(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記導光板の前記入射面と対向する側面と前記導光板を収納するケースの側壁との隙間に弾性部材が配置されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の面状ライトユニット。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付
図1〜
図14を参照して本発明の好適な第1〜第3実施形態について詳細に説明する。なお図面の説明において、同一または相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図面の縮尺等は説明のため適宜変更し、また、構造が理解しやすいように一部を模式的に示している。
【0019】
[第1実施形態]
[第1実施形態の構成説明:
図1]
図1により第1実施形態として示す面状ライトユニット1の構成について説明する。面状ライトユニット1は、いわゆるサイドエッジ型である。面状ライトユニット1は、導光板10、複数のLED21、LED21を実装する基板23、LED21と導光板10の間に配置される透明柔軟性樹脂であるエラストマー30、及び、導光板10、LED21、基板23、エラストマー30等を収納するケースであるリアフレーム40等によって構成される。なお、面状ライトユニット1は、リアフレーム40を上部から覆うフロントフレーム60や光学シート62等(
図9参照)を有するが、ここでの図示は省略する。
【0020】
導光板10は、平板形状であり、一例として、厚さが2.0〜3.0mmのポリカーボネートやアクリルなどからなる。導光板10のひとつの側端には、細長い凹部11が設けられ、凹部11の底面には入射面11a(縦の破線で示す)が設けられている。なお、凹部11の詳細な構成は
図2で説明する。また、導光板10は、ひとつの主面に出射面12a(四角の破線で囲う)が設けられている。また、凹部11の両脇(図面の上下)に設けられ、出射面12a側から出射面12aと平行に突出する支持部13、14を有している。ここで、入射面11aを基準に支持部13、14が突出している長さを突出長L1と称する。
【0021】
基板23は、薄い短冊形状であり、ポリイミドをベースとするFPC(フレキシブルプリンテッドサーキット)である。基板23には、複数のLED21が長手方向に所定の間隔で実装され、各LED21に電力を供給するための電極(図示せず)が形成されている。LED21は、青色LEDチップを蛍光樹脂で被覆したパッケージ品である。
【0022】
エラストマー30は、短冊形状であり、柔軟性の高いシリコーン樹脂からなる。エラストマー30は、導光板10の凹部11に嵌め込まれ、複数のLED21と導光板10とを密着する。
【0023】
リアフレーム40は、底板を有する枠状体であり、アルミニウムからなる。リアフレーム40は、底板の四辺に側壁を有し、LED21や導光板10を収納する。リアフレーム40の側壁43(図面の左側)は、導光板10の支持部13、14が当接する。基板23は、リアフレーム40の側壁43の内側に伝熱テープ(両面テープ:図示せず)等で固着される。
【0024】
入射面11aに対向する導光板10の側面15と、リアフレーム40の側壁44(図面の右側)との隙間に二つの弾性部材16a、16bが配置される。この弾性部材16a、16bの横ずれを防ぐため、側面15の一部に複数の突起部17a〜17dが形成されている。突起部17aと17bは、対となって弾性部材16aを保持し、突起部17cと17dは、対となって弾性部材16bを保持する。なお、
図1は、後述する第2及び第3実施形態にも適用される。
【0025】
[第1実施形態における導光板の凹部周辺の詳細説明:
図2]
次に、
図2により導光板10の凹部11周辺の詳細を説明する。
図2は、
図1に示す切断線A−A´に沿って描いた面状ライトユニット1の要部断面図である。
図2に示すように、導光板10の凹部11は、底面(図では右側の面)に設けられた入射面11aと、この入射面11aを挟み対向する入射側面11b、11c(破線で示す)とを有する。入射側面11b、11cのそれぞれには、凹凸構造を備えたすべり防止部51、52が設けられている。なお、すべり防止部51、52は、入射側面11b、11cのどちらか一方でもよい。すべり防止部51、52の詳細な構成は、
図3で説明する。
【0026】
対向する入射側面11b、11cは、凹部11の外側に向かって広がっている。すなわち、
図2に示すように入射面11aの上端から下端までの距離より、凹部11の外端における入射側面11b、11c間の距離の方が長い。
【0027】
導光板10は、主面に設けられた出射面12aと、出射面12aに対向する反射面12bを有し、反射面12bの下面側には反射シート18が配置される。反射シート18は、樹脂からなり、導光板10から漏れ出した光を反射させて出射面12a側に戻す。
【0028】
また、導光板10の出射面12aと凹部11の間には、断面椀状の反射曲面19aが設けられている。同様に導光板10の反射面12bと凹部11の間には、断面椀状の反射曲面19bが設けられている。
【0029】
LED21を実装した基板23は、リアフレーム40の側壁43に位置決めされた状態で伝熱テープ(図示せず)で固着されている。
【0030】
エラストマー30は、凹部11に嵌め込まれ、柔軟性があるので、凹部11の形状に合わせて圧縮される。エラストマー30の一方の面(右側)は、導光板10の入射面11aと密着する。また、エラストマー30の他方の面は、LED21と密着する。このとき、LED21の蛍光樹脂と、エラストマー30及び導光板10の屈折率は略1.5程度である。すなわち、LED21と導光板10の入射面11aとは、間に空気層が介在せず、エラストマー30によって機械的及び光学的に密着する。
【0031】
[第1実施形態におけるすべり防止部の説明:
図3]
次に、
図3により凹部11の入射側面11bに形成されるすべり防止部51の詳細を説明する。
図3(a)は、すべり防止部51の部分平面図であり、
図3(b)は、
図3(a)に示す切断線B−B´に沿って描いたすべり防止部51の部分断面図である。
図3に示すように、すべり防止部51は、入射側面11bの表面に線状の凹凸構造が形成される。
【0032】
このすべり防止部51の凹凸構造は、エラストマー30を凹部11に嵌め込む方向(矢印H)に沿って稜線が形成される。なお、
図3(a)の右側が入射面11aであり、左側が凹部11の外端11dである。すべり防止部51の凹凸構造は、入射側面11bの表面積を増やすことが目的であるので、凹凸構造の断面形状は限定されず、たとえば、三角形や半円形でも良い。なお、入射側面11bに対向する入射側面11cの表面に形成されるすべり防止部52も同様である。
【0033】
ここで、エラストマー30は、凹部11に嵌め込まれると(
図2参照)、入射側面11b、11cに挟まれるように圧縮され、表面がすべり防止部51、52の凹凸構造に沿って変形する。その結果、凹部11の入射側面11b、11cとエラストマー30との間の接触面積が増え粘着力が向上する。これにより、エラストマー30は、導光板10の凹部11に嵌め込まれた状態を維持し、導光板10からずれたり抜け落ちたりしなくなる。
【0034】
[第1実施形態の組み立て工程の説明:
図4〜
図9]
次に、
図4〜
図9を用いて面状ライトユニット1の組み立て工程を説明する。
【0035】
工程1として
図4と
図5によりエラストマー30の貼り付け工程について説明する。
【0036】
図4に示すように、エラストマー30の上下の面(一方の面と他方の面)には、細長いセパレータ(台紙)31、32が貼り付けられている。上側のセパレータ31は、エラストマー30の長手方向より長く、両端がはみ出ている。
図4に示す貼り付け工程では、まず、入射面11a側(下側)のセパレータ32をはがす。次に上側のセパレータ31の両端(はみ出ている部分)を持って、エラストマー30を矢印Cの方向に移動させ、導光板10の凹部11に嵌め込む。
【0037】
続いてセパレータ31を介してエラストマー30を弱い力で押圧する。これにより、エラストマー30は凹部11の入射面11aまで嵌め込まれるとともに入射側面11b、11c(
図2参照)に粘着し、導光板10に貼り付いた状態となる。最後にセパレータ31をはがす。
【0038】
図5は、貼り付け工程におけるエラストマー30と導光板10の凹部11の断面図である。
図5では、セパレータ32(
図4参照)が剥がされたエラストマー30を準備し、エラストマー30を矢印Cの方向に移動させ、最終的にエラストマー30が凹部11に嵌め込まれた状態が得られる様子を示している。すなわち、前述したように、セパレータ31を持ってエラストマー30を移動させて入射面11aに押圧すると、エラストマー30は、凹部11の形状に合わせて変形し、粘着性を向上させるため接触面積を増大させたすべり防止部51、52に密着する。これにより、以降の組み立て工程で、エラストマー30が導光板10からずれたり抜け落ちたりすることを避けられる。
【0039】
工程2として
図6の断面図によりリアフレーム40に基板23と導光板10を収納する工程について説明する。
図6に示すように、工程2の最初の段階で、リアフレーム40の側壁43の内側に、伝熱テープ24によってLED21を実装した基板23を貼り付ける。このとき、基板23の位置ずれを防ぐために、基板23の側面23aがリアフレーム40の底板45に当接するように位置決めして固着すると良い。
【0040】
次に凹部11にエラストマー30を貼り付けた導光板10をリアフレーム40の底板45上に置く(矢印D方向に移動させる)。ここでエラストマー30にはストレスが掛からない。すなわち、導光板10の凹部11に嵌め込まれているエラストマー30は、前述したように、粘着力が向上しているので、凹部11からずれたり抜け落ちたりしない。
【0041】
工程3として
図7の断面図により導光板の押圧工程について説明する。
図7に示すように、押圧治具100を用いて、リアフレーム40に収納された導光板10を、側面15から矢印Eの方向に押圧する。この押圧治具100によって、導光板10は、支持部13、14(
図1参照)がリアフレーム40の側壁43に当接するまで押し込まれる。
【0042】
ここで、基板23とLED21とエラストマー30の各厚みを合計した長さL2(
図7は押圧直前の状態を示している)が、支持部13、14の突出長L1(
図1参照)より、所定量ДLだけ長くなるように設計すると良い。これにより、導光板10が押圧治具100によって押圧されると、柔軟性のあるエラストマー30が圧縮され、所定量ДL分だけ圧縮変形する。この結果、エラストマー30はLED21の出光面21b及び導光板10の入射面11aを確実に密着するので、LED21の出光面21bから導光板10の入射面11aまでの間に空気層は存在し得ない。なお、エラストマー30の圧縮変形の目安となるДLは、エラストマー30の圧力でLED21を破壊しない範囲で実験的に決めると良い。
【0043】
工程4として
図8の斜視図により導光板の固定工程について説明する。
図8に示すように、工程4は、前述の工程3の最後の段階において弾性部材16a、16bを挿入するものである。すなわち、押圧治具100で導光板10を矢印Eの方向に押圧して、支持部13、14をリアフレーム40の側壁43に当接させたら、入射面11aに対向する側面15とリアフレーム40の側壁44との隙間に弾性部材16a、16bを挿入する。これにより、導光板10は、弾性部材16a、16bの弾性力によってリアフレーム40に固定される。
【0044】
ここで、工程3、4では導光板10を水平方向にわずかな距離(ДL+α程度の距離)を移動させるだけである。すなわち、工程3、4により、導光板10をわずかな距離だけ移動させるだけで、導光板10をリアフレーム40に固定出来る。このとき、凹部11に嵌め込まれているエラストマー30は、ずれたり抜け落ちたりしないので、LED21と導光板10の間で正しく配置される。したがって面状ライトユニット1は、リアフレーム40に導光板10を固定する際の組み立て作業性が良い。
【0045】
工程5として
図9の断面図により最終組み立て工程について説明する。
図9に示すように、リアフレーム40に固定された導光板10の出射面12aに、光学シート62を積層する。光学シート62は、出射面12a側から、拡散シート、プリズムシートを積層し、さらに必要に応じて反射型偏光板を積層する。
【0046】
次にリアフレーム40の上側から枠状のフロントフレーム60を被せ、図示しないフック等でリアフレーム40と係合させる。以上により面状ライトユニット1が完成する。導光板10の発光は、導光板10の出射面12aから出射される出射光Pが光学シート62を通って、フロントフレーム60に設けられた開口部61から、外部に出射される。
【0047】
[第1実施形態の導光状態の説明:
図10]
図10により面状ライトユニット1の導光状態について説明する。
図10は、
図2の断面図から光学特性に係る部材だけを抜き出して示した拡大断面図である。
図10では、LED21から導光板10へ入射し、導光板10内を伝搬しようとする光線を矢印で示している。
【0048】
図10に示すように、導光板10には入射面11aの上下に反射曲面19a、19bが設けられている。また、導光板10の出射面12aに対向する反射面12bには、導光板10内を伝搬する光の進行方向を変え、この光を出射面12aから出射させるためのドット(図示せず)が形成される。反射面12bの下側には、空気層を介して反射シート(図示せず)を配置する。
【0049】
良く知られているように、屈折率n1の媒質から屈折率n2の媒質に光が侵入しようとすると反射が発生する(以下、フレネル損という)。フレネル損は屈折率n1と屈折率n2の差が大きくなればなるほど大きくなる。面状ライトユニット1では、LED21の蛍光樹脂、LED21と導光板10の間に介在するエラストマー30、及び、導光板10の屈折率が前述したように略1.5程度になっている。このため、LED21の出光面21bから導光板10の入射面11aまでの間で屈折率の段差がほとんどない。すなわち面状ライトユニット1では、フレネル損はほとんど発生しないため高い発光効率が得られる。
【0050】
したがって、LED21に内蔵されたLEDチップ22から導光板10に向かう光線のうち中心付近の光線Psは、LEDチップ22を封止する蛍光樹脂21aと導光板10の入射面11aがエラストマー30によって機械的及び光学的に密着しているので、フレネル損がほとんどない状態で導光板10の内部に導かれていく。
【0051】
また、斜め上方(又は下方)に向かう光線Phは、凹部11の入射側面11b、11cを通過して斜めに導光板10に入射した後、反射曲面19a、19bによって全反射され、導光板10の内部に導かれていく。この光線Phは、もし仮に反射曲面19a、19bがないとしたら多くの部分が導光板10の上面から漏れ出してしまうものである。この結果、フレネル損がほとんど発生しないため高い発光効率が得られる面状ライトユニット1は、反射曲面19a、19bによってさらに発光効率を向上させている。
【0052】
また、入射側面に凹凸構造のない面状ライトユニットでは、出射面12aにおいて反射曲面19aとの境界付近で他の領域より明るくなる現象が見られた。しかしながら、面状ライトユニット1では、この領域において明るさが他の領域より明るくなる現象が改善され、均一な輝度分布を得ることができた。
【0053】
以上のように、面状ライトユニット1は、導光板10の凹部11において入射面11aを挟む入射側面11b、11cに凹凸構造を備えたすべり防止部51、52が設けられていることを特徴としている。このすべり防止部51、52により、導光板10とエラストマー30との間では接触面積が増えることにより粘着力が向上する。すなわち、LED21と導光板10の間に柔軟性の高いエラストマー30が介在する面状ライトユニット1は、位置ずれを無くす調整作業などを不要とするなかで、エラストマー30が導光板10の凹部11からずれたり抜け落ちたりしないため、よりいっそう容易に組み立てられるようになる。
【0054】
[第2実施形態]
図11と
図12により第2実施形態として示す面状ライトユニット2について説明する。なお、面状ライトユニット2は、第1実施形態として示した面状ライトユニット1(
図1、
図2参照)と比較して、凹部11の入射側面11b、11cに形成される凹凸構造のみが異なる。そこで、
図1、3〜10及びその説明が面状ライトユニット2にも適用できるものとして、凹部11の構成を中心に説明し、他の構成の説明は省略する。
【0055】
[第2実施形態における導光板の凹部周辺の詳細説明:
図11]
図11は、
図1に示す切断線A−A´に沿って描いた面状ライトユニット2の要部断面図である。
図11に示すように、導光板10の凹部11は、第1実施形態と同様に底面に設けられた入射面11aと、この入射面11aを挟み対向する入射側面11b、11cとを有する。入射側面11b、11cのそれぞれには、凹凸構造を備えたすべり防止部53、54が設けられている。
【0056】
なお、すべり防止部53、54は、入射側面11b、11cのどちらか一方だけに設けてもよい。すべり防止部53、54の詳細な構成は、
図12で説明する。エラストマー30は、凹部11に嵌め込まれ、圧縮されることにより凹部11の形状に合わせて変形し、導光板10の入射面11aに密着するとともに、凹凸構造と嵌合するようにして入射側面11b、11cに密着する。
【0057】
[第2実施形態におけるすべり防止部の説明:
図12]
次に、
図12により凹部11の入射側面11bに形成されるすべり防止部53の詳細を説明する。
図12(a)は、すべり防止部53の部分平面図であり、
図12(b)は、
図12(a)に示す切断線F−F´に沿って描いたすべり防止部53の断面図である。
図12に示すように、すべり防止部53は、入射側面11bの表面に線状の凹凸構造が形成される。
【0058】
すべり防止部53の凹凸構造は、エラストマー30を凹部11に嵌め込む方向(矢印H)に直交するように稜線が形成される。すべり防止部53の凹凸構造は、入射側面11bの表面積を増やすことが目的であるので、凹凸構造の断面形状は限定されず、たとえば、三角形や半円形でも良い。なお、入射側面11bに対向する入射側面11cの表面に形成されるすべり防止部54も同様である。
【0059】
ここで、エラストマー30は、凹部11に嵌め込まれると(
図11参照)、入射側面11b、11cに挟まれるように圧縮され、表面がすべり防止部53、54の凹凸構造に沿って変形する。その結果、凹部11の入射側面11b、11cとエラストマー30との間の接触面積が増え粘着力が向上する。これにより、エラストマー30は、導光板10の凹部11に嵌め込まれた状態を維持し、導光板10からずれたり抜け落ちたりしなくなる。
【0060】
以上のように、面状ライトユニット2は、すべり防止部53、54に設けられた凹凸構造の稜線が、導光板10の凹部11にエラストマー30を嵌め込む方向に直交することを特徴としている。このすべり防止部53、54により、導光板10とエラストマー30との間では接触面積が増えて粘着力が向上する。これにより、第1実施形態として示した面状ライトユニット1と同様な効果を奏する。
【0061】
また、すべり防止部53、54は、前述したようにエラストマー30を嵌め込む方向に直交するように稜線が形成されているので、エラストマー30が凹部11から抜け出る方向に対して抵抗力が生じ、第1実施形態として示した面状ライトユニット1より抜け落ちにくくなる。なお、面状ライトユニット2の組み立て工程と導光状態は、面状ライトユニット1と同様であるので説明は省略する。
【0062】
[第3実施形態]
図13と
図14により第3実施形態として示す面状ライトユニット3について説明する。なお、面状ライトユニット3は、第1実施形態として示した面状ライトユニット1(
図1、
図2参照)と比較して、凹部11の入射側面11b、11cに形成される凹凸構造のみが異なる。そこで、
図1、3〜10及びその説明が面状ライトユニット3にも適用できるものとして、凹部11の構成を中心に説明し、他の構成の説明は省略する。
【0063】
[第3実施形態における導光板の凹部周辺の詳細説明:
図13]
図13は、
図1に示す切断線A−A´に沿って描いた面状ライトユニット3の要部断面図である。
図13に示すように、導光板10の凹部11は、第1実施形態と同様に底面に設けられた入射面11aと、この入射面11aを挟み対向する入射側面11b、11cとを有する。入射側面11b、11cのそれぞれには、凹凸構造を備えたすべり防止部55、56が設けられている。
【0064】
なお、すべり防止部55、56は、入射側面11b、11cのどちらか一方だけに設けてもよい。すべり防止部55、56の詳細な構成は、
図14で説明する。エラストマー30は、凹部11に嵌め込まれ、圧縮されて凹部11の形状に合わせて変形し、導光板10の入射面11aに密着するとともに、凹凸構造と嵌合するようにして入射側面11b、11cに密着する。
【0065】
[第3実施形態におけるすべり防止部の説明:
図14]
次に、
図14により凹部11の入射側面11bに形成されるすべり防止部55の詳細を説明する。
図14(a)は、すべり防止部55の部分平面図であり、
図14(b)は、
図14(a)に示す切断線G−G´に沿って描いたすべり防止部55の断面図である。
【0066】
図14に示すように、すべり防止部55は、それぞれの凹凸構造が独立しており、ドット状に凹凸構造が形成される。
図14に示す例では、エラストマー30の嵌め込み方向(矢印H)に対して、凹凸構造が半ピッチずつずれて形成されるが、このような構成に限定されず、たとえば、ランダムなドット状の凹凸構造でも良い。
【0067】
すべり防止部55の凹凸構造は、入射側面11bの表面積を増やすことが目的であるので、凹凸構造の断面形状は限定されず、たとえば、三角形や半円形でも良い。なお、入射側面11bに対向する入射側面11cの表面に形成されるすべり防止部56も同様である。
【0068】
ここで、エラストマー30は、凹部11に嵌め込まれると(
図13参照)、入射側面11b、11cに挟まれるように圧縮され、表面がすべり防止部55、56の凹凸構造に沿って変形する。その結果、凹部11の入射側面11b、11cとエラストマー30との間の接触面積が増え粘着力が向上する。これにより、エラストマー30は、導光板10の凹部11に嵌め込まれた状態を維持し、導光板10からずれたり抜け落ちたりしなくなる。
【0069】
以上のように、面状ライトユニット3は、導光板10の凹部11の入射側面11b、11cにドット状の凹凸構造を備えたすべり防止部55、56が設けられていることを特徴としている。このすべり防止部55、56により、導光板10とエラストマー30との間では接触面積が増えて粘着力が向上する。これにより、第1実施形態として示した面状ライトユニット1と同様な効果を奏する。
【0070】
また、すべり防止部55、56は、凹凸構造がドット状に形成されているので、エラストマー30が凹部11から抜け出る方向と、抜け出る方向に直交する方向との両方に大きな抵抗力を生じる。なお、面状ライトユニット3の組み立て工程と導光状態は、面状ライトユニット1と同様であるので説明は省略する。