特許第6820635号(P6820635)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6820635デジタル・クーリングコントロール・システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6820635
(24)【登録日】2021年1月7日
(45)【発行日】2021年1月27日
(54)【発明の名称】デジタル・クーリングコントロール・システム
(51)【国際特許分類】
   F25B 1/00 20060101AFI20210114BHJP
   F25B 39/04 20060101ALI20210114BHJP
   F24F 1/42 20110101ALI20210114BHJP
【FI】
   F25B1/00 381D
   F25B1/00 381G
   F25B1/00 321Z
   F25B39/04 N
   F24F1/42
【請求項の数】5
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2020-526630(P2020-526630)
(86)(22)【出願日】2020年1月21日
(86)【国際出願番号】JP2020001842
【審査請求日】2020年5月14日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】505048518
【氏名又は名称】株式会社 テクノミライ
(74)【代理人】
【識別番号】100108947
【弁理士】
【氏名又は名称】涌井 謙一
(74)【代理人】
【識別番号】100117086
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 典弘
(74)【代理人】
【識別番号】100124383
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 一永
(74)【代理人】
【識別番号】100173392
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 貴宏
(74)【代理人】
【識別番号】100189290
【弁理士】
【氏名又は名称】三井 直人
(72)【発明者】
【氏名】三輪 和夫
【審査官】 笹木 俊男
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2013/0047641(US,A1)
【文献】 特開2013−213616(JP,A)
【文献】 特開平06−080018(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2018/0012479(US,A1)
【文献】 特開2009−257746(JP,A)
【文献】 特開2015−155793(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 1/00
F25B 39/04
F28D 5/00
F28F 25/00
F28F 25/08
F24F 1/42
F24F 1/48
F24F 11/39
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルクーリング装置とデジタルクーリング制御装置とから構成されていて、
前記デジタルクーリング装置は、
圧縮機を備えている冷凍サイクル装置の室外機における空気吸入部の外側に配備されていて、前記室外機の外側の大気である外気を前記空気吸入部の側に向けて送ることで前記空気吸入部に向かう方向の前記外気の空気流を生じさせる送風ファンと、
前記送風ファンと前記空気吸入部との間に配備されていて、前記空気流の方向に直交する方向である上側から下側に向かって鉛直方向に水分が流下すると共に、前記送風ファンから送られてきた前記空気流が前記空気吸入部の方向に向けて通過できる散水冷却マットと、
前記散水冷却マットと前記空気吸入部との間に配備されている水切りダンパーと、
前記水切りダンパーと前記空気吸入部との間に配備されているデジタル風速計と、
前記圧縮機から吹き出される冷媒の温度を検知する吹き出し温度センサーとを備えており、
前記水切りダンパーは、前記送風ファンの側に位置して前記空気流の方向に直交する方向である水平方向に延びる風受け板と、前記空気吸入部の側に位置して前記空気流の方向に直交する方向である水平方向に延びる風送り板とからなり、前記風受け板は前記送風ファンの側の下端縁から前記空気吸入部の側の上端縁に向かって斜め方向に延び、前記風送り板は前記送風ファンの側の上端縁から前記空気吸入部の側の下端縁に向かって斜め方向に延び、前記風受け板の上端縁と、前記風送り板の上端縁とが前記空気流の方向に直交する方向である水平方向に延びるダンパー支持軸によって支持されて連続し、前記ダンパー支持軸がその軸心を中心として回動することで、前記風受け板と前記風送り板とが両者の間に形成されている角度を保ったまま前記水切りダンパーが前記ダンパー支持軸を中心として回動し、
前記デジタルクーリング制御装置は、
前記冷凍サイクル装置の使用電力量を通知する使用電力量デジタル信号に基づいて当該使用電力量デジタル信号を送出してきた前記冷凍サイクル装置の稼働係数を算定する冷凍サイクル装置稼働係数算定手段と、
算定された前記冷凍サイクル装置の前記稼働係数が所定の稼働係数値になったとき又は前記室外機の外部に設置されているデジタル外気温度センサーからデジタル情報で取得した外気温が所定の外気温度値になったときに前記散水冷却マットに対する給水開始または給水停止の給水制御を行う給水制御手段と、
算定された前記冷凍サイクル装置の前記稼働係数が所定の稼働係数値になったとき又は前記室外機の外部に設置されている外気温度センサーからデジタル情報で取得した外気温が所定の外気温度値になったときに前記送風ファンを稼働させて前記空気吸入部に向かう方向の前記空気流を生じさせる又は前記送風ファンの稼働を停止させる送風制御を行う送風制御手段と、
前記送風ファンが稼働している間に前記デジタル風速計から取得した風速が所定の風速値になったときに、前記送風ファンが稼働している前記室外機が接続されている前記冷凍サイクル装置を管理している管理者が使用している管理者端末及び、前記送風ファンが稼働している前記室外機が接続されている前記冷凍サイクル装置の管理を担当している担当者が所有している担当者端末に対して、有線又は無線のネットワークを介して、前記室外機を特定する情報と共に、前記散水冷却マットの交換を促す交換通知情報を出力するマット交換通知情報出力手段とを備えていて
前記給水制御手段は、前記吹き出し温度センサーからデジタル情報で取得した、前記圧縮機から吹き出される前記冷媒の温度に応じて前記給水制御を行い、
前記送風制御手段は、前記吹き出し温度センサーからデジタル情報で取得した、前記圧縮機から吹き出される前記冷媒の温度に応じて前記送風制御を行う
デジタル・クーリングコントロール・システム。
【請求項2】
前記デジタルクーリング装置は、前記室外機の外側における降雨状態を検知する雨センサーを更に備えており、
前記給水制御手段は、前記雨センサーからデジタル情報で取得した降雨情報に応じて前記給水制御を行い、
前記送風制御手段は、前記雨センサーからデジタル情報で取得した降雨情報に応じて前記送風制御を行う請求項1記載のデジタル・クーリングコントロール・システム。
【請求項3】
前記デジタルクーリング制御装置は、冷凍サイクル装置稼働係数算定手段が算定した前記冷凍サイクル装置の前記稼働係数を、前記稼働係数が算定された前記冷凍サイクル装置を管理している管理者が使用している前記管理者端末及び、前記稼働係数が算定された前記冷凍サイクル装置の管理を担当している担当者が所有している前記担当者端末に対して、有線又は無線の前記ネットワークを介して、前記冷凍サイクル装置を特定する情報と共に、稼働係数通知情報を出力する稼働係数通知情報出力手段を更に備えている請求項1又は2記載のデジタル・クーリングコントロール・システム。
【請求項4】
前記デジタルクーリング装置は、前記散水冷却マットに給水される水の量を検知する給水量検知センサーを更に備えており、
前記デジタルクーリング制御装置は、前記給水量検知センサーからデジタル情報で取得した給水量情報を、給水が行われている前記散水冷却マットが配備されている前記室外機が接続されている前記冷凍サイクル装置を管理している管理者が使用している前記管理者端末及び、給水が行われている前記散水冷却マットが配備されている前記室外機が接続されている前記冷凍サイクル装置の管理を担当している担当者が所有している前記担当者端末に対して、有線又は無線の前記ネットワークを介して、前記冷凍サイクル装置を特定する情報と共に、給水量情報を出力する給水量情報出力手段を更に備えている請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のデジタル・クーリングコントロール・システム。
【請求項5】
前記ダンパー支持軸はその軸心を中心とした回動角度を所定の回動角度に設定可能である請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のデジタル・クーリングコントロール・システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、空気調和装置、冷凍装置、冷蔵装置、冷凍庫、冷蔵庫、自動販売機などの冷凍サイクル装置、特に、圧縮機を備えている室外機を構成要素に含む冷凍サイクル装置の省エネルギー運転に貢献するデジタル・クーリングコントロール・システムに関する。
【背景技術】
【0002】
空調機の冷却効率を上げて消費電力量の低減、省エネルギー運転を行おうとする制御システム等に関しては従来から種々の提案が行われている。
【0003】
例えば、特許文献1、2には、空調機の室外機における空気吸入部の外側に保水部材を設置し、空気吸入部に吸引される外気の温度を低下させることで消費電力量の低減、省エネルギー運転を行おうとする提案が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5189697号公報
【特許文献2】特許第6425109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は、空気調和装置、冷凍装置、冷蔵装置、冷凍庫、冷蔵庫、自動販売機などの冷凍サイクル装置、特に、圧縮機を備えている室外機を構成要素に含む冷凍サイクル装置の運転において大幅な省エネ効果を発揮できるシステムを提案することを目的にしている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]
デジタルクーリング装置とデジタルクーリング制御装置とから構成されていて、
前記デジタルクーリング装置は、
圧縮機を備えている冷凍サイクル装置の室外機における空気吸入部の外側に配備されていて、前記室外機の外側の大気である外気を前記空気吸入部の側に向けて送ることで前記空気吸入部に向かう方向の前記外気の空気流を生じさせる送風ファンと、
前記送風ファンと前記空気吸入部との間に配備されていて、前記空気流の方向に直交する方向である上側から下側に向かって鉛直方向に水分が流下すると共に、前記送風ファンから送られてきた前記空気流が前記空気吸入部の方向に向けて通過できる散水冷却マットと、
前記散水冷却マットと前記空気吸入部との間に配備されている水切りダンパーと、
前記水切りダンパーと前記空気吸入部との間に配備されているデジタル風速計とを備えており、
前記デジタルクーリング制御装置は、
前記冷凍サイクル装置の使用電力量を通知する使用電力量デジタル信号に基づいて当該使用電力量デジタル信号を送出してきた前記冷凍サイクル装置の稼働係数を算定する冷凍サイクル装置稼働係数算定手段と、
算定された前記冷凍サイクル装置の前記稼働係数が所定の稼働係数値になったとき又は前記室外機の外部に設置されているデジタル外気温度センサーからデジタル情報で取得した外気温が所定の外気温度値になったときに前記散水冷却マットに対する給水開始または給水停止の給水制御を行う給水制御手段と、
算定された前記冷凍サイクル装置の前記稼働係数が所定の稼働係数値になったとき又は前記室外機の外部に設置されている外気温度センサーからデジタル情報で取得した外気温が所定の外気温度値になったときに前記送風ファンを稼働させて前記空気吸入部に向かう方向の前記空気流を生じさせる又は前記送風ファンの稼働を停止させる送風制御を行う送風制御手段と、
前記送風ファンが稼働している間に前記デジタル風速計から取得した風速が所定の風速値になったときに、前記送風ファンが稼働している前記室外機が接続されている前記冷凍サイクル装置を管理している管理者が使用している管理者端末及び、前記送風ファンが稼働している前記室外機が接続されている前記冷凍サイクル装置の管理を担当している担当者が所有している担当者端末に対して、有線又は無線のネットワークを介して、前記室外機を特定する情報と共に、前記散水冷却マットの交換を促す交換通知情報を出力するマット交換通知情報出力手段とを備えている
デジタル・クーリングコントロール・システム。
【0007】
[2]
前記デジタルクーリング装置は、前記圧縮機から吹き出される冷媒の温度を検知する吹き出し温度センサを更に備えており、
前記給水制御手段は、前記吹き出し温度センサーからデジタル情報で取得した、前記圧縮機から吹き出される前記冷媒の温度に応じて前記給水制御を行い、
前記送風制御手段は、前記吹き出し温度センサーからデジタル情報で取得した、前記圧縮機から吹き出される前記冷媒の温度に応じて前記送風制御を行う[1]のデジタル・クーリングコントロール・システム。
【0008】
[3]
前記デジタルクーリング装置は、前記室外機の外側における降雨状態を検知する雨センサーを更に備えており、
前記給水制御手段は、前記雨センサーからデジタル情報で取得した降雨情報に応じて前記給水制御を行い、
前記送風制御手段は、前記雨センサーからデジタル情報で取得した降雨情報に応じて前記送風制御を行う[1]又は[2]のデジタル・クーリングコントロール・システム。
【0009】
[4]
前記デジタルクーリング制御装置は、冷凍サイクル装置稼働係数算定手段が算定した前記冷凍サイクル装置の前記稼働係数を、前記稼働係数が算定された前記冷凍サイクル装置を管理している管理者が使用している前記管理者端末及び、前記稼働係数が算定された前記冷凍サイクル装置の管理を担当している担当者が所有している前記担当者端末に対して、有線又は無線の前記ネットワークを介して、前記冷凍サイクル装置を特定する情報と共に、稼働係数通知情報を出力する稼働係数通知情報出力手段を更に備えている[1]〜[3]のいずれかのデジタル・クーリングコントロール・システム。
【0010】
[5]
前記デジタルクーリング装置は、前記散水冷却マットに給水される水の量を検知する給水量検知センサーを更に備えており、
前記デジタルクーリング制御装置は、前記給水量検知センサーからデジタル情報で取得した給水量情報を、給水が行われている前記散水冷却マットが配備されている前記室外機が接続されている前記冷凍サイクル装置を管理している管理者が使用している前記管理者端末及び、給水が行われている前記散水冷却マットが配備されている前記室外機が接続されている前記冷凍サイクル装置の管理を担当している担当者が所有している前記担当者端末に対して、有線又は無線の前記ネットワークを介して、前記冷凍サイクル装置を特定する情報と共に、給水量情報を出力する給水量情報出力手段を更に備えている[1]〜[4]のいずれかのデジタル・クーリングコントロール・システム。
【0011】
[6]
前記水切りダンパーは、前記送風ファンの側に位置して前記空気流の方向に直交する方向である水平方向に延びる風受け板と、前記空気吸入部の側に位置して前記空気流の方向に直交する方向である水平方向に延びる風送り板とからなり、前記風受け板は前記送風ファンの側の下端縁から前記空気吸入部の側の上端縁に向かって斜め方向に延び、前記風送り板は前記送風ファンの側の上端縁から前記空気吸入部の側の下端縁に向かって斜め方向に延び、前記風受け板の上端縁と、前記風送り板の上端縁とが前記空気流の方向に直交する方向である水平方向に延びるダンパー支持軸によって支持されて連続し、前記ダンパー支持軸がその軸心を中心として回動することで、前記風受け板と前記風送り板とが両者の間に形成されている角度を保ったまま前記水切りダンパーが前記ダンパー支持軸を中心として回動する[1]〜[5]のいずれかのデジタル・クーリングコントロール・システム。
【0012】
[7]
前記ダンパー支持軸はその軸心を中心とした回動角度を所定の回動角度に設定可能である[6]のデジタル・クーリングコントロール・システム。
【0013】
上述した本発明のデジタル・クーリングコントロール・システムは次のような検討によるものである。
【0014】
1.冷蔵・冷凍の冷却機能サイクル
1−1
冷蔵・冷凍の商品の設定温度の基準として蒸発温度と凝縮温度があり、凝縮温度は冷媒ガスが圧縮されて液化する時の温度であり、例えば、冷媒ガスが圧縮機で圧縮されると、冷媒の種類、蒸発温度により、吐出し温度は、例えば、100℃前後となり、空冷の場合、凝縮器(コンデンサ)のプレートフィン式熱交換器で100℃の冷媒ガスの高温状態が冷やされ、吸込み面風速は、例えば、通常は2m/secであり、凝縮温度は、夏季32℃の場合は、55℃前後であり、冷蔵・冷凍の冷却能力は(100℃−55℃)=45℃となり、その数値の冷却能力が各冷凍機の能力となり、圧縮に必要な電力が増減する。
【0015】
1−2
従って、夏季の外気高温度または通常季節の外気温度の低下は、冷凍機の能力と、また負荷の増減に影響し、消費電力量が増減することになる。
【0016】
1−3
冷蔵・冷凍ケース、冷蔵・冷凍庫のケース・庫内温度が、例えば、アイス−26℃、冷食−18℃の場合の蒸発温度は−40℃を基準とする冷凍機の冷却能力とし、ケース・庫内温度が、例えば、精肉・鮮魚0℃、日配・惣菜3〜5℃、青果7℃の場合の蒸発温度は−10℃を基準とする冷凍機の冷却能力とすることができる。
【0017】
2.冷蔵・冷凍用途の冷凍装置特性
2−1 冷凍サイクルの各工程
冷凍サイクルは下記の通りである
(1)圧縮工程(圧縮機):蒸発器で蒸発した低圧の冷媒を圧縮で吸込み高圧の冷媒を吐出する。(低圧→高圧:断熱圧縮)
(2)凝縮工程(凝縮器):圧縮機からの高圧高温の冷媒を凝縮器で冷却液化する。また冷却媒体として空気、冷却水を使用する。(定圧変化:定圧圧縮)
(3)膨張工程(膨張弁):凝縮器で液化した冷媒を膨張弁で低圧冷却して蒸発器に吐出する。(高圧→低圧:絞り膨張)
(4)蒸発工程(蒸発器):膨張弁で低圧冷却された冷媒を蒸発器で蒸発させて空気、その他の対象物を冷却する。(定圧変化:低圧膨張)。
【0018】
2−2 冷凍サイクルの成績係数
成績係数COP(冷却熱量/圧縮動力)に影響する主な要因は、蒸発温度と凝縮温度である
蒸発温度:蒸発温度が高いほど、冷凍能力が大きく圧縮動力が小さくなる
凝縮温度:凝縮温度が低いほど、冷凍能力が大きく圧縮動力が小さくなる。
【0019】
2−3 蒸発温度
蒸発温度は冷却対象物に対して適正な値に設定するため、冷凍負荷の過大な増加や機器不良の場合以外は一定の値となる。
【0020】
2−4 凝縮温度
凝縮温度は、冷凍負荷の大きさや凝縮器の空気等冷却媒体の状態により変化する。 このため、冷凍能力、圧縮動力は凝縮温度の影響を強く受けるため、凝縮温度の抑制は省エネ運転を行う上で非常に重要である。
【0021】
3.
<散水冷却マットを使用する場合の凝縮温度低下>
本願発明者は、後述する実施形態で説明する散水冷却マット13に水を流下させることでの圧縮機(凝縮機)での凝縮温度低下効率を検討した。
【0022】
後述する実施形態で説明する送風ファン12を稼働させない場合であっても、室外機の空気吸入部に吸い込まれる外気は、水分が流下している散水冷却マット13を通過することで、気化熱によって、外気よりも温度が低下した空気流になって室外機の空気吸入部に吸入される。これによって、散水冷却マット13の使用を行わない従来の空冷凝縮機の場合に比較して、凝縮温度を低下させることができる。
【0023】
熱通過率を算出し、その後、伝熱温度差と吸い込み空気温度を参照して本願発明者が検討したところ、外気空気温度を、例えば、32℃とした場合で、散水冷却マット13の使用を行わない従来の空冷凝縮機の場合に比較して、29℃〜27℃まで3℃〜5℃前後凝縮温度は低下する。なお、室外機の空気吸入部に吸入される空気流の流速を2.0m/secとして検討した。
【0024】
<送風ファンと散水冷却マットを使用する場合の凝縮温度低下>
本願発明者は、後述する実施形態で説明する送風ファン12を稼働させ、送風ファン12によって生じた空気流が、水が流下している散水冷却マット13を通過することで圧縮機(凝縮機)での凝縮温度が低下する効率を検討した。
【0025】
送風ファン12の稼働によって室外機の空気吸入部に向けて強制的に流動している空気流が、水分が流下している散水冷却マット13を通過することで、気化熱によって外気よりも温度が低下し、送風ファン12により強められた風速で、室外機の空気吸入部に吸入される。これによって凝縮温度を低下させることができる。
【0026】
熱通過率を算出し、その後、伝熱温度差と吸い込み空気温度を参照して本願発明者が検討したところ、外気空気温度を、例えば、32℃とした場合で、送風ファン12及び、散水冷却マット13の使用を行わない従来の空冷凝縮機の場合に比較して、凝縮温度が9.4℃低下する。気化熱による温度低下と、熱伝達率の向上により熱交換に必要な伝熱温度が小さくなるためである。なお、送風ファン12の稼働による室外機の空気吸入部に吸入される空気流の流速を4.0m/secとして検討した。
【0027】
<凝縮温度低下による冷凍機動力の省エネ効果>
発明者が検討したところ、後述する実施形態で説明する送風ファン12を稼働させず、散水冷却マット13のみを用いて、散水冷却マット13に水を流下させることでの、散水冷却マット13の使用を行わない従来の空冷凝縮機の場合に比較した、冷凍機動力の省エネ効果は、凝縮温度降下を、例えば、55℃→50℃とした場合で、冷媒の種類ごとに蒸発温度を、例えば、次のように設定すると、以下の表1のようであった。
【0028】
【表1】
【0029】
また、発明者が検討したところ、後述する実施形態で説明する送風ファン12と、散水冷却マット13とを用いて、これらのいずれをも使用しない従来の冷凝縮機の場合に比較した、冷凍機動力の省エネ効果は、凝縮温度降下を、例えば、55℃→45℃とした場合で、冷媒の種類ごとに蒸発温度を、例えば、次のように設定すると、以下の表2のようであった。
【0030】
【表2】
【0031】
上述の表1、表2の検討における、凝縮温度低下による冷凍機動力の省エネ効果の算出はp−h線図による冷凍サイクルの各比エンタルピ値による吐出工程と蒸発工程の比エンタルピ差により算出たもので、比エンタルピ算出の条件は次の通りにしている。
(1)吸込蒸気の過熱度(SH):0[℃]
(2)凝縮液の過冷却度(SC):0[℃]
(3)圧縮機吐出し後の比エンタルピは理論圧縮値と圧縮効率により算出
【0032】
以上の検討結果により、本発明のデジタル・クーリングコントロール・システムによれば次のようになる。
【0033】
3−1
凝縮器(コンデンサ)の冷却能力が上昇し、凝縮器(コンデンサ)の凝縮能力が高まり冷凍機の稼動係数が低くなる。
【0034】
1)例えば、散水冷却マットへの散水のみの場合の省エネ効果は次の通りとなる。
蒸発温度−10℃の場合(精肉・鮮魚、日配・惣菜、青果等):14.8%〜20.9%
蒸発温度−40℃の場合(アイス、冷食等):11.4%〜20.2%
【0035】
2)例えば、散水冷却マットへの散水と送風ファンを組み合わせた場合の省エネ効果は次の通りとなる。
蒸発温度−10℃の場合(精肉・鮮魚、日配・惣菜、青果等):28.1%〜37.4%
蒸発温度−40℃の場合(アイス、冷食等):21.5%〜35.2%
【0036】
3−2
送風ファンの稼働、散水冷却マットへの散水に関しては、例えば、次のような制御を選定できる。
1)最高温度で制御する
2)雨センサーで運転停止する
【0037】
3−3
冷凍機稼動係数に関しては、例えば、次のように取り扱うことができる。
1)冷凍機電力量のパルス信号入力に基づく冷凍機稼動係数の算定
2)冷凍機稼動係数は、任意設定する数で、例えば、30〜40%以上とすることができる。
【0038】
3−4
散水冷却マットに散水し送風ファンによる送風と、散水による気化熱で大気中の、例えば、30℃の温度が3〜5℃程度、あるいは、4℃〜6℃程度低下する。
【0039】
4−1
地球温暖化により、例えば、4月〜10月に限らず、11月〜12月、1月〜3月等であっても、外気温度の上昇は、年間の四季を通して発生する。このため、冷蔵・冷凍ショーケース及び冷蔵・冷凍庫等と空調機の稼動係数は四季を通して高まり、電力の消費量は増加する。外気温度の上昇などにより、前記設備の稼動係数が、例えば、30%〜40%の所定の値になれば送風ファンの稼働、散水冷却マットへの散水を行うことで、空冷凝縮器(コンデンサ)のフィンの冷却機能を高めるため、該システムの配管の最下部に給水ゲートを設置し、外気温度センサーまたは稼動係数を検知する設備のパルス信号を入力し、設定温度、例えば、24℃または、稼動係数、例えば、30〜40%に達すれば、配管の給水ゲートバルブを電磁弁でオープン、散水を開始する。
【0040】
4−2
前記によらず、例えば、12月〜3月等の外気温度が20℃以下または、稼動係数が、例えば、20%という状態が、任意に設定した日数である、例えば、1週間まで達すれば、電磁弁に信号を送り、給水ゲートがクローズし、同配管内の水を自動的に給水停止し、冬季の配管の滞留水を同配管の排水用電磁弁が開となり、自動的に排水し、凍結による破壊を防止する。
【0041】
4−3
散水中の水温が外気の直射日光、または高温の外気温度により、散水用の水道が外気温度と温度差が、例えば、1〜2℃以下であれば給水を停止するようにすることもできる。
【0042】
4−4
該システムは、空冷凝縮器(コンデンサ)のフィン冷却機能を、散水の気化熱の凝縮器(コンデンサ)吸気機能を高め、冷凍機の稼動係数を低下するシステムであるが、その場合、散水エアフィルターに散水により、散水に含まれるシリカ等が付着すると、凝縮器(コンデンサ)の吸気冷却能力は大幅ダウンする。
【0043】
4−5
上記の散水冷却マットに、例えば、1年〜3年の経過年数により付着したシリカ等を、該システムは固定ボルトまたは緊縛金具等を外し、散水冷却マットを横方向にスライドすると長時間を要する固定金物は現状、散水マットをスライドする作業時間、内容が容易にワンタッチで取外し、装着が可能で、誰でも簡単に可能となる。
【0044】
4−6
該システムは、空調、冷蔵・冷凍ショーケース、冷蔵・冷凍庫の空冷方式は可能であり、屋外凝縮器(コンデンサ)、冷却装置の電流値、電力値はパルス信号で入力し、外気温度、雨センサーは設備の周囲に設置する。
【0045】
4−7
散水冷却マットの内側(室外機の空気吸入口側)に風速計を装着し、散水冷却マットにシリカ等が付着することにより送風が通過する空隙部が狭くなったことを指標する空隙率を風速計で測定する風速との関係で事前に把握しておく。例えば、設定している風速で送風ファンを駆動しているときに、空間率60〜70%に相当する風速にまで風速計で検知する風速が低下したならば、該散水マットの状態を、該システムのPCサーバー及び関係者のスマートフォンに送信し、関係者は直ちに、上述した散水冷却マットの交換を行い、常時良好な冷却機能を監視対応できる。
【発明の効果】
【0046】
この発明のデジタル・クーリングコントロール・システムによれば、空気調和装置、冷凍装置、冷蔵装置、冷凍庫、冷蔵庫、自動販売機などの冷凍サイクル装置、特に、圧縮機を備えている室外機を構成要素に含む冷凍サイクル装置の運転において大幅な省エネ効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】本発明のデジタル・クーリングコントロール・システムの概略構成の一例を説明するブロック図。
図2図1図示のデジタル・クーリングコントロール・システムを構成するデジタルクーリング装置及びデジタルクーリング制御装置のブロック図。
図3図2図示のデジタルクーリング装置の構成概要を説明する図。
図4】(a)デジタルクーリング装置の右側面から見た一部を省略した概略構成図、(b)デジタルクーリング装置における送風ファンと水切りダンパーの配置構成を説明する一部を省略した側面図、(c)水切りダンパーが回動自在に配置されていることを説明する背面図、(d)デジタルクーリング装置の外側に突出している水切りダンパーの回転角度調整レバーの一例を説明する図。
図5】(a)水切りダンパーの正面図、(b)水切りダンパーの背面図、(c)水切りダンパーの側面図、(d)、(e)は水切りダンパーが回動自在に配置されていることを説明する側面図。
【発明を実施するための形態】
【0048】
この実施形態のデジタル・クーリングコントロール・システムは、デジタルクーリング装置11とデジタルクーリング制御装置21とから構成されている。
【0049】
デジタルクーリング制御装置21は、コンピュータから構成することができる。この場合、図示していないが、オペレーティングシステムや、インストールあるいはダウンロードした所定のコンピュータプログラムなどに従って、この実施形態のシステムの各種の機能が実現されるように制御を行うCPU、オペレーティングシステムや種々のコンピュータプログラムなどを記憶し、また、CPUが各制御のための処理を実行する上で必要なデータを記憶する記憶部としてのROM、CPUが処理を実行する上で必要なデータを記憶し、CPUによって情報が適宜書き換えられるワークエリアとしても利用されるRAMやハードディスク、通信インターフェース等の情報入出力部などが備えられていて、これらが必要なバスラインで接続されている構成になる。
【0050】
このコンピュータから構成されるデジタルクーリング制御装置21(図1図3ではリモート制御装置として表示されている)は、送風ファン12、散水冷却マット13、水切りダンパー14、デジタル風速計15、吹き出し温度センサ16、給水量検知センサ17、雨センサー18、外気温度センサー19などを備えている、後述するデジタルクーリング装置11と、有線又は無線のネットワークを介して情報交信可能に接続されている。
【0051】
図1図3ではリモート制御装置として表示されているデジタルクーリング制御装置21は、デジタルクーリング装置11のデジタル風速計15、吹き出し温度センサー16、給水量検知センサー17、雨センサー18、外気温度センサー18などからそれぞれが検知した情報をデジタル情報で取得すると、各情報に関わる冷凍サイクル装置や、冷凍サイクル装置に接続されている室外機を特定する情報に関連付けて、必要な情報をデジタルクーリング制御装置21の記憶部に記憶、格納しておく。
【0052】
また、図1図3ではリモート制御装置として表示されているデジタルクーリング制御装置21は、デジタルクーリング装置11のデジタル風速計15、吹き出し温度センサー16、給水量検知センサー17、雨センサー18、外気温度センサー18などからそれぞれが検知した情報をデジタル情報で取得し、後述するように、デジタルクーリング装置11が備えている送風ファン12に対する動作制御、デジタルクーリング装置11が備えているバルブに対する開閉動作制御を介した散水冷却マット13への給水動作制御、水切りダンパーの後述する回動動作制御などを、所定のコンピュータプログラムに従って指示、実行することになる。
【0053】
デジタルクーリング装置11は、送風ファン12、散水冷却マット13、水切りダンパー14、デジタル風速計15、吹き出し温度センサー16、給水量検知センサー17、雨センサー18、外気温度センサー19を備えている。
【0054】
図3において変風量ファンと表示されている送風ファン12は、圧縮機(図3では凝縮機と表示している)を備えている冷凍サイクル装置の室外機における空気吸入部の外側に配備されていて、図3図4(b)図示のように、室外機の外側の大気である外気を空気吸入部の側に向けて送ることで空気吸入部に向かう方向の外気の空気流を生じさせるものである。
【0055】
送風ファン12が稼働することで、室外機における圧縮機(凝縮機)の作用によって空気吸入部から室外機内に外気が吸い込まれる空気流の風速よりも強い風速で、強制的に、室外機の空気吸入部内に外気を送り込むことができる。これによって、圧縮機(凝縮機)での熱交換を効率よく行わせることができる。
【0056】
散水冷却マット13は、図3図4(b)図示のように、送風ファン12と空気吸入部との間に配備されていて、前述した空気流の方向に直交する方向である上側から下側に向かって鉛直方向に水分が流下すると共に、送風ファン12から送られてきた空気流が空気吸入部の方向に向けて通過できるものである。
【0057】
このような機能を発揮できる散水冷却マット13としては、例えば、多孔質な板状体や、スポンジ構造の板状体、不織布による板状体などを採用することができ、これらは、合成樹脂材料や金属材料などから形成することができる。
【0058】
後述するように、図3にリモート制御装置と表示されているデジタルクーリング制御装置21の給水制御手段23からの指示、制御によって、デジタルクーリング装置11におけるバルブ、電磁弁が開閉制御されて、散水管4に上水や、中水などが供給され、散水ノズル5を介して、室外機の空気吸入部方向に向かった、水平方向に、あるいは、斜め下方向に、上述したように板状体である散水冷却マット13の上部に上水や、中水などに吹き付けられ、散水される(図4(b))。こうして、板状体である散水冷却マット13の上部に散水、吹き付けられた上水、中水は、散水冷却マット13内を、散水冷却マット13の下部に向かって鉛直方向に流下していく。
【0059】
これに対して、上述したように送風ファン12から送られてきた空気流が、上水、中水が流下している散水冷却マット13内を通過して室外機の空気吸入部方向に向かっていく。
【0060】
上述したように、送風ファン12が稼働することで、室外機における圧縮機(凝縮機)の作用によって空気吸入部から室外機内に外気が吸い込まれる空気流の風速よりも強い風速で、室外機の空気吸入部内に外気を強制的に送り込むことができ、圧縮機(凝縮機)での熱交換を効率よく行わせることができるものであるが、このように、送風ファン12によって引き起こされた空気流は、上側から下側に向かって鉛直方向に水分が流下している散水冷却マット13を通り抜けてくることで、外気温度よりも低い温度に冷却された状態で、室外機の空気吸入部内に送り込まれることになる。これによって、圧縮機(凝縮機)での熱交換を一層効率よく行わせることができる。
【0061】
水切りダンパー14は、図3図4(b)図示のように、散水冷却マット13と空気吸入部との間に配備されている。
【0062】
上述したように、送風ファン12によって引き起こされた空気流は、上側から下側に向かって鉛直方向に水分が流下している散水冷却マット13を通り抜けてくることで、外気温度よりも低い温度に冷却された状態で、空気吸入部内に送り込まれることになる。これによって、圧縮機(凝縮機)での熱交換を一層効率よく行わせることができる。
【0063】
一方、送風ファン12から送られてきた空気流が散水冷却マット13を通過して室外機の空気吸入部の方向に向かう際に、散水冷却マット13を流下している水分が前記空気流に混入して室外機の空気吸入部に到達してしまう可能性がある。
【0064】
水切りダンパー14は、空気流に水分が混入している場合に、空気流から水分を除去し、水分を含んでいない空気流が室外機の空気吸入部に向かうようにするものである。
【0065】
図示の実施形態では、水切りダンパー14は、送風ファン12の側に位置して空気流の方向に直交する方向である水平方向(図5(a)の左右方向)に延びる風受け板6aと、空気吸入部の側に位置して空気流の方向に直交する方向である水平方向(図5(b)の左右方向)に延びる風送り板6bとから構成されている(図5)。
【0066】
風受け板6aは、図5(c)図示のように、送風ファン12の側の下端縁から空気吸入部の側の上端縁に向かって斜め方向に延びている。風送り板6bは、図5(c)図示のように、送風ファン12の側の上端縁から空気吸入部の側の下端縁に向かって斜め方向に延びている。
【0067】
そして、風受け板6aの上端縁と、風送り板6bの上端縁とが空気流の方向に直交する方向である水平方向(図5(a)、(b)の左右方向)に延びるダンパー支持軸6dによって支持されて連続している(図5(c))。
【0068】
ダンパー支持軸6dがその軸心を中心として、矢印6e、6fで示すように、回動することで、風受け板6aと風送り板bとが、図5(c)図示の、両者の間に形成されている角度を保ったまま、水切りダンパー14がダンパー支持軸6dを中心として回動する。
【0069】
図5(d)は、図5(c)図示の状態から、水切りダンパー14がダンパー支持軸6dの軸心を中心として矢印6fで示す方向に回動した状態を示すものである。図5(e)は、図5(c)図示の状態から、水切りダンパー14がダンパー支持軸6dの軸心を中心として矢印6eで示す方向に回動した状態を示すものである。
【0070】
図5を用いて上記に説明した水切りダンパー14は、デジタルクーリング装置11内で上下方向に互いに所定の間隔をあけて複数設置することができる。図4図示の実施形態では上下方向に水切りダンパー14が4個配備されている。
【0071】
上下4段の水切りダンパー14は、上下方向に延びている水切りダンパー連動レバー7により、それぞれのダンパー支持軸6dの軸心を中心として、矢印6e、6f方向へ同一回動角度で回転できるようになっている。
【0072】
この回転動作は、回転角度調整レバー10を用いて行わせ、任意の回転角度になったところで角度固定ストッパー9によって、ダンパー支持軸6dの軸心を中心とした回動角度を所定の回動角度に設定、固定することができる。
【0073】
また、図示していないが、後述するデジタルクーリング制御装置21からの制御を受けて、各水切りダンパー14がダンパー支持軸6dの軸心を中心にして所望の回転角度に電動で回転するようにすることもできる。
【0074】
図3に風速計と表示されているデジタル風速計15は、図3図示のように、水切りダンパー14と空気吸入部との間に配備されている。これによって、送風ファン12の稼働によって室外機の空気吸入部に向けて生起された外気の空気流の流速(風速)を把握することができる。
【0075】
吹き出し温度センサー16は、圧縮機(図3の凝縮機)から吹き出される冷媒の温度を検知する。
【0076】
図3に計量計と表示されている給水量検知センサー17は、散水冷却マット13に給水される水の量を検知する。
【0077】
雨センサー18は、室外機の外側における降雨状態を検知する。
【0078】
外気温度センサー19は、室外機の外側における外気温度状態を検知する。
【0079】
デジタルクーリング制御装置21のインタフェース部は、有線又は無線のネットワークを介して、上述したデジタル風速計15、吹き出し温度センサー16、給水量検知センサー17、雨センサー18、外気温度センサー19が検知した情報をデジタル情報で取得し、これらのデジタル情報が、後述するデジタルクーリング制御装置21の給水制御手段23、送風制御手段23、マット交換通知情報出力手段25、稼働係数通知情報出力手段26、給水量情報出力手段27などが行う各処理、各制御動作に用いられることになる。
【0080】
デジタルクーリング制御装置21は、冷凍サイクル装置稼働係数算定手段22、給水制御手段23、送風制御手段24、マット交換通知情報出力手段25、稼働係数通知情報出力手段26、給水量情報出力手段27を備えている。
【0081】
冷凍サイクル装置稼働係数算定手段22は、デジタルクーリング制御装置21が上述したように有線又は無線のネットワークを介して情報交信可能に接続されているデジタルクーリング装置11が配備されている室外機に接続されている冷凍サイクル装置(例えば、空気調和装置、冷凍装置、冷蔵装置、冷凍庫、冷蔵庫、自動販売機など)の使用電力量を通知する使用電力量デジタル信号に基づいて当該使用電力量デジタル信号を送出してきた冷凍サイクル装置の稼働係数を算定する処理を行う。
【0082】
稼働係数の算定は、例えば、算定処理対象になっている冷凍サイクル装置の使用電力量と、当該冷凍サイクル装置に設定されている負荷容量の関係から導き出すことができる。
【0083】
給水制御手段23は、算定された冷凍サイクル装置の稼働係数が所定の稼働係数値になったときに散水冷却マット13に対する給水開始または給水停止の給水制御を行う。
【0084】
例えば、稼働係数が40%になったときに、図3に上水or中水or弁水ゲート電磁弁と表示されている電磁弁及び、図3にバルブと表示されているバルブに対して開動作制御を行って、散水管4、散水ノズル5(図4(b))を介して散水冷却マット13に水を吹き付け、図3図4(b)の上側から下側に向かって鉛直方向に散水冷却マット13を介して水分が流下するようにする。
【0085】
また、例えば、稼働係数が30%になったときに、図3に上水or中水or弁水ゲート電磁弁と表示されている電磁弁及び、図3にバルブと表示されているバルブに対して閉動作制御を行って、散水管4、散水ノズル5(図4(b))を介しての散水冷却マット13への水の吹き付けを停止する。
【0086】
どのような稼働係数の時に上述した開動作制御、閉動作制御を行うようにするかは、上述した稼働係数30%〜40%の範囲に限定されず、最も好ましい冷却効率となるように、冷凍サイクル装置の種類・属性、使用されている場所、春・夏・秋・冬といった季節などに応じて種々に設定することができる。
【0087】
また、給水制御手段23は、室外機の外部に設置されているデジタル外気温度センサー19からデジタル情報で取得した外気温が所定の外気温度値になったときに散水冷却マット13に対する給水開始または給水停止の給水制御を行う。
【0088】
例えば、外気温度が25℃になったときに、図3に上水or中水or弁水ゲート電磁弁と表示されている電磁弁及び、図3にバルブと表示されているバルブに対して開動作制御を行って、散水管4、散水ノズル5(図4(b))を介して散水冷却マット13に水を吹き付け、図3図4(b)の上側から下側に向かって鉛直方向に散水冷却マット13を介して水分が流下するようにする。
【0089】
また、例えば、外気温度が20℃になったときに、図3に上水or中水or弁水ゲート電磁弁と表示されている電磁弁及び、図3にバルブと表示されているバルブに対して閉動作制御を行って、散水管4、散水ノズル5(図4(b))を介しての散水冷却マット13への水の吹き付けを停止する。
【0090】
どのような外気温度の時に上述した開動作制御、閉動作制御を行うようにするかは、上述した外気温度20℃〜25℃の範囲に限定されず、最も好ましい冷却効率となるように、冷凍サイクル装置の種類・属性、使用されている場所、春・夏・秋・冬といった季節などに応じて種々に設定することができる。
【0091】
また、あらかじめ設定されている稼働効率値、外気温度値になったときに、上述した開動作制御、閉動作制御を行うだけでなく、あらかじめ設定されている稼働効率値、外気温度値の上限と下限との間に複数段階の値を定めておいて、給水量を減少させる、あるいは給水量を増加させるように、上述した電磁弁、バルブの微妙な開閉動作制御を行うようにすることもできる。
【0092】
給水制御手段23は、室外機の外部に設置されているデジタル外気温度センサー19からデジタル情報で取得した外気温が所定の外気温度値になったときに、上述したバルブを閉じ、また、図3に図示されている排水用電磁弁を開いて、排水を行わせることで、凍結を防止する制御を行う設定にすることもできる。
【0093】
送風制御手段24は、算定された冷凍サイクル装置の稼働係数が所定の稼働係数値になったときに送風ファン12を稼働させて空気吸入部に向かう方向の空気流を生じさせる又は送風ファン12の稼働を停止させて空気吸入部に向かう方向の空気流を停止させる処理、制御を行う。
【0094】
例えば、稼働係数が40%になったときに、送風ファン12を稼働させて空気吸入部に向かう方向の空気流を生じさせる。
【0095】
また、例えば、稼働係数が30%になったときに、送風ファン12の稼働を停止させて空気吸入部に向かう方向の空気流を停止させる。
【0096】
どのような稼働係数の時に上述した送風ファン12を稼働させる処理、稼働している送風ファン12を停止させるようにするかは、上述した稼働係数30%〜40%の範囲に限定されず、最も好ましい冷却効率となるように、冷凍サイクル装置の種類・属性、使用されている場所、春・夏・秋・冬といった季節などに応じて種々に設定することができる。
【0097】
また、送風制御手段24は、室外機の外部に設置されているデジタル外気温度センサー19からデジタル情報で取得した外気温が所定の外気温度値になったときに送風ファン12を稼働させて空気吸入部に向かう方向の空気流を生じさせる又は送風ファン12の稼働を停止させて空気吸入部に向かう方向の空気流を停止させる処理、制御を行う。
【0098】
例えば、外気温度が25℃になったときに、送風ファン12を稼働させて空気吸入部に向かう方向の空気流を生じさせる。
【0099】
また、例えば、外気温度が20℃になったときに、送風ファン12の稼働を停止させて空気吸入部に向かう方向の空気流を停止させる。
【0100】
どのような外気温度の時に上述した送風ファン12の稼働、稼働している送風ファン12の停止を行うようにするかは、上述した外気温度20℃〜25℃の範囲に限定されず、最も好ましい冷却効率となるように、冷凍サイクル装置の種類・属性、使用されている場所、春・夏・秋・冬といった季節などに応じて種々に設定することができる。
【0101】
また、あらかじめ設定されている稼働効率値、外気温度値になったときに、上述した送風ファン12の稼働、稼働している送風ファン12の停止を行うだけでなく、あらかじめ設定されている稼働効率値、外気温度値の上限と下限との間に複数段階の値を定めておいて、送風ファン12の稼働によって生じる空気流の風速を、例えば、2.0m/sec〜6.0m/sec程度の範囲で、弱めたり、強めたりする微妙な風速調整制御を行うようにすることもできる。
【0102】
給水制御手段23が給水を開始するときの上述したあらかじめ設定されている稼働係数値と、送風制御手段24が送風ファン12を稼働させるときの上述したあらかじめ設定されている稼働係数値とは同一の値にすることができる。あるいは、両者を異ならせ、送風制御手段24が送風ファン12を稼働させるときの上述したあらかじめ設定されている稼働係数値の方が、給水制御手段23が給水を開始するときの上述したあらかじめ設定されている稼働係数値より大きくなるようにすることもできる。
【0103】
給水制御手段23が給水を停止するときの上述したあらかじめ設定されている稼働係数値と、送風制御手段24が送風ファン12の稼働を停止させるときの上述したあらかじめ設定されている稼働係数値とは同一の値にすることができる。あるいは、両者を異ならせ、送風制御手段24が送風ファン12を稼働させるときの上述したあらかじめ設定されている稼働係数値の方が、給水制御手段23が給水を開始するときの上述したあらかじめ設定されている稼働係数値より大きくなるようにすることもできる。
【0104】
給水制御手段23が給水を開始するときの上述したあらかじめ設定されている外気温度値と、送風制御手段24が送風ファン12を稼働させるときの上述したあらかじめ設定されている外気温度値とは同一の値にすることができる。あるいは、両者を異ならせ、送風制御手段24が送風ファン12を稼働させるときの上述したあらかじめ設定されている外気温度値の方が、給水制御手段23が給水を開始するときの上述したあらかじめ設定されている外気温度値より高くなるようにすることもできる。
【0105】
給水制御手段23が給水を停止するときの上述したあらかじめ設定されている外気温度値と、送風制御手段24が送風ファン12の稼働を停止させるときの上述したあらかじめ設定されている外気温度値とは同一の値にすることができる。あるいは、両者を異ならせ、送風制御手段24が送風ファン12を稼働させるときの上述したあらかじめ設定されている外気温度値の方が、給水制御手段23が給水を開始するときの上述したあらかじめ設定されている外気温度値より高くなるようにすることもできる。
【0106】
マット交換通知情報出力手段25は、送風ファン12が稼働している間にデジタル風速計15から取得した風速が所定の風速値になったときに、送風ファン12が稼働している室外機が接続されている冷凍サイクル装置を管理している管理者が使用している管理者端末31及び、送風ファン12が稼働している室外機が接続されている冷凍サイクル装置の管理を担当している担当者が所有している担当者端末32に対して、有線又は無線のネットワーク30を介して、前記室外機を特定する情報と共に、前記散水冷却マット13の交換を促す交換通知情報を出力する。
【0107】
これは、例えば、上述した送風制御手段24による制御により稼働している送風ファン12によって室外機の空気吸入部に向かう空気流の風速が所定の風速に設定されて送風制御されているにもかかわらず、デジタル風速計15が検知した風速が当該設定風速よりも所定の許容範囲を超えて低い風速である、等、設定されている以上にデジタル風速計15が検知する風速が低下している場合には、散水冷却マット13に水道水のシリカなどが付着して目詰まり状態が生じ、空気流が通過しにくくなっていると判断して、管理者、担当者に対して散水冷却マット13の交換を行うように促すものである。
【0108】
これによって、ゴミや、水道水のシリカなどが散水冷却マット13に付着することで、送風ファン12によって生起された空気流が散水冷却マット13を通過しにくくなり、冷却効果が低減されることを未然に防止できる。
【0109】
デジタルクーリング装置11における散水冷却マット13の取り付け、取り外しは、例えば、上述したような板状体である散水冷却マット13を、デジタルクーリング装置11におけるマット取り付け部にスライド移動による挿脱動作でワンタッチにて取り付け、取り外しできるようにすることが可能である。
【0110】
デジタルクーリング制御装置21の給水制御手段23や、送風制御手段24は、デジタルクーリング装置11の吹き出し温度センサー16からデジタル情報で取得した、圧縮機(凝縮機)から吹き出される冷媒の温度に応じて、散水冷却マット13に対する給水量を制御する構成や、送風ファン12の稼働によって生起されている空気流の風速の強弱を制御する構成にすることもできる。
【0111】
吹き出し温度センサー16で検知される、圧縮機(凝縮機)から吹き出される冷媒の温度は、圧縮機ファン(凝縮機ファン)の温度に相当するものであり、圧縮機ファン(凝縮機ファン)の温度を考慮して、給水制御や、送風制御を行えるようにするものである。
【0112】
すなわち、圧縮機(凝縮機)から吹き出される冷媒の温度が、給水制御手段23、送風制御手段24での制御によって目標としていた冷媒温度よりも高い場合には、給水量を増加する、目標としていた冷媒温度よりも低い場合には、給水量を減少させる、といった制御である。
【0113】
また、圧縮機(凝縮機)から吹き出される冷媒の温度が、給水制御手段23、送風制御手段24での制御によって目標としていた冷媒温度よりも高い場合には、送風ファン12の稼働によって生起されている空気流の風速が大きくなるようにする、目標としていた冷媒温度よりも低い場合には、送風ファン12の稼働によって生起されている空気流の風速が小さくなるようにする、といった制御である。
【0114】
更に、圧縮機ファン(凝縮機ファン)の温度に相当する圧縮機(凝縮機)から吹き出される冷媒の温度についてあらかじめ設定されている温度値になったときに、上述した給水制御手段23による給水制御、送風制御手段24による送風制御を行うだけでなく、あらかじめ設定されている温度値を複数段階で設定しておき、各設定段階の温度値に応じて、給水量の増減、送風風速の強弱を制御する、等の微妙な給水制御、送風制御を行うようにすることもできる。
【0115】
デジタルクーリング制御装置21の給水制御手段23や、送風制御手段24は、デジタルクーリング装置11の雨センサー18からデジタル情報で取得した、室外機の外側における降雨状態に応じて、散水冷却マット13に対する給水量を制御する構成や、送風ファン12の稼働によって生起されている空気流の風速の強弱を制御する構成にすることもできる。
【0116】
例えば、室外機の外側が降雨状態になったならば、給水制御手段23の指示、制御によって給水量を少なくし、更には、停止させる、送風制御手段24の指示、制御によって送風ファン12の稼働によって生起されている空気流の風速が小さくなるように、更には、送風ファン12の稼働を停止させる、といった制御である。この場合、給水制御手段23の指示、制御によって給水量を少なくし、更には、停止させる一方で、送風制御手段24の指示、制御に関しては、デジタル外気温度センサー19からデジタル情報で取得する外気温度が降雨条件の場合における所定の外気温度値になったときに送風ファン12の稼働によって生起されている空気流の風速が小さくなるように、更には、送風ファン12の稼働を停止させる制御を行うようにすることができる。また、送風制御手段24の指示、制御に関しては、吹き出し温度センサー16で検知される、圧縮機(凝縮機)から吹き出される圧縮機ファン(凝縮機ファン)の温度が、降雨条件の場合における所定の圧縮機ファン(凝縮機ファン)の温度値になったときに送風ファン12の稼働によって生起されている空気流の風速が小さくなるように、更には、送風ファン12の稼働を停止させる制御を行うようにすることもできる。
【0117】
稼働係数通知情報出力手段26は、冷凍サイクル装置稼働係数算定手段22が算定した冷凍サイクル装置の稼働係数を、当該稼働係数が算定された冷凍サイクル装置を管理している管理者が使用している管理者端末31及び、当該稼働係数が算定された冷凍サイクル装置の管理を担当している担当者が所有している担当者端末32に対して、有線又は無線のネットワーク30を介して、前記冷凍サイクル装置を特定する情報と共に、前記算定された稼働係数についての情報である、稼働係数通知情報を出力する。
【0118】
これは、管理者端末31、担当者端末32からネットワーク30を介してデジタルクーリング制御装置21が、情報取得要求を受けた際に、当該情報取得要求で特定された冷凍サイクル装置についての上述した稼働係数を通知する形態にすることもできる。また、あらかじめ設定されている時間間隔ごとに、デジタルクーリング制御装置21の記憶部に格納されている情報に基づいて、ネットワーク30を介して、管理者端末31、担当者端末32へ、上述した稼働係数が通知される形態にすることもできる。運転管理情報を管理者、担当者へ提供するものである。
【0119】
給水量情報出力手段27は、給水量検知センサー17からデジタル情報で取得した給水量情報を、給水が行われている散水冷却マット13が配備されている室外機が接続されている冷凍サイクル装置を管理している管理者が使用している管理者端末31及び、給水が行われている散水冷却マット13が配備されている室外機が接続されている冷凍サイクル装置の管理を担当している担当者が所有している担当者端末32に対して、有線又は無線のネットワーク30を介して、前記冷凍サイクル装置を特定する情報と共に、前記給水量情報を出力する。
【0120】
これは、管理者端末31、担当者端末32からネットワーク30を介してデジタルクーリング制御装置21が、情報取得要求を受けた際に、当該情報取得要求で特定された冷凍サイクル装置についての上述した給水量情報を通知する形態にすることもできる。また、あらかじめ設定されている時間間隔ごとに、デジタルクーリング制御装置21の記憶部に格納されている情報に基づいて、ネットワーク30を介して、管理者端末31、担当者端末32へ、上述した給水量情報が通知される形態にすることもできる。運転管理情報を管理者、担当者へ提供するものである。
【0121】
デジタルクーリング制御装置21の給水制御手段23、送風制御手段23、マット交換通知情報出力手段25、稼働係数通知情報出力手段26、給水量情報出力手段27などが行う上述した各処理、各制御動作は、デジタルクーリング制御装置21の記憶部に格納されているコンピュータプログラムに従って実行される。
【0122】
図1は、本発明のデジタル・クーリングコントロール・システムの概略構成の一例を説明するブロック図である。
【0123】
空気調和装置、冷凍装置、冷蔵装置、冷凍庫、冷蔵庫、自動販売機などの冷凍サイクル装置に接続されている、圧縮機を備えている複数台の室外機1〜室外機8のそれぞれに対して、上述したデジタルクーリング装置11がそれぞれ配備されている。
【0124】
この複数台のデジタルクーリング装置11のそれぞれが有線又は無線のネットワークを介して、デジタルクーリング制御装置12と情報交信可能に接続されている。
【0125】
ここで、上述したデジタルクーリング制御装置12によって実行される上述した機能、制御は、有線又は無線のネットワークを介して相互に情報交信可能に接続されている複数台のコンピュータ、サーバコンピュータによって分散実行されるようにすることもできる。この場合のサーバコンピュータの中には、クラウド上に設置されているサーバコンピュータが含まれている構成にすることもできる。
【0126】
以上、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限られることなく特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々に変更可能である。
【要約】
空気調和装置、冷凍装置、冷蔵装置、冷凍庫、冷蔵庫、自動販売機などの冷凍サイクル装置、特に、圧縮機を備えている室外機を構成要素に含む冷凍サイクル装置の運転において大幅な省エネ効果を発揮できるシステムを提案する。
デジタルクーリング装置とデジタルクーリング制御装置とから構成されている。前記デジタルクーリング装置は、送風ファンと、送風ファンと室外機の空気吸入部との間に配備されている散水冷却マットと、散水冷却マットと空気吸入部との間に配備されている水切りダンパーと、水切りダンパーと空気吸入部との間に配備されているデジタル風速計とを備えている。デジタルクーリング制御装置は、冷凍サイクル装置の稼働係数を算定する冷凍サイクル装置稼働係数算定手段と、算定された稼働係数が所定の稼働係数値になったとき又は室外機の外部に設置されているデジタル外気温度センサーから外気温が所定の外気温度値になったときに散水冷却マットに対する給水開始または給水停止の給水制御を行う給水制御手段と、送風ファンを稼働させて空気吸入部に向かう方向の空気流を生じさせる又は送風ファンの稼働を停止させて空気吸入部に向かう方向の空気流を停止させる送風制御を行う送風制御手段を備えている。
図1
図2
図3
図4
図5