(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6820175
(24)【登録日】2021年1月6日
(45)【発行日】2021年1月27日
(54)【発明の名称】差動増幅器およびボルテージフォロア回路
(51)【国際特許分類】
H03F 3/45 20060101AFI20210114BHJP
H03F 3/34 20060101ALI20210114BHJP
【FI】
H03F3/45 210
H03F3/34 210
【請求項の数】9
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-189728(P2016-189728)
(22)【出願日】2016年9月28日
(65)【公開番号】特開2018-56760(P2018-56760A)
(43)【公開日】2018年4月5日
【審査請求日】2019年8月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100133215
【弁理士】
【氏名又は名称】真家 大樹
(72)【発明者】
【氏名】真鍋 貴俊
(72)【発明者】
【氏名】野村 尚弘
【審査官】
工藤 一光
(56)【参考文献】
【文献】
特開平5−136636(JP,A)
【文献】
特開昭58−145206(JP,A)
【文献】
特開2011−91774(JP,A)
【文献】
特開2006−25377(JP,A)
【文献】
特開2010−41131(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03F3/34−3/347
H03F3/45
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1入力トランジスタおよび第2入力トランジスタを含み、反転入力端子、非反転入力端子それぞれの電圧に応じた差動電流を生成する入力差動対と、
前記入力差動対にテイル電流を供給するテイル電流源と、
前記第1入力トランジスタの第1端子と前記テイル電流源の間に設けられる第1抵抗と、
前記第2入力トランジスタの第1端子と前記テイル電流源の間に設けられる第2抵抗と、
前記第1入力トランジスタの第2端子および前記第2入力トランジスタの第2端子と接続され、定電流を発生する定電流回路と、
前記第1入力トランジスタの前記第2端子および前記第2入力トランジスタの前記第2端子と接続され、出力電圧を生成する出力段と、
前記第1入力トランジスタの前記第2端子および前記第2入力トランジスタの前記第2端子と接続され、前記第1入力トランジスタの前記第1端子と前記第2入力トランジスタの前記第1端子の電位差に応じた差動の補正電流を発生する補正回路と、
を備え、
前記補正回路は、
第1補正トランジスタおよび第2補正トランジスタを含み、前記第1入力トランジスタの前記第1端子および前記第2入力トランジスタの前記第1端子それぞれの電圧に応じた前記差動の補正電流を生成する補正差動対と、
前記補正差動対に電流を供給する補正電流源と、
を含み、
前記第1補正トランジスタ、前記第2補正トランジスタは、前記第1入力トランジスタ、前記第2入力トランジスタと逆極性であり、
前記補正回路は、前記第1補正トランジスタ、前記第2補正トランジスタに流れる電流を折り返し、前記差動の補正電流を生成するカレントミラー回路をさらに含むことを特徴とする差動増幅器。
【請求項2】
第1入力トランジスタおよび第2入力トランジスタを含み、反転入力端子、非反転入力端子それぞれの電圧に応じた差動電流を生成する入力差動対と、
前記入力差動対にテイル電流を供給するテイル電流源と、
前記第1入力トランジスタの第1端子と前記テイル電流源の間に設けられる第1抵抗と、
前記第2入力トランジスタの第1端子と前記テイル電流源の間に設けられる第2抵抗と、
前記第1入力トランジスタの第2端子および前記第2入力トランジスタの第2端子と接続され、定電流を発生する定電流回路と、
前記第1入力トランジスタの前記第2端子および前記第2入力トランジスタの前記第2端子と接続され、出力電圧を生成する出力段と、
前記第1入力トランジスタの前記第2端子および前記第2入力トランジスタの前記第2端子と接続され、前記第1入力トランジスタの前記第1端子と前記第2入力トランジスタの前記第1端子の電位差に応じた差動の補正電流を発生する補正回路と、
を備え、
前記補正回路は、
第1補正トランジスタおよび第2補正トランジスタを含み、前記第1入力トランジスタの前記第1端子および前記第2入力トランジスタの前記第1端子それぞれの電圧に応じた前記差動の補正電流を生成する補正差動対と、
前記補正差動対に電流を供給する補正電流源と、
を含み、
前記入力差動対は、PチャンネルMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であり、
前記第1補正トランジスタ、前記第2補正トランジスタはPNP型バイポーラトランジスタであることを特徴とする差動増幅器。
【請求項3】
第1入力トランジスタおよび第2入力トランジスタを含み、反転入力端子、非反転入力端子それぞれの電圧に応じた差動電流を生成する入力差動対と、
前記入力差動対にテイル電流を供給するテイル電流源と、
前記第1入力トランジスタの第1端子と前記テイル電流源の間に設けられる第1抵抗と、
前記第2入力トランジスタの第1端子と前記テイル電流源の間に設けられる第2抵抗と、
前記第1入力トランジスタの第2端子および前記第2入力トランジスタの第2端子と接続され、定電流を発生する定電流回路と、
前記第1入力トランジスタの前記第2端子および前記第2入力トランジスタの前記第2端子と接続され、出力電圧を生成する出力段と、
前記第1入力トランジスタの前記第2端子および前記第2入力トランジスタの前記第2端子と接続され、前記第1入力トランジスタの前記第1端子と前記第2入力トランジスタの前記第1端子の電位差に応じた差動の補正電流を発生する補正回路と、
を備え、
前記補正回路は、
第1補正トランジスタおよび第2補正トランジスタを含み、前記第1入力トランジスタの前記第1端子および前記第2入力トランジスタの前記第1端子それぞれの電圧に応じた前記差動の補正電流を生成する補正差動対と、
前記補正差動対に電流を供給する補正電流源と、
を含み、
前記入力差動対は、PチャンネルMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であり、
前記第1補正トランジスタ、前記第2補正トランジスタはNPN型バイポーラトランジスタであることを特徴とする差動増幅器。
【請求項4】
第1入力トランジスタおよび第2入力トランジスタを含み、反転入力端子、非反転入力端子それぞれの電圧に応じた差動電流を生成する入力差動対と、
前記入力差動対にテイル電流を供給するテイル電流源と、
前記第1入力トランジスタの第1端子と前記テイル電流源の間に設けられる第1抵抗と、
前記第2入力トランジスタの第1端子と前記テイル電流源の間に設けられる第2抵抗と、
前記第1入力トランジスタの第2端子および前記第2入力トランジスタの第2端子と接続され、定電流を発生する定電流回路と、
前記第1入力トランジスタの前記第2端子および前記第2入力トランジスタの前記第2端子と接続され、出力電圧を生成する出力段と、
前記第1入力トランジスタの前記第2端子および前記第2入力トランジスタの前記第2端子と接続され、前記第1入力トランジスタの前記第1端子と前記第2入力トランジスタの前記第1端子の電位差に応じた差動の補正電流を発生する補正回路と、
を備え、
前記補正回路は、
第1補正トランジスタおよび第2補正トランジスタを含み、前記第1入力トランジスタの前記第1端子および前記第2入力トランジスタの前記第1端子それぞれの電圧に応じた前記差動の補正電流を生成する補正差動対と、
前記補正差動対に電流を供給する補正電流源と、
を含み、
前記入力差動対は、NチャンネルMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であり、
前記第1補正トランジスタ、前記第2補正トランジスタはNPN型バイポーラトランジスタであることを特徴とする差動増幅器。
【請求項5】
第1入力トランジスタおよび第2入力トランジスタを含み、反転入力端子、非反転入力端子それぞれの電圧に応じた差動電流を生成する入力差動対と、
前記入力差動対にテイル電流を供給するテイル電流源と、
前記第1入力トランジスタの第1端子と前記テイル電流源の間に設けられる第1抵抗と、
前記第2入力トランジスタの第1端子と前記テイル電流源の間に設けられる第2抵抗と、
前記第1入力トランジスタの第2端子および前記第2入力トランジスタの第2端子と接続され、定電流を発生する定電流回路と、
前記第1入力トランジスタの前記第2端子および前記第2入力トランジスタの前記第2端子と接続され、出力電圧を生成する出力段と、
前記第1入力トランジスタの前記第2端子および前記第2入力トランジスタの前記第2端子と接続され、前記第1入力トランジスタの前記第1端子と前記第2入力トランジスタの前記第1端子の電位差に応じた差動の補正電流を発生する補正回路と、
を備え、
前記補正回路は、
第1補正トランジスタおよび第2補正トランジスタを含み、前記第1入力トランジスタの前記第1端子および前記第2入力トランジスタの前記第1端子それぞれの電圧に応じた前記差動の補正電流を生成する補正差動対と、
前記補正差動対に電流を供給する補正電流源と、
を含み、
前記入力差動対は、NチャンネルMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であり、
前記第1補正トランジスタ、前記第2補正トランジスタはPNP型バイポーラトランジスタであることを特徴とする差動増幅器。
【請求項6】
反転入力端子および非反転入力端子と、
制御端子が前記反転入力端子と接続される第1入力トランジスタと、
制御端子が前記非反転入力端子と接続される第2入力トランジスタと、
テイル電流を供給するテイル電流源と、
前記テイル電流源と前記第1入力トランジスタの第1端子の間に設けられる第1抵抗と、
前記テイル電流源と前記第2入力トランジスタの第1端子の間に設けられる第2抵抗と、
制御端子が前記第1入力トランジスタの前記第1端子と接続され、前記第1入力トランジスタと同極性の第1補正トランジスタと、
制御端子が前記第2入力トランジスタの前記第1端子と接続され、前記第2入力トランジスタと同極性の第2補正トランジスタと、
前記第1補正トランジスタの第1端子および前記第2補正トランジスタの第1端子と接続される補正電流源と、
前記第1入力トランジスタの第2端子および前記第1補正トランジスタの第2端子と接続される第1電流源と、
前記第2入力トランジスタの第2端子および前記第2補正トランジスタの第2端子と接続される第2電流源と、
前記第1入力トランジスタの前記第2端子および前記第2入力トランジスタの前記第2端子と接続され、出力電圧を生成する出力段と、
を備えることを特徴とする差動増幅器。
【請求項7】
反転入力端子および非反転入力端子と、
制御端子が前記反転入力端子と接続される第1入力トランジスタと、
制御端子が前記非反転入力端子と接続される第2入力トランジスタと、
テイル電流を供給するテイル電流源と、
前記テイル電流源と前記第1入力トランジスタの第1端子の間に設けられる第1抵抗と、
前記テイル電流源と前記第2入力トランジスタの第1端子の間に設けられる第2抵抗と、
制御端子が前記第1入力トランジスタの前記第1端子と接続され、前記第1入力トランジスタと逆極性の第1補正トランジスタと、
制御端子が前記第2入力トランジスタの前記第1端子と接続され、前記第2入力トランジスタと逆極性の第2補正トランジスタと、
前記第1補正トランジスタの第1端子および前記第2補正トランジスタの第1端子と接続される補正電流源と、
前記第1補正トランジスタに流れる電流を折り返す第1カレントミラー回路と、
前記第2補正トランジスタに流れる電流を折り返す第2カレントミラー回路と、
前記第1入力トランジスタの第2端子および前記第1カレントミラー回路の出力端子と接続される第1電流源と、
前記第2入力トランジスタの第2端子および前記第2カレントミラー回路の出力端子と接続される第2電流源と、
前記第1入力トランジスタの前記第2端子および前記第2入力トランジスタの前記第2端子と接続され、出力電圧を生成する出力段と、
を備えることを特徴とする差動増幅器。
【請求項8】
ひとつの半導体基板に一体集積化されることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の差動増幅器。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の差動増幅器を備えることを特徴とするボルテージフォロア回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、差動増幅器に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの電子回路において、差動増幅器(演算増幅器)が利用される。差動増幅器は、2つの入力電圧の差を増幅する回路である。
図1(a)は、差動増幅器の用途のひとつであるバッファ回路(ボルテージフォロア、ボルテージトラッカー)の回路図である。ボルテージフォロア回路200は、出力と反転入力が結線された差動増幅器100Rを含む。ボルテージフォロア回路200の入力(差動増幅器100Rの非反転入力)には、電圧源204からの入力電圧V
INが入力され、その出力には平滑キャパシタ202が接続されており、たとえば電源回路として利用される。
【0003】
図1(b)は、差動増幅器の構成例を示す回路図である。差動増幅器100Rは、主として、入力差動対102、テイル電流源104、定電流回路106、出力段110を含む。
【0004】
入力差動対102は、第1入力トランジスタM
1および第2入力トランジスタM
2を含む。第1入力トランジスタM
1のゲートは差動増幅器100Rの反転入力(IN−)と接続され、第2入力トランジスタM
2のゲートは差動増幅器100Rの非反転入力(IN+)と接続される。
【0005】
テイル電流源104は、入力差動対102にテイル電流Iを供給する。テイル電流源104は、ゲートに第1バイアス端子(bias1)端子が接続されるPチャンネルMOSトランジスタM
3を含み、bias1端子の電圧に応じて、テイル電流Iが規定される。
【0006】
定電流回路106は、入力差動対102に接続されるいわゆる能動負荷であり、トランジスタM
1と接続されるトランジスタM
4、トランジスタM
2と接続されるトランジスタM
5を含む。トランジスタM
4,M
5はbias1端子の電圧に応じた定電流を発生する。
【0007】
出力段110は、入力差動対102を構成するトランジスタM
1,M
2それぞれに流れる電流I
M1,I
M2の差分を、出力電圧V
OUTに変換し、OUT端子から出力する。
【0008】
図1(a)のボルテージフォロア回路200のように、差動増幅器100Rの出力端子OUTに大容量のキャパシタ(容量性負荷)が接続される場合、入力差動対102のドレイン側に位相補償のために、抵抗R
1,R
2およびキャパシタC
3が挿入される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特願2015−024291号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明者らは、
図1(b)の差動増幅器100Rについて検討した結果、以下の課題を認識するに至った。
【0011】
位相補償用の抵抗R
1,R
2は同じ抵抗値Rを有するよう設計され、理想状態では差動増幅器100Rの入力オフセット電圧V
OSはゼロとなる。しかしながら現実的には、抵抗R
1,R
2の抵抗値Rにミスマッチが発生し、これが入力オフセット電圧V
OSの原因となる。
【0012】
抵抗のミスマッチの影響について検討する。簡単のため、トランジスタにミスマッチは発生しておらず、抵抗R
2の抵抗値が設計値RよりもΔR増加しているとする。この増加した抵抗成分ΔRによって、第2入力トランジスタM
2のソース電圧V
S2は、第1入力トランジスタM
1のソース電圧V
S1よりも低くなる。この電位差V
S2−V
S1が、入力オフセット電圧V
OSとなる。ボルテージフォロア回路200においては、オフセット電圧V
OSは、入力電圧V
INと出力電圧V
OUTの差分として現れ、式(1)で定義することができる。
V
IN−V
OUT=V
OS …(1)
【0013】
また差動対のトランジスタM
1,M
2のソース電圧V
S1,V
S2と、入力電圧V
IN、出力電圧V
OUTの関係式は以下の通りである。
V
IN+V
GS2=V
S2
V
OUT+V
GS1=V
S1
ここで、V
GS1=V
GS2として式を整理すると、式(2)を得る。
V
IN−V
OUT=V
OS=V
S2−V
S1 …(2)
次に、コモン端子VCの電圧V
Cとソース電圧V
S1,V
S2の関係は、式(3),(4)で表される。
V
C−V
S2=(I/2+ΔI)×(R+ΔR) …(3)
V
C−V
S1=(I/2−ΔI)×R …(4)
式(2)〜(4)を整理すると、抵抗のミスマッチによって発生する入力オフセット電圧V
OSは式(5)として得られる。
V
OS=V
S2−V
S1=(I/2+ΔI)×(R+ΔR)−(I/2−ΔI)×R
=2ΔI・R+1/2・ΔR+ΔI・ΔR …(5)
【0014】
式(5)から明らかなように、入力オフセット電圧V
OSは、抵抗のミスマッチ量ΔRに応じて発生する。
【0015】
一般的に位相補償用の抵抗R
1,R
2は半導体チップ(ダイ)上にペア性を有するように近接配置される。これによりプロセスばらつきや温度変動に対して、抵抗R
1,R
2の抵抗値のミスマッチΔRが小さくなるよう配慮される。しかしながら、ミスマッチΔRを完全にゼロとすることは難しい。
【0016】
従来では、抵抗R
1,R
2の抵抗値をトリミング(調節)可能に構成し、半導体チップの出荷前の検査工程において、入力オフセット電圧V
OSがゼロに近づくように抵抗R
1,R
2の抵抗値が調節される。
【0017】
ところがトリミングが完了した後に、差動増幅器100の半導体チップをパッケージに収容する際、あるいはパッケージを、プリント基板に実装する際に、半導体チップに応力が発生し、抵抗R
1,R
2の抵抗値に、後発的なミスマッチが生ずる場合がある。
【0018】
本発明は係る課題に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、入力オフセット電圧を改善した差動増幅器の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明のある態様は差動増幅器に関する。差動増幅器は、第1入力トランジスタおよび第2入力トランジスタを含み、反転入力端子、非反転入力端子それぞれの電圧に応じた差動電流を生成する入力差動対と、入力差動対にテイル電流を供給するテイル電流源と、第1入力トランジスタの第1端子とテイル電流源の間に設けられる第1抵抗と、第2入力トランジスタの第1端子とテイル電流源の間に設けられる第2抵抗と、第1入力トランジスタの第2端子および第2入力トランジスタの第2端子と接続され、定電流を発生する定電流回路と、第1入力トランジスタの第2端子および第2入力トランジスタの第2端子と接続され、出力電圧を生成する出力段と、第1入力トランジスタの第2端子および第2入力トランジスタの第2端子と接続され、第1入力トランジスタの第1端子と第2入力トランジスタの第1端子の電位差に応じた差動の補正電流を発生する補正回路と、を備える。
【0020】
この態様によると、第1抵抗および第2抵抗のミスマッチを補正できる。
【0021】
補正回路は、第1補正トランジスタおよび第2補正トランジスタを含み、第1入力トランジスタの第1端子および第2入力トランジスタの第1端子それぞれの電圧に応じた差動の補正電流を生成する補正差動対と、補正差動対に電流を供給する補正電流源と、を含んでもよい。
【0022】
第1補正トランジスタ、第2補正トランジスタは、第1入力トランジスタ、第2入力トランジスタと同一極性であってもよい。同一極性とは、トランジスタが同型で、かつ極性(導電型)が同一である場合のほか、トランジスタが別型で、かつ極性(導電型)が同一である場合を含む。
【0023】
第1補正トランジスタ、第2補正トランジスタは、第1入力トランジスタ、第2入力トランジスタと逆極性(異極性)であり、補正回路は、第1補正トランジスタ、第2補正トランジスタに流れる電流を折り返し、差動の補正電流を生成するカレントミラー回路をさらに含んでもよい。逆極性とは、トランジスタが同型で、かつ極性(導電型)が異なる場合のほか、トランジスタが別型で、かつ極性(導電型)が異なる場合を含む。
【0024】
入力差動対は、PチャンネルMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であり、第1補正トランジスタ、第2補正トランジスタはPNP型バイポーラトランジスタであってもよい。
【0025】
入力差動対は、PチャンネルMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であり、第1補正トランジスタ、第2補正トランジスタはNPN型バイポーラトランジスタであってもよい。
【0026】
入力差動対は、NチャンネルMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であり、第1補正トランジスタ、第2補正トランジスタはNPN型バイポーラトランジスタであってもよい。
【0027】
入力差動対は、NチャンネルMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であり、第1補正トランジスタ、第2補正トランジスタはPNP型バイポーラトランジスタであってもよい。
【0028】
本発明の別の態様もまた、差動増幅器である。この差動増幅器は、反転入力端子および非反転入力端子と、制御端子が反転入力端子と接続される第1入力トランジスタと、制御端子が非反転入力端子と接続される第2入力トランジスタと、テイル電流を供給するテイル電流源と、テイル電流源と第1入力トランジスタの第1端子の間に設けられる第1抵抗と、テイル電流源と第2入力トランジスタの第1端子の間に設けられる第2抵抗と、制御端子が第1入力トランジスタの第1端子と接続され、第1入力トランジスタと同極性の第1補正トランジスタと、制御端子が第2入力トランジスタの第1端子と接続され、第2入力トランジスタと同極性の第2補正トランジスタと、第1補正トランジスタの第1端子および第2補正トランジスタの第1端子と接続される補正電流源と、第1入力トランジスタの第2端子および第1補正トランジスタの第2端子と接続される第1電流源と、第2入力トランジスタの第2端子および第2補正トランジスタの第2端子と接続される第2電流源と、第1入力トランジスタの第2端子および第2入力トランジスタの第2端子と接続され、出力電圧を生成する出力段と、を備える。
【0029】
本発明のさらに別の態様もまた、差動増幅器である。この差動増幅器は、反転入力端子および非反転入力端子と、制御端子が反転入力端子と接続される第1入力トランジスタと、制御端子が非反転入力端子と接続される第2入力トランジスタと、テイル電流を供給するテイル電流源と、テイル電流源と第1入力トランジスタの第1端子の間に設けられる第1抵抗と、テイル電流源と第2入力トランジスタの第1端子の間に設けられる第2抵抗と、制御端子が第1入力トランジスタの第1端子と接続され、第1入力トランジスタと逆極性の第1補正トランジスタと、制御端子が第2入力トランジスタの第1端子と接続され、第2入力トランジスタと逆極性の第2補正トランジスタと、第1補正トランジスタの第1端子および第2補正トランジスタの第1端子と接続される補正電流源と、第1補正トランジスタに流れる電流を折り返す第1カレントミラー回路と、第2補正トランジスタに流れる電流を折り返す第2カレントミラー回路と、第1入力トランジスタの第2端子および第1カレントミラー回路の出力端子と接続される第1電流源と、第2入力トランジスタの第2端子および第2カレントミラー回路の出力端子と接続される第2電流源と、第1入力トランジスタの第2端子および第2入力トランジスタの第2端子と接続され、出力電圧を生成する出力段と、を備える。
【0030】
差動増幅器は、ひとつの半導体基板に一体集積化されてもよい。「一体集積化」とは、回路の構成要素のすべてが半導体基板上に形成される場合や、回路の主要構成要素が一体集積化される場合が含まれ、回路定数の調節用に一部の抵抗やキャパシタなどが半導体基板の外部に設けられていてもよい。
【0031】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0032】
本発明のある態様によれば、差動増幅器の特性を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】
図1(a)は、差動増幅器の用途のひとつであるバッファ回路の回路図であり、
図1(b)は、差動増幅器の構成例を示す回路図である。
【
図2】実施の形態に係る差動増幅器の回路図である。
【
図4】
図4(a)、(b)は、
図3の差動増幅器における入力オフセット電圧V
OSの補正効果を示す図である。
【
図5】差動増幅器の別の構成例を示す回路図である。
【
図6】第2変形例に係る差動増幅器の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0035】
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合や、部材Aと部材Bが、電気的な接続状態に影響を及ぼさず、あるいは機能を阻害しない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、電気的な接続状態に影響を及ぼさず、あるいは機能を阻害しない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0036】
図2は、実施の形態に係る差動増幅器100の回路図である。差動増幅器100は主として、入力差動対102、テイル電流源104、定電流回路106、位相補償回路108、出力段110および補正回路120を備え、ひとつの半導体基板に一体集積化されている。差動増幅器100は、反転入力端子(IN−)と非反転入力端子(IN+)の電位差を増幅し、出力端子OUTから出力電圧V
OUTを出力する。
【0037】
入力差動対102は、PチャンネルMOSFETである第1入力トランジスタM
1、第2入力トランジスタM
2を含む。第1入力トランジスタM
1の制御端子(ゲート)は反転入力端子IN−と接続され、第2入力トランジスタM
2の制御端子は非反転入力端子IN+と接続される。入力差動対102は、反転入力端子IN−、非反転入力端子IN+それぞれの電圧V
IN+,V
IN−に応じた差動電流I
M1,I
M2を生成する。
【0038】
テイル電流源104は、入力差動対102にテイル電流Iを供給する。たとえばテイル電流源104は、制御端子(ゲート)がバイアス端子bias1と接続されるPチャンネルMOSFETであるトランジスタM
3を含む。
【0039】
位相補償回路108は、入力差動対102とテイル電流源104の間に挿入されている。位相補償回路108は、第1抵抗R
1、第2抵抗R
2およびキャパシタC
1を含む。第1抵抗R
1は、第1入力トランジスタM
1の第1端子(ソース)とテイル電流源104の間に設けられ、第2抵抗R
2は第2入力トランジスタM
2の第1端子(ソース)とテイル電流源104の間に設けられる。キャパシタC
1は、第1入力トランジスタM
1のソースと第2入力トランジスタM
2のソースの間に接続される。
【0040】
定電流回路106は、第1入力トランジスタM
1の第2端子(ドレイン)および第2入力トランジスタM
2の第2端子(ドレイン)と接続され、定電流I
M4,I
M5を発生する。たとえば定電流回路106は、制御端子(ゲート)が共通に接続されたNチャンネルMOSFETであるトランジスタM
4,M
5を含む。トランジスタM
4,M
5は、テイル電流源104が生成するテイル電流Iに比例した電流I
M4,I
M5が流れるように、bias1端子の電圧V
bias1に応じた電圧によってバイアスされる。具体的にはトランジスタM
11は、トランジスタM
4,M
5とともにカレントミラー回路を形成している。トランジスタM
12のゲートはbias1端子と接続され、トランジスタM
12には、テイル電流Iに比例した電流I
M12が流れ、したがって定電流回路106が生成する電流I
M4,I
M5と電流Iとは比例関係にある。
【0041】
出力段110は、第1入力トランジスタM
1の第2端子(ドレイン)および第2入力トランジスタM
2の第2端子(ドレイン)と接続され、出力電圧V
OUTを生成する。たとえば出力段110は、トランジスタM
6,M
7,M
8,M
9を含む。トランジスタM
6,M
7はNチャンネルMOSFETであり、それらの制御端子(ゲート)はbias2端子と接続され、所定のバイアス電圧が供給されている。トランジスタM
8,M
9はカレントミラー回路を構成している。トランジスタM
6のドレインは出力端子OUTと接続されている。
【0042】
なお、定電流回路106および出力段110の回路構成は特に限定されず、公知のさまざまな回路形式を採用することができる。たとえばカレントミラー回路としてカスコード型を用いてもよい。
【0043】
補正回路120は、第1入力トランジスタM
1の第1端子の電圧(ソース電圧)V
S1および第2入力トランジスタM
2の第1端子(ソース電圧)V
S2を受ける。補正回路120の2つの出力は、第1入力トランジスタM
1の第2端子(ドレイン)および第2入力トランジスタM
2の第2端子(ドレイン)と接続されており、第1入力トランジスタI
M1のソース電圧V
S1と第2入力トランジスタM
2のソース電圧V
S2の電位差に応じた差動の補正電流I
CMP1,I
CMP2を発生する。
【0044】
本発明は、
図2のブロック図や回路図として把握され、あるいは上述の説明から導かれるさまざまな装置、回路に及ぶものであり、特定の構成に限定されるものではない。以下、本発明の範囲を狭めるためではなく、発明の本質や回路動作の理解を助け、またそれらを明確化するために、より具体的な構成例や実施例を説明する。
【0045】
図3は、差動増幅器100の構成例の回路図である。
図3には差動増幅器100を用いて構成される。補正回路120は、補正差動対122、補正電流源124を含む。補正差動対122は、第1入力トランジスタM
1の第1端子(ソース)の電圧V
S1および第2入力トランジスタM
2の第1端子(ソース)の電圧V
S2に応じた差動の補正電流I
CMP1,I
CMP2を生成する。補正電流源124は、補正差動対122に定電流I
2を供給する。
【0046】
より具体的には補正差動対122は、PNP型の第1補正トランジスタQ
1および第2補正トランジスタQ
2を含む。PNP型のバイポーラトランジスタは、入力差動対102を構成するPチャンネルMOSFETと同極性である。第1補正トランジスタQ
1、第2補正トランジスタQ
2それぞれの制御端子(ベース)には、第1入力トランジスタM
1、第2入力トランジスタM
2のソースの電圧V
S1,V
S2が入力される。補正電流源124はPチャンネルMOSFETであるトランジスタM
10を含む。トランジスタM
10のゲートはbias1端子と接続され、トランジスタM
12、M
3とともにカレントミラー回路を形成しており、補正電流源124が生成する定電流I
2は、テイル電流源104が生成するテイル電流Iと比例関係にある。
【0047】
以上が差動増幅器100の構成例である。続いてその動作を説明する。
いま、抵抗R
1とR
2の抵抗値にミスマッチが発生し、R
1=R,R
2=R+ΔRとなったとする。このとき、トランジスタM
1の電流I
M1はΔI増加し、トランジスタM
2の電流I
M2はΔI減少する。
I
M1=I/2+ΔI
I
M2=I/2−ΔI
【0048】
第2入力トランジスタM
2のソース電圧V
S2は、第1入力トランジスタM
1のソース電圧V
S1より低くなる。そうすると、補正差動対122のトランジスタQ
2に流れる補正電流I
CMP2が増加し、トランジスタQ
1に流れる補正電流I
CMP1は減少する。
I
CMP1=I
2/2−ΔI’
I
CMP2=I
2/2+ΔI’
【0049】
入力差動対102から定電流回路106に流れ込む差動電流には、補正回路120が生成する補正電流が重畳される。したがって、補正後の差動電流はI
M1+I
CMP1およびI
M2+I
CMP2となる。つまりトランジスタM
1の電流I
M1の増加分ΔIが、トランジスタQ
1の電流I
M1の減少分ΔI’と打ち消しあい、トランジスタM
2の電流I
M2の減少分ΔIが、トランジスタQ
2の電流I
M1の増加分ΔI’と打ち消しあう。
【0050】
補正回路120は、抵抗R
1,R
2のミスマッチに起因するソース電圧V
S1,V
S2の差分、言い換えれば差動増幅器100の入力オフセット電圧V
OSを、差動の補正電流I
CMP1,I
CMP2に変換し、定電流回路106に流れ込むドレイン電流I
M1+I
CMP1,I
M2+I
CMP2が一定となるようにフィードバックがかかる。
【0051】
図3に示すようにボルテージフォロア回路200を構成すると、V
IN=V
OUTが成り立つようにフィードバックがかかる。したがって、第1入力トランジスタM
1、第2入力トランジスタM
2それぞれのソース電圧V
S1,V
S2は等しくなり、入力オフセット電圧V
OSをゼロに近づけることができる。
【0052】
以上が差動増幅器100の動作である。この差動増幅器100によれば、補正回路120による補正効果によって、入力オフセット電圧V
OSをゼロに近づけることができる。この補正効果は、プロセスばらつき、温度変動、応力などさまざまな要因に起因する抵抗のミスマッチΔRに対して有効である。
【0053】
図4(a)、(b)は、
図3の差動増幅器100における入力オフセット電圧V
OSの補正効果を示す図である。
図4(a)は、入力オフセット電圧V
OSの入力電圧V
INに対する依存性を示す。抵抗R
1,R
2の設計値は100kΩであり、(i)は、R
1が設計値よりも4kΩ増加した場合の特性を、(ii)は、R
2が設計値よりも4kΩ増加した場合の特性を示す。また比較のために、
図1(b)の従来の差動増幅器100Rの特性(iii)、(iv)が示される。(v)は抵抗のミスマッチΔRがゼロのときの特性を示す。
【0054】
補正回路120を設けない従来回路では、4kΩのミスマッチに対して、±7mVの入力オフセット電圧V
OSが発生するのに対して、補正回路120を備える差動増幅器100によれば、入力オフセット電圧V
OSを±1mV程度まで小さくできる。
【0055】
図4(b)は、入力オフセット電圧V
OSの抵抗値の差分ΔRに対する依存性を示す。(i)、(ii)はそれぞれ、
図3の差動増幅器100において、R
1,R
2が変動したときの特性を示す。(iii)、(iv)はそれぞれ、従来の差動増幅器100Rにおいて、R
1,R
2が変動したときの特性を示す。(i)と(iii)の対比、あるいは(ii)と(iv)の対比から、補正回路120を設けることにより、入力オフセット電圧V
OSが大幅に低減されることが分かる。
【0056】
図5は、差動増幅器100の別の構成例(100A)を示す回路図である。
図5の差動増幅器100Aにおいて、補正回路120Aは、補正差動対122A、補正電流源124Aに加えてカレントミラー回路126,128を備える。
【0057】
補正差動対122Aを構成する第1補正トランジスタQ
1、第2補正トランジスタQ
2は、NPN型バイポーラトランジスタであり、Pチャンネルの第1入力トランジスタM
1、第2入力トランジスタM
2とは逆極性である。補正電流源124Aは、トランジスタQ
1,Q
2の共通に接続されたエミッタに接続され、定電流I
2を生成する。補正電流源124Aは、定電流回路106のトランジスタM
4,M
5と同様にバイアスされるトランジスタM
11を含み、定電流I
2と、定電流回路106が生成する電流I
M4,I
M5とは比例関係にある。
【0058】
カレントミラー回路126は、第1補正トランジスタQ
1に流れる電流を折り返し、カレントミラー回路128は、第2補正トランジスタQ
2に流れる電流を折り返す。カレントミラー回路126,128は、差動の補正電流I
CMP1,I
CMP2を生成する。
【0059】
この構成によっても、
図3の差動増幅器100と同様の効果を得ることができる。
【0060】
以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
【0061】
(第1変形例)
図2、
図3、
図5に示されるMOSFETは、バイポーラトランジスタに置換してもよい。この場合、第1端子のソースをエミッタと読み替え、第2端子のドレインをコレクタと読み替えればよい。反対に
図2、
図3、
図5に示されるバイポーラトランジスタを、MOSFETに置換してもよい。
【0062】
(第2変形例)
図6は、第2変形例に係る差動増幅器100Bの回路図である。この差動増幅器100Bは、
図2の差動増幅器100を天地反転し、PチャンネルとNチャンネルを置換し、NPN型をPNP型に置換した構成と把握される。
【0063】
(変形例3)
実施の形態では、差動増幅器100をボルテージフォロア回路に利用したが、差動増幅器100の用途はそれには限定されない。差動増幅器100を用いて、非反転型あるいは反転入力端子のアンプを構成してもよい。
【0064】
実施の形態にもとづき、具体的な語句を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
【符号の説明】
【0065】
100…差動増幅器、102…入力差動対、104…テイル電流源、106…定電流回路、108…位相補償回路、110…出力段、120…補正回路、122…補正差動対、124…補正電流源、200…ボルテージフォロア回路、202…平滑キャパシタ、204…電圧源、M
1…第1入力トランジスタ、M
2…第2入力トランジスタ、Q
1…第1補正トランジスタ、Q
2…第2補正トランジスタ。