(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ダクトシステムは、前記膜の表面を通して太陽熱を捕らえ、且つ熱伝達モジュールを通して前記太陽熱を他の媒体に伝達するように構成されたクローズドシステムである、請求項1に記載のシステム。
前記ダクトシステムは、熱伝達モジュールを通して他の媒体から熱を受け取り且つ前記膜の表面を通して前記熱を放出するように構成されたクローズドシステムである、請求項1に記載のシステム。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本開示は、類似の符号が類似の要素を指す添付の図面と併せて以下の詳細な説明からより完全に理解されるであろう。
【
図1】例示的な実施形態による太陽熱制御システムの概略図である。
【
図2】例示的な実施形態による太陽熱制御システム用の屋根瓦の底面図である。
【
図4A】例示的な実施形態による一連の重なっている屋根瓦の側面図である。
【
図4B】別の実施形態による平坦な屋根膜用の重なっている屋根瓦の正面斜視図である。
【
図5】例示的な実施形態による太陽熱制御システムの熱収集ユニットの等角図である。
【
図6】例示的な実施形態による熱収集ユニット用のフードの等角図である。
【
図7】例示的な実施形態による変更された形態のフードの等角図である。
【
図8】例示的な実施形態による追加の機能モジュールを有する熱収集ユニットの分解図である。
【
図10】例示的な実施形態による太陽熱制御システムの通気棟用の棟留め具の斜視図である。
【
図11】例示的な実施形態による通気棟用の棟瓦の斜視図である。
【
図12】例示的な実施形態による通気棟の斜視図である。
【
図13】一実施形態による太陽熱制御システムの概略図である。
【
図14】一実施形態によるフレキシブルダクトシステムを有する太陽熱制御システムの概略図である。
【
図15】一実施形態による逆方向の空気流を有する太陽熱制御システムの概略図である。
【
図16】一実施形態による逆方向の空気流を有する別の太陽熱制御システムの概略図である。
【
図19】一実施形態による両方の屋根瓦試験環境で測定された雲のない日の気温のグラフ表示である。
【
図20】一実施形態による5日間にわたる熱交換器前後の温度の相関関係のグラフ表示である。
【
図21】一実施形態による周囲空気との熱交換器前後の温度のグラフ表示である。
【
図22】一実施形態による温水シリンダーが熱交換器に接続された状態の熱交換器前後の温度のグラフ表示である。
【
図23】一実施形態による数日間にわたる算出エネルギー及び効率を示す表である。
【
図24】一実施形態による異なる屋根スパンに対する屋根の空洞の空気温度のグラフ表示である。
【
図25】一実施形態による屋根の空洞を通る空気流のグラフ表示である。
【
図26】一実施形態による水タンクを加熱するためのシミュレーションのグラフ表示である。
【
図27】一実施形態による太陽熱制御システムの概略図である。
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図28】一実施形態による制御センサーを有する太陽熱制御システムの概略図である。
【
図29】一実施形態によるファン速度制御装置を有する太陽熱制御システムの概略図である。
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図30】一実施形態による水の循環を有する太陽熱制御システムの概略図である。
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図31A】一実施形態による暖房を有する太陽熱制御システムの概略図である。
【
図31B】一実施形態による太陽熱制御システム用の閉ループの構成の概略図である。
【
図32】一実施形態によるハイブリッド水加熱機能を有する太陽熱制御システムの概略図である。
【
図33】一実施形態によるハイブリッド太陽熱制御システムの概略図である。
【
図34A】一実施形態による太陽熱制御システム用の様々な構成の概略図である。
【
図34B】一実施形態による太陽熱制御システム用の様々な構成の概略図である。
【
図34C】一実施形態による太陽熱制御システム用の様々な構成の概略図である。
【
図34D】一実施形態による太陽熱制御システム用の様々な構成の概略図である。
【
図35A】一実施形態による太陽熱制御システムの異なる構成に関連する様々な性能統計のグラフ表示である。
【
図35B】一実施形態による太陽熱制御システムの異なる構成に関連する様々な性能統計のグラフ表示である。
【
図36】一実施形態による吸収ベースの冷房を有する太陽熱制御システムの概略図である。
【
図37A】一実施形態による太陽熱制御システムの様々な構成に関連する加熱性能のグラフ表示である。
【
図37B】一実施形態による太陽熱制御システムの様々な構成に関連する加熱性能のグラフ表示である。
【
図37C】一実施形態による太陽熱制御システムの様々な構成に関連する加熱性能のグラフ表示である。
【
図37D】一実施形態による太陽熱制御システムの様々な構成に関連する加熱性能のグラフ表示である。
【
図38A】一実施形態による水加熱プロセス中の太陽熱制御システムの様々な構成に関連する性能統計のグラフ表示である。
【
図38B】一実施形態による水加熱プロセス中の太陽熱制御システムの様々な構成に関連する性能統計のグラフ表示である。
【
図39】一実施形態による太陽熱制御システムの概略図である。
【
図40】例示的な実施形態による太陽熱制御システムの熱収集ユニットの側面図である。
【
図42】例示的な実施形態による
図40に示される熱収集ユニット用のフードの切り離された側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
例示的な実施形態を詳細に示す図面を見る前に、本出願は明細書に記載され又は図面に示されている詳細又は方法に限定されないことを理解すべきである。また、用語は説明のためのものであり、限定とみなされるべきでないことを理解すべきである。
【0008】
図面を全体的に参照すると、太陽熱システムが示されている。太陽熱システムは、図面全体にわたって屋根の設備として示されているが、システムは、建物又は構造物のあらゆる下地支持材(例えば、壁、屋根など)に、構造物において太陽エネルギーを収集するために取り付けられ又は連結されることができる。太陽熱システムは、建築構造物の下地支持材と共に空洞を形成する外側被覆材又は外膜(例えば、1つ又は複数の屋根瓦)から成る太陽熱収集器を含むことができる。システムは、空洞から空気を取り出すことによって太陽エネルギーから熱を収集するように構成されている。太陽熱システムはまた、外膜の下に取り付けられ且つ空洞からの空気流を集めて導くように空洞に接続されることができる、熱収集ユニット(例えば、熱ボックス)を含む。システムはまた、太陽熱システム内の空気の流れを導くためにダクト(すなわち、ダクトシステム)を含むことができる。本明細書に記載されているシステムは、暖かい季節の間は建物又は他の関連する構造物への熱負荷を軽減し、寒い季節の間は建物又は他の構造物内で生成される熱エネルギーの漏れを低減することによって、建物の効率性(例えば、エネルギー効率)を提供するという付加的な利点をもたらす。
【0009】
図1を参照すると、例示的な実施形態による太陽熱制御システム100が示されている。システム100は、建物又は他の構造物の最も外側の(例えば、最上部の)面を形成するように構成されることができる。システム100は、関連する建物の下地支持材112(例えば、防水紙、合板、乾式壁など)を覆うように構成された屋根膜102を含む。屋根膜102は、下地材112を含む、要素から構造物を保護するための耐候性材料から少なくとも部分的に作られ得る。屋根膜102の最外面は、ソーラーパネルのような、太陽光を吸収するように構成された材料から作られることができる。例示的な実施形態では、屋根膜102は、少なくとも
図2から4に示されるように、複数の重なる部分(例えば瓦、屋根板など)から作られる。
【0010】
屋根膜102は、膜102と下地材112との間に空気が流れるための空洞108を形成するように構成されている。例示的な実施形態では、空洞108内の空気は、屋根膜102によって捕らえられた太陽光(すなわち、太陽エネルギー)によって加熱される。高温空気は、空洞108から熱ボックス104として示される熱収集ユニットに引き出される。高温空気のための例示的な経路が
図1の矢印で示されている。熱ボックス104は、空洞108に流体接続され、空洞108から高温空気を受け取るように構成されている。熱ボックス104及び他の類似の熱収集ユニットは、
図5から9により具体的に示され、以下で更に詳細に説明されている。
【0011】
熱収集ユニット104から、空気は建物内の水又は環境を加熱するのに使用されるべく建物内に(
図1によれば下方に)転送されるか、或いは空気はシステム100の通気口付き棟106を通して外気中に排出される。空気はまた、この又は他の実施形態において他の方法で建物から(例えば、ダクトを通して切妻壁のような外壁に)放出されることもできる。通気口付き棟106は、屋根膜102の一部を覆うように構成され、システム100から(例えば、熱ボックス104から)排出される余分な高温空気のための開口部114として示される少なくとも1つの抽出点を提供する。システム100は、他の実施形態では任意の数の抽出点(例えば、開口部、排気領域など)を含むことができる。抽出点の数は、屋根又は関連する建物の大きさ及び/又は形状及び/又は熱制御システム100の特定の用途によって決まり得る。例示的な実施形態では、抽出点の数は、熱制御システム100の特定の機能又は用途を果たすために最小にされる。一実施形態では、例えば、システム100は、屋根の稜線に沿って中央に位置するただ1つの抽出点を含むことができる。通気口付き棟106及びその主要なコンポーネントは、
図10から12により具体的に示され、以下で更に詳細に説明されている。
【0012】
次に
図2及び3を参照すると、例示的な実施形態による屋根瓦200が示されている。本実施形態では、
図4に示すように、屋根膜102又は他の同様な外側被覆材又はシステム100用のカバーを形成するために、2つ以上の屋根瓦200を組み合わせること(例えば、連結する、積み重ねる、重ねることなど)ができる。屋根瓦200の各々は、アンダーラップ部分202(例えば、底部、下部など)と、オーバーラップ部分204(例えば、頂部、上部など)とを含む。部分202及び204は類似の材料から作られることができる。例示的な実施形態では、部分202及び204が膜102を形成するために重なるように、部分202及び204は、類似の寸法を有し、類似の領域を含む。
【0013】
アンダーラップ部分202は、関連する建物の下地材112(又は他の外面)の上に載り、アンダーラップ部分202の残りの部分を下地材112の上の距離だけ持ち上げるように構成された脚部206を含む。脚部206が下地材112の上に載っているとき、空洞108はアンダーラップ部分202と下地材112との間に(すなわち、脚部206の周り又は間に)形成される。脚部206は、所望の又は必要な空洞108に従って成形されることができる。例えば、脚部の高さ206は空洞108を通る意図される空気流に関連し、高さが大きいほどより大きな空気流を導くことができる。脚部206の形状及び大きさは、理想的な空気流のために最適化されることができる。一実施例として、脚部206のような脚部は、収集ユニット(例えば、熱ボックス104)の方を向いて横切りながら空気の最大熱利用のために層流を妨害するように配置され得る。脚部は、脚部及び/又はシステム100の特定の用途及び要件に応じて中実又は中空であり得る。脚部206は、空気抵抗を最小にし且つ脚部206の周りの空気流及び空洞108を通る空気流を増すように成形されることができる。例えば、脚部206は、丸みを帯びた前縁を有することができ、概ねU字形状であることができる。例示的な実施形態では、脚部206は屋根瓦200と下地材112との間に約20ミリメートルのエアギャップを提供するような大きさ及び形状にされる(例えば、脚部206及び/又は空洞は約20ミリメートルの高さを有する)。エアギャップ(例えば、空洞108)は、空気が一部分(例えば、屋根瓦200)又は屋根全体(例えば、膜102)から中央に位置する熱収集ユニット(例えば、熱ボックス104)に引き出されるのを可能にするよう意図されている。しかしながら、建造物の屋根は、熱エネルギーの取り入れを最適化するために複数の収集ユニットを含むことができる。例えば、一実施形態では、太陽熱エネルギーは、第1屋根面から収集され、第2屋根面の雪を溶かすために(例えば、ダクト及びダンパーのシステムを通して)第2屋根面に導かれることができる。別の実施形態では、第1屋根面又は屋根面の部分は水の加熱に利用されることができ、第2屋根面又は屋根面の部分は暖房に利用されることができる。
【0014】
アンダーラップ部分202は、システム100の特定の用途に適するように任意の数の脚部206を含むことができる。例えば、アンダーラップ部分202は、空洞108を通して大きな空気流が必要とされる場合に(すなわち、空洞108内に大きな空気空間を形成するために)少ない脚部206を含むことができる。アンダーラップ部分202はまた、屋根瓦200が特に重い材料から作られている場合に(すなわち、瓦200の重量を支持するために)又は屋根の比較的人通りが多い領域に位置する場合に(例えば、屋根の上の全ての作業者又は他の人の重量を支持するために)多くの脚部206を含むことができる。脚部206は、アンダーラップ部分202を下地材112の上の適切な距離だけ持ち上げて空洞108を形成するためにアンダーラップ部分202にわたって概ね均等に間隔を置いて配置されることができる。
【0015】
アンダーラップ部分202はまた、部分202と204の間の境界線210の近くに位置する固定点208を含む。固定点208は、屋根瓦200を熱ボックス104のような熱収集ユニットに取り付けるための取り付け点を提供することができる。固定点208は、瓦200をユニット104に固定するように、関連する熱収集ユニット104の1つ以上の機構に関連して寸法付けられ且つアンダーラップ部分202上に配置されることができる。固定点208は、熱収集ユニット(
図5から9参照)に関連して以下で更に詳細に説明される。
【0016】
次に
図4A及び4Bを参照すると、例示的な実施形態による屋根膜102が示されている。屋根膜102は、傾斜した又は斜めの屋根(
図4A)又は実質的に平坦な屋根(
図4B)用に構成されることができる。
図4Aの実施形態では、屋根膜102は複数の重なっている屋根瓦200から形成されている。瓦200のそれぞれのオーバーラップ部分204が、隣接する瓦のアンダーラップ部分202を覆っている。一実施形態では、瓦200の部分202及び204は屋根膜102を安定させるために互いに連結されることができる。例えば、部分202及び204の各々は、瓦200を連結するために互いにかみ合うように構成された対応するロックアセンブリを含むことができる。また、ロックアセンブリは、上層面と基層面との間の熱伝達を最適化するように構成されることができる。
【0017】
屋根膜102は、本実施形態ではシール116を含む。シール116は、シール116の領域において空洞108(すなわち、屋根膜102と下地材112との間の空間)を密封するように構成されている。例示的な実施形態では、シール116は、(例えば、
図4Aの屋根のような傾斜屋根の上で)空洞108内の空気の方向付け及び収集を補助するために屋根の最も高い場所で屋根膜102の下に設置されている。他の実施形態では、システム100は、システム100内(例えば、空洞108内)の空気を密封するためにシール402に類似する他のシールを含むことができ、空気とデブリ及び水分の浸入の両方を防止又は大幅に低減するシールを維持するように構成された水切りを含む。また、空気が通ることを可能にすると同時にデブリ及び水分の浸入を防止するように(例えば、瓦の最初の段の下に)フィルターを設置することができる。
【0018】
次に
図5を参照すると、例示的な実施形態による熱収集ユニット104が示されている。熱収集ユニット104は、空洞108から導かれた空気(例えば、加熱空気)を収集するために空洞108に流体接続するように構成されている。空気は、関連する建物内で使用される水を加熱するか又は他の方法で建物の環境に熱又は他のエネルギーを供給する(例えば、建物内の周囲温度を上げる)ために熱収集ユニット104から進路変更されることができる。別の実施形態では、熱収集ユニット104は空気から熱とその結果として湿度(例えば、水分)を除去する。除湿され、冷却された排気はその後、関連する建物の居住空間を冷却するために使用されることができる。除去された熱は、水(例えば、タンク、プール、スパなど)又は他の流体又は媒体に移されることができる。熱収集ユニット104は、関連する建物の外側から設置されることができる。熱収集ユニット104は一般的に、屋根膜102を取りつけ又は設置する前に設置される。例えば、熱収集ユニット104に適合するように寸法付けられた開口部が(例えば、下地材112を通って)建物の屋根の内部に形成されることができる。開口部は、下地材112に穴を開けることによって形成されることができる。熱収集ユニット104は、開口部内に配置され、開口部を密封するように屋根膜102によって覆われることができる。熱収集ユニット104は、特に図示された屋根の内部に設置され且つ屋根瓦200によって形成された空洞108から空気を受け取るように構成されているが、ユニット104はまた、波形鉄板(トタン)又はテラコッタの瓦を含む、裏面に同様の空洞を提供するあらゆる類似の熱制御システムで使用されることができる。
【0019】
図5の図示された実施形態では、熱収集ユニット104は、リブ504を有するフード502と、そこから空気が通されるベース506とを含む。フード502は、熱収集ユニット104が取り付けられるときに建物の屋根の勾配(例えば、傾斜、角度、急峻度)と概ね一致することが必要とされ得る。フード502は、熱収集ユニット104を形成するためにベース506と連結するように構成されている。リブ504は、熱収集ユニット104が建物に設置された後にフード502に付け加えられてもよい。リブ504は、屋根瓦200用の固定点を提供することができる。例えば、1つの瓦200の固定点208は、瓦200をユニット104に連結するためにリブ504に貼り付けられるか又は他の方法で連結されることができ、瓦200及び/又はユニット104を安定させることができる。一実施形態において、シール116は、膜102と熱収集ユニット104との間の概ね気密のシールを形成するために、第1端部がリブ504の1つに連結し且つ第2端部が屋根膜102に連結するように構成されている。別の実施形態では、柔軟な蛇腹状の材料が様々な屋根勾配に適合し且つ密封するために使用され得る。
【0020】
フード502はまた、熱収集ユニット104の頂部でリブ504の間に位置する開口部508、510及び512を含む。開口部508、510及び512は、空洞108から空気を受け取るように且つ/又は通気口付き棟106にある抽出点を通して空気を建物の外側に進路変更又は排気するように構成されることができる。他の実施形態では、フード502は、より多いか又はより少ない開口部を含み、開口部は、太陽熱制御システム100及び/又は熱収集ユニット104の特定の用途に応じて違うように構成されることができる。例えば、開口部は、特定の建物のエネルギー及び通気の要件に応じた寸法及び位置にされることができる。例示的な実施形態では、熱収集ユニット104は、開口部508及び510を通して空気を収集し又は受け取り且つ開口部512を通して通気口付き棟106に空気を送るように構成されている。別の実施形態では、空気は、クローズドシステムを形成するように膜102の下の屋根の下部に排出される。このような実施形態は、より寒い地域(例えば、赤道から更に遠い地域、より高い標高の環境など)において好ましい。フード502内に受け入れられると、空気は、ベース506を通って建物内に進路変更されることができる。ベース506の上部開口部516は、フード502から空気を受け取るように構成されており、空気は、ベース506の底部開口部514を通して関連する建物内へ進路変更されることができる。
【0021】
熱収集ユニット104を建物内に設置するために、ユニット104のおおよその形状で(例えば、ユニット104の1つ以上の寸法に従って)下地材112に穴を開けることができる。ユニット104はその結果、開口部の場所に設置されることができる。ユニット104は、ユニット104を下地材112に取り付けるか又は他の方法で連結するように構成された1つ以上の機構を含むことができる。次に
図6及び7を参照すると、熱収集ユニット104用のフード602が示されている。フード602は、フード502と同様であることができ、フード502に関連して説明されたあらゆる機構又は機能を含むことができる。
図6は、変更前の(例えば、フランジが付いていない)形状のフード602を示す。
図7は、フード602を建物内に設置するのに有用であり得る変更された(例えば、フランジが付いた)形状のフード602を示す。
【0022】
図6に示されるように、フード602は、熱収集ユニット104を建物の屋根に固定するためのフランジ606(
図7参照)を形成するために曲げることができる余分な材料604を含む。余分な材料604は、フランジ606の形成を補助するための一連のマーキング608を含む。例えば、マーキング608の各々は、標準的又は典型的であり得る勾配のような、屋根の特定の勾配に対応することができる。
図7に示されるように、余分な材料604は、フランジ606を形成するように曲げられ且つ/又は切断されることができる。例えば、余分な材料604はフード602の背面の角610に沿って切断されることができ、側面612は
図7の構成に近づくように曲げられることができる。フード602が屋根勾配のために変更されると、フード602はベース(例えば、ベース506)に接続されることができ、完成した熱収集ユニット104は(例えば、下地材112の穴を通して)屋根内に挿入される。フランジ606はその後、熱収集ユニット104を所定の位置に保持又は固定するために関連する建物の屋根に(例えば、下地材112と接触するように)取り付けられることができる。リブ504はその後、設置されることができ、ユニット104は、屋根膜102によって覆われることができる。代替的に、適切なシールを維持しながら屋根勾配に自動的に適合するように可撓性材料(例えば、アコーディオン型)が使用されることができる。
【0023】
次に
図8及び9を参照すると、一実施形態による別の熱収集ユニット800が示されている。ユニット800は、ユニット104と同様であるが、付加的な機構及び/又は機能を含むように変更されている。本実施形態では、ユニット800は、熱収集ユニット104のフード502とリブ504に類似している、リブ804を有するフード802を含む。熱収集ユニット800はまた、ユニット104のベース506と同様にフード802の底に連結する熱交換モジュール806を含む。熱交換モジュール806は、フード802から空気を受け取るように構成されている。明確にするために、熱交換モジュール806は、熱エネルギー又は熱を1つのコンポーネント又は部分に含まれる媒体から別のコンポーネント又は部分に含まれる媒体に伝達するモジュールであり、熱交換器、蒸発器(例えば、ヒートポンプ)、ヒートシンク、及びシステム100の特定の用途に適した他のコンポーネントなどのコンポーネントを含むことができる。エネルギーの流れは、一方向、多方向、及び/又は可逆的であることができる。ファンモジュール808が、熱交換モジュール806の底部に連結するように構成されている。ファンモジュール808は、空洞108から受け取った空気流を建物内へ運ぶように構成されたファンを含むことができる。ファンはまた、フード802を通して且つ通気口付き棟106の抽出点を通して戻すように、空気流を逆方向に動かすように構成されることができる。ユニット800はまた、フード802、交換モジュール806、及びファンモジュール808の背面部に連結するように構成された、ダクトモジュール810を含む。ダクトモジュール810は、通気口付き棟106の下に位置し且つ余分な空気が通気口付き棟106の1つ以上の抽出点を通して排出又は放出されるのを誘導し且つ可能にするように構成されている。
【0024】
次に
図10から12を参照すると、例示的な実施形態による通気口付き棟106が示されている。棟106は、屋根膜102に連結されることができ、太陽熱制御システム100を密封(例えば、ウェザーシール)するように構成されている。棟106はまた、建物の天井空間から受け取った空気を排出又は放出し且つ熱収集ユニットから受け取った全ての排気を収容するように構成されている。棟106は、棟106の最上部に固定されることができ且つ棟瓦1100を受けるように構成されている棟留め具1000を含む。通気口付き棟106は、システム100から外気中に排出される空気を濾過するように構成されたフィルターを含むことができる。フィルターは、棟留め具1000のスロット1002内に収まることができる。
【0025】
次に
図13〜15を参照すると、他の実施形態による太陽熱制御システムが示されている。
図13のシステム1300は、別の構成の熱収集ユニット1302を含む。この構成では、熱収集ユニット1302は、建物の天井部分1304に連結される。空気は、屋根膜の下にある空洞1306から建物内に下方にではなく横向きに導かれる。空気はその後、建物内に又は外気中に排出されるように通気口付き棟1308に向かって導かれる。
図14のシステム1400は、フレキシブルダクトシステム1402として示される熱収集ユニットを含む。フレキシブルダクトシステム1402は、屋根の下の空洞1412から経路ユニット1406に空気を送るように構成された第1ダクト1404を含む。経路ユニット1406から、空気は建物環境を暖めるのに使用されるようにダクト1408に向かって又は外気中に排出されるようにダクト1410内に送られる。
図15のシステム1500は、逆方向の空気流を有する。例えば、降雪がある場所では、建物の屋根の上の雪及び/又は氷を溶かすのを補助するために暖められた空気を建物から熱収集ユニット1502を通って上方へ屋根膜1506の下の空洞1504へ送ることができる。
【0026】
次に
図16を参照すると、一実施形態による雪/氷融解システム用の閉ループの構成のシステム1600が示されている。システム1600は、本明細書に記載されている熱交換システムのいずれかと同様であることができる。本実施形態(すなわち、システム1600)では、熱交換モジュール1602(すなわち、熱収集ユニット)は、発熱要素又は蓄熱要素(例えば、熱水タンク)から閉ループを通る空気に熱を伝達するために「逆に」動作又は機能する。一実施形態では、関連するウォーターポンプが雪/氷を溶かすために空気を暖めるべく熱交換モジュール1602を通して最も熱い液体を循環させるために逆転される。暖められた空気は、屋根の上の雪/氷を溶かすために熱交換モジュール1602から屋根下地と屋根膜との間の空間(例えば、空洞1504)に排出される。最も熱い空気は、最下点(例えば、軒、谷部など)で排出され、熱収集ユニット(例えば、モジュール1602)のファンによって上方に又は屋根の全域に引き込まれる。空気はその結果、システム1600を通って戻るその途中で再加熱されることができる。
【0027】
次に
図17及び18を参照すると、例示的な屋根の環境が示されている。それぞれ
図17及び18に別個に示される屋根の環境の各々で行った測定の結果を以下で説明する。
図17は、900mm屋根瓦1702から成る5平方メートルの列を有する屋根の上面1700を示す。屋根瓦1702は瓦200と同様であることができる。
図18には4メートル×3.5メートルの片面屋根1800が示されている。
図17及び18はまた、屋根1700及び1800の上面の下と上の様々な(番号が付けられた)温度センサー1704の配置を示す。
図17及び18の例では、空気が熱ボックス(例えば、ユニット104)の熱交換器に入る前(例えば空気入口で)と空気が熱交換器を出た後(例えば、空気出口で)の両方で温度を測定した。
【0028】
次に
図19を参照すると、グラフ1900は、(A)屋根1700(
図17の屋根瓦)の頂点での屋根瓦1702の表面の温度と(B)熱ボックスの吸入部(
図18の屋根の上面1800)での空気温度との相関関係を示す。グラフ1900に示された結果は、ニュージーランドのオークランドにおいて摂氏26度の外気温の晴れた夏の日に時間当たり約100立方メートルの流量を使用して得られた。
【0029】
次に
図20を参照すると、グラフ2000は、ニュージーランドのオークランドにおいて冬の5日間の熱交換器前(例えば、空気入口で)及び熱交換器後(例えば、空気出口で)の温度と周囲温度との相関関係を示す。これらの結果は、時間当たり約252立方メートル流量を用いて得られた。
【0030】
次に
図21及び22を参照すると、グラフ2100及び2200は、1日のうちの(A)熱交換器前後の温度と周囲空気の温度との相関関係(グラフ2100に示される)と(B)熱交換器前後の温度と熱交換器に接続された45リットルの温水シリンダーの温度との相関関係(グラフ2200に示される)を示す。これらの結果は、時間当たり約252立方メートル流量を用いて得られた。グラフ2100に関連する条件によれば、気温が20℃を超えるとファンがオンになる。
【0031】
次に
図23を参照すると、表2300は、ニュージーランドのオークランドにおいて連続する冬の日に収集された算出エネルギー及び効率を示す。屋根瓦は、薄板状の瓦/構造体内に太陽電池を含み、動作温度と太陽電池効率との相関関係は十分に確立されている。空洞内の空気流による屋根瓦(例えば、瓦200)の上面の冷却効果を測定するために、一連の実験が行われ、静的なシステムと比較した場合に約1.4メートル毎秒の流量で摂氏6℃の温度の低下が達成されたことを示した。実時間測定と並行して、一連のシミュレーションが行われた。空気の温度勾配への屋根の長さの影響を推定するために、オブジェクト指向のシミュレーションツールが使用された。
【0032】
次に
図24を参照すると、グラフ2400は、空気の温度勾配への屋根の長さの影響を推定するために使用されたシミュレーションの結果を示す。結果は、特定の日の屋根の空洞内の温度勾配の形状を予測している。シミュレーションは、約1メートル毎秒の空気速度で、異なる屋根スパンに対する異なる屋根の空洞の空気温度で行われた。結果は、所定の流量(1メートル毎秒)では屋根が長いほど空洞を通るその経路に沿った加熱が大きいことを示す。しかしながら、この関係は、それを超えると更なる熱利得が最小になり(例えば、熱伝達率を制限する漸近線に近づき)且つその点で増大した流量を使用する必要がある最適点に達するであろう。
【0033】
次に
図25を参照すると、屋根の空洞を通る空気流をシミュレートするために流体力学シミュレーションツールが使用された。瓦脚部の単純化モデル2500がソフトウェアで作られ、上部に瓦を有する約4メートル×2メートルのチャンバーが作成された。実験条件は、本開示の太陽熱収集器における設定をシミュレートするために、入口空気のゼロ(0)パスカルの圧力と、チャンバーの上部中央にある単一出口の2メートル毎秒の気流速度とを含んでいた。結果は、空気流によって生成されるベル形状の温度プロファイルが存在し、出口に近い境界で速度が上端よりも高いことを示した。出口からの垂直距離が増大されると、空気流が均衡する。均衡は頂部から2メートルでは許容範囲にある。結果はれ、類似のプロファイルを示した寸法4メートル×4メートルの実験屋根と比較された。
【0034】
次に
図26を参照すると、8メートル×4メートル(500立方メートル毎時に相当)の屋根と1メートル毎秒の流量とを用いて200リットルタンクの水を摂氏15度から45度に加熱するのにかかる時間を推定するためにシミュレーションソフトウェアが使用された。結果は、摂氏50度と摂氏60度の空気温度に関して
図26のグラフ2600に示され、摂氏45度を達成するのにそれぞれ2.4時間と4.2時間かかることを示す。
【0035】
次に
図27〜32を参照すると、様々な実施形態による、様々な機能及びコンポーネントを有する太陽熱制御システムが示されている。特に
図27を参照すると、一実施形態による太陽熱制御システム2700(すなわち、熱制御システム)が示されている。太陽熱制御システム2700は、ファン速度制御コンポーネント(例えば、ファン速度制御装置2712、熱収集ユニット2728)と、水タンク2702及びウォーターポンプ2704を含む水循環コンポーネントと、暖房コンポーネント(例えば、供給プレナム2714)と、従来の加熱コンポーネント(例えば、水加熱器2706)と、従来のHVACコンポーネント(例えば、HVACシステム2708)と含むか又はこれらに連結される。熱収集ユニット2728は、ユニット104及び800を含む他の熱収集ユニットと同様であり得る。ファン速度制御装置2712は、熱収集ユニット2728を含む制御システム2700を通って空気が循環する速度を制御するのに使用されることができる。
【0036】
制御システム2700はまた、いくつかの機能的な(包括的な)機構を含むことができる。例えば、制御システム2700は、水加熱、暖房、床下暖房、プール及びスパの加熱、及び他の加熱用途に利用することができる機構を含むことができる。制御システム2700はまた、1つ以上のプール及びスパの加熱の機構に連結されるか又は様々な吸収技術を利用することができる、熱駆動空気調節機構を組み込むことができる。制御システム2700はまた、アクティブな屋根領域から雪及び氷のダムを除去するための機構を組み込むことができる。制御システム2700はまた、方向に依存する屋根勾配の熱最適化のための機構を組み込むことができる。
【0037】
制御システム2700はまた、夏季の(すなわち、暖かい)間の熱負荷を低減するための通気口付き屋根2710などの受動的な機構と、冬季の(すなわち、寒い)間の熱損失の低減のための機構とを含むことができる。一実施形態では、制御システム2700は、冬期モードと夏期モードとを含む、複数の動作モードを含む。冬期モードは、暖房、水加熱、融雪、及びレジオネラ(すなわち、細菌)制御を含むことができる。夏期モードは、屋根の冷却、水加熱、空気調節、プール及びスパの加熱、及びレジオネラ(すなわち、細菌)制御を含むことができる。
【0038】
次に
図28を参照すると、太陽熱制御システム2700は、熱収集ユニット2728に又はその近くにあり且つファン速度制御装置2712によって利用される空気温度センサー2716(
図28にAで示される)と、供給プレナム2714に又はその近くにある排気温度センサー2718(
図28にBで示される)と、HVACシステム2708に又はその近くにある室内温度センサー2720(
図28にCで示される)と、水タンク2702に又はその近くにある下部水タンク温度センサー2722(
図28にDで示される)と、水タンク2702に又はその近くにある上部水タンク温度センサー2724(
図28にEで示される)と、ウォーターポンプ2704に又はその近くにある水流センサー2726(
図28にFで示される)とを含む、様々な制御センサーを含む。他の実施形態では、制御システム2700はまた、他のセンサーの中で特に、全天日射センサー、周囲温度センサー、外面温度センサー、風速及び/又は風向センサー、雨センサーなどの追加の制御センサーを含むことができる。
【0039】
次に
図29を参照すると、太陽熱制御システム2700は、ファン速度制御装置2712と、空気温度センサー2716とを含むように示されている。ファン速度制御装置2712(例えば、ファンモジュール808又は熱交換モジュール806)は、0から10ボルト(V)の制御信号を有することができる。ファン速度制御装置2712は、一定の空気流を維持し且つ制御システム2700による熱伝達を最大にするために使用されることができる。ファン速度制御装置2712はまた、制御システム2700内の過熱を防ぐために使用されることができる。例えば、ファン速度制御装置2712を利用するための第1のオプションは、制御システム2700内の一定の空気流を維持することである。この第1のオプションは、最低気温(例えば、25℃)に達したときに制御システム2700(例えば、ファンモジュール808、熱交換モジュール806など)のファンを予め設定された速度にすることを含むことができる。空気温度は、空気温度センサー2716から受信した信号に基づいて熱収集ユニット2728で又はその近くで測定されることができる。第2のオプションは、ファン速度を制御することを含むことができる。第2のオプションは、最低気温に達したときにファンを予め設定された速度にすることと、最高温度(例えば、65℃)(以下)を維持するために高温時にファンの速度を制御することとを含むことができる。第1及び第2のオプションのいずれかの機能を実行するために比例積分微分(PID)制御装置を構成することができる。
【0040】
次に
図30を参照すると、太陽熱制御システム2700は、制御システム2700の水循環機能に関連する様々なコンポーネントを含むように示されている。水循環機能を実行するために、少なくとも空気温度センサー2716と、下部水タンク(冷)温度センサー2722と、上部水タンク(温)温度センサー2724と、水流センサー2726と、グリッドタイド(ガス又は電気)加熱要素2730とを利用することができる。制御システム2700はまた、空気が適当な温度に達したときに循環水ポンプ2704を作動させるように構成されたウォーターポンプ制御装置を含むことができる。ウォーターポンプ制御装置は、オンオフ電磁リレーと1アンペア(A)の最大スイッチング電流とを有する制御信号を含むことができる。一実施形態では、空気(すなわち、空気温度センサー2716による)とタンク2702内の水(すなわち、温度センサー2722及び2724の1つ以上による)とが最小温度差に達したときに水を循環させるためにウォーターポンプ制御装置がウォーターポンプ2704をオンにする。例えば、ウォーターポンプ2704は、8℃の温度差に達したときに作動させ、その後4℃の温度差に達したときに停止させることができる。
【0041】
次に
図31Aを参照すると、太陽熱制御システム2700は、制御システム2700の暖房機能に関連する様々なコンポーネントを含むように示されている。暖房機能を実行するために、少なくとも排気温度センサー2718と、室内(又は建物)温度センサー2720と、供給プレナム2714とを利用することができる。暖房制御要件の一部として、制御システム2700は、屋根2710に形成された(通気)棟2732から排気を放出することができる。棟2732は、通気口付き棟106と同様であることができる。
【0042】
図31Bは、上述の暖房機能を実行するために利用することができる他の太陽熱制御システム3100を示す。太陽熱制御システム3100は、制御システム2700と同様であり且つ類似のコンポーネントを含むことができる。しかしながら、制御システム2700とは異なり、制御システム3100は閉ループの構成を有する。棟2732のような棟に排気を排出するのではなく、制御システム3100は、関連する建物の軒へ排気を再循環させることができる。より高い標高での又は赤道から更に離れた設置は、例えば、特に寒い季節に温度の上昇を得るために閉ループの構成によって恩恵を受けることができる。また、閉ループの構成は、雪/氷の溶融のために装備されることができる。
【0043】
制御システム2700と3100は、関連する建物の空間温度(例えば、室内温度センサー2720によって測定された温度)を制御するサーモスタットを含むことができる。排気が目標温度を超えると、サーモスタット(又は制御装置)は、排気が換気システムに接続されるのを可能にするダンパーを作動させる。換気システムは、制御システムが閉ループの構成を利用するか否かに応じて、通気棟(例えば、棟2732)から排気を放出するか又は軒に排気を再循環させるように構成されることができる。サーモスタットは、建物内(室内温度センサー2720によって測定される)が目標温度に達するか又は排気温度(排気温度センサー2718によって測定される)が建物内の温度(すなわち、空間温度)より低いときにエアダンパーを停止させる。雪/氷の溶融のために、ダンパーは、熱ボックスの排気を屋根の軒のマニホールドに直接移動するようにHVAC循環から分離する。水タンク2702内の水を加熱するのに、グリッドタイド加熱要素(例えば、要素2730)を利用することができる。ウォーターポンプ2704はその結果、循環空気を暖めるために熱交換器(例えば、熱収集ユニット2728)に温水を移動させるべく作動されることができる。
【0044】
次に
図32を参照すると、他の実施形態による太陽熱制御システム2700が示されている。本実施形態では、制御システム2700は、制御システム2700のハイブリッド/従来の水加熱システム又は機能に関連する様々なコンポーネントを含む。本実施形態では、制御システム2700は、電気ヒーター、ガスボイラー、オイルボイラー、ヒートポンプなどの予備又は代わりの水加熱器を含むことができる。予備の水加熱器は、オンオフ電磁リレーと約10アンペア(A)の最大スイッチング電流とを有する制御信号によって水タンク2702内の水を加熱するように始動されることができる。例えば、制御装置が、予備の水加熱システムの一部として予備の水加熱器に連結され、制御信号を通信することによって予備の水加熱器を制御するように構成されることができる。予備の水加熱器は、予め設定された時間に(すなわち、水を加熱するために)始動されることができ、予め設定されたスイッチオン温度及び/又は予め設定されたスイッチオフ温度を有することができる。一実施形態では、例えば、予備の水加熱器は、24時間のうちに一定数の予め設定された期間(例えば、3つの期間)中に始動されることができる。これらの期間の1つの間に、予備の水加熱器(すなわち、予備の水加熱システム)は、水タンク2702の上部の温度(すなわち、上部水タンク温度センサー2724によって測定される)が予め設定されたスイッチオン温度よりも下がるとオンにすることができる。予備の水加熱器はその後、水タンク2702の上部の温度が(予め設定された)スイッチオフ温度に達したときにオフにされる。温度センサー2724が存在しない場合のような一部の実施形態では、予備の水加熱器をオンにするか又はオフにするかを決定するために水タンク2702の下部の温度(すなわち、下部水タンク温度センサー2722によって測定される)が使用されることができる。一実施形態では、従来の水加熱システムがタンク2702内の水の加熱プロセスを終了する。
【0045】
次に
図33を参照すると、一実施形態によるハイブリッド水加熱システム3300が示されている。ハイブリッドシステム3300は、制御システム2700のあらゆるコンポーネントと、ヒートポンプ水加熱器3302と、貯水タンク3304とを含むことができる。水加熱器3302は、冷水入口3306と、温水出口3308とを含む。水加熱器3302は、太陽熱制御システム(例えば、制御システム2700)の水加熱能力を補うことができる。水加熱器3302の成績係数(COP)を向上させるために熱収集ユニット(例えば、ユニット2728)から水加熱器3302の空気入口に暖かい排気を送ることができる。COPは、コンポーネントで受け取られ又は利用されるエネルギー量とコンポーネントによって提供(すなわち、供給)されるエネルギーの量との関係を参照することができる。熱収集ユニットにおける周囲空気の吸入口へのダンパーは、熱収集ユニットから水加熱器3302に行く空気の温度を最適化することができる。水加熱器3302はその結果、空気調節に適した冷たい空気を排気することができる。水貯蔵タンク3304には、スイミングプールやスパなどの補助加熱のない貯蔵タンクであり得る。貯蔵タンク3304からの暖かい/冷たい水を水加熱器3302の冷水入口3306に送ることができる。水加熱器3302はその後、加熱処理を終了し、温水出口3308を通して必要に応じて温水を供給する。ハイブリッドシステム3300は分離して特定の屋根面に割り当てることができることに留意すべきである。例えば、屋根の南側面を加熱するのに温水を使用することができ、屋根の北側面にヒートポンプと貯蔵タンクによる空気調節を使用することができる。
【0046】
ハイブリッド水加熱システム3300、又は太陽熱制御システムとヒートポンプとを有する別のハイブリッドシステムは、空気から熱を抽出するのに使用されることができる。例えば、水の加熱及び空気の冷却における補助システムとして空気源水ヒートポンプを使用することができる。熱屋根を通しての太陽放射が、一次飲料水タンク(例えば、タンク2702)に貯蔵された水を予熱することができる。システム3300はその後、(1)一次水タンクが所望の温度に達し、(2)空気から二次貯蔵タンク3304に熱を放出し、(3)システム3300に関連する居住空間に涼しく、乾燥した空気を供給するように、熱ボックスの排気又は周囲空気から熱を抽出するヒートポンプを使って水を循環させる。熱ボックス(例えば、熱収集ユニット2728)からの排気は、ヒートポンプ用の源として使用され、ヒートポンプのCOPを高める。ヒートポンプは水の加熱を完了することができる。ヒートポンプが必要な又は所望の温度に達することができない場合、一次温水タンク内に電気加熱コイルが存在してもよい。
【0047】
次に
図34A〜D及び
図35A〜Bを参照すると、「ハイブリッド」太陽熱制御システム用の可能な構成が様々な実施形態によって示され且つ説明されている。第1の構成は熱交換器を含む。第2の構成は周囲空気を用いるヒートポンプを含む。第3の構成は屋根の空気を用いるヒートポンプを含む。第4の構成は熱交換器とヒートポンプとを並列に含む。第5の構成は熱交換器とヒートポンプとを直列に含む。
図35A〜Bは、
図34A〜Dに示されるハイブリッド太陽熱制御システムの様々な構成の性能統計を示す。
図35Aの表1は、様々な構成の全体的な性能を示し、様々な構成に関する熱エネルギー(kWh)、消費エネルギー(kWh)及び成績係数(COP)を含む。
図35Bの表2は、様々な構成の水加熱能力を示し、初期水温(℃)、最終水温(℃)、及び最終水温に達するまでの時間(分)を含む。
【0048】
次に
図36を参照すると、一実施形態による、吸収ベースの冷房を有する太陽熱制御システム3600が示されている。制御システム3600は、本明細書に記載されている制御システムのいずれかと同様であることができ、あらゆる同一コンポーネントを含むことができる。制御システム3600は、吸収体3602と、エアサプライ3612及びエアリターン3614を有する蒸発器3604とを含むように示されている。エアリターン3614は、居住空間から蒸発器3604に空気を戻すことができ、エアサプライ3612は、蒸発器3604から居住空間に空気を供給することができる。制御システム3600はまた、クーラントサプライ3616及びクーラントリターン3618を有する凝縮器3606を含むように示されている。クーラントリターン3618は、凝縮器3606に加熱されたクーラントを戻すことができ、クーラントサプライ3616は、システム3600に関連する別の場所(例えば、水タンク、周囲空気、プール又はスパなど)にクーラントを供給することができる。制御システム3600はまた、発生器3608として示される加熱要素と、ウォーターポンプ3610とを含む。加熱要素(すなわち、発生器3608)は、従来のガス又は電気のものであることができる。代替的に、システム3600は、COPを高めるために熱供給用の太陽熱加熱空気を受け取る並列のヒートポンプを利用することができる。
【0049】
次に
図37A〜Dを参照すると、様々なタイプの太陽熱制御システム用の冷却に関連する様々な性能統計が示されている。
図37Aのグラフ3700は、周囲の空気を用いるヒートポンプを有する制御システムの加熱性能を示し、ヒートポンプの空気出口及び空気源における経時的な空気温度を含む。
図37Bのグラフ3702は、屋根の空気を用いるヒートポンプを有する制御システムの加熱性能を示し、先と同様にヒートポンプの空気出口及び空気源における経時的な空気温度を含む。
図37Cのグラフ3704は、熱交換器とヒートポンプを有する制御システムの加熱性能を示す。グラフ3704は、並列で使用される場合と直列で使用される場合の両方の加熱要素の空気出口及び空気源における経時的な空気温度を含む。
図37Dのグラフ3706は、熱交換器を有する制御システムの加熱性能を示し、熱交換器の空気出口及び空気源における経時的な空気温度を含む。
【0050】
次に
図38A〜Bを参照すると、グラフ3800及び3802は、様々なタイプの太陽熱制御システムの水加熱に関連する様々な性能統計を示す。
図38Aのグラフ3800は、様々な水加熱の構成を用いて経時的な水の温度を示し、直列のヒートポンプ(HP)と熱交換器(HEX)、並列のヒートポンプと熱交換器、屋根の空気を用いるヒートポンプ、周囲の空気を用いるヒートポンプ、及び熱交換器のみ、を有する制御システムを含む。
図38Bのグラフ3802は、水加熱プロセス中の様々な水加熱の構成の各々の経時的な総合COP(すなわち、システムのCOP)を示し、総合COPは、水加熱装置で使用されるエネルギー量対水加熱装置(S)によって生成又は供給されるエネルギー量に基づくことができる。
【0051】
次に
図39を参照すると、一実施形態による太陽熱制御システム3900が示されている。制御システム3900は、制御システム2700又は本明細書に開示されているあらゆる他の制御システム又は屋根システムと同様であることができる。制御システム3900の本実施形態では、熱エネルギーは、システム3900内で他の屋根傾斜3902(例えば、熱エネルギーを収集するのに使用されるもの以外の屋根傾斜)に方向を変えられる。例えば、熱エネルギーは、第2の屋根傾斜の上の雪又は氷を溶かすのに使用されることができる。同様のシステムが
図16に示されている。
【0052】
次に
図40及び41を参照すると、例示的な実施形態による熱収集ユニット400(すなわち、熱ボックス、熱交換ユニット)が示されている。熱収集ユニット400は、ユニット104、800、1302、1502、1602及び2728を含む、本明細書に記載されている熱収集ユニット又はモジュールのいずれかと同様であることができる。熱収集ユニット400は、空洞から導かれる加熱空気を収集するために空洞108のような空洞に流体接続するように構成されることができる。ユニット400は、関連する建物内の水を加熱するために又は他の方法で建物環境に熱又は他のエネルギーを供給するために加熱空気を進路変更することができる。熱収集ユニット400はまた、空気から熱と従って湿度(例えば、水分)を除去するように構成されることができる。除湿され、冷却された排気はその後、関連する建物の居住空間を冷却するのに使用されることができる。熱収集ユニット400は、ユニット104と同様に関連する建物の外側から設置されることができる。
【0053】
ユニット400は、(旋回可能な)第1フード部402(例えば、部分、セグメント、ピース、パーツなど)と、第2フード部406(すなわち、フードベース)とを含むことができる、フード428(すなわち、フードアセンブリ)を含む。図示の実施形態では、第1フード部402は、第2フード部406の上に配置され且つ第2フード部406に連結されている。フード428は、熱収集ユニット400が建物に設置される場合に関連する建物の屋根の勾配(例えば、傾斜、角度、急峻度など)に実質的に一致することが必要とされる場合がある。第1フード部402は従って、ユニット400のいかなる部分も切断又は除去せずに関連する屋根の勾配に実質的に一致するようにユニット400の第2フード部406又は他のコンポーネントに対して旋回するように構成されることができる。例えば、第1フード部402は第2フード部406に旋回可能に連結され、屋根の勾配に一致するように第2フード部406に対して旋回するように構成されることができる。一実施形態では、フード部402及び/又は406を様々な屋根勾配に適合させるために、少なくともフード部402及び406の一方に柔軟な蛇腹状の材料を使用することができる。第1フード部402の例示的な可動域430が
図42に示されている。
【0054】
フード428はまたリブ404を含む。リブ404は、熱収集ユニット400が建物に設置された後にフード428に加えられてもよい。リブ404は、屋根瓦200用の固定点を提供することができる。例えば、1つの瓦200の固定点208は、瓦200をユニット400に連結するためにリブ404に貼り付けられるか又は他の方法で連結されることができ、瓦200及び/又はユニット400を安定させることができる。一実施形態において、シール116は、膜102と熱収集ユニット400との間に概ね気密なシールを形成するために、第1端部がリブ404の1つに連結し且つ第2端部が屋根膜102に連結するように構成されている。フード428はまた、熱収集ユニット400を建物の屋根に固定する(すなわち、取り付けえる)のに使用されることができるフランジ414及び422を含む。フランジ414は第1フード部402に位置することができ、フランジ422は第2フード部406に位置することができる。
【0055】
フード428はまた、リブ404のそれぞれの間で且つ第1フード部402内に配置された開口部416、418及び420を含む。開口部416、418及び420は、空洞108から空気を受け取るように及び/又は通気口付き棟106にある抽出点を通して空気を建物の外側に進路変更又は排気するように構成されることができる。例示的な実施形態では、熱収集ユニット400は、開口部416及び418を通して空気を収集し又は受け取り、開口部420を通して通気口付き棟106に空気を送るように構成されている。別の実施形態では、空気は、クローズドシステムを形成するように膜102の下の屋根の下部に排出される。第1フード部402内に受け入れられると、空気は、第2フード部406を通して建物内へ進路変更されることができる。第2フード部406の頂部開口部424は、第1フード部402から空気を受け取るように構成されており、空気は、第2フード部406の底部開口部426を通して関連する建物内へ進路変更されることができる。
【0056】
熱収集ユニット400はまた、フード428に連結されたベース部434を含む。ベース部434は、フード428から空気を受け取るように構成された熱交換モジュール408を含む。ベース部434はまた、空洞108から受け取った空気流を建物内へ運ぶように構成されたファンを含むことができるファンモジュール412を含む。ファンはまた、フード428を通して且つ通気口付き棟106の抽出点を通して戻すように、空気流を逆方向に動かすように構成されることができる。ベース部434はまた、通気口付き棟106の下に位置し且つ余分な空気が通気口付き棟106の1つ以上の抽出点を通して排出又は放出されることを誘導し且つ可能にするように構成されたダクトモジュール410を含む。
【0057】
次に
図42を参照すると、フード428の可動域が示されている。図示されるように、フード428(例えば、第1フード部402)は、ユニット400の他のコンポーネントに対して第1フード部402が旋回(例えば、回転、延伸、伸張など)することを可能にするように構成された背面部432を含むことができる。例えば、背面部432(又はフード428の他のコンポーネント)は、フード428の勾配を調整するために柔軟な蛇腹状の材料から形成されることができる。例示的な実施形態では、第1フード部402は、少なくとも
図42に示されている範囲430の可動域を有する。一部の実施形態では、第1フード部402は、第2フード部406と実質的に同一面である勾配(すなわち、角度)から第1フード部402が実質的に垂直であり且つ第2フード部406の前縁部に対して平行である勾配まで延びる、旋回可能な範囲を有することができる。
【0058】
本明細書に記載されているいかなる制御システムも、塩素によって処理されていない水のためのレジオネラ菌対策を含む追加の制御機能を含むことができる。タンクの上部の温度が一時期低い場合に水タンク内に細菌が発生するのを防ぐために、制御装置が自動的に7日ごとに水の温度をチェックする。この期間に温度が目標温度(例えば、70℃)を超えていない場合、細菌が死滅する目標温度まで水を加熱するために予備のシステムが始動される。その後、機能はリセットされる。他の追加の制御機能は、予備のシステムと同じ制御システムを用いる空気調節(ヒートポンプの使用を必要とする)、可逆ファン又は空気循環を用いる融雪、水循環と同じ制御システムを用いるプール/スパの加熱、熱エネルギーの測定、電力消費量、及び太陽光発電エネルギーの測定を含むことができる。
【0059】
例示的な実施形態によれば、本開示の太陽熱システムは、有利には、建物の加熱源を提供又は増強するために空気の太陽熱加熱を利用するべく建物の外部パネルを空気流チャンバー(例えば、空洞)と一体化する。太陽熱システムは、例として屋根パネル(例えば、瓦)を含むように示されているが、システムは、他の建築材料(例えば、サイディング、ファサードなど)に一体化され得る。全てのこのような変形は、本開示の範囲内にあることが意図されている。
【0060】
様々な例示的な実施形態に示される太陽熱システムの構成及び配置は例に過ぎない。本開示において一部の実施形態のみを詳細に説明してきたが、本明細書に記載された主題の新規な教示及び利点から著しく逸脱することなく、多くの変更(例えば、様々な要素の大きさ、寸法、構造、形状及び比率、パラメータの値、取り付け配置、材料の使用、色、向きなどの変更)が可能である。一体的に形成されたものとして示されている一部の要素は、複数の部品又は要素で構成することができ、要素の位置は反転し又は他の方法で変えることができ、別個の要素又は位置の性質又は数は変更又は変化させることができる。あらゆるプロセス、論理アルゴリズム、又は方法ステップの順番又は順序は、代替的な実施形態に従って変えるか又は並べ直すことができる。他の置換、修正、変更及び省略も、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な例示的な実施形態の設計、動作条件及び配置で行うことができる。