(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6820145
(24)【登録日】2021年1月6日
(45)【発行日】2021年1月27日
(54)【発明の名称】トランスグルコシル化ルブス・スアウィッシムスエキス並びに調製及び使用の方法
(51)【国際特許分類】
A23L 27/00 20160101AFI20210114BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20210114BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20210114BHJP
A23L 27/30 20160101ALI20210114BHJP
A23L 27/20 20160101ALI20210114BHJP
A23L 2/00 20060101ALI20210114BHJP
【FI】
A23L27/00 Z
A61K47/26
A61K8/73
A23L27/00 E
A23L27/30 A
A23L27/30 C
A23L27/30 Z
A23L27/20 D
A23L2/00 A
【請求項の数】13
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-243764(P2015-243764)
(22)【出願日】2015年12月15日
(65)【公開番号】特開2016-116510(P2016-116510A)
(43)【公開日】2016年6月30日
【審査請求日】2018年12月14日
(31)【優先権主張番号】14/571,723
(32)【優先日】2014年12月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502451731
【氏名又は名称】インターナショナル フレーバーズ アンド フラグランシズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100084663
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100193493
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 健史
(72)【発明者】
【氏名】ホウ ウー
(72)【発明者】
【氏名】サンパラセリル ヴイ ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン−ア キム
(72)【発明者】
【氏名】シー−ウェン チン
(72)【発明者】
【氏名】ジフア リウ
【審査官】
小金井 悟
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2013/0316043(US,A1)
【文献】
特表2013−515492(JP,A)
【文献】
特開2002−034501(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0030381(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0344217(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0082106(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 2/00−35/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/BIOSIS/MEDLINE/WPIDS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
嗅覚有効量のグルコシル化ルブソシド又は嗅覚有効量のグルコシル化ルブソシドを含むトランスグルコシル化R.スアウィッシムスエキスを混入する工程を含み、
前記グルコシル化ルブソシドが、3、4及び5個のグルコース単位の混合物であり、
前記嗅覚有効量が、消費品の質量基準で、10ppb〜750ppmである、
消費品の口当たりを増強する方法。
【請求項2】
前記消費品が炭水化物甘味料及び人工甘味料からなる群から選ばれる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記炭水化物甘味料が蔗糖、フラクトース、グルコース、高フラクトースコーンシロップ、キシロース、アラビノース、ラムノース及び糖アルコールからなる群から選ばれる、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記糖アルコールがエリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトール及びイノシトールからなる群から選ばれる、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記人工甘味料がアスパルテーム、スクラロース、ネオテーム、アセスルフェームカリウム、サッカリン及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれる、請求項2記載の方法。
【請求項6】
前記消費品が食品、風味料、医薬組成物、食事サプリメント、栄養剤、歯科衛生組成物、卓上甘味料及び化粧品からなる群から選ばれる、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記食品が飲料である、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記風味料がナチュラル・スイート・フレーバー#2、ステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、ダルコシドA、ダルコシドB、ステビア、アルファ−グルコシルステビア、フラクトシルステビア、ガラクトシルステビア、ベータ−グルコシルステビア、シアメノシド、モグロシドIV、モグロシドV、ルオ・ハン・グオ甘味料、モナチン及びその塩、グリチルリチン酸及びその塩、クルクリン、タウマチン、モネリン、マビンリン、ブラゼイン、ヘルナンダルチン、フィロダルチン、グリシフィリン、フロリジン、トリロブタイン、バイユノシド、オスラジン、ポリポドシドA、プテロカリオシドA、プテロカリオシドB、ムクロジオシド、フロミソシドI、ペリアンドリンI、アブルソシドA、シクロカリオシドI及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれる、請求項6記載の方法。
【請求項9】
前記嗅覚有効量が質量基準で100ppbから300ppmまでである、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記嗅覚有効量が質量基準で1ppmから150ppmまでである、請求項1記載の方法。
【請求項11】
嗅覚有効量のグルコシル化ルブソシド又は嗅覚有効量のグルコシル化ルブソシドを含むトランスグルコシル化R.スアウィッシムスエキスを含み、
前記グルコシル化ルブソシドは、3、4及び5個のグルコース単位の混合物であり、
前記嗅覚有効量が、前記消費品の質量基準で、10ppb〜750ppmである、
口当たり増強組成物。
【請求項12】
前記嗅覚有効量が質量基準で100ppbから300ppmまでである、請求項11記載の口当たり増強組成物。
【請求項13】
前記嗅覚有効量が質量基準で1ppmから150ppmまでである、請求項11記載の口当たり増強組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の状態
この出願は2014年12月17日に出願された、米国特許出願第14/571,723号の一部継続出願であり、その内容が参考としてそのまま示されるように本明細書に含まれる。
本発明はトランスグルコシル化ルブス・スアウィッシムスエキス並びに調製及び使用の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ルブス・スアウィッシムスS.イー(Lee) (“R.スアウィッシムス”)(チャイニーズ・スイート・リーフ)はその葉が加糖茶を調合するのに使用される植物である。R.スアウィッシムスからの葉又はエキスを含む消費製品、例えば、飲料、茶、練り歯磨き、ガム、脱臭剤又は錠剤が記載されていた(中国特許第102334576 号、同第102228298 号、同第102224902 号、同第102150775 号、同第102138887号、同第101990968 号、同第101991051号、同第101919464号、同第101878839号、同第101878721 号、同第101779718 号、同第101669642号、同第101069533 号、同第1757295号、同第1757293 号、同第1742598 号、同第1669458 号、同第1582702 号、同第1593174 号、同第1561849 号、同第1149419 号、日本特許第2010041949号、同第08317781号、同第2009190990号、同第2007290968号、同第2006187253号、同第2004166606号、同第2002193733号、同第2000041639号、米国特許第2008/0311252 号及び同第2005/0152997号)。
R.スアウィッシムスの甘い成分が単離され、ルブソシドが主要な活性成分として同定されている(Xuら著 (1982) Chemistry and Industry of Forest Products 2(2):38-41; Tanakaら著(1981) Agric. Biol. Chem. 45:2165-2166)。フラクトフラノシダーゼ、ガラクトシルトランスフェラーゼ及びグルコシルトランスフェラーゼを使用するルブソシドの酵素変性がまた記載されていた。得られる誘導体が甘味調節剤又は増強剤としての使用に示唆されていた(Ishikawaら著 (1990) Agric. Biol. Chem. 54(12):3137-3143; JPH02238890; Dariseら著 (1984) Agric. Biol. Chem. 48(10):2483-2488; Ohtaniら著 (1991) Agric. Biol. Chem. 55(2):449-453)。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
グルコシル化ルブソシド及びトランスグルコシル化R.スアウィッシムスエキスが消費品の口当たりを増強することが今予期せずに見い出された。このような増強は従来知られている甘味増強とは明らかに異なり、かつ独立である。或るレベルで使用される場合、グルコシル化ルブソシド及びトランスグルコシル化R.スアウィッシムスエキスは甘味のかなりの増大を生じないで増強された口当たりを与える。それ故、グルコシル化ルブソシド及びトランスグルコシル化R.スアウィッシムスエキスは消費品の口当たりを増強するのに特に有益である。
本発明は嗅覚有効量のグルコシル化ルブソシド又は嗅覚有効量のグルコシル化ルブソシドを含むトランスグルコシル化R.スアウィッシムスエキスを添加することによる炭水化物甘味料又は人工甘味料を含む消費品の口当たり、特に甘い口当たりの増強方法を提供する。種々の濃度のルブソシドを含むR.スアウィッシムスエキスは種々の程度にまで酵素トランスグルコシル化されてトランスグルコシル化R.スアウィッシムスエキスを生成する。更に、本発明は組成物が嗅覚有効量のグルコシル化ルブソシド又は嗅覚有効量のグルコシル化ルブソシドを含むトランスグルコシル化R.スアウィッシムスエキスを含む、口当たり増強組成物を提供する。
本発明の炭水化物甘味料として、例えば、蔗糖、フラクトース、グルコース、高フラクトースコーンシロップ、キシロース、アラビノース又はラムノースだけでなく、糖アルコール、例えば、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトール又はイノシトールが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の人工甘味料として、アスパルテーム、スクラロース、ネオテーム、アセスルフェームカリウム、サッカリン又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。消費品として、例えば、食品(例えば、飲料)、風味料、医薬組成物、食事サプリメント、栄養剤、歯科衛生組成物、卓上甘味料又は化粧品が挙げられる。本発明により特に含まれる風味料として、ナチュラル・スイート・フレーバー#2、ステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、ダルコシドA、ダルコシドB、ステビア、アルファ−グルコシルステビア、フラクトシルステビア、ガラクトシルステビア、ベータ−グルコシルステビア、シアメノシド、モグロシドIV、モグロシドV、ルオ・ハン・グオ甘味料、モナチン及びその塩、グリチルリチン酸及びその塩、クルクリン、タウマチン、モネリン、マビンリン、ブラゼイン、ヘルナンダルチン、フィロダルチン、グリシフィリン、フロリジン、トリロブタイン、バイユノシド、オスラジン、ポリポドシドA、プテロカリオシドA、プテロカリオシドB、ムクロジオシド、フロミソシドI、ペリアンドリンI、アブルソシドA、シクロカリオシドI又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【発明を実施するための形態】
【0004】
純粋な化学品として、又は植物エキス(例えば、R.スアウィッシムスエキス)のトランスグルコシル化生成物の成分としてのグルコシル化ルブソシドは驚くほどに増強された口当たり、特に甘い口当たりを与えることが今見い出された。従って、本発明は飲料、セイボリー、乳製品及び菓子を含む種々の適用において消費品の口当たりを増強するためのグルコシル化ルブソシド又はトランスグルコシル化R.スアウィッシムスの製造方法及び使用方法を提供する。
本明細書に使用されるR.スアウィッシムスエキスはR.スアウィッシムスの葉からのアルコールエキス、アルコール及び水エキス又は水エキスである。或る実施態様において、R.スアウィッシムスエキスは約15%から約95%までの範囲の含量を得るためにルブソシドについて濃縮される。特別な実施態様において、R.スアウィッシムスエキスが約50%から約90%までのルブソシド、約60%から約80%までのルブソシド又は約70%から約95%までのルブソシドを含む。R.スアウィッシムスエキスが約70%以上のルブソシド含量を有することが好ましい。特に明記されない限り、パーセント(%)は質量基準である。本発明における使用のR.スアウィッシムスエキスは商業上の源、例えば、本明細書に記載されたものから得られる。
【0006】
トランスグルコシル化R.スアウィッシムスエキスはルブソシドを含むR.スアウィッシムスエキスを得、R.スアウィッシムスエキスのルブソシドをトランスグルコシル化してグルコース単位、例えば、一つ、二つ、三つ、四つ、五つ又は五つより多いグルコース単位をルブソシドに付加することにより生成される。R.スアウィッシムスエキスのトランスグルコシル化はプルラナーゼ及びイソマルターゼ、β−ガラクトシダーゼ、デキストリンサッカラーゼ又はシクロデキストリングルコノトランスフェラーゼを含むが、これらに限定されないあらゆる好適な酵素とともにドナーであるプルラン、マルトース、ラクトース、部分加水分解澱粉及びマルトデキストリンを用いて行ない得る(Lobov ら著 (1991) Agric. Biol. Chem. 55:2959-2965; Kitahata ら著 (1989) Agric. Biol. Chem. 53:2923-2928; Yamamoto ら著 (1994) Biosci. Biotech. Biochem. 58:1657-1661; US 4,219,571)。R.スアウィッシムスエキスのトランスグルコシル化が一旦完結すると、酵素が、例えば、熱処理により不活化し得る。酵素不活化反応溶液が、例えば、噴霧乾燥により乾燥されて、固体生成物を生成し得る。或る実施態様において、得られる固体トランスグルコシル化R.スアウィッシムスエキスが約10%から約90%までのルブソシド及びグルコシル化誘導体を含み、残部がマルトデキストリン及び不活性植物エキスである。酵素不活化反応溶液が、例えば、好適なキャリヤー、例えば、グリセリン又はグリセロールの存在下で、回転蒸発により部分濃縮されて、濃縮された液体生成物を生成することが好ましく、残部がキャリヤー、希釈剤及び不活性植物エキスである。トランスグルコシル化R.スアウィッシムスエキス生成物中のルブソシド及びグルコシル化誘導体の含量は原料中のルブソシド含量、トランスグルコシル化の割合、生成物の物理的形態(乾燥又は液体)及びエキス中に存在するキャリヤー及び希釈剤の量に依存する。
【0007】
或る実施態様において、ルブソシドの約10%から約90%までがトランスグルコシル化される。更に別の実施態様において、ルブソシドの約30%から約80%までがトランスグルコシル化される。グルコシル化ルブソシド又はグルコシル化ルブソシドを含むトランスグルコシル化R.スアウィッシムスエキスが炭水化物甘味料又は人工甘味料を含む消費品に添加される。
口当たりは口中の消費品の物理的かつ化学的相互作用を伴なう。本発明において、“口当たり”という用語は口中で経験される全感覚を表し、これは消費品の本体及び質感に関する。本発明において、グルコシル化ルブソシド又はトランスグルコシル化R.スアウィッシムスエキスを含む消費品の口当たりはグルコシル化ルブソシド又はトランスグルコシル化R.スアウィッシムスエキスを含まない比較消費品の口当たりに関して改善される。“甘い口当たり”という用語は糖の如き甘味料の消費後に個体により経験される全感覚を表す。本発明の特別な実施態様において、グルコシル化ルブソシド及びトランスグルコシル化R.スアウィッシムスエキスが消費品の甘い口当たりを増強する。グルコシル化ルブソシド及びトランスグルコシル化R.スアウィッシムスエキスは糖の如き甘味料の本体及び粘度を構築して甘味料の口当たりを与え、強化することを助ける。本明細書に使用される“口当たり増強組成物”という用語は消費品中の甘味料の口当たりを増強又は強化し得る組成物を表す。
【0008】
本明細書に使用される消費品として、全ての食品、食事サプリメント、栄養剤、医薬組成物、歯科衛生組成物及び化粧品が挙げられる。或る実施態様において、消費品がアスパルテーム、スクラロース、ネオテーム、アセスルフェームカリウム又はサッカリンを含むが、これらに限定されない一種以上の人工甘味料を含む。その他の実施態様において、消費品が一種以上の炭水化物甘味料を含む。炭水化物甘味料は本来消費品(例えば、果物を含む食品)中に存在することができ、又は炭水化物甘味料が消費品に添加される。本発明の好適な炭水化物甘味料として、蔗糖、フラクトース、グルコース、高フラクトースコーンシロップ(フラクトース及びグルコースを含む)、キシロース、アラビノース、ラムノース及び糖アルコール、例えば、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトール又はイノシトールが挙げられるが、これらに限定されない。一実施態様において、炭水化物甘味料が蔗糖、フラクトース、グルコース、高フラクトースコーンシロップ、キシロース、アラビノース又はラムノース、好ましくは蔗糖、フラクトース又はグルコースである。この実施態様の一局面において、炭水化物甘味料が蔗糖である。この実施態様の別の局面において、炭水化物甘味料がグルコースである。この実施態様の別の局面において、炭水化物甘味料がフラクトースである。別の実施態様において、炭水化物甘味料が糖アルコール、例えば、エリスリトール、キシリトース、マンニトール、ソルビトール又はイノシトールである。
消費品又は口当たり増強組成物中で、嗅覚有効量のグルコシル化ルブソシド又は嗅覚有効量のグルコシル化ルブソシドを含むトランスグルコシル化R.スアウィッシムスエキスが異味を示さないで炭水化物甘味料又は人工甘味料の口当たり、特に、甘い口当たりを増強するのに使用される。“嗅覚有効量”という用語は消費品又は口当たり増強組成物中のグルコシル化ルブソシドの量又はトランスグルコシル化R.スアウィッシムスエキス中のグルコシル化ルブソシドの量を表し、そのグルコシル化ルブソシドが口当たり増強を与えるであろう。所望の程度の口当たり増強を与えるグルコシル化ルブソシドのあらゆる量が使用でき、これは存在するグルコシル化ルブソシドの含量により決められる。本明細書に使用される“ppb ”という用語は10億分の一重量部を表し、また“ppm ”は百万分の一重量部を表す。
【0009】
或る実施態様において、嗅覚有効量は消費品の質量基準で、又は口当たり増強組成物の質量基準で約10 ppbから約750ppmまで、好ましくは約100ppbから約300ppmまで、更に好ましくは約1ppmから約150ppmまでである。或る実施態様において、グルコシル化ルブソシドが3以上のグルコース単位を含む。好ましい実施態様において、グルコシル化ルブソシドが3〜8のグルコース単位を含む。更に好ましい実施態様において、グルコシル化ルブソシドが3、4、5のグルコース単位又は3、4及び5のグルコース単位の混合物を含む。更に好ましい実施態様において、グルコシル化ルブソシドが3、4及び5のグルコース単位の混合物を含む。或る実施態様において、嗅覚有効量が3以上のグルコース単位を含むグルコシル化ルブソシドの量を表す。好ましい実施態様において、嗅覚有効量が3〜8のグルコース単位を含むグルコシル化ルブソシドの量を表す。更に好ましい実施態様において、嗅覚有効量が3、4、5のグルコース単位又は3、4及び5のグルコース単位の混合物を含むグルコシル化ルブソシドの量を表す。更に好ましい実施態様において、嗅覚有効量が3、4及び5のグルコース単位の混合物を含むグルコシル化ルブソシドの量を表し、この場合、3グルコース単位を含むグルコシル化ルブソシドがその混合物の約20質量%以上のレベルで存在する。
【0010】
本明細書に使用される“食品”という用語は果物、野菜、ジュース、食肉製品、例えば、ハム、ベーコン及びソーセージ、卵製品、果物濃縮液、ゼラチン及びゼラチン状製品、例えば、ジャム、ゼリー、プレザーブ等、乳製品、例えば、アイスクリーム、サワークリーム及びシャーベット、アイシング、糖蜜を含むシロップ、トウモロコシ、小麦、ライ麦、大豆、エンバク、米及び大麦製品、ナッツミート及びナッツ製品、ケーキ、クッキー、菓子、例えば、キャンデー、ガム、果物風味のドロップ及びチョコレート、チューインガム、ミント、クリーム、アイシング、アイスクリーム、パイ及びパン、飲料、例えば、コーヒー、茶、炭酸入りのソフトドリンク、例えば、コーク(登録商標)及びペプシ(登録商標)、無炭酸ソフトドリンク、ジュース及びその他の果物ドリンク、スポーツドリンク、例えば、ガトレード(登録商標)、コーヒー、茶、アイスティー、コーラ、アルコール飲料、例えば、ビール、ワイン並びにリカー及びクール−エイド(登録商標)を含むが、これらに限定されない。好ましくは、口当たりが増強される消費品は減少されたレベルの炭水化物甘味料を含んでもよい。食品はまた香辛料、例えば、ハーブ、スパイス及びシーズニング、風味増強剤、例えば、グルタミン酸一ナトリウムを含む。食品はまた調理されたパッケージ製品、例えば、食事甘味料、液体甘味料、顆粒風味料ミックス(これらは水による再生後に無炭酸ドリンクを与える)、インスタントプディングミックス、インスタントコーヒー及び茶、コーヒーホワイトナー、麦芽入りのミルクミックス、ペットフード、家畜飼料、タバコ及びベーキング適用のための素材、例えば、パン、クッキー、ケーキ、パンケーキ、ドーナッツ等の調理のための粉末ベーキングミックスを含む。食品はまた蔗糖を殆ど又は全く含まないダイエット又は低カロリー食物及び飲料を含む。特に好ましい食品は炭酸入りの飲料である。
【0011】
消費品はまた医薬組成物であってもよい。好ましい組成物はグルコシル化ルブソシド又はトランスグルコシル化R.スアウィッシムスエキス及び一種以上の医薬上許される賦形剤を含む医薬組成物である。これらの医薬組成物は甘味増強以外の生物学的効果を与える一種以上の活性薬剤を含む医薬薬物を製剤化するのに使用し得る。医薬組成物は生物学的効果を与える一種以上の活性薬剤を更に含むことが好ましい。このような活性薬剤として、味増強以外の活性を有する医薬薬剤及び生物学的薬剤が挙げられる。このような活性薬剤は当業界で公知である(例えば、The Physician’s Desk Reference )。このような組成物は当業界で知られている操作に従って、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、マック・パブリッシング社(ペンシルバニア州、イーストン)発行に記載されたように調製し得る。一実施態様において、このような活性薬剤として、気管支拡張薬、食欲抑制物、坑ヒスタミン薬、栄養サプリメント、緩下剤、鎮痛薬、麻酔薬、制酸薬、H
2- 受容体アンタゴニスト、坑コリン作用薬、坑下痢薬、粘滑薬、鎮咳薬、制吐薬、坑微生物薬、抗菌薬、坑真菌薬、坑ウイルス薬、去痰薬、坑炎症薬、解熱薬及びこれらの混合物が挙げられる。一実施態様において、活性薬剤が解熱薬及び鎮痛薬、例えば、イブプロフェン、アセトアミノフェン又はアスピリン、緩下薬、例えば、フェノールフタレインジオクチルナトリウムスルホスクシネート、食欲低下薬、例えば、アンフェタミン、フェニルプロパノールアミン、フェニルプロパノールアミン塩酸塩又はカフェイン、制酸薬、例えば、炭酸カルシウム、坑喘息薬、例えば、テオフィリン、坑利尿薬、例えば、ジフェノキシレート塩酸塩、膨満に対し活性な薬剤、例えば、シメセコン、片頭痛薬、例えば、エルゴタミン酒石酸塩、精神薬、例えば、ハロペリドール、鎮痙薬又は鎮静薬、例えば、フェノバルビトール、坑多動症薬、例えば、メチルドーパ又はメチルフェニデート、トランキライザー、例えば、ベンゾジアゼピン、ヒドロキシンメプロブラメート又はフェノチアジン、坑ヒスタミン薬、例えば、アステミゾール、クロロフェニラミンマレイン酸塩、ピリダミンマレイン酸塩、ドキシラミンコハク酸塩、ブロモフェニラミンマレイン酸塩、フェニルトロキサミンクエン酸塩、クロロシクリジン塩酸塩、フェニラミンマレイン酸塩及びフェニンダミン酒石酸塩、鬱血除去薬、例えば、フェニルプロパノールアミン塩酸塩、フェニルエフリン塩酸塩、シュードエフェドリン塩酸塩、シュードエフェドリン硫酸塩、フェニルプロパノールアミン重酒石酸塩及びエフェドリン、ベータ−受容体遮断薬、例えば、プロパノロール、アルコール禁断のための薬剤、例えば、ジスルフラム、鎮咳薬、例えば、ベンゾカイン、デキストロメトルファン、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、ノスカピン、カルベタペンタンクエン酸塩及びクロフェジアノール塩酸塩、フッ素サプリメント、例えば、フッ化ナトリウム、局所抗生物質、例えば、テトラサイクリン又はクレオシン、コルチコステロイドサプリメント、例えば、プレドニゾン又はプレドニソロン、甲状腺腫生成に対する薬剤、例えば、コルチシン又はアロプリノール、坑癲癇薬、例えば、フェニロインナトリウム、脱水に対する薬剤、例えば、電解質サプリメント、防腐薬、例えば、塩化セチルピリジニウム、NSAID 、例えば、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ナプロキセン又はこれらの塩、胃腸活性薬剤、例えば、ロペラミド及びファモチジン、種々のアルカロイド、例えば、コデインリン酸塩、コデイン硫酸塩又はモルヒネ、微量元素のためのサプリメント、例えば、塩化ナトリウム、塩化亜鉛、炭酸カルシウム、酸化マグネシウムならびにその他のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、ビタミン、イオン交換樹脂、例えば、コレスチラミン、コレステロール低下薬及び脂質低下物質、坑不整脈薬、例えば、N-アセチルプロカインアミド、及び去痰薬、例えば、グアイフェネシンからなる群から選ばれる。
【0012】
或る実施態様において、消費品が食事サプリメント又は栄養剤である。望ましくない味を有するこのような組成物の例として、運動性能、筋肉増強又は一般の健康を促進するための、栄養不足、トラウマ、手術、クローン病、腎臓疾患、高血圧、肥満等又はフェニルケトン尿症の如き代謝の先天性の誤りの治療のための腸栄養製品が挙げられるが、これらに限定されない。特に、このような組成物は苦い、又は金属質の味又は後味を有する一種以上のアミノ酸を含み得る。このようなアミノ酸として、必須アミノ酸、例えば、ロイシン、イソロイシン、ヒスチジン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、チロシン及びバリンのL異性体が挙げられるが、これらに限定されない。更なる実施態様において、本発明の消費品は炭水化物甘味料及びグルコシル化ルブソシド又はグルコシル化ルブソシドを含むトランスグルコシル化R.スアウィッシムスエキスを含む、歯科衛生組成物である。歯科衛生組成物は当業界で知られており、練り歯磨き、口洗浄液、プラークリンス、デンタルフロス、歯痛軽減剤(例えば、アンベソール
TM)等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されない。一実施態様において、歯科衛生組成物が一種の炭水化物甘味料を含む。別の実施態様において、歯科衛生組成物が一種より多い炭水化物甘味料を含む。或る実施態様において、歯科衛生組成物が蔗糖及びコーンシロップ又は蔗糖及びアスパルテームを含む。更に別の実施態様において、本発明の消費品が炭水化物甘味料及びグルコシル化ルブソシド又はグルコシル化ルブソシドを含むトランスグルコシル化R.スアウィッシムスエキスを含む、化粧品である。例えば、化粧品が顔クリーム、リップスティック、リップグロス等であってもよいが、これらに限定されない。本発明のその他の好適な組成物はリップバーム、例えば、チャップスティック(登録商標)又はバートの蜜蝋(登録商標)リップバームを含む。
【0013】
示されたように、グルコシル化ルブソシド又はトランスグルコシル化R.スアウィッシムスエキスは風味料の如き消費品中に使用されて口当たり、特に甘い口当たりを増強し得る。或る実施態様において、風味料及びグルコシル化ルブソシド又はトランスグルコシル化R.スアウィッシムスエキスは1:1 、2:1 、3:1 又は4:1 の比で使用される。本発明における使用の風味料として、ナチュラル・スイート・フレーバー#2(WO 2012/129451)、ステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、ダルコシドA、ダルコシドB、ステビア、アルファ−グルコシルステビア、フラクトシルステビア、ガラクトシルステビア、ベータ−グルコシルステビア、シアメノシド、モグロシドIV、モグロシドV、ルオ・ハン・グオ甘味料、モナチン及びその塩、グリチルリチン酸及びその塩(例えば、マグナスイート中に見られるような)、クルクリン、タウマチン、モネリン、マビンリン、ブラゼイン、ヘルナンダルチン、フィロダルチン、グリシフィリン、フロリジン、トリロブタイン、バイユノシド、オスラジン、ポリポドシドA、プテロカリオシドA、プテロカリオシドB、ムクロジオシド、フロミソシドI、ペリアンドリンI、アブルソシドA、シクロカリオシドI又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。或る実施態様において、風味料がナチュラル・スイート・フレーバー#2(またNSF-02として知られている)であり、これはグルコシル化ステビオールグリコシド及びデキストリンを含む。一実施態様において、本発明は風味料が従来の量で単独で使用される場合と同じレベルの口当たりを得るために本発明のグルコシル化ルブソシド又はトランスグルコシル化R.スアウィッシムスエキスと減少された量の風味料の組み合わせを提供する。これに関して、使用される風味料の量が少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、もしくは95%、又は約60%から約99%まで、又は約20%から約50%まで減少し得る。
本発明が下記の非限定実施例により大いに詳しく記載される。
【実施例】
【0014】
実施例1:トランスグルコシル化R.スアウィッシムスエキスの調製
・
約35.1%のルブソシドトランスグルコシル化率を有するトランスグルコシル化R.スアウィッシムスエキス(製剤I)
R.スアウィッシムスエキス(約16.8g のルブソシドを含む、粉末25g )(Hunan Changsha Yuanhang Biology Product 社、中国)及びマルトデキストリンDE 10 (25g) をNaHCO
3 水溶液(0.05 M)(120 mL)に溶解した。その混合物をジャケット付き反応容器に移し、55℃に加熱し、維持した。シクロデキストリングルコノトランスフェラーゼ(EC 2.4.1.19; 1200 単位)(アマノ・エンザイム社、日本)を添加してトランスグルコシル化反応を開始した。その反応混合物を約1時間にわたって一定の撹拌とともに57.5℃でインキュベートした。次いで追加のシクロデキストリングルコノトランスフェラーゼ(1200 単位)を添加し、その反応混合物を更に1時間にわたって一定の撹拌とともに57.5℃でインキュベートした。インキュベーションの終了時に、その反応混合物を15分間にわたって90℃に加熱し、維持し、続いて室温に冷却した。グリセロール(20 g)をキャリヤーとして添加した。得られる混合物をロータリーエバポレーター中で濃縮してトランスグルコシル化R.スアウィッシムスエキスの溶液(82.2 g)を得た。従って、約35.1%のルブソシドグルコシル化率を有するR.スアウィッシムスエキスを得た。
【0015】
・
約60.9%のルブソシドトランスグルコシル化率を有するトランスグルコシル化R.スアウィッシムスエキス(製剤II)
R.スアウィッシムスエキス(約33.5g のルブソシドを含む、粉末50g )(Hunan Changsha Yuanhang Biology Product 社、中国)及びマルトデキストリンDE 10 (25g) をアセテート緩衝液(0.5 M 、pH 6)(200g)に溶解した。その混合物をジャケット付き反応容器に移し、55℃に加熱し、維持した。シクロデキストリングルコノトランスフェラーゼ(EC 2.4.1.19; 3600 単位)(アマノ・エンザイム社、日本)を添加してトランスグルコシル化反応を開始した。その反応混合物を約24時間にわたって一定の撹拌とともに55℃でインキュベートした。インキュベーションの終了時に、その反応混合物を約15分間にわたって90℃に加熱し、維持し、続いて室温に冷却した。グリセロール(30 g)をキャリヤーとして添加した。得られる混合物をロータリーエバポレーター中で濃縮してトランスグルコシル化R.スアウィッシムスエキスの溶液(138g)を得た。従って、約60.9%のルブソシドグルコシル化率を有するR.スアウィッシムスエキスを得た。
【0016】
・
約78.0%のルブソシドトランスグルコシル化率を有するトランスグルコシル化R.スアウィッシムスエキス(製剤 III)
R.スアウィッシムスエキス(約20.9g のルブソシドを含む、粉末25g )(Guilin Layn Natural Ingredients 社、中国)及びマルトデキストリンDE 10 (50g) をアセテート緩衝液(0.1 M 、pH 6)(250g)に溶解した。その混合物をジャケット付き反応容器に移し、55℃に加熱し、維持した。シクロデキストリングルコノトランスフェラーゼ(EC 2.4.1.19; 3000 単位)(アマノ・エンザイム社、日本)を添加してトランスグルコシル化反応を開始した。その反応混合物を約24時間にわたって一定の撹拌とともに55℃でインキュベートした。インキュベーションの終了時に、その反応混合物を約15分間にわたって90℃に加熱し、維持し、続いて室温に冷却した。次いでグリセロール(20 g)をキャリヤーとして添加した。得られる混合物をロータリーエバポレーター中で濃縮してトランスグルコシル化R.スアウィッシムスエキスの溶液(100.5 g)を得た。従って、約78.0%のルブソシドグルコシル化率を有するR.スアウィッシムスエキスを得た。
【0017】
実施例2:その他の甘味料と較べてのトランスグルコシル化R.スアウィッシムスエキスの口当たり増強
蔗糖(1.5 %)、レバウジオシドA(“Reb-A ”)(30 ppm)、スクラロース(20 ppm)及びルブソシド(45 ppm)のイソスイート溶液を蔗糖ベース溶液(水中4%)中で調製した。製剤I、II及びIII (実施例1で先に調製された)を含む異なるルブソシドトランスグルコシル化率で調製されたトランスグルコシル化R.スアウィッシムスエキスの付加的な溶液をまた調製し、この場合、全ルブソシド濃度を45 ppmに等しくした。
0〜10のスコアーを使用して、得られた溶液の甘味及び口当たりを評価した。この場合、0=なし、1=かろうじて検出可能、2=弱い、4=弱い−中等度、6=中等度、8=中等度−強い、かつ10=極めて強い。平均スコアーを以下に報告する。
【0018】
【表1】
【0019】
先に示されたように、トランスグルコシル化R.スアウィッシムスエキスにより示された口当たりの増強は一層高いグルコシル化率で改善し、一方、甘味の強さが逆の傾向を示した。こうして、このような口当たり増強は甘味増強とは明らかに異なり、独立である。従って、トランスグルコシル化R.スアウィッシムスエキスは消費品の口当たりを増強するのに予期せずに、かつ有利に有益である。
【0020】
実施例3:異なるレベルでトランスグルコシル化されたR.スアウィッシムスエキスの口当たり増強
グルコース単位、例えば、1、2、3、4又は5グルコース単位をルブソシドに付加することにより、R.スアウィッシムスエキスを異なるレベルにトランスグルコシル化した。一連のトランスグルコシル化R.スアウィッシムスエキス(サンプル1−4)を調製した。次いでサンプルの溶液を実施例2に記載されたように蔗糖ベース溶液(水中4%)中で調製した。全ての溶液中の全ルブソシド濃度を30 ppmに等しくした。感覚評価を以下に報告する。
【0021】
【表2】
【0022】
nはルブソシドに付加されたグルコース単位の数を表し、かつ
ndは非常に低く、検出されなかった量を表す。
甘味の強さは全てのサンプル間で同様に留まった。しかしながら、先に示されたように、3以上のグルコース単位でトランスグルコシル化されたR.スアウィッシムスエキス(即ち、サンプル3及び4)のみが口当たり増強を与えた。
従って、3以上のグルコース単位の付加でトランスグルコシル化されたR.スアウィッシムスエキスは消費品の口当たりを増強するのに予期せずに、かつ有利に有益である。
【0023】
実施例4:口当たり増強におけるR.スアウィッシムスエキスの最適のトランスグルコシル化レベルの同定
トランスグルコシル化の最適レベルを更に同定するために、トランスグルコシル化R.スアウィッシムスエキスの追加のサンプル(サンプル5−8)を調製し、評価した。全ルブソシド濃度を全て30 ppmに等しくした。感覚評価を以下に報告する。
【0024】
【表3】
【0025】
n及びndは先に定義されたとおりであり、かつ
*、**及び***は統計上の有意差を表す。
甘味の強さは全てのサンプル間で同様に留まった。しかしながら、サンプル5により与えられた口当り増強は全てのその他のサンプルにより与えられたものよりも統計上有意に大きく(P<0.01)、サンプル6はサンプル1、7及び8よりも統計上有意に強く(P<0.01)、またサンプル7及び8の両方はサンプル1よりも統計上有意に強かった(P,0.01)。しかしながら、有意差がサンプル7とサンプル8の間に観察されなかった(P>0.05)。
本明細書に示されたように、3、4及び5グルコース単位でトランスグルコシル化されたR.スアウィッシムスエキスは最も大きい口当たり増強を与えた。特に、3グルコース単位付加が口当たり増強の効果を最大にするのに必要とされた。従って、3、4及び5グルコース単位の付加でトランスグルコシル化されたR.スアウィッシムスエキスは消費品の口当たりを増強するのに予期せずに、かつ有利に有益である。