(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、商品情報処理装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0025】
図1は、本実施の形態における情報システムのブロック図である。この情報システムは、商品情報処理装置1、1または2以上の発注装置2、および1または2以上の受注装置3を備える。1以上の発注装置2および1以上の受注装置3の各々は、例えば、LANやインターネット等のネットワーク、無線または有線の通信回線などを介して、商品情報処理装置1と通信可能に接続される。
【0026】
ただし、情報システムは、例えば、商品情報処理装置1のみでも実現可能である。または、発注装置2が、商品情報処理装置1の構成要素群(後述)のうち、受注処理手段1372を除く構成要素群を有していてもよいし、受注装置3が、商品情報処理装置1の構成要素群のうち、発注処理手段1371を除く構成要素群を有していてもよく、情報システムの構成は問わない。
【0027】
商品情報処理装置1は、例えば、情報システムを運営する運営企業のサーバであるが、クラウドサーバやASPサーバ等でもよく、その種類は問わない。または、商品情報処理装置1は、例えば、メーカと小売店との間に介在する問屋や商社等のサーバでもよいし、メーカや小売店等が利用するスタンドアロンのPCでもよく、そのタイプや所在は問わない。
【0028】
発注装置2は、例えば、情報システムを利用して商品の発注を行う小売店のPCであるが、消費者の携帯端末でもよく、そのタイプや所在は問わない。なお、携帯端末とは、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話機等であるが、その種類は問わない。
【0029】
受注装置3は、例えば、情報システムを利用して商品の受注を行うメーカのPCであるが、そのタイプや所在も問わない。
【0030】
商品情報処理装置1は、格納部11、受付部12、処理部13、および出力部14を備える。格納部11は、商品情報格納部111を備える。受付部12は、商品情報受付部121、および識別子受付部122を備える。処理部13は、第二種識別子取得部131、蓄積部132、検知部133、枝番取得部134、枝番付与部135、検索部136、および商品情報処理部137を備える。商品情報処理部137は、発注処理手段1371、および受注処理手段1372を備える。
【0031】
発注装置2は、発注格納部21、発注受付部22、および発注送信部23を備える。
【0032】
受注装置3は、受注格納部31、受注受信部32、および受注出力部33を備える。
【0033】
商品情報処理装置1を構成する格納部11は、各種の情報を格納し得る。各種の情報とは、例えば、商品情報などである。なお、他の情報については、適時説明する。
【0034】
商品情報格納部111には、1または2以上の商品情報が格納される。商品情報とは、商品に関する情報である。なお、商品は、通常、物品であるが、サービスでもよい。
【0035】
商品は、特に、例えば、業務用の食材、日用雑貨、工具といった、一般消費者向けではない商品である。ただし、商品は、一般消費者向けの商品でもよく、その種類は問わない。
【0036】
商品情報は、通常、商品識別子を有する。商品識別子とは、商品を識別する情報である。商品識別子は、例えば、1または2以上の文字の配列(以下、文字列)で構成される。
【0037】
文字列とは、通常、2以上の文字の配列であるが、一の文字のみの場合も含むと解してもよい。文字は、例えば、数字であるが、アルファベットでもよい。または、文字は、数字およびアルファベット以外の文字(例えば、仮名、漢字等)でもよいし、記号(例えば、ハイフン、ピリオド等)も含むと考えてもよく、広く解し得る。
【0038】
文字列は、例えば、一の種類の1以上の文字で構成される。一の種類の1以上の文字で構成される文字列とは、例えば、数字のみで構成される1桁または2桁以上の番号であるが、アルファベットのみで構成される文字列でもよい。ただし、一の文字列の中に、例えば、数字とアルファベットなど、2種類以上の文字が混在していても構わない。
【0039】
また、文字列は、通常、予め決められた個数(例えば、m個:mは自然数)の文字で構成される。ただし、文字列の文字数(例えば、番号の桁数)は、可変でもよい。
【0040】
さらに、文字列は、例えば、商品の原産国を識別する部分(後述する国コードに対応)、商品のメーカを識別する部分(後述するメーカコードに対応)、商品の種類を識別する部分(後述する商品コードに対応)など、2以上の部分で構成されていてもよい。
【0041】
なお、商品識別子は、例えば、上記のような文字列が埋め込まれた一次元または二次元の図形(例えば、バーコード、QRコード(登録商標)等)でもよく、その表現形式は問わない。なお、以下では、商品を識別する文字列、またはそれが埋め込まれた図形、またはその両方を含む情報を、「商品コード」と呼ぶ場合がある。つまり、商品コードは、商品識別子の一態様である。
【0042】
具体的には、商品識別子は、例えば、5桁の番号“01023”でもよい。この商品識別子において、上2桁“01”は、メーカコードであり、下3桁“023”は、商品コードであってもよい。さらに、かかる5桁の番号と、それを埋め込んだバーコードとで、商品コードが構成されてもよい。
【0043】
ただし、商品識別子のデータ構造(例えば、文字数、文字種等)や値(例えば、1以上の数字の組、1以上のアルファベットの組等)は問わない。
【0044】
本実施の形態の商品情報が有する商品識別子は、通常、第一種識別子、または第二種識別子である。
【0045】
第一種識別子とは、商品を識別する第一の種類の識別子であり、予め決められた条件に合致する商品識別子である。予め決められた条件とは、例えば、商品識別子のデータ構造に関する条件である。データ構造に関する条件とは、例えば、商品識別子を構成する文字列の、文字の数(以下、文字数)に関する条件(例えば、その商品識別子が「5個の文字で構成されること」等)でもよいし、文字の種類(以下、文字種)に関する条件(例えば、その商品識別子が「数字で構成されること」等)でもよいし、文字数および文字種に関する条件(例えば、その商品識別子が「5桁の数字で構成されること」等)でも構わない。
【0046】
予め決められた条件は、具体的には、例えば、商品識別子を構成する文字列の文字数(例えば、番号の桁数)が「5であること」、「5または7であること」等でもよい。
【0047】
または、予め決められた条件とは、商品識別子の値に関する条件でもよい。商品識別子の値に関する条件とは、例えば、その商品識別子の値が、「データベースに登録されている値(登録値)と一致すること」であるが、「登録値と一致しないこと」でもよい。なお、値は、商品識別子を構成する2以上の部分のうち特定の部分(例えば、上2桁等)の値でもよい。または、商品識別子の値に関する条件は、その商品識別子の値が「予め決められた範囲にあること」または「予め決められた範囲にないこと」でもよい。
【0048】
商品識別子の値に関する条件は、例えば、商品識別子の特定の部分が「取り得る値」または「取り得る値の範囲」でもよい。この種の予め決められた条件は、具体的には、例えば、商品識別子の上1桁の値が「0であること」、上2桁の値が「01〜09であること」または「01〜09でないこと」等でもよい。
【0049】
または、予め決められた条件とは、商品識別子のデータ構造および値に関する条件でもよい。データ構造および値に関する条件とは、例えば、商品識別子のデータ構造および値が、特定のコード体系に合致することである。特定のコード体系とは、例えば、JAN(Japanese Article Number)コード、EAN(European Article Number)コード、またはUPC(Universal Product Code)のいずれかのコード体系であるが、その種類は問わない。
【0050】
JANコードは、日本国内で使用される商品コードであるのに対し、EANコードは、国際的に使用される商品コードである。ただし、JANとEANは、使用される地域によって呼称が異なるだけで、同一のコード体系であるといってもよい。UPCは、アメリカとカナダで使用される商品コードであり、JANやEANとは異なる体系に従うコードである。
【0051】
JAN、EAN、およびUPCのいずれのコード体系でも、データ構造に関する規定が存在し、かつ、使用可能な値が、各コードの管理を行う組織のデータベースに登録されている。
【0052】
詳しくは、JANコードは、例えば、13桁の数字で構成される。13桁のうち、先頭2桁は、国を識別する「国コード」であり、次の5桁は、メーカを識別する「メーカコード」であり、その次の5桁は、商品の種類を識別する「商品コード」であり、最後の1桁は、前の12桁から計算される「チェックディジット」である。ただし、13桁のJANコードには、「メーカコード」が7桁で、「商品コード」は3桁のものもある。また、8桁の数字で構成された短縮タイプのJANコードも存在する。なお、EANコードは、JANコードと同様の構成を有する。
【0053】
国コードおよびメーカコードは、JANを管理する国内組織、またはJANを含むEANを管理する国際組織によって、各国および各メーカに付与される。国コードのデータベース(以下、国コードDB:図示しない)には、こうして各国に付与された2以上の国コードが登録され、また、メーカコードのデータベース(以下、メーカコードDB:図示しない)には、各メーカに付与された2以上のメーカコードが登録されている。
【0054】
これに対し、商品コードは、各メーカが自社の商品に独自に付与するコードである。各メーカが付与した商品コードは、国コードおよびメーカコードと対に、商品コードのデータベース(商品コードDB:図示しない)に登録される。
【0055】
他方、UPCは、例えば、12桁の数字で構成され、その先頭1桁は、後続する11桁の用途を示す「ナンバーシステムキャラクタ(NS)」である。次の5桁は、メーカを識別する「メーカコード」であり、その次の5桁は、商品の種類を識別する「商品コード」であり、最後の1桁は、「チェックディジット」である。ただし、UPCにも、例えば、「メーカコード」が7桁、「商品コード」が3桁のものなど、2以上の種類が存在する。
【0056】
つまり、UPCは、例えば、2桁の国コードを有さず、1桁のNSを有する点で、JANやEANと相違し、従って、桁数が異なる点でも相違するが、メーカコードおよび商品コードの各部分は、JANやEANと共通であるといってもよい。
【0057】
予め決められた条件は、具体的には、例えば、商品識別子のデータ構造および値が「JANコード、EANコード、またはUPCのいずれかのコード体系に合致すること」でもよい。「JANコードまたはJANコードのコード体系に合致すること」は、例えば、商品識別子が「13桁または8桁の番号であり、その上2桁(国コード)が14〜19以外の数字であること」でもよい。「UPCのコード体系に合致すること」は、例えば、商品識別子が「12桁の番号であり、その上1桁が3および4以外の数字であること」でもよい。
【0058】
また、商品情報のデータベース(商品情報DB:図示しない)には、JAN、EAN、またはUPCのうち1以上の商品コードを含む商品情報が、1または2以上登録されている。
【0059】
第二種識別子とは、商品を識別する第二の種類の識別子であり、上記のような予め決められた条件に合致しない商品識別子である。
【0060】
具体的には、予め決められた条件が「JANコード、EANコード、またはUPCのいずれかのコード体系に合致すること」である場合、例えば、アルファベットを含む文字列は、どのコード体系にも合致しないため、第二種識別子となり得る。また、例えば、5桁や9桁といった、どのコード体系にも規定されていない桁数の番号も、第二種識別子となり得る。さらに、例えば、12桁の番号であっても、その上2桁が、国コードとして使用されていない11〜19のいずれかであれば、第二種識別子となり得る。
【0061】
そして、JAN等の第一種識別子が汎用的な商品コードであるのに対し、第二種識別は、例えば、本情報システムのユーザ(例えば、メーカ、問屋、小売店等の流通企業群)の間で専ら使用される専用の商品コードである。つまり、第二種識別子は、JANコード等の第一種識別子とは別体系のコードであるといってもよい。別体系のコードとは、例えば、データ構造が異なるコードであるが、値が異なるコードでもよい。
【0062】
データ構造が異なるコードとは、例えば、JAN等で使用されない文字種であるアルファベットや記号を含む文字列(例えば、“123456x”や“78−901”等)でもよいし、JAN等で使用されない桁数の番号(例えば、3桁の連番“001”,“002”や、5桁の連番“12001”,“12002”等)でもよい。
【0063】
値が異なるコードとは、例えば、JAN等と同じデータ構造を有するが、その値がJAN等で使用される値とは異なるコードである。第二種識別子取得部131は、例えば、JAN等と同じ桁数(例えば、12桁)の番号であり、その上2桁がJAN等で国コードとして使用されていない値を示す連番(例えば、“140・・001”,“140・・・002”等)を生成してもよい。ただし、生成される番号は、連番に限らず、ユニークな番号であればよい。
【0064】
なお、上記12桁の番号のうち、上2桁“14”に続く5桁は、JAN等の「メーカコード」に対応する部分で、その次の6桁が、専用の商品コードとしての連番であってもよい。「メーカコード」に対応する部分とは、「メーカコード」でもよいし、これとは異なる専用の企業コード(例えば、“00001”,“00002”等の連番)でもよい。ただし、下6桁のうち、最後の1桁は、JANコード等の下1桁と同機能のチェックコードであり、その前の5桁が、専用商品コードとしての連番でもよい。
【0065】
また、商品情報は、通常、商品名、メーカ名、型番、価格情報等も有する。商品名とは、商品の名称であり、メーカ名とは、商品を製造するメーカの名称である。型番とは、商品の型式や種類を示す番号または記号であり、品番ともいう。
【0066】
価格情報とは、商品の価格に関する情報である。価格情報は、例えば、仕入れ価格、卸売価格、小売価格などであるが、商品の価格に関する情報であれば何でもよい。
【0067】
さらに、商品情報は、例えば、数量情報を有していてもよい。数量情報とは、商品の数量に関する情報である。数量情報は、例えば、在庫している数量を示す在庫数量、発注する数量を示す発注数量、受注した数量を示す受注数量などであるが、商品の数量に関する情報であれば何でもよい。
【0068】
受付部12は、各種の情報を受け付ける。各種の情報とは、例えば、商品情報、第一種識別子、第二種識別子などである。また、受付部12は、例えば、各種の指示も受け付ける。なお、各種の指示については、適時説明する。
【0069】
受け付けとは、例えば、ディスクや半導体メモリなどの記録媒体から読み出された情報の受け付け、キーボードやタッチパネル等の入力デバイスから入力された情報の受け付け、ネットワークや通信回線等を介して送信された情報の受信などを含む概念である。
【0070】
商品情報受付部121は、商品情報を受け付ける。商品情報受付部121は、商品情報を、通常、格納部11、商品情報格納部111、または図示しないディスク等の記録媒体から読み出す。ただし、商品情報受付部121は、例えば、キーボード等の入力デバイスを介して商品情報を受け付けてもよいし、または、ネットワーク等を介して、他の装置(例えば、発注装置2、受注装置3、または図示しない端末装置等:以下同様)から送信された商品情報を受信しても構わない。
【0071】
受け付けられる商品情報は、通常、第一種識別子を有するが、これを有さなくてもよい。
【0072】
すなわち、商品情報受付部121は、例えば、第一種識別子を有さない商品情報を受け付ける。第一種識別子を有さない商品情報とは、通常、第一種識別子を有さず、第二種識別子も有さない商品情報であるが、例えば、第一種識別子を有さず、第二種識別子を有する商品情報でもよい。
【0073】
また、商品情報受付部121は、通常、第一種識別子を有する商品情報も受け付ける。なお、第一種識別子を有する商品情報は、通常、第二種識別子を有さないが、第二種識別子も有していてもよい。
【0074】
識別子受付部122は、商品識別子を受け付ける。識別子受付部122は、商品識別子を、例えば、キーボード等の入力デバイスを介して受け付けるが、ネットワーク等を介して他の装置から受信してもよい。なお、他の装置から受信する場合、識別子受付部122は、当該他の装置を識別する装置識別子と対に、商品識別子を受信する。
【0075】
識別子受付部122は、通常、第一種識別子または第二種識別子を受け付けるが、その他の商品識別子をも受け付けてもよい。
【0076】
処理部13は、各種の処理を行う。各種の処理とは、例えば、第二種識別子取得部131、蓄積部132、検知部133、枝番取得部134、枝番付与部135、検索部136、および商品情報処理部137などの処理である。なお、各種の処理には、フローチャートで説明する各種の判別なども含まれる。
【0077】
第二種識別子取得部131は、例えば、商品情報受付部121が第一種識別子を有さない商品情報を受け付けた場合に、第二種識別子を取得する。または、第二種識別子取得部131は、商品情報受付部121が、第一種識別子も、第二種識別子も有さない商品情報を受け付けた場合に、第二種識別子を取得してもよい。なお、取得することは、通常、所定のアルゴリズムに従って第二種識別子を生成することであるが、例えば、2以上の第二種識別子が予め登録されたデータベース(第二種識別子DB)から一の第二種識別子を取得することでもよいし、キーボード等の入力デバイスを介して受け付けられた第二種識別子を取得することでも構わない。また、取得される第二種識別子は、予め決められた条件に合致しない商品識別子であれば何でもよい。
【0078】
具体的には、例えば、予め決められた条件が「JANコード、EANコード、またはUPCのいずれかのコード体系に合致すること」である場合、第二種識別子取得部131は、例えば、JAN等とは別体系のコードを、第二種識別子として取得する。別体系のコードとは、JAN等に対して、例えば、データ構造が異なるコードであるが、値が異なるコードでもよい。
【0079】
蓄積部132は、商品情報受付部121が受け付けた商品情報が第二種識別子を含む商品情報として、商品情報格納部111に蓄積される状態とする。
【0080】
蓄積される状態とすることは、例えば、商品情報格納部111に格納されている商品情報に、第二種識別子取得部131が取得した第二種識別子を付加することである。
【0081】
または、蓄積される状態とすることは、商品情報受付部121がキーボード等の入力デバイスを介して受け付けた商品情報であり、未だ商品情報格納部111に格納されていない商品情報に、第二種識別子取得部131が取得した第二種識別子を付加し、当該第二種識別子が付加された商品情報を商品情報格納部111に蓄積することでもよい。
【0082】
蓄積部132は、例えば、商品情報受付部121が第一種識別子を有さない商品情報を受け付けたか否かを判別し、商品情報受付部121が第一種識別子を有さない商品情報を受け付けた場合に、その受け付けられた商品情報に、第二種識別子取得部131が取得した第二種識別子を含めて、商品情報格納部111に蓄積してもよい。
【0083】
または、前述した第一種識別子取得部131が、商品情報受付部121が第一種識別子を有さない商品情報を受け付けたか否かを判別し、商品情報受付部121が第一種識別子を有さない商品情報を受け付けた場合に、その受け付けられた商品情報が第二識別子を有するか否かを、さらに判別してもよい。
【0084】
そして、受け付けられた商品情報が第二識別子を有しない場合に、蓄積部132は、その受け付けられた商品情報に、取得された第二種識別子を含めて、商品情報格納部111に蓄積する。また、受け付けられた商品情報が第二識別子を有する場合には、蓄積部132は、その受け付けられた商品情報を、商品情報格納部111に蓄積(例えば、上書き)する。なお、後者の場合における上書きは、必ずしも行わなくてよいことは言うまでもない。
【0085】
ただし、上記のような各種の判別は、例えば、フローチャートで説明するように、処理部13が行っても構わない。
【0086】
また、第一種識別子を有さない商品情報が、結果として、第二種識別子を含む商品情報として、商品情報格納部111に蓄積される状態となればよく、そのために蓄積部132等が行う処理の内容や手順や分担は問わない。
【0087】
検知部133は、商品情報格納部111の2以上の商品情報の中で、同一の第一種識別子を有する2以上の商品情報を検知する。
【0088】
検知部133は、例えば、商品情報格納部111の2以上の商品情報の中で、各々同一の第一種識別子を有する2以上の商品情報の組(以下、組情報と記す場合がある)を、2組以上、検知してもよい。ただし、検知部133が検知を行うトリガやタイミングは問わない。
【0089】
例えば、商品情報DBからネットワーク等を介して受信された又はディスク等の記録媒体から読み出された2以上の商品情報が、商品情報格納部111に蓄積された場合に、検知部133は、商品情報格納部111の当該2以上の商品情報に対し、2以上の組情報を一括的に検知する処理である一括検知処理を行う。なお、一括的に検知する処理は、2以上の各組情報を、例えば、順次検知する処理であるが、並列に検知する処理でもよい。
【0090】
または、検知部133は、受付部12が枝番付与指示を受け付けた場合に、商品情報格納部111の2以上の商品情報に対し、一括検知処理を行ってもよい。枝番付与指示とは、第一識別子に対する枝番の付与を行う旨の指示である。
【0091】
また、検知部133は、例えば、商品情報受付部121が、第一種識別子を有する新たな商品情報を受け付けた場合に、商品情報格納部111の既存の2以上の商品情報に対し、当該新たな商品識別子が有する第一種識別子と同一の第一種識別子を有する2以上の商品情報を検知する処理である個別検知処理を行う。
【0092】
検知部133は、最初、自動的に又は指示の受け付けに応じて、一括検知処理を行い、その後、第一種識別子を有する新たな商品識別子が受け付けられる度に、個別検知処理を行うことは好適である。
【0093】
枝番取得部134は、枝番取得処理を行う。枝番取得処理とは、検知部133が検知した2以上の各商品情報の第一種識別子に付与する枝番であり、ユニークな枝番を、2以上の商品情報ごとに取得する処理である。取得される枝番は、例えば、連番(例えば、“001”,“002”等)であるが、重複しない番号であれば、連続する番号でなくてもよい。
【0094】
枝番取得部134は、例えば、検知部133が一括検知処理により2以上の組情報を検知した場合に、当該2以上の組情報ごとに、枝番取得処理を実行する。また、枝番取得部134は、例えば、検知部133が個別検知処理により新たな組情報を検知するたびに、枝番取得処理を実行する。
【0095】
枝番付与部135は、枝番取得部134が取得した枝番を、2以上の各商品情報が有する各第一種識別子に付与する。
【0096】
検索部136は、識別子受付部122が受け付けた第一種識別子または第二種識別子をキーとして、商品情報格納部111の2以上の商品情報に対する検索を行う。
【0097】
検索部136は、商品情報格納部111の2以上の商品情報のうち、識別子受付部122が受け付けた第一種識別子または第二種識別子に対応する商品情報を取得する。なお、取得される商品情報は、対応する商品情報の一部でも、全部でもよい。
【0098】
検索部136は、枝番付きの第一種識別子が受け付けられた場合は、当該枝番付きの第一種識別子に対応する商品情報を取得する。
【0099】
商品情報処理部137は、検索部136が取得した商品情報に対する処理を行う。なお、処理の対象は、取得された商品情報の全部でも、一部でもよい。
【0100】
処理とは、例えば、後述する受注処理、または後述する発注処理であるが、出力処理でもよい。出力処理とは、取得された商品情報の全部または一部を、例えば、ディスプレイに表示する処理であるが、プリンタでプリントアウトしたり、記録媒体に蓄積したりする処理でもよい。
【0101】
発注処理手段1371は、検索部136が取得した商品情報の全部または一部を用いて、商品情報に対応する商品の発注処理を行う。発注処理とは、商品の発注に関する処理である。発注処理は、例えば、取得された商品情報に含まれる第一種類識別子または第二種類識別子と、識別子受付部122による第一種類識別子または第二種類識別子の受け付けの際に受付部12が受け付けた数量情報とを用いて、発注情報を構成し、受注装置3に送信する処理である。
【0102】
発注情報とは、発注に関する情報である。発注情報は、例えば、第一種類識別子または第二種類識別子と数量情報とを含む。この場合の数量情報は、第一種類識別子または第二種類識別子で識別される商品の発注数量を示す情報である。発注情報は、例えば、商品名、メーカ名、および型番のうち1以上の情報も含むことは好適であるが、含まなくてもよい。
【0103】
または、発注処理とは、発注装置2から送信された発注情報を受信し、受注装置3に送信する処理でもよい。
【0104】
受注処理手段1372は、検索部136が取得した商品情報の一部または全部を用いて、商品情報に対応する商品の受注処理を行う。受注処理とは、商品の受注に関する処理である。受注処理は、例えば、取得された商品情報に含まれる第一種類識別子または第二種類識別子と、識別子受付部122による第一種類識別子または第二種類識別子の受け付けの際に受付部12が受け付けた数量情報とを用いて、受注情報を構成し、受注装置3に送信する処理である。
【0105】
受注情報とは、商品の受注に関する情報である。受注情報は、例えば、第一種類識別子または第二種類識別子と数量情報とを含む。この場合の数量情報は、第一種類識別子または第二種類識別子で識別される商品の受注数量を示す情報である。受注情報は、例えば、商品名、メーカ名、および型番のうち1以上の情報も含むことは好適であるが、含まなくてもよい。
【0106】
または、受注処理とは、発注装置2から送信された発注情報を受信し、受注情報として格納部11に蓄積する処理でもよい。
【0107】
出力部14は、各種の情報を出力する。各種の情報とは、例えば、格納部11等に格納されている商品情報等の情報、処理部13等による処理結果などである。出力とは、例えば、ディスプレイへの表示、スピーカからの音出力、プリンタでのプリントアウト、記録媒体への蓄積、他のプログラムへの処理結果の引渡し、他の装置への送信などを含む概念である。
【0108】
出力部14は、例えば、発注処理手段1371が構成した発注情報、受注処理手段1372が構成した受注情報などの情報を、ディスプレイやプリンタ等の出力デバイスを介して出力する。なお、出力部14は、発注情報等の情報を、例えば、受注装置3等の他の装置に送信してもよい。
【0109】
出力部14は、例えば、受付部12が、一覧表示指示をキーボード等の入力デバイスを介して受け付けた場合に、商品情報格納部111に格納されている2以上の商品情報の一部または全部を、ディスプレイに表示する。一覧表示指示とは、1または2以上の商品情報を一覧表示する旨の指示である。一覧表示指示は、例えば、一のメーカ名を含む。
【0110】
受け付けられた一覧表示指示にメーカ名が含まれている場合、出力部14は、格納されている2以上の商品情報のうち、当該メーカ名を含む1以上の商品情報を出力する。
【0111】
また、受付部12が一覧表示指示を他の装置から受信した場合、出力部14は、商品情報格納部111に格納されている2以上の商品情報の一部または全部を、当該他の装置に送信してもよい。
【0112】
発注装置2を構成する発注格納部21には、当該発注装置2を識別する装置識別子などが格納される。また、発注格納部21には、例えば、商品情報処理装置1の商品情報格納部111に格納されている2以上の商品情報の一部または全部が格納されてもよい。
【0113】
発注受付部22は、例えば、キーボード等の入力デバイスを介して、発注情報を受け付ける。なお、発注受付部22は、例えば、一のメーカ名を含む一覧表示指示を受け付けて、商品情報処理装置1に送信し、商品情報処理装置1から当該メーカ名を含む1以上の商品情報を受信して、ディスプレイに一覧表示してもよい。
【0114】
発注送信部23は、発注受付部22が受け付けた発注情報を、発注格納部21に格納されている装置識別子と対に、商品情報処理装置1に送信する。なお、発注送信部23は、例えば、発注受付部22が受け付けた一覧表示指示なども、同様に送信する。
【0115】
受注装置3を構成する受注格納部31には、当該発注送信部23を識別する装置識別子が格納される。また、受注格納部31には、例えば、商品情報処理装置1の商品情報格納部111に格納されている2以上の商品情報の一部または全部が格納されてもよい。
【0116】
受注受信部32は、商品情報処理装置1から発注情報を受信する。
【0117】
受注出力部33は、受注受信部32が受信した発注情報を、例えば、ディスプレイやプリンタ等の出力デバイスを介して出力する。
【0118】
格納部11、商品情報格納部111、発注格納部21、および受注格納部31は、例えば、ハードディスクやフラッシュメモリといった不揮発性の記録媒体が好適であるが、RAMなど揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0119】
格納部11等に情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して情報が格納部11等で記憶されるようになってもよく、ネットワークや通信回線等を介して送信された情報が格納部11等で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報が格納部11等で記憶されるようになってもよい。入力デバイスは、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等、何でもよい。
【0120】
受付部12、商品情報受付部121、識別子受付部122、および発注受付部22は、入力デバイスを含むと考えても、含まないと考えてもよい。受付部12等は、入力デバイスのドライバーソフトによって、または入力デバイスとそのドライバーソフトとで実現され得る。
【0121】
処理部13、第二種識別子取得部131、蓄積部132、検知部133、枝番取得部134、枝番付与部135、検索部136、商品情報処理部137、発注処理手段1371、および受注処理手段1372は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。処理部13等の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。ただし、処理手順は、ハードウェア(専用回路)で実現してもよい。
【0122】
出力部14、および受注出力部33は、ディスプレイやスピーカ等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えてもよい。出力部14等は、出力デバイスのドライバーソフトによって、または出力デバイスとそのドライバーソフトとで実現され得る。
【0123】
発注送信部23は、通常、有線または無線の通信手段(例えば、NIC(Network interface controller)やモデム等の通信モジュール)で実現されるが、放送手段(例えば、放送モジュール)で実現されてもよい。なお、出力部14等の送信機能も、同様に実現される。
【0124】
受注受信部32は、通常、有線または無線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段(例えば、放送受信モジュール)で実現されてもよい。なお、受付部12等の受信機能も、同様に実現される。
【0125】
次に、情報システムの動作について、
図2および
図3のフローチャートを用いて説明する。
図2は、商品情報処理装置1の動作を説明するためのフローチャートである。
【0126】
(ステップS201)処理部13は、商品情報受付部121が第一種識別子を有さない商品情報を受け付けたか否かを判別する。なお、このフローチャートにおいて、商品情報の受け付けは、通常、商品情報格納部111からの読み出しである。商品情報受付部121が第一種識別子を有さない商品情報を受け付けた場合はステップS202に進み、受け付けていない場合はステップS204に進む。
【0127】
(ステップS202)第二種識別子取得部131は、第二種識別子を取得する。
【0128】
(ステップS203)蓄積部132は、ステップS201で受け付けられた商品情報に、ステップS202で取得された第二種識別子を含めて、商品情報格納部111に蓄積する。その後、ステップS201に戻る。
【0129】
(ステップS204)処理部13は、識別子受付部122が第一種識別子または第二種識別子を受け付けたか否かを判別する。なお、このフローチャートにおいて、第一種識別子または第二種識別子の受け付けは、例えば、商品情報処理装置1内のタッチパネル等の入力デバイスを介した受け付けであるが、発注装置2等の他の装置からの受信でもよい。識別子受付部122が第一種識別子または第二種識別子を受け付けた場合はステップS205に進み、受け付けていない場合はステップS207に進む。
【0130】
(ステップS205)検知部133は、ステップS04で受け付けられた第一種識別子または第二種識別子に対応する商品情報の一部または全部を、商品情報格納部111から取得する。
【0131】
(ステップS206)商品情報処理部137は、ステップS205で取得された商品情報に対する処理を行う。なお、ここで行われる処理は、例えば、発注処理手段1371による発注処理、または受注処理手段1372による受注処理であるが、商品情報の一部または全部を用いて行い得る処理であれば、その種類は問わない。その後、ステップS201に戻る。
【0132】
(ステップS207)処理部13は、枝番の付与を行うか否かを判断する。詳しくは、処理部13は、例えば、受付部12が枝番の付与を行う旨の指示を受け付けた場合に、枝番の付与を行うと判断する。または、処理部13は、商品情報受付部121が、第一種識別子を有する商品情報を受け付けた場合に、枝番の付与を行うと判断してもよい。枝番の付与を行う場合はステップS208に進み、行わない場合はステップS201に戻る。
【0133】
(ステップS208)処理部13等は、枝番付与処理を実行する。枝番付与処理については後述する。その後、ステップS201に戻る。
【0134】
なお、上記のフローチャートにおいて、ステップS201の直後に、下記の2つのステップS201aおよびS201bを追加してもよい。
【0135】
(ステップS201a)処理部13は、ステップS201で受け付けられた商品情報が第二識別子を有するか否かをさらに判別する。受け付けられた商品情報が第二識別子を有さない場合はステップS202に進み、受け付けられた商品情報が第二識別子を有する場合はステップS201bに進む。
【0136】
(ステップS201b)蓄積部132は、ステップS201で受け付けられた商品情報を、商品情報格納部111に蓄積する。その後、ステップS201に戻る。
【0137】
また、
図2のフローチャートにおいて、商品情報処理装置1の電源オンやプログラムの起動に応じて処理が開始し、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。ただし、処理の開始または終了のトリガは問わない。
【0138】
図3は、上記ステップS208の枝番付与処理を説明するためのフローチャートである。
【0139】
(ステップS301)検知部133は、商品情報格納部111に格納されている2以上の商品情報から、同一の第一種識別子を有する2以上の商品情報の組を、1組または2組以上検知する。
【0140】
(ステップS302)処理部13は、変数iに初期値“1”をセットする。変数iとは、ステップS301で検知された1以上の組のうち、未選択の組を順番に選択していくための変数である。
【0141】
(ステップS303)処理部13は、i番目の組があるか否かを判別する。i番目の組がある場合はステップS304に進み、ない場合は上位の処理にリターンする。
【0142】
(ステップS304)処理部13は、i番目の組の2以上の各商品情報が有する第一識別子は枝番付与済みか否かを判別する。i番目の組の2以上のどの商品情報が有する第一識別子も枝番付与済みである場合はステップS308に進み、そうでない場合はステップS305に進む。
【0143】
(ステップS305)枝番取得部134は、ユニークな枝番を、i番目の組の2以上の各商品情報ごとに取得する。ただし、当該2以上の商品情報の中に、その第一識別子が枝番付与済みであるものが1以上含まれている場合は、当該1以上の各商品識別子については、枝番の取得を行わなくてよい。なお、かかる事項は、ステップ306での枝番の付与、およびステップS307での商品情報の蓄積にも当てはまる。
【0144】
(ステップS306)枝番付与部135は、i番目の組の2以上の各商品情報が有する第一種識別子に、ステップS305で取得された枝番を付与する。
【0145】
(ステップS307)蓄積部132は、i番目の組の2以上の各商品情報が、ステップS305で枝番を付与された第一種識別子を含む商品情報として、商品情報格納部111に蓄積される状態とする。
【0146】
(ステップS308)処理部13は、変数iをインクリメントする。その後、ステップS303に戻る。
【0147】
以下、本実施の形態における情報システムの具体的な動作例について説明する。なお、以下の説明は、種々の変更が可能であり、本発明を何ら限定するものではない。
【0148】
本例の情報システムは、商品情報処理装置1、2以上の発注装置2、および2以上の受注装置3を備える。商品情報処理装置1は、情報システムを運営する運営企業のサーバである。
【0149】
また、2以上の発注装置2のうち1つは、情報システムを利用して、業務用の食材等の商品の発注を行う飲食店XのPC(以下、発注装置2Xと記す)であり、他の一つは、同様にして業務用の工具等の商品の発注を行う工務店の携帯端末(発注装置2Y)である。さらに、2以上の受注装置3のうち1つは、情報システムを利用して、食材等の商品の製造および販売を行うメーカAAAのPC(受注装置3P)であり、他の一つは、同様にして工具等の商品の販売を行う問屋のサーバ(受注装置3Q)である。
【0150】
商品情報処理装置1の商品情報格納部111には、例えば、
図4に示すような2以上の商品情報が格納され得る。
図4は、本例における商品情報のデータ構造図である。商品情報は、商品名、メーカ名、型番、第一種識別子、枝番、および第二種識別子等の情報を有する。格納される2以上の各商品情報には、ID(例えば、“1”,“2”,“3”等)が対応付いている。
【0151】
例えば、ID“1”に対応する商品情報(以下、商品情報1と記す)は、商品名“缶スープ(単品)”、メーカ名“AAA”、型番“AB−01”、第一種識別子“4501234567890”、枝番“001”、および第二種識別子“Null”等を有する。なお、“Null”は、当該要素が存在しないことを示す情報である。
【0152】
また、ID“2”に対応する商品情報(商品情報2)は、商品名“電動ドライバ”、メーカ名“BBB”、型番“C−012”、第一種識別子“Null”、枝番“Null”、および第二種識別子“1400000000001”等を有する。同様に、商品情報3は、商品名“缶スープ(6缶セット)”、メーカ名“AAA”、型番“AB−06”、第一種識別子“Null”、枝番“Null”、および第二種識別子“1400000000002”等を有し、商品情報4は、商品名“洗剤”、メーカ名“CCC”、型番“DE34”、第一種識別子“4912345678901”、枝番“Null”、および第二種識別子“Null”等を有し、商品情報5は、商品名“缶スープ(24缶セット)”、メーカ名“AAA”、型番“AB−24”、第一種識別子“4501234567890”、枝番“002”、および第二種識別子“Null”等を有する。
【0153】
なお、
図4の例では、缶スープ(単品)と缶スープ(24缶セット)に同一の第一種識別子が付され、缶スープ(6缶セット)には第一種識別子は付されていないが、これら商品自体は同じで本数が異なる3態様の缶スープの各々に、異なる第一種識別子が付されていてもよい。
【0154】
例えば、第一種識別子がJANコードである場合、通常商品のJANコートと同一のJANコードが、増量キャンペーン商品、おまけ付き商品、各種キャンペーンマーク付き商品などに付されることがある。また、同一のJANコードは、例えば、商品自体は同じで主要原材料の産地が異なる2以上の商品(例えば、主原料のジャガイモが、北海道産のポテトチップ、アイダホ産のポテトチップ等)などにも付されることがある。ただし、同一の第一種識別子が付される2以上の商品の組み合わせは問わない。
【0155】
発注装置2Xの発注格納部21には、装置識別子“X”が格納され、発注装置2Yの発注格納部21には、装置識別子“Y”が格納されている。
【0156】
受注装置3Pの受注格納部31には、装置識別子“P”と、メーカ名“AAA”を含む1以上の商品情報(すなわち、商品情報1、商品情報3、および商品情報5)とが格納されている。受注装置3Qの受注格納部31には、装置識別子“Q”と、メーカ名“BBB”または“CCC”を含む1以上の商品情報(すなわち、商品情報2、および商品情報4)とが格納されている。なお、受注格納部31の1以上の各商品情報は、商品情報処理装置1側で、当該商品情報に対応する商品情報が更新されると、同様に更新されるものとする。
【0157】
最初、図示しない商品情報DBから、5つの商品情報1〜5が商品情報格納部111に転送される。この時点で、商品情報1および商品情報5の各々に含まれる枝番は“Null”であり、また、商品情報2および商品情報3の各々に含まれる第二種識別子も“Null”である。
【0158】
商品情報処理装置1において、商品情報受付部121は、商品情報格納部111から5つの商品情報1〜5を順次読み出していく。読み出された商品情報が第一種識別子“Null”を含む場合、第二種識別子取得部131は、上2桁が“14”である13桁の連番を第二種識別子として生成し、蓄積部132は、当該商品情報の第二種識別子“Null”を、生成された第二種識別子で更新する。
【0159】
これにより、商品情報2に含まれる第二種識別子“Null”は“1400000000001”に更新され、商品情報4に含まれる第二種識別子“Null”は“1400000000002”に更新される。
【0160】
次に、検知部133は、読み出された5つの商品情報1〜5から、同一の第一種識別子“4501234567890”を含む2つの商品情報1および5の組を検知する。枝番取得部134は、検知された組の2つの商品情報1および5ごとのユニークな枝番として、2つの3桁の連番“001”および“002”を取得する。枝番付与部135は、商品情報1が有する第一種識別子“4501234567890”に枝番“001”を付与し、商品情報5が有する第一種識別子“4501234567890”に枝番“002”を付与する。
【0161】
これにより、商品情報1に含まれる枝番“Null”は“001”に更新され、商品情報5に含まれる枝番“Null”は“002”に更新される。この時点で、商品情報受付部121の5つの商品情報1〜5は、
図4に示されたような内容を有することとなる。
【0162】
その後、飲食店Xの店員が、発注装置2Xのキーボードを介して、メーカ名“AAA”を含む一覧表示指示を入力したとする。発注装置2Xにおいて、発注受付部22が上記一覧表示指示を受け付け、発注送信部23は、受け付けられた一覧表示指示を、発注格納部21の装置識別子“X”と対に、商品情報処理装置1に送信する。
【0163】
商品情報処理装置1において、受付部12が上記一覧表示指示を装置識別子“X”と対に受信し、出力部14は、商品情報格納部111の5つの商品情報1〜5のうち、受信された一覧表示指示に含まれるメーカ名“AAA”を有する3つの商品情報1,3,および5を、装置識別子“X”で識別される発注装置2Xに送信する。
【0164】
発注装置2Xにおいて、発注受付部22が、上記3つの商品情報1,3,および5を受信し、当該3つの商品情報1,3,および5を用いて、例えば、
図5に示すような発注画面を構成し、ディスプレイに出力する。
【0165】
図5は、発注画面の一例を示す図である。発注画面とは、商品を発注するための画面である。発注画面には、1または2以上の商品情報が表の形式で表示される。表を構成する1以上の各商品情報には、発注数量の入力欄が対応付いている。
【0166】
飲食店Xの店員が、発注装置2Xのマウスで表中の2番目の商品情報(つまり、商品情報3)を選択し、さらにキーボードを介して発注数量“2”を入力すると、発注受付部22は、第二種識別子“1400000000001”と発注数量“2”とを含む発注情報を受け付け、発注送信部23は、受け付けられた発注情報を装置識別子“X”と対に商品情報処理装置1に送信する。
【0167】
商品情報処理装置1において、発注処理手段1371が、上記発注情報を装置識別子“X”と対に受信する。発注処理手段1371は、受信した第二種識別子“1400000000001”に対応するメーカ名“AAA”を、商品情報格納部111の商品情報2を用いて特定する。格納部11には、メーカ名と端末識別子との対の集合である対応情報が格納されており、発注処理手段1371は、メーカ名“AAA”に対応する端末識別子“P”を取得し、受信した発注情報および装置識別子“X”の対を、端末識別子“P”で識別される受注装置3Pに送信する。
【0168】
受注装置3Pにおいて、受注受信部32が上記発注情報および装置識別子“X”の対を受信し、受注出力部33は、受注格納部31に格納されている3つの商品情報1,3,および5と、受信された発注情報および装置識別子“X”の対とを用いて、例えば、
図6に示すような受注画面を構成し、ディスプレイに出力する。
【0169】
図6は、受注画面の一例を示す図である。受注画面とは、商品を受注するための画面である。受注画面には、1または2以上の商品情報が表の形式で表示される。ただし、受注画面の表では、メーカ名が削除される一方、受注数量および発注元を示す情報が付加される。
【0170】
この受注画面の2番目の商品情報(つまり、商品情報3)には、受注数量“2”と、発注元“飲食店X”とが含まれており、メーカAAAの社員は、飲食店Xから缶スープ(6缶セット)を2個受注したことを知ることができる。
【0171】
なお、発注装置2Yと受注装置3Qの間でも、商品情報処理装置1が上記と同様の処理を行うことで、工具等の商品の受発注を行うことができる。
【0172】
以上、本実施の形態によれば、商品情報格納部111には、商品を識別する第一の種類の識別子であり、予め決められた条件に合致する識別子である第一種識別子を有する1以上の商品情報が格納され、商品情報処理装置1は、第一種識別子を有さない商品情報を受け付け、第一種識別子を有さない商品情報を受け付けた場合に、予め決められた条件に合致しない識別子である第二種識別子を取得し、受け付けた商品情報が第二種識別子を含む商品情報として、商品情報格納部111に蓄積される状態とする。
【0173】
こうして、第一種識別子を有さない商品情報には第二種識別子を付与することで、商品情報処理装置1は、第一種識別子である共通商品コードを有さない商品情報に対しても、共通商品コードとは異なる第二種識別子を用いて、例えば、受発注等の処理を容易に行うことができる。
【0174】
また、商品情報処理装置1は、商品情報格納部111の2以上の商品情報の中で、同一の第一種識別子を有する2以上の商品情報を検知し、検知した2以上の各商品情報の第一種識別子に付与する枝番であり、ユニークな枝番を、2以上の各商品情報ごとに取得し、取得した枝番を、2以上の各商品情報が有する各第一種識別子に付与する。
【0175】
従って、同一の第一種識別子を有する2以上の商品情報が存在する場合は、第一種識別子に枝番が付与されるので、商品情報処理装置1は、同じ共通商品コードを有する2以上の各商品情報に対しても、例えば、受発注等の処理を容易に行うことができる。
【0176】
また、商品情報処理装置1は、第一種識別子または第二種識別子を受け付け、受け付けた第一種識別子または第二種識別子に対応する商品情報の一部または全部を取得し、商品情報の一部または全部に対する処理を行うので、処理の対象となる商品情報を、第一種識別子または第二種識別子をキーとして容易に検索できる。
【0177】
また、商品情報処理装置1は、商品情報の一部または全部を用いて、商品情報に対応する商品の受注処理を行うことにより、検索結果を用いて、商品の受注処理が容易に行える。
【0178】
また、商品情報処理装置1は、商品情報の一部または全部を用いて、商品情報に対応する商品の発注処理を行うことにより、検索結果を用いて、商品の発注処理が容易に行える。
【0179】
また、第一種識別子は、JANコード、EANコード、UPCのいずれかであることにより、商品情報処理装置1は、JANコード、EANコードまたはUPCのいずれも有さない商品情報に対しても、例えば、受発注等の処理を容易に行うことができる。
【0180】
なお、本実施の形態では、第二種識別子取得部131は、第一種識別子を有する商品情報(例えば、商品情報1、商品情報4、および商品情報5:
図4参照)に対しては、第二種識別子の取得を行っていないが、第一種識別子を有する商品情報に対しても、第二種識別子を取得してもよい。
【0181】
(変形例1)
その場合、例えば、枝番付与部135が第一種識別子への枝番の付与を行う代わりに、第二種識別子取得部131は、第一種識別子を有する商品情報に対して、例えば、第一種識別子と、枝番取得部134が取得した枝番とで構成された第二種識別子を取得してもよい。つまり、
図1に示した商品情報処理装置1の構成において、枝番付与部135は省略してもよい。また、
図4に示した商品情報において、枝番が付加された第一種識別子は、第二種識別子の一態様であってもよい。
【0182】
このような変形例において、第二種識別子取得部131は、第一種識別子を有する2以上の商品情報のうち、同一の第一種識別子(例えば、“4501234567890”)を有する2以上の各商品情報(例えば、商品情報1、および商品情報5)に対してのみ、第二種識別子を取得し、ユニークな第一種識別子(例えば、“4912345678901”)を有する商品情報(例えば、商品情報4)に対しては、通常、第二種識別子の取得を行わない。
【0183】
詳しくは、同一の第一種識別子を有する2以上の各商品情報に対して、枝番取得部134が、ユニークな枝番(例えば、“001”、“002”)を取得し、第二種識別子取得部131は、当該同一の第一種識別子と、取得された枝番とで構成された第二種識別子(例えば、“4501234567890−001”、“4501234567890−002”:なお、第一種識別子と枝番との間のハイフン等の記号は、無くてもよい)を取得する。
【0184】
これにより、
図4において、商品情報1が有する第二種識別子は、“Null”に代えて“4501234567890−001”となり、商品情報5が有する第二種識別子は、“Null”に代えて“4501234567890−002”となる。他方、商品情報4が有する第二種識別子は、“Null”のままである。
【0185】
従って、この変形例によれば、同一の第一種識別子を有する2以上の商品情報が存在する場合は、当該同一の第一種識別子に枝番が付与された第二種識別子が取得されるので、同じ共通商品コードを有する2以上の各商品情報に対しても、第一種識別子である共通商品コードと枝番とで構成された第二種識別子を用いて、例えば、受発注等の処理を容易に行うことができる。
【0186】
(変形例2)
または、枝番付与部135が第一種識別子への枝番の付与を行う一方、第二種識別子取得部131は、当該枝番付きの第一種識別子とは別の第二種識別子(例えば、第一種識別子を有さない商品情報に対して取得したものと同様の連番“1400000000003”,“1400000000004”等)をさらに取得してもよい。
【0187】
なお、このような変形例においては、第二種識別子取得部131は、ユニークな第一種識別子を有する商品情報(例えば、商品情報4)に対しても、同様の連番(例えば“1400000000005”)を取得してもよい。
【0188】
これにより、
図4において、商品情報1が有する第二種識別子は、“Null”に代えて“1400000000003”となり、商品情報5が有する第二種識別子は、“Null”に代えて“1400000000004”となる。なお、商品情報4が有する第二種識別子も、“Null”に代えて“1400000000005”となってもよい。
【0189】
従って、この変形例によれば、同一の第一種識別子を有する2以上の商品情報が存在する場合は、当該2以上の各商品情報が有する第一種識別子に枝番が付されるのに加えて、別の第二種識別子も取得されるので、枝番付きの第一種識別子または第二種識別子を用いて、受発注等の処理を容易に行うことができる。
【0190】
なお、同一の第一種識別子を有する2以上の商品情報と、ユニークな第一種識別子を有する商品情報とが混在する場合は、ユニークな第一種識別子を有する商品情報にも第二種識別子を付与することで、第一種識別子または枝番付きの第一種識別子または第二種識別子を用いて、受発注等の処理を容易に行うことができる。
【0191】
さらに、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをCD−ROMなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。なお、本実施の形態における情報処理装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。
【0192】
つまり、コンピュータがアクセス可能な記録媒体は、商品を識別する第一の種類の識別子であり、予め決められた条件に合致する識別子である第一種識別子を有する1以上の商品情報が格納される商品情報格納部111を具備し、このプログラムは、前記コンピュータを、第一種識別子を有さない商品情報を受け付ける商品情報受付部121と、前記商品情報受付部121が第一種識別子を有さない商品情報を受け付けた場合に、予め決められた条件に合致しない識別子である第二種識別子を取得する第二種識別子取得部131と、前記商品情報受付部121が受け付けた商品情報が前記第二種識別子を含む商品情報として、前記商品情報格納部111に蓄積される状態とする蓄積部132として機能させるためのプログラムである。
【0193】
図7は、本実施の形態におけるプログラムを実行して、商品情報処理装置1等を実現するコンピュータシステム900の外観図である。本実施の形態は、コンピュータハードウェアおよびその上で実行されるコンピュータプログラムによって実現され得る。
図7において、コンピュータシステム900は、ディスクドライブ905を含むコンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、ディスプレイ904とを備える。なお、キーボード902やマウス903やディスプレイ904をも含むシステム全体をコンピュータと呼んでもよい。
【0194】
図8は、コンピュータシステム900の内部構成の一例を示す図である。
図8において、コンピュータ901は、ディスクドライブ905に加えて、MPU911と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM912と、MPU911に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶すると共に、一時記憶空間を提供するRAM913と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、およびデータを記憶するストレージ914と、MPU911、ROM912等を相互に接続するバス915と、外部ネットワークや内部ネットワーク等のネットワークへの接続を提供するネットワークカード916と、を備える。ストレージ914は、例えば、ハードディスク、SSD、フラッシュメモリなどである。
【0195】
コンピュータシステム900に、商品情報処理装置1等の機能を実行させるプログラムは、例えば、DVD、CD−ROM等のディスク921に記憶されて、ディスクドライブ905に挿入され、ストレージ914に転送されてもよい。これに代えて、そのプログラムは、ネットワークを介してコンピュータ901に送信され、ストレージ914に記憶されてもよい。プログラムは、実行の際にRAM913にロードされる。なお、プログラムは、ディスク921、またはネットワークから直接、ロードされてもよい。また、ディスク921に代えて他の着脱可能な記録媒体(例えば、DVDやメモリカード等)を介して、プログラムがコンピュータシステム900に読み込まれてもよい。
【0196】
プログラムは、コンピュータの詳細を示す901に、商品情報処理装置1等の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティプログラム等を必ずしも含んでいなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能やモジュールを呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいてもよい。コンピュータシステム900がどのように動作するのかについては周知であり、詳細な説明は省略する。
【0197】
なお、上述したコンピュータシステム900は、サーバまたは据え置き型のPCであるが、発注装置2や受注装置3は特に、例えば、タブレット端末やスマートフォンやノートPCといった、携帯端末で実現されてもよい。この場合、例えば、キーボード902およびマウス903はタッチパネルに、ディスクドライブ905はメモリカードスロットに、ディスク921はメモリカードに、それぞれ置き換えられる。ただし、以上は例示であり、商品情報処理装置1等を実現するコンピュータのハードウェア構成は問わない。
【0198】
なお、上記プログラムにおいて、情報を送信する送信ステップや、情報を受信する受信ステップなどでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、送信ステップにおけるモデムやインターフェースカードなどで行われる処理(ハードウェアでしか行われない処理)は含まれない。
【0199】
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、一のコンピュータが集中処理を行ってもよく、あるいは複数のコンピュータが分散処理を行ってもよい。
【0200】
また、上記実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段(例えば、受付部12の受信機能、出力部14の送信機能など)は、物理的に一の媒体で実現されてもよいことは言うまでもない。
【0201】
また、上記実施の形態において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0202】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。