特許第6820712号(P6820712)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6820712
(24)【登録日】2021年1月7日
(45)【発行日】2021年1月27日
(54)【発明の名称】練り材料成型機
(51)【国際特許分類】
   A23L 17/00 20160101AFI20210114BHJP
   A23P 30/10 20160101ALI20210114BHJP
【FI】
   A23L17/00 101G
   A23P30/10
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-201475(P2016-201475)
(22)【出願日】2016年10月13日
(65)【公開番号】特開2018-61475(P2018-61475A)
(43)【公開日】2018年4月19日
【審査請求日】2019年7月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000141509
【氏名又は名称】株式会社紀文食品
(74)【代理人】
【識別番号】100083895
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100175983
【弁理士】
【氏名又は名称】海老 裕介
(72)【発明者】
【氏名】名古屋 和彰
(72)【発明者】
【氏名】増田 浩二
【審査官】 茅根 文子
(56)【参考文献】
【文献】 実開平02−142188(JP,U)
【文献】 特開2004−344028(JP,A)
【文献】 実開昭52−110085(JP,U)
【文献】 特開昭62−087052(JP,A)
【文献】 特開平09−224545(JP,A)
【文献】 特開平11−318317(JP,A)
【文献】 特開昭63−032471(JP,A)
【文献】 特開2007−082461(JP,A)
【文献】 特開2004−229520(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 17/00
A23P 10/00−30/40
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
練り材料を載置する載置面を有する練り材料支持部材と、
該練り材料支持部材の該載置面上に一塊の練り材料を供給する練り材料供給部材と、
練り材料成型凹部を有する成型部材であって、該練り材料支持部材の上方から該練り材料支持部材の該載置面上に下降し、該載置面上に載置されていた一塊の練り材料を該練り材料成型凹部内に受け入れて該練り材料を成型する成型部材と、
該成型部材が該載置面上に下降するときの該練り材料成型凹部の内面を湿して、該成型部材が該載置面から上昇されるときに該成型された練り材料が練り材料成型凹部の内面に付着しないようにするための湿し装置と、
を有
該湿し装置が冷却構造を有し、該成型部材が該載置面上に下降するときの該練り材料成型凹部の内面に結露を生じるようにしたことを特徴とする練り材料成型機。
【請求項2】
該冷却構造が、該成型部材内に冷却液を通すようになされている請求項1に記載の練り材料成型機
【請求項3】
成型部材が、該練り材料成型凹部を有する成型部と、該練り材料成型凹部を下向けに開口した状態で該成型部を取り外し可能に保持する保持部とを有し、該冷却構造が該練り材料成型凹部の内面を冷却するようにされている、請求項1または2に記載の練り材料成型機。
【請求項4】
該湿し装置が、該成型部材が該載置面上に下降するときの該練り材料成型凹部の内面に液体を散布する液体散布ノズルを備える請求項1乃至3のいずれか一項に記載の練り材料成型機。
【請求項5】
該成型部材が該載置面に面する下向面を有し、該練り材料成型凹部は該下向面に開口した練り材料受入れ開口と、該下向面から該練り材料受入れ開口の周縁に沿って下向きに突出した環状の仕切り用フランジとを有し、該仕切り用フランジは、該成型部材が該載置面上に下降し、載置面上に載置されていた一塊の練り材料を該練り材料成型凹部内に受け入れて該練り材料を成型したときに該仕切り用フランジの外側の該載置面上にはみ出した練り材料を仕切り用フランジの内側で該練り材料成型凹部によって成型された練り材料から仕切る作用をなすようになされている、請求項1乃至のいずれか一項に記載の練り材料成型機。
【請求項6】
該練り材料支持部材が、上部走行部と、下部走行部と、該上部走行部及び下部走行部の前端及び後端をつなぐ前部接続部及び後部接続部とを有し、該上部走行部を該載置面とするベルトコンベアとされ、該ベルトコンベアは、該上部走行部が該前部接続部から該後部接続部へ向かうように駆動されるようになされており、該上部走行部上で成型された練り材料は該後部接続部から放出されるようになされ、該はみ出した練り材料は該ベルトコンベアの表面に付着した状態で該後部接続部から該下部走行部へ移行するようになされている請求項5に記載の練り材料成型機。
【請求項7】
該練り材料供給部材が、該上部走行部における該成型部材よりも該前部接続部寄りに設けられ下向きにした供給開口を有する筒状の部材とされており、該供給開口が該載置面に隣接する位置から上方へ変位しながら練り材料を載置面上に供給し、該供給開口から該一塊の練り材料が排出したときに僅かに下方へ変位した後、さらに上昇して該一塊の練り材料を該載置面上に残すようにされている請求項6に記載の練り材料成型機。
【請求項8】
該練り材料支持部材の該載置面上に供給された一塊の練り材料の表面に、該成型部材による成型が行われる前に離型剤を散布するための離型剤散布部材を更に有する請求項1乃至7のいずれか一項に記載の練り材料成型機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は練り製品製造装置に関し、特に、魚肉、畜肉、餡子、チーズ等の練り材料を所要の練り製品形状に成型するための練り材料成型機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ベルトコンベアと、一塊の練り材料を該ベルトコンベアの上部走行部上に供給する練り材料供給部材と、供給された上部走行部上の一塊の練り材料を受け入れて所要形状に成型する成型部材とを有する練り材料成型機が開示されている。この練り材料成型機では、停止状態とされたベルトコンベアの上部走行部をその上方位置にある練り材料供給部材まで持ち上げて同上部走行部を下降しながら一塊の練り材料を該上部走行部上に供給し、該ベルトコンベアを駆動して該一塊の練り材料を成型部材の下方位置として停止し、上部走行部を成型部材まで持ち上げて練り材料を成型し、同上部走行部を下降して該成型された練り材料を次の加工工程に搬送するようになっている。
【0003】
成型部材は、練り材料を受け入れて成型する筒状の成型部と、該成型部内を上下に変位可能とされて上昇されたベルトコンベアの上部走行部上の一塊の練り材料を受け入れる上方位置と、該上方位置から下降して該練り材料を上部走行部上に押し付けて該練り材料の成型を行う成型位置との間で変位可能とされた有孔透水性スタンプとを有している。成型された練り材料は、ベルトコンベアの上部走行部が下降するのに伴い有孔透水性スタンプの上面に水を含んだ高圧の流体(水と空気の混合体)かけて同流体を練り材料に接する下面からを噴出させて成型した練り材料を成型部から離型させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−229520
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の公知の練り材料成型機においては、有孔透水性スタンプによって練り材料を押し付けるので、練り材料が該有孔透水性スタンプの孔内に付着するため、完全に洗浄することは難しい。離型のためにかける流体中の水は、離型を容易にするためのものであるが、成型された練り材料の表面に余分な水分が付着し、製品の品質に好ましくない影響を与えるおそれがある。
本発明は、このような問題を解消することを可能とする練り材料成型機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち本発明に係る練り材料成型機は、
練り材料を載置する載置面を有する練り材料支持部材と、
該練り材料支持部材の該載置面上に一塊の練り材料を供給する練り材料供給部材と、
練り材料成型凹部を有する成型部材であって、該練り材料支持部材の上方から該練り材料支持部材の該載置面上に下降し、該載置面上に載置されていた一塊の練り材料を該練り材料成型凹部内に受け入れて該練り材料を成型する成型部材と、
該成型部材が該載置面上に下降するときの該練り材料成型凹部の内面を湿して、該成型部材が該載置面から上昇されるときに該成型された練り材料が練り材料成型凹部の内面に付着しないようにするための湿し装置と、
を有する。
【0007】
この練り材料成型機では、練り材料供給部材及び成型部材を練り材料支持部材に対して昇降し、練り材料の供給及び成型を行うようになっており、成型部材が成型のために下降されるときに該練り材料成型凹部の内面を湿すようにすることにより、成型された練り材料の練り材料成型凹部からの離型を容易にしている。また、上述の公知の練り材料成型機のように有孔透水性スタンプを使用しないので、練り材料のつまりが生じて洗浄に支障を来すということも回避することができる。
【0008】
具体的には、該湿し装置が、該成型部材が該載置面上に下降するときの該練り材料成型凹部の内面に液体を散布する液体散布ノズルをそなえるようにすることができる。液体散布ノズルによる液体散布なので離型のために必要な量を調整して散布することが可能となる。
【0009】
別の例では、該湿し装置が、該成型部材内に冷却液を通す冷却構造を有し、該成型部材が該載置面上に下降するときの該練り材料成型凹部の内面に結露を生じるようにしたものとすることができる。
【0010】
また、
該成型部材が該載置面に面する下向面を有し、該練り材料成型凹部は該下向面に開口した練り材料受入れ開口と、該下向面から該練り材料受入れ開口の周縁に沿って下向きに突出した環状の仕切り用フランジとを有し、該仕切り用フランジは、該成型部材が該載置面上に下降し、載置面上に載置されていた一塊の練り材料を該練り材料成型凹部内に受け入れて該練り材料を成型したときに該仕切り用フランジの外側の該載置面上にはみ出した練り材料を仕切り用フランジの内側で該練り材料成型凹部によって成型された練り材料から仕切るようにすることができる。
【0011】
ここで「仕切る」とは、載置面上に下降した成型部材のフランジが載置面と接触若しくは載置面に近接した状態となり、フランジの内側で成型された練り材料とフランジの外側にはみ出した練り材料との間を仕切る切れ目又は溝を形成することを意味する。すなわち、成型に際して練り材料がフランジの外側にはみ出してしまうことがあるが、この場合、フランジが載置面と実質的に接触しているために、はみ出した練り材料と成型された練り材料との間には、それらを仕切る切れ目又は溝が形成され、このため成型された練り材料を次工程に移送するときに、はみ出した材料を除去するのが容易となり、最終的練り製品の形状を好ましいものにすることが可能となる。
【0012】
この場合、
該練り材料支持部材が、上部走行部と、下部走行部と、該上部走行部及び下部走行部の前端及び後端をつなぐ前部接続部及び後部接続部とを有し、該上部走行部を該載置面とするベルトコンベアとされ、該ベルトコンベアは、該上部走行部が該前部接続部から該後部接続部へ向かうように駆動されるようになされており、該上部走行部上で成型された練り材料は該後部接続部から放出されるようになされ、該はみ出した練り材料は該ベルトコンベアの表面に付着した状態で該後部接続部から該下部走行部へ移行するようにすることができる。このようにすることにより、該はみ出した練り材料は、下部走行部やそれに続く前部接続部などにおいて剥離することができる。
【0013】
またこの場合、
該練り材料供給部材が、該上部走行部における該成型部材よりも該前部接続部寄りに設けられ下向きにした供給開口を有する筒状の部材とされ、該供給開口が該載置面に隣接する位置から上方へ変位しながら練り材料を載置面上に供給し、該供給開口から該一塊の練り材料が排出したときに僅かに下方へ変位した後、さらに上昇して該一塊の練り材料を該載置面上に残すようにすることができる。
【0014】
一塊の練り材料がノズルの供給口から排出したときにノズルをいったん下方へ変位させることにより該一塊の練り材料とノズル内の練り材料との分離しやすくなる。
【0015】
練り材料は成型凹部の内面に付着しやすい状態にあるが、該成型凹部の内面を冷却することにより成型された練り材料の離型をしやすくすることが可能となる。また、該成型凹部の内面を冷却することにより該内面に結露を生じさせることが可能であり、この結露によっても離型を促進することが期待できる。
【0016】
更に、
成型部材が、該練り材料成型凹部を有する成型部と、該練り材料成型凹部を下向けに開口した状態で該成型部を取り外し可能に保持する保持部とを有し、
該保持部が該湿し装置としての冷却構造を有し、該練り材料成型凹部の内面を冷却するようにすることができる。
【0017】
このようにすることにより、前述した練り材料成型凹部の内面での結露のほか、該内面と接触して成型された練り材料の表面の冷却により、該成型された練り材料の練り材料成型凹部からの離型を容易にすることができる。
【0018】
本発明に係る練り材料成型機においては更に、該練り材料支持部材の該載置面上に供給された一塊の練り材料の表面に、該成型部材による成型が行われる前に離型剤を散布するための離型剤散布部材を有するようにすることができる。
【0019】
これは上述した湿し装置により成型した練り材料の成型凹部から離型を容易にするのに加え、練り材料表面に水などの離型剤を散布することにより離型をよりしやすくするためのものである。離型剤は散布ノズルなどから直接材料表面に散布するものであり、散布量は適宜調整することが可能である。
【0020】
以下、本発明に係る練り材料成型機の実施形態を添付図面に基づき説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本発明に係る練り材料成型機の概要側面図である。
図2図2は、図1の練り材料成型機において用いられている成型部材の分解斜視図である。
図3図3は、図2の成型部材における成形部の左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1に示す練り材料成型機10は、基本的構成エレメントとして、練り材料を載置する載置面12を有する練り材料支持部材14と、練り材料支持部材14の載置面12上に一塊の練り材料M1を供給する練り材料供給部材16と、該一塊の練り材料を成型する成型部材17とを有する。
【0023】
この練り材料成型機10においては、練り材料支持部材14はベルトコンベア14Aとされており、該ベルトコンベアは載置面12としての上部走行部18と、下部走行部20と、上部走行部18及び下部走行部20の前端及び後端をつなぐ前部接続部22及び後部接続部24とを有し、上部走行部18が矢印Aで示すように前端接続部22から後端接続部24に向けて移動するように駆動されるようになされている。図示の例では、後端接続部24に隣接して次の加工工程のベルトコンベア14Bが設定されており、ベルトコンベア14Aの後部接続部24から放出される成型後の練り材料M2を受け取るようになっている。ベルトコンベア14Aの素材としてはポリウレタンを用いることが好ましい。また、以下に述べるように、練り材料供給部材16及び成型部材17は、載置面12に対して同期して下降及び上昇を行いながら練り材料の供給及び成型を行うものであり、この練り材料の供給及び成型が行われる間はベルトコンベア14Aは停止され、間欠的に駆動されるようになっている。
【0024】
練り材料供給部材16は筒状の部材とされ、練り材料を収納するに可撓性チューブCを介して練り材料ホッパーHに接続され、ホッパー下部に設けられているギアポンプGが間欠的に駆動されることによりホッパーHからの練り材料を受け取り、ベルトコンベアの載置面12上に間欠的に供給するようにされている。練り材料供給部材16は、図示しない駆動装置により上下動(矢印B)されるようになされており、その下端がベルトコンベア14Aの上部走行部18すなわち載置面12にほぼ接する位置から上昇されるにともない練り材料を載置面12上に供給し、所定量の練り材料を該練り材料供給部材16の下端から排出した時点で、ギアポンプGの駆動が停止されて練り材料の供給は停止されるとともに当該練り材料供給部材16が僅かに下方に変位され、すでに排出している練り材料を載置面12に向けて僅かに圧縮した後に更に上昇される。このようにすることにより、すでに排出されている練り材料が載置面12上に残されて一塊の練り材料M1とされる。練り材料供給部材14が僅かに下方に変位され、そのあとに上昇されるときに、ギアポンプGを逆転駆動することが好ましい。これは過剰な量の練り材料が一塊の練り材料として残るのを防ぐ効果がある。
【0025】
成型部材17は、下向きに開口した練り材料成型凹部26(図示の例では2つ)を有しており、練り材料供給部材16と同期して、ベルトコンベア14Aの上方から上部走行部18上に下降し、その時点までに当該ベルトコンベア14Aの駆動により成型部材17の下方位置まで移送されてきていた一塊の練り材料M1を練り材料成型凹部26内に受け入れて該練り材料を成型する。
【0026】
図2に示す成型部材17は、練り材料成型凹部26を有する成型部17Aと、成型部17Aを練り材料成型凹部26を下向けに開口した状態で取り外し可能に保持する保持部17Bとを有している。保持部材17Bは下向きに開口した箱状とされており、成形部17Aは、ボルトなどにより保持部材17Bの開口を閉じるようにして保持部材17Bに取り外し可能に取り付けられるようになっている。保持部材17Bには冷却水供給管T1及び冷却水排出管T2が接続されており、冷却水を当該保持部材17B内に通して、成形部17Aを冷却する冷却構造を構成するようにされている。
【0027】
保持部17B内に通された冷却水により冷却される成形部17Aは、練り材料成型凹部26の内面に結露を生じることが可能であり、該内面が湿された状態とすることができる。すなわち、図示の実施形態においては上記冷却構造により練り材料成型凹部26の内面を湿すための湿し装置が構成されている。このような湿し装置のために、成型部材17が下降されて練り材料M1の成型が行われた後に成型部材17が上昇されるときに、成型された練り材料M2は湿されていた練り材料成型凹部26の内面から容易に剥離可能となる。また、湿し装置すなわち上述の冷却構造は、成型された練り材料M2に表面を冷却する作用もするために、成型された練り材料M2は冷却しない場合に比べて、練り材料成型凹部26の内面からの離型が容易になる。
【0028】
図2及び図3に示すように、成型部材17は全体として厚板状とされ、ベルトコンベア14Aの上部走行部18に面する下向面28には練り材料成型凹部26の練り材料受入れ開口26Aが開口しており、この練り材料受入れ開口26Aの周縁に沿って下向きに突出した環状の仕切り用フランジ26Bが設けられている。仕切り用フランジ26Bは、成型部材17が載置面12(上部走行部18)上に下降し、載置面12上に載置されていた一塊の練り材料M1を練り材料成型凹部26内に受け入れて成型したときに、当該仕切り用フランジの外側の載置面12上にはみ出した練り材料M3を仕切り用フランジ26Bの内側で練り材料成型凹部26Aによって成型された練り材料から仕切る作用をなす。
【0029】
上述のように図示の練り材料成型機においては、練り材料成型凹部26の内面を冷却し同内面に結露による湿しを生じるようにして成形された練り材料M2が離型しやすくしているが、本実施形態においては更に、成型部材17が下降するときに、練り材料成型凹部26の内面に液体を散布する液体散布ノズル30を設けている。液体散布ノズル30は、成型された練り材料M2が離型するのに適した量だけの水などの液体を散布するようにしている。
【0030】
図示の練り材料成型機10においては、更に、成型した練り材料M2に所要の着色をするための着色ノズル32及びベルトコンベア14Aに表面に付着した練り材料を同表面から剥離するためのスクレーパ34が設けられている。スクレーパ34は、成型した練り材料M2がベルトコンベア14Aの後部接続部24から後続のベルトコンベア14Bに放出されたあとに、上述のように仕切り用フランジ26Bによって成形された練り材料M2から仕切られてベルトコンベア14Aの表面に付着したまま下部走行部20にまで移送された練り材料の残り(はみ出した練り材料M3)を同表面から掻き落とすためのものである。
【0031】
以上、本発明に係る練り材料成型機の一実施形態につき述べたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上述の実施形態では冷却構造(湿し装置)により成型凹部からの練り材料の離型を容易にしているが、これに加えて、成型される前のベルトコンベア上の練り材料の表面に水などの離型剤を散布するようにすることができる。一方、成型された練り材料の剥離が、上述の冷却構造(湿し装置)により十分行われる場合には液体散布ノズルや上記の離型剤散布は不要となる。また、液体散布ノズルから散布する離型のための液体に、着色ノズルによる着色のための着色剤を含ませれば、着色ノズルを不要とすることもできる。剥離のために液体散布ノズルを用いたが、剥離のためには粉末状の剥離剤を使用することも可能であり、そのような粉末状の剥離剤の散布ノズルを設けることも可能である。
【符号の説明】
【0032】
練り材料成型機10
載置面12
練り材料支持部材14
ベルトコンベア14A
ベルトコンベア14B
練り材料供給部材16
成型部材17
成型部17A
保持部17B
上部走行部18
下部走行部20
前部接続部22
後部接続部24
練り材料成型凹部26
練り材料受入れ開口26A
仕切り用フランジ26B
下向面28
液体散布ノズル30
着色ノズル32
スクレーパ34
一塊の練り材料M1
成型後の練り材料M2
はみ出した練り材料M3
矢印A
矢印B
ホッパーH
可撓性チューブC
ギアポンプG
冷却水供給管T1
冷却水排出管T2

図1
図2
図3