明の第2の観点に係る圧電ユニットも、第1の観点に係る圧電ユニットと同様に、保護部材が圧電素子、駆動シャフト、及び錘の少なくとも一部を覆うため、駆動シャフトと圧電素子の接続部分だけを覆う補強部材を有する従来の圧電アクチュエータに比べて、圧電素子の中央部や、錘と圧電素子との接続部分近傍で、衝撃等により折れが生じる問題を効果的に防止できる。また、保護部材の内壁面は、錘位置規制部と、素子位置規制部と、シャフト位置規制部とを有するため、保護部材に対して錘、圧電素子及び駆動シャフトを配置することにより、素早く正確に組み立てることができるため、生産性に優れている。
【0014】
さらに、錘が内壁面に固定されていることにより、保護部材の錘に対する位置が固定されるため、この保護部材の内壁面に沿って錘、圧電素子及び駆動シャフトを組み立てることにより、このような圧電ユニットは、精度が高く効率の良い組み立てを、容易に実現可能である。また、錘が保護部材に固定されているため、保護部材を基板等の他の部材に固定しなくても、保護部材が、外部からの衝撃等から、圧電素子や駆動シャフトを好適に保護することができる。また、素子位置規制部とシャフト位置規制部が、圧電素子または駆動シャフトに対して微小隙間を隔てて配置されていることにより、保護部材が圧電素子の変位を拘束する問題も生じない。
【0015】
また、例えば、本発明の第2の観点に係る圧電ユニットは、前記駆動シャフトにおいて前記保護部材から露出するシャフト露出部に、前記第1方向に沿って相対移動可能に係合する移動部材を有してもよく、
前記保護部材の外壁面は、前記移動部材に対して前記第1方向に直交する方向に対向し、前記第1方向に直交する方向に関して前記移動部材が前記圧電素子に近づくことを規制する移動部材規制部を有してもよい。
【0016】
保護部材が移動部材に対向する移動部材規制部を有する圧電ユニットは、移動部材が圧電素子に近づく方向に傾くことを規制することで、圧電素子や圧電素子と錘又は駆動シャフトとの接合部分に強い応力が作用することを防止し、圧電ユニットの耐久力を向上させることができる。
【0017】
また、例えば、前記圧電素子は、電力を供給するための外部電極を有していてもよく、
前記外部電極の少なくとも一部は、前記保護部材から露出していてもよい。
【0018】
圧電素子の外部電極が保護部材から露出していることにより、圧電ユニットを実装する基板と外部電極とを、はんだ等の導電性接合部材で容易に接合することが可能である。
【0019】
また、例えば、前記内壁面は、前記素子位置規制部と前記錘位置規制部の間に位置しており、前記圧電素子に対する距離が前記素子位置規制部より長く、かつ、前記錘に対する距離が前記錘位置規制部より長い逃げ部を有してもよい。
【0020】
保護部材の内壁面が、このような逃げ部を有することにより、たとえば圧電素子と錘とを接続する接着剤等が、錘や圧電素子の表面から突出しているような場合にも、これを避けて、保護部材の内壁面を、圧電素子及び錘の外周面に対して、適切な位置に配置することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
第1実施形態
図1は、本発明の第1実施形態に係る圧電ユニットとしての圧電アクチュエータ20を示す概略斜視図である。圧電アクチュエータ20は、
図7及び
図8に示すように、レンズホルダ12を含む圧電ユニット10を構成することができるが、圧電アクチュエータ20は、レンズホルダ12以外の他の部材を移動させるアクチュエータとして用いられてもよく、圧電ユニットの構成としては、
図1や
図7に示すものに限定されない。
【0024】
図1に示すように、圧電アクチュエータ20は、圧電素子40と、駆動シャフト50と、錘30と、保護部材60とを有している。
図1及び断面図である
図6に示すように、圧電素子40は略直方体の外形状を有しており、第1方向であるZ軸方向に伸縮する。
【0025】
図6に示すように、圧電素子40は、Z軸方向の一方の端面である第1端面40aと、Z軸方向の他方の端面である第2端面40bとを有している。第1端面40aはZ軸正方向を向く面であり、第2端面40bは、Z軸負方向を向く面である。
【0026】
また、圧電素子40は、第1端面40aと第2端面40bに対して垂直である4つの外周面を有しており、4つの外周面は、X軸正方向を向く第1外周面40cと、X軸負方向を向く第2外周面40dと、Y軸正方向を向く第3外周面40eと、Y軸負方向を向く第4外周面40fを有している。
図2に示す圧電素子40の第3外周面40eと第4外周面40fには、一対の外部電極が形成されている。
【0027】
また、圧電素子40の内部では、一方の外部電極(第3外周面40eに形成されている)に電気的に接続される内部電極層及び他方の外部電極(第4外周面40fに形成されている)に電気的に接続される内部電極層が、誘電体層を挟んで交互に積層されている。圧電素子40における内部電極層と誘電体層との積層方向は第1方向であるZ軸方向であるが、圧電素子40の積層方向は特に限定されない。
【0028】
図12は、圧電素子40への配線を模式的に示している。圧電素子40に形成される外部電極の一部は、圧電素子40の第2端面40bに回り込んでおり、圧電素子40の外部電極は、錘30の表面に形成された配線部35に、電気的に接続されている。さらに、錘30の表面に形成された配線部35は、圧電アクチュエータ20が実装基板80に実装されることにより、実装基板80上に形成された配線部82に対して接続される。このように、圧電素子40の外部電極には、錘30の表面に形成された配線部35を介して、実装基板80に形成された配線部82から電力が供給される。なお、
図12では、圧電アクチュエータ20の駆動シャフト50や保護部材60等については、記載を省略している。
【0029】
なお、実施形態の説明においては、圧電アクチュエータ20が伸縮し、駆動シャフト50が往復運動する方向をZ軸方向(第1方向)、Z軸方向に直交する方向のうち、駆動シャフト50の中心軸A1からレンズホルダ12の中心軸A2へ向かう方向をX軸方向(X軸正方向)、Z軸方向及びX軸方向に直交する方向をY軸方向として説明を行う。
【0030】
圧電素子40における誘電体層の厚みは、特に制限されないが、好ましくは5〜50μm程度である。また、誘電体層の材質は、圧電効果あるいは逆圧電効果を示す材料であれば、特に制限されず、たとえば、PbZr
xTi
1−xO
3、BaTiO
3などが挙げられる。また、特性向上等のための成分が含有されていてもよく、その含有量は、所望の特性に応じて適宜決定すればよい。
【0031】
誘電体層と交互に積層される内部電極層を構成する導電材としては、たとえば、Ag、Pd、Au、Pt等の貴金属およびこれらの合金(Ag−Pdなど)、あるいはCu、Ni等の卑金属およびこれらの合金などが挙げられるが、特に限定されない。外部電極を構成する導電材料も特に限定されず、内部電極を構成する導電材と同様の材料を用いることができる。なお、さらに、外部電極の外側には、上記各種金属のメッキ層やスパッタ層が形成してあってもよい。
【0032】
図6に示すように、圧電素子40の第1端面40aには、駆動シャフト50が接続してある。駆動シャフト50は、円柱状であり、駆動シャフト50において、圧電素子40の第1端面40aに対向するシャフト端面の面積は、第1端面40aの面積より広い。ただし、駆動シャフト50の形状及び大きさは特に限定されず、駆動シャフト50は円柱状以外の柱状又は棒状であってもよく、駆動シャフト50における端面の面積は、圧電素子40の第1端面40aの面積より狭くてもよい。駆動シャフト50は、接着剤等によって圧電素子40の第1端面40aに固定されているが、駆動シャフト50と圧電素子40との固定方法は特に限定されない。
【0033】
図1及び
図3に示すように、駆動シャフト50は、保護部材60から露出するシャフト露出部50gと、保護部材60に被覆されるシャフト被覆部50fとを有している。シャフト被覆部50fは、駆動シャフト50のうち圧電素子40に近接する基端部分であり、シャフト露出部50gは、駆動シャフト50のうち圧電素子40から離間する先端部分である。保護部材60と駆動シャフト50の関係については、後ほど述べる。
【0034】
駆動シャフト50の材質は特に限定されないが、例えば金属やカーボン若しくは樹脂等を採用することができる。
【0035】
図6に示すように、圧電素子40の第2端面40bには、錘30が接続してある。錘30は、第1端面40aに接続される駆動シャフト50に変位を与えるための慣性体として機能し、例えば、圧電素子40及び駆動シャフト50より比重の大きい材料で構成される。錘30の材質は特に限定されないが、例えば、タングステン等の比重の大きい金属又はそのような金属を含む合金等を採用することができる。
【0036】
図2に示すように、錘30は、Z軸方向の長さが最も短く、X軸方向及びY軸方向の長さが略等しい直方体状の外形状を有している。また、本実施形態に係る錘30では、略直方体状である錘30の各辺は、C面取りやR面取りなどの加工がされている。ただし、錘30の形状はこれに限定されず、円柱状、平板状など、他の形状であってもかまわない。
【0037】
図1に示すように、圧電アクチュエータ20は、圧電素子40の少なくとも一部と、駆動シャフト50の少なくとも一部と、錘30の少なくとも一部と、を覆う保護部材60を有している。保護部材60の内部には、圧電素子40、駆動シャフト50、及び錘30の少なくとも一部を収容できるように、保護部材60の内壁面61に囲まれた収容空間が形成されている。保護部材60の収容空間は、保護部材60をZ軸方向に貫通しており、保護部材60の内壁面61は、保護部材60の上面(Z軸正方向側の面)に形成されている第1開口部60aから、保護部材60の下面(Z軸負方向側の面)に形成されている第2開口部60b(
図5参照)まで続いている。
【0038】
図6に示すように、保護部材60の内壁面61は、被収容部材である圧電素子40、駆動シャフト50、錘30の外周形状による起伏に沿う形状を有している。したがって、駆動シャフト50や圧電素子40がZ軸方向に直交する方向に移動したり、駆動シャフト50や圧電素子40が傾いたりした場合には、保護部材60の内壁面61が駆動シャフト50又は圧電素子40に接触して支持することにより、保護部材60は、圧電素子40が損傷しないように保護することができる。
【0039】
図5に示すように、保護部材60の内壁面61は、錘30の外周面に対向し、Z軸方向に直交するX軸方向及びY軸方向に関する錘30の位置を規制する錘位置規制部を有している。錘位置規制部は、錘30の第1外周面30cに対向する第1下壁面63cと、錘30の第2外周面30dに対向する第2下壁面63dと、錘30の第3外周面30eに対向する第3下壁面63eと、錘30の第4外周面30fに対向する第4下壁面63fからなる。錘位置規制部を構成する第1〜第4下壁面63c〜63fは、XY平面に垂直な面であり、錘30におけるXY平面に垂直な面である第1〜第4外周面30c〜30fの外周を取り囲んでいる。
【0040】
錘位置規制部を構成する第1〜第4下壁面63c〜63fのうち、第1下壁面63cと第2下壁面63dとは、いずれもYZ平面に平行であり、錘30を間に挟んで互いに対向している。すなわち、第1下壁面63cと第2下壁面63dとは、錘30のX軸方向の両側に位置し、錘30のX軸方向の位置を規制する。第1下壁面63cと錘30の第1外周面30cとの間や、第2下壁面63dと錘30の第2外周面30dとの間には、微小隙間が形成されていても良いが、第1下壁面63cと第1外周面30c、第2下壁面63dと第2外周面30dとは、樹脂等で互いに接合されていてもよい。
【0041】
錘位置規制部を構成する第1〜第4下壁面63c〜63fのうち、第3下壁面63eと第4下壁面63fとは、いずれもXZ平面に平行であり、錘30を間に挟んで互いに対向している。すなわち、第3下壁面63eと第4下壁面63fとは、錘30のY軸方向の両側に位置し、錘30のY軸方向の位置を規制する。第3下壁面63eと錘30の第3外周面30eとの間や、第4下壁面63fと錘30の第4外周面30fとの間には、微小隙間が形成されていても良いが、第3下壁面63eと第3外周面30e、第4下壁面63fと第4外周面30fとは、樹脂等で互いに接合されていてもよい。
【0042】
図5に示すように、保護部材60の側面のうち、X軸正方向側を向く側面には、錘30の第1外周面30cを露出させる第4開口部60dが形成されており、錘位置規制部の第1下壁面63cは、第4開口部60dによって、2つに分離されている。第4開口部60dによって錘30の第1外周面30cが露出するため、
図12に示すように、錘30に形成された配線部35と実装基板80に形成された配線部82とを、導電性の接合部材等によって、容易に接続することができる。
【0043】
図6に示す保護部材60の内壁面61と錘30とは、接着剤等で接続されている。保護部材60の内壁面61と錘30とを接続する接続位置は、特に限定されない。ただし、保護部材60の内壁面61と錘30とは互いに接続されていなくてもよく、また、保護部材60は、錘30、圧電素子40及び駆動シャフト50のいずれにも接続されていなくてもよい。
【0044】
図2及び
図6に示すように、保護部材60の内壁面61は、圧電素子40の外周面に対向し、Z軸方向に直交するX軸方向及びY軸方向に関する圧電素子40の位置を規制する素子位置規制部を有している。素子位置規制部は、圧電素子40の第1外周面40cに対向する第1中壁面64cと、圧電素子40の第2外周面40dに対向する第2中壁面64dと(
図6参照)、圧電素子40の第3外周面40eに対向する第3中壁面64eと、圧電素子40の第4外周面40fに対向する第4中壁面64fと(
図2参照)からなる。素子位置規制部を構成する第1〜第4中壁面64c〜64fは、XY平面に垂直な面であり、圧電素子40におけるXY平面に垂直な面である第1〜第4外周面40c〜40fの外周を取り囲んでいる。
【0045】
図6に示すように、素子位置規制部を構成する第1〜第4中壁面64c〜64fのうち、第1中壁面64cと第2中壁面64dとは、いずれもYZ平面に平行であり、圧電素子40を間に挟んで互いに対向している。すなわち、第1中壁面64cと第2中壁面64dとは、圧電素子40のX軸方向の両側に位置し、圧電素子40のX軸方向の位置を規制する。第1中壁面64cと圧電素子40の第1外周面40cとの間や、第2中壁面64dと圧電素子40の第2外周面40dとの間には、第1微小隙間74aが形成されており、第1中壁面64cと第1外周面40c、及び第2中壁面64dと第2外周面40dとは、互いに離間しており、接続されていない。第1微小隙間74aは、例えば10〜100μmとすることが好ましく、10〜50μmとすることがより好ましいが、特に限定されない。なお、本実施形態では、第1微小隙間74aは25μmである。
【0046】
図2に示すように、素子位置規制部を構成する第1〜第4中壁面64c〜64fのうち、第3中壁面64eと第4中壁面64fとは、いずれもXZ平面に平行であり、圧電素子40を間に挟んで互いに対向している。すなわち、第3中壁面64eと第4中壁面64fとは、圧電素子40のY軸方向の両側に位置し、圧電素子40のY軸方向の位置を規制する。第3中壁面64eと圧電素子40の第3外周面40eとの間や、第4中壁面64fと圧電素子40の第4外周面40fとの間には、第1微小隙間74aが形成されており、第3中壁面64eと第3外周面40e、及び第4中壁面64fと第4外周面40fとは、互いに離間しており、接続されていない。
【0047】
図2及び
図6に示すように、保護部材60の側面のうち、X軸正方向を向く側面には、圧電素子40の第1外周面40cを露出させる第3開口部60cが形成されている。
図6に示すように、第3開口部60cは、第1中壁面64cの下方に形成されており、第3開口部60cは下方の第4開口部60dに連続している。第3開口部60c及び第4開口部60dによって、錘30の上面が保護部材60から露出するため、
図12に示すように、錘30に形成された配線部35と実装基板80に形成された配線部82とを、導電性の接合部材等によって、容易に接続することができる。
【0048】
図6に示す保護部材60の内壁面61と圧電素子40とは、接着剤等で直接接続されてはおらず、保護部材60は圧電素子40の変位を拘束しない。ただし、圧電素子40の圧電活性部が保護部材60に接続されておらず、変位の拘束を受けない状態であれば、圧電素子40と錘30との接続部付近などに設けられる圧電不活性部などについては、保護部材60と接続されてもかまわない。
【0049】
図4に示すように、保護部材60の内壁面61は、駆動シャフト50のシャフト外周面50cに対向し、Z軸方向に直交するX軸方向及びY軸方向に関する駆動シャフト50の位置を規制するシャフト位置規制部65を有している。
図4に示すように、シャフト位置規制部65は円管状であり、円柱状の駆動シャフト50の外周面を取り囲んでいる。
【0050】
図6に示すように、シャフト位置規制部65のZ軸方向の長さは、駆動シャフト50のZ軸方向の長さより短く、駆動シャフト50の一部であるシャフト露出部50gは、保護部材60の第1開口部60aから上方に露出している。
【0051】
シャフト位置規制部65と駆動シャフト50のシャフト外周面50cとの間には、第2微小隙間75aが形成されている。シャフト位置規制部65と駆動シャフト50のシャフト外周面50cとは互いに離間しており、接続されていない。第2微小隙間75aは、例えば10〜100μmとすることが好ましく、10〜50μmとすることがより好ましいが、特に限定されない。なお、本実施形態では、第2微小隙間75aは25μmである。また、保護部材60の内壁面61と駆動シャフト50とは、接着剤等で直接接続されてはおらず、保護部材60は圧電素子40及び圧電素子40と接続される駆動シャフト50の変位を拘束しない。
【0052】
図6に示すように、保護部材60の内壁面61は、Z軸方向に沿って、錘位置規制部としての第2下壁面63d、素子位置規制部としての第2中壁面64d、シャフト位置規制部65を有している。また、錘位置規制部としての第2下壁面63dと、素子位置規制部としての第2中壁面64dとの間には、錘30のX軸方向長さと圧電素子40のX軸方向長さの違いに伴う段差面71が形成されている。段差面71は、Z軸方向に直交する面である。
【0053】
さらに、内壁面61は、第2下壁面63dと第2中壁面64dとの間に、Z軸方向に直交する段差面71だけでなく、下方に向かって圧電素子40から遷移的に離間する第1逃げ部66を有している。第1逃げ部66は、圧電素子40に対する距離が素子位置規制部である第2中壁面64dより長く、かつ、錘30に対する距離が錘位置規制部である第2下壁面63dより長い。
【0054】
内壁面61は、第2下壁面63dと第2中壁面64dとの間に、第1逃げ部66を有しているため、たとえば圧電素子40と錘30とを接続する接着剤等が、錘30や圧電素子40の表面から突出しているような場合にも、これを避けて、保護部材60の第2中壁面64d及び第2下壁面63dを、圧電素子40及び錘30の第2外周面40d、30dに対して、適切な位置に配置することができる。なお、第1逃げ部66は、第1下壁面63cと第1中壁面64cとの間、第3下壁面63eと第3中壁面64e及び第4下壁面63fと第4中壁面64fとの間にも設けられている。
【0055】
また、
図6に示すように、保護部材60の内壁面61において、シャフト位置規制部65と、素子位置規制部としての第1中壁面64cとの間には、駆動シャフト50のX軸方向長さ(外径)と圧電素子40のX軸方向長さの違いに伴う段差面72が形成されている。段差面72は、Z軸方向に直交する面である。
【0056】
さらに、内壁面61は、シャフト位置規制部65と第1中壁面64cとの間に、Z軸方向に直交する段差面72だけでなく、下方に向かって圧電素子40へ遷移的に近づく第2逃げ部67を有している。第2逃げ部67は、圧電素子40に対する距離が素子位置規制部である第1中壁面64cより長く、かつ、駆動シャフト50に対する距離がシャフト位置規制部65より長い。
【0057】
内壁面61は、シャフト位置規制部65と第1中壁面64cとの間に、第2逃げ部67を有しているため、たとえば圧電素子40と駆動シャフト50とを接続する接着剤等が、駆動シャフト50や圧電素子40の表面から突出しているような場合にも、これを避けて、保護部材60の第1中壁面64c及びシャフト位置規制部65を、圧電素子40の第1外周面40c及び駆動シャフト50の外周面50cに対して、適切な位置に配置することができる。なお、第2逃げ部67は、第2中壁面64d、第3中壁面64e及び第4中壁面64fと駆動シャフト50のシャフト外周面50cとの間にも設けられている。
【0058】
図1〜
図6に示す圧電アクチュエータ20は、たとえば以下のような方法で組み立てられる。
【0059】
圧電アクチュエータ20の組み立てでは、まず、
図13(a)に示すように、錘30を台座90の上に設置する。次に、
図13(b)に示すように錘30が保護部材60の第2開口部60bを通過し、内壁面61で囲まれた収容領域に収容されるように、保護部材60を錘30に被せる。この時、保護部材60における錘位置規制部としての第1〜第4下壁面63c〜63f(
図5参照)が、錘30の第1〜第4外周面30c〜30fにガイドされることにより、保護部材60と錘30とは、容易に位置合わせすることができる。錘30と保護部材60とは、接着剤等で固定される。
【0060】
次に
図13(c)に示すように、圧電素子40を保護部材60の第1開口部60aから収容領域に投入し、錘30の上に重ねて配置する。錘30と圧電素子40との対向面には、接着剤が塗布されており、圧電素子40は錘30に対して固定される。この時、圧電素子40は、圧電素子40の第1〜第4外周面40c〜40fが、保護部材60における素子位置規制部としての第1〜第4中壁面64c〜64f(
図2、及び
図6参照)にガイドされることにより、保護部材60と錘30に対して容易に位置合わせされる。
【0061】
次に
図13(d)に示すように、駆動シャフト50のシャフト被覆部50fを、保護部材60の第1開口部60aから収容領域に投入し、圧電素子40の上に重ねて配置する。圧電素子40と駆動シャフト50との対向面には、接着剤が塗布されており、駆動シャフト50は、圧電素子40に対して固定される。この時、駆動シャフト50は、駆動シャフト50のシャフト外周面50cが、保護部材60におけるシャフト位置規制部65(
図4参照)にガイドされることにより、保護部材60、錘30及び圧電素子40に対して容易に位置合わせされる。
【0062】
このように、
図13(a)〜
図13(d)に示す工程を経て、圧電アクチュエータ20を組み立てることができる。この際、保護部材60が、各部材を位置合わせするためのガイドとして機能するため、圧電アクチュエータ20は、位置精度良くかつ容易に組み立てることが可能である。
【0063】
なお、圧電アクチュエータ20の製造方法は、
図13に示す方法に限定されず、他の方法によって製造することも可能である。例えば
図14(a)〜(d)に示す方法では、まず駆動シャフト50を、駆動シャフト50のシャフト露出部50gを収納する窪みが形成された台座92に設置した後(
図14(a))、シャフト被覆部50fが、保護部材60の第1開口部60aを通って、内壁面61で囲まれた収容領域に収容されるように、保護部材60を駆動シャフト50に被せる(
図14(b))。
【0064】
次に、圧電素子40を保護部材60の第2開口部60bから収容領域に投入し、駆動シャフト50の上に重ねて配置する(
図13(c))。次に、錘30を、保護部材60の第2開口部60bから収容領域に投入し、圧電素子40の上に重ねて配置する。このように、
図14に示す方法によっても、圧電アクチュエータ20を容易に組み立てることができる。なお、
図14に示す方法においても、圧電アクチュエータ20を構成する各部材の接合などは、
図13に示す方法と同様である。
【0065】
このように、
図1〜
図6に示す圧電アクチュエータ20は、Z軸方向に関して錘30と重なる位置から駆動シャフト50と重なる位置まで連続する内壁面61を有する保護部材60を有しているため、圧電素子40が外力により折れたり損傷したりする問題を好適に防止できる。また、保護部材60の内壁面61は、錘位置規制部(第1〜第4下壁面63c〜63f)と、素子位置規制部(第1〜第4中壁面64c〜64f)と、シャフト位置規制部65とを有するため、保護部材60に対して錘30、圧電素子40及び駆動シャフト50を配置することにより、素早く正確に組み立てることができる。
【0066】
また、錘30が保護部材60に固定されているため、保護部材60を実装基板等の他の部材に固定しなくても、保護部材60が、外部からの衝撃等から、圧電素子40や圧電素子40と他の部材との接合部分を、好適に保護することができる。また、素子位置規制部とシャフト位置規制部が、圧電素子40または駆動シャフト50に対して第1又は第2微小隙間74a、75aを隔てて配置されていることにより、保護部材60が圧電素子40の変位を拘束する問題も生じない。
【0067】
第2実施形態
図7は、本発明の第2実施形態に係る圧電ユニット10の分解斜視図である。圧電ユニット10は、第1実施形態で説明した圧電アクチュエータ20と、レンズを保持するレンズホルダ12と、レンズホルダ12を圧電アクチュエータ20の駆動シャフト50に係合させるための付勢部材14とを有する。
【0068】
レンズホルダ12は、図示省略のレンズを保持しており、付勢部材14を用いて駆動シャフト50のシャフト露出部50gに係合する。レンズホルダ12と付勢部材14で構成される移動部材は、圧電素子40の伸縮方向であるZ軸方向に沿って、駆動シャフト50に対して相対移動する。
図7に示すように、レンズホルダ12が保持するレンズの光軸(レンズホルダ12の中心軸)A2は、駆動シャフト50の中心軸A1と平行である。
【0069】
図8は、
図7に示す圧電ユニット10の組み立て状態を表す模式側面図である。
図8では、レンズホルダ12の詳細部分の形状については、簡略化して表示してあり、付勢部材14については図示していない。
図8に示すように、圧電ユニット10のレンズホルダ12は、圧電アクチュエータ20における駆動シャフト50に、摩擦係合する。
【0070】
保護部材60の外壁面は、レンズホルダ12に対してZ軸方向に直交するX軸方向に対向する移動部材規制部69を有する。移動部材規制部69は、レンズホルダ12の外周面の一部であるホルダ外周面12cに対向している。移動部材規制部69と、ホルダ外周面12cとは、駆動シャフト50の中心軸A1とレンズの光軸A2の両方に直交する軸(
図8におけるX軸)に沿って配置されている。
【0071】
また、移動部材規制部69は、保護部材60に収容される圧電アクチュエータ40(
図6参照)と、レンズホルダ12との間に配置されており、X軸方向に関してレンズホルダ12が圧電素子40に近づくことを妨げる。これにより、外力等によって傾いたレンズホルダ12が、圧電素子40に衝突する問題を防止することが可能であり、レンズホルダ12との衝突に伴う圧電素子40の損傷を防止できる。また、レンズホルダ12を傾斜させる力が作用した場合、移動部材規制部69がホルダ外周面12cに接触し、レンズホルダ12が大きく傾くことを妨げる。したがって、圧電ユニット10は、レンズホルダ12の傾きを抑制するとともに、レンズホルダ12が係合する駆動シャフト50を介して、圧電素子40に対して、圧電素子40を折る方向の力が作用する問題を、好適に防止できる。
【0072】
第3実施形態
図9は、本発明の第3実施形態に係る圧電ユニットとしての圧電アクチュエータ120を示す概略斜視図である。圧電アクチュエータ120は、第1実施形態に係る圧電アクチュエータ20に対して、圧電素子140における外部電極の形成位置が圧電素子40とは異なり、保護部材160に第4開口部60dが形成されておらず、代わりに第5開口部160eが形成されている点で異なるが、それ以外の点は圧電アクチュエータ20と同様である。圧電アクチュエータ120に関しては、圧電アクチュエータ20との相違点のみ説明を行い、圧電アクチュエータ20との共通点については説明を省略する。
【0073】
断面図である
図10に示すように、圧電アクチュエータ120に含まれる圧電素子140は、4つの外周面のうち、X軸正方向を向く第1外周面140cと、X軸負方向を向く第2外周面140dに、一対の外部電極が形成されている。したがって、第1外周面140cに形成された外部電極は、保護部材160の第3開口部60cを介して、保護部材60の外部に露出する。ただし、保護部材160には、
図6に示すような第4開口部60dは形成されていない。したがって、保護部材160の内壁面161において、錘30の第1外周面30cに対向する第1下壁面163cは、錘30の第2外周面30dに対向する第2下壁面63dと対称な形状である。
【0074】
また、保護部材160のX軸負方向側を向く側面には、圧電素子40の第2外周面140dを露出させる第5開口部160eが形成されている。第5開口部160eは、第3開口部60cと対称に形成されており、第2外周面140dに形成された外部電極は、第5開口部160eを介して、保護部材60の外部に露出する。また、保護部材160の内壁面161において、圧電素子140の第2外周面140dに対向する第2中壁面164dは、圧電素子140の第1外周面140cに対向する第1中壁面64cと対称な形状である。
【0075】
図11(a)は、
図9及び
図10に示す圧電アクチュエータ120を、実装基板180に実装した状態を表す概念図である。圧電アクチュエータ120は、実装基板180の窪み183に配置される。圧電素子140において、外部電極が形成されている第1外周面140c及び第2外周面140dは、保護部材160の第3及び第5開口部60c、160eから露出している。そのため、圧電アクチュエータ120における圧電素子140の外部電極は、第3及び第5開口部60c、160eを連通するように形成されるはんだ等の導電性接合部材184により、実装基板180の配線部182に対して接続される。
【0076】
また、
図11(b)に示すように、圧電アクチュエータ120は、窪みのない実装基板280に実装されてもよい。この場合も、圧電アクチュエータ120における圧電素子140の外部電極は、第3及び第5開口部60c、160eを連通するように形成されるはんだ等の導電性接合部材184により、実装基板180の配線部182に対して接続される。
【0077】
このように、第3実施形態に係る圧電アクチュエータ120は、圧電素子140の外部電極が、保護部材の第3開口部60c及び第5開口部160eを介して、保護部材160から露出している。したがって、圧電アクチュエータ120は、圧電アクチュエータ120を実装する実装基板180、280と外部電極とを、はんだ等の導電性接合部材で容易に接合することが可能である。
【0078】
以上、実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明に係る圧電ユニットは、実施形態に記載されたものに限定されず。他の様々は態様の圧電ユニットが本発明の技術的範囲に含まれることは言うまでもない。たとえば、圧電素子40や錘30の外形状は、実施形態に示すような直方体に限定されず、円柱や直方体以外の多角柱など、実施形態とは異なる立体形状であってもよい。また、保護部材60、160の外形状及び内壁面61、161の形状についても、実施形態に示す形状に限定されない。
【0079】
また、保護部材60、160の内壁面が有する錘位置規制部、素子位置規制部、及び移動部材規制部の形状は、第1〜第4下壁面63c〜63f、第1〜第4中壁面64c〜64f等のような平面に限定されず、内壁面に形成された突起等であってもよい。