特許第6819311号(P6819311)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6819311
(24)【登録日】2021年1月6日
(45)【発行日】2021年1月27日
(54)【発明の名称】オイル温度調整装置
(51)【国際特許分類】
   F16H 57/04 20100101AFI20210114BHJP
【FI】
   F16H57/04 G
   F16H57/04 H
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-7642(P2017-7642)
(22)【出願日】2017年1月19日
(65)【公開番号】特開2018-115725(P2018-115725A)
(43)【公開日】2018年7月26日
【審査請求日】2019年12月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 秀生
【審査官】 鷲巣 直哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−332764(JP,A)
【文献】 特開2014−152828(JP,A)
【文献】 特開平07−098054(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 57/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源から変速機への動力伝達を断接可能なクラッチを作動させるクラッチ作動オイルが貯留される第1の貯留部と、
隔壁によって前記第1の貯留部と隔てられ、変速機を潤滑するギヤオイルが貯留される第2の貯留部と、
前記隔壁に設けられ、前記第1の貯留部に貯留された前記クラッチ作動オイルと、前記第2の貯留部に貯留された前記ギヤオイルとの熱交換を促進させる熱交換促進部と、を備え、
前記熱交換促進部は、前記隔壁に設けられた貫通孔を貫通するように前記隔壁に対して固定されている、
オイル温度調整装置。
【請求項2】
前記熱交換促進部は、前記隔壁から突出したリブである、
請求項1に記載のオイル温度調整装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オイル温度調整装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、エンジンの冷却水とクラッチ作動オイルとの間で熱交換を行うとともに、クラッチ作動オイルとギヤオイルとの間で熱交換を行うことで、各オイル温度の調整を図るオイル温度調整装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−124803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1には、クラッチ作動オイルとギヤオイルとの間で熱交換を行うための具体的構造について開示されていない。
【0005】
本発明の目的は、クラッチ作動オイルとギヤオイルとの間で効率よく熱交換を行うことができるオイル温度調整装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るオイル温度調整装置は、駆動源から変速機への動力伝達を断接可能なクラッチを作動させるクラッチ作動オイルが貯留される第1の貯留部と、隔壁によって前記第1の貯留部と隔てられ、変速機を潤滑するギヤオイルが貯留される第2の貯留部と、前記隔壁に設けられ、前記第1の貯留部に貯留された前記クラッチ作動オイルと、前記第2の貯留部に貯留された前記ギヤオイルとの熱交換を促進させる熱交換促進部と、を備え、前記熱交換促進部は、前記隔壁に設けられた貫通孔を貫通するように前記隔壁に対して固定されている
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るオイル温度調整装置によれば、クラッチ作動オイルとギヤオイルとの間で効率よく熱交換を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係るオイル温度調整装置が搭載された変速機の概略を示す縦断面図
図2】熱交換促進部を示す部分拡大図
図3】第1の変形例を示す図
図4】第2の変形例を示す図
図5】第3の変形例を示す図
図6】第4の変形例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は一例であり、本発明はこの実施形態により限定されるものではない。
【0010】
まず、図1を参照して、本発明に係るオイル温度調整装置の概要について説明する。図1は、本発明に係るオイル温度調整装置100が搭載された変速機1の概略を示す縦断面図である。図1には、変速機1の前後方向および上下方向が描かれている。以下の説明では、変速機1の前側、後側、上側、下側をそれぞれ、単に「前」、「後」、「上」、「下」と呼ぶことがある。
【0011】
変速機1は、トルクコンバータハウジング10と、クラッチハウジング20と、変速機ケース30とを備えている。
【0012】
トルクコンバータハウジング10は、例えばアルミ合金製または鉄系合金製であって、前方が開口した有底筒状をなしている。トルクコンバータハウジング10は、内部空間10aを有する。内部空間10aには、不図示のトルクコンバータが配置される。
【0013】
トルクコンバータのポンプインペラは、トルクコンバータの前段に設けられる不図示のエンジンと接続される。トルクコンバータのタービンランナと接続されたトルクコンバータ出力軸は、後方へ延びている。そして、トルクコンバータ出力軸は、トルクコンバータハウジング10の後端壁10bを貫通して、クラッチハウジング20内へ延びている。
【0014】
なお、図1では、トルクコンバータ出力軸が貫通する貫通穴、トルクコンバータ出力軸を後端壁10bに対して軸承する軸受等は省略している。また、トルクコンバータの内部は、クラッチ作動オイル2で満たされている。
【0015】
クラッチハウジング20は、例えばアルミ合金製または鉄系合金製であって、前方が開口した有底筒状をなしている。クラッチハウジング20は、開口部に設けられた不図示のフランジを介して、トルクコンバータハウジング10の後端壁10bに対してボルトで固定されている。
【0016】
クラッチハウジング20は、密閉された内部空間20aを有する。内部空間20aには、不図示のクラッチが配置される。クラッチは、油圧作動式の湿式多板クラッチである。クラッチの作動油は、トルクコンバータの内部に充填されているオイルと同じクラッチ作動オイル2である。
【0017】
クラッチの入力軸は、トルクコンバータ出力軸と接続されている。クラッチの出力軸は、クラッチハウジング20の後端壁20bを貫通して、変速機ケース30内に延びている。
【0018】
なお、図1では、クラッチの出力軸が貫通する貫通穴、クラッチの出力軸を後端壁20bに対して軸承する軸受等は省略している。
【0019】
クラッチハウジング20の内部空間20aの下部には、クラッチ作動オイル溜まり20cが設けられている。トルクコンバータハウジング10の後端壁10b内には、クラッチ作動オイル溜まり20cに貯留されたクラッチ作動オイル2を吸い上げて送出するオイルポンプ3が埋設されている。なお、クラッチ作動オイル溜まり20cは、本発明の「第1の貯留部」に相当する。
【0020】
オイルポンプ3は、エンジンにより回転駆動される。なお、オイルポンプ3は他の動力源により駆動されるようにしてもよい。オイルポンプ3としては、広く知られているギヤポンプ、トロコイドポンプ等を採用することができる。なお、オイルポンプ3は、上述の形式には限定されない。
【0021】
オイルポンプ3は、クラッチ作動オイル溜まり20cに貯留されたクラッチ作動オイル2を、後端壁10bの内部に設けられた吸入油路3aを介して吸い上げる。オイルポンプ3から送出されたクラッチ作動オイル2は、後端壁10bの内部に設けられた送出油路3bを流通して、熱交換器4へ送られる。
【0022】
そして、熱交換器4で、クラッチ作動オイル2とエンジン水冷系との熱交換が行われる。エンジン水冷系は、典型的には、エンジン内部を冷却するための冷却回路を循環する冷却水である。エンジン水冷系は、エンジン始動直後から、適正な温度範囲(例えば、80℃程度)を維持する。
【0023】
そのため、クラッチ作動オイル2の温度が低い場合には、クラッチ作動オイル2とエンジン水冷系との熱交換により、クラッチ作動オイル2を加熱し、クラッチ作動オイル2を早期に適正温度まで昇温させることができる。また、クラッチ作動オイル2の温度が過熱状態となった場合には、クラッチ作動オイル2の温度を適正温度まで冷却することができる。
【0024】
熱交換器4を通過したクラッチ作動オイル2は、第2油路3cを流通して、クラッチ作動オイル溜まり20cへ戻る。
【0025】
変速機ケース30は、例えばアルミ合金製または鉄系合金製であって、前方が開口した有底筒状をなしている。変速機ケース30は、開口部に設けられた不図示のフランジを介して、クラッチハウジング20の後端壁20bに対してボルトで固定されている。
【0026】
変速機ケース30は、密閉された内部空間30aを有する。内部空間30aの下部には、ギヤオイル5が貯留されるギヤオイル溜まり30cが設けられている。なお、ギヤオイル溜まり30cは、本発明の「第2の貯留部」に相当する。
【0027】
次に、図2を参照して、クラッチ作動オイル溜まり20cに貯留されたクラッチ作動オイル2と、ギヤオイル溜まり30cに貯留されたギヤオイル5との熱交換を促進させる、熱交換促進部40の詳細について説明する。図2は、図1における熱交換促進部40を拡大して示す部分拡大図である。
【0028】
図2に示すように、クラッチハウジング20の後端壁20bには、後端壁20bの前面20dから前方向へ突出した複数のリブ20eと、後端壁20bの後面20fから後方向へ突出した複数のリブ20gとが設けられている。熱交換促進部40は、これらのリブ20e、20gにより構成されている。
【0029】
リブ20eは、前後方向および左右方向に延在しており、上面視で略矩形状をなす。なお、上面視におけるリブ20eの形状は矩形には限定されず、三角形状、半円形状等、様々な形状とすることができる。また、リブ20eの延在方向についても前後方向および左右方向には限定されず、例えば、上下方向および左右方向に延在していてもよい。
【0030】
リブ20gは、前後方向および左右方向に延在しており、上面視で略矩形状をなす。なお、上面視におけるリブ20gの形状は矩形には限定されず、リブ20eと同様に、三角形状、半円形状等、様々な形状とすることができる。また、リブ20gの延在方向についても、前後方向および左右方向には限定されず、例えば、上下方向および左右方向に延在していてもよい。
【0031】
以上説明したように、本実施形態によれば、クラッチ作動オイル溜まり20cとギヤオイル溜まり30cとを仕切るクラッチハウジング20の後端壁20bに、前後方向へ突出する複数のリブ20e、20fを設けた。
【0032】
これにより、クラッチ作動オイル溜まり20cに貯留されたクラッチ作動オイル2と、ギヤオイル溜まり30cに貯留されたギヤオイル5との間での熱交換を促進させることができる。そのため、クラッチ作動オイル2とギヤオイル5との間で効率よく熱交換を行うことが可能となる。
【0033】
また、本実施形態によれば、エンジン冷却水とクラッチ作動オイル2との間で熱交換を行わせる熱交換器4を設けた。これにより、熱交換器4で昇温されたクラッチ作動オイル2を用いて、ギヤオイル5を昇温させることができる。そのため、ギヤオイル5を早期に昇温させることが可能となる。
【0034】
なお、上述の実施形態では、熱交換促進部40を、クラッチハウジング20の後端壁20bに設けたリブ20e、20gにより構成したが、これに限定されない。熱交換促進部40の変形例について、図3図6を参照して簡単に説明する。
【0035】
図3は、第1の変形例を示す図であり、図2に対応する断面図である。なお、第1の変形例において、特に説明を行わない内容については、上述の実施形態と同様である。
【0036】
クラッチハウジング120の後端壁120bには、前後方向へ貫通する複数の孔120dが設けられている。そして、この孔120dに対して、熱交換促進部材140が挿入されている。孔120dと熱交換促進部材140との間は、液密にシールされている。
【0037】
熱交換促進部材140は、例えば、銅などの熱伝導率に優れた金属からなる板状部材である。熱交換促進部材140は、前後方向および左右方向に延在している。なお、熱交換促進部材140の延在方向はこれに限定されない。例えば、熱交換促進部材140は、上下方向および左右方向に延在していてもよい。
【0038】
熱交換促進部材140の前端は、後端壁120bの前面120eよりも前方に突出している。また、熱交換促進部材140の後端は、後端壁120bの後面120fよりも後方に突出している。
【0039】
第1の変形例によれば、熱交換促進部材140を、熱伝導率に優れた金属により構成したので、効率よくクラッチ作動オイル2とギヤオイル5との間での熱交換を実現できる。
【0040】
図4は、第2の変形例を示す図であり、図2に対応する断面図である。なお、第2の変形例において、特に説明を行わない内容については、上述の実施形態と同様である。
【0041】
クラッチハウジング220の後端壁220bには、前後方向へ貫通する孔220dが設けられている。また、孔220dの内周縁には、溝220eが設けられている。溝220eにはOリング250が配置される。なお、溝220eには、Oリング250に代えて他の種類のシール部材を配置してもよい。
【0042】
熱交換促進部材240は、例えば、銅などの熱伝導率に優れた金属からなる部材である。熱交換促進部材240は、上下方向および左右方向へ延在し、孔220dに対して嵌合される固定部240aと、固定部240aから前方向へ突出した複数の第1の板状部240bと、固定部240aから後方向へ突出した複数の第2の板状部240cとを備えている。
【0043】
第1の板状部240bは、前後方向および左右方向に延在している。第2の板状部240cは、前後方向および左右方向に延在している。なお、第1および第2の板状部240b、240cの延在方向はこれに限定されない。例えば、第1および第2の板状部240b、240cは、上下方向および左右方向に延在していてもよい。
【0044】
熱交換促進部材240は、後端壁220bの溝220eにOリング250が配置された状態で、孔220dに対して圧入固定される。これにより、孔220dと熱交換促進部材240との間は液密にシールされる。
【0045】
第2の変形例によれば、熱交換促進部材240を、熱伝導率に優れた金属により構成したので、効率よくクラッチ作動オイル2とギヤオイル5との熱交換を実現できる。また、熱交換促進部材240を孔220dに対して圧入により容易に固定することができる。
【0046】
図5は、第3の変形例を示す図であり、図2に対応する断面図である。なお、第3の変形例において、特に説明を行わない内容については、上述の実施形態と同様である。
【0047】
クラッチハウジング320の後端壁320bには、前後方向へ貫通する孔320dが設けられている。また、後端壁320bの後面320eには、孔320dよりも一回り大径の溝320fが設けられている。溝320fにはOリング350が配置される。さらに、溝320fを取り囲むように、ボルト360が螺入される複数のネジ孔320gが設けられている。
【0048】
熱交換促進部材340は、例えば、銅などの熱伝導率に優れた金属からなる部材である。熱交換促進部材340は、上下方向および左右方向へ延在し、後端壁320bの後面320eに対して固定される固定部340aと、固定部340aから前方向へ突出した複数の第1の板状部340bと、固定部340aから後方向へ突出した複数の第2の板状部340cとを備えている。
【0049】
第1の板状部340bは、前後方向および左右方向に延在している。第2の板状部340cは、前後方向および左右方向に延在している。なお、第1および第2の板状部340b、340cの延在方向はこれに限定されない。例えば、第1および第2の板状部340b、340cは、上下方向および左右方向に延在していてもよい。
【0050】
熱交換促進部材340は、後端壁320bの溝320fにOリング350が配置された状態で、後端壁320bに対してボルト360によって固定される。これにより、後端壁320bと熱交換促進部材340との間は液密にシールされる。
【0051】
第3の変形例によれば、熱交換促進部材340を、熱伝導率に優れた金属により構成したので、効率よくクラッチ作動オイル2とギヤオイル5との熱交換を実現できる。また、熱交換促進部材340を後端壁320bに対してボルト360を用いて容易に固定することができる。
【0052】
図6は、第4の変形例を示す図であり、図2に対応する断面図である。なお、第4の変形例において、特に説明を行わない内容については、上述の実施形態と同様である。
【0053】
クラッチハウジング420の後端壁420bには、前後方向へ貫通する孔420dが設けられている。また、後端壁420bの後面420eには、孔420dを取り囲むように段差部420fが設けられている。段差部420fの底面420gには、孔420dよりも一回り大径の溝420hが設けられている。溝420hにはOリング450が配置される。さらに、溝420hよりも外径側に、ボルト460が螺入される複数のネジ孔420jが設けられている。
【0054】
変速機ケース430の前端には、前端壁430bと、外向きフランジ430cとが設けられている。前端壁430bには、前後方向へ貫通する孔430dが設けられている。また、前端壁430bの前面430eには、孔430dを取り囲むように段差部430fが設けられている。段差部430fの底面430gには、孔430dよりも一回り大径の溝430hが設けられている。溝430hにはOリング451が配置される。さらに、溝430hよりも外径側に、ボルト460が挿通される複数の孔430jが設けられている。
【0055】
熱交換促進部材440は、例えば、銅などの熱伝導率に優れた金属からなる部材である。熱交換促進部材440は、上下方向および左右方向へ延在し、クラッチハウジング420の後端壁420bと変速機ケース430とに挟持される固定部440aと、固定部440aから前方向へ突出した複数の第1の板状部440bと、固定部440aから後方向へ突出した複数の第2の板状部440cとを備えている。
【0056】
第1の板状部440bは、前後方向および左右方向に延在している。第2の板状部440cは、前後方向および左右方向に延在している。なお、第1および第2の板状部440b、440cの延在方向はこれに限定されない。例えば、第1および第2の板状部440b、440cは、上下方向および左右方向に延在していてもよい。
【0057】
熱交換促進部材440は、以下の手順でクラッチハウジング420および変速機ケース430に対して固定される。
【0058】
まず、Oリング450を溝420hに配置し、Oリング451を溝430hに配置する。次に、熱交換促進部材440の固定部440aを、段差部420fと、段差部430fとで挟持する。続いて、この状態で、ボルト460をネジ孔420jに対して螺合して、変速機ケース430をクラッチハウジング420に対して固定する。
【0059】
これにより、熱交換促進部材440と後端壁420bとの間、および熱交換促進部材440と前端壁430bとの間はそれぞれ液密にシールされる。
【0060】
第4の変形例によれば、熱交換促進部材440を、熱伝導率に優れた金属により構成したので、効率よくクラッチ作動オイル2とギヤオイル5との熱交換を実現できる。また、熱交換促進部材440をクラッチハウジング420と変速機ケース430とで挟持して容易に固定することができる。
【0061】
また、上述の実施形態では、トルクコンバータハウジング10、クラッチハウジング20および変速機ケース30の3部品からなるものを例に挙げて説明を行ったが、これに限定されない。
【0062】
具体的には、例えば、略円筒形のケースに対して、トルクコンバータを配置する内部空間、クラッチを配置する内部空間および変速機を配置する内部空間をそれぞれ隔壁で仕切るようにしてもよい。
【0063】
また、トルクコンバータは省略されてもよいし、クラッチについても種々の形式のクラッチを採用することができる。さらに、変速機ケースの内部空間に配置される構成部品についても、種々の形式のものを採用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明のオイル温度調整装置は、複数の種類のオイルが用いられる変速機に好適に用いられる。
【符号の説明】
【0065】
1 変速機
2 クラッチ作動オイル
5 ギヤオイル
20 クラッチハウジング
20c クラッチ作動オイル溜まり
20e、20g リブ
30 変速機ケース
30c ギヤオイル溜まり
40 熱交換促進部
140、240、340、440 熱交換促進部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6