(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態にかかる携帯端末、電子機器、および電子システムについて図面を参照して説明する。
【0012】
<実施形態1>
図1は、本発明の一実施形態にかかる電子システムの構成を示す斜視図である。
図2は、本発明の一実施形態にかかる電子システムの内部構成を示すブロック図である。
【0013】
電子システム1は、画像形成装置10と、画像形成装置10と通信可能な携帯端末装置(携帯端末の一例)20とを備えている。携帯端末装置20は、タッチパネル220に対するユーザー操作に基づき種々の指示信号を生成して、当該生成した指示信号を画像形成装置10へ送信することで、画像形成装置10に種々の機能を実行させる。なお、画像形成装置10は、種々の機能を備えた電子機器の一例である。本発明は、画像形成装置10だけでなく、PC(Personal Computer)やデジタルサイネージ装置などの他の電子機器に適用することもできる。
【0014】
まず画像形成装置10の構成について説明する。画像形成装置10は、例えば、コピー機能、プリンター機能、スキャナー機能、およびファクシミリ機能等の複数の機能を兼ね備えた複合機である。画像形成装置10は、装置本体11と、装置本体11の上方に配置された画像読取部110と、画像読取部110と装置本体11との間に設けられた連結部12とから概略構成される。
【0015】
装置本体11は、画像形成部120や給紙部13などを備えて構成されている。
【0016】
画像形成装置10が画像形成動作を行う場合は、画像読取部110により読み取られた画像などに基づいて、画像形成部120が、給紙部13から給紙される記録紙にトナー像を形成する。その後、記録紙上に形成されたトナー像は、不図示の定着部により熱定着される。定着処理の完了した画像形成済みの記録紙は、排出トレイ14に排出される。
【0017】
画像形成装置10の外郭を構成する筐体の前面には、表示部130および操作部150が配置されている。表示部130は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(OLED:Organic Light-Emitting Diode)ディスプレイを含んで構成される。
【0018】
操作部150は、例えば、メニューを呼び出すメニューキー、メニューを構成するGUIのフォーカスを移動させる矢印キー、メニューを構成するGUIに対して確定操作を行う決定キー等を備えるハードキーである。
【0019】
記憶部160は、HDD(Hard Disk Drive)などの大容量の記憶装置である。
【0020】
通信部170は、無線LANボードなどの通信モジュールから構成されるネットワークインターフェイスである。
【0021】
画像形成装置10は、更に、制御ユニット100を備えている。制御ユニット100は、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、および専用のハードウェア回路を含んで構成される。プロセッサーは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などである。制御ユニット100は、記憶部160などに記憶されているプログラムに従った上記プロセッサーによる動作により、動作制御部101、表示制御部102、操作受付部103、および距離検出部104として機能する。但し、上記の各構成は、制御ユニット100によるプログラムに従った動作によらず、それぞれハードウェア回路により構成してもよい。
【0022】
動作制御部101は、画像形成装置10の全体的な動作制御を司る。動作制御部101は、画像読取部110、画像形成部120、表示部130、操作部150、記憶部160、および通信部170などと接続されている。動作制御部101は、接続されている上記各機構の動作制御や、各機構との間での信号またはデータの送受信を行う。特に、動作制御部101は、携帯端末装置20から送信された指示信号に従って、画像読取部110や画像形成部120などの動作を制御することでコピー機能やスキャン機能などの画像処理に関する機能を実行する。
【0023】
表示制御部102は、表示部130による表示動作を制御する機能を有する。
【0024】
操作受付部103は、ハードキーなどの操作部150を用いたユーザー操作を受け付ける機能を有する。
【0025】
距離検出部104は、画像形成装置10と携帯端末装置20との距離を検出する機能を有する。詳細は後述するが、携帯端末装置20には、GPS(Global Positioning System)信号を受信可能なGPS受信部250が設置されている。携帯端末装置20は、GPS受信部250が受信したGPS信号、または当該GPS信号から特定される携帯端末装置20の位置を示す位置情報を画像形成装置10へ送信する。距離検出部104は、携帯端末装置20から送信された上記のGPS信号や位置情報に基づいて、携帯端末装置20の位置を特定する。更に、距離検出部104は、ユーザーから操作部150などを用いて画像形成装置10の位置情報が入力されている場合には、当該入力された位置情報から、画像形成装置10の位置を特定する。また、画像形成装置10がGPS受信部(不図示)を備えている場合には、当該GPS受信部が取得したGPS信号から画像形成装置10の位置を特定してもよい。距離検出部104は、上記の処理により特定した画像形成装置10および携帯端末装置20の位置に基づいて、画像形成装置10と携帯端末装置20との距離を検出する。
【0026】
続いて、携帯端末装置20の構成について説明する。携帯端末装置20は、スマートフォンなどの携帯モバイル機器であって、制御ユニット200、表示部210、タッチパネル220、記憶部230、通信部240、GPS受信部250などを備えている。
【0027】
表示部210は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどから構成される。表示部210は後述する表示制御部202による制御のもと、画像形成装置10への指示を受け付けるための操作画面や設定画面などを表示する。
【0028】
タッチパネル220は、表示部210の前面に配置され、ユーザーによる接触を検知すると、その接触点の座標位置を示す検知信号を後述する操作受付部203などに出力する。
【0029】
記憶部230は、HDDなどの大容量の記憶装置である。
【0030】
通信部240は、無線LANチップなどの通信モジュールから構成されるネットワークインターフェイスである。
【0031】
GPS受信部250は、複数のGPS衛星から送信されるそれぞれのGPS信号を受信して後述する位置検出部204に出力する。
【0032】
制御ユニット200は、プロセッサー、RAM、ROM、および専用のハードウェア回路を含んで構成される。プロセッサーは、例えば、CPU、FPGA、ASICなどである。制御ユニット200は、記憶部230などに記憶されているプログラムに従った上記プロセッサーによる動作により、制御部201、表示制御部202、操作受付部203、位置検出部204、通信制御部205、および記憶制御部206として機能する。但し、上記の各構成は、制御ユニット200によるプログラムに従った動作によらず、それぞれハードウェア回路により構成してもよい。
【0033】
制御部201は、携帯端末装置20の全体的な動作制御を司る。制御部201は、表示部210、タッチパネル220、記憶部230、通信部240、およびGPS受信部250などと接続されている。制御部201は、接続されている上記各機構の動作制御や、各機構との間での信号またはデータの送受信を行う。
【0034】
表示制御部202は、表示部210による表示動作を制御する機能を有する。
【0035】
操作受付部203は、タッチパネル220から出力される検知信号に基づき、タッチパネル220に対するユーザー操作を受け付ける機能を有する。
【0036】
位置検出部204は、携帯端末装置20の位置を検出する機能を有する。GPS受信部250から出力された複数のGPS信号には、それぞれのGPS信号を送信した各GPS衛星の位置および送信時刻に関する情報が含まれている。位置検出部204は、これらのGPS信号の位置および送信時刻に関する情報に基づいて携帯端末装置20の位置を算出することができる。
【0037】
通信制御部205は、通信部240による通信動作を制御する機能を有する。
【0038】
記憶制御部206は、記憶部230による記憶動作を制御する機能を有する。
【0039】
図3は、表示部210に表示される操作画面の一例を示す図である。
図3に示す操作画面D1には、画像形成装置が実行可能な各機能に対応付けられた複数の操作ボタンd1〜d6が配置されている。通信制御部205は、操作ボタンd1〜d6に対する選択操作を操作受付部203が受け付けた場合、当該選択された操作ボタンに対応する機能を実行させる指示信号を生成する。そして、通信制御部205は、当該生成した指示信号を画像形成装置10へ通信部240に送信させる。
【0040】
図4は、画像形成装置10の動作の流れを示すフローチャートである。通信部170が携帯端末装置20から送信された指示信号を受信した場合(ステップS10においてYES)、動作制御部101は、当該指示信号を送信した携帯端末装置20が画像形成装置10の配置された位置から予め定められた距離以内に位置しているか否かを判定する処理を行う(ステップS11)。動作制御部101は、距離検出部104が既述の処理により取得した距離を示す情報を用いて上記のステップS11の処理を行う。
【0041】
指示信号を送信した携帯端末装置20が画像形成装置10の配置された位置から予め定められた距離外に位置している場合(ステップS11においてNO)、画像形成装置10は処理を終了する。すなわち、予め定められた距離外に位置する携帯端末装置20から指示信号が送信された場合、画像形成装置10は、当該指示信号に示される処理を実行しない。一方、指示信号を送信した携帯端末装置20が画像形成装置10の配置された位置から予め定められた距離内に位置している場合(ステップS11においてYES)、画像形成装置10は、ステップS12以降の処理を実行する。
【0042】
図5に示す例では、画像形成装置10は、予め定められた距離L以内に位置している携帯端末装置20P、20Q、20Rから送信された指示信号に基づく機能を実行し、予め定められた距離Lよりも外側に位置している携帯端末装置20Sから指示信号が送信された場合であっても、当該指示信号に基づく機能を実行しない。
【0043】
図4に戻って、動作制御部101は、ステップS10の処理で受信した指示信号に示される機能と同じ機能を実行させる指示信号が他の携帯端末装置20から送信されたか否かを判定する(ステップS12)。ステップS10の処理で受信した指示信号に示される機能と同じ機能を実行させる指示信号が他の携帯端末装置20から送信されていない場合(ステップS12においてNO)、動作制御部101は、ステップS10の処理で受信した指示信号に示される機能を実行する(ステップS16)。例えば、ステップS10の処理で画像形成機能を実行させる指示信号を受信して、他の携帯端末装置20からファックス機能を実行させる指示信号を受信した場合、当該画像形成機能の実行とファックス機能の実行とは互いに干渉しない機能であるため、動作制御部101は、どちらの指示信号を優先して機能を実行すればよいのかを決定する必要がない。
【0044】
一方、ステップS10の処理で受信した指示信号に示される機能と同じ機能を実行させる指示信号が他の携帯端末装置20から送信されている場合(ステップS12においてYES)、動作制御部101は、画像形成装置10の配置位置から予め定められた距離以内に位置する複数の携帯端末装置20のうちの最も近い位置に位置する携帯端末装置20から送信された指示信号に示される機能を実行する(ステップS13)。
図5に示す例では、動作制御部101は、携帯端末装置20Pから送信された指示信号に示される機能を実行する。
【0045】
そして、最も近い位置に位置する携帯端末装置20から送信された指示信号に示される機能の実行が完了した場合に(ステップS14においてYES)、動作制御部101は、次に近い位置に位置する携帯端末装置20から送信された指示信号に示される機能を実行する(ステップS15)。
図5に示す例では、動作制御部101は、携帯端末装置20Rから送信された指示信号に示される機能を実行する。
【0046】
動作制御部101は、上記のステップS13〜ステップS15の処理を繰り返し実行することにより、画像形成装置10の配置位置から予め定められた距離以内に位置する複数の携帯端末装置20から送信された全ての指示信号に示された機能を順次実行する。例えば、ステップS10の処理で画像形成機能を実行させる指示信号を受信して、他の携帯端末装置20から画像形成機能を実行させる指示信号を受信した場合、互いの指示信号に示された機能が干渉してしまう。この点、本発明では上記の処理を行うことにより、より優先度が高い指示信号に基づいて機能を実行することが可能となる。
【0047】
<実施形態2>
実施形態2にかかる携帯端末装置20では、表示制御部202が、携帯端末装置20の位置と画像形成装置10の位置との位置関係に応じて、表示部210が表示する操作画面に設けられた複数の操作ボタンの内容を変更する。
【0048】
図6は、記憶部230に記憶されているデータの一例を示す図である。本図に示すように、記憶部230には、画像形成装置10が実行可能な各機能について、当該各機能に対応する携帯端末装置20と画像形成装置10との間の距離を示すテーブル情報T(対応関係情報)が予め記憶されている。具体的には、テーブル情報Tには、携帯端末装置20と画像形成装置10との間の距離が予め定められた第1の距離A以下である場合に、画像形成装置10が実行可能な複数の機能のうちの全ての機能を携帯端末装置20から指示可能にすること、および、操作画面D1に設けられた全ての操作ボタンd1〜d6を表示することが示されている。また、テーブル情報Tには、携帯端末装置20と画像形成装置10との間の距離が予め定められた第1の距離Aより大きく、予め定められた第2の距離B以下である場合に、画像形成装置10が実行可能な複数の機能のうちのコピー機能、送信機能、ファックス機能を除く機能を携帯端末装置20から指示可能にすること、および、操作画面D1に設けられた複数の操作ボタンd4〜d6の操作ボタンを表示することが示されている。更に、テーブル情報Tには、携帯端末装置20と画像形成装置10との間の距離が予め定められた第2の距離Bより大きい場合に、画像形成装置10が実行可能な複数の機能のうちの全ての機能を携帯端末装置20から指示不可能にすること、および、操作画面D1に設けられた全ての操作ボタンd1〜d6を非表示することが示されている。
【0049】
表示制御部202は、位置検出部204が算出する携帯端末装置20と画像形成装置10との間の距離、および、記憶部230が記憶した上記のテーブル情報Tを用いて、操作画面に設けられた複数の操作ボタンの内容を変更させる。例えば、
図7に示す例において、画像形成装置10との間の距離が予め定められた第1の距離A以下である携帯端末装置20Aの表示部210には、
図3に示すような操作画面D1が表示される。また、画像形成装置10との間の距離が予め定められた第1の距離Aより大きく、予め定められた第2の距離B以下である携帯端末装置20Bの表示部210には、
図8(A)に示すような操作画面D1が表示される。
図8(A)に示す操作画面D1では、コピー機能、送信機能、ファックス形態に対応付けられた操作ボタンd1〜d3の表示態様が
図3に示した状態から変更されている。通信制御部205は、操作受付部203が上記の操作ボタンd1〜d3に対する選択操作を受け付けた場合、当該選択された操作ボタンd1〜d3に対応する機能を実行させる指示信号を生成せず、指示信号を通信部240に画像形成装置10へ送信させない。一方、操作受付部203が表示態様が変更されていない操作ボタンd4〜d6に対する選択操作を受け付けた場合、通信制御部205は、当該選択された操作ボタンd4〜d6に対応する機能を実行させる指示信号を生成し、指示信号を通信部240に画像形成装置10へ送信させる。また、画像形成装置10との間の距離が予め定められた第
2の距離Bより大きい携帯端末装置20Cの表示部210には、
図8(B)に示すような操作画面D1が表示される。
図8(B)に示す操作画面D1では、操作画面D1に配置された全ての操作ボタンd1〜d6の表示態様が
図3に示した状態から変更されている。通信制御部205は、操作受付部203が上記の操作ボタンd1〜d6に対する選択操作を受け付けた場合、当該選択された操作ボタンd1〜d6に対応する機能を実行させる指示信号を生成せず、指示信号を通信部240に画像形成装置10へ送信させない。
【0050】
図9は、実施形態2にかかる携帯端末装置20の動作の流れを示すフローチャートである。操作受付部203が操作画面の表示指示を受け付けた場合(ステップS20においてYES)、位置検出部204は、携帯端末装置20と画像形成装置10との間の距離を算出する(ステップS21)。
【0051】
そして、携帯端末装置20と画像形成装置10との間の距離が予め定められた第1の距離A以下である場合(ステップS22においてYES)、表示制御部202は、表示部210に全ての操作ボタンを通常の表示形態で表示させる(ステップS23)。一方、携帯端末装置20と画像形成装置10との間の距離が予め定められた第1の距離Aより大きく、予め定められた第2の距離B以下である場合(ステップS24においてYES)、表示制御部202は、表示部210に、画像形成に関する機能に対応付けられた操作ボタン以外の操作ボタンを通常の表示形態で表示させ、画像形成に関する機能に対応付けられた操作ボタンの表示形態を変更させる(ステップS25)。なお、表示制御部202は、上記のステップS25の処理において、画像形成に関する機能に対応付けられた操作ボタンの表示形態を変更させるのではなく、当該操作ボタンを表示部210に表示させないようにしてもよい。
【0052】
すなわち、上記のステップS22〜ステップS25の処理では、表示制御部202は、携帯端末装置20と画像形成装置10との間の距離が第1の距離A以下である場合に、操作画面D1に設けられた複数の操作ボタンを画像形成に関する機能に対応付けられた操作ボタンを含むように変更し、距離が第1の距離Aより大きい場合に、操作画面D1に設けられた複数の操作ボタンを画像形成に関する機能に対応付けられた操作ボタンを含まないように変更させている。
【0053】
携帯端末装置20と画像形成装置10との間の距離が予め定められた第2の距離Bより大きい場合(ステップS24においてNO)、表示制御部202は、表示部210に、全ての操作ボタンの表示形態を変更させる(ステップS26)。なお、表示制御部202は、上記のステップS26の処理において、全ての操作ボタンの表示形態を変更させるのではなく、当該操作ボタンを表示部210に表示させないようにしてもよい。すなわち、上記のステップS26の処理では、表示制御部202は、携帯端末装置20と画像形成装置10との間の距離が第2の距離Bより大きい場合に、操作画面D1に設けられた複数の操作ボタンの全てを実行不可能な表示に変更させている。
【0054】
ステップS23、ステップS25、ステップS26の処理後、操作受付部203が操作画面D1に通常の表示形態で表示された操作ボタンに対する選択操作を受け付けた場合(ステップS27においてYES)、通信制御部205は、選択された操作ボタンに関連付けられた機能を実行させる指示信号を生成および送信させる処理を実行する(ステップS28)。一方、操作受付部203が表示形態が変更された操作ボタンに対する選択操作を受け付けた場合(ステップS29においてYES)、通信制御部205は、選択された操作ボタンに関連付けられた機能を実行させる指示信号を生成しない(ステップS30)。
【0055】
以上のように実施形態2にかかる携帯端末装置20によれば、携帯端末装置20と画像形成装置10との間の距離に応じて、携帯端末装置20が画像形成装置10に指示できる内容を制限することができる。
【0056】
<補足1>
上記の実施形態2では、操作受付部203が表示形態の変更された操作ボタンに対する選択操作を受け付けた場合、通信制御部205が選択された操作ボタンに関連付けられた機能を実行させる指示信号を生成しない場合を説明した。しかしながら、本発明は必ずしもこの場合に限定されない。例えば、操作受付部203が表示形態の変更された操作ボタンに対する選択操作を受け付けた場合であって、かつ、当該選択操作が予め定められた回数(例えば3回)以上連続して入力されたものである時には、通信制御部205は当該選択された操作ボタンに対応付けられた機能を実行させる指示信号を通信部240に送信させてもよい。
【0057】
<補足2>
図10に示すように、予め定められた第3の距離M以内に画像形成装置10A、10Bが複数存在する場合に、表示制御部202は、当該画像形成装置10A、10Bのそれぞれついて実行させる機能を受け付けるための複数の操作画面を一画面内に収めた画面D3を表示部210に表示させてもよい(
図11(A)参照)。
【0058】
また、表示制御部202は、予め定められた第3の距離M以内に画像形成装置10A、10Bが複数存在する場合に、携帯端末装置20と画像形成装置10A、10Bのそれぞれとの間の距離に応じて、上記の一画面内における操作画面の大きさを変更させてもよい(
図11(B)参照)。すなわち、表示制御部202は、携帯端末装置20と画像形成装置10A、10Bのそれぞれとの間の距離が近づくほど、操作画面の大きさが大きくなるように表示部210に画面D3を表示させる。
【0059】
また、表示制御部202は、予め定められた第3の距離M以内に画像形成装置10A、10Bが複数存在する場合に、当該複数の画像形成装置10A、10Bのうちの携帯端末装置20に最も近い位置に位置する画像形成装置(
図10に示す例では画像形成装置10A)に実行させる機能を受け付けるための操作画面を表示部210に表示させてもよい。
【0060】
図10に示す状態から携帯端末装置20の位置が紙面下方向に変位した場合、表示部210に表示される操作画面が、画像形成装置10Aに実行させる機能を受け付けるための操作画面から、画像形成装置10Bに実行させる機能を受け付けるための操作画面に切り替わる。この操作画面の切り替わり時において、表示制御部202は、切り替わり後の操作画面に示される画像形成装置10Bに関する配置位置や名称などの情報を切り替わり後の操作画面に表示させてもよい。
【0061】
<補足3>
また、当該第2実施形態では、携帯端末装置20が位置検出部204を備えるものとしているが、携帯端末装置20は位置検出部204を備えず、画像形成装置10がこれと同様の位置検出部を備えるようにしてもよい。この場合、画像形成装置10の通信部(機器側通信部)170及び携帯端末装置20の通信部240は、例えば無線LANによって通信し、画像形成装置10の位置検出部は、当該通信時の携帯端末装置20からの信号(例えば強度等)に応じて携帯端末装置20の位置を検出する。画像形成装置10の距離検出部104は、予め記憶している画像形成装置10の位置と、当該検出した携帯端末装置20の位置とに基づいて、画像形成装置10と携帯端末装置20との距離を、画像形成装置10及び携帯端末装置20の位置関係として検出する。通信部170は、当該位置関係を携帯端末装置20に向けて随時に送信する。携帯端末装置20では、通信部240が当該位置関係を受信し、表示制御部202が、当該位置関係(画像形成装置10と携帯端末装置20との距離)及び上記テーブル情報Tを用いて、操作画面に設けられた複数の操作ボタンの内容を変更させる処理を行う。なお、画像形成装置10の位置検出部及び距離検出部104は、特許請求の範囲における機器側位置検出部の一例となる。
【0062】
<実施形態3>
既述の通り、携帯端末装置20の記憶部230には、画像形成装置10が実行可能な各機能について当該各機能に対応する携帯端末装置20の位置と画像形成装置10の位置との位置関係を示す対応関係情報が予め記憶されている。当該対応関係情報では、画像形成装置10の機能と、画像形成装置10と携帯端末装置20との位置関係との対応関係により、操作画面に設けられた複数の操作ボタンを画像形成に関する機能に対応付けられた操作ボタンに変更することを許可する第1の領域が定義されている。
図6および
図7に示す例では、画像形成装置10の配置位置を中心とした半径Aの円形領域が上記の第1の領域となる。また、対応関係情報には、画像形成装置10の機能と、画像形成装置10と携帯端末装置20との位置関係との対応関係により、上記の第1の領域とは異なる第2の領域が更に定義されている。
図6および
図7に示す例では、画像形成装置10の配置位置を中心とした半径Bの円形領域から上記の第1の領域を除いた領域が第2の領域となる。
【0063】
実施形態3にかかる携帯端末装置20は、記憶部230に記憶されている上記の対応関係情報の変更を受け付けるための設定画面を表示部210が表示することで、当該対応関係情報を変更するとともに上位の第1の領域および第2の領域を変更するものである。
【0064】
図12は、設定画面の一例を示す図である。本図に示す設定画面D2には、上記の第1の領域および第2の領域の候補として、4つの領域が示されている。記憶制御部206は、当該設定画面D2中の複数の領域のうちの1つの領域に対する選択操作を操作受付部203が受け付けた場合に、当該選択された1つの領域に基づいて第1の領域および第2の領域を決定する。そして、記憶制御部206は、決定した第1の領域および第2の領域を示す対応関係情報を生成するとともに、当該生成した対応関係情報を記憶部230に記憶させることで対応関係情報を変更する。そして、表示制御部202は、記憶部230に記憶された変更後の対応関係情報を用いて、操作画面D1に設けられた複数の操作ボタンの内容を変更させる。すなわち、表示制御部202は、位置検出部204が検出した携帯端末装置20の位置が対応関係情報に定義される第1の領域内に位置する場合に、操作画面D1に設けられた複数の操作ボタンを画像形成に関する機能に対応付けられた操作ボタンを含むように変更する。また、表示制御部202は、携帯端末装置20の位置が第1の領域外に位置する場合に、操作画面D1に設けられた複数の操作ボタンを画像形成に関する機能に対応付けられた操作ボタンを含まないように変更させる。更に、表示制御部202は、位置検出部204が検出した携帯端末装置の位置が第2の領域外に位置する場合に、操作画面D1に設けられた複数の操作ボタンの全てを実行不可能な表示に変更する。
【0065】
上記のように実施形態3にかかる携帯端末装置20によれば、操作画面に設けられた複数の操作ボタンを画像形成に関する機能に対応付けられた操作ボタンに変更することを許可する第1の領域や第2の領域をユーザー所望の領域に変更することができる。
【0066】
なお、表示制御部202は、対応関係情報の変更を受け付けるための設定画面として、
図13に示すような画面を表示部210に表示させてもよい。
図13に示す設定画面D2では、ユーザーによるスライド操作が受付可能となっている。記憶制御部206は、上記の設定画面D2において入力されたスライド操作における軌跡により囲われた領域に基づいて、第1の領域および第2の領域を決定する。これにより、スライド操作という直感的な操作により、第1の領域や第2の領域をユーザー所望の領域に変更することができる。
【0067】
<実施形態4>
既述の通り、表示制御部202は、位置検出部204が算出した携帯端末装置20と画像形成装置10との間の距離が予め定められた第1の閾値以下である場合に、操作画面D1に設けられた複数の操作ボタンを画像形成装置10に実行させる複数の機能のうちの予め定められた機能(画像形成機能)に対応付けられた操作ボタンを含むように変更し、距離が第1の閾値より大きい場合に、操作画面D1に設けられた複数の操作ボタンを予め定められた機能に対応付けられた操作ボタンを含まないように変更させる。また、表示制御部202は、位置検出部204が算出した携帯端末装置20と画像形成装置10との間の距離が、第1の閾値よりも大きい予め定められた第2の閾値より大きい場合に、操作画面D1に設けられた複数の操作ボタンの全てを実行不可能な表示に変更する。
【0068】
実施形態4にかかる携帯端末装置20では、位置検出部204が算出した携帯端末装置20と画像形成装置10との間の単位時間当たりの距離の変化に基づき、携帯端末装置20の位置が画像形成装置10へ近づいているか、または遠ざかっているかを判定して、その判定結果に基づいて上記の第1の閾値および第2の閾値を変更する。
【0069】
図14は、第1の閾値の変化例を示す図である。本図に示す例では、画像形成装置10に向かう方向への速度を正の速度として、画像形成装置10から離れる方向への速度を負の速度として表している。このように、携帯端末装置20の位置が画像形成装置10へ向かっている場合、携帯端末装置20の位置が画像形成装置10から離れているときよりも第1の閾値の値を増加させている。また、これと同様に第2の閾値の値も、携帯端末装置20の位置が画像形成装置10へ向かっている場合における値を、携帯端末装置20の位置が画像形成装置10から離れている場合における値よりも増加させる。これにより、操作画面D1に設けられた複数の操作ボタンを画像形成に関する機能に対応付けられた操作ボタンに変更することを許可する第1の領域と第2の領域とは、
図15(A)および
図15(B)に示すような状態になる。この結果、ユーザーが画像形成装置10に向かっている場合には、より早く画像形成装置10の指示を入力可能な状態となる。また、ユーザーが画像形成装置10から離れている場合には、より早く画像形成装置10の指示が入力できない状態となる。
【0070】
図16は、実施形態4にかかる携帯端末装置20の動作の流れを示すフローチャートである。操作受付部203が操作画面の表示指示受け付けた場合(ステップS40においてYES)、位置検出部204は、携帯端末装置20と画像形成装置10との間の距離を算出する(ステップS41)。また、位置検出部204は、携帯端末装置20と画像形成装置10との間の単位時間当たりの距離の変化に基づき、携帯端末装置20の位置が画像形成装置10へ近づいているか、または遠ざかっているかを判定する(ステップS42)。
【0071】
携帯端末装置20の位置が画像形成装置10へ近づいている場合(ステップS43においてYES)、表示制御部202は、第1の閾値および第2の閾値を増加させる(ステップS44)。一方、携帯端末装置20の位置が画像形成装置10から離れている場合(ステップS43においてNO)、表示制御部202は、第1の閾値および第2の閾値を減少させる(ステップS45)。
【0072】
そして、携帯端末装置20と画像形成装置10との間の距離がた第1の閾値以下である場合(ステップS46においてYES)、表示制御部202は、表示部210に全ての操作ボタンを通常の表示形態で表示させる(ステップS47)。一方、携帯端末装置20と画像形成装置10との間の距離が第1の閾値より大きく(ステップS46においてNO)、第2の閾値以下である場合(ステップS48においてYES)、表示制御部202は、表示部210に、画像形成に関する機能に対応付けられた操作ボタン以外の操作ボタンを通常の表示形態で表示させ、画像形成に関する機能に対応付けられた操作ボタンの表示形態を変更させる(ステップS49)。
【0073】
すなわち、上記のステップS46〜ステップS49の処理では、表示制御部202は、携帯端末装置20と画像形成装置10との間の距離が第1の閾値以下である場合に、操作画面D1に設けられた複数の操作ボタンを画像形成に関する機能に対応付けられた操作ボタンを含むように変更し、距離が第1の閾値より大きい場合に、操作画面D1に設けられた複数の操作ボタンを画像形成に関する機能に対応付けられた操作ボタンを含まないように変更させている。
【0074】
携帯端末装置20と画像形成装置10との間の距離が第2の閾値より大きい場合(ステップS48においてNO)、表示制御部202は、表示部210に、全ての操作ボタンの表示形態を変更させる(ステップS50)。なお、表示制御部202は、上記のステップS50の処理において、全ての操作ボタンの表示形態を変更させるのではなく、当該操作ボタンを表示部210に表示させないようにしてもよい。すなわち、上記のステップS50の処理では、表示制御部202は、携帯端末装置20と画像形成装置10との間の距離が第2の閾値より大きい場合に、操作画面D1に設けられた複数の操作ボタンの全てを実行不可能な表示に変更させている。
【0075】
ステップS47、ステップS49、ステップS50の処理後、操作受付部203が操作画面D1に通常の表示形態で表示された操作ボタンに対する選択操作を受け付けた場合(ステップS51においてYES)、通信制御部205は、選択された操作ボタンに関連付けられた機能を実行させる指示信号を生成および送信させる処理を実行する(ステップS52)。一方、操作受付部203が表示形態が変更された操作ボタンに対する選択操作を受け付けた場合(ステップS53においてYES)、通信制御部205は、選択された操作ボタンに関連付けられた機能を実行させる指示信号を生成しない(ステップS54)。
【0076】
<補足1>
表示制御部202は、位置検出部204が携帯端末装置20の位置が画像形成装置10へ近づいていることを判定した場合において、携帯端末装置20の移動速度が速くなるにつれて第1の閾値および第2の閾値の値の増加量を大きくし、位置検出部204が携帯端末装置20の位置が画像形成装置10から離れていることを判定した場合において、携帯端末装置の移動速度が速くなるにつれて第1の閾値および第2の閾値の値の減少量を大きくしてもよい。この場合、第1の閾値は
図17に示すように変化する。このように、画像形成装置10へ近づく携帯端末装置20の移動速度が速くなるにつれて、第1の閾値の値がL→L+1→L+2というように増加している。また、画像形成装置10から遠ざかる携帯端末装置20の移動速度が速くなるにつれて、第1の閾値の値がL→L−1→L−2というように減少している。この結果、ユーザーがより速い速度で画像形成装置10に向かっている場合には、より早く画像形成装置10の指示を入力可能な状態にすることができる。また、ユーザーがより速い速度で画像形成装置10から離れている場合には、より早く画像形成装置10の指示が入力できない状態とすることができる。
【0077】
<補足2>
また、当該第4実施形態では、携帯端末装置20が位置検出部204を備えるものとしているが、携帯端末装置20は位置検出部204を備えず、画像形成装置10がこれと同様の位置検出部を備えるようにしてもよい。この場合、画像形成装置10の通信部(機器側通信部)170及び携帯端末装置20の通信部240は、例えば無線LANによって通信し、画像形成装置10の位置検出部は、当該通信時の携帯端末装置20からの信号(例えば強度等)に応じて携帯端末装置20の位置を検出する。画像形成装置10の距離検出部104は、予め記憶している画像形成装置10の位置と、当該検出した携帯端末装置20の位置とに基づいて、画像形成装置10と携帯端末装置20の機器間距離を検出する。更に、画像形成装置10の位置検出部は、当該機器間距離の変化に基づき、前記携帯端末の位置が前記電子機器へ近づいているか、または遠ざかっているかを判定する。通信部170は、当該判定の結果を携帯端末装置20に向けて随時に送信する。携帯端末装置20では、通信部240が当該判定の結果を受信し、表示制御部202が、当該判定の結果(携帯端末装置20の位置が画像形成装置10へ近づいているか、または遠ざかっているかを示す情報)を用いて、上述した、第1の閾値の値及び第2の閾値を増減させる処理を行う。なお、画像形成装置10の位置検出部及び距離検出部104は、特許請求の範囲における電子機器側位置検出部の一例となる。
【0078】
<補足3>
また、上記第4実施形態では、携帯端末装置20の表示制御部202は、(a)通信部240によって画像形成装置10から受信された上記判定結果が、携帯端末装置20の位置が画像形成装置10へ近づいていることを示す場合に、上記第1の閾値及び第2の閾値の値を増加させて、当該増加後の第1の閾値及び第2の閾値の値を、上述した操作ボタンを操作画面D1に含ませるか否かを表示制御する処理において用いる、(b)上記判定結果が携帯端末装置20の位置が画像形成装置10から遠ざかっていることを示す場合に、上記第1の閾値及び第2の閾値の値を減少させて当該減少後の第1の閾値及び第2の閾値の値を、上述した操作ボタンを操作画面D1に含ませるか否かを表示制御する処理において用いる、の両方を行うものとしているが、これに限定されず、上記(a)又は上記(b)のいずれかのみを行うものとしてもよい。