(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の半導体発光素子は、赤色の光を出射する前記半導体発光素子、緑色の光を出射する前記半導体発光素子および青色の光を出射する前記半導体発光素子を含む、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光モジュール。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[本開示が解決しようとする課題]
光モジュールの更なる普及や用途拡大のためには、光モジュールの小型化が重要である。また、光モジュールにおいては、波長の異なる光を合波して出射することにより、たとえば複数の色の光を一の光モジュールから出射することに対する要求がある。しかし、波長の異なる光を合波して出射可能な構造を採用すると、光モジュールの小型化が妨げられるという問題がある。
【0008】
そこで、小型化を達成しつつ波長の異なる光を合波して出射可能な光モジュールを提供することを目的の1つとする。
【0009】
[本開示の効果]
本開示の光モジュールによれば、小型化を達成しつつ波長の異なる光を合波して出射可能な光モジュールを提供することができる。
【0010】
[本願発明の実施形態の説明]
最初に本願発明の実施態様を列記して説明する。本願の光モジュールは、光を形成する光形成部と、光形成部からの光を透過する出射窓を有し、光形成部を取り囲むように配置される保護部材と、を備える。光形成部は、ベース部材と、ベース部材上に搭載され、異なる波長の光を出射する複数の半導体発光素子と、ベース部材上に搭載され、上記複数の半導体発光素子からの発散光を直接受けて同軸に合波するフィルタと、を含む。
【0011】
本願の光モジュールでは、異なる波長の光を出射する複数の半導体発光素子からの光がフィルタにおいて同軸に合波される。これにより、波長の異なる光を合波して光モジュールから出射することができる。また、フィルタでは、半導体発光素子からの発散光が合波される。つまり、フィルタにおいては、複数の半導体発光素子からの光がレンズによってコリメート光に変換されることなく同軸に合波される。そのため、半導体発光素子とフィルタとの間にレンズを配置する必要がない。その結果、小型化を達成することができる。このように、本願の光モジュールによれば、小型化を達成しつつ波長の異なる光を合波して出射可能な光モジュールを提供することができる。なお、フィルタとしては、たとえば波長選択性フィルタ、偏波合成フィルタなどを採用することができる。
【0012】
上記光モジュールにおいて、半導体素子から出射された発散光は、レンズを介さずに上記フィルタを透過し、または上記フィルタによって反射されてもよい。上記光モジュールにおいては、このような構成を採用することができる。
【0013】
上記光モジュールは、上記出射窓に設置され、同軸に合波された上記複数の半導体発光素子からの発散光のスポットサイズを変換するレンズをさらに備えていてもよい。このようにすることにより、コンパクトな形状を維持しつつ、所望のスポットサイズの光を得ることができる。
【0014】
上記光モジュールにおいて、上記出射窓に設置されるレンズは、球面レンズであってもよい。球面レンズは、出射窓に設置されるレンズとして好適である。
【0015】
上記光モジュールは、上記保護部材に設置され、上記出射窓から出射した光が入射する光学部品を保持するための保持部材をさらに備えていてもよい。このようにすることにより、コンパクトな形状を維持しつつ、レンズ、光ファイバ導波路などの光学部品の取り付けを容易とすることができる。
【0016】
上記光モジュールは、上記保持部材に保持される光学部品をさらに備えていてもよい。この光学部品は、光ファイバ導波路であってもよい。また、この光学部品は、レンズであってもよい。上記光モジュールにおいては、このような構成を採用することができる。
【0017】
上記光モジュールにおいて、上記複数の半導体発光素子は、赤色の光を出射する半導体発光素子、緑色の光を出射する半導体発光素子および青色の光を出射する半導体発光素子を含んでいてもよい。このようにすることにより、これらの光を合波し、所望の色の光を形成することができる。
【0018】
上記光モジュールにおいて、上記半導体発光素子はレーザダイオードであってもよい。このようにすることにより、波長のばらつきの少ない出射光を得ることができる。
【0019】
[本願発明の実施形態の詳細]
次に、本発明にかかる光モジュールの実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
【0020】
(実施の形態1)
まず、
図1〜
図3を参照して実施の形態1について説明する。
図2は、
図1のキャップ40を取り外した状態に対応する図である。また、
図3は、
図2の線分III−IIIに沿う断面図である。
【0021】
図1および
図2を参照して、本実施の形態における光モジュール1は、円盤の形状を有するステム10と、ステム10の一方の主面10A上に配置され、光を形成する光形成部20と、光形成部20を覆うようにステム10の一方の主面10A上に接触して配置され、一方の主面10A側および他方の主面10B側の両側に突出する複数のリードピン51とを備えている。ステム10とキャップ40とは、たとえばYAG(Yittrium Aluminium Garnet)レーザ溶接、抵抗溶接などの手法により溶接され、気密状態とされている。すなわち、光形成部20は、ステム10とキャップ40とによりハーメチックシールされている。
【0022】
ステム10とキャップ40とにより取り囲まれる空間には、たとえば乾燥空気、乾燥窒素などの水分が低減(除去)された気体が封入されている。キャップ40には、光形成部20からの光を透過する貫通孔である出射窓41が形成されている。出射窓41には、主面が互いに平行な平板状の形状(円盤状の形状)を有し、光形成部20において形成された光を透過する透過板42が配置されている。透過板42は、たとえばガラスからなっている。ステム10およびキャップ40は、保護部材を構成する。
【0023】
図2を参照して、光形成部20は、半円柱状の形状を有するベース部材であるベースブロック60を含む。ベースブロック60は、長方形形状を有する搭載面60Aを有している。ベースブロック60は、半円形状を有する底面において、ステム10の一方の主面10Aに固定されている。搭載面60Aは、ステム10の一方の主面10Aに対して交差するように、より具体的には垂直に配置される。ステム10の一方の主面10Aおよび他方の主面10Bは、X−Y平面に沿う。搭載面60Aは、X−Z平面に沿う。
【0024】
図2および
図3を参照して、搭載面60A上には、平板状の第1サブマウント71が配置されている。そして、第1サブマウント71上に、第1レーザダイオード81が配置されている。第1レーザダイオード81は、赤色の光を出射する。第1サブマウント71および第1レーザダイオード81は、第1レーザダイオード81からの光が搭載面60Aの一の辺に沿って出射されるように配置される。
【0025】
搭載面60A上には、平板状の第2サブマウント72が配置されている。そして、第2サブマウント72上に、第2レーザダイオード82が配置されている。第2レーザダイオード82は、緑色の光を出射する。第2サブマウント72および第2レーザダイオード82は、第2レーザダイオード82からの光が搭載面60Aの上記一の辺に交差する他の辺に沿って出射されるように配置される。第2サブマウント72および第2レーザダイオード82は、第2レーザダイオード82からの光が、第1レーザダイオード81からの光と交差する方向(直交する方向)に出射されるように配置される。
【0026】
搭載面60A上には、平板状の第3サブマウント73が配置されている。そして、第3サブマウント73上に、第3レーザダイオード83が配置されている。第3レーザダイオード83は、青色の光を出射する。第3サブマウント73および第3レーザダイオード83は、第3レーザダイオード83からの光が搭載面60Aの上記他の辺に沿って出射されるように配置される。第3サブマウント73および第3レーザダイオード83は、第3レーザダイオード83からの光が、第1レーザダイオード81からの光と交差する方向(直交する方向)に出射されるように配置される。第3サブマウント73および第3レーザダイオード83は、第3レーザダイオード83からの光が、第2レーザダイオード82からの光に沿った方向(第2レーザダイオード82からの光に平行な方向)に出射されるように配置される。
【0027】
第1レーザダイオード81、第2レーザダイオード82および第3レーザダイオード83の光軸の高さ(搭載面60Aを基準面とした場合の基準面と光軸との距離;Y軸方向における基準面との距離)は、第1サブマウント71、第2サブマウント72および第3サブマウント73により調整されて一致している。第1レーザダイオード81は、Z方向に光を出射する。第2レーザダイオード82および第3レーザダイオード83は、X方向に光を出射する。第1レーザダイオード81の光の出射方向と第2レーザダイオード82および第3レーザダイオード83の光の出射方向とは交差する。より具体的には、第1レーザダイオード81の光の出射方向と第2レーザダイオード82および第3レーザダイオード83の光の出射方向とは直交する。第3レーザダイオード83の設置面である第3サブマウント73の主面、第2レーザダイオード82の設置面である第2サブマウント72の主面および第1レーザダイオード81の設置面である第1サブマウント71の主面は、互いに平行である。
【0028】
第1レーザダイオード81を出射した光と第2レーザダイオード82を出射した光とが交差する位置に対応する搭載面60A上の領域に、第1フィルタ91が配置される。第1レーザダイオード81を出射した光と第3レーザダイオード83を出射した光とが交差する位置に対応する搭載面60A上の領域に、第2フィルタ92が配置される。第1フィルタ91および第2フィルタ92は、それぞれ互いに平行な主面を有する平板状の形状を有している。第1フィルタ91および第2フィルタ92は、たとえば波長選択性フィルタである。第1フィルタ91および第2フィルタ92は、誘電体多層膜フィルタである。
【0029】
第1フィルタ91は、赤色の光を透過し、緑色の光を反射する。第2フィルタ92は、赤色の光および緑色の光を透過し、青色の光を反射する。このように、第1フィルタ91および第2フィルタ92は、特定の波長の光を選択的に透過および反射する。その結果、第1フィルタ91および第2フィルタ92は、第1レーザダイオード81、第2レーザダイオード82および第3レーザダイオード83から出射された光を合波する。
【0030】
第1フィルタ91および第2フィルタ92の主面は、Z方向およびX方向に対して傾斜している。より具体的には、第1フィルタ91および第2フィルタ92の主面は、Z方向(第1レーザダイオード81の出射方向)およびX方向(第2レーザダイオード82および第3レーザダイオード83の出射方向)に対して45°傾斜している。
【0031】
第1レーザダイオード81から出射される光は、レンズを通過することなく第1フィルタ91および第2フィルタ92に到達する。第2レーザダイオード82から出射される光は、レンズを通過することなく第1フィルタ91および第2フィルタ92に到達する。第3レーザダイオード83から出射される光は、レンズを通過することなく第2フィルタ92に到達する。すなわち、第1レーザダイオード81と第1フィルタ91との間には、レンズは配置されない。また、第2レーザダイオード82と第1フィルタ91との間には、レンズは配置されない。さらに、第3レーザダイオード83と第2フィルタ92との間には、レンズは配置されない。第1レーザダイオード81、第2レーザダイオード82および第3レーザダイオード83からの光は、レンズを通過することなく出射窓41に到達する。
【0032】
次に、本実施の形態における光モジュール1の動作について説明する。
図3を参照して、第1レーザダイオード81から出射された赤色の光は、光路L
1に沿って進行し、第1フィルタ91に入射する。第1フィルタ91は赤色の光を透過するため、第1レーザダイオード81から出射された光は光路L
2に沿ってさらに進行し、第2フィルタ92に入射する。そして、第2フィルタ92は赤色の光を透過するため、第1レーザダイオード81から出射された光は光路L
3に沿ってさらに進行し、キャップ40の出射窓41に配置された透過板42を通って光モジュール1の外部へと出射する。
【0033】
第2レーザダイオード82から出射された緑色の光は、光路L
4に沿って進行し、第1フィルタ91に入射する。第1フィルタ91は緑色の光を反射するため、第2レーザダイオード82から出射された光は光路L
2に合流する。その結果、緑色の光は赤色の光と同軸に合波され、光路L
2に沿って進行し、第2フィルタ92に入射する。そして、第2フィルタ92は緑色の光を透過するため、第2レーザダイオード82から出射された光は光路L
3に沿ってさらに進行し、キャップ40の出射窓41に配置された透過板42を通って光モジュール1の外部へと出射する。
【0034】
第3レーザダイオード83から出射された青色の光は、光路L
5に沿って進行し、第2フィルタ92に入射する。第2フィルタ92は青色の光を反射するため、第3レーザダイオード83から出射された光は光路L
3に合流する。その結果、青色の光は赤色の光および緑色の光と合波され、光路L
3に沿って進行し、キャップ40の出射窓41に配置された透過板42を通って光モジュール1の外部へと出射する。
【0035】
このようにして、キャップ40の出射窓41から、赤色、緑色および青色の光が合波されて形成された光が出射する。ここで、第1レーザダイオード81、第2レーザダイオード82および第3レーザダイオード83から出射される光は発散光である。そして、第1フィルタ91および第2フィルタ92は、レンズを通ることなく第1フィルタ91および第2フィルタ92に到達した光を同軸に合波する。すなわち、第1フィルタ91および第2フィルタ92は、第1レーザダイオード81、第2レーザダイオード82および第3レーザダイオード83からの発散光を直接受けて同軸に合波する。
【0036】
第1フィルタ91および第2フィルタ92の位置および向きは、たとえば以下のように調整することができる。
図3を参照して、まずベースブロック60の搭載面60Aに第1サブマウント71、第2サブマウント72および第3サブマウント73ならびに第1レーザダイオード81、第2レーザダイオード82および第3レーザダイオード83が固定され、電気的接続が形成される。次に、第1フィルタ91および第2フィルタ92が設置されるべき搭載面60A内の領域上に、たとえば紫外線硬化樹脂からなる接着剤を用いて第1フィルタ91および第2フィルタ92が保持される。この時点では、接着剤の粘着力により第1フィルタ91および第2フィルタ92が保持されているものの、完全に固定されている状態とはなっていない。
【0037】
次に、ベースブロック60から見てステム10とは反対側にリファレンスレンズを配置した状態で第1レーザダイオード81に通電して発光させる。これにより、第1レーザダイオード81からの光(発散光)がリファレンスレンズによりコリメート光に変換される。そして、コリメート光に変換された第1レーザダイオード81を、たとえばCCD(Charge Coupled Device)カメラで受光し、受光した位置を基準点とする。
【0038】
次に、第1レーザダイオード81への通電を停止するとともに、第2レーザダイオード82に通電して発光させる。第2レーザダイオード82からの光は、リファレンスレンズによりコリメート光に変換されたうえで、CCDカメラによって受光される。そして、第2レーザダイオード82からの光が上記基準点に一致するように第1フィルタ91が調整される。
【0039】
次に、第2レーザダイオード82への通電を停止するとともに、第3レーザダイオード83に通電して発光させる。第3レーザダイオード83からの光は、リファレンスレンズによりコリメート光に変換されたうえで、CCDカメラによって受光される。そして、第3レーザダイオード83からの光が上記基準点に一致するように第2フィルタ92が調整される。その後、接着剤である紫外線硬化樹脂に紫外線が照射されて硬化されることにより、第1フィルタ91および第2フィルタ92が固定される。以上のようにして、第1レーザダイオード81、第2レーザダイオード82および第3レーザダイオード83からの発散光を同軸に合波するように第1フィルタ91および第2フィルタ92の位置および向きが調整される。その後、キャップ40がステム10に取り付けられる。
【0040】
本実施の形態の光モジュール1においては、異なる波長の光を出射する第1レーザダイオード81、第2レーザダイオード82および第3レーザダイオード83からの光が第1フィルタ91および第2フィルタ92において同軸に合波される。これにより、波長の異なる光を合波して、所望の色の光を光モジュール1から出射することができる。また、第1フィルタ91および第2フィルタ92では、第1レーザダイオード81、第2レーザダイオード82および第3レーザダイオード83からの発散光が合波される。つまり、第1フィルタ91および第2フィルタ92においては、第1レーザダイオード81、第2レーザダイオード82および第3レーザダイオード83からの光がレンズによってコリメート光に変換されることなく同軸に合波される。そのため、第1レーザダイオード81、第2レーザダイオード82および第3レーザダイオード83と第1フィルタ91および第2フィルタ92との間にレンズを配置する必要がない。その結果、小型化を達成することができる。このように、本実施の形態の光モジュール1は、小型化を達成しつつ波長の異なる光を合波して出射可能な光モジュールとなっている。
【0041】
(実施の形態2)
次に、他の実施の形態である実施の形態2について説明する。
図4は、実施の形態2における光モジュールの構造を示す概略断面図である。
図4は、上記実施の形態1の
図3に対応する断面図である。
図4および
図3を参照して、本実施の形態における光モジュール1は、基本的には実施の形態1の場合と同様の構造を有し、同様の効果を奏する。しかし、実施の形態2における光モジュール1は、出射窓41にレンズが配置される点において実施の形態1の場合とは異なっている。
【0042】
図4を参照して、実施の形態2の光モジュール1においては、出射窓41に、コリメートレンズとして球面レンズ43が設置される。これにより、第1フィルタ91および第2フィルタ92において同軸に合波された第1レーザダイオード81、第2レーザダイオード82および第3レーザダイオード83からの発散光は、球面レンズ43によってコリメート光に変換されて光モジュール1から出射する。このような構造を採用することにより、第1レーザダイオード81、第2レーザダイオード82および第3レーザダイオード83のそれぞれに対応するように搭載面60A上にレンズを配置する場合に比べて、光モジュール1を小型化しつつ、光モジュール1からコリメート光を出射させることができる。
【0043】
(実施の形態3)
次に、さらに他の実施の形態である実施の形態3について説明する。
図5は、実施の形態3における光モジュールの構造を示す概略断面図である。
図5は、上記実施の形態1の
図3に対応する断面図である。
図5および
図3を参照して、本実施の形態における光モジュール1は、基本的には実施の形態1の場合と同様の構造を有し、同様の効果を奏する。しかし、実施の形態3における光モジュール1は、保護部材であるキャップ40に設置され、出射窓41から出射した光が入射する光学部品しての光ファイバ導波路101を保持するための保持部材としてのベース体44およびファイバ保持部材45をさらに備える点において実施の形態1の場合とは異なっている。
【0044】
図5を参照して、ベース体44は、中空円筒状の形状を有している。ベース体44は、一方の端面において、中空部分44Aが出射窓41に対応するようにキャップ40の外壁に取り付けられている。ファイバ保持部材45は、中心軸を含むように貫通孔45Aを有する円錐台状の形状を有している。ファイバ保持部材45は、貫通孔45Aがベース体44の中空部分44Aに対応するように、底面においてベース体44のキャップ40に接続される側とは反対側の端面に取り付けられている。貫通孔45Aに光ファイバ導波路101が挿入されることにより、光ファイバ導波路101がファイバ保持部材45に保持されている。また、出射窓41に、集光レンズとして球面レンズ49が設置される。これにより、第1フィルタ91および第2フィルタ92において同軸に合波された第1レーザダイオード81、第2レーザダイオード82および第3レーザダイオード83からの発散光は、球面レンズ49によって集光され、光ファイバ導波路101に入射する。このような構造を採用することにより、光モジュール1を小型化しつつ、所望の色に調整された光を光ファイバ導波路101に入射させることができる。
【0045】
(実施の形態4)
次に、さらに他の実施の形態である実施の形態4について説明する。
図6は、実施の形態4における光モジュールの構造を示す概略断面図である。
図6は、上記実施の形態1の
図3に対応する断面図である。
図6および
図3を参照して、本実施の形態における光モジュール1は、基本的には実施の形態1の場合と同様の構造を有し、同様の効果を奏する。しかし、実施の形態4における光モジュール1は、保護部材であるキャップ40に設置され、出射窓41から出射した光が入射する光学部品しての非球面レンズ102を保持するための保持部材としてのベース体46およびレンズ保持部材47をさらに備える点において実施の形態1の場合とは異なっている。
【0046】
具体的には、
図6を参照して、ベース体46は、中空円筒状の形状を有している。ベース体46は、一方の端面において、中空部分46Aが出射窓41に対応するようにキャップ40の外壁に取り付けられている。レンズ保持部材47は、中空円筒状の形状を有している。レンズ保持部材47は、中空部分47Aがベース体46の中空部分46Aに対応するように、一方の端面においてベース体46のキャップ40に接続される側とは反対側の端面に取り付けられている。中空部分47Aに挿入されることにより、コリメートレンズとしての非球面レンズ102が外周面においてレンズ保持部材47に保持される。これにより、第1フィルタ91および第2フィルタ92において同軸に合波された第1レーザダイオード81、第2レーザダイオード82および第3レーザダイオード83からの発散光は、非球面レンズ102によってコリメート光に変換される。このような構造を採用することにより、光モジュール1を小型化しつつ、所望の色に調整されたコリメート光を得ることができる。
【0047】
なお、上記サブマウントは、サブマウント上に搭載される素子等に熱膨張係数が近い材料からなるものとされ、たとえばAlN(窒化アルミニウム)、SiC(炭化珪素)、Si(珪素)、ダイヤモンドなどからなるものとすることができる。また、ステムおよびキャップを構成する材料としては、たとえば熱伝導率の高い材料である鉄、銅などを採用してもよいし、AlN(窒化アルミニウム)、CuW(銅タングステン)、CuMo(銅モリブデン)などを採用してもよい。
【0048】
また、第1レーザダイオード81、第2レーザダイオード82および第3レーザダイオード83は、出射窓41に、または出射窓41の外側にレンズを配置した場合に、第1レーザダイオード81、第2レーザダイオード82および第3レーザダイオード83からの光が同一のスポットサイズとなるように、または焦点位置が一致するように配置されることが好ましい。より具体的には、第1レーザダイオード81、第2レーザダイオード82および第3レーザダイオード83からの光が、レンズによって同一のスポットサイズに変換されるように、屈折率の大きい(波長の短い)光を出射する第3レーザダイオード83からレンズまでの光路の長さが第2レーザダイオード82からレンズまでの光路の長さよりも長く、屈折率の小さい(波長の長い)光を出射する第1レーザダイオード81からレンズまでの光路の長さが、第2レーザダイオード82からレンズまでの光路の長さよりも短くなるように、第1レーザダイオード81、第2レーザダイオード82および第3レーザダイオード83が配置されることが好ましい。
【0049】
上記実施の形態1〜4の構造は、本願の光モジュールの構造の一例である。上記実施の形態においては、3個のレーザダイオードからの光が合波される場合について説明したが、2個のレーザダイオードからの光が合波されてもよいし、4個以上のレーザダイオードからの光が合波されてもよい。また、上記実施の形態では、半導体発光素子の一例としてレーザダイオードが採用される場合について説明したが、半導体発光素子として発光ダイオードが採用されてもよい。
【0050】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、請求の範囲によって規定され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。