【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成29年11月7日にダイフク滋賀事業所(滋賀県蒲生郡日野町中在寺1225)において開催された新製品プレス発表会で展示
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成29年11月9日にダイフク滋賀事業所(滋賀県蒲生郡日野町中在寺1225)において開催された新製品見学会で展示
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記洗車機本体が被洗浄車両の後方に向かって移動する際に前記形状センサによる検知を行い、前記洗車機本体が被洗浄車両の前方に向かって移動する際に前記走行体が前記洗車機本体に追随して移動して前記洗浄ノズルから水が噴射されることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の洗車機。
【背景技術】
【0002】
給油所等に設置される従来の洗車機は特許文献1に開示されている。この洗車機は被洗浄車両に対して前後方向に移動させる洗車機本体を備えている。洗車機本体は被洗浄車両を跨ぐ門型に形成される。洗車機本体には回転ブラシ、洗浄ノズル及び送風ノズルが設けられる。
【0003】
洗車機本体に対する被洗浄車両の進入路上には前後方向に移動する洗車機本体を跨ぐフレーム(支持用構造体)が設置される。フレームの上部には前後に延びる一対のレールが配され、レール上を前後方向に走行する走行体が設けられる。走行体には複数の洗浄ノズルが設けられる。
【0004】
走行体はモータと、モータにより駆動される駆動輪とを有し、レール上を駆動輪が転動して前後方向に走行する。駆動輪の周部は滑り防止用のゴムまたは樹脂により被覆される。また、レールの前後端には走行体のストローク限を検知する走行限センサが設けられる。移動する走行体は走行限センサにより検知されると停止する。
【0005】
上記構成の洗車機において、被洗浄車両が走行路を前進して所定の洗車開始位置に停車する。被洗浄車両が停車すると洗車機本体が往復移動して洗車機本体上の洗浄ノズルから市水が噴射され、被洗浄車両の表面に水が散布される。次に、走行体が往復移動して走行体上の洗浄ノズルから発泡洗剤が噴射され、被洗浄車両の表面が発泡洗剤により被覆される。
【0006】
次に、洗車機本体が移動し、洗車機本体上の洗浄ノズルから市水や洗剤を噴射しながら回転ブラシにより被洗浄車両の洗浄が行われる。洗浄が終了すると、送風ノズルから送風して被洗浄車両の乾燥が行われて洗車が終了する。
【0007】
回転ブラシによる洗浄前に被洗浄車両の表面が発泡洗剤により被覆されるため、被洗浄車両に対する洗浄力を向上することができる。また、発泡洗剤により被洗浄車両を被覆する経過が周囲から容易に視認できるためショー的効果が得られ、洗浄効果が向上する期待感をユーザに抱かせることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
洗浄ノズルにより被洗浄車両の所定領域を重点的に洗浄する際に走行体の走行位置を正確に取得する必要がある。例えば、洗車時に被洗浄車両上に噴射された洗剤による泡が残りやすい領域を洗浄ノズルにより重点的に水洗いすることが望まれる。走行体は走行限センサによってストローク限に配されたことが検知され、ストローク限からモータの駆動時間により走行体の走行位置が取得される。しかしながら、駆動輪の周面のゴム等の摩耗、風または雨雪による駆動輪の空転、駆動輪の滑りの発生等により、ストローク限からのモータの駆動時間では走行体の走行位置を正確に取得できない。このため、被洗浄車両の所望の領域を洗浄ノズルにより重点的に洗浄することが困難であった。
【0010】
本発明は、走行体の走行位置を正確に取得できる洗車機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本発明は、洗車開始位置に停車した被洗浄車両に対して前後方向に移動する門型の洗車機本体と、前記洗車機本体に配される回転ブラシと、前記洗車機本体に配して被洗浄車両の形状を検知する形状センサと、前記洗車機本体を跨いで被洗浄車両の進入路上に設置されるフレームと、前記フレームの上部に配した前後方向に延びるレールと、前記レール上を転動する駆動輪と前記駆動輪を駆動するモータとを有して前後方向に走行する走行体と、前記走行体に設けられる洗浄ノズルと、前記走行体の前後のストローク限を検知する走行限センサと、前記走行体のストロークの中間位置を検知する中間センサとを備え、前記走行限センサ及び前記中間センサにより前記走行体を検知した際に前記走行体の位置を示すカウンタを所定値にリセットし、前記カウンタに基づいて前記走行体を所定位置に配置することを特徴としている。
【0012】
また、本発明は上記構成の洗車機において、前記洗車開始位置に停車した被洗浄車両に対して前記洗浄ノズルから洗浄水を噴射する予備洗浄工程と、前記洗車機本体が前記形状センサにより検知しながら被洗浄車両を洗浄する洗浄工程とを備え、前記洗浄工程中または前記洗浄工程後に前後移動する前記洗浄ノズルから水を噴射するとともに、前記形状センサの検知結果に基づいて前記走行体を所定の区間に配した前記洗浄ノズルの噴射時間を前記区間外よりも長くしたことを特徴としている。
【0013】
また、本発明は上記構成の洗車機において、前記区間で前記洗浄ノズルを所定時間停止したことを特徴としている。
【0014】
また、本発明は上記構成の洗車機において、前記区間で前記洗浄ノズルを複数回前後に移動したことを特徴とている。
【0015】
また、本発明は上記構成の洗車機において、前記区間の前記走行体の走行速度を前記区間外よりも低速にしたことを特徴としている。
【0016】
また、本発明は上記構成の洗車機において、前記洗車機本体が被洗浄車両の後方に向かって移動する際に前記形状センサによる検知を行い、前記洗車機本体が被洗浄車両の前方に向かって移動する際に前記走行体が前記洗車機本体に追随して移動して前記洗浄ノズルから水が噴射されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、走行体のストロークの中間位置を検知する中間センサを備え、走行限センサ及び中間センサにより走行体を検知した際に走行体の位置を示すカウンタを所定値にリセットする。これにより、走行体の走行位置を正確に取得することができ、所望の位置に正確に走行体を配置して洗浄ノズルにより洗浄することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1〜
図3は本実施形態の洗車機WAを示す側面図、正面図及び背面図である。洗車機WAはリモートパネル7、洗車機本体1及び予備洗浄装置70を備えている。
【0020】
リモートパネル7は洗車機本体1に対する進入路Rに沿って配され、洗車条件を設定する複数のボタンを有している。リモートパネル7の操作によって洗車条件を設定して洗車の受け付けが行われる。
【0021】
洗車機本体1は左右の対向する2つのスタンド部90と、スタンド部90の上端を連結する天井部91とを有した門型に形成される。スタンド部90の底面には車輪3が設けられ、地面Gに設けた左右一対のレール2上に車輪3が配される。洗車機本体1は走行モータ(不図示)の駆動によりレール2上を走行して被洗浄車両CAに対して前後に所定のストロークで移動する。
【0022】
洗車機本体1の両スタンド部90間の入口面1a側には形状センサ9が設けられている。形状センサ9は光電センサや超音波センサ等から成り、洗車機本体1に進入する被洗浄車両CAの外面形状を検知する。
【0023】
洗車機本体1には被洗浄車両CA上に摺動してブラッシングする複数の回転ブラシが設けられる。回転ブラシはトップブラシ4、サイドブラシ5及びロッカーブラシ6から成っている。
【0024】
トップブラシ4は天井部91に昇降可能に設けられて水平な回転軸で回転し、被洗浄車両CAの上面を洗浄する。サイドブラシ5は両スタンド部90の出口面1b側にそれぞれ左右方向に進退可能に設けられて垂直な回転軸で回転し、被洗浄車両CAの両側面及び後面を洗浄する。ロッカーブラシ6は両スタンド部90の下部にそれぞれ左右方向に進退可能に設けられて垂直または水平な回転軸で回転し、被洗浄車両CAの両側面の下部を洗浄する。
【0025】
洗車機本体1の上部には気流を発生するブロア20が配される。ブロア20には被洗浄車両CAに向けて空気流を送出するトップ送風ノズル21及びサイド送風ノズル22から成る複数の送風ノズルが接続される。
【0026】
トップ送風ノズル21は天井部91に昇降可能に設けられ、被洗浄車両CAの上面及び後面に沿って移動して送風により上面及び後面を乾燥させる。サイド送風ノズル22は両スタンド部90にそれぞれ設けられ、送風により被洗浄車両CAの側面を乾燥させる。
【0027】
スタンド部90には洗剤、ワックス、コーティング剤等の各種液剤を貯液した複数の貯液タンク(不図示)を収納するタンク収納部30が配される。タンク収納部30の上方には分配配管部31が設けられる。
【0028】
分配配管部31の入口側には各貯液タンクから導出される配管及び市水を供給する配管41が接続される。洗車機本体1の出口面1b側の外側には市水を貯水する貯水タンク42が配され、配管41は貯水タンク42と分配配管部31とを接続する。また、配管41は貯水タンク42と洗車機本体1との間に立設したブーム36により支持される。ブーム36は前後方向に移動する洗車機本体1に追随して前後に傾倒可能に設けられる。
【0029】
分配配管部31の出口側には市水、洗剤、ワックス、コーティング剤等をそれぞれ噴射する複数の噴射ノズル11が電磁弁を介して導出される。洗剤及びコーティング剤の噴射ノズル11は市水に液剤を混合して噴射されるため、液剤の供給を停止することによって市水を噴射することができる。また、分配配管部31の出口側には後述するように予備洗浄装置70に設けた複数の洗浄ノズル78が接続される。
【0030】
洗車機本体1の一方のスタンド部90の正面には操作パネル8が配される。操作パネル8はリモートパネル7と同様に洗車条件を設定することができるとともに、非常停止操作を行うことができる。
【0031】
予備洗浄装置70は洗車開始前の待機位置に配される洗車機本体1とリモートパネル7との間の進入路Rに設置されるフレーム71を有している。フレーム71は前後方向に移動する洗車機本体1を跨ぐように形成される。フレーム71の側面部71aには水パネル69及び検知センサ68が設けられる。
【0032】
水パネル69は洗車機本体1の分配配管部31と後述する洗浄ノズル78とを接続する配管80を中継する。
【0033】
検知センサ68は光電センサ等により形成され、側面部71aに取り付けられることにより進入路Rに配される。また、検知センサ68は前後に所定距離離れる前センサ68a及び後センサ68bを有している。被洗浄車両CAが洗車開始位置T1に配された際に検知センサ68の検知結果に基づいて被洗浄車両CAの車長が判別される。
【0034】
即ち、洗車開始位置T1に配された被洗浄車両CAが前センサ68aにより検知されない場合は小型車(例えば、車長4m以下)と区分される。洗車開始位置T1に配された被洗浄車両CAが前センサ68aにより検知され、後センサ68bにより検知されない場合は中型車(例えば、車長4m〜4.6m)と区分される。洗車開始位置T1に配された被洗浄車両CAが後センサ68bにより検知された場合は大型車(例えば、車長4.6m以上)と区分される。
【0035】
被洗浄車両CAの車長の区分に応じて後述する走行体73の走行範囲が可変され、洗浄ノズル78による前後方向の噴射範囲が可変される。これにより、水及び洗剤の無駄を低減することができる。
【0036】
尚、検知センサ68を取り付けた支持部材をフレーム71とは別に地面Gに設置することにより、検知センサ68を進入路Rに配してもよい。
【0037】
フレーム71の上部には前後方向に延びる一対のレール72が設けられる。レール72間には前後方向に走行する走行体73が橋架される。レール72の一端は待機位置の洗車機本体1の近傍に配される。レール72の他端は待機位置から被洗浄車両CAの後方に向かって移動する往路の終端位置に配される洗車機本体1よりもリモートパネル7側に配される。
【0038】
また、レール72の前後端部にはリミットスイッチや光電センサ等から成る走行限センサ84、85が設けられる。また、走行限センサ84、85の間にはリミットスイッチや光電センサ等から成る複数の中間センサ86が設けられる。
【0039】
走行限センサ84、85により走行体73がストローク限に配されたことを検知し、モータ74が停止される。待機位置の洗車機本体1から遠い走行限センサ85の検知により走行体73の位置を示すカウンタがストロークの始点を示す値にリセットされる。始点からのモータ74の駆動時間によって走行体73の位置が取得される。
【0040】
また、待機位置の洗車機本体1から近い走行限センサ84の検知により走行体73の位置を示すカウンタがストロークの終点を示す値にリセットされる。中間センサ86の検知により、走行体73の位置を示すカウンタが始点から所定の距離の中間位置を示す値にリセットされる。これにより、走行体73の位置を正確に取得することができる。
【0041】
図4は走行体73を示す正面図であり、
図5は走行体73の両側部を示す拡大正面図である。また、
図6は走行体73を示す側面図である。走行体73にはモータ74、駆動輪75、ローラ76、77及び洗浄ノズル78が設けられる。駆動輪75は左右に延びるシャフト75aの両端に連結され、シャフト75aを回転軸として回転する。シャフト75aはチェーン74aを介してモータ74に連結され、駆動輪75はモータ74の駆動によりレール72を走行する。駆動輪75の周部はゴムまたは樹脂により覆われ、滑りが抑制される。
【0042】
レール72は断面略S字状に形成され、水平に配される底面部72a及び上面部72bと、鉛直に配される側面部72c及び側面部72dとを有している。上面部72bは底面部72aの上方に対向配置され、側面部72cは底面部72aの外端と上面部72bの外端とを連結する。側面部72dは上面部の内端から屈曲し、側面部72cに対向する。駆動輪75は底面部72a上を転動する。
【0043】
ローラ76は走行体73の一端に前後一対設けられ、水平な回転軸で回転して一方のレール72の上面部72bの下面を転動する。駆動輪75及びローラ76によって走行体73の上下位置が規制される。
【0044】
ローラ77は走行体73の一端に前後一対設けられ、垂直な回転軸で回転して一方のレール72の両側面部72c、72dの内面を転動する。ローラ77によって走行体73の左右位置が規制される。
【0045】
洗浄ノズル78は左右一対設けられ、それぞれ左右方向に揺動可能になっている。洗浄ノズル78は配管80により水パネル69を介して分配配管部31に接続される。配管80はブーム36により支持され、地面G上を通って水パネル69に接続される。なお、配管41及び配管80は1本のホース36a内にまとめて収納されており、ホース36aがブーム36により支持されている(
図1参照)。
【0046】
図7は洗車機WAの概略配管図を示している。貯水タンク42には水を汲み出すポンプ43が浸漬される。ポンプ43と分配配管部31の入口側とは配管41により接続される。ポンプ43の駆動によって貯水タンク42から噴射ノズル11に市水、洗剤、コーティング剤等が供給される。
【0047】
また、分配配管部31の出口側には配管80が導出される。配管80にはポンプ43よりも高圧で水等を送出するポンプ81が設けられる。ポンプ81の駆動により洗浄ノズル78から市水または洗剤を含む水が噴射される。
【0048】
上記構成の洗車機WAにおいて、前回の洗車終了時に
図1に示すように洗車機本体1は待機位置に配され、走行体73は始点S0に配される。ユーザの運転により被洗浄車両CAがリモートパネル7の面前の受付位置T0で停車し、被洗浄車両CAの洗車条件を設定して洗車の受付けが行われる。洗車を受付けられた被洗浄車両CAはユーザの運転により進入路Rを前進し、予備洗浄装置70による予備洗浄が行われる。
【0049】
図8〜
図10は予備洗浄装置70の動作を示す側面図である。
図8に示すように、洗車の受付けが完了すると、走行体73が所定の散水位置S1に配される。散水位置S1の洗浄ノズル78は検知センサ68の後センサ68bよりも被洗浄車両CAの進行方向前方に配される。尚、前回の洗車終了時に走行体73を散水位置S1に配してもよい。
【0050】
図9に示すように、進入路Rを前進する被洗浄車両CAが検知センサ68の後センサ68bにより検知されると、ポンプ43及びポンプ81が駆動される。これにより、進入路Rを前進する被洗浄車両CA上に洗浄ノズル78から高圧の水が噴射され、被洗浄車両CAが水洗いされる。検知センサ68により被洗浄車両CAを検知した際にポンプ43、81を駆動するので、洗車の受付けから検知センサ68の検知までの間で水の噴射が停止される。このため、節水を図ることができる。
【0051】
この時、散水位置S1の洗浄ノズル78が後センサ68bよりも被洗浄車両CAの進行方向前方に配されるので、被洗浄車両CAに対して前端から水を掛けることができる。
【0052】
また、後センサ68bにより被洗浄車両CAを検知して所定時間が経過すると、散水位置S1の走行体73が被洗浄車両CAの進行方向後方に所定距離移動する。これにより、大型車の被洗浄車両CAの後端まで水を掛けることができる。
【0053】
尚、洗車の受付けが完了すると、高圧のポンプ81を停止して低圧のポンプ43を駆動し、洗浄ノズル78から低圧の水を噴射してもよい。洗浄ノズル78から低圧の水を噴射するため水量が少なく、節水を図ることができる。これにより、進入路Rを前進する被洗浄車両CAのユーザに対し、洗浄ノズル78による洗浄が行われることを認知させることができる。
【0054】
また、散水位置S1の洗浄ノズル78を前センサ68aよりも被洗浄車両CAの進行方向前方に配置し、前センサ68aにより被洗浄車両CAを検知した際にポンプ81を駆動してもよい。
【0055】
図10に示すように、被洗浄車両CAが洗車開始位置T1に配されると、走行体73が被洗浄車両CAの進行方向前方に移動して洗浄ノズル78による水の噴射が継続される。この時、被洗浄車両CAには進入路Rを前進する際に既に水が掛けられているため、走行体73を高速で移動させることができる。
【0056】
走行体73がストロークの終点S2に配されると反転して始点S0に向かって移動し、ポンプ43、81を駆動して洗浄ノズル78から洗剤が噴射される。この時、洗浄ノズル78は発泡した洗剤を噴射し、被洗浄車両CAの表面が発泡洗剤により被覆される。
【0057】
洗浄ノズル78の噴射領域が検知センサ68の検知により区分される車長の後端に配されると、ポンプ43及びポンプ81が停止される。そして、走行体73が始点S0に配され、予備洗浄が終了し、後述するように洗車機本体1の回転ブラシによる洗浄が行われる。
【0058】
回転ブラシによる洗浄前に被洗浄車両CAの表面が発泡洗剤により被覆されるため、被洗浄車両CAに対する洗浄力を向上することができる。また、発泡洗剤により被洗浄車両CAを被覆する経過が周囲から容易に視認できるためショー的効果が得られ、洗浄効果が向上する期待感をユーザに抱かせることができる。
【0059】
尚、被洗浄車両CAが洗車開始位置T1に配された際にポンプ43、81を停止して走行体73を始点S0に戻し、被洗浄車両CAの前方に向かって移動する洗浄ノズル78から洗剤を噴射してもよい。
【0060】
予備洗浄が終了すると、洗車機本体1が被洗浄車両CAの後方に向かって移動して第1往路工程が行われる。第1往路工程では形状センサ9により被洗浄車両CAの形状を検出しながら、各回転ブラシが回転して被洗浄車両CAの前後面及び上面が洗浄される。この時、噴射ノズル11から洗剤が噴射される。
【0061】
被洗浄車両CAの後面まで洗浄が終了すると、洗車機本体1が反転して被洗浄車両CAの前方に移動する第1復路工程が行われる。第1復路工程では回転ブラシが回転しながら噴射ノズル11から水が噴射される。また、走行体73が洗車機本体1に追随して被洗浄車両CAの前方に向かって移動し、洗浄ノズル78から水が噴射される。これにより、洗剤のすすぎ洗浄が行われる。
【0062】
この時、形状センサ9の検知結果に基づいて、泡の残りやすい領域に洗浄ノズル78から噴射する所定の区間に走行体73が配されると走行体73を一時停止する。泡の残りやすい領域として、フロントワイパー部分や、リアウインドとトランクとの境界等が挙げられる。これにより、すすぎ性能を向上することができる。
【0063】
該区間で走行体73の走行速度を区間外よりも低速にしてもよく、該区間で走行体73を往復移動させてもよい。即ち、所定の区間に配される洗浄ノズル78の噴射時間を該区間外よりも長くすればよい。
【0064】
第1復路工程が終了すると被洗浄車両CAの洗浄工程が終了し、回転ブラシが停止される。次に、第2往路工程による乾燥工程が行われ、トップ送風ノズル21及びサイド送風ノズル22から空気流を送出して被洗浄車両CAを乾燥させる。乾燥工程が終了すると洗車が終了し、被洗浄車両CAが退出する。
【0065】
被洗浄車両CAが退出すると、洗車機本体1が待機位置に移動して走行体73が始点S0に移動する。
【0066】
尚、被洗浄車両CAにコーティング剤やワックスを塗布する場合は、洗浄工程と乾燥工程との間に噴射ノズル11からコーティング剤やワックスを噴射する工程が設けられる。
【0067】
本実施形態によると、走行体73のストロークの中間位置を検知する中間センサ86を備え、走行限センサ84、85及び中間センサ86により走行体73を検知した際に走行体73の位置を示すカウンタを所定値にリセットする。これにより、走行体73の走行位置を正確に取得することができ、所望の位置に正確に走行体73を配置して洗浄ノズル78により洗浄することができる。
【0068】
また、洗浄工程中に前後方向に移動する洗浄ノズル78から水を噴射し、走行体73を所定の区間に配した洗浄ノズル78の噴射時間を該区間外よりも長くした。これにより、被洗浄車両CAの泡の残りやすい領域が洗浄ノズル78により重点的に洗浄され、泡の残留を低減することができる。
【0069】
尚、第1復路工程で走行体73を停止して洗車機本体1による洗浄工程が終了した後、走行体73を移動させて洗浄ノズル78により被洗浄車両CAを水洗いしてもよい。
【0070】
また、上記区間で洗浄ノズル78を所定時間停止したので、容易に洗浄ノズル78の噴射時間を長くできる。
【0071】
また、上記区間で洗浄ノズル78を複数回前後方向に移動したので、容易に洗浄ノズル78の噴射時間を長くできる。
【0072】
また、上記区間の走行体73の走行速度を区間外よりも低速にしたので、容易に洗浄ノズル78の噴射時間を長くできる。
【0073】
また、第1往路工程で洗車機本体1が被洗浄車両CAの後方に向かって移動して形状センサ9による検知を行う。そして、第1往路工程で洗車機本体1が被洗浄車両CAの前方に向かって移動し、走行体73が洗車機本体1に追随して移動して洗浄ノズル78から水が噴射される。これにより、洗車機本体1による洗浄と洗浄ノズル78による洗浄とを同時に行うことができ、洗車時間を短縮することができる。