(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1−3は、種々の拡張現実システムの詳細な概略図である。
【
図2】
図1−3は、種々の拡張現実システムの詳細な概略図である。
【
図3】
図1−3は、種々の拡張現実システムの詳細な概略図である。
【
図4】
図4は、さらに別の実施形態による、拡張現実システムの焦点面を描写する略図である。
【
図5】
図5は、一実施形態による、拡張現実システムを描写するブロック図である。
【
図6】
図6および14は、2つの実施形態による、拡張現実システムの種々の構成要素の詳細な概略図である。
【
図7】
図7A−7C、8A−8C、および15Aは、種々の実施形態による、拡張現実システムによって生成される下位瞳および上位瞳構成を描写する。
【
図8】
図7A−7C、8A−8C、および15Aは、種々の実施形態による、拡張現実システムによって生成される下位瞳および上位瞳構成を描写する。
【
図9】
図9−13は、種々の実施形態による、拡張現実システムの種々の構成要素の概略図である。
【
図10】
図9−13は、種々の実施形態による、拡張現実システムの種々の構成要素の概略図である。
【
図11】
図9−13は、種々の実施形態による、拡張現実システムの種々の構成要素の概略図である。
【
図12】
図9−13は、種々の実施形態による、拡張現実システムの種々の構成要素の概略図である。
【
図13】
図9−13は、種々の実施形態による、拡張現実システムの種々の構成要素の概略図である。
【
図14】
図6および14は、2つの実施形態による、拡張現実システムの種々の構成要素の詳細な概略図である。
【
図15A】
図7A−7C、8A−8C、および15Aは、種々の実施形態による、拡張現実システムによって生成される下位瞳および上位瞳構成を描写する。
【
図15B】
図15Bは、一実施形態による、拡張現実システムの光誘導光学要素に形成される下位瞳を描写する。
【
図16】
図16は、さらに別の実施形態による、拡張現実システムの種々の構成要素の分解図である。
【
図17】
図17Aおよび17Bは、一実施形態による、拡張現実システムの狭小出射光学システムと、それによって形成される、結果として生じる下位瞳および上位瞳とを描写する。
【
図18】
図18A−18Cおよび19は、種々の実施形態による、拡張現実システムによって生成される下位瞳および上位瞳の形状ならびに構成を描写する。
【
図19】
図18A−18Cおよび19は、種々の実施形態による、拡張現実システムによって生成される下位瞳および上位瞳の形状ならびに構成を描写する。
【
図20A】
図20Aおよび20Bは、種々の実施形態による、拡張現実システムによって生成される下位瞳および上位瞳の形状ならびに構成を描写する。
【
図20B】
図20Aおよび20Bは、種々の実施形態による、拡張現実システムによって生成される下位瞳および上位瞳の形状ならびに構成を描写する。
【
図20C】
図20Cおよび20Dは、2つの実施形態による、拡張現実システムの光誘導光学要素を描写し、光誘導光学要素は、それぞれ、
図20Aおよび20Bに描写される下位瞳ならびに上位瞳に対応するビームとの使用のために構成される。
【
図20D】
図20Cおよび20Dは、2つの実施形態による、拡張現実システムの光誘導光学要素を描写し、光誘導光学要素は、それぞれ、
図20Aおよび20Bに描写される下位瞳ならびに上位瞳に対応するビームとの使用のために構成される。
【
図21】
図21は、一実施形態による、拡張現実システムの光誘導光学要素を描写し、光誘導光学要素は、光の特定の波長との使用のために構成される。
【
図22A】
図22Aおよび22Bは、2つの実施形態による、拡張現実システムの構成要素の分解図である。
【
図22B】
図22Aおよび22Bは、2つの実施形態による、拡張現実システムの構成要素の分解図である。
【
図22C】
図22Cおよび22Dは、それぞれ、
図22Aおよび22Bに描写される、拡張現実システムによって生成される下位瞳および上位瞳の構成を描写する。
【
図22D】
図22Cおよび22Dは、それぞれ、
図22Aおよび22Bに描写される、拡張現実システムによって生成される下位瞳および上位瞳の構成を描写する。
【
図23】
図23および24は、2つの実施形態による、拡張現実システムの構成要素の概略図であり、システムは、2つのSLMを有する。
【
図24】
図23および24は、2つの実施形態による、拡張現実システムの構成要素の概略図であり、システムは、2つのSLMを有する。
【
図25】
図25は、別の実施形態による、拡張現実システムの種々の構成要素の概略図である。
【
図26】
図26−28および30は、種々の実施形態による、拡張現実システムの構成要素を描写する略図である。
【
図27】
図26−28および30は、種々の実施形態による、拡張現実システムの構成要素を描写する略図である。
【
図28】
図26−28および30は、種々の実施形態による、拡張現実システムの構成要素を描写する略図である。
【
図29】
図29は、
図28に描写される拡張現実システムによって形成される、分離された下位瞳の詳細な概略図である。
【
図30】
図26−28および30は、種々の実施形態による、拡張現実システムの構成要素を描写する略図である。
【
図31】
図31および32は、2つの実施形態による、単純拡張現実システムの分解図である。
【
図32】
図31および32は、2つの実施形態による、単純拡張現実システムの分解図である。
【
図33】
図33は、さらに別の実施形態による、拡張現実システムの光源および瞳エキスパンダの概略図である。
【
図34A】
図34Aおよび35Aは、2つの実施形態による、拡張現実システムによって生成される下位瞳および上位瞳の構成を描写する。
【
図34B】
図34Bおよび35Bは、2つの実施形態による、拡張現実システムによって生成されるディスプレイピクセルを描写する。
【
図35A】
図34Aおよび35Aは、2つの実施形態による、拡張現実システムによって生成される下位瞳および上位瞳の構成を描写する。
【
図35B】
図34Bおよび35Bは、2つの実施形態による、拡張現実システムによって生成されるディスプレイピクセルを描写する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の種々の実施形態は、単一実施形態または複数の実施形態において光学システムを実装するためのシステム、方法、および製造品を対象とする。本発明の他の目的、特徴、および利点は、発明を実施するための形態、図、および請求項に説明される。
【0023】
ここで、種々の実施形態が、当業者が本発明を実践することを可能にするように、本発明の例証的例として提供される図面を参照して詳細に説明されるであろう。留意すべきこととして、以下の図および実施例は、本発明の範囲を限定することを意味するものではない。本発明のある要素が、公知の構成要素(または方法もしくはプロセス)を使用して部分的または完全に実装され得る場合、本発明の理解のために必要なそのような公知の構成要素(または方法もしくはプロセス)のそれらの一部のみ、説明され、そのような公知の構成要素(または方法もしくはプロセス)の他の部分の詳細な説明は、本発明を曖昧にしないように、省略されるであろう。さらに、種々の実施形態は、例証として本明細書に参照される構成要素の現在および将来的公知の均等物を包含する。
【0024】
光学システムは、ARシステムから独立して実装され得るが、以下の多くの実施形態は、例証目的のためだけにARシステムに関係して説明される。
【0025】
(問題および解決策の概要)
仮想画像を種々の深度において生成するための1つのタイプの光学システムは、3−D体験/シナリオの品質(例えば、イメージング面の数)および画像の品質(例えば、画像色の数)が向上するにつれて、その数が増加し、それによって、ARおよびVRシステムの複雑性、サイズ、ならびにコストを増加させる、多数の光学構成要素(例えば、光源、プリズム、格子、フィルタ、スキャン光学、ビームスプリッタ、ミラー、ハーフミラー、シャッタ、眼レンズ等)を含む。3−Dシナリオ/画質の向上に伴う光学システムのサイズの増加は、ARおよびVRシステムの最小サイズに限界を課し、効率が低下した煩雑なシステムをもたらす。
【0026】
以下の開示は、より少ない構成要素および向上した効率を伴う光学システムを提供することによって問題に対処する、多焦点面光学要素を使用して、3−D知覚を生成するためのシステムおよび方法の種々の実施形態を説明する。特に、本明細書に説明されるシステムは、空間的に分離されたサブ光源を伴う光源と、それぞれのサブ光源に対応する空間的に分離された光ビームを生成するための出射光学システムとを利用する。これらの空間的に分離された光ビームが、出射光学システムから退出した後、それらは、光誘導光学要素(「LOE」;例えば、平面導波管)に隣接した、空間的に分離された下位瞳(それぞれのサブ光源に対応する)に集中する。下位瞳は、X、Y、およびZ方向において、互いから空間的に分離されることができる。下位瞳の空間分離は、各下位瞳が異なるLOEの内部結合格子にアドレスするように、異なるLOEのための内部結合格子の空間分離を可能にする。故に、LOEは、サブ光源をアクティブ化および非アクティブにすることによって、選択的に照明されることができる。この光学システム設計は、分離された下位瞳を利用し、光源とLOEとの間の光学要素の数を減少させ、それによって、ARおよびVRシステムを簡略化し、そのサイズを減少させる。
【0027】
(例証的光学システム)
分離された瞳の発明の実施形態の詳細を説明する前に、本開示は、ここで、例証的光学システムの簡単な説明を提供するであろう。実施形態は、任意の光学システムと共に使用されることができるが、特定のシステム(例えば、ARシステム)が、実施形態の基礎となる技術を例証するために説明される。
【0028】
ARシステムを実装するための1つの可能なアプローチは、深度平面情報が組み込まれ、複数の体積位相ホログラム、表面レリーフホログラム、または光誘導光学要素を使用し、それぞれの深度平面から生じるように見える画像を生成する。言い換えると、回折パターン、または回折光学要素(「DOE」)が、LOE内に組み込まれるか、またはその上にインプリントされ得、それによって、コリメートされた光(略平面波正面を伴う光ビーム)がLOEに沿って実質的に全内部反射されるにつれて、それが、複数の場所において回折パターンを交差し、少なくとも部分的に、ユーザの眼に向かって出て行く。DOEは、LOEからのそれを通して出て行く光が傾けられるように構成され、特定の深度平面から生じるように見える。コリメートされた光は、光学凝集レンズ(「集光器」)を使用して、生成され得る。
【0029】
例えば、第1のLOEは、光学無限深度平面(0ジオプトリ)から生じるように見えるコリメートされた光を眼に送達するように構成され得る。別のLOEは、2メートルの距離(1/2ジオプトリ)から生じるように見えるコリメートされた光を送達するように構成され得る。さらに別のLOEは、1メートルの距離(1ジオプトリ)から生じるように見えるコリメートされた光を送達するように構成され得る。スタックされたLOEアセンブリを使用することによって、複数の深度平面が生成され、各LOEが特定の深度平面から生じるように見える画像を表示するように構成され得ることが理解され得る。スタックは、任意の数のLOEを含み得ることを理解されたい。しかしながら、少なくともN個のスタックされたLOEが、N個の深度平面を生成するために要求される。さらに、N、2N、または3N個のスタックされたLOEが、RGB着色画像をN個の深度平面において生成するために使用され得る。
【0030】
3−D仮想コンテンツをユーザに提示するために、ARシステムは、それがZ方向における種々の深度平面から(すなわち、ユーザの眼から直交方向に離れるように)生じるように見えるように、仮想コンテンツの画像をユーザの眼の中に投影する。言い換えると、仮想コンテンツは、ユーザが、非常に近くにあるように、無限距離にあるように、もしくはその間の任意の距離にあるようにオブジェクトを知覚し得るように、XおよびY方向(すなわち、ユーザの眼の中心視覚軸に直交する2D平面)において変化し得るだけではなく、それは、Z方向にも変化するように見え得る。他の実施形態では、ユーザは、複数のオブジェクトを異なる深度平面において同時に感知し得る。例えば、ユーザは、無限遠から現れ、ユーザに向かって走ってくる、仮想ドラゴンが見え得る。代替として、ユーザには、ユーザから3メートル離れた距離における仮想鳥と、ユーザから腕の長さ(約1メートル)にある仮想コーヒーカップとを同時に見得る。
【0031】
多平面焦点システムは、ユーザの眼からZ方向にそれぞれの固定距離に位置する複数の深度平面の一部または全部上に画像を投影することによって、可変深度の知覚を生成する。ここで
図4を参照すると、多平面焦点システムは、典型的には、固定深度平面202(例えば、
図4に示される6つの深度平面202)においてフレームを表示することを理解されたい。ARシステムは、任意の数の深度平面202を含むことができるが、1つの例示的多平面焦点システムは、Z方向に6つの固定深度平面202を有する。6つの深度平面202のうちの1つ以上のものにおいて仮想コンテンツを生成することにおいて、3−D知覚が、ユーザが1つ以上の仮想オブジェクトをユーザの眼から可変距離において知覚するように生成される。ヒトの眼が、離れて見えるオブジェクトより近い距離のオブジェクトにより敏感であるとすると、
図4に示されるように、眼により近いほど、より多くの深度平面202が生成される。他の実施形態では、深度平面202は、互いから等距離だけ離れて設置され得る。
【0032】
深度平面位置202は、典型的には、メートル単位で測定された焦点距離の逆数と等しい屈折力の単位であるジオプトリで測定される。例えば、一実施形態では、深度平面1は、1/3ジオプトリだけ離れ得、深度平面2は、0.3ジオプトリだけ離れ得、深度平面3は、0.2ジオプトリだけ離れ得、深度平面4は、0.15ジオプトリだけ離れ得、深度平面5は、0.1ジオプトリだけ離れ得、深度平面6は、無限遠を表し得る(すなわち、0ジオプトリ離れている)。他の実施形態は、他の距離/ジオプトリで深度平面202を生成し得ることを理解されたい。したがって、仮想コンテンツを計画的に設置された深度平面202に生成することにおいて、ユーザは、仮想オブジェクトを3次元で知覚可能である。例えば、ユーザは、深度平面1に表示されるとき、その近くにあるように第1の仮想オブジェクトを知覚し得る一方、別の仮想オブジェクトは、深度平面6における無限遠において見える。代替として、仮想オブジェクトは、仮想オブジェクトがユーザに非常に近接して見えるまで、最初に、深度平面6で、次いで、深度平面5で表示される等。前述の例は、例証目的のために大幅に簡略化されていることを理解されたい。別の実施形態では、全6つの深度平面は、ユーザから離れた特定の焦点距離に集中させられ得る。例えば、表示されるべき仮想コンテンツが、ユーザから1/2メートル離れたコーヒーカップである場合、全6つの深度平面は、コーヒーカップの種々の断面で生成され、ユーザにコーヒーカップの非常に粒度の細かい3Dビューを与え得る。
【0033】
一実施形態では、ARシステムは、多平面焦点システムとして機能し得る。言い換えると、6つの固定された深度平面から生じるように見える画像が、光源と迅速に連動して生成され、画像情報をLOE1、次いで、LOE2、次いで、LOE3等と迅速に伝達するように、全6つのLOEが、同時に照明され得る。例えば、無限光学における空の画像を含む所望の画像の一部が、時間1において出射され得、光のコリメーションを保持するLOE1090(例えば、
図4からの深度平面6)が、利用され得る。次いで、より近い木の枝の画像が、時間2において出射され得、10メートル離れた深度平面から生じるように見える画像を生成するように構成されるLOE1090(例えば、
図4からの深度平面5)が、利用され得る。次いで、ペンの画像が、時間3において出射され得、1メートル離れた深度平面から生じるように見える画像を生成するように構成されるLOE1090が、利用され得る。このタイプのパラダイムは、ユーザの眼および脳(例えば、視覚野)が、入力を同一画像の全部分であるように知覚するような迅速時間順次方式(例えば、360Hz)で繰り返されることができる。
【0034】
ARシステムは、3−D体験のための画像を生成するために、Z軸(すなわち、深度平面)に沿った種々の場所から生じるように見える画像を投影することを要求される(すなわち、光ビームを発散または収束させることによって)。本願で使用されるように、光ビームは、限定ではないが、光源から放散する光エネルギー(可視および非可視光エネルギーを含む)の指向性投影を含む。種々の深度平面から生じるように見える画像を生成することは、その画像に対してユーザの眼の両眼離反運動および遠近調節を順応または同調させ、両眼離反運動−遠近調節衝突を最小化または排除する。
【0035】
図1は、画像を単一深度平面において投影するための基本光学システム100を描写する。システム100は、光源120と、それに関連付けられた回折光学要素(図示せず)および内部結合格子192(「ICG」)を有する、LOE190とを含む。回折光学要素は、体積または表面レリーフを含む、任意のタイプであり得る。一実施形態では、ICG192は、LOE190の反射モードアルミで覆われた部分であることができる。別の実施形態では、ICG192は、LOE190の透過回折部分であることができる。システム100が使用されているとき、光源120からの「仮想」光ビームは、ユーザの眼への表示のために、ICG192を介してLOE190に進入し、実質的全内部反射(「TIR」)によって、LOE190に沿って伝搬する。光ビームは、システム100によって向かわせられるような非存在「仮想」オブジェクトまたはその一部の画像をエンコードするので、「仮想」である。1つのみのビームが
図1に図示されるが、画像をエンコードする多数のビームが、同一ICG192を通して広範囲の角度からLOE190に進入し得ることを理解されたい。LOEの中に「進入する」または「入ることを許された」光ビームは、限定ではないが、LOEと相互作用し、実質的TIRによってLOEに沿って伝搬する光ビームを含む。
図1に描写されるシステム100は、種々の光源120(例えば、LED、OLED、レーザ、およびマスクされた広面積/広帯域エミッタ)を含むことができる。他の実施形態では、光源120からの光は、光ファイバケーブル(図示せず)を介して、LOE190に送達され得る。
【0036】
図2は、光源120と、それぞれの複数の(例えば、3つの)LOE190および内部結合格子192とを含む、別の光学システム100’を描写する。光学システム100’はまた、3つのビームスプリッタまたはダイクロイックミラー162(光をそれぞれのLOEに向かわせる)と、3つのシャッタ164(LOEが光源120によって照明されるときを制御する)とも含む。シャッタ164は、任意の好適な光学シャッタであることができ、限定ではないが、液晶シャッタを含む。
【0037】
システム100’が使用されるとき、光源120からの仮想光ビームは、3ビームスプリッタ162によって、3つの仮想光サブビーム/ビームレットに分割される。3ビームスプリッタ162はまた、サブビームをそれぞれの内部結合格子192の方に向け直す。サブビームがそれぞれの内部結合格子192を通してLOE190に進入した後、それらは、実質的TIRによって、LOE190に沿って伝搬し、そこで、追加の光学構造と相互作用し、(例えば、サブビームによってエンコードされる仮想オブジェクトの)ディスプレイをユーザの眼にもたらす。光学経路の遠い側上の内部結合格子192の表面は、不透明材料(例えば、アルミニウム)でコーティングされ、光が内部結合格子192を通して次のLOE190に通過することを防止することができる。一実施形態では、ビームスプリッタ162は、波長フィルタと組み合わせられ、赤色、緑色、および青色サブビームを生成することができる。そのような実施形態では、3つのLOE190が、色画像を単一深度平面において表示するために要求される。別の実施形態では、LOE190の各々は、ユーザの視野内に、同一の色または異なる色のいずれかの側方に角変位させられるより大きい単一深度平面画像面積の(「タイル状視野」を形成する)一部を提示し得る。全3つの仮想光ビームレットが、それぞれのシャッタ164を通過するように描写されるが、典型的には、1つのみのビームレットが、任意のある時間に対応するシャッタ164を通して選択的に通過することを可能にされる。この方法において、システム100’は、LOE190とのビームおよびビームレットによってエンコードされる画像情報を調整することができ、ビームレットおよびその中にエンコードされる画像情報は、LOE190を通してユーザの眼に送達されるであろう。
【0038】
図3は、さらに別の光学システム100’’を描写し、システム100’’は、それぞれの複数(例えば、6つ)のビームスプリッタ162、シャッタ164、ICG192、およびLOE190を有する。
図2の議論中、上で説明されたように、3つの単一色LOE190が、色画像を単一深度平面において表示するために要求される。したがって、システム100’’の6つのLOE190は、色画像を2つの深度平面において表示することが可能である。
【0039】
光学システム100’’内のビームスプリッタ162は、異なるサイズを有する。光学システム100’’内のシャッタ164は、それぞれのビームスプリッタ162のサイズに対応する異なるサイズを有する。光学システム100’’内のICG192は、それぞれのビームスプリッタ162のサイズに対応する異なるサイズと、ビームスプリッタ162とそれらのそれぞれのICG192との間のビーム経路の長さとを有する。ある場合には、ビームスプリッタ162とそれらのそれぞれのICG192との間のビーム経路の距離が長いほど、ビームがより発散し、光を内部結合するために、より大きいICG192を要求する。
【0040】
図1−3に示されるように、深度平面、フィールドタイル、および/または生成される色の数が増加するにつれて(例えば、増加されるARシナリオ品質に伴って)、LOE190および他の光学システム構成要素の数も増加する。例えば、単一RGB色深度平面は、少なくとも3つの単一色LOE190を要求する。その結果、光学システムの複雑性およびサイズも、増加する。クリーンストリーム(すなわち、無光ビーム相互汚染または「クロストーク」)のための要件は、LOEの数の増加に伴って、正比例以上に光学システムの複雑性およびサイズを増加させる。ビームスプリッタ162およびLCシャッタ164に加え、より複雑な光学システムは、他の光源、プリズム、格子、フィルタ、スキャン光学、ミラー、ハーフミラー、眼レンズ等も含むことができる。光学要素の数が増加するにつれて、光学の要求される作業距離も同様に増加する。光強度および他の光学特性は、作業距離が増加するにつれて劣化する。さらに、作業距離による視野の幾何学的制約は、光学システム100内の光学要素の数に実践的限界を課す。
【0041】
(分離された瞳拡張現実システム)
ここで
図5を参照して、光学システムの複雑性およびサイズの問題に対処する、分離された瞳ARシステム1000の例示的実施形態が、ここで説明されるであろう。システム1000は、前述のように、スタックされた光誘導光学要素アセンブリ1090を使用する。ARシステム1000は、概して、画像生成プロセッサ1010と、光源1020と、コントローラ1030と、空間光変調器(「SLM」)1040と、出射光学システム1060と、多平面焦点システムとして機能する、少なくとも1組のスタックされたLOE1090とを含む。システムはまた、眼追跡サブシステム1050を含み得る。他の実施形態は、複数の組のスタックされたLOE1090を有し得るが、以下の開示は、
図5の例示的実施形態に焦点を当てるであろうことを理解されたい。
【0042】
画像生成プロセッサ1010は、ユーザに表示されるべき仮想コンテンツを生成するように構成される。画像生成プロセッサは、仮想コンテンツに関連付けられた画像またはビデオを3−Dにおいてユーザに投影されることができるフォーマットに変換し得る。例えば、3−Dコンテンツを生成することにおいて、仮想コンテンツは、特定の画像の部分が特定の深度平面において表示される一方、他の部分が他の深度平面において表示されるように、フォーマットされる必要があり得る。一実施形態では、画像は全て、特定の深度平面において生成され得る。別の実施形態では、画像生成プロセッサは、一緒に視認されると、仮想コンテンツがユーザの眼にコヒーレントかつ快適に見えるように、若干異なる画像を右眼および左眼に提供するようにプログラムされ得る。
【0043】
画像生成プロセッサ1010は、メモリ1012と、GPU1014と、CPU1016と、画像生成および処理のための他の回路とをさらに含み得る。画像生成プロセッサ1010は、ARシステム1000のユーザに提示されるべき所望の仮想コンテンツでプログラムされ得る。いくつかの実施形態では、画像生成プロセッサ1010は、装着型ARシステム1000内に格納され得ることを理解されたい。他の実施形態では、画像生成プロセッサ1010および他の回路は、装着型光学に結合されるベルトパック内に格納され得る。画像生成プロセッサ1010は、所望の仮想コンテンツに関連付けられた光を投影する光源1020と、1つ以上の空間光変調器(以下に説明される)とに動作可能に結合される。
【0044】
光源1020は、コンパクトであり、高分解能を有する。光源1020は、コントローラ1030(以下に説明される)に動作可能に結合される複数の空間的に分離されたサブ光源1022を含む。例えば、光源1020は、種々の幾何学的構成内に配置される色特定のLEDおよびレーザを含み得る。代替として、光源1020は、同一色のLEDまたはレーザを含み得、それぞれ1つずつ、ディスプレイの視野の特定の領域に連結される。別の実施形態では、光源1020は、放出面積および位置の区画化のためのマスクオーバレイを伴う、白熱灯または蛍光灯等の広面積エミッタを備え得る。サブ光源1022は、
図5では、直接ARシステム1000に接続されるが、サブ光源1022は、光ファイバの遠位端(サブ光源1022から離れた端)が互いから空間的に分離される限り、光ファイバ(図示せず)を介して、システム1000に接続され得る。システム1000は、光源1020からの光をコリメートするように構成される、集光器(図示せず)も含み得る。
【0045】
SLM1040は、種々の例示的実施形態では、反射式(例えば、DLP DMD、MEMSミラーシステム、LCOS、またはFLCOS)、透過式(例えば、LCD)、または放出式(例えば、FSDまたはOLED)であり得る。空間光変調器のタイプ(例えば、速度、サイズ等)は、3−D知覚の生成を改良するように選択されることができる。より高いリフレッシュレートで動作するDLP DMDは、固定式ARシステム1000の中に容易に組み込まれ得るが、装着型ARシステム1000は、典型的には、より小さいサイズおよび電力のDLPを使用する。DLPの電力は、3−D深度平面/焦点面が生成される方法を変化させる。画像生成プロセッサ1010は、SLM1040に動作可能に結合され、SLM1040は、光源1020からの光を所望の仮想コンテンツを用いてエンコードする。光源1020からの光は、SLM1040から反射するか、そこから放出するか、またはそれを通過するとき、画像情報を用いてエンコードされ得る。
【0046】
図5に戻って参照すると、ARシステム1000は、光源1020(すなわち、複数の空間的に分離されたサブ光源1022)およびSLM1040からの光をLOEアセンブリ1090に向かわせるように構成される出射光学システム1060を含む。出射光学システム1060は、光をLOEアセンブリ1090の中に向かわせるように構成される1つ以上のレンズを含み得る。出射光学システム1060は、光源1020のサブ光源1022からの空間的に分離され、異なるビームに対応するLOE1090に隣接した、空間的に分離され、異なる瞳を(出射光学システム1060から出て行くビームのそれぞれの焦点に)形成するように構成される。出射光学システム1060は、瞳が互いから空間的に変位させられるように構成される。いくつかの実施形態では、出射光学システム1060は、XおよびY方向のみにビームを空間的に変位させるように構成される。そのような実施形態では、瞳は、1つのX、Y平面において形成される。他の実施形態では、出射光学システム1060は、X、Y、およびZ方向においてビームを空間的に変位させるように構成される。
【0047】
光ビームの空間分離は、異なるビームおよび瞳を形成し、それは、異なるビーム経路内の内部結合格子の設置を可能にし、それによって、各内部結合格子の大部分は、1つのみの異なるビーム(またはビーム群)によってアドレスされる(例えば、交差または衝突される)。これは、ひいては、複数のもののうちの他のサブ光源1022からの他の光ビームの進入(すなわち、クロストーク)を最小化しながら、LOEアセンブリ1090のそれぞれのLOE1090の中への空間的に分離された光ビームの進入を促進する。特定のサブ光源1022からの光ビームは、その上の内部結合格子(
図5には図示せず、
図1−3参照)を通してそれぞれのLOE1090に入る。それぞれのLOE1090の内部結合格子は、各空間的に分離された光ビームが1つのLOE1090の内部結合格子とのみ交差するように、複数のサブ光源1022からの空間的に分離された光ビームと相互作用するように構成される。したがって、各空間的に分離された光ビームは、主に、1つのLOE1090に入る。故に、SLM1040によってサブ光源1022の各々からの光ビーム上にエンコードされる画像データは、ユーザの眼への送達のために、単一LOE1090に沿って効果的に伝搬されることができる。
【0048】
そして、各LOE1090は、所望の深度平面またはFOV角位置から生じるように見える画像またはサブ画像をユーザの網膜上に投影するように構成される。それぞれの複数のLOE1090およびサブ光源1022は、したがって、空間内の種々の深度平面または位置から生じるように見える画像(コントローラ1030の制御下においてSLM1040によって同期してエンコードされる)を選択的に投影することができる。十分に高フレームレート(例えば、60Hzの効果的フルボリュームフレームレートにおける6つの深度平面のために360Hz)において、それぞれの複数のLOE1090およびサブ光源1022のうちの各々を使用して画像を連続して投影することによって、システム1000は、種々の深度平面において、3−D画像内に同時に存在するように見える、仮想オブジェクトの3−D画像を生成することができる。
【0049】
コントローラ1030は、画像生成プロセッサ1010、光源1020(サブ光源1022)、およびSLM1040と通信し、かつそれらに動作可能に結合され、SLM1040にサブ光源1022からの光ビームを画像生成プロセッサ1010からの適切な画像情報を用いてエンコードするように命令することによって、画像の同期ディスプレイを調整する。
【0050】
ARシステムは、ユーザの眼を追跡し、ユーザの焦点を決定するように構成される随意の眼追跡サブシステム1050を含む。一実施形態では、以下に議論されるように、サブ光源1022の一部のみが、眼追跡サブシステムからの入力に基づいてアクティブにされ、LOE1090の一部を照明し得る。眼追跡サブシステム1050からの入力に基づいて、特定のLOE1090に対応する1つ以上のサブ光源1022が、画像がユーザの焦点/遠近調節と一致する所望の深度平面において生成されるように、アクティブにされ得る。例えば、ユーザの眼が互いに平行である場合、ARシステム1000は、画像が光学無限遠から生じるように見えるようにコリメートされた光をユーザの眼に送達するように構成されるLOE1090に対応するサブ光源1022(例えば、
図4からのLOE6)をアクティブ化し得る。別の例では、眼追跡サブシステム1050が、ユーザの焦点が1メートル離れていることを決定する場合、ほぼその範囲内で集中するように構成されるLOE1090に対応するサブ光源1022が、代わりにアクティブにされ得る。この特定の実施形態では、1つのみのサブ光源群1022が、任意の所与の時間にアクティブにされる一方、他のサブ光源1020は、非アクティブにされ、電力を保存することを理解されたい。
【0051】
図6に描写されるARシステム2000は、X、Y、およびZ方向に空間的に分離される下位瞳302を生成するように構成される。システム2000内の光源2020は、X、Y、およびZ(すなわち、光学経路に沿った)方向に互いから変位させられる、2つのサブ光源群2022a、2022bを含む。システム2000は、集光器2070と、随意のポラライザ2072と、ビームスプリッタ2026と、SLM2024と、出射光学システム2060と、LOE2090のスタックとを含む。使用時、サブ光源2022a、2022bからの複数の光ビームは、列挙された順序で前述の列挙されたシステム構成要素を通過する。X、Y、およびZ方向におけるサブ光源2022a、2022bの変位は、X、Y、およびZ方向において変位させられた焦点を伴うビームを生成し、それによって、空間的に分離された下位瞳302およびシステム2000内で照明され得るLOE2090の数を増加させる。
【0052】
図7Aから7Cおよび8Aから8Cは、
図6に描写されるものに類似する種々のARシステム2000によって生成される上位瞳300内の下位瞳302の種々の空間配列を描写する。下位瞳302は、X、Y平面において空間的に分離されるように描写されるが、下位瞳302は、Z方向にも空間的に分離されることもできる。同一色を有するビームによって形成される下位瞳302は、最大限に空間的に分離され(
図8Aから8Cに示されるように)、同一色の光を伝搬するように構成されるLOE2090間のクロストークを減少させ得る。さらに、Z方向において互いから分離された下位瞳302を形成する
図6に描写されるもののようなシステム2000では、色および/または深度平面ならびに/もしくは視野立体角区画は、シャッタの必要性を伴わずに、サブ光源2022a、2022bを切り替えることによって、切り替えられることができる。
【0053】
図9から11は、光源2020(例えば、空間的に変位させられた赤色、緑色、および青色サブ光源(例えば、LED)を有する角変位させられたRGBフラットパネル)が、角変位させられ(光学経路に対して)、それぞれのLOE2090に隣接した空間的に変位させられた色下位瞳を生成するARシステム2000を描写する。光源2020を角変位させることは、XおよびY方向に加え、Z方向において、赤色、緑色、および青色サブ光源の相対的場所を変化させる。
図9では、光源2020からの空間的に変位させられた光ビームは、デジタル光処理(「DLP」)SLM2024を使用して、画像データを用いてエンコードされる。DLP SLM2024から反射された光ビームは、出射光学2060に進入し、出射光学2060は、光ビームをさらに空間的に分離させ、それによって、各ビームに対応する空間的に分離された下位瞳を形成する。空間的に分離され、コリメートされた光ビームは、前述のように、それぞれの内部結合格子(図示せず)を通してそれぞれのLOE2090に進入し、LOE2090内を伝搬する。一実施形態では、
図9に描写される3つの光ビームは、異なる波長(例えば、赤色、緑色、および青色)の光であることができる。ARシステム2000の種々の構成要素の構成を修正することによって、下位瞳の空間分離は、サブ光源の空間分離と異なることができる。
【0054】
図10に描写されるシステム2000は、
図9に描写されるものに類似するが、光源2020からのビームは、MEMSミラーSLM2024であるSLM2024の表面上に焦点を合わせられる。
図10における出射光学システム2060は、MEMSミラーSLM2024から反射された光をさらに空間的に分離させ、各ビームに対応する空間的に分離された下位瞳を生成するように構成される。
【0055】
図11に描写されるシステム2000は、
図9に描写されるものに類似するが、光源2020は、ファイバスキャンディスプレイ(「FSD」)であり、組み合わせられたRGB画像源である。SLM2024は、FSD2020からのRGBビームを向け直すことと、異なる色光および/または異なる深度平面のために構成される光を含む空間的に分離されたサブビームに空間的に分離させることとの両方を行う体積位相またはブレーズドホログラフィック光学要素である。一実施形態では、3つのサブビームは、それぞれ、赤色、緑色、および青色光を含む。
図11における出射光学システム2060は、
図9におけるシステム2060と同様に機能し、各サブビームに対応する空間的に分離された下位瞳を生成する。
【0056】
図12に描写されるシステム2000は、
図9に描写されるものに類似するが、ビームスプリッタ2026が、光学経路に追加される。光源2020からの空間的に変位させられた光ビームは、ビームスプリッタ2026から、本実施形態では、LCOSまたはFLCOSであるSLM2024上に反射する。空間的に変位させられた光ビームは、SLM2024から、ビームスプリッタ2026を通して、出射光学システム2060の中に反射する。
図12における出射光学システム2060は、
図9におけるシステム2060と同様に機能し、各ビームに対応する空間的に分離された下位瞳を生成する。
【0057】
図13は、
図12に描写されるものに非常に類似するARシステム2000を描写する。
図10に描写されるシステム2000において、
図12に描写されるシステム2000からのビームスプリッタ2026は、偏光ビームスプリッタ2028と置換され、これは、反射ワイヤグリッドポラライザまたは偏光敏感ダイクロイックコーティング層を含み得る。ARシステム2000は、光源2020とワイヤグリッドポラライザ2028との間に配置される集光器2070も含む。光源2020からの光ビームは、集光器2070および偏光ビームスプリッタ2028を通過し、LCOS SLM2024上に移動する。光ビームは、SLM2024およびビームスプリッタ2026から、出射光学システム2060の中に反射する。
図13における出射光学システム2060は、
図12におけるシステム2060と同様に機能し、各ビームに対応する空間的に分離された下位瞳を生成する。
図13は、下位瞳が光学経路に対してX、Y、およびZ方向に空間的に分離されることができることを示す。
図13は、出射光学システム2060を形成する3つのレンズを描写するが、しかしながら、出射光学システム2060の他の実施形態は、より少ないまたはより多いレンズを含むことができる。例えば、
図14は、発散したビームの組を収束したビームの組に変換する中継レンズ2080と、異なるLOE2090への共入射およびそれによる伝搬のための外部瞳とを有する出射光学システム2060を含む、ARシステム2000を描写する。
【0058】
図15Aは、一実施形態による、ARシステム2000によって生成される上位瞳300内のX、Y平面における下位瞳302の空間配列を描写する。
図15Bは、システム2000の6つのLOE2090のスタックと、
図15Aに描写される下位瞳302を形成する光ビームがLOE2090のそれぞれと交差するそれぞれのエリア306とを描写する。エリア306は、
図15Aに示される瞳302からのそれぞれのLOE2090の変動するZ距離および他の光学特性に起因して、異なるサイズを有する。
図15Bに示されるように、種々の下位瞳302を形成するビームは、それぞれのビームによってアドレスされるそれぞれのLOE2090上のエリア306に隣接する内部結合格子を形成することによって、それぞれのLOE2090の中に選択的に結合されることができる。
【0059】
図16は、
図15Aに描写されるパターンに類似する上位瞳300内のX、Y平面における下位瞳302の空間配列を生成するように構成されるARシステム2000の別の実施形態を描写する。システム2000は、互いから空間的に分離される複数のサブ光源を有する光源2020を含む。システム2000は、集光器2070と、偏光ビームスプリッタ2026と、LCOS SLM2024と、出射光学システム2060と、LOE2090のスタックとを含む。スタックの各LOE2090は、前述のように、異なるビームによる交差のエリア306と同じ場所に位置する内部結合格子2092を有する。その結果、各ビームは、単一LOE2090に沿ってユーザの眼に伝搬される。
【0060】
開示されるARシステム2000は、空間的に分離されたサブ光源2022と、出射光学システム2060とを利用し、異なるビームおよび下位瞳302が、光が異なるLOE2090の中に入ることを許すように構成される内部結合格子にアドレスすることを可能にする。故に、システム2000は、その間の光学構成要素の数を最小化しながら、複数のサブ光源2022がそれぞれのLOE2090に向けられることを可能にする。これは、システムサイズを減少し、かつシステム効率を向上させる。
【0061】
(他の実施形態および特徴)
ARシステム2000内の光学構成要素の幾何学形状は、システムのサイズを減少させながら、下位瞳302の空間分離を維持するように選択されることができる。例えば、
図17Aでは、出射光学システム2060の断面形状は、丸みを帯びた長方形(すなわち、丸みを帯びた角および丸みを帯びた短辺を伴う長方形)である。
図17Aおよび17Bに示されるように、SLM2024にアドレスするビームが、互いから空間的に分離される場合、本実施形態における出射光学システム2060は、類似の空間的に分離された下位瞳302を形成するであろう。
【0062】
図18Aから18Cは、種々のARシステム2000によって生成されるそれぞれの上位瞳300内のX、Y平面における下位瞳302の種々の空間配列および形状を描写する。下位瞳302の空間配列の制御に加え、ARシステム2000はまた、下位瞳の形状を制御するようにも構成される。種々の下位/上位瞳形状は、正方形/卵形(
図18A)、パイ/円形(
図18B)、および同心円環/円形(
図18C)を含む。一実施形態では、瞳形状は、サブ光源2022またはその近傍におけるマスキング/フィルタリングによって形成される。別の実施形態では、瞳形状は、回折光学を使用して形成される。なおも別の実施形態(例えば、
図18C)では、瞳形状は、サブ光源2022のZ軸変位によって形成される。
【0063】
図19は、ARシステム2000によって生成される上位瞳300内のX、Y平面における下位瞳302の別の空間配列を描写する。空間変位に加え、
図19における下位瞳302、302sは、2つ以上のサイズも有する。一実施形態では、より小さい下位瞳302sは、青色光を含むビームによって形成され、より大きい下位瞳302は、赤色および緑色光を含むビームによって形成される。
図19に示される下位瞳パターンを形成するARシステム2000は、ヒトの眼の減少した青色光に焦点を合わせる能力(例えば、赤色および緑色光と比較して)および増加した緑色光に焦点を合わせる能力(例えば、赤色および青色光と比較して)を利用して、より多くの瞳、したがって、所与のサイズの上位瞳300内により多くの視覚的情報を提示することができる(例えば、縮小サイズを有する青色下位瞳302を表示することによって)。
【0064】
下位瞳302、302sのサイズ(例えば、直径)の変調(例えば、光源に関連付けられたサイズおよび/または光学に基づいて)は、より効率的光学システム設計を促進する。より大きい下位瞳(例えば、302)は、下位のより小さい瞳(例えば、302s)と比較して、光学システム内に増加された画像分解能を提供することができる。故に、複数の下位瞳サイズを有する光学システムの設計は、アドレスされる色および/または深度平面に基づいて、焦点深度の選択を可能にする。光学システム2000は、より小さい青色光源と、より大きい赤色および緑色光源とを含み、より小さい青色下位瞳302sを達成することができる。この設計は、ヒトの眼が青色光に赤色および緑色光と同様に焦点をあわせることができないことを利用する。その結果、青色光分解能は、赤色および緑色光の分解能より低くあり得る。この設計は、光学システム2000の上位瞳300内における下位瞳302、302sの改良された混合を可能にし、光学システム2000のサイズを実質的に増加させずに、より多くの下位瞳302、302s(したがって、より多くの深度平面チャネル)が組み込まれることも可能にし得る。
【0065】
図20Aおよび20Bは、それぞれのARシステム2000によって生成されるそれぞれの上位瞳300内のX、Y平面における2組の下位瞳302を描写する。
図20Aおよび19Bにおける対応する下位瞳302の面積は、ほぼ等しいが、
図20A(円形)および20B(長方形)における下位瞳302の形状は、異なる。
図20Bに示される下位瞳パターンを形成するARシステム2000は、ヒトの眼の焦点が、他方の寸法(例えば、長方形下位瞳300の短軸)より一方の寸法(例えば、長方形下位瞳300の長軸)によって優先的に駆動され、ユーザ焦点に対してより効率的下位瞳スタックを可能にすることを利用することができる。
【0066】
図20Bにおける下位瞳302形状は、内部結合格子2092のサイズを減少させることもできる(
図20Dと
図20Cを比較して)。これは、ひいては、内部結合格子2092とのビームの遭遇回数も減少させ、それは、LOE2090からの光の意図されない外部結合(内部結合格子2092との2回目の遭遇による)を減少させ、それによって、LOE2090に沿って伝搬されるビームの強度を増加させる。
【0067】
図21は、2つの光ビームが3つのLOE2090に沿って伝搬する光を提供するように構成されるARシステム2000を描写する。システム2000は、サブ光源(図示せず)と、互いから空間的に分離される第1および第2の光ビーム304a、304bを生成するSLM(図示せず)とを含む。第1の光ビーム304aは、赤色光および青色光の両方を含み、マゼンタ色ビームを形成する。第2の光ビーム304bは、緑色光を含む。第1のビーム304aは、青色および赤色光を伝搬するようにそれぞれ調整された第1および第2のLOE2090a、2090b上に形成される内部結合格子2092と整列させられる(例えば、出射光学システム(図示せず)によって)。第1のLOE2090aの特性に起因して、第1のLOE2090aに入る任意の赤色光は、その中で伝搬されないであろう。黄色フィルタ2094は、第1および第2のLOE2090a、2090b上に形成される内部結合格子2092間に設置され、第1のLOE2090aを通過する任意の青色光を吸収する。故に、第1のビーム304aからの赤色光のみが、第2のLOE2090bに進入し、その中で伝搬される。
【0068】
前述のARシステムと同様に、第2のビーム304bは、第1および第2のLOE2090a、2090bを通過し、緑色光を伝搬するように調整される第3のLOE2090cに入る(内部結合格子2092を通して)。
図21に描写されるARシステム2000は、赤色および青色光を単一ビーム内に組み合わせ、ビーム(およびサブ光源)の数を減少させ、異なる原色のLOEのための光を提供し、それによって、ARシステム2000のサイズを減少させる能力を利用する。
【0069】
図22Aおよび22Bは、異なる幾何学形状を伴う出射光学システム2060a、2060bを有する2つの代替ARシステム2000を描写する。その結果、ARシステム2000は、異なる下位瞳302/上位瞳300パターンを生成する(
図22Cおよび22D参照)。
図22Aおよび22Bに描写されるARシステム2000は、それぞれの出射光学システム2060a、2060bの形状に適合するために、異なる幾何学形状および光学特性を伴うビームスプリッタ2026a、2026bも有する。
図22Cおよび22Dにおける下位瞳302/上位瞳300パターンから分かるように、
図22Bに描写されるARシステム2000は、上位瞳300の2倍未満のサイズにおいて、
図22Aに描写されるARシステム2000の2倍の下位瞳302を生成する。類似のサイズ節約は、
図22Aおよび22Bに示されるように、出射光学システム2060a、2060bおよびビームスプリッタ2026a、2026bにも及ぶ。
【0070】
一実施形態では、
図22Dに描写されるパターン内の6つの下位瞳302は、
図21に描写されるシステム2000に類似するマゼンタ色光を含む。マゼンタ色光および
図21に描写されるもののようなLOE2090構造を使用して、
図22Bに描写されるARシステム2000は、
図22Aに描写されるARシステム2000の3倍のLOE2090のための光を提供することができる。例えば、
図22Aに描写されるARシステム2000は、6つの下位瞳302を生成し、6つのLOE2090のための光を提供する(例えば、各々が3つの色を伴う2つの深度層)。一方、
図22Bに描写されるARシステム2000は、12の下位瞳302を生成し、18のLOE2090のための光を提供する(例えば、各々が3つの色を伴う6つの深度層)。LOE2090の数におけるこの3倍の増加は、上位瞳300サイズ、出射光学システム2060サイズ、およびビームスプリッタ2026サイズの2倍未満の増加で達成される。
【0071】
図23は、ARシステム2000のさらに別の実施形態を描写する。
図13に描写されるARシステム2000のように、このARシステム2000は、2つのサブ光源群2022a、2022bを有する光源2020と、集光器2070と、随意のポラライザ2072と、ビームスプリッタ2026と、第1のSLM2024aと、出射光学システム2060と、LOE2090のスタックとを含む。それらの光学要素に加え、システム2000は、随意の半波長板2074(集光器2070と随意のポラライザ2072との間)と、第2のSLM2024b(ビームスプリッタ2026と出射光学システム2060との間)と、デポラライザ2076(第1および第2のSLM2024a、2024bと出射光学システム2060との間)とも含む。
【0072】
使用時、サブ光源2022a、2022bからの複数の光ビームは、3つの追加された構成要素によって修正されるように、列挙された順序で前述の列挙されたシステム構成要素を通過し、またはそこから反射する。
図13に描写されるARシステム2000と同様に、Z方向におけるサブ光源2022a、2022bの変位は、Z方向に変位させられた焦点を伴うビームを生成し、それによって、空間的に分離された下位瞳302およびシステム2000内で照明され得るLOE2090の数を増加させる。いくつかの実施形態では、第1および第2のSLM2024a、2024bは、重ねられた画像フィールドを有することができ、交互にアクティブにされ、システム待ち時間を短縮させ、フレームレートを増加させることができる(例えば、2つの30Hz SLM2024a、2024bを使用して、60Hzにおいて画像を投影する)。代替実施形態では、第1および第2のSLM2024a、2024bは、ピクセルの半分だけ変位させられた画像フィールドを有し、並行してアクティブにされ、システム分解能を増加させることができる。それらの実施形態では、第1および第2のSLM2024a、2024bは、時間多重化によって深度平面の数を増加させるように構成されることができる。別の実施形態では、第1および第2のSLM2024a、2024bは、2つの深度平面が視認者の視野内に同時に表示され得るように、画像フィールドを同時に生成することができる。
【0073】
図24は、
図23に描写されるものに非常に類似するARシステム2000を描写する。
図24に描写されるシステム2000では、
図23に描写されるシステム2000からのビームスプリッタ2026は、ワイヤグリッドポラライザ2028と置換され、
図23における随意のポラライザ2072の必要性を排除する。
図24におけるシステム2000は、
図23におけるシステム2000と非常に類似方式で機能し、前述の2つのSLM2024a、2024bを遠近調節する。
図24は、出射光学システム2060を形成する3つのレンズを描写するが、しかしながら、出射光学システム2060の他の実施形態は、より少ないまたはより多いレンズを含むことができる。
【0074】
図25は、ARシステム2000のさらに別の実施形態を描写する。システム2000は、2組の光源2020と、SLM2024と、照明成形光学(ビームスプリッタ2026、ポラライザ2072等)と、光(および画像データ)をLOE2090のスタックに協働して向かわせるように構成される、出射光学2060とを含む。独立した組の光学要素は、互いから空間分離された独立した組の下位瞳を生成し、それによって、システム2000サイズを最小化しながら、システム2000を用いて照明され得るLOE2090の数を効果的に2倍にする。
*
【0075】
図26は、空間的に分離された下位瞳302を生成するように構成される単純なARシステム2000を図式的に描写する。システム2000は、光源2020と、集光器2070と、透過SLM2024と、出射光学システム2060と、LOE2090とを含む。光源2020は、400μm直径を有し、互いから400μm間隔を置かれる(縁から縁)3つのサブ光源2022a、2022b、2022c(例えば、LED)を含むことができる。集光器2070および出射光学システム2060の各々は、6.68mmの有効焦点距離を有することができる。透過SLM2024は、1080×1080×4.2umおよび3.2074mm半径の仕様を有する、LCOSであることができる。そのような構成要素を使用することによって、システム2000は、3つのサブ光源2022a、2022b、2020cに対応する3つの下位瞳302a、302b、302cを生成することができ、各々は、400μm直径を有し、LOE2090において互いから400μm間隔を置かれる。
【0076】
図27は、下位瞳302を生成するように構成される、ARシステム2000の別の実施形態を描写する。システム2000は、サブ光源(図示せず)と、ビームスプリッタ2026と、半波長板2074と、出射光学システム2060と、複数のLOE2090とを含む。光源2020は、複数のサブ光源(例えば、LED)を含むことができる。ビームスプリッタ2026は、10mm偏光ビームスプリッタ(PBS)プリズムであることができる。出射光学システム2060は、3つのレンズを含むことができる。そのような構成要素を使用することによって、システム2000は、6つのLOE2090スタック内の第2のLOE2090の背面に配置され、サブ光源に対応する下位瞳302を生成することができる。
【0077】
図28は、
図27に描写されるARシステム2000の別の描写である。2つのシステムの光学要素は、同一であるが、しかしながら、
図28に描写されるシステム2000内の光学要素は、6つのLOE2090スタック内の第2のLOE2090の背面に配置される3つの下位瞳302を生成する、光線の組とともに示される。
図28は、完全上位瞳のための光線の組を示す。
図29は、
図28からの3つの下位瞳302を詳細に示す。
【0078】
図30は、
図10に描写されるものに非常に類似するARシステム2000の別の実施形態を描写する。システム2000は、複数のサブ光源2022(例えば、サブ光源に取り付けられるLEDおよび/またはファイバ)を含む光源2020と、集光器2070を形成する2つのレンズと、線形ポラライザ2072と、三重帯域通過フィルタ2078と、ビームスプリッタ2026と、SLM2024(例えば、LCOS)と、半波長板2074と、出射光学システム2060と、2つのLOE2090とを含む。システムは、サブ光源2022の1:1画像に対応する、下位瞳302を第2のLOE2090の背面に生成するように構成される。
図30に描写される実施形態では、光学経路は、光源2020とビームスプリッタ2026との間の約29.9mmの第1の長さと、ビームスプリッタ2026と第2のLOE2090との間の約26mmの第2の長さとを伴う、ほぼ直角を形成する。
【0079】
図31は、光源2020に対応する下位瞳302を生成するように構成される単純なARシステム2000の概略図である。システム2000は、LED光源2020と、集光器2070と、SLM2024と、中継光学システム2080と、出射光学システム2060と、LOE2090とを含む。集光器2070は、40mmの焦点距離を有し得る。SLM2024は、LCOSであり得る。中継光学システム2080は、2つのレンズ、すなわち、100mmの焦点距離を伴う第1のレンズと、200mmの焦点距離を伴う第2のレンズとを含み得る。出射光学システムは、34.3mmの有効焦点距離を伴う複合レンズであり得る。システム2000を使用することによって、LED光源2020間の3.5mm分離は、LOE2090における下位瞳302間に約2.25mm分離を生成する。
【0080】
図32は、
図31に描写されるものに非常に類似する別の単純ARシステム2000の概略図である。2つのシステム2000内の光学要素は、非常に類似する。その差異は、(1)第2のレンズ(中継光学システム2080の一部を形成する)が、120mmの焦点距離を有し、(2)出射光学システムが、26mmの有効焦点距離を有することである。システム2000を使用すると、LED光源2020間の3.5mm分離は、LOE2090における下位瞳302間に約3.2mm分離を生成する。
【0081】
別の実施形態では、ARシステムは、多平面集束を同時に提供するように構成され得る。例えば、3つの同時焦点面を用いることで、一次焦点平面(例えば、測定された眼の遠近調節に基づく)が、対応するサブ光源をアクティブにすることによって照明され得、+マージンおよび−マージン(すなわち、1つは、より近い、1つは、より遠い焦点面)も、大きな焦点範囲を提供するために、それぞれのサブ光源をアクティブにすることによって照明され得、ユーザは、平面が更新されることが必要となる前に、遠近調節することができる。この増加した焦点範囲は、ユーザがより近いまたはより遠い焦点(すなわち、遠近調節測定によって決定されるように)に切り替える場合、時間的利点を提供することができる。次いで、新しい焦点の平面が、中央焦点深度であるように作製され得、+および−マージンは、再び、システムが遅れを取り戻す間、いずれか一方への高速切り替えのために備えている。
【0082】
LOE2090の各々が、出射された光を別個の対応するサブ光源2022から受光および伝搬する、実施形態では、各サブ光源1022は、合理的速度で動作することができる一方、システム2000は、十分に高リフレッシュレートを維持し、複数のLOE2090の中に出射されるべき異なる画像/画像の一部を迅速に生成する。例えば、第1のLOE2090に、最初に、第1の時間にSLM1040によってエンコードされる空の画像を搬送する、第1のサブ光源1022からの光が出射され得る。次に、第2のLOE2090に、第2の時間においてSLM1040によってエンコードされる木の枝の画像を搬送する、第2のサブ光源1022からの光が出射され得る。次いで、第3のLOE2090に、第3の時間においてSLM1040によってエンコードされるペンの画像を搬送する、第3のサブ光源1022からの光が出射され得る。本プロセスは、繰り返され、種々の深度平面において一連の画像を提供することができる。したがって、単一光源2020の代わりに、複数のサブ光源2022を有し、複数のLOE2090の中にフィードされるべき全画像を迅速に生成することによって、各サブ光源2022は、合理的速度で動作し、画像をそのそれぞれのLOE2090のみに出射することができる。
【0083】
眼追跡サブシステム1050を含む、ARシステム1000の別の実施形態では、一緒に近接して位置する深度平面を有する、2つのLOE1090に対応する2つのサブ光源1022が、同時にアクティブにされ、眼追跡サブシステム内の誤差の許容量を組み入れ、1つの深度のみではなく、互いに近接近する2つの深度平面において、仮想コンテンツを投影することによって、他のシステム欠陥と、検出されたユーザ眼焦点/遠近調節とを考慮し得る。
【0084】
ARシステム1000のなおも別の実施形態では、光学の視野を増加させるために、タイリングアプローチが、2(またはそれを上回る)組のスタックされたLOE1090を含むように採用され得、それぞれ、対応する複数のサブ光源1022を有する。したがって、1組のスタックされたLOE1090および対応するサブ光源1022が、仮想コンテンツをユーザの眼の中心に送達するように構成され得る一方、別の組のスタックされたLOE1090および対応するサブ光源1022は、仮想コンテンツをユーザの眼の周縁に送達するように構成され得る。
図5に描写され、前述される実施形態と同様に、各スタックは、6つの深度平面のための6つのLOE1090を備え得る。両スタックを一緒に使用することで、ユーザの視野は、有意に増加される。さらに、LOE1090の2つの異なるスタックと、2つの複数の対応するサブ光源1022とを有することは、ユーザの眼の中心に投影された仮想コンテンツと比較して、若干異なる仮想コンテンツがユーザの眼の周縁に投影され得るように、より柔軟性を提供する。
【0085】
(瞳エキスパンダ)
前述のスタックされたDOE/光誘導光学要素1090、2090は、加えて、射出瞳エキスパンダ(「EPE」)として機能し、光源1020、2020の開口数を増加させ、それによって、システム1000、2000の分解能を増加させることができることを理解されたい。光源1020、2020は、小直径/スポットサイズの光を生成し、EPEは、光誘導光学要素1090、2090から出て行く光の見掛け瞳を拡張し、システム分解能を増加させることができる。ARシステムの他の実施形態では、システムは、EPEに加え、直交瞳エキスパンダ(「OPE」)をさらに備え、XおよびY方向の両方において光を拡張し得る。
【0086】
他のタイプの瞳エキスパンダは、光源1020、2020を採用するシステム内において同様に機能するように構成され得る。光源1020、2020は、高分解能、輝度をもたらし、コンパクトであるが、小開口数(すなわち、小スポットサイズ)を有する。したがって、ARシステム1000、2000は、典型的には、本質的に、生成される光ビームの開口数を増加させるように機能する、あるタイプの瞳エキスパンダを採用する。いくつかのシステムは、EPEおよび/またはOPEとして機能し、光源1020、2020によって生成される光の狭ビームを拡張する、DOEを使用し得るが、他の実施形態は、拡散器を使用して、光の狭ビームを拡張し得る。拡散器は、光学要素をエッチングし、光を散乱させる小ファセットを作成することによって生成され得る。別の変形例では、加工された拡散器が、回折要素と同様に、望ましい開口数を伴うくっきりとしたスポットサイズを維持するように作成され得、それは、回折レンズを使用することに類似する。他の変形例では、システムは、光源1020、2020によって生成される光の開口数を増加させるように構成されるPDLC拡散器を含み得る。
【0087】
図33は、サブ光源2022(例えば、LED)と、瞳エキスパンダ2024とを描写し、両方とも、サブ光源2022に対応する下位瞳302を生成するために、ARシステム2000における使用のために構成される。瞳エキスパンダ2024は、その上に配置されるプリズムパターンを有するフィルム2023である。プリズムパターンは、サブ光源2022から発出するビームを修正し、サブ光源2022の見掛けサイズを実際の源サイズ2022sからより大きい仮想源サイズ2024sに変化させる。仮想源サイズ2024sは、サブ光源2022と瞳エキスパンダ2024との間の距離を変化させることによって修正されることもできる。
【0088】
(SLMアーチファクトの減少)
図34Aは、
図14Bおよび15Aに描写されるものに類似する上位瞳300内の下位瞳302の空間配列を示す。
図34Aに示されるように、ARシステム2000は、それぞれの下位瞳302がX、Y平面において空間的に分離されるように構成されることができる。
図34Aは、円形上位瞳300内の約1時の方向における下位瞳302cに対応する光ビームの回折によって形成されるアーチファクト308を描写する。光ビームは、SLM(例えば、DLPまたはLCOS)ピクセル境界および構造によって回折され、X軸およびY軸に沿って下位瞳302cと整列させられる一連のアーチファクト308を形成する。
【0089】
アーチファクト308は、ディスプレイピクセル(
図34Bに示される)の構造に対応するSLMの構造により、XおよびY軸に沿って整列させられる。
図34Aに戻ると、2つのアーチファクト308a、308bは、少なくとも部分的に、それぞれの下位瞳302a、302bと重複することが分かる。故に、
図34Aに描写される下位瞳302パターンに対応するシステム2000では、下位瞳302cに対応するビームの光は、下位瞳302aおよび302bに入るであろう。アーチファクト308a、308bは、瞳308aおよび308bを通して表示されることが意図される画像内に望ましくないアーチファクト(すなわち、迷光)を生成するであろう。
図34Aは、下位瞳302cに対応するアーチファクト308のみを描写するが、他の下位瞳302の各々も、それら自身の組のアーチファクトを有するであろう(明確にするために図示せず)。故に、クロストークは、システム2000内の下位瞳302の数に比例して増加するであろう。
【0090】
図35Aは、
図34Aに示されるものに類似する上位瞳300内の下位瞳302の空間配列を描写する。しかしながら、ARシステム2000のサブ光源2022および内部結合格子は、ビーム間のSLM生成回折クロストークを減少させるために、SLMに対して光学軸の周囲で時計回りに回転させられている(例えば、約30度)。アーチファクト308は、ディスプレイピクセル(
図35Bに示される)の構造に対応するSLMの構造により、XおよびY軸に沿って整列させられたままである。
図35Aに示されるように、SLMおよびディスプレイピクセルグリッドに対してサブ光源2022を回転させることは、回折されるエネルギーと内部結合格子との間の重複を減少させ、それによって、迷光、コントラスト問題、および色アーチファクトを減少させる。特に、アーチファクト308aおよび308bは、もはや下位瞳302aおよび302bに重複しない。しかしながら、アーチファクト308dは、ここでは、部分的に下位瞳302dに重複するが、
図34Aに描写される重複より少ない程度である。故に、本実施形態では、システム2000は、サブ光源2022および内部結合格子の位置が、ビーム間の(SLM生成)回折クロストークを減少させるために、SLMに対して光学軸の周囲で回転させられる(例えば、約30度)ように構成される。
【0091】
前述のARシステムは、より空間効率的光学から利益を享受し得る種々の光学システムの例として提供される。故に、本明細書に説明される光学システムの使用は、開示されるARシステムに限定されず、むしろ、任意の光学システムに適用可能である。
【0092】
種々の本発明の例示的実施形態が、本明細書で説明される。非限定的な意味で、これらの例が参照される。それらは、本発明のより広く適用可能な側面を例証するように提供される。種々の変更が、説明される本発明に行われ得、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、均等物が置換され得る。加えて、特定の状況、材料、物質組成、プロセス、プロセス行為、またはことを本発明の目的、精神、もしくは範囲に適合させるように、多くの修正が行われ得る。さらに、当業者によって理解されるように、本明細書で説明および例証される個々の変形例の各々は、本発明の範囲または精神から逸脱することなく、他のいくつかの実施形態のうちのいずれかの特徴から容易に分離され、またはそれらと組み合わせられ得る、離散構成要素および特徴を有する。全てのそのような修正は、本開示に関連付けられる請求項の範囲内にあることを目的としている。
【0093】
本発明は、対象デバイスを使用して行われ得る方法を含む。方法は、そのような好適なデバイスを提供するという行為を含み得る。そのような提供は、エンドユーザによって行われ得る。換言すれば、「提供する」行為は、単に、エンドユーザが、対象方法において必須デバイスを提供するように、取得し、アクセスし、接近し、位置付けし、設定し、起動し、電源を入れ、または別様に作用することを要求する。本明細書で記載される方法は、論理的に可能である記載された事象の任意の順番で、ならびに事象の記載された順番で実行され得る。
【0094】
本発明の例示的側面が、材料選択および製造に関する詳細とともに、上記で記載されている。本発明の他の詳細に関しては、これらは、上記で参照された特許および出版物と関連して理解されるとともに、概して、当業者によって公知または理解され得る。一般的または論理的に採用されるような追加の行為の観点から、本発明の方法ベースの実施形態に関して、同じことが当てはまり得る。
【0095】
加えて、本発明は、種々の特徴を随意的に組み込むいくつかの例を参照して説明されているが、本発明は、本発明の各変形例に関して考慮されるような説明および指示されるものに限定されるものではない。種々の変更が、説明される本発明に行われ得、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、均等物(本明細書に記載されようと、いくらか簡単にするために含まれていなかろうと)が置換され得る。加えて、値の範囲が提供される場合、その範囲の上限と下限との間の全ての介在値、およびその規定範囲内の任意の他の規定または介在値が、本発明内に包含されることを理解されたい。
【0096】
また、説明される本発明の変形例の任意の随意的な特徴が、独立して、または本明細書で説明される特徴のうちのいずれか1つ以上のものと組み合わせて、記載および請求され得ることが考慮される。単数形のアイテムへの参照は、複数形の同一のアイテムが存在するという可能性を含む。より具体的には、本明細書で、および本明細書に関連付けられる請求項で使用されるように、「1つの(「a」、「an」)」、「該(said)」、および「the(the)」という単数形は、特に規定がない限り、複数形の指示対象を含む。換言すれば、冠詞の使用は、上記の説明ならびに本開示に関連付けられる請求項において、対象アイテムの「少なくとも1つ」を可能にする。さらに、そのような請求項は、任意の随意的な要素を除外するように起草され得ることに留意されたい。したがって、この記述は、請求項の要素の記載と関連して、「単に(solely)」、「のみ(only)」、および均等物等のそのような排他的用語の使用、または「否定的」制限の使用のために、先行詞としての機能を果たすことを目的としている。
【0097】
そのような排他的用語を使用することなく、本開示に関連付けられる請求項での「備えている(comprising)」という用語は、所与の数の要素がそのような請求項で列挙されるか、または特徴の追加をそのような請求項に記載される要素の性質の変換として見なすことができるかにかかわらず、任意の追加の要素を含むことを可能にするものとする。本明細書で具体的に定義される場合を除いて、本明細書で使用される全ての技術および科学用語は、請求項の有効性を維持しながら、可能な限り広い一般的に理解されている意味を与えられるものである。
【0098】
本発明の範疇は、提供される実施例および/または対象の明細書に限定されるものではなく、むしろ、本開示に関連付けられる請求項の言葉の範囲のみによって限定されるものである。
【0099】
前述の明細書では、本発明は、その具体的実施形態を参照して説明された。しかしながら、種々の修正および変更が、本発明のより広義の精神および範囲から逸脱することなくそこに成され得ることは、明白となるであろう。例えば、前述のプロセスフローは、プロセス作用の特定の順序を参照して説明される。しかしながら、説明されるプロセス作用の多くの順序は、本発明の範囲または動作に影響を及ぼすことなく、変更され得る。明細書および図面は、故に、限定的意味ではなく、例証的と見なされるべきである。