(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6820004
(24)【登録日】2021年1月6日
(45)【発行日】2021年1月27日
(54)【発明の名称】ロールスクリーン装置
(51)【国際特許分類】
E06B 9/58 20060101AFI20210114BHJP
E06B 9/42 20060101ALI20210114BHJP
【FI】
E06B9/58 A
E06B9/42 B
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-254918(P2016-254918)
(22)【出願日】2016年12月28日
(65)【公開番号】特開2018-105068(P2018-105068A)
(43)【公開日】2018年7月5日
【審査請求日】2019年7月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】390020101
【氏名又は名称】セイキ住工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119404
【弁理士】
【氏名又は名称】林 直生樹
(74)【代理人】
【識別番号】100072453
【弁理士】
【氏名又は名称】林 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100177769
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】辻 和孝
(72)【発明者】
【氏名】堀内 太一朗
【審査官】
鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−295148(JP,A)
【文献】
特開2014−084617(JP,A)
【文献】
特開2003−176678(JP,A)
【文献】
特開2008−303632(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第2441911(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00
E06B 9/02
E06B 9/06−9/18
E06B 9/24−9/388
E06B 9/40−9/50
E06B 9/52
E06B 9/56−9/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻取りボックス内に支持されてスクリーンの巻取り方向に回転付勢された巻取軸に、該巻取り方向の両側端に沿ってファスナー状の抜け止め片を取り付けたスクリーンを、その一端から巻取ると共に、該スクリーンの他端にスライドバーを固定し、上記抜け止め片は、上記スクリーンの側端に一側辺を固定する帯状の取付部片の他側辺に沿って多数の係合子を列設した係合子列を付設することにより構成し、該係合子列を、上記巻取りボックスのスクリーン導出口に接続したところの、上記スクリーンの側端をガイドする一対の対向するスクリーン枠内のガイドレールの係合溝に摺動自在に係合させるようにしたロールスクリーン装置において、
上記スクリーンのスライドバーへの取付端側における上記抜け止め片の係合子列には、スクリーン端よりも突出する延長部が連設されていて、上記巻取軸への全スクリーンの巻取り状態において、その延長部の先端が上記スクリーン枠内のガイドレールの係合溝に挿入される長さを有するものとし、且つ、上記巻取軸への全スクリーンの巻取り状態において巻取軸に巻き取られない範囲での上記延長部側の係合子列に沿って、上記係合溝への挿通を安定化するための直線性を付与する補強部片を固定している、
ことを特徴とするロールスクリーン装置。
【請求項2】
上記補強部片を、合成樹脂又は金属材からなる薄板乃至棒状部材により形成し、該補強部片を上記係合子列の上記取付部片側の基部に溶着又は接着により固定していることを特徴とする請求項1に記載のロールスクリーン装置。
【請求項3】
巻取りボックス内に支持されてスクリーンの巻取り方向に回転付勢された巻取軸に、該巻取り方向の両側端に沿ってファスナー状の抜け止め片を取り付けたスクリーンを、その一端から巻取ると共に、該スクリーンの他端にスライドバーを固定し、上記抜け止め片は、上記スクリーンの側端に一側辺を固定する帯状の取付部片の他側辺に沿って多数の係合子を列設した係合子列を付設することにより構成し、該係合子列を、上記巻取りボックスのスクリーン導出口に接続したところの、上記スクリーンの側端をガイドする一対の対向するスクリーン枠内のガイドレールの係合溝に摺動自在に係合させるようにしたロールスクリーン装置において、
上記スクリーンのスライドバーへの取付端側における上記抜け止め片の係合子列は、上記巻取軸への全スクリーンの巻取り状態において、その先端が上記スクリーン枠内のガイドレールの係合溝に達しない長さを有していて、その係合子列の先端にスクリーン端よりも突出する擬似係合子列状の延長部片を連設することにより、該延長部片の先端が上記スクリーン枠内のガイドレールの係合溝に挿入される長さを有するものとし、且つ、上記巻取軸への全スクリーンの巻取り状態において該巻取軸に巻き取られない範囲の上記係合子列及び上記帯状の取付部片に、上記延長部片に一体化された接合面を固定している、
ことを特徴とするロールスクリーン装置。
【請求項4】
上記延長部片とそれに一体化した係合子列用及び取付部片用の接合面を合成樹脂により成形し、該係合子列用の接合面により上記係合子列を挟むと共に、該取付部片用の接合面を上記取付部片に重ねて、溶着又は接着によりそれらを固定していることを特徴とする請求項3に記載のロールスクリーン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロールスクリーン装置に関するものであり、更に詳しくは、巻取軸にスプリングの付勢力によって巻き取られるロールスクリーンの側端を、スクリーン枠に抜け止め状態で安定的にガイドさせるための改良されたガイド構造を備えたロールスクリーン装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ロールスクリーン装置において、スクリーンの巻取り方向に回転付勢された巻取軸に、該巻取り方向の両側端に沿ってファスナー状の抜け止め片を取り付けたスクリーンを、その一端から巻取ると共に、該スクリーンの他端にスライドバーを固定し、上記抜け止め片は、上記スクリーンの側端に一側辺を固定する帯状の取付部片の他側辺に沿って多数の係合子を列設した係合子列を付設することにより構成し、該係合子列を上記スクリーンの側端をガイドするスクリーン枠内に設けたガイドレールの係合溝に摺動自在に係合させるようにしたロールスクリーン装置は、
図8にもその構成を示しているが、特許文献1等に開示されていて、従来から周知のものである。
【0003】
上述した周知のロールスクリーン装置の問題点について具体的に説明すると、該スクリーン装置は、
図8から分かるように、巻取軸11に内蔵したスプリング12により、該巻取軸に一端を取り付けたスクリーン13、及びその巻取り方向の両側端に沿って取り付けたファスナー状の抜け止め片18に対して、その巻取り方向に常に該スプリングによる引張力が作用し、スライドバー17に先端が取り付けられたスクリーン13はその引張力により全体的にある程度伸長するが、該スクリーンの側端に取り付けられている抜け止め片18は、スクリーン13に比して引張に対する強度が大きいため、該抜け止め片18の一部が、以下に述べるように、その伸長の差や経年劣化等に起因して変形するという問題がある。なお、上記
図8のロールスクリーン装置の基本的構成は、本発明に係るスクリーン装置の基本構成と実質的に変わるところがないので、同図においては、その基本的構成の構成要素に本発明の実施例と同一の符号を付している。
【0004】
上記スクリーン装置における上記抜け止め片18の変形の問題について更に具体的に説明すると、該抜け止め片18は、スクリーン13の側端に帯状の取付部片19を介して取り付けられる係合子列20を備え、それをガイドレール16の係合溝16a(
図2参照)に摺動自在に係合させているため、係合子列20が、上記スプリング12の引張力だけでなく、スクリーン枠15内のガイドレール16の係合溝16aとの摩擦による摺動抵抗をも受けることになり、そのため、特にスライドバー17の両端部近辺におけるスクリーン13への抜け止め片18の取付け部においては、
図8のように、該抜け止め片18の変形が帯状の取付部片19に蓄積され、該取付部片19に取り付けられている係合子列20が巻取軸11側に強く引き寄せられるばかりでなく、それに伴って係合子列20の先端がスクリーン13側にも引き寄せられることになる。
【0005】
そして、上記巻取軸11に完全に巻き取られたスクリーン13におけるスライドバー17の両端部に位置する抜け止め片18の係合子列20は、本来、その先端部が巻取りボックス10のスクリーン導出口10aに接続しているスクリーン枠15内のガイドレール16の係合溝16aに係合されているべきところ、上述したように、その先端が巻取軸11側に引き寄せられて、スライドバー17によるスクリーン13の展張開始時に、ガイドレール16の係合溝16aに対する係合が不確実になり、更に、該係合子列20の先端がスクリーン13側にも引き寄せられることからも、上記係合子列20の先端部がガイドレール16の係合溝16aに安定的に挿通される可能性が低下し、また、係合子列20自体は外力により比較的変形し易いものであるため、ガイドレール16の係合溝16aへの挿入口付近への衝突等により変形が更に拡大することもあって、係合子列20の先端部がガイドレール16の係合溝16aから外れ、安定的なスクリーンの展張が困難になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特公平1−61158号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の技術的課題は、上述した既知のロールスクリーン装置において、スクリーンの巻取り方向の両側端に取り付けている抜け止め片が変形するのを抑制するための補強を行うと同時に、該抜け止め片における係合子列、或いはその先端に取り付けた擬似係合子列状延長部片を、スクリーン枠内に設けたガイドレールの係合溝に安定的に挿通しておくことを可能にした構成を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明によれば、巻取りボックス内に支持されてスクリーンの巻取り方向に回転付勢された巻取軸に、該巻取り方向の両側端に沿ってファスナー状の抜け止め片を取り付けたスクリーンを、その一端から巻取ると共に、該スクリーンの他端にスライドバーを固定し、上記抜け止め片は、上記スクリーンの側端に一側辺を固定する帯状の取付部片の他側辺に沿って多数の係合子を列設した係合子列を付設することにより構成し、該係合子列を、上記巻取りボックスのスクリーン導出口に接続したところの、上記スクリーンの側端をガイドする一対の対向するスクリーン枠内のガイドレールの係合溝に摺動自在に係合させるようにしたロールスクリーン装置において、上記スクリーンのスライドバーへの取付端側における上記抜け止め片の係合子列には、スクリーン端よりも突出する延長部が連設されていて、上記巻取軸への全スクリーンの巻取り状態において、その延長部の先端が上記スクリーン枠内のガイドレールの係合溝に挿入される長さを有するものとし、且つ、上記巻取軸への全スクリーンの巻取り状態において巻取軸に巻き取られない範囲での上記延長部側の係合子列に沿って、上記係合溝への挿通を安定化するための直線性を付与する補強部片を固定していることを特徴とする第1のロールスクリーン装置が提供される。
【0009】
本発明に係る上記第1のロールスクリーン装置の好ましい実施形態においては、上記補強部片を、合成樹脂又は金属材からなる薄板乃至棒状部材により形成し、該補強部片を上記係合子列の上記取付部片側の基部に溶着又は接着により固定していることが望まれる。
【0010】
また、上記課題を解決するため、本発明によれば、巻取りボックス内に支持されてスクリーンの巻取り方向に回転付勢された巻取軸に、該巻取り方向の両側端に沿ってファスナー状の抜け止め片を取り付けたスクリーンを、その一端から巻取ると共に、該スクリーンの他端にスライドバーを固定し、上記抜け止め片は、上記スクリーンの側端に一側辺を固定する帯状の取付部片の他側辺に沿って多数の係合子を列設した係合子列を付設することにより構成し、該係合子列を、上記巻取りボックスのスクリーン導出口に接続したところの、上記スクリーンの側端をガイドする一対の対向するスクリーン枠内のガイドレールの係合溝に摺動自在に係合させるようにしたロールスクリーン装置において、上記スクリーンのスライドバーへの取付端側における上記抜け止め片の係合子列は、上記巻取軸への全スクリーンの巻取り状態において、その先端が上記スクリーン枠内のガイドレールの係合溝に達しない長さを有していて、その係合子列の先端にスクリーン端よりも突出する擬似係合子列状の延長部片を連設することにより、該延長部片の先端が上記スクリーン枠内のガイドレールの係合溝に挿入される長さを有するものとし、且つ、上記巻取軸への全スクリーンの巻取り状態において該巻取軸に巻き取られない範囲の上記係合子列及び上記帯状の取付部片に、上記延長部片に一体化された接合面を固定していることを特徴とするロールスクリーン装置が提供される。
【0011】
本発明に係る上記第2のロールスクリーン装置の好ましい実施形態においては、上記延長部片とそれに一体化した係合子列用及び取付部片用の接合面を合成樹脂により成形し、該係合子列用の接合面により上記係合子列を挟むと共に、該取付部片用の接合面を上記取付部片に重ねて、溶着又は接着によりそれらを固定していることが望まれる。
【発明の効果】
【0012】
以上に詳述した本発明のロールスクリーンの側端のガイド構造によれば、上述した既知のロールスクリーン装置において、スクリーンの巻取り方向の両側端に取り付けている抜け止め片が変形するのを抑制するための補強を行うと同時に、該抜け止め片における係合子列、或いはその先端に取り付けた擬似係合子列状延長部片を、スクリーン枠内に設けたガイドレールの係合溝に安定的に挿通しておくことを可能になり、また、上記抜け止め片の補強により、ロールスクリーン装置の組立作業が容易になるだけでなく、組立作業時における該抜け止め片の先端部の変形が抑止される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明に係るロールスクリーン装置の第1実施例の要部縦断正面図である。
【
図4】上記第1実施例におけるスクリーンの正面図である。
【
図5】本発明に係るロールスクリーン装置の第2実施例の要部縦断面図である。
【
図6】上記第2実施例におけるスクリーンの要部正面図である。
【
図7】上記第2実施例のスクリーンの要部の構成を分解した状態において示すもので、(a)は抜け止め片を取り付けたスクリーン、(b)及び(c)は、(a)の抜け止め片に取り付ける擬似係合子列状の延長部片の正面図及び平面図である。
【
図8】既知のロールスクリーン装置の要部縦断正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1〜
図4は、本発明に係るロールスクリーン装置の第1実施例を示し、
図5〜
図7は同第2実施例を示している。図示した本発明の第1及び第2実施例としては、巻取りボックス10内に支持されて回転の軸線が鉛直配置の巻取軸11に横引きのスクリーン13を巻き取るロールスクリーン装置を示しているが、それらは、上部に回転の軸線を水平配置として設置した巻取軸に縦引きのスクリーンを巻き取るスクリーン装置として構成することもできる。
【0015】
上記第1実施例のロールスクリーン装置では、巻取りボックス10内に支持された上記巻取軸11がそれに内蔵したスプリング12の付勢力によりスクリーン13の巻取り方向に回転付勢され、該巻取軸11の周面に巻き取られるスクリーン13の一端を該巻取軸に固定すると共に、該スクリーンの他端にそれを展張操作するためのスライドバー17を固定している。該スライドバーは、
図1及び
図2から分かるように、巻取りボックス10の上下部に連結された対向する一対のスクリーン枠15に沿って摺動するようにガイドされたものである。また、上記スクリーン13には、巻取軸11による巻取り方向の両側端に沿ってファスナー状の抜け止め片18を取り付けている。
【0016】
上記抜け止め片18は、
図4に明瞭に示すように、上記スクリーン13の側端に一側辺を固定する帯状の取付部片19の他側辺に沿って、多数の係合子21を列設してなる係合子列20を付設することにより構成したものである。そして、該抜け止め片18を取り付けたスクリーン13の両側端をスクリーン枠15に抜け止め状態で安定的にガイドさせるため、該抜け止め片18における係合子列20を、スクリーン枠15内に設けたガイドレール16の係合溝16aに摺動自在に係合させている。上記スクリーン枠15は、その内部に収容したガイドレール16と共に、上記巻取りボックス10のスクリーン導出口10aに接続するようにして該巻取りボックスに連結している。
【0017】
スクリーン13における上記スライドバー17への取付端側の係合子列20は、
図8を参照して前述したように、上記巻取軸11への全スクリーンの巻取り状態において、その係合子列20の先端部が上記スクリーン枠15内のガイドレール16の係合溝16aから離脱しているようでは、巻取軸11に巻き取られているスクリーンの展張時に、係合子列20の先端部がガイドレール16の係合溝16aに安定的に挿通される可能性が低下するので、巻取軸11への全スクリーンの巻取り状態において、係合子列20の先端が上記スクリーン枠15内のガイドレール16の係合溝16aに確実に挿入される長さを有するものとすることが望まれる。
【0018】
そこで、この第1実施例における上記抜け止め片18としては、
図8の場合のように、単にスクリーン13の側端のみに一定長に裁断したファスナー状の抜け止め片用素材を固定するのではなく、
図1及び
図4において明瞭に示しているように、上記スクリーン13のスライドバー17への取付端側における係合子列20には、スクリーン13の端部よりも突出する延長部20aを連設し、巻取軸11への全スクリーンの巻取り状態において、その延長部20aの先端が上記スクリーン枠15内のガイドレール16の係合溝16aに挿入される長さを有するものとしている。しかも、上記巻取軸11への全スクリーンの巻取り状態において該巻取軸11に巻き取られない範囲での上記延長部20a側の係合子列20に沿って、上記係合溝16aへの挿通を安定化するための直線性を付与する補強部片22を固定している。
【0019】
上記補強部片22は、合成樹脂又は金属材等からなる薄板乃至棒状部材によりガイドレール16の係合溝16aに沿って円滑に移動可能な形態に形成することが望ましく、それにより、単に係合子列20の延長部20aを抜け止め片18に突設する場合に比して、直線状の保形を安定化させることができる。また、係合子列20の延長部20aに対する上記補強部片22の固定は、
図2に示しているように、係合子列20の取付部片19側の基部に該取付部片の一部を残して、その取付部片及び係合子列20に対して両側から一対の補強部片22を溶着又は接着により固定するのが、係合溝16aへの係合を安定化させるという観点から望ましい。
【0020】
なお、上記第1実施例を示す
図1〜
図4中において、符号23は、スライドバー17に設けたスクリーン端の連結具、符号24は、該連結具23によって取り付けるスクリーン13の端部に設けた抜け止め片を示している。
【0021】
図5〜
図7は、本発明に係るロールスクリーン装置の第2実施例を示しているが、この第2実施例のスクリーン装置においてスクリーン13に取り付けた抜け止め片18の構成を除く当該スクリーン装置の基本的構成は、上述した第1実施例の場合と実質的に変わるところがないので、それらの構成及び作用については、上記各図における第1実施例と同一又は相当部分に第1実施例と同一符号を付して、それらの説明を省略し、以下においては、第2実施例のスクリーン13に取り付ける抜け止め片18のとそれに関連する部分の構成及び作用について詳述する。
【0022】
この第2実施例ロールスクリーン装置においては、上記スクリーン13のスライドバー17への取付端側における上記抜け止め片18の係合子列20を、上記巻取軸11への全スクリーンの巻取り状態において、その先端が上記スクリーン枠15内のガイドレール16の係合溝16aに達しない長さを有するものとし、その係合子列20の先端にスクリーン13のスライドバー17端部よりも突出する擬似係合子列状の延長部片30を連設することにより、該延長部片30の先端が上記スクリーン枠15内のガイドレール16の係合溝16aに挿入される長さを有するものとしている。
【0023】
上記擬似係合子列状の延長部片30は、前記第1実施例において、係合子列20とその延長部20aに固定した補強部片22とに対応するものであり、機能的に第1実施例の構成と格別の差異はない。該延長部片30の抜け止め片18に対する固定は、上記巻取軸11への全スクリーンの巻取り状態において該巻取軸11に巻き取られない範囲の上記係合子列20及び上記帯状の取付部片19に、上記延長部片30に一体化して設けられた接合面を溶着又は接着により固定するのが適切であるが、
図7に示すように、上記延長部片30とそれに一体化した係合子列用及び取付部片用の接合面30a,30bを合成樹脂により成形し、該係合子列20用の一対の接合面30a,30aにより上記係合子列20を挟むと共に、該取付部片19用の接合面30bを上記取付部片19の一側に重ね、或いはその一対により取付部片19を挟んで、溶着又は接着により、それらを固定することもできる。
【0024】
以上に詳述したスクリーン13の側端のガイド構造によれば、既知のロールスクリーン装置のように、スクリーン13の巻取り方向の両側端に取り付けている抜け止め片18が変形するのを抑制するための補強を行うと同時に、該抜け止め片18における係合子列20、或いはその先端に取り付けた擬似係合子列状の延長部片30を、スクリーン枠15内に設けたガイドレール16の係合溝16aに安定的に挿通しておくことが可能になり、長期に亘るスクリーン13の円滑な開閉動作を確保することができる。
【符号の説明】
【0025】
10 巻取りボックス
10a スクリーン導出口
11 巻取軸
13 スクリーン
15 スクリーン枠
16 ガイドレール
16a 係合溝
17 スライドバー
18 抜け止め片
19 取付部片
20 係合子列
20a 延長部
21 係合子
22 補強部片