(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記無指向性アンテナは、逆L字状であり、前記一方向に延びた第1延在部分と、前記基板面に平行な面内における前記一方向に直交した他方向に延びた第2延在部分と、を有し、
前記第1延在部分の前記一方向における一端は、給電点に接続され、
前記第1延在部分の前記一方向における他端は、前記第2延在部分の前記他方向における一端に接続された、
請求項1に記載の無線通信装置。
前記無指向性アンテナの前記一方向における前記グランドプレーン側と反対側の端部と、前記無給電アンテナの前記一方向における端部とは、前記一方向において一致した、
請求項1または2に記載の無線通信装置。
前記無給電アンテナは、逆L字状であり、前記一方向に延びた第3延在部分と、前記基板面に平行な面内における前記一方向に直交した他方向に延びた第4延在部分と、を有し、
前記第3延在部分の前記一方向における一端は、前記第4延在部分の他方向における一端に接続された、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の無線通信装置。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施形態1に係る無線通信装置において、無給電アンテナを省いた構成を例示した斜視図である。
【
図2】実施形態1に係る無線通信装置において、無給電アンテナを省いた構成を例示した正面図である。
【
図3】実施形態1に係る無線通信装置において、無給電アンテナを省いた構成を例示した上面図である。
【
図4】実施形態1に係る無線通信装置を例示した斜視図である。
【
図5】実施形態1に係る無線通信装置を例示した正面図である。
【
図6】実施形態1に係る無線通信装置を例示した上面図である。
【
図7】実施形態1に係る無線通信装置の動作を例示した図である。
【
図8】実施形態1に係る無線通信装置の動作を例示した図である。
【
図9】実施形態1に係る無給電アンテナを省いた無線通信装置において、無指向性アンテナに給電した場合のXY面における垂直偏波の放射パターンを例示した特性図である。
【
図10】実施形態1に係る無線通信装置において、無指向性アンテナに給電した場合のXY面における垂直偏波の放射パターンを例示した特性図である。
【
図11】実施形態1に係る無線通信装置を用いた無線通信方法を例示したフローチャート図である。
【
図12】実施形態1に係る無線通信装置において、XY面における垂直偏波及び水平偏波の放射パターンを例示した特性図である。
【
図13】実施形態2に係る無線通信装置を例示した斜視図である。
【
図14】実施形態2に係る無線通信装置を例示した正面図である。
【
図15】実施形態2に係る無線通信装置を例示した上面図である。
【
図16】実施形態2に係る無線通信装置の動作を例示した図である。
【
図17】実施形態2に係る無線通信装置において、XY面における垂直偏波及び水平偏波の放射パターンを例示した特性図である。
【
図18】実施形態3に係る無線通信装置を例示した斜視図である。
【
図19】実施形態3に係る無線通信装置を例示した正面図である。
【
図20】実施形態3に係る無線通信装置を例示した上面図である。
【
図21】実施形態3に係る無線通信装置において、XY面における垂直偏波及び水平偏波の放射パターンを例示した特性図である。
【
図22】実施形態4に係る無線通信装置を例示した斜視図である。
【
図23】実施形態4に係る無線通信装置を例示した正面図である。
【
図24】実施形態4に係る無線通信装置を例示した側面図である。
【
図25】実施形態4に係る無線通信装置の動作を例示した図である。
【
図26】比較のために、実施形態1に係る無線通信装置において、XZ面における水平偏波の放射パターンを例示した特性図である。
【
図27】実施形態4に係る無線通信装置において、XZ面における水平偏波の放射パターンを例示した特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施形態に係る無線通信装置及び無線通信方法について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図面に付した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、図示の態様に限定することを意図するものではないことは言うまでもない。
【0017】
(実施形態1)
実施形態1に係る無線通信装置を説明する。まず、実施形態1に係る無線通信装置の構成を説明する。その後、実施形態1に係る無線通信装置の動作及び無線通信方法を説明する。
【0018】
図1は、実施形態1に係る無線通信装置において、無給電アンテナを省いた構成を例示した斜視図である。
図2は、実施形態1に係る無線通信装置において、無給電アンテナを省いた構成を例示した正面図である。
図3は、実施形態1に係る無線通信装置において、無給電アンテナを省いた構成を例示した上面図である。
図1〜
図3に示すように、無線通信装置1は、プリント基板10、グランドプレーン20、無指向性アンテナ30を備えている。無線通信装置1は、例えば、Wi−Fiで用いられる2.4GHzの周波数帯、WiMAXで用いられる2.6GHzの周波数帯等の無線電波を放射または受信する。
【0019】
ここで、無線通信装置1の説明の便宜のために、XYZ直交座標軸系を導入する。例えば、プリント基板10の一方の面に平行な面内における一方向をZ軸方向とする。一方の面に平行な面内におけるZ軸方向に直交する方向をX軸方向とする。よって、一方の面に平行な面を、XZ平面とする。一方の面に直交する方向をY軸方向とする。以下、無線通信装置1の各構成を説明する。
【0020】
<プリント基板>
プリント基板10は、板状またはシート状であり、一方の面及び一方の面と反対側の他方の面を有する。一方の面を基板面11と呼び、他方の面を裏面12と呼ぶ。プリント基板10は、絶縁材料を含む。プリント基板10の基板面11には、例えば、金属導体により回路パターンが形成されている。
【0021】
<グランドプレーン>
グランドプレーン20は、プリント基板10の基板面11上に配置されている。グランドプレーン20は、基板面11に平行な板状である。グランドプレーン20は、例えば、金属導体を含んでいる。グランドプレーン20は、例えば、Y軸方向から見て矩形でもよい。グランドプレーン20の+Z軸方向側の端縁は、X軸方向に延びた辺となっている。グランドプレーン20は、無線通信装置1のグランド電位に接続されている。グランドプレーン20は、例えば、プリント基板10の回路パターン以外の部分を覆っている。
【0022】
<無指向性アンテナ>
無指向性アンテナ30は、基板面11上において、Z軸方向にグランドプレーン20と並んで配置されている。無指向性アンテナ30は、グランドプレーン20に対して、+Z軸方向側に配置されている。無指向性アンテナ30は、例えば、金属導体を含む。無指向性アンテナ30は、例えば、逆L字状である。なお、無指向性アンテナ30の形状は、逆L字状に限らない。無指向性アンテナ30は、放射する電波が無指向性であれば、L字状でもよいし、逆F字状でもよい。また、無指向性アンテナ30は、プリント基板10の基板面11に描画されてもよいし、チップアンテナ等を用いて配置されてもよい。また、プリント基板10上に、複数の無指向性アンテナ30が配置されてもよい。
【0023】
無指向性アンテナ30が逆L字状の場合には、無指向性アンテナ30は、Z軸方向に延びた延在部分31と、X軸方向に延びた延在部分32とを有している。延在部分31のZ軸方向の長さは、延在部分31のX軸方向の幅よりも大きい。延在部分32のX軸方向の長さは、延在部分32のZ軸方向の幅よりも大きい。例えば、延在部分32のX軸方向の長さは、延在部分31のZ軸方向の長さよりも大きい。延在部分32のZ軸方向の幅は、延在部分31のX軸方向の幅と等しい。
【0024】
延在部分31のZ軸方向における一端は、給電点33に接続されている。例えば、延在部分31の−Z軸方向側の端部は給電点33に接続されている。延在部分31のZ軸方向における他端は、延在部分32のX軸方向の一端に接続されている。例えば、延在部分31の+Z軸方向側の端部は、延在部分32の−X軸方向側の端部に接続されている。
【0025】
無指向性アンテナ30は、給電点33から給電されることにより電波を放射する。電波は、例えば、無線電波である。無指向性アンテナ30が放射する電波の周波数は、例えば、2.4GHz帯である。なお、無指向性アンテナ30が放射する電波の周波数は、2.4GHz帯に限らない。
【0026】
<無給電アンテナ>
図4は、実施形態1に係る無線通信装置を例示した斜視図である。
図5は、実施形態1に係る無線通信装置を例示した正面図である。
図6は、実施形態1に係る無線通信装置を例示した上面図である。
【0027】
図4〜
図6に示すように、無線通信装置1は、さらに、無給電アンテナ40を備えている。無給電アンテナ40は、例えば、Z軸方向に延びた板状である。無給電アンテナ40の板面は、XZ面に平行である。無給電アンテナ40は、例えば、金属導体を含む。無給電アンテナ40は、グランドプレーン20に対して、基板面11に直交するY軸方向に間隔を空けて配置されている。例えば、無指向性アンテナ30が放射する電波の周波数が、2.4GHz帯の場合には、グランドプレーン20と無給電アンテナ40との間の間隔は5mmである。間隔が小さく、グランドプレーン20と無給電アンテナ40との間が近すぎると、放射性特性は劣化する傾向がある。間隔が大きく、グランドプレーン20と無給電アンテナ40との間が遠すぎると、無給電アンテナ40による指向性が弱くなる。グランドプレーン20と無給電アンテナ40との間の間隔は、無線通信装置1の指向性に合わせて調整可能である。
【0028】
無給電アンテナ40は、給電された無指向性アンテナ30と共振するように形成されている。具体的には、無給電アンテナ40は、例えば、Z軸方向に延びている。無給電アンテナ40のZ軸方向の長さは、無指向性アンテナ30が放射する電波の波長λの(1/2)、すなわち、λ/2である。よって、無指向性アンテナ30に給電されることにより、無指向性アンテナ30に高周波電流が流れると、無給電アンテナ40は励振する。これにより、無給電アンテナ40にも高周波電流が流れる。そして、無給電アンテナ40は、電波を放射する。
【0029】
無給電アンテナ40は、無指向性アンテナ30の近傍に配置されている。よって、無給電アンテナ40を、給電された無指向性アンテナ30と共振させることができる。無指向性アンテナ30のZ軸方向におけるグランドプレーン20側と反対側の端部と、無給電アンテナ40のZ軸方向における端部とは、Z軸方向において一致している。具体的には、無指向性アンテナ30の+Z軸方向側の端部と、無給電アンテナ40の+Z軸方向側の端部とは、Z軸方向において一致している。また、無給電アンテナ40と、無指向性アンテナ30の延在部分31とは平行である。無指向性アンテナ30の延在部分32の一部と、無給電アンテナ40の+Z軸方向側の端部を含む一部とは、Y軸方向において対向している。このようにして、無給電アンテナ40を、無指向性アンテナ30の近傍に配置させ、無給電アンテナ40を、給電された無指向性アンテナ30と共振させる。また、無給電アンテナ40は、無指向性アンテナ30の先端側、具体的には、延在部分32における延在部分31の反対側(延在部分32の中央よりも+X軸方向側)に配置されてもよい。これにより、無給電アンテナ40を、給電された無指向性アンテナ30とさらに共振しやすくすることができる。
【0030】
無給電アンテナ40は、プリント基板10の基板面11に対向する範囲内に配置させている。よって、無給電アンテナ40から放射された電波を、プリント基板10及びグランドプレーン20で反射させることができる。無給電アンテナ40の長さ方向の中央部分において、無給電アンテナ40に流れる高周波電流は最も大きい。よって、当該中央部分において、無給電アンテナ40から放射される無線電波も最も大きい。したがって、当該中央部分を、グランドプレーン20に対向するようにする。これにより、当該中央部から放射された電波を、グランドプレーン20に反射させ、+Y軸方向側に放射される電波の強度を大きくすることができる。
【0031】
<動作>
次に、無線通信装置1の動作を説明する。
図7及び
図8は、実施形態1に係る無線通信装置の動作を例示した図である。
図7に示すように、無指向性アンテナ30に、例えば、周波数2.4GHz等の高周波電流I1が流れる。具体的には、高周波電流I1は、給電点33から延在部分31及び延在部分32に供給される。そうすると、無指向性アンテナ30の近傍に配置された無給電アンテナ40にも励振した周波数2.4GHzの高周波電流I2が流れる。
【0032】
無給電アンテナ40は、周波数2.4GHzの通信波長λの(1/2)の長さである。それとともに、無給電アンテナ40は、無指向性アンテナ30の近傍に配置され、延在部分31に平行である。よって、無給電アンテナ40には、励振した周波数2.4GHzの高周波電流I2が流れる。
【0033】
無給電アンテナ40に高周波電流I2が流れると、無給電アンテナ40を中心にして、放射状に電波が放射される。すなわち、Z軸方向に延びた無給電アンテナ40から、Z軸方向と垂直な方向に放射状に電波が放射される。無給電アンテナ40は、グランドプレーン20の+Y軸方向側に間隔を空けて配置されている。したがって、無給電アンテナ40から−Y軸方向側に放射された電波は、グランドプレーン20及びプリント基板10によって反射される。
【0034】
図8に示すように、グランドプレーン20及びプリント基板10によって反射された電波W1は、+Y軸方向側に放射される。したがって、+Y軸方向には、より強い電波が放射される。これにより、無給電アンテナ40から放射される電波は、+Y軸方向の指向性を有するようになる。無給電アンテナ40から放射される電波は、XY面において、垂直偏波が発生している。
【0035】
図9は、実施形態1に係る無給電アンテナを省いた無線通信装置において、無指向性アンテナに給電した場合のXY面における垂直偏波の放射パターンを例示した特性図である。
図10は、実施形態1に係る無線通信装置において、無指向性アンテナに給電した場合のXY面における垂直偏波の放射パターンを例示した特性図である。
【0036】
図9に示すように、無給電アンテナ40を実装する前の状態において、放射パターンは、XY平面のすべての方向に向かっている。放射パターンは、XY平面のすべての方向において、ほぼ均等の強度となっている。無給電アンテナ40を実装する前の状態では、無線通信装置1は、無指向性アンテナ30のみ、電波を放射している。よって、無給電アンテナ40を実装しない無線通信装置1は、指向性を有していない。
【0037】
これに対して、
図10に示すように、無給電アンテナ40を備えた無線通信装置1において、放射パターンは、XY平面における+Y軸方向側の強度が大きくなっている。無給電アンテナ40を実装した後の状態では、無指向性アンテナ30の他、無指向性アンテナ30に励振した無給電アンテナ40からも電波が放射される。そして、無給電アンテナ40から放射された電波は、グランドプレーン20及びプリント基板10によって、+Y軸方向側に反射される。これにより、無線通信装置1は、+Y軸方向側に指向性を有している。
【0038】
(無線通信方法)
次に、本実施形態の無線通信装置1を用いた無線通信方法を説明する。
図11は、実施形態1に係る無線通信装置を用いた無線通信方法を例示したフローチャート図である。
【0039】
図11のステップS11に示すように、無線通信装置1を準備する。具体的には、プリント基板10、グランドプレーン20、無指向性アンテナ30、及び、無給電アンテナ40を備えた無線通信装置1を準備する。プリント基板10は、基板面11を有する。グランドプレーン20は、基板面11上に配置され、基板面11に平行な板状である。無指向性アンテナ30は、基板面11上において、Z軸方向にグランドプレーン20と並んで配置されている。無給電アンテナ40は、グランドプレーン20に対して、+Y軸方向に間隔を空けて配置されている。
【0040】
次に、ステップS12に示すように、グランドプレーン20をグランド電位に接続する。次に、ステップS13に示すように、無指向性アンテナ30に給電し、無指向性アンテナ30に電波を放射させる。次に、ステップS14に示すように、無給電アンテナ40と、給電された無指向性アンテナ30とを共振させる。そして、ステップS15に示すように、共振させた無給電アンテナ40から放射された電波をグランドプレーン20及びプリント基板10に反射させて放射する。このようにして、無線通信装置1を用いて無線通信を行うことができる。
【0041】
次に、本実施形態の効果を説明する。
本実施形態の無線通信装置1は、グランドプレーン20に対して間隔を空けて配置され、給電された無指向性アンテナ30と共振する無給電アンテナ40を備えている。そして、無指向性アンテナ30に励振して無給電アンテナ40から放射された電波は、グランドプレーン20及びプリント基板10に反射して、+Y軸方向側に放射される。これにより、所望する方向へのアンテナの指向性を向上させることができる。
【0042】
無指向性アンテナ30は、例えば、逆L字状であり、無給電アンテナ40は、例えば、一方向に延びた板状であるので、低コストでアンテナの指向性を向上させることができる。
【0043】
無給電アンテナ40のZ軸方向の長さを、無指向性アンテナ30が放射する電波の波長λの(1/2)とすることにより、無給電アンテナ40を、給電された無指向性アンテナ30に共振させることができる。また、無指向性アンテナ30の+Z軸方向側の端部と、無給電アンテナ40の+Z軸方向側の端部とは、Z軸方向において一致させているので、無給電アンテナ40から放射される電波は、グランドプレーン20及びプリント基板10で反射させることができる。これにより、アンテナの指向性を向上させることができる。
【0044】
無指向性アンテナ30を複数設けるとともに、各無指向性アンテナ30に対応した無給電アンテナ40を複数設けることにより、例えば、2×2MIMO(Multiple−Input & Multiple−Output)等の様々の通信規格に対応させることができる。
【0045】
また、各無指向性アンテナ30に対応させる各無給電アンテナ40を、プリント基板10の基板面11側または裏面12側等、異なる位置に配置させることにより、無線通信装置1に複数の指向性を有するようにすることができる。例えば、WiMAX規格に準拠したホームルータを窓際に設置する場合には、WiMAX用アンテナは、窓の外側に向かように電波の指向性を付与する。それとともに、配下の無線通信端末との間の無線通信を行うための無線LAN用アンテナは、逆に、配下の無線通信端末が存在する部屋、すなわち、窓の内側に向かって電波の指向性を付与することができる。
【0046】
(実施形態2)
次に、実施形態2に係る無線通信装置を説明するが、その前に、実施形態1の無線通信装置1の課題を説明する。
図12は、実施形態1に係る無線通信装置において、XY面における垂直偏波及び水平偏波の放射パターンを例示した特性図である。
図12に示すように、実施形態1の無線通信装置1において、前述したように、垂直偏波は指向性を有している。一方、水平偏波は、十分な指向性を有していない。
【0047】
次に、実施形態2に係る無線通信装置を説明する。本実施形態の無線通信装置は、無給電アンテナを途中で折り曲げ、水平方向の高周波電流を発生させる。これにより、水平偏波についても、指向性を有するようにする。
【0048】
図13は、実施形態2に係る無線通信装置を例示した斜視図である。
図14は、実施形態2に係る無線通信装置を例示した正面図である。
図15は、実施形態2に係る無線通信装置を例示した上面図である。
【0049】
図13〜
図15に示すように、無線通信装置2の無給電アンテナ40aは、Y軸方向から見て、逆L字状である。無給電アンテナ40aは、Z軸方向に延びた延在部分41と、X軸方向に延びた延在部分42とを有している。延在部分41のZ軸方向における一端は、延在部分42のX軸方向における一端に接続されている。具体的には、延在部分41の−Z軸方向側の端部は、延在部分42の−X軸方向側の端部に接続されている。
【0050】
延在部分41のZ軸方向の長さは、無指向性アンテナ30が放射する電波の波長λの(1/2)、すなわち、λ/2である。延在部分42のX軸方向の長さは、無指向性アンテナ30が放射する電波の波長λの(1/2)、すなわち、λ/2である。したがって、無給電アンテナ40aの全長は、λである。
【0051】
無給電アンテナ40aは、グランドプレーン20に対して、Y軸方向に間隔を空けて配置されている。すなわち、延在部分41及び延在部分42は、ともに、グランドプレーン20に対して、Y軸方向に間隔を空けて配置されている。延在部分41のX軸方向の幅、及び、延在部分42のZ軸方向の幅は、同じ長さである。
【0052】
無給電アンテナ40aにおける延在部分41の+Z軸方向側の端部は、無指向性アンテナ30の+Z軸方向側の端部と、Z軸方向において一致している。延在部分41及び延在部分42の中央部分は、グランドプレーン20とY軸方向に対向している。これ以外の無線通信装置2の構成は、前述の実施形態1の無線通信装置1の構成と同様である。
【0053】
次に、実施形態2に係る無線通信装置2の動作を説明する。
図16は、実施形態2に係る無線通信装置の動作を例示した図である。
図16に示すように、無指向性アンテナ30には、例えば、周波数2.4GHz等の高周波電流I1が流れる。具体的には、高周波電流I1は、給電点33から延在部分31及び延在部分32に供給される。そうすると、無指向性アンテナ30の近傍に配置された無給電アンテナ40aにも励振した周波数2.4GHz等の高周波電流I3が流れる。
【0054】
無給電アンテナ40aの延在部分41及び延在部分42を含む全長は、周波数2.4GHzの通信波長λである。それとともに、無給電アンテナ40aは、無指向性アンテナ30の近傍に配置され、延在部分31及び延在部分32に平行である。よって、無給電アンテナ40aには、励振した周波数2.4GHzの高周波電流I3が流れる。具体的には、例えば、高周波電流I3は、延在部分41の+Z軸方向側から−Z軸方向側に流れるとともに、延在部分42の+X軸方向側から−X軸方向側に流れる。
【0055】
無給電アンテナ40aに高周波電流I3が流れると、無給電アンテナ40aを中心にして、放射状に電波が放射される。すなわち、Z軸方向に延びた延在部分41から、Z軸方向と垂直な方向に放射状に電波が放射される。また、X軸方向に延びた延在部分42からX軸方向と垂直な方向に放射状に電波が放射される。無給電アンテナ40aは、グランドプレーン20に対して、+Y軸方向側に間隔を空けて配置されている。したがって、無給電アンテナ40aから−Y軸方向側に放射された電波は、グランドプレーン20及びプリント基板10によって反射される。
【0056】
図17は、実施形態2に係る無線通信装置2において、XY面における垂直偏波及び水平偏波の放射パターンを例示した特性図である。
図17に示すように、垂直偏波及び水平偏波の放射パターンは、両方とも、XY平面における+Y軸方向側の強度が大きくなっている。無給電アンテナ40aの延在部分41及び延在部分42から放射された電波は、グランドプレーン20及びプリント基板10によって、+Y軸方向側に反射される。これにより、無線通信装置2は、垂直偏波及び水平偏波の両方について、+Y軸方向側に指向性を有している。
【0057】
本実施形態の無線通信装置2によれば、無給電アンテナ40aの形状を変更することにより、水平偏波及び垂直偏波の両方について、指向性を有するようにすることができる。よって、水平偏波及び垂直偏波のどちらの電波に対しても放射及び受信を向上させることができる。
【0058】
また、無給電アンテナ40aの形状は、例えば、折り曲げ構造にすることで変更可能である。よって、低コストで指向性を向上させることができる。さらに、折り曲げ構造とすることで、構造の自由度を向上させることができる。これ以外の効果は、実施形態1の記載に含まれている。
【0059】
(実施形態3)
次に、実施形態3に係る無線通信装置を説明する。前述の実施形態2に係る無給電アンテナ40aの全長は、波長λである。これに対して、本実施形態に係る無線通信装置の無給電アンテナの全長は、半波長、すなわち(λ/2)である。
【0060】
図18は、実施形態3に係る無線通信装置を例示した斜視図である。
図19は、実施形態3に係る無線通信装置を例示した正面図である。
図20は、実施形態3に係る無線通信装置を例示した上面図である。
【0061】
図18〜
図20に示すように、無線通信装置3の無給電アンテナ40bは、逆L字状である。無給電アンテナ40bは、Z軸方向に延びた延在部分43と、X軸方向に延びた延在部分44とを有している。延在部分43の−Z軸方向側の端部は、延在部分44の−X軸方向側の端部に接続されている。延在部分43のZ軸方向の長さは、無指向性アンテナ30が放射する電波の波長λの(1/4)である。延在部分44のX軸方向の長さは、無指向性アンテナ30が放射する電波の波長λの(1/4)である。無給電アンテナ40bは、グランドプレーン20に対して、基板面11に直交するY軸方向に間隔を空けて配置されている。すなわち、延在部分43及び延在部分44は、Y軸方向にグランドプレーン20に対して間隔を空けて配置されている。例えば、延在部分43のX軸方向の幅、及び、延在部分44のZ軸方向の幅は、同じ長さである。
【0062】
次に、実施形態3に係る無線通信装置3の動作を説明する。無指向性アンテナ30に、例えば、周波数2.4GHz等の高周波電流が流れる。そうすると、無指向性アンテナ30の近傍に配置された無給電アンテナ40bにも励振した周波数2.4GHz等の高周波電流が流れる。
【0063】
無給電アンテナ40bの延在部分43及び延在部分44を含む全長は、周波数2.4GHzの通信波長λの(1/2)の長さである。それとともに、無給電アンテナ40bは、無指向性アンテナ30の近傍に配置され、延在部分31及び延在部分32に平行である。よって、無給電アンテナ40bには、励振した周波数2.4GHzの高周波電流が流れる。
【0064】
無給電アンテナ40bに高周波電流が流れると、無給電アンテナ40bを中心にして、放射状に電波が放射される。すなわち、Z軸方向に延びた延在部分43から、Z軸方向と垂直な方向に放射状に電波が放射される。また、X軸方向に延びた延在部分44からX軸方向と垂直な方向に放射状に電波が放射される。無給電アンテナ40bは、グランドプレーン20に対して、+Y軸方向側に間隔を空けて配置されている。したがって、無給電アンテナ40bから−Y軸方向側に放射された電波は、グランドプレーン20及びプリント基板10によって反射される。
【0065】
図21は、実施形態3に係る無線通信装置において、XY面における垂直偏波及び水平偏波の放射パターンを例示した特性図である。
図21に示すように、垂直偏波及び水平偏波の放射パターンは、両方とも、XY平面における+Y軸方向側の強度が大きくなっている。無給電アンテナ40bの延在部分43及び延在部分44から放射された電波は、グランドプレーン20及びプリント基板10によって、+Y軸方向側に反射される。これにより、無線通信装置3は、垂直偏波及び水平偏波の両方について、+Y軸方向側に指向性を有している。
【0066】
本実施形態の無線通信装置3によれば、無給電アンテナ40bのサイズを小さくすることができる。よって、無線通信装置3のサイズも小さくすることができる。この場合においても、低コストで指向性を向上させることができる。これ以外の構成、動作及び効果は、実施形態1及び2の記載に含まれている。
【0067】
(実施形態4)
次に、実施形態4に係る無線通信装置を説明する。前述の無線通信装置においては、無給電アンテナは、グランドプレーン20及び無指向性アンテナ30の+Y軸方向側に配置されている。これに対して、本実施形態の無線通信装置においては、無給電アンテナは、グランドプレーン20及び無指向性アンテナ30の+Z軸方向側に配置されている。
【0068】
図22は、実施形態4に係る無線通信装置を例示した斜視図である。
図23は、実施形態4に係る無線通信装置を例示した正面図である。
図24は、実施形態4に係る無線通信装置を例示した側面図である。
【0069】
図22〜
図24に示すように、本実施形態の無線通信装置4は、例えば、X軸方向に延びた板状の無給電アンテナ40cを備えている。無給電アンテナ40cは、無指向性アンテナ30のZ軸方向におけるグランドプレーン20側と反対側に間隔を空けて配置されている。具体的には、無給電アンテナ40は、無指向性アンテナ30の+Z軸方向側に間隔を空けて配置されている。無給電アンテナ40cは、給電された無指向性アンテナ30と共振するように形成されている。具体的には、無給電アンテナ40cは、無指向性アンテナ30の近傍に配置されている。無給電アンテナ40cのX軸方向の長さは、無指向性アンテナ30が放射する電波の波長λの(1/2)、すなわち、λ/2である。
【0070】
無給電アンテナ40cのX軸方向の長さは、グランドプレーン20のX軸方向の長さよりも小さい。これにより、グランドプレーン20に反射して、+Z軸方向側に放射する電波を大きくすることができる。よって、無線通信装置1は、指向性を向上させることができる。
【0071】
次に、無線通信装置4の動作を説明する。
図25は、実施形態4に係る無線通信装置の動作を例示した図である。
図25に示すように、無指向性アンテナ30に、例えば、周波数2.4GHz等の高周波電流I1が流れる。そうすると、無指向性アンテナ30の近傍に配置された無給電アンテナ40cにも励振した周波数2.4GHzの高周波電流I4が流れる。
【0072】
無給電アンテナ40cは、例えば、周波数2.4GHzの通信波長λの(1/2)の長さである。それとともに、無給電アンテナ40cは、無指向性アンテナ30の近傍に配置され、延在部分32に平行である。よって、無給電アンテナ40cには、励振した周波数2.4GHzの高周波電流I4が流れる。
【0073】
無給電アンテナ40cに高周波電流I4が流れると、無給電アンテナ40cを中心にして、放射状に電波が放射される。すなわち、X軸方向に延びた無給電アンテナ40cから、X軸方向と垂直な方向に放射状に電波が放射される。無給電アンテナ40cは、グランドプレーン20及びプリント基板10の+Z軸方向側に間隔を空けて配置されている。したがって、無給電アンテナ40cから−Z軸方向側に放射された電波は、グランドプレーン20及びプリント基板10によって反射される。
【0074】
グランドプレーン20及びプリント基板10によって反射された電波W2は、+Z軸方向側に放射される。したがって、+Z軸方向には、より強い無線電波が放射される。これにより、無給電アンテナ40cから放射される電波は、+Z軸方向に対する指向性を有するようになる。
【0075】
図26は、比較のために、実施形態1に係る無線通信装置において、XZ面における水平偏波の放射パターンを例示した特性図である。
図27は、実施形態4に係る無線通信装置において、XZ面における水平偏波の放射パターンを例示した特性図である。
【0076】
図26に示すように、比較の対象となる実施形態1に係る無線通信装置1において、水平偏波の放射パターンは、XZ平面のすべての方向に均等に向かっている。これに対して、
図27に示すように、本実施形態の無線通信装置4において、水平偏波の放射パターンは、XZ平面における+Z軸方向側の強度が大きくなっている。無給電アンテナ40cから放射された電波は、グランドプレーン20及びプリント基板10によって、+Z軸方向側に反射される。これにより、無線通信装置4は、+Z軸方向側に指向性を有している。
【0077】
本実施形態の無線通信装置4によれば、無給電アンテナ40cの位置を変更することで、指向性の方向を変更することができる。具体的には、プリント基板10の基板面11に沿ったZ軸方向にも指向性を有するようにすることができる。これにより、指向性の自由度をさらに向上させることができる。
【0078】
無給電アンテナ40cを、無指向性アンテナ30の近傍に配置させ、X軸方向に延在させることにより、無指向性アンテナ30と共振させることができる。また、無給電アンテナ40cのX軸方向の長さを、無指向性アンテナ30が放射する電波の波長λの(1/2)とすることにより、無指向性アンテナ30と共振させることができる。よって、無線通信装置4の指向性を向上させることができる。
【0079】
無給電アンテナ40cのX軸方向の長さを、グランドプレーン20のX軸方向の長さよりも小さくすることにより、無給電アンテナ40cから放射された電波を十分に+Z軸方向に反射させることができる。よって、無線通信装置4の指向性を向上させることができる。これ以外の構成、動作及び効果は、実施形態1〜3の記載に含まれている。
【0080】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、実施形態1〜4の各構成を組み合わせたものも、実施形態1〜4の技術思想の範囲に含まれる。また、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限定されない。
【0081】
(付記1)
基板面を有するプリント基板と、
前記基板面上に配置され、前記基板面に平行な板状のグランドプレーンと、
前記基板面上において、前記基板面に平行な面内の一方向に、前記グランドプレーンと並んで配置された無指向性アンテナと、
前記グランドプレーンに対して、前記基板面に直交する方向に間隔を空けて配置された無給電アンテナと、
を備えた無線通信装置を準備するステップと、
前記グランドプレーンをグランド電位に接続するステップと、
前記無指向性アンテナに給電し、前記無指向性アンテナに電波を放射させるステップと、
前記無給電アンテナと、給電された前記無指向性アンテナとを共振させるステップと、
共振させた前記無給電アンテナから放射された電波を前記グランドプレーンに反射させて放射するステップと、
を備えた無線通信方法。
【0082】
(付記2)
前記無指向性アンテナは、逆L字状であり、前記一方向に延びた第1延在部分と、前記基板面に平行な面内における前記一方向に直交した他方向に延びた第2延在部分と、を有し、
前記第1延在部分の前記一方向における一端は、給電点に接続され、
前記第1延在部分の前記一方向における他端は、前記第2延在部分の前記他方向における一端に接続された、
付記1に記載の無線通信方法。
【0083】
(付記3)
前記無指向性アンテナの前記一方向における前記グランドプレーン側と反対側の端部と、前記無給電アンテナの前記一方向における端部とは、前記一方向において一致した、
付記1または2に記載の無線通信方法。
【0084】
(付記4)
前記無給電アンテナは、前記一方向に延び、
前記無給電アンテナの前記一方向の長さは、前記無指向性アンテナが放射する電波の波長の(1/2)である、
付記1〜3のいずれか1項に記載の無線通信方法。
【0085】
(付記5)
前記無給電アンテナは、逆L字状であり、前記一方向に延びた第3延在部分と、前記基板面に平行な面内における前記一方向に直交した他方向に延びた第4延在部分と、を有し、
前記第3延在部分の前記一方向における一端は、前記第4延在部分の他方向における一端に接続された、
付記1〜3のいずれか1項に記載の無線通信方法。
【0086】
(付記6)
前記第3延在部分の前記一方向の長さは、前記無指向性アンテナが放射する電波の波長の(1/2)であり、
前記第4延在部分の前記他方向の長さは、前記無指向性アンテナが放射する電波の波長の(1/2)である、
付記5に記載の無線通信方法。
【0087】
(付記7)
前記第3延在部分の前記一方向の長さは、前記無指向性アンテナが放射する電波の波長の(1/4)であり、
前記第4延在部分の前記他方向の長さは、前記無指向性アンテナが放射する電波の波長の(1/4)である、
付記5に記載の無線通信方法。
【0088】
(付記8)
前記電波の周波数は、2.4GHz帯であり、
前記グランドプレーンと前記無給電アンテナとの間の間隔は、調整可能である、
付記1〜7のいずれか1項に記載の無線通信方法。
【解決手段】一実施の形態によれば、無線通信装置1は、基板面11を有するプリント基板10と、基板面11上に配置され、グランド電位に接続され、基板面11に平行な板状のグランドプレーン20と、基板面11上において、基板面11に平行な面内の一方向に、グランドプレーン20と並んで配置され、給電されることにより電波を放射する無指向性アンテナ30と、グランドプレーン20に対して、基板面11に直交する方向に間隔を空けて配置され、給電された無指向性アンテナ30と共振する無給電アンテナ40と、を備える。