(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6820281
(24)【登録日】2021年1月6日
(45)【発行日】2021年1月27日
(54)【発明の名称】子宮摘出術モデル
(51)【国際特許分類】
G09B 23/34 20060101AFI20210114BHJP
G09B 9/00 20060101ALI20210114BHJP
【FI】
G09B23/34
G09B9/00 Z
【請求項の数】15
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-563952(P2017-563952)
(86)(22)【出願日】2016年6月9日
(65)【公表番号】特表2018-522270(P2018-522270A)
(43)【公表日】2018年8月9日
(86)【国際出願番号】US2016036664
(87)【国際公開番号】WO2016201085
(87)【国際公開日】20161215
【審査請求日】2019年5月29日
(31)【優先権主張番号】62/173,180
(32)【優先日】2015年6月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503000978
【氏名又は名称】アプライド メディカル リソーシーズ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100159846
【弁理士】
【氏名又は名称】藤木 尚
(72)【発明者】
【氏名】ブラック ケイティ
(72)【発明者】
【氏名】ホフステッター グレゴリー ケイ
(72)【発明者】
【氏名】フェルシンガー ナターシャ
【審査官】
宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2014/0248596(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0370477(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0186809(US,A1)
【文献】
特開2012−128109(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0091855(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0011172(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0342334(US,A1)
【文献】
BRETON F BARRIER,A NOVEL AND INEXPENSIVE VAGINAL HYSTERECTOMY SIMULATOR,SIMULATION IN HEALTHCARE,THE JOURNAL OF THE SOCIETY FOR 以下備考,2012年12月,VOL:7, NR:6,PAGE(S):374 - 379,SIMULATION IN HEALTHCARE,URL,http://dx.doi.org/10.1097/SIH.0b013e318266d0c6
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 23/28 − 23/34
G09B 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科的訓練用の外科用シミュレータであって、
近位端部および遠位端部を備えた模擬骨盤であって、前記模擬骨盤は、内面、外面および近位端部のところに設けられた少なくとも1つの開口部を有するエンクロージャを備えた前記模擬骨盤と、
模擬膣と、
前記模擬膣に連結された模擬子宮と、
第1のシリコーンシートと、
第2のシリコーンシートと、を備え、
前記第1のシリコーンシートが、前記模擬子宮及び前記模擬骨盤に連結されて前記模擬骨盤の前記エンクロージャ内の前記模擬子宮の前部側を浮いた状態とし、前記第2のシリコーンシートは、前記模擬子宮及び前記模擬骨盤に連結されて、前記模擬子宮がぶら下がると共に、操作に応答して揺れることが可能とされるように、前記模擬骨盤の前記エンクロージャ内の前記模擬子宮の後部側を浮いた状態とする、外科用シミュレータ。
【請求項2】
前記第1のシリコーンシートの第1の端部は、前記模擬子宮の球状部分の頂部において前記模擬子宮に連結されるとともに管状部分の前記頂部に連結されている前記模擬膣に沿って近位側に延び、前記第1のシリコーンシートは、前記模擬骨盤の頂部に沿って遠位側に延びる前に、前記模擬骨盤の前記近位端部の近くで上方に折り曲げられ、
前記第1のシリコーンシートの第2の端部は、前記模擬骨盤に該模擬骨盤の前記頂部のところで連結される、請求項1記載の外科用シミュレータ。
【請求項3】
前記第2のシリコーンシートの第1の端部は、前記模擬子宮の前記球状部分の底部のところで前記模擬子宮に連結されるとともに前記管状部分の前記底部に連結されている前記模擬膣に沿って近位側に延び、前記第2のシリコーンシートは、遠位側に延びる前に、前記近位端部の近くで下方に折り曲げられる、請求項2記載の外科用シミュレータ。
【請求項4】
前記第1のシリコーンシートと前記模擬骨盤の前記頂部との間に配置された模擬膀胱を更に有する、請求項2又は3に記載の外科用シミュレータ。
【請求項5】
前記第2のシリコーンシートと前記模擬骨盤の底部との間に配置された模擬結腸を更に有する、請求項2乃至4の何れか1項に記載の外科用シミュレータ。
【請求項6】
前記模擬骨盤は、形状が筒形である、請求項1又は5に記載の外科用シミュレータ。
【請求項7】
前記模擬骨盤は、形状が切頭円錐形であり、開放エンクロージャを構成している、請求項1又は5に記載の外科用シミュレータ。
【請求項8】
前記模擬子宮は、シリコーンおよびフォームで作られている、請求項1又は5に記載の外科用シミュレータ。
【請求項9】
前記模擬骨盤は、第1の側部および第2の側部によって相互連結された頂端部と底端部を有する、請求項1、5、8の何れか1項に記載の外科用シミュレータ。
【請求項10】
前記模擬骨盤は、前記内面と前記外面との間に延びる少なくとも1つの孔を有する、請求項1、5、9のうち何れか1項に記載の外科用シミュレータ。
【請求項11】
前記模擬骨盤は、前記第1の側部および前記第2の側部に沿って少なくとも1つの切欠きを有する、請求項9記載の外科用シミュレータ。
【請求項12】
前記模擬骨盤に取付けられた少なくとも1つの模擬ファロピウス管および卵巣を更に含む、請求項1又は5に記載の外科用シミュレータ。
【請求項13】
外科用トレーナを更に有し、前記外科用トレーナは、
基部と、
前記基部との間に内部キャビティを構成するよう前記基部から間隔を置いた状態で該基部に連結された頂部カバーと、
前記頂部カバーと前記基部との間に配置された経膣アダプタとを有し、前記経膣アダプタは、前記模擬膣の前記管状部分のルーメンの内部と相互連結状態で該内部への接近を可能にするよう寸法決めされるとともに形作られた孔を備え、前記管状部分は、前記経膣アダプタに取り外し可能に連結されている、請求項2又は3に記載の外科用シミュレータ。
【請求項14】
前記模擬子宮は300グラム〜500グラムの範囲内の重さである、請求項1乃至13のうち何れか1項に記載の外科用シミュレータ。
【請求項15】
前記模擬子宮はフォームで構成されている、請求項14に記載の外科用シミュレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、一般に、外科用訓練ツールに関し、特に、腹腔鏡下手術、内視鏡下手術および低侵襲手術に関連した(しかしながら、これらには限定されない)種々の外科的技術および手技を教示するとともに練習させる模擬組織構造体およびモデルに関する。
【0002】
〔関連出願の説明〕
本願は、2015年6月9日に出願された米国特許仮出願第62/173,180号(発明の名称:Hysterectomy model)の優先権および権益主張出願であり、この米国特許仮出願を参照により引用し、この記載内容全体を本明細書の一部とする。
【背景技術】
【0003】
新たな外科的技術(術式)を学習する医学生ならびに熟練医は、自分達が患者としての人間に対して手術を行う資格を得る前に大がかりな訓練を受けなければならない。この訓練は、種々の形式の組織を切断し、穿通し、クランプし、把持し、ステープル留めし、焼灼し、縫合するための種々の医療器具を用いる適正な技術を教示しなければならない。訓練を受ける人(訓練生)が遭遇する場合のある場面の範囲は、広い。例えば、種々の器官ならびに患者の解剖学的構造および疾患が提示される。種々の組織層の厚さおよびコンシステンシーもまた、身体の一部分と隣りの部分とでは様々であり、しかも患者ごとに様々な場合があろう。互いに異なる手技には互いに異なる技能が要求される。さらに、訓練生は、例えば患者の体格や病態、標的組織の隣接の解剖学的景観および景観や標的組織が容易にアクセス可能であるか比較的アクセス不能であるかという要因によって影響を受ける種々の解剖学的環境中において技術を練習しなければならない。
【0004】
外科用訓練の1つまたは2つ以上の観点について多くの教示補助具、訓練器具、模擬訓練装置(シミュレータ)およびモデル臓器が利用可能である。しかしながら、遭遇する可能性がありかつ内視鏡下の手技、腹腔鏡下の手技、低侵襲手術手技(外科的処置)を練習するために使用できるモデルまたは模擬組織要素が要望されている。腹腔鏡下手術では、トロカールまたはカニューレを挿入して体内腔にアクセスしたりカメラ、例えば腹腔鏡の挿入のためのチャネルを作ったりする。カメラは、ライブビデオフィードキャプチャリング画像を提供し、次にこれら画像を1つまたは2つ以上のモニタで外科医に表示する。少なくとも1つの追加の小さな切開創が作られ、かかる切開創を通って別のトロカール/カニューレを挿入してモニタ上で観察される手技を実施するために外科用器具を挿通させることができる経路を作る。標的組織場所、例えば腹部は、典型的には、二酸化炭素ガスを送り出して体内腔に通気しまたは注入して外科医により用いられるスコープおよび器具を受け入れるのに足るほど広い作業空間を作ることによって拡張される。組織腔内のガス注入圧力は、専用トロカールを用いることによって維持される。腹腔鏡下手術は、開放手技と比較した場合、多くの利点を提供する。これら利点としては、切開創が小さいということに起因して、疼痛が軽いこと、出血が少ないこと、回復期間が短いことが挙げられる。
【0005】
腹腔鏡下または内視鏡下低侵襲手術では、開放手術と比較して技能レベルの高いことが要求される。というのは、標的組織は、医師によって直接観察されることがないからである。標的組織は、小さな開口部を通ってアクセスされる手術部位の一部分を表示するモニタにより観察される。したがって、医師は、組織平面を視覚的に見定め、二次元観察スクリーン上における三次元奥行き覚、器具の手渡し、縫合、高精度切断ならびに組織および器具の操作を練習する必要がある。典型的には、特定の解剖学的構造または手技を模倣するモデルが模擬骨盤または腰部訓練器具内に配置され、この訓練器具では、解剖学的モデルは、医師による直接可視化(直視化)から隠されている。訓練器具に設けられたポートは、器具を通して直視化から隠された解剖学的モデルに対して行われる技術を練習するために用いられる。模擬骨盤訓練器具は、腹腔鏡下手術で用いられる基本的な技能および典型的な技術、例えば把持、操作、切断、結び目を作ること、縫合、ステープル留め、焼灼ならびにこれら基本的な技能を利用した特定の外科的処置をどのように実施するかについて外科医および研修医を訓練する機能的かつ安価であり、しかも実用的な手段となる。模擬骨盤訓練器具はまた、これら腹腔鏡下手技を実施するのに必要な医療器具を実演するための効果的な販売用ツールでもある。
【0006】
手技の一つは、子宮を取り出す子宮摘出術である。子宮摘出術は、膣管を通って子宮を経膣的に摘出しまたは腹部に設けられた小さな切開創を通って腹部的に摘出する子宮摘出術が実施される場合がある。膣式子宮摘出術は、視界が制限されるので訓練を行うことが歴史的に見て困難である。腹腔鏡下手技とは異なり、手術をスクリーン上に投写するカメラが存在せず、開放手技とは異なり、多数の人が観察することができる広い切開創が存在しない。したがって、膣式子宮摘出術を教授する最善のやり方は、模擬モデルを介してである。したがって、子宮摘出術を訓練するためのモデルが要望されている。
【0007】
本発明の一観点によれば、外科的訓練用の外科用シミュレータが提供される。外科用シミュレータは、近位端部および遠位端部を備えた模擬骨盤を有する。模擬骨盤は、内面、外面および近位端部のところに設けられた少なくとも1つの開口部を有するエンクロージャを備える。外科用シミュレータは、遠位端部のところに球状部分を備えた模擬子宮を含む模擬組織モデルを有し、模擬子宮は、近位端部のところに管状部分を備えた模擬膣に連結される。模擬組織モデルは、模擬子宮の球状部分が遠位端部の近くに配置されるとともに模擬膣の管状部分が模擬骨盤の近位端部の近くに配置された状態で模擬組織モデルが模擬骨盤のエンクロージャ内に浮いた状態で設けられるよう模擬骨盤に連結される。管状部分は、模擬骨盤の少なくとも1つの開口部を通って接近可能なルーメンを有する。
【0008】
本発明の別の観点によれば、外科的訓練のための外科用のシミュレータが提供される。シミュレータは、内面および外面を備えた模擬骨盤フレームを有し、内面と外面との間には実質的に一様な厚さが定められている。模擬骨盤フレームは、実質的に筒形の形状を定める。筒形状は、開口近位端および開口遠位端を有し、開口近位端と開口遠位端との間にはルーメンが構成される。模擬骨盤フレームは、長手方向軸線を有するとともに頂側部および底側部を備える。模擬骨盤フレームは、模擬子宮、模擬膣、模擬子宮頸、模擬ファロピウス管、模擬卵巣、模擬靱帯または索、模擬脈管系、模擬膀胱および模擬結腸のうちの1つまたは2つ以上を含む模擬組織モデルを有する。模擬組織モデルは、模擬組織モデルがルーメン内に浮いた状態で設けられるよう模擬骨盤フレームに取り外し可能に連結されている。
【0009】
本発明の別の観点によれば、外科的訓練のための外科用のシミュレータが提供される。シミュレータは、基部と、基部との間に内部キャビティを構成するよう基部から間隔を置いた状態でこの基部に連結された頂部カバーとを有する。シミュレータは、互いに間隔を置いて配置された状態で頂部カバーと基部を相互連結するとともに頂部カバーと基部を離隔させた少なくとも2本のレッグを有する。少なくとも2本のレッグのうちの1本のレッグは、内部キャビティに向いた孔を有する。シミュレータは、遠位端部が模擬膣の近位端部に連結された模擬子宮を更に有する。模擬膣は、近位開口部を備えたルーメンを備える。近位開口部は、孔が模擬膣のルーメンに対するアクセスポートを提供するよう孔と相互連結されている。模擬膣および模擬子宮は、内部キャビティ中に延びている。模擬子宮および模擬膣のうちの1つまたは2つ以上は、内部キャビティ内に浮いた状態に設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の外科用訓練器具の上から見た斜視図である。
【
図2】本発明のモデルの前頭側の上から見た斜視図である。
【
図3A】本発明の骨盤フレームの上から見た斜視図である。
【
図3B】本発明の骨盤フレームの上から見た斜視図である。
【
図3C】本発明の骨盤フレームの上から見た斜視図である。
【
図3D】本発明に従って平らな向きにある骨盤フレームの平面図である。
【
図4A】本発明の外科用訓練器具内のモデルの尾側端面図である。
【
図4B】本発明の外科用訓練器具内のモデルの側面図である。
【
図4C】本発明の外科用訓練器具内のモデルの側面図である。
【
図4D】本発明の外科用訓練器具内のモデルの前頭側の上から見た斜視図である。
【
図4E】本発明の外科用訓練器具内の尾側端面図である。
【
図5B】本発明の経膣アダプタの上から見た斜視図である。
【
図6B】本発明の経膣アダプタの上から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
患者の胴、例えば腹部領域を模倣して作られた外科用訓練器具10が
図1に示されている。外科用訓練器具10は、ユーザから実質的に隠されていて、本明細書に記載する模倣されもしくは生きている組織またはモデル器官もしくは訓練モデル等を受け入れる本体キャビティ12を備えている。本体キャビティ12にはユーザが器具を用いて本体キャビティ12内に見えるように設けられた組織または練習用モデルに対して手術法を実施することにより穿通される組織模擬領域14を介してアクセスされる。本体キャビティ12は、組織模擬領域を通ってアクセス可能であるものとして示されているが、変形例として、手を使ったアクセス器具または単一部位ポート器具を用いて本体キャビティ12にアクセスしても良い。例示の外科用訓練器具が2011年9月29日に出願された米国特許出願第13/248,449号明細書(発明の名称:Portable Laparoscopic Trainer)に記載されており、この米国特許出願を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする。外科用訓練器具10は、腹腔鏡下または他の低侵襲手術手技を練習するのに特に好適である。
【0012】
依然として
図1を参照すると、外科用訓練器具10は、少なくとも1本のレッグ又は脚20によって基部18に連結されるとともにこの基部から間隔を置いて設けられた頂部カバー16を有している。
図1は、複数のレッグ20を示している。外科用訓練器具10は、患者の胴、例えば腹部領域を模倣して作られている。頂部カバー16は、患者の前方表面を表しており、頂部カバー16と基部18との間の空間12は、器官が存在する患者の内部または体内腔を表している。外科用訓練装置10は、患者が手術手技を受ける場合の模擬(シミュレーション)において種々の手術手技およびこれらと関連した器械を教示し、練習し、そして実証するための有用なツールである。外科用器械は、組織模擬領域14を通るとともに頂部カバー16にあらかじめ設けられた孔22を通ってキャビティ12中に挿入される。種々のツールおよび技術を用いて頂部カバー16を穿通し、それにより頂部カバー16と基部18との間に配置された模擬器官または練習用モデルに対して模擬手技を実施することができる。基部18は、模擬組織モデルまたは生きている組織をステージングしまたは保持するためのモデル受け入れ領域24またはトレーを有する。基部18のモデル受け入れ領域24は、モデル(図示せず)を定位置に保持するフレーム状要素を有している。模擬組織モデルまたは生きている器官を基部18上に保持するのを助けるため、引っ込み可能なワイヤに取り付けられたクリップが場所26のところに設けられている。引っ込み可能なワイヤは、伸長され、次にクリップ留めされて組織モデルを組織模擬領域14の実質的に下の定位置に保持する。組織モデルを保持する他の手段としては、モデル受け入れ領域24内で基部18に取り付けられたフック・アンド・ループ式(所謂マジックテープ(登録商標)式)締結材料のパッチ(VELCRO(登録商標))が挙げられ、このフック・アンド・ループ式締結材料のパッチは、モデルに取り付けられたフック・アンド・ループ式締結材料の補足し合う小片(VELCRO(登録商標))に取り外し可能に連結可能である。
【0013】
頂部カバー16にヒンジ留めされたビデオディスプレイモニタ28が
図1に閉じられた向きで示されている。ビデオモニタ28は、画像をモニタに送る種々の視覚的システムに接続可能である。例えば、あらかじめ設けられた孔22またはキャビティ内に設けられたウェブカム(ウェブカメラ)のうちの一方を通って挿入され、そして模擬手技を観察するために用いられる腹腔鏡をビデオモニタ28および/またはモバイルコンピューティング装置に接続して画像をユーザに提供するのが良い。また、音声記録または送り出し手段もまた提供されて訓練装置10と一体化され、それにより音声および視覚的機能を提供するのが良い。携帯式記憶装置、例えばフラッシュドライブ、スマートフォン、ディジタルオーディオもしくはビデオプレーヤまたは他のディジタルモバイル装置もまた実証目的で訓練手技を記録するとともに/あるいはあらかじめ記録された映像をモニタ上にプレイバックするために設けられる。当然のことながら、音声視覚的出力をモニタよりも大きなスクリーンに提供する接続手段が設けられる。別の変形例では、頂部カバー16は、ビデオディスプレイを備えておらず、ラップトップ型コンピュータ、モバイルディジタル装置またはタブレットと接続し、これをワイヤまたはワイヤレスで訓練装置に接続する手段を含む。
【0014】
組立て時、頂部カバー16は、レッグ20が実質的に周囲に沿って配置されるとともに頂部カバー16と基部18との間に相互に連結された状態で基部18の真上に位置決めされる。頂部カバー16と基部18は、実質的に同一の形状および寸法のものでありかつ実質的に同一の周囲外形を有している。内部キャビティは、視界から部分的にまたは完全に隠されている。
図1に示されている変形例では、レッグ部は、周囲光が内部キャビティをできるだけ多く照明することができ、しかも有利には、携帯性に都合がいいようにできるだけ軽量化をもたらすために開口部を有している。頂部カバー16は、レッグ部20から取り外し可能であり、レッグ部20は、基部18に対して取り外し可能でありまたは基部18に対してヒンジ等により折り畳み可能である。したがって、非組立て状態の訓練装置10は、携帯を容易にする減少高さを有している。本質的には、外科用訓練装置10は、ユーザからは隠されている模擬本体キャビティ12を備えている。本体キャビティ12は、少なくとも1つの組織模擬領域14および/または頂部カバー16に設けられた孔22を介してアクセス可能である少なくとも1つの手術モデルを受け入れるよう構成されており、ユーザは、孔22を通ってモデルにアクセスして腹腔鏡下または内視鏡下低侵襲手術法を練習することができる。
【0015】
本発明に従って、子宮摘出術を練習させ、特に膣式子宮摘出術を練習させるためのモデル30が
図2に示されている。モデル30は、上述した外科用訓練器具10または他の類似の外科用トレーナ内に配置されるよう構成されている。モデル30は、第1のシート36および第2のシート38によりフレーム34に連結された模擬子宮32を含む。模擬子宮32は、中空の模擬子宮腔42を構成する球状部分40を有する。球状部分40は、開口部48を有する膣管46を構成する管状部分44に連結されている。模擬子宮32は、実質的には子宮腔42と膣管46との間に位置する場所で模擬子宮32内に配置された模擬子宮頸50(
図4Aに示されている)を更に有する。模擬子宮頸50は、細隙52を有する。模擬子宮頸50は、中実の高ジュロメータシリコーンで作られている。
【0016】
模擬子宮32は、卵巣56に連結された模擬ファロピウス管54を更に有する。模擬子宮32、ファロピウス管54および卵巣56は、シリコーンまたは他のエラストマー材料で作られていて、これらは、シリコーンと組み合わされる他の材料、例えばフォーム材料を含む場合がある。模擬子宮32は、シリコーンまたは軽量のフォーム、例えばウレタンもしくはシリコーンフォームまたはこれら2つの組み合わせで作られている。取り付け状態の模擬子宮頸50が引かれて操作されているとき、シリコーンによる構成により、模擬子宮32にはより本物に近い重さが与えられる。模擬子宮32がフォームで作られていることにより、模擬子宮32を模擬骨盤腔内に浮いた状態で設けやすくなる。また、模擬子宮32を取り出している際、軽量フォームは、高ジュロメータシリコーンで作られた模擬子宮32よりも容易に撓み、それにより、大きな模擬子宮32をモデル30内に配置することができ、そして依然として取り出すことができる。フォーム子宮32は、これが実際の手術と同様に膣開口部48を通って取り出されているときに縮んだり撓んだりする。模擬子宮32は、ほぼ300〜500グラムであり、模擬子宮32は、大がかりな細切を行わないで経膣的に通常取り出し可能な本物の子宮のサイズおよび重さを正確に表わすよう選択されたジュロメータのフォームで構成されている。別の形態では、模擬子宮32は、模擬子宮32により本物に近い見た目を与える一方で依然としてフォームの柔軟性を有するようにシリコーンとフォームの組み合わせである。フォームを成型するのが良く、次にシリコーンを例えば回転モールド上のフォームを覆って被着させるのが良い。模擬子宮32は、色が一般的に桃色であり、ファロピウス管54および卵巣は、透き通ったまたは白色である。さらに、模擬子宮32は、埋め込み状態の腫瘍、嚢胞および/またはファロピウス管54内の子宮外妊娠部を含む場合がある。モデル30は、模擬脈管系または血管系58、例えば血管を更に含む場合がある。模擬血管系58は、中実または中空の管状シリコーンまたは他の適当なエラストマーで作られている。液体が模擬血管系58の中空管内に入れられている場合がある。血管を模倣した模擬血管系58は、色が赤色であるのが良い。モデル30は、
図2および
図4Eで理解できるようにシリコーン材料で作られた模擬索59、例えば子宮仙骨索59を更に含む場合がある。モデル30は、
図2に示されたフレーム34に取り付けられている卵管卵巣円索61を更に含む場合がある。
【0017】
さらに、
図3A〜
図3Dを参照すると、フレーム34は、内部/ルーメン60を画定する筒状の形を有する。フレーム34は、第2の表面64に相互連結された第1の表面62を有し、第1の表面62と第2の表面64との間には厚さが定められている。第1の表面62は、フレーム34の筒状の形の内面を構成し、第2の表面64は、フレーム34の筒状の形の外面を構成している。フレーム34は、これまた僅かに圧縮性である柔軟性フォーム材料で作られている。フレーム34は、外周および孔を構成するよう第1の表面62と第2の表面64との間に延びる1つまたは2つ以上の切欠き66を有する。一形態では、フレーム34は、
図3Dに示されているパターンに従って切断されたフォーム材料シートで作られている。
図3Dは、第1の側部および第2の側部72,74によって相互に連結された頂部68と底部70を有する外周を示している。頂部68は、垂直軸線に沿って第1の突出部78のところで相互連結された2つの湾曲部分76a,76bを有する。2つの湾曲部76a,76bは、左および右腸骨(ilium/iliac)稜を表わしている。底部70は、垂直軸線に沿って位置する第2の突出部80を有する。第1の突出部78は、人間の骨盤の仙骨を表わし、第2の突出部80は、尾骨を表わしている。第1の側部72は、第1の孔86を備えた第1の下ローブ82を有し、第2の側部74は、第2の孔88を備えた第2の下ローブ84を有する。第1および第2の下ローブ82,84は、左および右座骨を表わし、第1の孔86および第2の孔88は、人間の骨盤の閉鎖孔を表わしている。厚さを有する一片のフォームは、
図3Dに示されている平たいパターン形状を有するよう切断されている。次に、フォーム片は、第1の下ローブ82と第2の下ローブ84が筒状の形態に互いに繋がるよう湾曲している。2つのローブ82,84を繋いだ場合、これらは、恥骨/恥骨‐恥骨結合を表わす。2つのローブ82,84は、接着剤によって接合されても良くまたは別の適当な仕方で連結されても良い。別の形態では、2つのローブ82,84は互いに接合されず、半筒状または割れ型筒形態をなして互いに離隔した状態のままである。フレーム34は、曲げ可能であり、このフレームは、曲げ後にその形状を保つ材料、例えばアルミニウムで作られるのが良い。また、トレーナ10に連結されるクリップ26およびワイヤを用いると、2つのローブ82,84をトレーナ10内に位置したままの状態で上向きの状態にかつ筒状の形態に保持することができる。骨盤の解剖学的構造が
図7に示されている。
【0018】
フレーム34は、ダイカットすることができ、次に接着剤で正確な形状に形成することができる軟質で圧縮性の半剛性フォームで作られている。フレーム34が硬質のプラスチックで作られている場合、フレーム34は、当初正確な形状に形成される薄いサーモフォームであっても良く、あるいは、骨盤形状の状態に切断され、次に熱で筒の形状に形成される厚手のプラスチックであっても良い。フレーム34は、その形状を保持する変形可能な金属で作られても良い。フレーム34は、解剖学的構造の完全なレプリカではなく、医師にとっての解剖学的基準箇所または視覚的ランドマークまたは景観として特定の特徴部を必要とするある特定の手技を練習させるために選択されるある特定の特徴部を含むことだけが必要である。例えば、膣式子宮摘出術を練習させるため、骨盤の重要な特徴部は、骨盤入口の絞りおよび骨盤側壁への取り付け部である。経肛門全直腸間膜切除術(ta TME)の練習のため、仙骨のL字形は重要なランドマークである。ヘルニア手技に関し、恥骨結節が重要なランドマークである。フレーム34は、全ての解剖学的に正確な特徴部または特定の手技に必要な特徴部だけを有するよう作られても良い。したがって、フレーム34およびモデル30は、膣式子宮摘出術、経腹子宮摘出術、結腸切除術、ヘルニア、ta TME、および他の骨盤手技の模倣のために使用できる。別の形態では、フレーム34は、開口近位端部および開口遠位端部を備えた円錐形状または切頭円錐形状をなす。
【0019】
図2に戻ってこれを参照すると、モデル30は、模擬膀胱90をさらに含むのが良い。模擬膀胱90は、代表的にはシリコーンまたは他のエラストマー材料で作られた中空の空気の入ったコンポーネントである。別の形態では、模擬膀胱は、液体を収容する。模擬膀胱90は、接着剤または他の手段によってフレーム34に連結される。模擬膀胱は、フレーム34の第1の表面62または内面に連結される。模擬膀胱90は、2つのローブ82,84が恥骨を表わす場所で並置状態にある場所において垂直軸線と整列した状態で取り付けられる。模擬膀胱90は、連結されると、フレーム34のルーメン60中に延びる。模擬膀胱90は、模擬尿管94を更に有するのが良い。一形態では、模擬尿管94は、模擬膀胱90に連結される。模擬尿管は、中実または中空の管状シリコーンで作られる。
【0020】
依然として
図2を参照すると、モデル30は、模擬結腸92または腸の一部分を更に含むのが良い。模擬結腸92は、ルーメンを有する管状構造体である。模擬結腸92は、フレーム34の内部90内においてかつ実質的に垂直軸線に沿って、しかもフレーム34の第2の突出部80に当てた状態で第1の表面62上に置かれる。接着剤を用いて模擬結腸92をフレーム34に取り付けるのが良い。模擬結腸92は、シリコーンまたは他の適当なエラストマー材料で作られ、この模擬結腸は、桃色または他の適当な色に着色され、かかる模擬結腸は、模擬腫瘍を含んでいても良くまたは含まなくても良い。
【0021】
第1のシート36は、頂面96、底面98、第1の端部100および第2の端部102を備えた透き通ったシリコーン材料の薄い層である。一形態では、第1のシート36は、透明であり、頂面96および底面98のうちの少なくとも一方は、模様付きである。第1のシート36は、模擬子宮32に取り付けられている。特に、第1のシート36の第1の端部100の近くの底面98は、模擬子宮32の長さの少なくとも一部分に沿って、
図2に示されているように球状部分40および管状部分44のうちの1つまたは2つ以上に取り付けられている。次に、第1のシート36は、モデル30の頂部に向かって折り返され、そして第1のシート36の第1の端部100に向かって折り返され、それにより模擬子宮32の管状部分44の近くに折り目が作られている。第1のシート36のその第2の端部102の近くに位置する少なくとも一部分は、第1のシート36の底面98が、2つのローブ82,84がフレーム34のための筒状の形態を作るよう並置状態にある一般的な存在場所でフレーム34にくっつけられるようフレーム34に取り付けられている。第1のシート36の取り付けは、フレーム34を筒状の形態に保持するのにも役立ちうる。接着剤が第1のシート36の底面98をフレーム34に取り付けるために用いられている。第1のシート36の底面98は、フレーム34の第1の表面62または内面に取り付けられ、次にフレーム34の第1の側部72および第2の側部74の一部分の周りに折り曲げられる。模擬膀胱90がモデル30に採用される場合、第1のシート36の第2の端部102もまた、接着剤によって模擬膀胱90の外面に取り付けられ、それにより模擬膀胱90がフレーム34と第1のシート36との間に捕捉される。第1のシート36の第2の端部102の一部分は、フレーム34の縁部の周りに折り曲げられ、そしてフレーム34の第2の表面64に取り付けられ、その結果、第1のシート36の第2の端部102の少なくとも一部が
図4Dに見えるようにフレーム34の第2の表面または外面64の上方に位置するようになる。第1のシート36は、模擬子宮32をフレーム34の内部60内に浮いた状態で設けられるよう寸法決めされるとともに形作られている。模擬血管系58は、第1のシート36の頂面96または底面98に取り付けられるのが良い。第1のシート36の形態は、ポケットのような構造を形成し、この場合、第1のシート36の頂面96は、少なくとも部分的にそれ自体に向いた状態で折り返される。第1のシート36は、腹膜層を模倣する浮遊ウェッビングを作っている。
【0022】
第2のシート38は、頂面104、底面106、第1の端部108および第2の端部110を備えた透き通ったシリコーン材料の薄い層である。一形態では、第2のシート38は、透明であり、頂面104および底面106のうちの少なくとも一方は、模様付きである。第2のシート38は、模擬子宮32に取り付けられている。特に、第3のシート38の第1の端部108の近くの底面106は、模擬子宮32の長さの少なくとも一部分に沿って、第1のシート36が取り付けられている側から見て反対側に位置する球状部分40および管状部分44のうちの1つまたは2つ以上に取り付けられている。第1のシート36は、モデル30の前側に取り付けられ、この前側は、模擬子宮32の前側でもある。第2のシート38は、モデル30の後側に取り付けられ、この後側は、模擬子宮32の後側でもある。第2のシート38は、模擬子宮32の後側に取り付けられた後、モデル30の頂部に向かって折り返され、そして第2のシート38の第1の端部108に向かって折り返され、それにより模擬子宮32の管状部分44の近くに折り目が作られる。第2のシート38のその第2の端部110の近くに位置する少なくとも一部分は、第2のシート38の底面106が、第2の突出部80の一般的な存在場所でフレーム34にくっつけられるようフレーム34に取り付けられている。接着剤が第2のシート38の底面106をフレーム34に取り付けるために用いられている。第2のシート38の底面106は、フレーム34の第1の表面62または内面に取り付けられ、この底面は、フレーム34の縁部の周りに折り曲げられるのが良く、その結果、第2のシート38の第2の端部110の少なくとも一部は、フレーム34の第2の表面または外面64に連結されるようになっている。模擬結腸92がモデル30に採用される場合、第2のシート38の第2の端部110もまた、接着剤によって模擬結腸92の外面に取り付けられ、あるいは少なくとも重なり合った状態で接着剤によっては取り付けられず、その結果、模擬結腸92の少なくとも一部分は、フレーム34と第2のシート38との間に捕捉されまたは配置されるようになっている。第2のシート38は、模擬子宮32をモデル30がひっくり返された場合でもフレーム34の内部60内に浮いた状態に設けるよう寸法決めされるとともに形作られている。模擬血管系58が第2のシート38の頂面104または底面106に取り付けられるのが良い。第2のシート38の形態は、ポケットのような構造を形成し、この場合、第2のシート38の頂面104は、少なくとも一部がそれ自体に向いた状態で折り曲げられる。第2のシート38は、腹膜層を模倣する浮遊ウェッビングを作っている。
【0023】
次に
図4A〜
図4Eを参照すると、モデル30が
図1を参照して説明した外科用訓練器具と同じ外科用訓練器具10内に配置された状態で示されている。モデル30は、体腔12内に位置した状態で示されるとともにフレーム34の頂部68が模擬訓練器具10の頭側方向に向くとともに模擬子宮32の膣開口部48が模擬訓練器具10の尾側方向に向くよう差し向けられている。モデル30は、外科用訓練器具10にこのトレーナ10に取り付けられたクリップ26により連結されるのが良い。引っ込み可能なクリップ26を引き出すことができ、そしてクリップ26をモデル30の任意の部分、例えばモデル30のフレーム34に取り付けることができる。また、モデル30の第2の表面または外面64は、トレーナ10の基部18に連結されたフック・アンド・ループ型ファスナ(面ファスナ)の相補部分に取り付けられるよう構成された面ファスナを有するのが良い。1つまたは2つ以上のファスナ、例えばクリップ26および/または面ファスナと一緒になって、モデル30は、トレーナ10にしっかりと取り付けられ、その結果、トレーナ10のモデル30が体腔12から外れることなく模擬手術において操作することができるようになっている。モデル30は更に、経膣アダプタ112によりトレーナ10に連結され、この経膣アダプタは、外科用訓練器具10の尾側方向に位置決めされた追加のレッグ20として頂部カバー16と基部18との間を互いに連結するよう寸法決めされるとともに形作られている。
【0024】
次に
図5Aおよび
図5Bならびに
図6Aおよび
図6Bを参照すると、経膣アダプタ112が示されている。
図1に戻ってこれもまた参照すると、5本のレッグ20によって基部の上方に浮いた状態で上部カバーが示されている。一形態では、6本のレッグ20が
図4A〜
図4Dに示されているように、経膣アダプタ112の形態で提供されている。トレーナ10は、オプションとしての6番目の支持構造体またはレッグで組立てられるのが良く、このレッグは、経膣子宮摘出術を含む経膣手術を模倣するために形作られている。
【0025】
経膣アダプタ112は、トレーナの内部の方へ向くための内面116およびユーザの方へ外方に向くための外面118を備えた扁平なプレート114を有する。プレート114は、長方形の形をしており、孔120がこのプレート108内面116から外面118まで貫通している。一形態では、孔120は、形状が円形である。別の形態では、孔120は、形状が細長い楕円卵形のような形をしており、この孔は、アダプタ112の長手方向軸線に沿って垂直に差し向けられている。別の形態では、孔120は、形状が細長い楕円卵形であり、この孔は、アダプタの長手方向軸線に垂直に差し向けられている。
図5A〜
図6Bに示されているように、プレート114は、経膣アダプタ112を頂部カバー16および基部18に連結して頂部カバー16を支持するとともにこれを離隔させるのを助けるよう挿入可能な手段、例えばタブ122またはU字形チャネルを更に有する。経膣アダプタ112は、頂部カバー16と基部18との間に配置され、この経膣アダプタは、トレーナ10に対して外側にまたは頂部カバー16および基部18に実質的に垂直に位置する側部接近孔16を備えている。プレート114は、主孔120を包囲しまたはこの周りに位置していてシリコーンなどで作られた軟質模擬膣組織インターフェースをオーバーモールドするよう構成された複数の成形孔124を更に有する。別の形態では、インターフェースは、経膣アダプタは、112の孔120中に挿入可能である。組織インターフェース(図示せず)は、プレート孔120と実質的に同軸の孔を有する。経膣アダプタ112の内面のところに、管状延長部126が一体的に設けられており、この管状延長部は、トレーナ10の模擬体腔12中に延びている。管状延長部126は、
図5Aおよび
図5Bの管状延長部126と比較して、
図6Aおよび
図6Bでは長い。管状延長部126は、模擬子宮32の管状部分44を延長部126の周りに引き伸ばすことができ、そして経膣アダプタ112に固定することができ、その結果膣管46が
図4A〜
図4Dに示されているようにアダプタ112の孔120と一致しかつこれを通って接近可能な開放形態で支持されるよう寸法決めされるとともに形作られている。管状延長部126は、現実の手術の場合のように子宮の内部に接近できるような仕方でモデル30をトレーナ10に連結するコネクタとしての役目を果たす。一形態では、管状延長部126は、モデル30をトレーナ10に取り付けた状態に固定するとともに保持するのを助けるよう延長部128の少なくとも一部分の周りに延びる半径方向に延びる遠位フランジ128を備えた筒形の延長部である。モデル30の管状部分44は、管状部分44を遠位フランジ128が設けられている場合には遠位フランジ上にそして管状延長部126上にかつこの周りに引くことによって管状延長部126に取り付けられ、管状延長部126の外径は、管状部分44の弛緩状態の内径と同じまたは僅かに大きく、それにより管状部分44は、経膣アダプタ112に固定された状態に保たれる。経膣アダプタ112を可撓性の材料または剛性の材料で作ることができる。アダプタ112が剛性材料で作られている場合、このアダプタは、すでにレトラクトされた状態の膣管46を模倣する傾向がある。アダプタ112が可撓性材料または軟質材料で作られている場合、アダプタ112は、レトラクションを練習するのに適している。別の形態では、経膣アダプタ112は、軟質柔軟性材料で作られた管状延長部126および剛性材料で作られまたは剛性材料によって包囲されたプレート114を有し、それにより、トレーナ10の頂部カバー16が支持状態に保たれ、それにより医師は、アダプタ112のところの膣管46の開放時にレトラクションを依然として練習することができる。
【0026】
使用にあたり、モデル30を外科用訓練器具10内に配置し、そして面ファスナおよび/またはレトラクティングクリップ26により定位置に保持する。膣開口部48をアダプタ112の管状延長部126上で引き伸ばすことによって管状部分44を経膣アダプタ112に取り付ける。モデル30を更に隠すためにトレーナ10の側部の周りに配置されるカーテンを採用するのが良く、その結果、模擬膣管46を介してのみ視覚化が得られるようになっている。次に、外科用レトラクタを用いて膣管46をレトラクトする。膣管46は、柔軟性熱可塑性エラストマー(TPE)で作られている。TPEは、これがレトラクトされてユーザが真に迫ったレトラクションを練習することができるその元の形状にスプリングバックしようとするときに抵抗をもたらす。長い管状延長部126を備えた
図6Aおよび
図6Bの経膣アダプタ112を用いてすでにレトラクトされた状態の膣管を模倣する。それ故、経膣アダプタ112により、医師は、レトラクションを実行する上で余分の手および援助を必要することなく、子宮摘出術を練習することができる。短い管状延長部126を備えた
図5Aおよび
図5Bの経膣アダプタ112を用いる場合、医師は、手技中、レトラクタを用いるとともに余分の手の助けを借りて膣管46のレトラクトを練習することになる。経膣アダプタ112を上述したように剛性もしくは可撓性材料または剛性かつ可撓性の材料で作ることができるとともに、膣管46のレトラクションを練習させる目的で選択することができまたはそうでなくても良い。次に、模擬子宮頸50をつかんで膣管46の開口部48に向かって引き寄せる。模擬子宮頸50は、周りの管状部分44と比較して高ジュロメータシリコーンで作られている。模擬子宮頸50もまた、これを本物の外科用ツールで把持してシリコーンのリッピングまたは裂けの恐れなしに引くことができる中実コンポーネントとして作られている。模擬子宮頸50に周方向を切開し、そして、医師は、模擬子宮頸50からの膣粘膜を注意深く剥離するのを練習することができる。綿または他のウェッビング状物質のシートを膣管46と模擬膀胱90との間でモデル30内に設けるのが良い。上述したように、模擬膀胱90は、中空の空気入りのコンポーネントである。医師が模擬膣粘膜を剥離しながら大きく切り込んで模擬膀胱90を偶発的に切開した場合、模擬膀胱90は、特に模擬膀胱90が流体を収容している場合、ぽんという音がして医師に即時フィードバックを与える場合がある。
【0027】
モデル30は、有利には、模擬子宮32とフレーム34との間に折り目を形成する第2のシート38を有する。また、模擬子宮32をフレーム34内で浮いた状態で設けることにより、有利には、模擬子宮32を切開して操作しているときに本物に近い応答が作られる。また、模擬子宮が軽量のフォーム材料で作られている形態では、模擬子宮は、つり下げ状態のままであり、ぶら下がり、そして外科用器具による操作に応答して揺れることになる。模擬子宮および模擬膣は、少なくとも部分的に、骨盤フレームによって画定されたエンクロージャ内で浮いた状態に保たれるとともにこのエンクロージャに連結されまたはトレーナによって画定されたエンクロージャに直接連結される。浮いた状態で設けることにより、有利には、第2のシートの折り目に接近することができ、それにより直腸子宮折り目を形成する腹膜を切開することによって後方盲嚢切開部への後方膣切開術を練習することができる。浮いた状態の模擬子宮32は、直腸子宮腹膜折り目を存在させることができる。上述したように、模擬子宮32は、人間の骨盤を真似たフォーム材料で作られているフレーム34内にぶら下がっている。模擬子宮32を模擬子宮32の前側に設けられたシリコーン材料の折り曲げ状態の第1のシートおよび模擬子宮32の後側に設けられたシリコーン材料の折り曲げられた第2のシートによって浮かせる。フレーム34は、任意の材料、例えばプラスチック材料または硬質のフォーム材料で構成できる。フレーム34は、広間膜、卵巣56およびファロピウス管54を含む解剖学的構造の種々の模擬部分のための取り付け領域として役立つ。これら解剖学的コンポーネントのシリコーンの弾性により、模擬子宮32を引いて操作することができ、そしてこの模擬子宮は、依然としてフレーム34に取り付けられたままでいることができる。半硬質フォームで作られたフレーム34はまた、模擬子宮が操作されているときに動くことができる。より硬質のフレーム34は、動きが小さい。次に、医師は、子宮仙骨索59を分割する。次に、医師は、直腸子宮折り目を形成する腹膜を模倣した第1のシート38を切開することによって前方盲嚢切開部への前方膣切開術を練習することができる。医師は、模擬子宮32の各側で卵管卵巣円索59を分割する。フォームフレーム34に起因して、卵管卵巣円索59は、これらを模擬子宮32から分割した後であってもフレーム34に本物のような状態で取り付けられたままである。次に、模擬子宮32を自由にして取り出す。次に、医師は、縫合糸付きの針をモデル30の管状部分44に通して膣管46の開口部を閉じることによって膣カフを縫合して閉じる練習を行う。現実の手術で膣カフを縫合することは、スペース上の制約に起因して膣式子宮摘出術の別の困難な部分である。TPEで作られている管状部分44は、裂けなしで縫合糸を保持し、縫合プロセスの際に器具にとって利用できるスペースを制限する。モデル30により、医師は、1つのモデルについて多くの困難な手技を練習することができる。
【0028】
モデル30の任意の部分を1種類または2種類以上の有機塩基ポリマーで作ることができ、かかる有機塩基ポリマーとしては、ヒドロゲル、単独重合体ヒドロゲル、多重合体ヒドロゲル、ゴム、ラテックス、ニトリル、タンパク、ゼラチン、コラーゲン、ソイ、非有機塩基ポリマー、例えば熱可塑性エラストマー、クラトン、シリコーン、フォーム、シリコーンを主成分とするフォーム、ウレタンを主成分とするフォーム、およびエチレンビニルアセテートフォームなどが挙げられるがこれらには限定されない。任意の塩基ポリマー中には、1種類または2種類以上の充填剤、例えば布、織り繊維または不織繊維、ポリエステル、ナイロン、コットンおよびシルクを採用することができ、導電性充填剤材料、例えば黒鉛、白金、銀、金、銅、その他の添加剤、ゲル、油、コーンスターチ、ガラス、ドロマイト、炭酸塩鉱物、アルコール、デドナ(deadner)、シリコーン油、顔料、フォーム、ポロキサマー(poloxamer)、コラーゲン、ゼラチンなどを採用することができる。用いられる接着剤としては、シアノアクリレート系、シリコーン系、エポキシ系、スプレー型接着剤、ゴム系接着剤などが挙げられるがこれらには限定されない。
【0029】
本明細書において開示した実施形態および変形例に対して種々の改造を行うことができることは言うまでもない。したがって、上述の説明は、本発明を限定するものと解されるべきではなく、単に好ましい実施形態の例示として解されるべきである。当業者であれば、本発明の範囲および精神の範囲内で他の改造例を想到するであろう。