特許第6819979号(P6819979)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6819979医療看護提供方法、システムおよびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6819979
(24)【登録日】2021年1月6日
(45)【発行日】2021年1月27日
(54)【発明の名称】医療看護提供方法、システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 40/20 20180101AFI20210114BHJP
【FI】
   G16H40/20
【請求項の数】11
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2020-11272(P2020-11272)
(22)【出願日】2020年1月27日
【審査請求日】2020年1月27日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520025758
【氏名又は名称】メーア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120581
【弁理士】
【氏名又は名称】市原 政喜
(72)【発明者】
【氏名】水谷 和美
【審査官】 池田 聡史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−099616(JP,A)
【文献】 特開2002−109073(JP,A)
【文献】 特開2002−163370(JP,A)
【文献】 特開2018−045668(JP,A)
【文献】 特開2018−022235(JP,A)
【文献】 特開2003−296452(JP,A)
【文献】 特開2014−010534(JP,A)
【文献】 特開2002−230180(JP,A)
【文献】 特開2008−217748(JP,A)
【文献】 井出一男,“医療情報システムとニューメディア”,病院設備,日本,日本病院設備協会,1987年 1月20日,第29巻, 第1号,pp.17〜24
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00 − 80/00
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療行為を含む提供サービスにより定められる定額の所定の会費により在宅において医療看護処置を提供する医療看護提供システムであって、
被看護者からの医療看護要求に合致させて、予め用意された医療看護提供者ごとに、専門を表す情報、スキルを表す情報および医療看護提供条件を少なくとも格納したデータベースに基づいて候補者をリストし、該候補者に対応依頼を送信する依頼送信手段と、
前記候補者からの対応依頼への応諾か否か、および実施案を受信する応諾受診手段と、
前記候補者からの対応依頼への応諾に基づいて、所定の方式で医療看護提供者を決定する医療看護提供者決定手段と、
予め定められた医療看護プログラムに基づいて、前記決定した医療看護提供者の提供する実施案に合致するスケジュールおよび提供内容を確定し、当該実施案で使用するためのバイタルセットをリストして予め所定の住所に送付する指示を送信する確定手段と、
前記確定したスケジュールおよび提供内容に基づいて前記医療看護提供者が提供した医療看護内容および要した時間を記録した実施内容を含む医療看護実績データを受信してデータベースに記録する報告手段と、
前記データベースから前記医療看護実績データを読み出して、前記医療看護実績データに含まれる所定の期間ごとに、当該期間内に提供された医療看護サービスに基づいて、前記医療看護提供者の専門およびレベルに応じたタイムチャージおよび医療看護処置に応じた処置費用を算出する報酬算出手段と
を備えたことを特徴とする医療看護提供システム。
【請求項2】
前記会費は前記予め定められた医療看護プログラムに応じて定められることを特徴とする請求項1に記載の医療看護提供システム。
【請求項3】
前記予め定められた医療看護プログラムは、利用する医療看護提供者のランクに応じて会費を決定することを特徴とする請求項2に記載の医療看護提供システム。
【請求項4】
前記予め定められた医療看護プログラムを超える医療看護サービスが提供された時は追加の会費を計算する追加費用算出手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の医療看護提供システム。
【請求項5】
前記被看護者から定期的に身体情報を受信して所定の変化を検出すると前記医療看護提供者に警告を送信する救急警告手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の医療看護提供システム。
【請求項6】
前記被看護者の医療看護履歴を含む医療看護情報を格納したカードから医療看護情報を受信し、および前記医療看護サービスが実行された時は医療看護履歴を更新するカード管理手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の医療看護提供システム。
【請求項7】
前記医療看護サービスごとに設定されたポイントを管理するポイント管理手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の医療看護提供システム。
【請求項8】
前記被看護者から前記医療看護サービスに関するメッセージを受信し、前記医療看護提供者に転送するメッセージ管理手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の医療看護提供システム。
【請求項9】
医療行為を含む提供サービスにより定められる定額の所定の会費により在宅において医療看護処置を提供する医療看護提供方法であって、
被看護者からの医療看護要求に合致させて、予め用意された医療看護提供者ごとに、専門を表す情報、スキルを表す情報および医療看護提供条件を少なくとも格納したデータベースに基づいて候補者をリストし、該候補者に対応依頼を送信する依頼送信ステップと、
前記候補者からの対応依頼への応諾か否か、および実施案を受信する応諾受診ステップと、
前記候補者からの対応依頼への応諾に基づいて、所定の方式で医療看護提供者を決定する医療看護提供者決定ステップと、
予め定められた医療看護プログラムに基づいて、前記決定した医療看護提供者の提供する実施案に合致するスケジュールおよび提供内容を確定し、当該実施案で使用するためのバイタルセットをリストして予め所定の住所に送付する指示を送信する確定ステップと、
前記確定したスケジュールおよび提供内容に基づいて前記医療看護提供者が提供した医療看護内容および要した時間を記録した実施内容を含む医療看護実績データを受信してデータベースに記録する報告ステップと、
前記データベースから前記医療看護実績データを読み出して、前記医療看護実績データに含まれる所定の期間ごとに、当該期間内に提供された医療看護サービスに基づいて、前記医療看護提供者の専門およびレベルに応じたタイムチャージおよび医療看護処置に応じた処置費用を算出する報酬算出ステップと
を備えたことを特徴とする医療看護提供方法。
【請求項10】
コンピュータに、医療行為を含む提供サービスにより定められる定額の所定の会費により在宅において医療看護処置を提供する医療看護提供方法を実行させるプログラムであって、該方法は、
被看護者からの医療看護要求に合致させて、予め用意された医療看護提供者ごとに、専門を表す情報、スキルを表す情報および医療看護提供条件を少なくとも格納したデータベースに基づいて候補者をリストし、該候補者に対応依頼を送信する依頼送信ステップと、
前記候補者からの対応依頼への応諾か否か、および実施案を受信する応諾受診ステップと、
前記候補者からの対応依頼への応諾に基づいて、所定の方式で医療看護提供者を決定する医療看護提供者決定ステップと、
予め定められた医療看護プログラムに基づいて、前記決定した医療看護提供者の提供する実施案に合致するスケジュールおよび提供内容を確定し、当該実施案で使用するためのバイタルセットをリストして予め所定の住所に送付する指示を送信する確定ステップと、
前記確定したスケジュールおよび提供内容に基づいて前記医療看護提供者が提供した医療看護内容および要した時間を記録した実施内容を含む医療看護実績データを受信してデータベースに記録する報告ステップと、
前記データベースから前記医療看護実績データを読み出して、前記医療看護実績データに含まれる所定の期間ごとに、当該期間内に提供された医療看護サービスに基づいて、前記医療看護提供者の専門およびレベルに応じたタイムチャージおよび医療看護処置に応じた処置費用を算出する報酬算出ステップと
を備えたことを特徴とするプログラム。
【請求項11】
医療行為を含む提供サービスにより定められる定額の所定の会費により在宅医療を提供する医療看護手配システムであって、
被看護者からの要求を受信する要求受信手段と、
予め用意された医療看護提供者ごとに、専門を表す情報、スキルを表す情報および医療看護提供条件を少なくとも格納したデータベースに基づいて候補者をリストし、該候補者に対応依頼を送信する依頼送信手段と、
前記候補者から対応依頼への応諾および実施案を受信すると、所定の方式で医療看護提供者を決定し、前記決定した医療看護提供者の提供する実施案に合致するスケジュールおよび提供内容を確定する確定手段と、
決定した医療看護提供者が確定したスケジュールおよび提供内容を送信する結果送信手段と、
前記実施案で使用するためのバイタルセットを含む、提供内容に応じた医療機器をリストして予め所定の住所に送付する指示を送信する医療機器手配手段と
を備えたことを特徴とする医療看護手配システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医療看護提供方法、システム、サーバおよびプログラムに関し、より具体的には、医療機関以外の被看護者の在宅等において医療看護サービスを提供する医療看護提供方法、システム、サーバおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、疾病や障害等に対する治療および看護は施設の整った医療機関に被看護者である患者が通院することにより行われており、定期的に医療を受ける必要があるにも関わらず外来通院あるいは入院が困難な場合に限り、医師や看護師等の医療関係者が患者の自宅に定期的に訪問して行う訪問看護が行われていた。しかし近年では、医師不足、人口減少による医療機関の集約等により、全ての被看護者に対する医療機関での看護が困難になってきており、高齢化に伴い安心できる自宅での看護へのニーズもあり、従来にないタイプの在宅医療が求められている。例えば、複数の事業所の訪問看護管理を集中して有効におこなうことが出来るようにすることで、訪問看護業務における間接業務が軽減され、利用者からの訪問依頼に対して十分に応えられるようにすることを目的とし、経験 高又は経験 中の訪問看護担当欄にある要求 小を、空きのある限りにおいて移動させ、経験 高の訪問看護担当欄にある要求 中を、空きのある限りにおいて移動させて、仮の前記訪問看護担当割り振り表を形成させ、訪問スケジュール作成担当から、仮の前記訪問看護担当割り振り表に表示されたいずれかの表示と同一の又は他の訪問看護担当欄に表示された表示との間での変更指示がなされたときに、当該変更指示を取得して、表示を変更させて、再編された訪問看護担当割り振り表を表示させる訪問看護管理システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一方、医療機関勤務の医師や看護師の勤務態様は、一般に昼間のフルタイムの勤務に加え夜勤が組み込まれており時間の束縛が多く、養育や介護との両立が困難なほか、体力的にも厳しく、一定の年齢を超えると正職員として勤務の継続が困難である。このため、本来活用可能な貴重な人的資源を活用することを目的とし、より柔軟な働き方改革が求められている。例えば、看護師と医療機関とのマッチングを行うシステムとして、簡易な構成で看護師を求める医療機関と就職先を求める看護師とのマッチングを効率的に行うことができると共に、就職先を求める看護師が安心して利用でき、急な看護師の欠員に対しても迅速に求人を行うことを目的とし、医療機関端末2と、看護師端末3と、医療機関端末2と看護師端末3とをインターネット通信網5を介して接続するサーバ4とを備えてなる看護師マッチングシステム1であって、サーバ4は、医療機関端末2の募集条件入力画面から入力される募集条件を受け付けて、医療機関に付与する固有の識別番号と関連付けて記憶部44に登録する募集条件登録処理と、記憶部44に登録されている募集条件のうち、看護師端末3の希望条件検索画面から入力される希望条件に合致するものを抽出して看護師端末3に表示する希望条件抽出表示処理とを備えるマッチングシステムが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017−134586号公報
【特許文献2】特開2016−85624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の特許文献1に記載されているような訪問看護管理システムでは、あくまでも医療機関に勤務している看護師等を訪問看護で活用する際の調整を図るだけであり、正規雇用の正職員を対象としているので、いずれの医療機関にも所属していない看護師とのマッチングを取ることができないという問題がある。また、特許文献2に記載されているようなマッチングシステムでは、あくまで医療機関での作業を前提としているため、在宅による医療看護サービスを提供する看護師等のマッチングを取って被看護者の自宅に派遣するという用途には向かないという問題がある。
【0006】
本発明は上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、被看護者から医療看護サービス提供依頼に基づく対応依頼を看護者等がスマートフォンやパソコンから受け取り、対応可能な看護者等から送信された応諾に基づいて、医療看護提供者を決定することにより、柔軟できめ細かい医療看護サービスの提供を行うことが可能な医療看護提供方法、システム、サーバおよびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、医療行為を含む提供サービスにより定められる定額の所定の会費により在宅において医療看護処置を提供する医療看護提供システムであって、被看護者からの医療看護要求に合致させて、予め用意された医療看護提供者ごとに、専門を表す情報、スキルを表す情報および医療看護提供条件を少なくとも格納したデータベースに基づいて候補者をリストし、候補者に対応依頼を送信する依頼送信手段と、候補者からの対応依頼への応諾か否か、および実施案を受信する応諾受診手段と、候補者からの対応依頼への応諾に基づいて決定した医療看護提供者の提供する実施案に合致するスケジュールおよび提供内容を確定し、実施案で使用するためのバイタルセットをリストして予め所定の住所に送付する指示を送信する確定手段と、確定したスケジュールおよび提供内容に基づいて医療看護提供者が提供した医療看護内容および要した時間を記録した実施内容を含む医療看護実績データを受信してデータベースに記録する報告手段と、データベースから医療看護実績データを読み出して、医療看護実績データに含まれる所定の期間ごとに、当該期間内に提供された医療看護サービスに基づいて、医療看護提供者の専門およびレベルに応じたタイムチャージおよび医療看護処置に応じた処置費用を算出する報酬算出手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の医療看護提供システムにおいて、会費は前記予め定められた医療看護プログラムに応じて定められることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の医療看護提供システムにおいて、予め定められた医療看護プログラムは、利用する医療看護提供者のランクに応じて会費を決定することを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の医療看護提供システムにおいて、予め定められた医療看護プログラムを超える医療看護サービスが提供された時は追加の会費を計算する追加費用算出手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の医療看護提供システムにおいて、被看護者から定期的に身体情報を受信して所定の変化を検出すると医療看護提供者に警告を送信する救急警告手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の医療看護提供システムにおいて、被看護者の医療看護履歴を含む医療看護情報を格納したカードから医療看護情報を受信し、および医療看護サービスが実行された時は医療看護履歴を更新するカード管理手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の医療看護提供システムにおいて、医療看護サービスごとに設定されたポイントを管理するポイント管理手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載の医療看護提供システムにおいて、被看護者から医療看護サービスに関するメッセージを受信し、医療看護提供者に転送するメッセージ管理手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項9に記載の発明は、医療行為を含む提供サービスにより定められる定額の所定の会費により在宅において医療看護処置を提供する医療看護提供方法であって、被看護者からの医療看護要求に合致させて、予め用意された医療看護提供者ごとに、専門を表す情報、スキルを表す情報および医療看護提供条件を少なくとも格納したデータベースに基づいて候補者をリストし、候補者に対応依頼を送信する依頼送信ステップと、候補者からの対応依頼への応諾か否か、および実施案を受信する応諾受診ステップと、候補者からの対応依頼への応諾に基づいて、所定の方式で医療看護提供者を決定する医療看護提供者決定ステップと、予め定められた医療看護プログラムに基づいて決定した医療看護提供者の提供する実施案に合致するスケジュールおよび提供内容を確定し、実施案で使用するためのバイタルセットをリストして予め所定の住所に送付する指示を送信する確定ステップと、確定したスケジュールおよび提供内容に基づいて医療看護提供者が提供した医療看護内容および要した時間を記録した実施内容を含む医療看護実績データを受信してデータベースに記録する報告ステップと、データベースから医療看護実績データを読み出して、医療看護実績データに含まれる所定の期間ごとに、期間内に提供された医療看護サービスに基づいて、医療看護提供者の専門およびレベルに応じたタイムチャージおよび医療看護処置に応じた処置費用を算出する報酬算出ステップとを備えたことを特徴とする医療看護提供方法。
【0016】
請求項10に記載の発明は、コンピュータに、医療行為を含む提供サービスにより定められる定額の所定の会費により在宅において医療看護処置を提供する医療看護提供方法を実行させるプログラムであって、方法は、被看護者からの医療看護要求に合致させて、予め用意された医療看護提供者ごとに、専門を表す情報、スキルを表す情報および医療看護提供条件を少なくとも格納したデータベースに基づいて候補者をリストし、候補者に対応依頼を送信する依頼送信ステップと、候補者からの対応依頼への応諾か否か、および実施案を受信する応諾受診ステップと、候補者からの対応依頼への応諾に基づいて、所定の方式で医療看護提供者を決定する医療看護提供者決定ステップと、予め定められた医療看護プログラムに基づいて決定した医療看護提供者の提供する実施案に合致するスケジュールおよび提供内容を確定し、実施案で使用するためのバイタルセットをリストして予め所定の住所に送付する指示を送信する確定ステップと、確定したスケジュールおよび提供内容に基づいて医療看護提供者が提供した医療看護内容および要した時間を記録した実施内容を含む医療看護実績データを受信してデータベースに記録する報告ステップと、データベースから医療看護実績データを読み出して、医療看護実績データに含まれる所定の期間ごとに、期間内に提供された医療看護サービスに基づいて、医療看護提供者の専門およびレベルに応じたタイムチャージおよび医療看護処置に応じた処置費用を算出する報酬算出ステップとを備えたことを特徴とする。
【0017】
請求項11に記載の発明は、医療行為を含む提供サービスにより定められる定額の所定の会費により在宅医療を提供する医療看護手配システムであって、被看護者からの要求を受信する要求受信手段と、予め用意された医療看護提供者ごとに、専門を表す情報、スキルを表す情報および医療看護提供条件を少なくとも格納したデータベースに基づいて候補者をリストし、候補者に対応依頼を送信する依頼送信手段と、候補者から対応依頼への応諾および実施案を受信すると、所定の方式で医療看護提供者を決定し、決定した医療看護提供者の提供する実施案に合致するスケジュールおよび提供内容を確定する確定手段と、決定した医療看護提供者が確定したスケジュールおよび提供内容を送信する結果送信手段と、実施案で使用するためのバイタルセットを含む、提供内容に応じた医療機器をリストして予め所定の住所に送付する指示を送信する医療機器手配手段とを備えたことを特徴とする医療看護手配システム。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、医療行為を含む提供サービスにより定められる定額の所定の会費により在宅において医療看護処置を提供する医療看護提供システムであって、被看護者からの医療看護要求に合致させて、予め用意された医療看護提供者ごとに、専門を表す情報、スキルを表す情報および医療看護提供条件を少なくとも格納したデータベースに基づいて候補者をリストし、候補者に対応依頼を送信する依頼送信手段と、候補者からの対応依頼への応諾か否か、および実施案を受信する応諾受診手段と、候補者からの対応依頼への応諾に基づいて決定した医療看護提供者の提供する実施案に合致するスケジュールおよび提供内容を確定し、実施案で使用するためのバイタルセットをリストして予め所定の住所に送付する指示を送信する確定手段と、確定したスケジュールおよび提供内容に基づいて医療看護提供者が提供した医療看護内容および要した時間を記録した実施内容を含む医療看護実績データを受信してデータベースに記録する報告手段と、データベースから医療看護実績データを読み出して、医療看護実績データに含まれる所定の期間ごとに、期間内に提供された医療看護サービスに基づいて、医療看護提供者の専門およびレベルに応じたタイムチャージおよび医療看護処置に応じた処置費用を算出する報酬算出手段とを備えているので、柔軟できめ細かい医療看護サービスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態の全体のシステム構成図である。
図2】本発明の一実施形態のサーバと被看護者端末の一例の機能ブロック図である。
図3】本発明の一実施形態のサーバと医療看護提供者端末の一例の機能ブロック図である。
図4】本発明の一実施形態の被看護者端末における医療看護サービス提供依頼処理を示すフローチャートである。
図5】本発明の一実施形態の医療看護提供者端末における医療看護提供者を決定処理を示すフローチャートである。
図6】本発明の一実施形態のビジネススキームの一例を示す図である。
図7】本発明の一実施形態の医療看護サービスの提供処理を示すフローチャートである。
図8】本発明の一実施形態の報酬額算出処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の医療看護提供方法、システム、サーバおよびプログラムについて図面を参照して実施形態を説明する。なお、異なる図面でも、同一の処理、構成を示すときは同一の符号を用いる。
【0021】
本発明は、図6に示すようなビジネススキームに基づいて、在宅で医療看護サービスの提供を希望する被看護者と、それに対応可能な医療看護提供者とを結び付け、必要とされる医療看護を被看護者に提供させるものであり、被看護者、医療看護提供者は予め登録されているものとする。すなわち、被看護者は医療看護サービスを受ける対象者として会員登録しておき、提供されるサービスの対価として所定の会費を納付し、医療提供者はサービス提供の実績に合わせて報酬を受け取る。本実施形態のシステムにおける医療看護サービスは、単なる保育や介護サービスではなく、いわゆる医療行為を含み、そのため医療看護提供者は、医師、保健師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、認定病児保育専門士および救急救命士を含むが、これに限られることなく本実施形態の医療看護サービスを提供することが可能ないずれの専門職も含まれる。本実施形態の医療看護提供者は、通常他の医療機関等に常勤しており、パートタイムあるいは短時間労働者として、また家庭休眠専門職として正規勤務を有さずに、可能な時間のみ医療看護サービスを提供することができる。
【0022】
本実施形態では、このような医療看護提供者を活用することにより、将来的に発生が予測される医師、看護師等の不足に対応するとともに、フルタイムでは継続したサービスの提供ができない専門職を有効に活用するマッチングの場を提供することができる。これに限られないが、特に保健師、看護師、認定病児保育専門士について、提供可能な専門技術に応じて、例えば、オールマイティ、オーソドックス、レギュラーといった料金およびレベルを、被看護者は選択することもできる。このようなレベルに応じて医療看護提供者の報酬が算出される。
【0023】
また、本実施形態のシステムは、従来にない在宅医療に特化したものであり、医療機関などの事業所の存在を前提としないことから、基本的に健康保険の適用を受けず、自由診療となるので、一般の医療機関の医療看護サービスとは料金体系が異なり、保険点数等にかかわらず提供されるサービスの質および量で、被看護者の支払う費用と、医療看護提供者に支払われる報酬を決定する。具体的には、在宅医療看護を行った時間に各医療看護提供者ごとの単価を乗じたタイムチャージおよび施された医療看護処置の内容に応じた処置費用に基づいて報酬が算出される。すなわち、サブスクリプションビジネスのように、会費制として、ある程度一定の会費を会員から定期的に徴収し、個々の医療看護サービスごとに費用を取らないようにする方が、利便性の高いシステムとすることができると考えられる。ただし、後述するように、会費の枠を超える高額な処置が提供される場合や、利用頻度が高くなる場合には、会費をスライド制にしたり、特定の処置費用を個別に請求したりして、バランスを取ることができる。
【0024】
ここで、被看護者の会費は定額制としたり、いくつかの金額の異なるメニューを用意して会員登録時に指定させたりすることができる。例えば、医療看護提供者を提供できるサービス内容や経験年数等で3ランク程度に分けて、被看護者の状態や希望に合わせてランクを選択することができるようにしたり、所定の医療看護プログラムをメニューとして設定しておき選択できるようにしたりすることができる。また、会員のサービス使用頻度を反映させて、会費をスライドさせることもできる。さらに、会員登録時設定されていなかったサービスを緊急に使用することになった場合は、別途追加料金を設定するようにすることもできる。被看護者会員は登録とともに、ICカードを作製され、各種個人情報を格納して管理することができる。医療看護提供者も同様にカードにより種々の情報を管理することができる。
【0025】
(第1実施形態)
(システム構成)
本実施形態では、図1に示すように、各端末との送受信や、データ管理、予約受付、サービス依頼処理、支払処理など医療看護サービスの提供に必要な処理を実行する医療看護提供サーバ101がネットワークに接続されており、ネットワーク103を介して利用者側の各被看護者端末111、112や提供者側の医療看護提供者端末121に接続されている。本実施形態では、このサーバ101の機能は、クラウドを通じて各端末に提供することもできる。この場合、各端末ではブラウザや専用アプリを使用して主に入力、表示のみの処理を行い、データの管理、種々の処理は基本的にサーバ上で行われるが、クラウドの構成とせずインターネットや専用のネットワークを介して直接クライアントや端末などに提供するような構成とすることもできる。
【0026】
サーバとしては、医療看護提供サーバ101に加え、提供する医療看護サービスに伴って必要となる医療機器を手配、管理する医療機器提供サーバ102も備えることができる。このような医療機器は、レンタル等の本技術分野で知られた様々な方法で提供できるが、医療看護処置に必要なものや、在宅で被看護者に継続して治療を行うために必要な機器などが含まれ、さらに本実施形態の医療看護サービスに伴い必要とされる医療機器が含まれるものとする。医療機器は、予め医療看護提供者からの指示で、または被看護者の要請に応じて医療機器提供サーバ102を通じ、予約が行われ、必要な場所に送付される。また、図示しないデータベースを備え、データベースには、候補者をリストアップするため予め用意された医療看護提供者の専門、スキル、医療看護提供条件などのデータが格納されており他、本実施形態で必要とされる各種データが格納されている。
【0027】
本実施形態では、利用者側の端末として、被看護者端末111、112が用いられるが、これらの端末は医療看護サービスを依頼する個人会員が種々の入力や管理、決定などのために用いる。
【0028】
また、医療看護サービスの提供者側としては、一般に医療看護提供者端末121が使用されるが、サービスを提供するためにあらかじめ登録してある医師や看護師が医療看護提供者端末121を使用して、依頼内容の応諾を示すことができる。本実施形態のシステムでは、本技術分野で知られた方法で登録された医師や看護師の管理、医療看護提供者端末121からシステムへのアクセス処理など必要な情報処理を行う。被看護者側の端末も同様だが、登録せずに一時的に利用するようにすることもできる。ここでは、医療看護提供者端末121は1台しか例示されていないが、実際はシステム全体として十分にサービスを提供できるだけの医師および看護師の分だけ存在することができる。
【0029】
端末111、112、121は、基本的に無線でネットワーク103に接続されており、例えばタブレット端末とすることができ、本実施形態でネットワーク103との接続は、携帯電話の回線や、Wi−fi、BLUETOOTH(登録商標)等の無線ネットワークにより行うことができる。ここで端末111、112、121はタブレット端末のほか、スマートフォン、あるいはモバイルパソコン等とすることができるが、基本的にネットワークを介して医療看護提供システムにアクセスして入力画面を表示、およびタッチパネル、マウスまたはキーボードで一定の入力操作をすることができれば、モバイルあるいはデスクトップのパソコン、専用端末などいずれの装置を用いることもできる。
【0030】
また、本実施形態の医療看護提供サービスに関する処理を主に実行するサーバとしては、医療看護提供サーバ101のみで処理を行うようにしているが、これに限られず複数のサーバに分けて、機能分担させることもできる。
【0031】
図2は、本発明の一実施形態のサーバおよび医療看護提供者端末の機能ブロック図である。医療看護提供サーバ101は、被看護者端末111からアクセスを受け、サービス依頼のオファーを受信してデータベースに格納し管理するとともに、医療看護サービス実施案を提示して採用の判定を管理するサービス依頼管理モジュール201、依頼に関連するデータを必要に応じて端末に送信して表示させたりするデータ送信モジュール202、医療看護提供者端末に医療看護サービスの依頼内容等を送信したり、それに対応する実施案を受信したりして医療看護サービス関連の処理を行う医療看護管理モジュール203および依頼と実施案との整合がとられ、医療看護サービスの予約の種々の管理を行う予約管理モジュール204を備える。
【0032】
一方、被看護者端末111は、入力された必要な医療看護サービスの希望情報を入力させ、管理するデータ入力管理モジュール205、サーバから送信される表示データなどの受信および表示などを実行するデータ送受信モジュール206および医療看護サービス実施案の内容を表示して、予約確定までの工程における入出力処理を行うサービス依頼表示モジュール207を備える。
【0033】
図3は、本発明の一実施形態のサーバおよび医療看護提供者端末の機能ブロック図である。医療看護提供サーバ101は、被看護者端末111からアクセスを受けて、サービス提供依頼を受信してデータベースに格納し管理するとともに、サービス実施案を提示して採用の判定を管理するサービス依頼管理モジュール201、依頼に関連するデータを必要に応じて端末に送信して表示させたりするデータ送信モジュール202、医療看護提供者端末に医療看護サービス依頼の内容等を送信したり、それに対応する実施案を受信したりして医療看護サービスに関する処理を行う医療看護管理モジュール203並びにサービスの依頼と実施案との整合がとられ、医療看護サービスの予約の種々の管理を行う予約管理モジュール204を備える。
【0034】
一方、医療看護提供者端末121は、応諾の旨とともに入力された実施案を入力させ、管理するデータ入力管理モジュール301、サーバと送受信するデータなどの管理を実行するデータ送受信モジュール302および実施案の入力画面を表示して処理を行う応諾画面表示モジュール303を備える。
【0035】
(本実施形態の医療看護サービス依頼処理)
本発明の一実施形態で用いる医療看護提供サーバ101の具体的な動作及び処理に関し、図4を参照して本発明の医療看護サービス希望情報の入力処理を説明する。図4は、本発明の一実施形態の被看護者端末のデータ入力処理の一例のフローチャートである。被看護者端末111からブラウザや専用アプリなどによりネットワーク経由で医療看護提供サーバ101に接続すると(ステップ401)、医療看護提供サーバ101のサービス依頼管理モジュール201は、医療看護サービス希望情報である日時や内容などを含む医療看護サービス希望・条件を入力するための入力画面を被看護者端末111に送信し、被看護者端末111ではデータ送受信モジュール206により受信され、表示される(ステップ402)。
【0036】
被看護者は、図示しない入力画面を用いて、医療看護サービスの希望条件、例えば、登録済みの持病が悪化して在宅で診断および治療を受ける等を入力することができる。これに加え、サービス提供を受ける希望日時を指定するほか、さらに以上の日時および内容に加え、本技術分野で知られたその他の関連の情報を設定することができる(ステップ403)。予め用意された医療看護提供者の専門、スキル、医療看護提供条件などを格納したデータベースに基づいて候補者をリストし
以上のように、必要な条件が設定されると、医療看護提供サーバ101は、登録済みの医療看護提供者に希望内容を送信し、対応可能な医師または看護師からの応諾を受け付ける。すなわち、依頼した会員の希望条件、指定ランクあるいは医療看護提供者の専門、スキル、医療看護提供条件に基づいて、あらかじめ登録されている医療看護提供者のうち該当する者をリストアップし、リストアップした医療看護提供者にサービス提供依頼が有ったことを通知する。この場合、医療看護提供サーバ101は、入力された被看護者の住居地域をサービス提供区域として登録してある医師または看護師だけに送信することもできる。また、リストアップは予め必要なデータを格納したデータベースからデータを読み出して行うが、所定のプログラムを使用して自動で抽出することもできる。
【0037】
通知を受け取った医療看護提供者は対応可能であり、対応する意思があるときは、医療看護提供サーバ101に応諾の旨および必要なときは、提供されるべき実際の医療看護サービスである実施案を送信する。また、応諾の期限を付与して、期限管理をすることもでき、この場合期限内に送信されたものだけを採用することもできるし、さらに延長することもできる。
【0038】
医療看護提供サーバ101では、応諾を受信した場合(ステップ404)は、受信した各応諾の実施案の内容を図示しない一覧表にまとめ、被看護者端末111に送信することもできる。ここで、医療看護提供サーバ101は、希望内容または実施内容に基づいて、会員契約上想定されていない、処置などがあり追加料金が必な場合は、追加の料金を計算しておき送信することもできる。
【0039】
被看護者端末111で医師または看護師から提示された実施案を受信すると、その中から採用可能な実施案を特定し、正式依頼する旨決定して医療看護提供サーバ101に通知する(ステップ405)。期限までに応諾が無かったり、採用可能な案が無かったりする場合は、再度条件を変更して入力するか、処理を終了する。本実施形態では、一覧を被看護者に送って、サービスを提供する医療看護提供者を選択させているが、これに限られず、事務局側等が希望を出している被看護者の状況に沿って医療看護提供者を選択して、被看護者に通知することもできる。
【0040】
以上の処理が終了すると、詳細な実施内容、スケジュールなどの決定について本技術分野で知られた通常の処理が行われる。例えば、医療看護提供サーバ101は、医療看護サービス希望に応答して被看護者端末111から応諾の通知を受信すると、詳細な実施内容、スケジュールなどを決定して被看護者端末111および医療看護提供者端末121に通知することができる。
【0041】
(本実施形態の応諾受付処理)
以下に、図5を参照して本発明の応諾受付処理を説明する。図5は、本発明の一実施形態の医療看護提供者端末における処理の一例のフローチャートである。
【0042】
医療看護提供サーバ101は、上述のように被看護者端末111から医療看護サービス依頼を受けると、登録されている医師または看護師にその旨メール等により通知するが、これに限られることなく、本技術分野で知られた通知方法、例えば電話、FAX、郵送等により依頼が有った旨通知することができる。医療看護提供者端末121が医療看護サービス依頼メールを受信すると(ステップ501)、医療看護提供者端末121からブラウザや専用アプリなどによりネットワーク経由で医療看護提供サーバ101に接続する(ステップ502)。
【0043】
医療看護提供サーバ101の医療看護管理モジュール203は、図示しない応諾入力画面を生成し、データ送信モジュール202が医療看護提供者端末121に送信するが、医療看護サービス依頼が複数ある場合は、まず医療看護サービス依頼の一覧を表示して所望の依頼を選択するとその詳細が表示されるようにすることもできる。送信された応諾入力画面は、データ送受信モジュール302により受信され、応諾画面表示モジュール303により表示される(ステップ503)が、入力画面は、指定されたURLにアクセスしてブラウザ上で実行されるなど、本技術分野で知られた方法で、医療看護提供者端末121に表示させることができる。
【0044】
医師または看護師では医療看護サービス依頼内容を検討して(ステップ504)、受諾可能であると判断すると(ステップ505)、必要な場合は追加の料金を見積もったり、サービスの実施内容を変更したりして実施案を作成する(ステップ506)。
【0045】
具体的な入力画面は図示しないが、基本的に医療看護サービス依頼内容はそのまま使用されるから、応諾入力画面の例としては、医療看護サービス依頼内容を表示しておいて、必要な場合には修正できるようにすることもできる。また、医療看護サービス依頼内容を表示させておいて、応諾の入力だけするようにすることもできる。作成された実施案は医療看護提供サーバ101に送信され、上述のように被看護者端末111に提示される。実施案が採用されると、医療看護提供サーバ101から通知があり、予約が成立すると、被看護者への詳細情報の提示、スケジュール作成、および医療看護サービスの提供内容など確定したデータのデータベースへの記録処理など、本技術分野で知られた通常の処理が行われる。
【0046】
以上により、提供される医療看護サービスの内容、スケジュールが確定するとそのスケジュールに基づいて、医療看護サービスが提供される。サービスを提供するにあたって、本実施形態では、バイタルセット(体温計、血圧測定器、聴診器、酸素濃度計)が貸与されるので、看護師等の医療看護提供者は、本システムに登録するだけですぐにサービスの実施が可能となる。特に、家庭休眠専門職にとってバイタルセットを無償で提供することは有効である。バイタルセットは、上述の医療機器と同様に医療看護提供者や被看護者の自宅に予め送っておくこともでき、また事務局等特定の場所に配置しておいて、使用する際に受け取れるようにすることもできる。
【0047】
また、バイタルセットは、本技術分野で知られた方法により、身体情報の他医療行為を提供した履歴なども全て蓄積されるよう本技術分野で知られたいずれかの方法で設計し組み込んでおき、被看護者の状態を定期的に観察して以上を検出し、医療看護提供者にアラームを上げることもできる。
【0048】
図7は、本発明の一実施形態の医療看護サービスの提供処理を示すフローチャートである。図7を参照して、本実施形態の医療看護サービスの実施を説明すると、まず、各医療看護提供者は医療看護提供者端末121から医療看護提供サーバ101にアクセスして(ステップ701)、医療看護サービスのスケジュールおよび内容を含むデータベースから読みだされたデータを表示させる(ステップ702)。各医療看護提供者は表示された医療看護サービスのスケジュールおよび内容に基づいて、当日被看護者の自宅に赴いて医療看護サービスを実施する(ステップ703)が、上述した必要な医療機器の手配、その他本実施形態の医療看護サービスの提供に必要な処理を事前に行う。
【0049】
医療看護サービスの提供に当たっては、被看護者の病状、健康状態に応じて、通常の一通りの検査を行い、看護のみを実施する場合もあり、また予定のまたは臨時の特定の医療処置が行われる場合もあるが、これらの特定の処置は派遣された医療看護提供者が処置可能なものであり、本実施形態の医療看護サービスのスケジュール、内容の確定に当たっては、対応可能な医療看護提供者が派遣されるように、処置内容と資格やランクを調整することができる。
【0050】
医療看護提供者は、医療看護サービスを実施した後、医療看護提供者端末121から医療看護提供サーバ101にアクセスして、医療看護サービスの実施内容を記録する。特定の処置を行った場合は施した医療看護処置の内容を入力し(ステップ705)、その後医療看護サービスに要した時間および実施内容や次回の予定などの今後のサービス提供に必要なサービス実施情報を入力する(ステップ706)。医療看護提供サーバ101は、処置内容、提供時間、その他サービス実施情報などの医療看護実績データをデータベースに記録する。
【0051】
医療看護サービスを行った結果、在宅では困難な医療の提供が必要と判断されたときは、その内容を登録することのより、手術、入院などの予約、準備、手配が行われるようにすることもできる。その際、本実施形態で医療看護サービスを提供した医療看護提供者さらに、院内での対応や、手術の対応などもすることができる。
【0052】
また、上述のバイタルセットや別途被看護者用に設置した測定機器等により、医療看護提供者が在宅医療を実施しない間も、被看護者の状態情報を継続的に収集することができる。収集されたデータは事務局側で一括管理され、次回の訪問の際の実施案策定の補助とするとともに、本技術分野で知られたいずれかの方法により、異常状態の発生を検出し、必要に応じて救急医療処理を実施することもできる。
【0053】
データベースに記録されたサービス実施情報に基づき、本実施形態の医療看護サービスは一定期間定期的にまたは不定期に在宅看護を提供し、被看護者の状態に応じて医療看護の内容を変更したり、急な状態の変化にも対応して適切な処置を提供したりすることができる。また、継続的に医療看護を受けず、必要な場合に単発的に医療看護サービス依頼を受けて医療看護提供者を派遣することもできる。
【0054】
(本実施形態の報酬額算出処理)
本実施形態の医療看護サービス提供システムでは、基本的に自由診療として医療看護サービスが提供されることから、健康保険の保険点数等にかかわらず、医療看護提供者に対する報酬は、実際にサービスを提供した時間に基づくタイムチャージと、施された処置に応じた処置費用とを加算したのち、所定の調整を行って算出される。図8は、本発明の一実施形態の報酬額算出処理を示すフローチャートである。
【0055】
まず、医療看護提供サーバ101が医療看護サービス提供実績データを含むデータベースにアクセスして(ステップ801)、医療看護提供者ごとに医療看護実績データを読み取る(ステップ802)。読み取られた医療看護実績データに基づき、実施した医療看護提供者について予め設定された単位時間当たりの報酬単価を用いて、在宅において実施した医療看護の提供時間からタイムチャージ分を算出する(ステップ803)。特定の医療処置の実施の有無を確認し(ステップ804)、処置が行われた場合は実施された特定の医療処置について予め定められた処置費用を算出する(ステップ805)。処置費用の算出に当たっては、基本的な治療内容についてはあらかじめ用意された診療報酬表に基づいて実際に施された内容を勘案して計算され、その他の処置については例外処置として所定の費用を定めておいて合算する。
【0056】
さらに、実施された治療内容が適切であったか、報酬の額が妥当であるかを専門家が査定することもできる。以上により、各医療看護提供者の所定期間、例えば1か月ごとの報酬を確定する(ステップ806)。確定した報酬に基づき、本技術分野で知られた方法により、各医療看護提供者に報酬が支払われる。
【0057】
一方、医療看護サービス提供実績に基づき、被看護者ごとに予定外の特定の処置など提供されたサービスの費用を算出し、所定の処置については別途費用を請求するとともに、各被看護者に当初設定された会費の変更を行うこともできる。また、医療看護実績データに基づき、提供サービスの利用状況を計算してポイントを付与し、ポイントに応じた様々な特典を提供することもできる。
【0058】
また、会員が支払う会費を使用するランクや被看護者の年齢、症状などに基づいて定められる固定の基本会費と、使用頻度などに基づく変動会費とに分けておき、各会員について一定期間ごとにサービスの使用頻度を計算し、反映させることができる。例えば、当初の使用頻度よりも2倍の頻度の使用の月が続いた場合は辺土会費を2倍にする等の処理も行うことができる。このような処理を行うことで、会員間の取り扱いを適切にすることができる。
【0059】
さらに、会員である被看護者は、医療看護サービスを提供されないときでも、常にメール、チャットなどの送受信手段により、健康状態や、服用する薬剤など、不明点や要望などを医療看護提供者に問合せすることができる。本実施形態では、医療看護提供サーバ101は被看護者に、そのような相談のためのインタフェースを提供し、受信した相談内容を然るべき医療看護提供者や専門家に転送して、問合せ者と回答者との間をつなぐことができる。このような相談機能により、被看護者は、安心して日常生活を送ることができる。
【0060】
(第2実施形態)
本実施形態は、基本的には上述の第1実施形態と同様の構成を有し、各端末の機能や、構成も同様である。第1実施形態では、基本的に予めサービス提供の契約を行った登録会員を対象にした医療看護サービスの提供を行うものであるのに対し、本実施形態では、必ずしも会員登録されていない被看護者に対してもスポットで医療看護サービスを提供する点が異なる。本実施形態と第1実施形態との主な差異は以上であるが、この差異により、会員情報の扱いと費用の請求方法が異なってくる。
【0061】
本実施形態では、対象となる被看護者は様々な情報が未登録であるので、最低限の情報を入力させてスポットの仮登録処理を行うことにより、第1実施形態と同様の手順で医療看護サービスを提供することができる。すなわち、仮登録により医療看護サービスを提供するために最低必要な情報、例えば氏名、住所、年齢、現在の症状などを登録することにより、仮の会員番号などを発行する。これにより、仮番号を会員番号としてシステム上で取り扱うことができるので、システム内では本登録された会員と同様に処理され、同等の医療看護サービスが提供される。具体的には、上述の第1実施形態で説明したように、被看護者からの要望により、医療看護提供者が決定され、実際にサービスが提供されるが、本実施形態の場合は、あらかじめ登録しておく処理がないので、被看護者の処理としては医療看護サービス依頼処理から開始されることとなる。
【0062】
ここで、医療看護提供者への報酬についても同一の報酬が支払われるが、スポットの処理の場合、通常の会員ではないため事前に会費の徴収はなく、その後の生産として実費など、医療看護提供者に支払う報酬に一定の手数料を勘案した費用を被看護者に請求することができる。また、請求後の未払いを回避するため、あらかじめ一定のデポジットを徴収しておき、医療看護サービスの提供後精算するようにすることもできる。
【要約】
【課題】 柔軟できめ細かい医療看護サービスを行うこと。
【解決手段】 医療看護提供サーバ101は、被看護者端末111からアクセスを受けて、医療看護サービス依頼を受信してデータベースに格納し管理するとともに、実施案を提示して採用の判定を管理するサービス依頼管理モジュール201、予約に関連するデータを必要に応じて端末に送信して表示させたりするデータ送信モジュール202、医療看護提供者端末に医療看護サービス依頼等を送信したり、それに対応する実施案を受信したりして医療看護提供者関連の処理を行う医療看護管理モジュール203および依頼内容と実施案との整合を取ったり、医療看護サービス依頼の種々の管理を行う予約管理モジュール204を備える。
【選択図】 図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8