(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記反射体は、その外周が、対向して配置された第1および第2の直線と、前記第1の直線の一端と前記第2の直線の一端とを接続する第1の円弧と、前記第1の直線の他端と前記第2の直線の他端とを接続する第2の円弧とからなるような形状を有する、請求項1に記載の画像撮影装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の具体的な実施の形態について添付の図面を参照しながら説明する。
【0013】
(実施の形態1)
本発明の一実施の形態である写真シール作成装置は、撮影や編集等を利用者にゲーム(遊戯サービス)として行わせ、その撮影・編集した画像を、写真シールやデータとして利用者に提供するゲーム装置(遊戯サービス提供装置)である。写真シール作成装置1は、例えば、ゲームセンタ、ショッピングモール及び観光地の店舗等に設置される。
【0014】
写真シール作成装置が提供するゲームにおいて、利用者は、写真シール作成装置に設けられたカメラを用いて自分自身等を撮影する。利用者は、その撮影画像に対して、前景画像及び/又は背景画像を合成したり、また、編集用合成用画像としてのペン画像入力やスタンプ画像入力等の編集機能(落書き編集機能)を用いたりして編集を行い、撮影画像を彩り豊かなものにデザインする。そしてゲーム終了後、利用者は、編集した画像が印刷された写真シール等を成果物として受け取る。または、写真シール作成装置は編集した画像を利用者の携帯端末に提供し、利用者は携帯端末により成果物を受け取ることもできる。
【0015】
1.写真シール作成装置の構成
1.1 外観
図1A、
図1Bは、本発明の一実施の形態である写真シール作成装置の外観を示す図である。
図1Aに示すように、写真シール作成装置1は、撮影や編集を行う撮影ユニット10と、撮影時の背景画像を含む背景ユニット40とで構成される。撮影ユニット10と背景ユニット40との間の空間は利用者が撮影を行う空間(以下「撮影空間」という)R1である。撮影空間R1は、撮影空間R1の前方に配置される正面パネル81と、撮影空間R1の右側側方に配置される側面パネル82Rと、撮影空間R1の左側側方に配置される側面パネル82Lと、撮影空間R1の後方に配置される背面パネル83とにより四方が囲まれることにより形成される。
【0016】
左側の側面パネル82Lは前方部分(82L(F))と、後方部分(82L(R))とに分かれている。図示していないが、右側の側面パネル82Rも同様に前方部分(82R(F))と、後方部分(82R(R))とに分かれている。側面パネルの前方部分(82R(F)、82L(F))と、後方部分(82R(R)、82L(R))とは間隔を置いて配置され、それらの間に開口部が形成される。その開口部は、利用者が撮影空間R1に出入りするための出入り口を構成する。
【0017】
写真シール作成装置1は、ゲームセンタ等に設置されて使用される際には、
図1Bに示すように、その上部が遮蔽シート43等で覆われた状態で設置される。さらに、写真シール作成装置1は、側面パネル82L、82Rに形成された開口部(利用者の出入口)の一部がカーテン45で覆われた状態で設置される。このようにカーテン45により、写真シール作成装置1の内部の空間(撮影空間R1)が外部と遮蔽されるようになっている。これにより、利用者は外部の人眼を気にすることなく、撮影空間R1において撮影を行うことができる。一方で、カーテン45は、写真シール作成装置1横側の開口部(出入口)の下部を覆わないようになっており、これにより、防犯上、撮影空間R1が完全な密室になるのを防止している。カーテン45や遮蔽シート43の外側表面には広告用の画像や写真シール作成装置1のゲームの手順を示す情報等が印刷される。
【0018】
図2は、撮影ユニット10を正面から見た図(
図1AのA−A断面図)である。
図2に示すように撮影ユニット10の正面中央にはカメラユニット20が設けられる。カメラユニット20は、中央にカメラ21が取り付けられ、カメラ21の上に利用者を正面から照明する照明装置26aが配置され、カメラ21の下にタッチパネルモニタ23が設けられている。照明装置26a、26bは略円形状の発光面を有する。発光面を略円形状にすることにより、発光された光がどの方向(360°)に対しても均等に拡散して照射される。さらに、撮影ユニット10において、カメラユニット20の上に、利用者を正面上方から照明する照明装置26bと、カメラユニット20の下に、利用者の足元を照明する照明装置26cが設けられている。なお、図示していないが、撮影ユニット10の正面にはさらにスピーカ及びコイン投入返却口も設けられている。スピーカは、例えば、案内音声、効果音、BGM等の写真シール作成ゲームに関する音声を出力する。コイン投入返却口は、利用者が写真シール作成ゲームの代金を投入したり、お釣り等を受け取ったりする開口部である。
【0019】
図3は、撮影空間R1内において背景ユニット40側(後方側)を見た図(
図1AのB−B断面図)である。
図4は、撮影空間R1内において右側面パネル82R側を見た図(
図1BのC−C断面図)である。撮影空間R1の上方において、利用者を上から照明する照明装置26dと、利用者を上側後方から照明する照明装置26eが配置されている(
図3参照)。さらに、撮影空間R1の後方の左右の横側において、利用者を横側後方から照明する照明装置26f、26gが配置されている(
図3、4参照)。
【0020】
図5Aは、撮影空間R1内の構成を斜め左上方向から見た図である。
図4、5Aに示すように、側面パネル82Rからカーテン45に亘って反射体70が設けられている。反射体70は、照明装置26a等からの光を均一に反射し、撮影された画像における利用者の瞳およびその近傍にキャッチライトを生成するための部材である。このキャッチライト生成用の反射体70の詳細については後述する。
図5Aでは、右側面側の反射体70のみを示しているが、写真シール作成装置1は、
図5Bに示すように、左側面側においても、右側面側の反射体70と対向する位置に反射体が設けられている。すなわち、右側面側の反射体と左側面側の反射体とは、同じ形状を有し、かつ、正面パネル81の幅方向の中心を通り側面パネル82Rに平行な面(以下「撮影空間R1の中心面」という)に対して面対称となるように向きが調整されて配置されている(
図5B参照)。なお、右側面側の反射体と左側面側の反射体は、サイズ、色、反射率等も同じになるように形成される。
【0021】
カメラ21は被写体(利用者)の画像を撮影し、撮影画像(画像データ)を生成する。カメラ21は、レンズ、絞り等の光学系や、CCDやCMOSイメージセンサ等の撮像素子を含む。カメラ21の位置や個数は
図2に示す例に限定されるものではない。
【0022】
タッチパネルモニタ23は、写真シール作成ゲームやその遊戯方法の案内やデモンストレーション画面等を表示する。また、タッチパネルモニタ23は、タッチ操作により利用者の指示を受け付ける。タッチパネルモニタ23は、LCD(Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ等により構成される。このタッチパネルモニタ23の画面上には無色透明のタッチセンサ(例えば、感圧式や電磁誘導式)が重畳されており、例えばタッチペン(図示せず)や利用者の指等でタッチすることにより情報(利用者の指示)を入力することができる。タッチパネルモニタ23は、例えば、カメラ21により生成された撮影画像に合成する背景及び/または前景の画像(合成用画像)を選択するためのGUIである背景画像の選択画面等を表示する。
【0023】
照明装置26a〜26fは、画像撮影時以外一定の強さで撮影空間R1を照明する。照明装置26a〜26fは通常時の照明に加えて、画像撮影時に瞬間的に強い光であるストロボ光を照射する。照明装置26a〜26fは、蛍光灯、LED照明機器、ストロボ発光可能な照明機器等により構成される。なお、利用者を正面から照明する照明装置26a〜26cは必ずしも撮影ユニット10の正面に設ける必要は無く、他の位置に設けても良い。例えば、照明装置26a〜26cを側面パネル82L、82Rの前方側に設け、
図2に示す照明装置26a〜26cの位置に、照明装置26a〜26cに替えて反射体を設けてもよい。すなわち、照明装置26a〜26cは、撮像ユニット10の正面に設けた反射体を介して間接的に利用者を照明してもよい。
【0024】
図6は、編集ユニット50の背面側を示す図である。編集ユニット50は、撮影ユニット10の背面に設置され、タブレット内蔵モニタ33と、スピーカ35と、シール排出口39とが設けられている。
【0025】
タブレット内蔵モニタ33は、撮影空間R1における撮影作業により生成された撮影画像を編集するためのGUIである編集画面等を表示する。編集画面は、二人組みの利用者それぞれがタッチペンを用いて個別に落書き編集が行えるよう、編集する画像を同時に2枚表示されるようになされている。この同時に表示される落書き編集の対象となる2枚の画像は同一のものであってもよいし、異なるものであってもよい。
【0026】
タブレット内蔵モニタ33は、タッチペンにより位置情報を入力可能なタブレットと、画像を表示可能な表示デバイスを有するモニタとで構成される。ここで、タブレットは、例えば、感圧式や電磁誘導式の入力デバイス(タッチセンサ)であり、無色透明であって、表示デバイスの表示画面上に重畳されて設置されている。表示デバイスは、LCDや有機ELディスプレイ等により構成される。つまり、タブレット内蔵モニタ33は、表示デバイスにより単にGUI画像等を表示するだけでなく、タブレットにより利用者からの入力操作を受け付ける。なお、タブレット内蔵モニタ33はタッチパネルモニタを備えてもよく、利用者の指等によって情報を入力させてもよい。
【0027】
スピーカ35は、例えば、案内音声、効果音、BGM等の写真シール作成ゲームの編集作業に関する音声を出力する。なお、撮影ユニット10に取り付けられるスピーカの個数、デザイン、および形状等は任意である。
【0028】
シール排出口39からは、撮影空間R1において撮影された撮影画像に基づき、撮影空間R1で行われた選択と、編集空間R2において行われた編集内容とを反映して生成された画像が印刷されたシール紙が排出される。
【0029】
1.2 内部構成
写真シール作成装置1の内部の構成の例について説明する。
図7は、写真シール作成装置1の機能的な構成の一例を示すブロック図である。以上において説明した構成要素と同じ構成要素については、同じ番号を付し、その説明を省略する。
【0030】
図7に示すように、写真シール作成装置1は、写真シール作成装置1の全体の動作を制御する制御装置11を有している。制御装置11には、記憶部12と、通信部13と、メディアドライブ14と、ROM(Read Only Memory)16と、RAM(Random Access Memory)17と、画像撮影部110と、編集部120と、印刷部130とがそれぞれ所定のバスを介して接続されている。制御装置11はCPUやMPUなどで構成され、所定のプログラムを実行することで、以下に説明する機能を含む写真シール作成装置1の全般の機能を実現する。所定のプログラムは、所定の記録媒体から直接または通信回線を介して写真シール作成装置にインストールされてもよい。所定の記録媒体は、例えば、ハードディスク(HDD: Hard Disk Drive)、ソリッドステートドライブ(SSD: Solid State Drive)、フロッピ(登録商標)ディスクなどの磁気ディスク、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)などの光ディスク、MD(Mini Disc)(登録商標)などの光磁気ディスク、またはメモリカードなどのリムーバブルメディア15を含む。なお、制御装置11は、所定の機能を実現する専用の電子回路として設計されてもよい。
【0031】
記憶部12は、ハードディスク(HDD)、フラッシュメモリ、ソリッドステートドライブ(SSD)のような不揮発性の記録媒体を含む。記憶部12は、各種設定情報を格納したり、格納している設定情報を読み出して制御装置11に供給したりする。なお、記憶部12を構成する記録媒体は、不揮発性の記録媒体であれば、どのようなものであってもよい。
【0032】
通信部13は、例えばインターネットや公衆電話回線網等のような外部のネットワーク(図示せず)を介して、または単に通信ケーブル(図示せず)を介して、他の通信機器(図示せず)と通信を行う。このため、通信部13は、4G、LTE、WiFi、LAN等の所定の通信規格に準拠して通信を行う通信モジュールを含む。通信部13は、制御装置11からの制御にしたがい、利用者の携帯型電話機、利用者のパーソナルコンピュータ、または中央管理サーバ等のような他の通信機器と通信を行う。例えば、通信部13は、制御装置11より供給される送信情報を他の通信装置に送信したり、他の通信装置より供給された受信情報を制御装置11に供給したりする。また、写真シール作成装置1は、他の通信機器から利用者の携帯端末の要求により、ネットワークを介して撮影画像を通信部13から送信してもよい。
【0033】
メディアドライブ14には、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD、DVD、BD等)、光磁気ディスクまたは半導体メモリなどのリムーバブルメディア15が装着される。リムーバブルメディア15からは、コンピュータプログラムやデータが読み出され、制御装置11に供給されたり、記憶部12等に保存されたり、インストールされたりする。
【0034】
ROM16は、制御装置11によって実行されるプログラムやデータなどを予め格納している。ROM16は、制御装置11の指示に基づいて、プログラムやデータを制御装置11に供給する。RAM17は、制御装置11が処理するデータやプログラムなどを一時的に保持する。
【0035】
画像撮影部110は、撮影処理に関するブロックであり、硬貨処理部111、背景制御部112、照明装置26a〜26f、カメラ21、タッチパネルモニタ23およびスピーカ25を有する。
【0036】
硬貨処理部111は、コイン投入返却口から投入された硬貨を計数し、計数した金額を示す信号を制御装置11に送信する。制御装置11は硬貨処理部111からの信号に基づき所定の金額の硬貨の投入があったか否かを判断する。背景制御部112は、撮影空間R1において被写体の後方(背景ユニット側)に背景として吊設される背景カーテンを制御する。すなわち、背景制御部112は制御装置11の制御にしたがい背景カーテンを吊設したり収納したりする。なお、背景ユニット40は、クロマキー合成用カーテンが板金に貼り付けられた構造を有してもよい。または、背景ユニット40は、所定の色(例えば、緑)に塗装された板金のみで構成されてもよい。板金の色は白等、背景画像に合わせた色でもよい。背景ユニット40において背景カーテンの吊設/収納を制御する必要がない場合は、背景制御部112は無くても良い。
【0037】
編集部120は、編集処理に関するブロックであり、タブレット内蔵モニタ33、タッチペン37及びスピーカ35を含む。
【0038】
印刷部130は、編集部120により行われた編集作業結果をシール紙55に印刷するプリンタ51を含む。プリンタ51は、制御装置11により編集された画像情報を取得し、シール紙55に印刷する。プリンタ51は印刷処理を終了すると、印刷済みのシール紙55をシール排出口から排出する。この印刷済みのシール紙55が、写真シール作成ゲームの成果物である写真シールとして利用者に提供される。
【0039】
2.写真シール作成装置の動作
2.1 写真シール作成ゲームの流れ
写真シール作成装置1による写真シール作成ゲームの流れと、それに伴う利用者の移動について、
図8を参照して説明する。
【0040】
図8は、ゲーム中の利用者の空間移動を説明するための図であり、写真シール作成装置1の上方から俯瞰的に見たときの図を示したものである。
図8に示すように、利用者Aは、写真シール作成装置1の横側から撮影空間R1内に入場し、撮影ユニット10のコイン投入返却口に代金を投入することで写真シール作成ゲームを開始する。その後、利用者Aは、撮影空間R1内において、背景画像の選択およびカメラ21による撮影を行う。すなわち、撮影空間R1において、利用者Aは、撮影ユニット10の正面に設けられたカメラ21やタッチパネルモニタ23を利用して、撮影画像に合成する背景画像を選択したり、自分自身等の画像を撮影したりする(撮影作業)。
【0041】
背景画像の選択および撮影が終了すると、利用者Aは、写真シール作成装置1の案内(誘導)にしたがい、撮影ユニット10の背面側に位置する編集空間R2に移動する。利用者Aは、この編集空間R2において、タブレット内蔵モニタ33を操作して撮影画像に対して落書きなどの編集作業を行う。なお、撮影空間R1において、背景画像の選択および撮影が終了した時点で、前の組の利用者が編集空間R2を使用中(編集作業中)であれば、写真シール作成装置1は、利用者Aに対して編集空間R2への案内は行わない。このとき、利用者Aは編集空間R2が空くまで撮影空間R1において待機する。その後、前の組の利用者による編集作業が終了すると、写真シール作成装置1は、利用者Aに対して編集空間R2への案内を行い、利用者Aはその案内にしたがい編集空間R2へ移動する。なお、写真シール作成装置1は、撮影空間R1と編集空間R2で同時に作業が行われていると判断されるときは、撮影空間R1での撮影時間が長くなるよう撮影処理を制御したり、編集空間R2での編集時間が短くなるように編集処理を制御したりすることで、利用者の待ち時間が短くなるようにしてもよい。
【0042】
上記のように撮影を行う撮影空間R1と、画像の編集を行う編集空間R2とを分けていることから、それぞれの空間へ別々の利用者を誘導できるため、1台の写真シール作成装置1において同時に2組の利用者がゲームを楽しむことができる。このため、撮影や編集等を1つの空間で行う場合に比べて、写真シール作成装置1の稼働率を高めることができる。
【0043】
なお、上述の例では、撮影空間R1において、撮影および背景画像の選択を行い、編集空間R2において落書き処理および印刷処理を行った。しかし、撮影、背景画像の選択、落書き編集、印刷をそれぞれ異なる空間で行うように写真シール作成装置を構成してもよい。上述のように1つの空間において複数の処理を実行させた場合、写真シール作成装置1を小型化でき、設置面積を小さくできるという利点はあるが、各空間においてそれぞれ異なる利用者の組が同時に作業しても、作業を行うことができる空間が2つしかないため、同時に装置を利用できる利用者の組は最大でも2組となる。しかしながら、各処理を異なる空間で行うようにすることで、同時に利用できる利用者をより多くすることができ、回転率を向上させることができる。ただし、写真シール作成装置1の設置面積が比較的大きくなるので、設置場所は比較的大きな面積が要求される。
【0044】
また、写真シール作成装置1のユニットの構成は任意であり、上述した以外のユニット構成であってもよい。また、多重接客の仕方も任意である。例えば、
図20に示すように、写真シール作成装置1は2つの編集ユニット50a、50bを備えてもよい。この場合、写真シール作成装置1は、1つの撮影空間R1と、2つの編集空間R21、R22とを備える。また、この写真シール作成装置1は、撮影空間R1の外側に事前接客モニタ53を備え、編集空間R21、R22の外側に1つのシール排出口56を備える。または、撮影空間及び編集空間をそれぞれ2個ずつ設けてもよい。このように、撮影空間と編集空間を複数設けることで写真シール作成装置の回転率を向上できる。
【0045】
2.2 動作
写真シール作成装置1の写真シール作成ゲームに関する動作について説明する。前述のように写真シール作成装置1は、利用者の撮影画像に前景または背景画像を合成し、さらに落書き等の編集処理を施した画像をシール紙に印刷して出力する。
図9は、写真シール作成装置1における写真シール作成ゲームに関する一連の動作を示すフローチャートである。以下、
図9のフローチャートを参照して写真シール作成装置1の全体動作を説明する。
【0046】
写真シール作成装置1において、利用者により、コイン投入返却口29にゲームを行うために必要な所定金額分の硬貨が投入されると(S1)、制御装置11は写真シール作成ゲームを開始する。なお、後述する処理において、コース選択処理(S2)、背景選択処理(S3)、撮影処理(S4)及びレイアウト選択処理(S5)は、撮影空間R1に存在する利用者に対して実行される。また、落書き編集処理(S6)、印刷処理(S7)及びシール排出処理(S8)は、編集空間R2に存在する利用者に対して実行される。
【0047】
まず、制御装置11はコース選択処理(S2)を行う。本実施形態では、複数のコースの中から1つのコースを選択できるようになっている。本実施形態では、例えば、「通常コース」と「簡単コース」とが用意されている。簡単コースは、写真シール作成装置1の操作に不慣れな利用者を想定したコースであり、通常コースよりもより簡単な操作でゲームを進行できるコースである。制御装置11は、利用者にゲームのコースを選択させるためのコース選択画面を、画像撮影部110のタッチパネルモニタ23上に表示する。利用者はコース選択画面上でタッチパネルモニタ23を操作することで所望のコースを選択する。制御装置11は、利用者により選択されたコースの情報をRAM17に記憶する。
【0048】
コース選択処理(S2)の終了後、制御装置11は背景選択処理(S3)を行う。背景選択処理では、利用者の指示に基づき、撮影画像に合成されるべき背景または前景の画像(以下、「背景画像」と総称する)が選択される。
【0049】
背景選択処理(S3)の終了後、制御装置11は撮影処理(S4)を行う。撮影処理では、制御装置11は、画像撮影部110の各部を制御して利用者(被写体)の画像(写真)を撮影する。ここで、撮影処理では、利用者(被写体)の画像(写真)が連続して複数枚撮影される。これにより、利用者は所望の様々なポーズで画像を撮影することができる。撮影する画像の枚数は、写真シールに印刷する画像の配置領域の数と同じであってもよい。または、撮影する画像の枚数を写真シールに印刷する画像の配置領域の数よりも多くして、利用者により、撮影した画像群の中から、写真シールに印刷する画像が選択されるようにしてもよい。
【0050】
利用者の画像の撮影が終了すると、制御装置11は、撮影された全画像(写真)をタッチパネルモニタ23上に一定時間表示させる(以下、この機能を「全プレビュー表示」という)。例えば、全プレビュー表示では、撮影により得られた複数枚(例えば、4枚)の画像(写真)のそれぞれについて、順次画像全体が把握できる方法で表示される。例えば、画像全体が表示されるように1枚ずつ画像を順番に切り替えながら表示してもよいし、撮影した全ての画像について、一定時間、画像全体を同時に表示してもよい。このような全プレビュー表示によって、利用者は実際に撮影された各画像の内容を把握することができる。
【0051】
撮影処理(S4)の終了後、制御装置11は、利用者を編集空間R2に誘導するための案内画面をタッチパネルモニタ23に表示させる。利用者は、タッチパネルモニタ23に表示された案内画面の表示にしたがい編集空間R2に移動し、以後、編集空間R2において作業を行う。撮影処理(S4)の終了後、さらに、制御装置11はレイアウト選択処理(S5)を行う。
【0052】
レイアウト選択処理は、写真シールのレイアウトを決定する処理である。写真シール作成装置1は複数の写真シールのレイアウトを用意しており、利用者により複数のレイアウトの中から所望のレイアウトが選択されるようになっている。レイアウト選択処理の詳細については後述する。
【0053】
レイアウト選択処理(S5)の終了後、制御装置11は落書き編集処理(S6)を行う。落書き編集処理は、利用者による撮影画像に対する装飾を受け付ける処理である。具体的には、利用者は、編集空間R2において、撮影ユニット10の背面に設けられたタブレット内蔵モニタ33上でタッチペン37を操作することにより、撮影画像に対して落書き(所望の文字や絵を描画)を行うことができる。また、利用者は、タブレット内蔵モニタ33上でのタッチペン37操作により、撮影画像に対して予め用意された装飾用画像(所定の図柄、所定のテキスト及びそれらの組み合わせ)を撮影画像の所望の領域に貼り付けることを指示することができる。落書き編集処理において制御装置11は、利用者による落書き操作や装飾用画像に関する指示を受付け、落書きにより生成された線画像や指示された装飾用画像を撮影画像に合成する。この落書き処理により、利用者は、好みのデザインの写真シールを作成することができる。
【0054】
なお、落書き編集処理において、利用者に提示される落書き編集作業の内容は、利用者によりゲーム開始時に選択されたコースにより異なる。例えば、簡単コースの場合、写真シール作成ゲームに不慣れな利用者を想定しているため、通常コースよりも、落書きする際の操作の手順を簡単にしたり、選択できる操作の種類の数を減らしたりしている。一方、通常コースの場合、利用者がより細かく所望の落書きができるように、簡単コースに比べてより多様でより複雑な機能を利用者に提示する。
【0055】
落書き編集処理(S6)の終了後、制御装置11は印刷処理(S7)及びシール排出処理(S8)を行う。印刷処理では、制御装置11は、背景選択処理(S3)で選択された背景画像、レイアウト選択処理(S5)により選択されたレイアウト及び落書き編集処理(S6)で指示された落書き及び装飾用画像の内容に基づき印刷用の画像を編集する。そして、制御装置11は、印刷部130におけるプリンタ51を制御して、シール紙55に対して編集後の画像を印刷させる。
【0056】
図10(a)〜(d)は、編集後の画像の例を示した図である。
図10(a)〜(d)に示すような画像がシール紙55に印刷される。印刷が終了すると、編集画像が印刷されたシール紙55はシール排出口から排出される。なお、印刷処理において、制御装置11は、印刷用に編集された画像データを、通信部13を介して外部のサーバに送信してもよい。利用者は、サーバから画像データを自身のスマートフォン等にダウンロードすることで画像データを楽しむことができる。
【0057】
なお、
図9のフローチャートに示す写真シール作成装置の一例の動作における各処理の順序は適宜変更してもよい。例えば、
図9のフローチャートでは、撮影処理(S4)の前に背景選択処理(S3)を実施しているが、撮影処理の後に背景選択処理を実施するようにしてもよい。また、レイアウト選択処理(S5)を撮影処理(S4)の後に実施しているが、レイアウト選択処理を撮影処理の前に実施するようにしてもよい。
【0058】
以上のような手順で、利用者の画像に対して所望の装飾が施された画像を含む写真シールが生成される。
【0059】
3.キャッチライト生成用反射体
特許文献1に記載の従来の写真シール作成装置は、カメラの直上にストロボが配置され、カメラから少し離れて上下にストロボユニットが配置され、カメラの左右に照明ユニットが配置されている。
図11(a)は、そのような構成を有する従来の写真シール作成装置で画像を撮影したときに生成されるキャッチライトの画像を示した図である。
図12(a)は、
図11(a)に示すユーザの眼の中に形成されるキャッチライトを模式的に示した図である。
図12(a)に示すように、撮影画像におけるユーザの眼90の中に、上下のストロボユニットからの光によりキャッチライト95a、95cが形成される。また、ストロボからの光によりキャッチライト95bが形成される。さらに、左右の照明ユニットの光により左右のキャッチライト95yが生成される。
【0060】
従来の写真シール作成装置によれば、キャッチライト95a〜95c、95yが瞳91近傍に集中し、キャッチライト95a〜95c、95yがある領域と、キャッチライトがない領域とがはっきりと区別されてしまう。その結果、眼全体を観察したときに、まとまりのない印象を与える。また、左右のストロボユニットから直接光を受けるため、キャッチライト95yがはっきりと生成される。その結果、上下左右のキャッチライト95a〜95c、95yの光量の差が小さくなり、不自然な印象を与える。また、全てのストロボユニットから光が照射されるため、キャッチライトの濃淡の差が少なくなり、目を見た時に、黒色と白色のみになり、明暗がはっきりと区別される。はっきりと区別されるため、不自然な印象を与える。
【0061】
上記の課題を解決するため、本実施の形態の写真シール作成装置1は、
図4、
図5Aに示すように、撮影空間R1内の左右それぞれの側面側に、ユーザの眼の中にキャッチライトを形成するための反射体70を設けている。反射体70は、撮影空間R1内の右側の側面パネル82Rと右側のカーテン45に跨って形成されている。なお、前述のように、右側面側に形成される反射体と左側面側に形成される反射体は、撮影空間R1の中心面を基準として面対称に設けられる。このため、説明の便宜上、以下の説明では、右側面側に形成された反射体70のみについて具体的に説明する。
【0062】
図5Aに示すように、写真シール作成装置1の床面には、画像撮影時の利用者の立ち位置の範囲を示す領域画像86が形成されている。反射体70はこの領域画像86よりも前方に配置されている。これにより、確実に利用者の目にキャッチライトを生成することができる。
【0063】
図13は、反射体70をより拡大して示した図である。反射体70は、その周囲(側面パネル82Rやカーテン45の部分)よりも高い反射率を有するように形成される。すなわち、
図13に示すように、撮影ユニット10の側面パネル82Rおよびカーテン45は黒色であり、反射体70は白色である。なお、
図4、
図5A等では、説明の便宜上、側面パネル82Rおよびカーテン45、反射体70は着色していない。
【0064】
反射体70の外形は、2つの直線部分と、それらの直線部分を連結する円弧部分とで構成される。すなわち、反射体70は、矩形形状において対向する2つの端部において円弧状形状を付加して形成される、陸上競技用トラックのような形状を有する。なお、反射体70の形状はそのような形状に限定されず、例えば、楕円形状としてもよい。本実施の形態では、反射体70は、黒地の側面パネル82R及び黒地の右側のカーテン45上に白色塗料で所定のパターン形状を描画(塗装または印刷)することで形成している。
【0065】
反射体70は、写真シール作成装置1の前方から後方へ向かう方向(すなわち、正面パネル81から背面パネル83へ向かう方向)に延在する。反射体70は、後方側の端部(背面パネル83に近い方の端部)が前方側の端部(正面パネル81に近い方の端部)がよりも低くなるように斜めに傾けて配置されている。カメラ21の下に設けられた照明装置26cは台形形状である。このため、照明装置26cからは台形形状のキャッチライト95cが形成される。この場合に、反射体70を水平方向に配置すると、反射体70により生成されるキャッチライトと、照明装置26cによる台形形状のキャッチライト95cとの間に隙間が生じてしまい、好印象を与えるキャッチライトを生成できない。このため、本実施の形態では、反射体70を傾けて配置することで、反射体70により生成されるキャッチライト95xと、台形形状のキャッチライト95cとの間の隙間を小さくし、眼の下半分の領域にキャッチライトを生成するようにしている。これにより、好印象を与えるキャッチライトを生成することができる。
【0066】
反射体70は側面パネル82Rからカーテン45に跨って形成されている(
図4、
図5A参照)。このとき、反射体70は、
図14に示すように、側面パネル82Rからカーテン45に跨って連続して形成されるように、側面パネル82Rの端面82bにおいても形成(描画)されている。これにより、撮影画像において利用者の眼の中で反射体70によるキャッチライトがとぎれず連続して形成される。
【0067】
以上の構成を有する反射体70は、画像撮影時に瞬間的に照明装置26a〜26gから照射され、直接的または間接的に反射体70に到達したストロボ光を反射(拡散反射)する。この反射光は利用者の眼に入射する。これにより、撮影画像における利用者の眼の中に反射体70によるキャッチライト95xを生成することができる(
図11(b)、
図12(b)参照)。
【0068】
上述のように、反射体70の後方端を前方端よりも低くなるように反射体70を傾斜して形成することで、
図11(b)、
図12(b)に示すように、ユーザの眼90の中において、反射体70により生成されるキャッチライト95xが瞳91を中心として斜め下方向に延びるように形成される。これにより、黒目(瞳及び虹彩部分)全体にキャッチライトが付与されることになり、自然な眼の印象を与えることができる。
【0069】
また、反射体70は照明装置26a〜26cから離れた位置に形成されている。これにより、利用者の眼の位置で受ける反射体70からの反射光の強度は、照明装置26a〜26cから直接受けるストロボ光の強度よりも弱くなる。このため、
図11(b)に示すように、撮影画像において利用者の黒目部分に形成される照明装置26a〜26cによるキャッチライトの光の強さと、反射体70によるキャッチライトの光の強さを異ならせることができ、自然な眼の印象を与えることができる。
【0070】
また、撮影空間R1の側面に反射体70を配置するだけの簡易な構成で、撮影画像において適切なキャッチライトを形成することができる。
【0071】
以上説明したように、本実施の形態の写真シール作成装置1(画像撮影装置の一例)は、正面パネル81(正面壁の一例)と、正面パネル81と対向する背面パネル83(背面壁の一例)と、正面パネル81と背面パネル83を接続する左右の側面パネル82R、82L(側壁面の一例)とで囲まれる撮影空間R1内の利用者を撮影する装置である。写真シール作成装置1は、正面パネル81に設けられ、利用者を撮影して撮影画像を生成するカメラ21(撮影部の一例)と、正面パネル81側に設けられ、撮影時に照明光により利用者を照明する照明装置26a〜26c(光源の一例)と、照明装置26a〜26cからの照明光を反射して、撮影画像において利用者の眼内にキャッチライト(95x)を生成する反射体70と、を備える。反射体は、左右の側面パネル82R、82Lの少なくとも一方に設けられ、側面パネル82R、82Lよりも高い反射率(異なる反射率の一例)を有する。
【0072】
上記構成により、照明装置26a〜26cから隔離して配置された反射体70により照明装置26a〜26c(光源)からの光を反射して、被写体である人物の顔を照明する。これにより、被写体の人物を撮影した画像において、人物の眼の中に、まとまりのある自然な印象を与えるキャッチライトを形成することができる。
【0073】
反射体70は左右の側面パネル82R、82Lそれぞれに設けられる。これにより、撮影画像において眼内の左右に延びるキャッチライトが形成される。
【0074】
左側面パネル82Lに設けられた反射体と右側面パネル82Rに設けられた反射体とは互いに対向するように配置されている。これにより、撮影画像における眼内に左右対称のキャッチライトが形成される。
【0075】
反射体70は、正面パネル81ら背面パネル83へ向かう方向に延在するよう形成される。これにより、瞳から眼の外側へ向かって伸びるキャッチライトが形成される。
【0076】
反射体70の少なくとも一部が、正面パネル81ら背面パネル83へ向かう方向における撮影空間R1の中央位置より正面パネル81側に設けられている。これにより、確実に利用者の眼の中にキャッチライトを形成することができる。
【0077】
反射体70は、背面パネル83側の端部の高さが正面パネル81側の端部の高さよりも低くなるように形成される。これにより、瞳から斜め下方向に向かうキャッチライトを形成できる。
【0078】
反射体70は、陸上競技のトラックのような形状を有する。すなわち、反射体70は、その外周が、対向して配置された第1および第2の直線と、第1の直線の一端と第2の直線の一端とを接続する第1の円弧と、第1の直線の他端と前記第2の直線の他端とを接続する第2の円弧とからなるような形状を有する。端部が丸みを帯びた形状とすることで、キャッチライトの端部を丸みを帯びた形状にでき、自然な印象を与えることができる。また、反射体70を長細くすることによって、瞳(目の中心)から目の外側までキャッチライトが生成される。
【0079】
反射体70は、側面パネル82L、82Rとカーテン45とに跨いで設けられる。これにより、撮影画像における眼の中に形成されるキャッチライトの長さを十分な長さにすることができる。
【0080】
照明装置26a〜26cは、カメラ21よりも上に配置された照明装置26a、26b(第1の照明装置の一例)と、カメラ21よりも下に配置された照明装置26c(第2の照明装置の一例)とを含む。カメラ21を挟んで上限に照明装置を配置することで、撮影画像において瞳の上下にキャッチライトを形成することができる。
【0081】
反射体70の大きさは照明装置26a及び/又は26bよりも大きくしてもよい。これにより、撮影画像における眼の中に、反射体70により大きなキャッチライトを形成できる。
【0082】
反射体70は、照明装置26aよりも低く、かつ、照明装置26cよりも高い位置に配置される。これにより、撮影画像において、照明装置26aによるキャッチライト95aと、照明装置26cによるキャッチライト95cとの間の高さの位置に、キャッチライト95xを形成することができる。
【0083】
反射体70は、側壁パネル82L,82R状に描かれて形成される。よって、側壁パネル82L,82Rにおいて、反射体70が設けられた領域の厚みと、反射体70が設けられていない領域の厚みとは略等しい。
【0084】
(実施の形態2)
本実施の形態では、キャッチライト生成用の反射体70のいくつかの変形例を説明する。反射体以外の写真シール作成装置の構成は実施の形態1のものと同様である。
図15〜
図19のそれぞれは、キャッチライト生成用の反射体の変形例を説明した図である。なお、以下の説明では主として左側面に注目して反射体を説明するが、右側面においても反射体は、左側面の反射体に対して中心面を基準として面対称に設けられている。
【0085】
図15は反射体の第一の変形例を示した図である。
図5A等に示す反射体70は長手方向の端部が双方とも円弧上形状を有していた。これに対して、
図15に示す反射体70bは、撮影空間R1の前方に近い端部の形状は直線状であり、撮影空間R1の後方に近い方の端部のみ円弧状形状を有する。反射体70bは、照明装置26bと照明装置26cの間の高さの位置に配置される。反射体70bは、側面パネル82Rにおける正面パネル81に接する側の端から、背面パネル83側へ向かって延在するよう形成される。これにより、撮影画像における利用者の眼内において左右方向に延びるキャッチライトを形成することができる。
【0086】
図16は反射体の第二の変形例を示した図である。
図16に示す反射体70cは、カメラユニット20の端部と、側面パネルの端面82bとを連結するように、撮影空間R1の前方領域を斜めに横切るように形成されている。これにより、撮影画像における利用者の眼内において左右方向に延びるキャッチライトを形成することができる。
【0087】
図17は反射体の第三の変形例を示した図である。
図5A等に示す反射体70は、前方の側面パネル82R(F)とカーテン45とに跨がって形成されていた。これに対して、
図17に示す反射体70dは、前方の側面パネル82R(F)と、カーテン45と、後方の側面パネル82R(R)とに跨がって形成される。このとき、反射体70dは、前方の側面パネル82R(F)の前方端から後方の側面パネル82R(R)の後方端まで延在するように形成される。これにより、撮影空間R1の後方に位置する利用者に対しても左右方向に延びるキャッチライトを形成することができる。
【0088】
図18は反射体の第四の変形例を示した図である。
図18に示す反射体70eは、カメラユニット20の左右両側に隣接し、正面パネル81の幅方向(水平方向)に延在するように形成されている。この構成によっても、撮影画像における利用者の眼内において左右方向に延びるキャッチライトを形成することができる。
【0089】
なお、
図15〜
図18に示す反射体70b〜70eにおいて後方側の端部が前方側の端部よりも低くなるように各反射体70b〜70eが形成されてもよい。これにより、撮影画像における利用者の眼内において斜め下方向に延びるキャッチライトを形成することができる。
【0090】
図19は反射体の第五の変形例を示した図である。
図19に示す反射体は、正面パネル81においてカメラユニット20の横側に配置された反射体70f1と、その近傍に側面パネル82R上に配置された反射体70f2とから構成される。反射体70f1と反射体70f1は円形形状を有する。この構成によっても、撮影画像における利用者の眼内において左右方向に延びるキャッチライトを形成することができる。反射体70f1と反射体70f1は同じ高さに配置されてもよいし、反射体70f2を反射体70f1よりも低い位置に配置しても良い。これにより、撮影画像における利用者の眼内において斜め下方向に延びるキャッチライトを形成することができる。
【0091】
(実施の形態3)
上記の実施の形態では、反射体70、70b、70d、・・・を、所定の画像パターンを側面パネル82L、82R、正面パネル81及び/またはカーテン45上に描画することで形成したが、反射体の構成はこれに限定されない。例えば、反射体を、側面パネル82L、82R、正面パネル81及び/またはカーテン45から独立した別の部材で形成してもよい。より具体的には、反射体を、平面的に均一な光を反射する反射率の高いシート状の部材で形成し、側面パネル82L、82R、正面パネル81及び/またはカーテン45上に配置してもよい。
【0092】
また、別部材で反射体を形成した場合、反射体を移動できるようにしてもよい。すなわち、写真シール作成装置は、別部材で形成した反射体を移動させるための駆動部をさらに備えてもよい。駆動部は、反射体材を所定の方向にスライド移動させるモータ等の移動機構を含む。
【0093】
反射体の位置を変動することにより、眼内に形成されるキャッチライトの形状、大きさ、位置等を変更できる。よって、利用者の指示に応じて反射体の位置を変動させることで、キャッチライトの形状、大きさ、位置等を変更できるようにしてもよい。または、利用者が選択した撮影コース(例えば、キャッチライトを生成するコースと、キャッチライトを生成しないコース)に基づき、キャッチライトが生成されるよう、または、生成されないように、反射体の位置を変更してもよい。または、撮影時の画角に基づいて、キャッチライトの生成の有無を切り替えても良い。例えば、アップ撮影の場合はキャッチライトが生成されるように、全身撮影の場合はキャッチライトが生成されないように、反射体の位置を制御してもよい。すなわち、アップ撮影では、撮像画像中の眼の領域が大きく表示されることから、キャッチライトを生成するように制御する。また、全身撮影では、画像中の眼の領域がアップ撮影時と比較し、大きく表示されない。このため、全身撮影では、キャッチライトを生成しないように制御する。
【0094】
(その他の実施の形態)
上記の実施の形態で説明した種々の思想は、適宜組み合わせることができ、また、当業者の技術常識に基づき、適宜、変更、置き換え、付加、省略などもできる。以下に、上記の実施の形態で開示した思想に適用できる他の構成を説明する。
【0095】
上記の実施の形態で示した反射体の大きさ、形状、色は一例であり、期待するキャッチライトの効果に応じて適切な大きさ、形状、色を有するように形成してもよい。例えば、所望のキャッチライトの形状を得るために、反射体を特定の形状(例えば、三角形、星形)に形成してもよい。
【0096】
また、上記の実施の形態では、左右の反射体を面対称になるように配置したが、非対称に配置してもよい。また、反射体の大きさ、形状、色等を左右の反射体で異ならせても良い。
【0097】
また、上記の実施の形態では、反射体80、80b、・・・の反射率をその周囲すなわち側面パネル82R、カーテン45等の反射率よりも高く設定したが、期待するキャッチライトの効果によっては、反射体80の反射率を側面パネル82Rやカーテン45等その周囲の反射率よりも低く設定してもよい。すなわち、反射体80、80b、・・・の反射率は、側面パネル82R等の反射率と異なるように設定すればよい。
【0098】
上記の実施の形態の写真シール作成装置において、側面パネルの前方部分82L(F)、82R(F)及び/または後方部分82L(R)、82R(R)をカーテンで構成してもよい。
【0099】
上記の実施の形態で示した反射体の思想は、写真シール作成装置に限らず、人物の画像を撮影する画像撮影装置に広く適用することができる。
【0100】
上記の実施の形態で示した思想は、写真シール作成装置以外の装置に対しても適用することができる。すなわち、撮影画像に対して合成用画像を合成する装置であって、撮影画像に対して合成すべき合成用画像を選択する選択画面を表示する画像処理装置であれば、上記の実施の形態で開示した思想を適用することができる。