【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、請求項1に記載の特徴を有する、ベーカリー食品を送出する装置によって達成される。
【0005】
上流にあって自動供給される、連続ベーキングオーブンと組み合わされる装置であって、ベーカリー食品を送出する装置を提供する。
焼きたてまたはカリッと焼かれたベーカリー食品を顧客がいつでも手に入れることができるよう、ベーカリー食品は、ベーキングオーブンで焼かれたり、カリッと焼き上げられる。
前記装置は、ベーカリー食品を保管ユニットから送出手段に移す移載手段を更に備えており、前記送出手段は、ベーカリー食品を送出部に案内する。
カリッと焼かれたベーカリー食品は、短時間一時的に、保管ユニットに保管されて、ベーカリー食品の需要が比較的大きい場合に、十分な数のベーカリー食品を保管ユニット内に置いておき、需要を急速に処理できるように、カリッと焼かれたベーカリー食品は、短い時間一時的に保管ユニットに保管される。
【0006】
本発明による送出手段は、第1仕分装置を有する少なくとも1つの第1搬送装置と、第2仕分装置を有する第2搬送装置とを備え、前記仕分装置には、各搬送装置によって、ベーカリー食品を供給できる。
両方の仕分装置は、第1位置及び第2位置の少なくとも1つを取ることができる。
前記第1位置にある第1仕分装置が、ベーカリー食品を第1搬送装置から受け入れ、第2位置にある第1仕分装置が、ベーカリー食品を前方に送出部へ案内するよう、第1仕分装置は構成される。
ベーカリー食品を第2位置にある第2仕分装置から、ここでは、第1位置または同様に第2位置にあってもよい第1仕分装置上に搬送されるよう、本発明による2つの仕分装置は、互いに配置される。
言い換えると、仕分けは、第2搬出装置から第1搬出装置を経て行なわれ、結果として、第1搬出装置は、第2搬送装置だけでなく、第1搬送装置のベーカリー食品の送り出しも続いて行われるよう、両方の外部搬送に使われる。
このため、ベーカリー食品に関して高い処理量を実現できるが、その理由は、ベーカリー食品の搬送が、第1搬送装置及び第2搬送装置により可能だからである。
どのベーカリー食品を、どの搬出装置で送出するかの制御は、対応して構成される電子制御装置により行なわれることが好ましい。
【0007】
本発明によれば、ベーカリー食品を第2仕分装置から第1仕分装置に直接案内することができる。
前記少なくとも2つの仕分装置は、「仕分けチェーン」を形成し、ベーカリー食品は、第2位置にある第2仕分装置から第2位置にある第1仕分装置を経て送出部の方向に案内される。
その一方で、より短い仕分けチェーンにより、ベーカリー食品を第1仕分装置から送出部に案内する。
前記第2仕分装置は、この手順には無関係である。
【0008】
本発明による搬送装置及び仕分装置により、より短時間でもっと多くのベーカリー食品を送出部に送ることができる。
また、2つの搬送装置には、互いに関係なく、異なるベーカリー食品を供給可能であり、ベーカリー食品の送出速度を高めることができる。
【0009】
前記個別の供給は、更に利点を提供する。
例えば、両方の仕分装置を経て、または、第1仕分装置だけを経てベーカリー食品を送出部に案内できるので、ベーカリー食品が一方の搬送装置に載っていない状態では、ベーカリー食品を他方の搬送装置から送出部に案内できる。
従って、更に多くの搬送経路が利用可能になるので、一方の搬送装置または一方の仕分装置が故障している場合でも、それにも関わらず、ベーカリー食品を他方の搬送装置及び他方の仕分装置を経て送出部に案内できる。
2つの搬送装置及び/又は仕分装置が同時に動作すると、2倍の供給量が得られる。
従って、顧客の注文をより迅速に処理できる。
【0010】
ベーカリー食品が第1搬送装置及び第2搬送装置によって割り当てられる仕分装置それぞれに搬送される搬送方向、及び、ベーカリー食品がそれぞれ第2位置にある第1仕分装置または第2仕分装置から出る仕分方向は、それぞれ、共通の平面に位置することが好ましい。
この設計形態は、極めてスペースの節約であり、具体的には、装置のハウジングの前面パネルの後側に沿った設置が可能であり、搬送装置及び仕分装置は、ハウジング前面の長さ方向にわたって設けられる。
次に、ベーカリー食品の保管ユニット及び移載手段は、それぞれ、装置のさらに内部に設けることができる。
【0011】
第1搬送装置及び第2搬送装置は、互いに重畳(すなわち、上下配置)かつ互いに平行になるよう設けられることが更に好ましく、第1仕分装置及び第2仕分装置は、それぞれ、第1搬送装置及び第2搬送装置のそれぞれの端部に設けられる。
従って、一方では、第1搬送装置から第1仕分装置に、他方では、第2搬送装置から第2仕分装置に、互いに重畳してベーカリー食品を搬送し、次に、各仕分装置に移送させ、最終的に仕分装置から送出することができる。
このためには、第2仕分装置は、第1仕分装置の上方に配置され、更には、第1仕分装置から横方向にずれて配置されることが好ましい。
【0012】
これらの搬送装置の少なくとも一方、好ましくは、両方は、どちらの場合も、1つのリニアコンベヤ、具体的には、どちらの場合も、1つのコンベヤベルトを備え、ベーカリー食品が、関連する仕分装置に連続的に搬送される。
このような設計形態により、迅速かつ安全な搬送が可能になり、各仕分装置への移送を容易に行なうことができる。
更に、リニアコンベヤは、コンベヤベルトの高さがわずかであるので、スペースを節約して構成することができる。
仕分装置は、第1位置から第2位置に、かつ、逆に、第2位置から第1位置に移動中、通常、ベーカリー食品を全く受け取らないので、コンベヤベルトは、周期的に制御される。
この目的に向け、ベーカリー食品を周期的に仕分装置に案内する、これらの搬送装置は、電子的に作動されるのが好ましい。
仕分装置は、更にセンサを備えることが可能であって、このセンサが一旦仕分装置の第1位置を特定した場合にのみ、搬送装置がベーカリー食品を各仕分装置に再び案内することができるように、前記センサは、第1位置及び/又は第2位置を特定する。
【0013】
両方の仕分装置における第1位置は、受け入れ位置として構成され、この受け入れ位置では、ベーカリー食品が、関連する搬送装置それぞれによって供給され保持される。
従って、仕分装置は、第1位置または受け入れ位置において、ベーカリー食品を受け取り、この位置において、仕分装置の移動により、この第1位置から前方にベーカリー食品を案内できるようになるまで、ベーカリー食品は保管される。
【0014】
両方の仕分装置における第2位置は、ベーカリー食品が前方に案内される仕分け位置として構成されると同様に有利であり、これらの仕分装置が、各受け入れ位置と各仕分け位置との間で移動可能である。
このようにして、これらの仕分装置のそれぞれの仕分け位置に前方にベーカリー食品を案内することができる(これが下流の障害物で一時的に妨害されない場合)。
各仕分装置が第1位置から第2位置に移動し、それに応じてベーカリー食品が送出された後、各仕分装置は、第1位置または受け入れ位置に再び戻るので、仕分装置に新しいベーカリー食品を再度供給できる。
このように、ベーカリー食品を送出する向きを一時的に変えることができる。
更に、受け入れ位置にベーカリー食品を保管可能できるよう、かつ、短い時間間隔で出される顧客注文をもっと速やかに処理できるよう、受け入れ位置は、ベーカリー食品向けの一時的な保管場所を形成する。
【0015】
受け入れ位置と仕分け位置との間で移動する仕分装置は、中央制御装置によって作動制御される駆動部を備え、前記駆動部は、例えば、サーボモータとして、空圧制御ピストンとして、及び/又は油圧制御ピストンとして構成することができる。
【0016】
仕分装置のうち少なくとも一方は、好ましくは、両方は、支持面を有しており、この支持面上では、ベーカリー食品が、第1位置または受け入れ位置のそれぞれにて支持され、かつ、この支持面から、第2位置または仕分け位置のそれぞれにあるベーカリー食品が送出部の方向に案内される。
ベーカリー食品は、支持面上において、特に、ステンレススチールにより形成される支持面上において傷を付けられることなく、容易にスライドすることができる。
ここでは、支持面は、複数のベーカリー食品がスペースを第1位置または受け入れ位置のそれぞれにある支持面上に見つけられるような寸法に設定されているので、ベーカリー食品を一層速やかに送出することができる。
このため、顧客は、彼/彼女が希望するベーカリー食品を短時間で受け取る。
しかしながら、ベーカリー食品を1個だけ受け取るのは容易に可能で、かつ特定の場合に望ましい。
【0017】
少なくとも第1仕分装置及び第2仕分装置は、具体的には、どちらの場合も、1つの回動部材、特に、回動アームを備えるのが好ましい。
この回動部材は、回動移動することにより、ベーカリー食品を第1位置から第2位置に案内することができる。
ベーカリー食品は、第1仕分装置の回動部材が回動すると、送出部に直接案内されることが好ましい。
ここでは、これらの回動部材は、どちらの場合も、支持面を有し、この支持面上に、ベーカリー食品を各受け入れ位置で支持することが好ましい。
その後すぐに、ベーカリー食品が支持面から第1仕分装置に向かう方向にスライドするよう、第2仕分装置の回動部材は、仕分け位置に回動可能である。
ベーカリー食品が支持面から送出部に向かう方向にスライドするように、第1仕分装置の回動部材は、仕分け位置に回動可能である。
ここでは、回動部材は、配置によって異なるが、時計回りまたは反時計回りに回転できるので、非常にスペースを節約するように構成されている。
前記回動部材は、駆動部により、受け入れ位置と仕分け位置との間で回転可能であることが好ましい。
【0018】
各第2位置または仕分け位置にある2つの仕分装置の支持面は、それぞれ、2つの傾斜した、具体的には、平行な、特に好ましくは、互いに位置合わせされた傾斜面を構成するように、2つの仕分装置は、横方向に互いにずらして設けられる。
両方の仕分装置が第2位置にある場合、ベーカリー食品は、これらの仕分装置の両方の支持面に沿って送出部の方向にスライドできる。
2つの仕分装置の支持面は、単一の傾斜面を形成することで、ベーカリー食品が、2つの支持面をわたって、移動時に緩やかにかつ傷付かずに案内されることが好ましい。
この傾斜面によって、簡単にベーカリー食品を送出部の方向に案内できる。
【0019】
第1位置にあるこれらの仕分装置のうち少なくとも一方の支持面、好ましくは、両方の支持面が、関連する搬送装置の搬送方向に対して傾斜している場合、ベーカリー食品は、関連する搬送装置から傾斜した搬送面に搬送されるので更に有利である。
傾斜しているので、ベーカリー食品は、各仕分装置の第2位置に前方へと移送される前に、各仕分装置が第1位置にある時に任意的あるいは追加的に垂直保持壁に支持された状態で、ベーカリー食品の該当する支持面にしっかりと載置可能である。
【0020】
第1仕分装置及び/又は第2仕分装置の支持面となる傾斜面は(一方では、ベーカリー食品を受け入れる場合、他方では、ベーカリー食品を仕分けする場合)、各第1位置(受け入れ位置)から各第2位置(仕分け位置)に回動する時、かつ、第1位置に戻るよう回動する時いずれにおいても水平面を横切るように配向されることが好ましい。
ここでは、それぞれのベーカリー食品は、第2仕分け位置に移行しつつある各支持面が水平面を横切ると、下方にスライドする。
【0021】
実施形態の場合、2つの仕分装置の支持面が受け入れ位置から仕分け位置へと逆方向に移動するよう、2つの仕分け装置は、配置されている。
ここでは、これらの仕分装置は、互いに重畳して配置されるので、コンパクトな構成を実現可能である。
これらの仕分装置を互いに逆向きに移動させる場合、ベーカリー食品を更に、送出部へと異なる方向に、具体的には、相対する方向に案内することができる。
同じような形態において、これらの搬送装置がベーカリー食品を仕分装置に搬送し、ベーカリー食品を同様にして、異なる方向から、具体的には、相対する方向から供給すると有利である。
例えば、このようにして、2つ以上の異なる保管ユニットから、及び/又は2つ以上の異なる連続ベーキングオーブンからベーカリー食品を送出部に案内することができる。
従って、装置の供給量を増やすことができる。
また、複数の種類のベーカリー食品を含む顧客注文を更に迅速に処理することもできるように、保管ユニットは、異なるベーカリー食品を保管することができる。
【0022】
本実施形態の場合、少なくとも2つの仕分装置は、互いに並んで配置される。
更に、別の構成として、少なくとも2つの搬送装置も互いに並んで配置することができる。
従って、仕分装置及び/又は搬送装置には、移載手段によりベーカリー食品を、例えば2つの保管ユニットから供給することができる。
具体的には、様々な種類のベーカリー食品を保管ユニットにおいて入手し続けることができる。
【0023】
本発明の別の実施形態の場合、第2仕分装置の両方の位置、詳細には、第1位置及び第2位置は、第1位置にある第2仕分装置がベーカリー食品を第1仕分装置に案内し、第2位置にある第2仕分け装置がベーカリー食品を別の仕分装置に案内するように構成される。
このように、この実施形態の場合においては、第2仕分装置の単一の受け入れ位置が設定されることがないので好ましい。
その代わり、第2搬送装置から第2仕分装置に案内されるベーカリー食品は、第2仕分装置の位置によって異なるが、特に、第1仕分装置に向かって前方に直ちに搬送される、または別の仕分装置に向かって前方に直ちに搬送される。
第2仕分装置は、例えば、第1位置と第2位置との間で回動可能な回動アームとして構成することができる。
【0024】
本発明の別の構成は、保管ユニットは、旋回コンベヤとして構成され、旋回コンベヤが、焼成されたベーカリー食品を収納する複数の旋回キャリアを備える。
ここでは、旋回コンベヤには、連続ベーキングオーブンによってベーカリー食品を供給することができる。
従って、送出部に案内することができる十分な数のベーカリー食品をいつでも取り出すことができる。
更に、連続ベーキングオーブンそれ自体が、保管ユニットを形成することもできる。
これは、更にスペースを節約して装置を構成可能であり、かつ、ベーカリー食品を顧客に特に焼きたて状態で供給可能なことが有利である。
【0025】
ベーカリー食品を保管ユニットまたは複数の保管ユニットから搬送装置に搬送する移載手段は、複数の制御されたスライドを備える。
これらのスライドは、費用対効果が高い方法で構成可能であり、1方向にしか移動しないので、僅かなスペースしか要しない。
これらのスライドは、電子的に、油圧及び/又は空圧により作動させることができる。
【0026】
別の構成として、移載手段は、受け渡し手段を備えることができ、この受け渡し手段により、ベーカリー食品を旋回コンベヤの旋回キャリアから受け渡すことができる。
旋回キャリアをストッパーに向けて傾斜させて、ベーカリー食品を旋回キャリアから下方スライドさせるように、受け渡し手段をストッパーとして構成してもよい。
【0027】
また、移載手段がベーカリー食品用の中間保管部を備える場合、ベーカリー食品は、前記中間保管部から搬送装置に搬送されるので有利である。
従って、装置の処理能力及びベーカリー食品の入手可能性を高めることができる。
【0028】
同様に、第1搬送装置及び/又は第2搬送装置、及び関連仕分装置それぞれが、互いに並んで配置され、かつ、旋回コンベヤの旋回キャリアの幅にほぼ一致する。
【0029】
本発明の1つの変形例の場合、ベーカリー食品が第1仕分装置及び/又は第2仕分装置に搬送される2つの搬送方向は、一方では、これらの移載手段のうち1つから仕分装置への直接搬送を行なうことにより、他方では、上に説明したように搬送装置から仕分装置への搬送を行なうことにより設定され、これらの2つの搬送装置は、互いに略垂直に(すなわち、略直交して)設けられる。
この構成により、装置のコンパクト性を高めることができる。
【0030】
本発明の更なる利点は、以下の実施形態において説明される。