(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
<情報処理システムの構成>
先ず、情報処理システム100の概略構成について、
図1を参照して説明する。
図1は、情報処理システム100の概略構成を示す図である。
図1に示すように、本実施形態の情報処理システム100は、人事情報管理サーバ1(情報処理装置)と、業務情報管理サーバ2と、複数の端末装置3(第1のユーザ端末、第2のユーザ端末)とを備えている。また、人事情報管理サーバ1と、業務情報管理サーバ2と、端末装置3とは、通信ネットワーク4を介して情報通信可能に接続されている。
【0011】
人事情報管理サーバ1は、従業員等の人事情報を管理するための人事情報管理システムのクラウドサービスをユーザに提供し、業務情報管理サーバ2は、各種業務に係る情報(例えば、健康保険組合に係る業務の情報)を管理するための業務情報管理システムのクラウドサービスをユーザに提供する。人事情報管理システム及び業務情報管理システムには、それぞれ別個の認証情報による認証に成功した場合にアクセスすることができる。したがって、人事情報管理システムの認証情報では業務情報管理システムにログインすることはできず、また、業務情報管理システムの認証情報では人事情報管理システムにログインすることはできないようになっている。ただし、業務情報管理システムにログインしたユーザは、人事情報管理システムの認証情報を保有していなくても、人事情報管理システムの一部の機能を利用することができるようになっている。反対に、人事情報管理システムにログインしたユーザは、業務情報管理システムの認証情報を保有していなくても、業務情報管理システムの一部の機能を利用することができるようになっている。すなわち、人事情報管理システムと業務情報管理システムは、各々のシステムの機能を相互利用可能な関係にある。なお、本実施の形態では、簡単のため、業務情報管理システムにログインしたユーザが、人事情報管理システムの機能を利用する際に必要な構成を説明しているが、実際には、上述した相互利用を可能にするための構成を、人事情報管理サーバ1と業務情報管理サーバ2が夫々有しているものとする。このように各々のシステムの機能の相互利用を行う場合の動作については、後に詳述する。
【0012】
人事情報管理サーバ1は、人事情報に係る人事情報DB(データベース)を記憶し、管理する。また、人事情報管理サーバ1は、種々のプログラムを実行することで、人事情報DBに関する各種データ処理(例えば、人事情報のデータの登録、編集、電子帳票(電子文書)としての表示や印刷などに係る機能を実現するための処理)を行う。
【0013】
業務情報管理サーバ2は、業務情報DBを記憶し、管理する。また、業務情報管理サーバ2は、種々のプログラムを実行することで、業務情報DBに関する各種データ処理(例えば、業務情報のデータの登録、編集、電子帳票としての表示や印刷などに係る機能を実現するための処理)を行う。
【0014】
端末装置3は、例えば、人事情報管理システムや業務情報管理システムのユーザが所持する端末装置である。この端末装置3としては、例えば、スマートフォン、タブレットPC(Personal Computer)、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、ノートPC、デスクトップPC等が挙げられる。
また、端末装置3は、ユーザの入力操作を受け付けて人事情報管理サーバ1や業務情報管理サーバ2に送信し、各サーバから送信されて受信した情報を表示する。
【0015】
通信ネットワーク4は、例えば、インターネットであるものとするが、LAN(Local Area Network)等、他のネットワークとしてもよい。
【0016】
図2は、人事情報管理サーバ1の機能的構成を示すブロック図である。
図2に示すように、人事情報管理サーバ1は、CPU11(Central Processing Unit)(受付手段、承認手段、設定手段、通知手段、判別手段、制限解除手段、表示制御手段)と、RAM12(Random Access Memory)と、記憶部13と、操作部14と、表示部15と、通信部16とを備えている。また、人事情報管理サーバ1の各部は、バス17を介して接続されている。
【0017】
CPU11は、人事情報管理サーバ1の各部を制御する。CPU11は、記憶部13に記憶されているシステムプログラム及びアプリケーションプログラムのうち、指定されたプログラムを読み出し、RAM12のワークエリアに展開し、当該プログラムに従って各種処理を実行する。
【0018】
RAM12は、例えば、揮発性のメモリであり、CPU11により読み出された各種のプログラムやデータを一時的に格納するワークエリアを有する。
【0019】
記憶部13は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等により構成され、データ及びプログラムを書き込み及び読み出し可能な記憶部である。また、記憶部13は、プログラム13a、アカウントDB13b、人事情報DB13c、帳票出力テーブル13d、社員テーブル13e、出力項目テーブル13f、利用目的テーブル13g、利用目的社員テーブル13h、利用目的出力項目テーブル13i、申請社員テーブル13j、申請出力項目テーブル13k、制限解除テーブル13l、制限項目テーブル13m、キーワードテーブル13nなどを記憶している。
【0020】
プログラム13aは、CPU11により実行される上述の各種システムプログラム及びアプリケーションプログラムを含む。
アカウントDB13bは、人事情報管理システムのユーザのアカウント(以下では、人事アカウントとも記す)に係る情報が登録されている。ここで、アカウントに係る情報には、アカウントごとに固有のID、メールアドレス及びパスワードが含まれる。本実施形態では、ID又はメールアドレスと、パスワードとの組み合わせにより認証情報が構成される。
人事情報DB13cは、人事情報管理システムにおける管理対象の人事情報が登録されたデータベースである。
また、上記の各テーブル13d〜13nは、電子帳票(例えば、社員台帳)の利用申請(表示申請)や、当該利用申請がなされた電子帳票の表示などに用いられるテーブルデータであり、詳細については後述する。
【0021】
操作部14は、例えば、キーボード等のキー入力部と、マウス等のポインティングデバイスとを有している。また、操作部14は、キー入力及び位置入力を受け付け、その操作情報をCPU11に出力する。
【0022】
表示部15は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等から構成されている。また、表示部15には、CPU11から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。
【0023】
通信部16は、例えば、ネットワークカード等により構成されている。また、通信部16は、通信ネットワーク4に通信接続されて、通信ネットワーク4上の機器(例えば、端末装置3等)との通信を行う。
【0024】
図3は、業務情報管理サーバ2の機能的構成を示すブロック図である。
図3に示すように、業務情報管理サーバ2は、CPU21と、RAM22と、記憶部23と、操作部24と、表示部25と、通信部26とを備えている。また、業務情報管理サーバ2の各部は、バス27を介して接続されている。
【0025】
CPU21は、業務情報管理サーバ2の各部を制御する。CPU21は、記憶部23に記憶されているシステムプログラム及びアプリケーションプログラムのうち、指定されたプログラムを読み出し、RAM22のワークエリアに展開し、当該プログラムに従って各種処理を実行する。
【0026】
RAM22は、例えば、揮発性のメモリであり、CPU21により読み出された各種のプログラムやデータを一時的に格納するワークエリアを有する。
【0027】
記憶部23は、例えば、HDD、SSD等により構成され、データ及びプログラムを書き込み及び読み出し可能な記憶部である。また、記憶部23は、プログラム23a、アカウントDB23b、業務情報DB23cなどを記憶している。
【0028】
プログラム23aは、CPU21により実行される上述の各種システムプログラム及びアプリケーションプログラムを含む。
アカウントDB23bは、業務情報管理システムのユーザのアカウント(以下では、業務アカウントとも記す)に係る情報が登録されている。ここで、アカウントに係る情報には、アカウントごとに固有のID、メールアドレス及びパスワードが含まれる。
業務情報DB23cは、業務情報管理システムにおける管理対象の業務情報が登録されたデータベースである。
操作部24、表示部25及び通信部26の構成は、人事情報管理サーバ1の操作部14、表示部15及び通信部16の構成と同様であるので詳細な説明は省略する。
【0029】
図4は、端末装置3の機能的構成を示すブロック図である。
図4に示すように、端末装置3は、CPU31と、RAM32と、記憶部33と、操作部34と、表示部35(表示手段)と、通信部36とを備えている。また、端末装置3の各部は、バス37を介して接続されている。
【0030】
CPU31は、端末装置3の各部を制御する。CPU31は、記憶部33に記憶されているシステムプログラム及びアプリケーションプログラムのうち、指定されたプログラムを読み出し、RAM32のワークエリアに展開し、当該プログラムに従って各種処理を実行する。その際に、CPU31は、RAM32内に各種処理結果を格納させ、必要に応じてその処理結果を表示部35に表示させる。
【0031】
RAM32は、例えば、揮発性のメモリであり、CPU31により読み出された各種のプログラムやデータを一時的に格納するワークエリアを有する。
【0032】
記憶部33は、例えば、HDD、SSD等により構成され、データ及びプログラムを書き込み及び読み出し可能な記憶部である。また、記憶部33は、プログラム33aを記憶している。プログラム33aは、CPU31により実行される上述の各種システムプログラム及びアプリケーションプログラムを含む。このアプリケーションプログラムとしては、例えば、ユーザの入力操作を受け付け、当該入力操作に基づく情報を人事情報管理サーバ1や業務情報管理サーバ2に送信し、各サーバから送信されて受信した情報を表示部35に表示する機能を実現させる情報表示入力プログラム(所謂ウェブブラウザ)が含まれる。
【0033】
操作部34、表示部35及び通信部36の構成は、人事情報管理サーバ1の操作部14、表示部15及び通信部16の構成と同様であるので詳細な説明は省略する。
【0034】
次に、人事情報管理システム及び業務情報管理システムにログインする方法について説明する。
図5は、人事情報管理システム及び業務情報管理システムにおけるログイン方法を説明する模式図である。
本実施形態の情報処理システム100では、
図5の左側に示されるように、人事アカウント1aを用いて人事情報管理サーバ1による人事情報管理システムにログインすることができる。具体的には、端末装置3において入力され人事情報管理サーバ1に送信された認証情報が、アカウントDB13bに登録されているいずれかの人事アカウント1aの認証情報と一致すると判別された場合に、人事情報管理システムへのログイン処理が行われてログインセッションが開始される。以下では、このような人事情報管理システムへのログイン方法を第1のログイン方法とも記す。
また、
図5の右側に示されるように、業務アカウント2aを用いて業務情報管理サーバ2による業務情報管理システムにログインすることができる。具体的には、端末装置3において入力され業務情報管理サーバ2に送信された認証情報が、アカウントDB23bに登録されているいずれかの業務アカウント2aの認証情報と一致すると判別された場合に、業務情報管理システムへのログイン処理が行われてログインセッションが開始される。
【0035】
人事情報管理システムにログインできる人事アカウント1aは、人事情報管理サーバ1のアカウントDB13bで管理され、業務情報管理システムにログインできる業務アカウント2aは、業務情報管理サーバ2のアカウントDB23bで管理されている。このため、業務情報管理システムへのログインが可能な認証情報で人事情報管理システムにログインすることはできないようになっている。
しかしながら、業務情報管理システムでの作業に人事情報管理システムの情報が必要である場合など、業務情報管理システムの業務アカウント2aを保有しているユーザ(以下、業務情報管理システムユーザと記す)に対して、人事情報管理システムへのアクセスを許可したい場合がある。このような場合に、業務情報管理システムユーザに対して人事情報管理システムの人事アカウント1aを別個に発行すると、アカウント数の増大を招いてアカウントの管理負荷が大きくなるという問題がある。また、このような方法では、業務情報管理システムユーザに対して人事情報管理システムにおける人事情報の開示範囲をコントロールしたいといった要求に対応できないという問題がある。
【0036】
そこで、本実施形態の情報処理システム100では、業務情報管理システムに業務アカウント2aでログインした後、業務情報管理システム上で所定の操作を行うことで業務情報管理システムを経由して人事情報管理システムにログインすることができるようにし、業務情報管理システムを経由したログインでは、人事情報の閲覧のためにさらに別個の認証が要求されるようになっている。これにより、人事情報管理システムのアカウント数の増大を抑制しつつ、業務情報管理システムユーザに対する人事情報の開示をコントロールすることができる。以下では、業務情報管理システムを経由して人事情報管理システムへログインする方法を、第2のログイン方法とも記す。ここで、
図5に示されるように、第2のログイン方法による人事情報管理システムへのログインでは、当該第2のログイン方法においてのみ使用可能な専用アカウント1bが用いられる。また、以下では業務情報管理システムに業務アカウント2aでログインする方法を、第3のログイン方法とも記す。
【0037】
以下、人事情報管理システムへの第2のログイン方法について詳細に説明する。
図6は、業務情報管理システムへのログインを行うためのログイン画面41を示す図である。
ログイン画面41は、端末装置3においてブラウザのプログラムが実行され、業務情報管理サーバ2による業務情報管理システムへのログインを行うための所定のウェブサイトにアクセスした場合に表示部35に表示される画面である。ログイン画面41では、ログインに使用する業務アカウント2aのID又はメールアドレスを入力するテキストボックスA1と、パスワードを入力するテキストボックスA2と、ログインボタンB1とが表示される。
【0038】
端末装置3の操作部34に対する入力操作により、テキストボックスA1にID又はメールアドレスが入力され、テキストボックスA2にパスワードが入力され、この状態でログインボタンB1を選択する入力操作が行われると、入力された認証情報が業務情報管理サーバ2に送信されて、アカウントDB23bに記憶された認証情報と照合される。入力された認証情報が、登録されているいずれかの業務アカウント2aの認証情報と一致した場合(認証情報が適正であると判別された場合)には、業務情報管理サーバ2のCPU21により、当該業務アカウント2aでの業務情報管理システムへのログイン処理が行われてログインセッションが開始される(第3のログイン方法)。
【0039】
図7は、業務情報管理システムにログインした場合の業務情報管理メニュー画面42を示す図である。
この業務情報管理メニュー画面42(業務情報管理システムのトップ画面)では、業務情報管理に係る各種機能を実行させるためのメニューボタンB2と、人事情報管理システムへの第2のログイン方法でのログインを行うためのログインボタンB3と、業務情報管理システムからログアウトするためのログアウトボタンB4とが表示されている。
【0040】
業務情報管理メニュー画面42において、ログインボタンB3を選択する入力操作が行われると、第2のログイン方法での人事情報管理システムへのログインが行われる。
この第2のログイン方法でのログインでは、人事情報管理システム側では、業務情報管理システムを経由した場合に用いられる上述の専用アカウント1b(以下では、この専用アカウント1bの名称を「user01」とする)でのログイン処理が行われる。
【0041】
図8は、業務情報管理システムを経由して人事情報管理システムにログインした場合の初期画面を示す図である。
この初期画面は、第2のログイン方法でログインした業務情報管理システムユーザによる、人事情報管理システムでの人事情報の利用申請状況を一覧表示する申請状況一覧画面51である。ただし、この段階では、未だ利用申請がなされていないため、申請状況に係る表示は行われておらず、人事情報管理システムでの人事情報の利用を申請するための申請画面表示ボタンB5、及び人事情報管理システムからログアウトするためのログアウトボタンB6のみが表示されている。業務情報管理システムユーザは、申請画面表示ボタンB5を選択する入力操作を行うことで、人事情報管理システムの利用申請のための利用申請画面を表示させることができる。
【0042】
図9は、人事情報管理システムの利用申請画面52を示す図である。
利用申請画面52では、申請者名を入力するテキストボックスA3、申請者のメールアドレスを入力するテキストボックスA4、申請者の社員番号を入力するテキストボックスA5、利用開始日時を入力するテキストボックスA6、利用終了日時を入力するテキストボックスA7、利用対象項目(出力項目)や利用対象者(社員)、利用目的を選択する項目選択画面を表示するための項目選択画面表示ボタンB7、及び申請状況一覧画面51に戻るための戻るボタンB8が表示されている。
【0043】
図10及び
図11は、人事情報管理システムの選択操作前の項目選択画面53を示す図であり、
図12は、人事情報管理システムの選択操作後の項目選択画面53の一例を示す図である。
項目選択画面53では、画面中央において、
図10に示される社員台帳(様式1)のサンプル(テンプレート)と、
図11に示される社員台帳(様式2)のサンプル(テンプレート)とのいずれかに切り替えて当該サンプルを表示可能となっている。業務情報管理システムユーザは、これらのサンプルに対応付けられて表示されているタブB9、B10のいずれかを選択する入力操作を行うことで、所望のサンプルを項目選択画面53に表示させることができる。この表示は、人事情報管理サーバ1の記憶部13に記憶されている帳票出力テーブル13dに基づいてなされている。
【0044】
図13(a)は、帳票出力テーブル13dの内容例を示す図である。
帳票出力テーブル13dは、出力される帳票ごとに、帳票の識別番号を示す「帳票コード」、帳票の名称を示す「帳票名」、帳票のX(横)方向のピクセル数を示す「ピクセルX」、帳票のY(縦)方向のピクセル数を示す「ピクセルY」、表示倍率を示す「基準倍率」などが設定されている。
【0045】
また、項目選択画面53では、画面左側上段に表示された利用目的リストL1を参照して、業務情報管理システムユーザの入力操作によって利用目的を選択可能となっている。利用目的リストL1の表示は、人事情報管理サーバ1の記憶部13に記憶されている利用目的テーブル13gの「利用目的コード」及び「利用目的名」の情報に基づいてなされている。
図12の例では、複数ある利用目的のうちから「1 一般事務」に対応するチェックボックスA8を選択する入力操作がなされ、利用目的として「1 一般事務」が選択された状態を示している。
【0046】
図14(a)は、利用目的テーブル13gの内容例を示す図である。
利用目的テーブル13gは、利用目的ごとに、利用目的の識別番号を示す「利用目的コード」、利用目的の名前を示す「利用目的名」、制限解除方式の識別番号を示す「制限解除方式」などが設定されている。制限解除方式は、電子帳票を閲覧する際に当該電子帳票にかけられている表示制限を解除するときの方式であり、具体的には、社員情報、登録キーワード、ワンタイムパスワードなどを入力させる方式(
図22(a)参照)が設定されている。
【0047】
また、項目選択画面53では、画面左側下段に表示される社員リストL2を参照して、業務情報管理システムユーザの入力操作によって利用対象者(社員)を選択可能となっている。社員リストL2の表示は、上述した利用目的テーブル13g、利用目的社員テーブル13h、並びに、社員テーブル13eの「社員コード」及び「社員名」の情報に基づいてなされる。
【0048】
図14(b)は、利用目的社員テーブル13hの内容例を示す図である。
利用目的社員テーブル13hは、社員ごとに、上述した「利用目的コード」、社員の識別番号を示す「社員コード」などが設定されている。
【0049】
図13(b)は、社員テーブル13eの内容例を示す図である。
社員テーブル13eは、社員ごとに、社員の識別番号を示す「社員コード」、社員の漢字等の名前を示す「社員名」、社員の漢字のフリガナ等のカタカナ名を示す「社員名カナ」、社員の性別を示す「性別」、社員の生年月日を示す「生年月日」などが設定されている。
【0050】
図12の例では、上述のように利用目的として「1 一般事務」が選択されているため、利用目的社員テーブル13hと社員テーブル13eから「一般事務」の利用目的コード「1」と対応付けられている社員コード「1001」の「青木 繁」や「1002」の「青木 二郎」などの情報が取得され、社員リストL2に「1001 青木繁」や「1002 青木二郎」などが表示された状態を示している。そして、この社員リストL2のうちから「1001 青木繁」に対応するチェックボックスA12を選択する入力操作がなされ、利用対象者として「1001 青木繁」が選択された状態を示している。なお、社員リストL2に表示される利用対象者が多数の場合、検索テキストを入力するテキストボックスA9及び検索ボタンB11の入力操作により利用対象者を絞り込めるようになっている。
【0051】
また、項目選択画面53では、画面右側に表示された項目リストL3を参照して、業務情報管理システムユーザの入力操作によって利用対象項目(出力項目)を選択可能となっている。項目リストL3の表示は、上述した利用目的テーブル13g、利用目的出力項目テーブル13i、並びに、出力項目テーブル13fの「項目コード」、「項目名」、「枝番」及び「帳票コード」の情報に基づいてなされている。なお、「枝番」が「0」以外の数に設定されているデータは項目リストL3には表示されないようになっている。
【0052】
図14(c)は、利用目的出力項目テーブル13iの内容例を示す図である。
利用目的出力項目テーブル13iは、利用対象項目(出力項目)ごとに、上述した「利用目的コード」、出力項目の識別番号を示す「項目コード」などが設定されている。
【0053】
図13(c)は、出力項目テーブル13fの内容例を示す図である。
出力項目テーブル13fは、出力項目ごとに、出力項目の識別番号を示す「項目コード」、出力項目の名称を示す「項目名」、出力項目の枝番を示す「枝番」、出力項目が含まれる帳票の帳票コードを示す「帳票コード」、帳票内の出力項目の領域のX方向の始点(左上)座標を示す「始点座標X」、帳票内の出力項目の領域のY方向の始点座標を示す「始点座標Y」、帳票内の出力項目の領域のX方向の終点(右下)座標を示す「終点座標X」、帳票内の出力項目の領域のY方向の終点座標を示す「終点座標Y」などが設定されている。
【0054】
図12の例では、上述のように利用目的として「1 一般事務」が選択されているため、利用目的出力項目テーブル13iと出力項目テーブル13fから「一般事務」の利用目的コード「1」と対応付けられている項目コード「1020」の「家族」と「1030」の「家族・学歴」の情報が取得され、項目リストL3に「1020 家族」と「1030 家族・学歴」が表示された状態を示している。そして、この項目リストL3のうちから「1020 家族」に対応するチェックボックスA11を選択する入力操作がなされ、利用対象項目(出力項目)として「1020 家族」が選択された状態を示している。このとき、利用対象項目として「1020 家族」が選択されたことに伴い、社員台帳(様式1)のサンプルの「家族」の項目の領域が太枠表示されるようになっている。この太枠表示は、出力項目テーブル13fの情報に基づいてなされている。
【0055】
また、項目選択画面53では、利用申請画面52に戻るための戻るボタンB12が表示されている。
項目選択画面53において、利用対象者(社員)と利用対象項目(出力項目)が選択された状態で戻るボタンB12を選択する入力操作がなされると、
図15に示すように、上記の項目選択画面53において選択された利用目的、利用対象者及び利用対象項目が反映された状態の利用申請画面52に更新されるようになっている。
図15の例では、社員台帳(様式1)の利用目的として「1 一般事務」が選択され、この社員台帳(様式1)の利用対象者として「1001 青木繁」が選択され、さらに、利用対象項目として「1020 家族」が選択されたことを示している。また、
図15の利用申請画面52では、上記の利用目的、利用対象者及び利用対象項目が反映されたことを契機として、当該画面に表示された内容にて利用申請を実行するための申請ボタンB13が追加表示されている。
業務情報管理システムユーザは、テキストボックスA3〜A7に必要事項を入力した上で申請ボタンB13を選択する入力操作を行うことで、人事情報システムの利用申請を行うことができる。
【0056】
申請ボタンB13を選択して利用申請を行うと、申請状況一覧画面51が
図16のように更新されて表示部35に表示される。
図16の申請状況一覧画面51では、申請済みの利用申請ごとに、「申請No.」、「ログインアカウント」、「利用日時(開始及び終了)」、「ステータス」などが表示されるようになっている。このうち「ステータス」は、人事情報管理システムの管理者による申請の承認状況を示している。
【0057】
他方で、利用申請画面52による利用申請がなされると、
図17(a),(b)のように申請社員テーブル13j及び申請出力項目テーブル13kがそれぞれ更新される。
図17(a)に示す申請社員テーブル13jでは、申請済みの利用申請ごとに、「社員コード」、「ログインアカウント」、「申請No.」、「申請日時」、「ステータス」、「利用目的コード」などの情報が登録されるようになっている。また、
図17(b)の申請出力項目テーブル13kでは、同じく申請済みの利用申請ごとに、「項目コード」、「ログインアカウント」、「申請No.」、「申請日時」、「ステータス」、「利用目的コード」などの情報が登録されるようになっている。
【0058】
また、利用申請画面52による利用申請がなされると、テキストボックスA3〜A7における入力内容、並びに、項目選択画面53において選択された利用目的、利用対象者(社員)及び利用対象項目(出力項目)が、人事情報管理システムの所定の管理者に通知される。この通知に応じて、管理者により利用申請を承認するための所定の承認処理がなされると、利用申請の内容に応じた範囲で人事情報管理システムの利用(電子帳票の閲覧)が可能となる。また、利用申請画面52において入力された申請者のメールアドレス宛に、利用申請が承認されたことを示すメールが送信される。ここで、管理者は、人事情報管理システムの運用を管理する専任者であってもよいし、人事情報管理システムにログインしているユーザが利用申請を承認できるようにして、当該ユーザを管理者としてもよい。また、管理者への利用申請の通知は、人事情報管理システム上で行われてもよいし、電子メール等の別システムにより行われてもよい。人事情報管理システムの管理者側の操作画面については、後に説明する。
【0059】
図18は、管理者により利用申請が承認された場合に業務情報管理システムユーザのメールアドレス宛に送信される電子メールの内容例を示す図である。この電子メールでは、利用申請が承認されたことの通知がなされる。
【0060】
管理者により利用申請が承認された場合には、申請状況一覧画面51が、
図19のように更新される。
図19の申請状況一覧画面51では、承認された利用申請の行において、ステータスが「承認済」に更新されている。申請状況一覧画面51において、承認された利用申請の行を選択する入力操作を行うことで、利用申請を行った電子帳票を表示部35に表示させることが可能となる。ただし、電子帳票には表示制限がかけられており当該表示制限を解除しなければ内容が表示されないようになっている。
【0061】
図20は、電子帳票に表示制限がかけられた状態の閲覧画面の一例を示す図であり、
図21は、当該表示制限が解除された状態の閲覧画面の一例を示す図である。
図20の閲覧画面54は、
図19の申請状況一覧画面51において、「申請No.」が「001」の行を選択する入力操作が行われた場合に表示部35に表示される画面である。
図20の閲覧画面54では、解除操作を促す解除操作ウィンドウ54aと、申請状況一覧画面51に戻るための戻るボタンB14と、が表示されている。解除操作ウィンドウ54aは、人事情報管理サーバ1の記憶部13に記憶されている制限解除テーブル13l、制限項目テーブル13m及びキーワードテーブル13nに基づいてなされている。
【0062】
図22は、制限解除テーブル13l、制限項目テーブル13m及びキーワードテーブル13nの内容例を示す図である。
【0063】
図22(a)の制限解除テーブル13lは、制限解除方式ごとに、制限解除方式の識別番号を示す「制限解除方式」、制限解除方式の名前を示す「制限解除方式名」などが設定されている。ここで、「制限解除方式」は、
図14の利用目的テーブル13gの「制限解除方式」と対応付けられている。つまり、利用申請時に選択された利用目的に応じて制限解除方式が選択されるようになっている。なお、制限解除方式として「ワンタイムパスワード」が選択された場合、ワンタイムパスワードが利用申請者のメールアドレスにメール送信されるようになっている。
【0064】
図22(b)の制限項目テーブル13mは、上記の「制限解除方式」として「1」の「社員情報」が選択された場合に、解除操作ウィンドウ54aにおいて入力を促す制限項目を選択するためのテーブルデータである。制限項目テーブル13mは、制限項目ごとに、制限項目の識別番号を示す「連番」、制限項目の項目名を示す「項目名」、解除操作ウィンドウ54aにおいて入力されたデータが解除条件を満たすか否かを判別する際に用いられるデータテーブルの名前を示す「参照項目名」などが設定されている。なお、制限項目は、ランダムに選択されるようになっているが、「連番」の順に選択されるようにしてもよい。
【0065】
図22(c)のキーワードテーブル13nは、上記の「制限解除方式」として「2」の「登録キーワード」が選択された場合に、解除操作ウィンドウ54aにおいて登録キーワードの入力を促す質問項目を選択するためのテーブルデータである。キーワードテーブル13nは、キーワードごとに、「ログインアカウント」、キーワード番号を示す「キーワードNo.」、質問事項を示す「質問」、解除操作ウィンドウ54aにおいて入力されたデータが解除条件を満たすか否かを判別する際の回答を示す「回答」などが設定されている。なお、初期設定の状態では、「ログインアカウント」が「共通」であり、「キーワードNo.」が「1」、「2」である2つの質問事項(「社長の名前は?」及び「設立記念日は?」)がランダムに選択されるようになっている。そして、ユーザにより所定の質問事項(例えば、「親の名前は?」、「最終学歴は?」)がキーワードテーブル13nに登録されるごとに、これらの質問事項も含めて当該質問事項がランダムに選択されるようになっている。なお、登録キーワードについては、利用申請者が入力しやすくするために質問と回答の組み合わせを
図18に示した承認されたことを通知する電子メールに予め記載しておいてもよい。
【0066】
図20の解除操作ウィンドウ54aでは、社員番号を入力するためのテキストボックスA13と、解除操作ウィンドウ54aの表示を取りやめるための戻るボタンB15と、テキストボックスA13における入力内容を確定させる決定ボタンB16と、が表示されている。つまり、上記の「制限解除方式」として「1」の「社員情報」が選択されるとともに、「連番」が「1」である「社員番号」の制限項目が選択されている状態を示している。
【0067】
解除操作ウィンドウ54aのテキストボックスA13に、利用申請画面52において入力した社員番号が入力された状態で決定ボタンB16を選択する入力操作がなされると、表示制限が解除され、
図21に示されるように、解除後の閲覧画面54では、人事情報管理システムの管理者により承認された利用申請における選択内容(利用対象者(社員)及び利用対象項目(出力項目))と、当該選択内容に応じた登録情報Dと、が表示される。この閲覧画面54は、人事情報管理サーバ1の記憶部13に記憶されている帳票出力テーブル13d、社員テーブル13e、出力項目テーブル13f、申請社員テーブル13g及び申請出力項目テーブル13hの設定内容に従って表示される。
図21の例では、利用対象者「1001 青木繁」、利用対象項目「1020 家族」に対応する登録情報Dが閲覧画面54に表示されている状態を示している。
【0068】
次に、人事情報管理システムの管理者側の画面表示について説明する。
図23は、人事情報管理システムの管理者が人事情報管理システムへの第1のログイン方法でのログインを行うためのログイン画面55を示す図である。ログイン画面55では、ログインに使用する人事アカウント1aのID又はメールアドレスを入力するテキストボックスA14と、パスワードを入力するテキストボックスA15と、ログインボタンB17とが表示される。テキストボックスA14にID又はメールアドレスが入力され、テキストボックスA15にパスワードが入力され、この状態でログインボタンB17を選択する入力操作が行われると、入力された認証情報が人事情報管理サーバ1に送信されて、アカウントDB13bに記憶された認証情報と照合される。入力された認証情報が、登録されているいずれかの人事アカウント1aの認証情報と一致した場合(認証情報が適正であると判別された場合)には、人事情報管理サーバ1のCPU11により、当該人事アカウント1aでの業務情報管理システムへのログイン処理が行われてログインセッションが開始される。
【0069】
図24は、第1のログイン方法で人事情報管理システムにログインした場合の人事情報管理メニュー画面56を示す図である。人事情報管理メニュー画面56では、人事情報管理システムの各種機能を実行させるためのメニューボタンB17と、業務情報管理システムユーザからの人事情報管理システムの利用申請に係る申請状況一覧画面57(
図25参照)を表示させるための利用申請表示ボタンB19と、人事情報管理システムからログアウトするためのログアウトボタンB20が表示されている。利用申請表示ボタンB19は、人事情報管理システムの利用申請がなされていることをユーザに報知する機能も兼ねており、人事情報管理システムの利用申請がなされた場合にのみ表示される。あるいは、利用申請表示ボタンB19は、常時表示されて、人事情報管理システムの利用申請がなされた場合に強調表示されてもよい。
【0070】
図25は、申請状況一覧画面57を示す図である。申請状況一覧画面57では、現在申請されている利用申請ごとに、「申請No.」、「ログインアカウント」、「利用日時(開始及び終了)」、「ステータス」などが表示される。このうち「ステータス」は、人事情報管理システムの管理者による申請の承認状況を示している。これらの各利用申請のうち、承認又は却下の処分を行う対象の行を選択する入力操作を行うと、個別の利用申請を承認し又は却下するための承認画面が表示される。また、申請状況一覧画面57では、人事情報管理メニュー画面56に戻るためのボタンB21と、人事情報管理システムからログアウトするためのログアウトボタンB22が表示されている。申請状況一覧画面57においては、現在まで行われた全ての利用申請を一覧表示されてもよいし、利用日時(終了)が過ぎたもの、承認又は却下の処分が行われたものは一覧表示から外れるようにしてもよい。これらは管理者によって適宜設定が可能であるものとする。
【0071】
図26は、承認画面58を示す図である。承認画面58では、
図15の利用申請画面52における入力内容と、利用目的、利用対象者(社員)及び利用対象項目(出力項目)の選択承認画面を表示するための選択承認画面表示ボタンB23と、申請状況一覧画面57に戻るための戻るボタンB24と、が表示されている。
業務情報管理システムユーザは、選択承認画面表示ボタンB23を選択する入力操作を行うことで、
図15の利用申請画面52において利用申請がなされた際に選択された利用対象者及び利用対象項目を表示する選択承認画面を表示させることができる。
【0072】
図27は、選択承認画面59を示す図である。選択承認画面59では、
図12の項目選択画面53における選択内容(利用対象者(社員)及び利用対象項目(出力項目))と、当該選択内容に応じた電子帳票と、当該選択内容での利用申請を承認するための承認ボタンB25と、当該利用申請を却下するための却下ボタンB26と、申請状況一覧画面57に戻るための戻るボタンB27と、が表示されている。選択承認画面59では、例えば、利用対象項目が複数表示されている場合、各利用対象項目に対応するチェックボックスの入力操作により、個別に承認する項目を選択することができるようになっている。
図27の例では、利用対象者「1001 青木繁」の社員台帳(様式1)が表示されるとともに、この社員台帳(様式1)の利用対象項目「1020 家族」の領域が太枠表示されている。ここで、承認ボタンB25を選択する入力操作がなされると、利用申請を承認する処理がなされ、業務情報管理システムユーザの表示部35の申請状況一覧画面51におけるステータスの項目が「承認済」の表示に更新されるとともに、
図17(a),(b)の申請社員テーブル13j及び申請出力項目テーブル13kのそれぞれのステータスの項目が「承認済」に更新登録される。また、利用申請した業務情報管理システムユーザに
図18の電子メールが送信される。一方、却下ボタンB26を選択する入力操作がなされると、利用申請は承認されず、業務情報管理システムユーザの表示部35の申請状況一覧画面51におけるステータスの項目が「却下」の表示に更新されるとともに、
図17(a),(b)の申請社員テーブル13j及び申請出力項目テーブル13kのそれぞれのステータスの項目が「却下」に更新登録される。
【0073】
次に、人事情報管理システムにおける、利用申請受付処理及び電子帳票表示処理を含むシステム基本処理の制御手順について説明する。
図28は、システム基本処理の制御手順を示すフローチャートである。
このシステム基本処理は、業務情報管理システムを経由した第2のログイン方法での人事情報管理システムへのログインがなされた場合に実行される。
【0074】
システム基本処理が開始されると、CPU11は、端末装置3の表示部35に初期画面として
図8の状態の申請状況一覧画面51を表示させ(ステップS101)、申請画面表示ボタンB5に対する入力操作に応じて
図9の利用申請画面52を表示させて、後述する利用申請受付処理を実行する(ステップS102)。
【0075】
次いで、CPU11は、ステップS102において受け付けられた利用申請が管理者により承認されたか否かを判別する(ステップS103)。
ステップS103において、利用申請が拒否されたと判別された場合には(ステップS103;NO)、CPU11は、処理をステップS101に戻す。
一方、ステップS103において、利用申請が承認されたと判別された場合には(ステップS103;YES)、CPU11は、
図17のように申請状況一覧画面51を更新する(ステップS104)。
【0076】
次いで、CPU11は、
図17の申請状況一覧画面51において、操作部34を介して承認された利用申請の行を選択する入力操作がなされたか否かを判別する(ステップS105)。
ステップS105において、承認された利用申請の行を選択する入力操作がなされたと判別された場合には(ステップS105;YES)、CPU11は、後述する電子帳票表示処理を実行し(ステップS106)、処理をステップS107に移す。
一方、ステップS105において、承認された利用申請の行を選択する入力操作がなされていないと判別された場合には(ステップS105;NO)、CPU11は、ステップS106をスキップして、処理をステップS107に移す。
【0077】
次いで、CPU11は、ログアウト操作がなされたか否かを判別する(ステップS107)。
ステップS107において、ログアウト操作がなされていないと判別された場合には(ステップS107;NO)、CPU11は、処理をステップS105に戻す。
一方、ステップS107において、ログアウト操作がなされたと判別された場合には(ステップS107;YES)、CPU11は、システム基本処理を終了する。なお、ログアウト操作の判別結果に基づいてシステム基本処理を終了させる処理は、システム基本処理の実行中の他の任意のタイミングで行われてもよい。
【0078】
図29は、利用申請受付処理の制御手順を示すフローチャートである。
利用申請受付処理が呼び出されると、CPU11は、申請状況一覧画面51において、申請画面表示ボタンB5を選択する入力操作がなされたか否かを判別する(ステップS201)。
【0079】
ステップS201において、申請画面表示ボタンB5を選択する入力操作がなされていないと判別された場合には(ステップS201;NO)、CPU11は、利用申請受付処理を終了して処理をシステム基本処理に戻す。
一方、ステップS201において、申請画面表示ボタンB5を選択する入力操作がなされたと判別された場合には(ステップS201;YES)、CPU11は、
図9の利用申請画面52を表示させ、操作部34を介して所定事項(申請者名、メールアドレス、社員番号、利用日時(開始及び終了))の入力を受け付ける(ステップS202)。
【0080】
次いで、CPU11は、利用申請画面52において、項目選択画面表示ボタンB7を選択する入力操作がなされたか否かを判別する(ステップS203)。
ステップS203において、項目選択画面表示ボタンB7を選択する入力操作がなされていないと判別された場合には(ステップS203;NO)、CPU11は、処理をステップS202に戻す。
一方、ステップS203において、項目選択画面表示ボタンB7を選択する入力操作がなされたと判別された場合には(ステップS203;YES)、CPU11は、
図10の項目選択画面53を表示させる(ステップS204)。
【0081】
次いで、CPU11は、項目選択画面53において、利用目的の選択入力がなされたか否かを判別する(ステップS205)。
ステップS205において、利用目的の選択入力がなされていないと判別された場合には(ステップS205;NO)、CPU11は、処理をステップS204に戻す。
一方、ステップS205において、利用目的の選択入力がなされたと判別された場合には(ステップS205;YES)、CPU11は、
図12に示すように、利用目的に応じた社員リストL2及び項目リストL3から、操作部34を介して利用対象者(社員)及び利用対象項目(出力項目)の選択入力を受け付ける(ステップS206)。
【0082】
次いで、CPU11は、項目選択画面53において、戻るボタンB12を選択する入力操作がなされたか否かを判別する(ステップS207)。
ステップS207において、戻るボタンB12を選択する入力操作がなされていないと判別された場合には(ステップS207;NO)、CPU11は、処理をステップS204に戻す。
一方、ステップS207において、戻るボタンB12を選択する入力操作がなされたと判別された場合には(ステップS207;YES)、CPU11は、
図15のように利用申請画面52を更新、すなわち選択入力された利用目的、利用対象者及び利用対象項目を表示(反映)させる(ステップS208)。
【0083】
次いで、CPU11は、
図15の利用申請画面52において、申請ボタンB13を選択する入力操作がなされたか否かを判別する(ステップS209)。
ステップS209において、申請ボタンB13を選択する入力操作がなされていないと判別された場合には(ステップS209;NO)、CPU11は、利用申請受付処理を終了して処理をシステム基本処理に戻す。
一方、ステップS209において、申請ボタンB13を選択する入力操作がなされたと判別された場合には(ステップS209;YES)、CPU11は、選択入力された利用目的、利用対象者及び利用対象項目のデータに基づき、
図17(a)の申請社員テーブル13j及び
図17(b)の申請出力項目テーブル13kを更新登録して(ステップS210)、処理をシステム基本処理に戻す。
【0084】
図30は、電子帳票表示処理の制御手順を示すフローチャートである。
電子帳票表示処理が呼び出されると、CPU11は、利用目的テーブル13g、制限解除テーブル13l、制限項目テーブル13m及びキーワードテーブル13nを参照して、利用申請受付処理にて選択された利用目的に応じた解除操作を促す解除操作ウィンドウ54を、
図20のように閲覧画面54に表示させ、解除操作の入力を受け付ける(ステップS301)。
【0085】
次いで、CPU11は、閲覧画面54の表示を終了させる入力操作がなされたか否かを判別する(ステップS302)。
ステップS302において、閲覧画面54の表示を終了させる入力操作がなされたと判別された場合には(ステップS302;YES)、CPU11は、電子帳票表示処理を終了し、処理をシステム基本処理に戻す。
一方、ステップS302において、閲覧画面54の表示を終了させる入力操作がなされていないと判別された場合には(ステップS302;NO)、CPU11は、入力された解除操作が解除条件を満たすか否かを判別する(ステップS303)。
【0086】
ステップS303において、入力された解除操作が解除条件を満たさないと判別された場合には(ステップS303;NO)、CPU11は、処理をステップS302に戻す。
一方、ステップS303において、入力された解除操作が解除条件を満たすと判別された場合には(ステップS303;YES)、CPU11は、帳票出力テーブル13d、出力項目テーブル13fから、ステップS206で選択された利用対象項目(出力項目)に対応する電子帳票を決定し、選択された利用対象項目及び決定した電子帳票に対応する情報を取得する(ステップS304)。
【0087】
次いで、CPU11は、ステップS304で決定された電子帳票と、ステップS206で選択された利用対象者(社員)に対応する社員テーブル13eのデータを取得し、当該取得したデータを用いて、選択された利用対象者の電子帳票のプレビューデータを生成する(ステップS305)。
【0088】
次いで、CPU11は、ステップS304で取得された情報のうち、選択された利用対象項目(出力項目)の「始点座標X」、「始点座標Y」、「終点座標X」、「終点座標Y」の情報を用いて、これらの座標により囲まれる領域を、ステップS305で生成されたプレビューデータから切り出し、当該切り出した画像データを取得する(ステップS306)。
【0089】
次いで、CPU11は、ステップS206で選択された利用対象項目(出力項目)が他にあるか否かを判別する(ステップS307)。
ステップS307において、利用対象項目が他にあると判別された場合には(ステップS307;NO)、CPU11は、処理をステップS304に戻す。
一方、ステップS307において、利用対象項目が他にないと判別された場合には(ステップS307;YES)、CPU11は、ステップS306で取得された画像データに、ステップS206で選択された利用対象者(社員)のタイトル情報(社員コード及び社員名)を付け、当該画像データ(登録情報D)を表示部35に表示させて(ステップS308)、処理をシステム基本処理に戻す。
【0090】
具体的には、例えば、ステップS306で「1020 家族」の項目に対応する画像データのみが取得されている場合には、当該画像データに、ステップS206で選択された利用対象者(社員)のタイトル情報を付け、
図21のように当該画像データ(登録情報D)を閲覧画面54に表示させる。
【0091】
以上、本実施の形態によれば、情報処理システム100における人事情報管理サーバ1は、表示の制限がかけられた電子帳票(電子文書)に対する利用目的が付された当該電子帳票の利用申請(表示申請)を端末装置3(第1のユーザ端末)から受け付ける。また、人事情報管理サーバ1は、受け付けられた利用申請に対する承認を受け付け、当該利用申請に対する承認が受け付けられた際に、当該利用申請に付されている利用目的に対応付けられて予め定められている制限解除条件を設定する。
【0092】
このため、利用申請に対する承認が受け付けられた場合であっても、制限解除条件を満たさなければ、利用申請がなされた電子帳票が表示されないようにすることができるので、承認がなされた電子帳票を表示する際の認証を強化することができる。また、利用申請に付されている利用目的に対応付けられて予め定められている制限解除条件が設定されるので、電子帳票を表示する際の認証を適切に行うことができる。
【0093】
また、人事情報管理サーバ1は、受け付けられた利用申請(表示申請)を、端末装置3(第2のユーザ端末)に通知し、当該通知を受けた端末装置3から利用申請に対する承認を受け付ける。このため、利用申請に対する承認を、例えば人事情報管理サーバ1の管理者等の特定の者に行わせることができるようになるので、登録情報Dのセキュリティを高めることができる。
【0094】
また、人事情報管理サーバ1は、表示の制限がかけられている電子帳票(電子文書)を指定する所定の入力操作が端末装置3(第1のユーザ端末)によりなされた場合に、制限解除条件が満たされているか否かを判別し、当該制限解除条件が満たされていると判別された場合に、電子帳票にかけられている表示の制限を解除する。このため、制限解除条件が満たされることによって、利用申請がなされた電子帳票が表示されるので、電子帳票を表示する際の認証を強化することができる。
【0095】
また、人事情報管理サーバ1は、電子帳票(電子文書)に含まれる複数の項目のうちの所望の項目の選択を要求する際、当該複数の項目のうち、利用目的に対応付けられて予め定められている複数の項目から所望の項目を選択することを要求するので、利用目的にそぐわない項目が選択されることを未然に防止することができる。
【0096】
また、人事情報管理サーバ1は、電子帳票(電子文書)に含まれる複数の項目のうちの所望の項目に対応する登録情報Dの利用申請(表示申請)を端末装置3(第1のユーザ端末)から受け付ける際に、当該電子帳票のテンプレートを当該端末装置3の表示部35に表示させる。これにより、選択する項目のイメージがわき易くなるので、意図しない項目が選択されてしまうことを抑制することができる。
【0097】
また、人事情報管理サーバ1は、端末装置3(第1のユーザ端末)の所定の操作に基づき所望の項目が選択された場合、当該所望の項目に対応するテンプレート内の項目を強調して表示させるので、ユーザが選択した項目をテンプレート内においても確認することができるようになる。これにより、意図しない項目が選択されてしまうことをより抑制することができる。
【0098】
以上の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体として記憶部13のHDD、SSDを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリや、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用される。
【0099】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る情報処理装置及びプログラムの一例であり、これに限定されるものではない。
【0100】
例えば、上記実施形態では、情報処理装置として人事情報管理システムを提供する人事情報管理サーバ1を例に挙げたが、これに限られず、例えば電子帳票を表示させる任意のシステムを提供する情報処理装置に本発明を適用することができる。
【0101】
また、上記実施形態では、項目選択画面53(
図12参照)においてユーザ所望の利用対象項目を選択する場合、画面右側に表示された項目リストL3から、ユーザ所望の利用対象項目に対応するチェックボックスA11を選択する入力操作を行うようにしたが、当該利用対象項目の選択方法は、上記の例に限られない。例えば、項目選択画面53に表示されている電子帳票のサンプルの各項目を直接選択する入力操作(例えば、タッチ操作等)を行うことによりユーザ所望の利用対象項目を選択できるようにしてもよい。
【0102】
また、上記実施形態では、項目選択画面53(
図12参照)においてユーザ所望の利用対象項目が選択された場合、当該利用対象項目の選択に伴い、電子帳票のサンプルの対応する項目を太枠表示させることによって、当該項目が選択されていることを強調するようにしているが、選択されている項目を強調することができれば、上記の例に限られない。例えば、ユーザ所望の利用対象項目が選択された場合、当該利用対象項目の選択に伴い、電子帳票のサンプルの対応する項目の領域の表示色を他の項目の領域の表示色と異ならせるようにしてもよい。
【0103】
また、上記実施形態では、項目選択画面53(
図12参照)において選択された利用目的に応じて、選択可能な利用対象者(社員)及び利用対象項目(出力項目)を異ならせるようにしているが、例えば、
図9の利用申請画面52において入力された利用日時(開始及び終了)のデータから利用時間の長さを算出し、当該利用時間の長さに応じて、選択可能な利用対象者(社員)及び利用対象項目(出力項目)を限定するようにしてもよい。
【0104】
また、上記実施形態における情報処理システム100の各構成要素の細部構成及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
【0105】
本発明の実施の形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
表示の制限がかけられた電子文書に対する利用目的が付された当該電子文書の表示申請を第1のユーザ端末から受け付ける受付手段と、
前記受付手段により受け付けられた前記表示申請に対する承認を受け付ける承認手段と、
前記承認手段により前記表示申請に対する承認が受け付けられた際に、当該表示申請に付されている利用目的に対応付けられて予め定められている制限解除条件を設定する設定手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
<請求項2>
前記受付手段により受け付けられた前記表示申請を、第2のユーザ端末に通知する通知手段を備え、
前記承認手段は、前記通知手段により通知を受けた前記第2のユーザ端末から前記表示申請に対する承認を受け付けることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
<請求項3>
前記表示の制限がかけられている電子文書を指定する所定の入力操作が前記第1のユーザ端末によりなされた場合に、前記設定手段により設定された制限解除条件が満たされているか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により前記制限解除条件が満たされていると判別された場合に、前記電子文書にかけられている前記表示の制限を解除する制限解除手段と、
を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
<請求項4>
前記電子文書は、複数の項目を有し、
前記受付手段は、前記電子文書に含まれる複数の項目のうちの所望の項目の選択を要求する際、当該複数の項目のうち、前記利用目的に対応付けられて予め定められている複数の項目から前記所望の項目を選択することを要求することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
<請求項5>
前記受付手段により前記第1のユーザ端末から表示申請を受け付ける際に、前記電子文書のテンプレートを当該第1のユーザ端末の表示手段に表示させる表示制御手段を備えることを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
<請求項6>
前記表示制御手段は、前記第1のユーザ端末の所定の操作に基づき前記所望の項目が選択された場合、当該所望の項目に対応する前記テンプレート内の項目を強調して表示させることを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
<請求項7>
情報処理装置のコンピュータを、
表示の制限がかけられた電子文書に対する利用目的が付された当該電子文書の表示申請を第1のユーザ端末から受け付ける受付手段、
前記受付手段により受け付けられた前記表示申請に対する承認を受け付ける承認手段、
前記承認手段により前記表示申請に対する承認が受け付けられた際に、当該表示申請に付されている利用目的に対応付けられて予め定められている制限解除条件を設定する設定手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。