特許第6820740号(P6820740)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6820740体外式除細動器に対する自動的なパワー管理
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6820740
(24)【登録日】2021年1月7日
(45)【発行日】2021年1月27日
(54)【発明の名称】体外式除細動器に対する自動的なパワー管理
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/39 20060101AFI20210114BHJP
【FI】
   A61N1/39
【請求項の数】15
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-516272(P2016-516272)
(86)(22)【出願日】2014年5月26日
(65)【公表番号】特表2016-519977(P2016-519977A)
(43)【公表日】2016年7月11日
(86)【国際出願番号】IB2014061706
(87)【国際公開番号】WO2014191888
(87)【国際公開日】20141204
【審査請求日】2017年5月19日
【審判番号】不服2019-3831(P2019-3831/J1)
【審判請求日】2019年3月22日
(31)【優先権主張番号】61/827,811
(32)【優先日】2013年5月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】デライスル ノーマン モーリス
(72)【発明者】
【氏名】ウスリッチ スコット アラン
(72)【発明者】
【氏名】コージン サイモン エドワード
【合議体】
【審判長】 内藤 真徳
【審判官】 莊司 英史
【審判官】 倉橋 紀夫
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0011382(US,A1)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
緊急医療デバイスであって、
前記デバイスの1つ又は複数のサブシステムに電力供給するよう構成される電源と、
前記1つ又は複数のサブシステムにおけるユーザ活動を検出するよう構成されるユーザ活動検出モジュールであって、前記ユーザ活動が、ノブを回す、タッチスクリーンにタッチする、治療若しくは測定ケーブルを前記デバイスに接続する、又は遠隔使用のためモジュールのドッキングを解除することの1つ又は複数を含む、ユーザ活動検出モジュールと、
前記1つ又は複数のサブシステムにおける臨床活動を検出するよう構成される臨床活動検出モジュールであって、前記臨床活動が、治療パッド若しくはパドルが前記デバイスから患者に付けられる、ECGリードが前記デバイスから前記患者に付けられる、ECGデータが前記パッド、前記パドル若しくは前記ECGリードから受信される、Pleth波信号がSpO2センサから受信される、カプノグラムがEtCO2センサから受信される、又は前記デバイスに接続されるCPRンサで圧縮が検出されることの1つ又は複数を含む、臨床活動検出モジュールと、
前記1つ又は複数のサブシステムに結合され、前記ユーザ活動検出モジュールにおいてユーザ活動が検出されること及び前記臨床活動検出モジュールにおいて臨床活動が検出されることに基づき、前記1つ又は複数のサブシステムの電源状態をスタンバイモードから電源オンへと変えるよう構成される制御モジュールとを有する、デバイス。
【請求項2】
前記制御モジュールが、前記1つ又は複数のサブシステムの前記電源状態を変更するためパラメータを制御するよう構成される自動的な電源管理モジュールを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記自動的な電源管理モジュールからの入力に基づき、前記1つ又は複数のサブシステムの前記電源状態を修正するよう構成される電源制御モジュールを更に有する、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記1つ又は複数のサブシステムが、測定モジュール、プリンタ及びディスプレイの1つ又は複数を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記1つ又は複数のサブシステムの前記電源状態を変更するため、ユーザがパラメータをセットすることを可能にするよう構成されるインタフェースを更に有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記デバイスの全体の作動状態が、ユニットとして制御可能であり、スタンバイ機能を持つすべてのサブシステムは、任意のシステムレベル活動又は非活動に基づき、同時に電源オン又はオフにされる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記デバイスが、モニタ、除細動器又はこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
緊急医療デバイスであって、
前記デバイスの1つ又は複数のサブシステムに電力供給するよう構成される電源であって、前記1つ又は複数のサブシステムが、スタンバイモードを持つ少なくとも1つのモジュールを含む、電源と、
前記1つ又は複数のサブシステムに結合され、自動的な電源管理モジュールを含む制御モジュールであって、前記制御モジュールが、前記1つ又は複数のサブシステムの電源状態を変更するためパラメータを制御するよう構成され、前記1つ又は複数のサブシステムの前記電源状態は、ユーザ活動検出モジュールにおいて前記1つ又は複数のサブシステムにおけるユーザ活動が検出されること及び臨床活動検出モジュールにおいて前記1つ又は複数のサブシステムにおける臨床活動が検出されることに基づきスタンバイモードから電源オンへと変えられる、制御モジュールとを有し、
前記ユーザ活動が、ノブを回す、タッチスクリーンにタッチする、治療若しくは測定ケーブルを前記デバイスに接続する、又は遠隔使用のためモジュールのドッキングを解除することの1つ又は複数を含み、
前記臨床活動が、治療パッド若しくはパドルが前記デバイスから患者に付けられる、ECGリードが前記デバイスから前記患者に付けられる、ECGデータが前記パッド、前記パドル若しくは前記ECGリードから受信される、Pleth波信号がSpO2センサから受信される、カプノグラムがEtCO2センサから受信される、又は前記デバイスに接続されるCPRンサで圧縮が検出されることの1つ又は複数を含む、デバイス。
【請求項9】
前記自動的な電源管理モジュールが、前記ユーザ活動検出モジュール及び前記臨床活動検出モジュールの少なくとも1つにおいて検出される非活動に基づき、前記1つ又は複数のサブシステムを独立して電源オフにする制御を行うよう構成される、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記自動的な電源管理モジュールからの入力に基づき、前記1つ又は複数のサブシステムの前記電源状態を修正するよう構成される電源制御モジュールを更に有する、請求項8に記載のデバイス。
【請求項11】
前記1つ又は複数のサブシステムが、測定モジュール、プリンタ及びディスプレイを含む、請求項8に記載のデバイス。
【請求項12】
前記1つ又は複数のサブシステムの前記電源状態を変更するため、ユーザがパラメータをセットすることを可能にするよう構成されるインタフェースを更に有する、請求項8に記載のデバイス。
【請求項13】
前記デバイスの全体の作動状態が、ユニットとして制御可能であり、スタンバイ機能を持つすべてのサブシステムは、任意のシステムレベル活動又は非活動に基づき、同時に電源オン又はオフにされる、請求項8に記載のデバイス。
【請求項14】
前記デバイスが、モニタ、除細動器又はこれらの組み合わせを含む、請求項8に記載のデバイス。
【請求項15】
医療デバイスの電源管理に関する方法において、
ユーザ活動検出モジュールが、前記デバイスの1つ又は複数のサブシステムにおけるユーザ活動を検出するステップと、
臨床活動検出モジュールが、前記1つ又は複数のサブシステムにおける臨床活動を検出するステップと、
前記1つ又は複数のサブシステムに結合される制御モジュールが、前記ユーザ活動検出モジュールにおいてユーザ活動が検出されること及び前記臨床活動検出モジュールにおいて臨床活動が検出されることに基づき、前記1つ又は複数のサブシステムの電源状態をスタンバイモードから電源オンへと変えるステップとを有し、
前記ユーザ活動が、ノブを回す、タッチスクリーンにタッチする、治療若しくは測定ケーブルを前記デバイスに接続する、又は遠隔使用のためモジュールのドッキングを解除することの1つ又は複数を含み、
前記臨床活動が、ECGデータが治療パッド、パドル若しくはECGリードから受信される、Pleth波信号がSpO2センサから受信される、カプノグラムがEtCO2センサから受信される、又は前記デバイスに接続されるCPRンサで圧縮が検出されることの1つ又は複数を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療器具に関し、より詳細には、バッテリ寿命を改善し、電力消費を減らし、臨床使用のための立ち上げ時間を減らす自動的なパワーマネジメントを備える除細動器/モニタに関する。
【背景技術】
【0002】
体外式除細動器は、バッテリ電源で、又は外部のAC若しくはDC電源を介して供給される電源で作動することができる。現在の製品においては、ユーザは、デバイスを手動でオン/オフすることにより、直接電源を制御する。概して、システムプロセッサが、スタートアップセルフ試験を起動、初期化及び実行するのに、少なくとも5〜10秒の電源投入時間が存在する。更に、完全な精度を実現するため、いくつかのサブシステムをウォームアップするのに数分を要する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
より新規の除細動器/モニタデバイスは、電源制御に関して複雑さを増している。モジュラ概念が、除細動器/モニタシステムに適用され、その結果、ユーザによりオン/オフされることを必要とする複数のバッテリ駆動モジュールが提供される場合がある。これは、ユーザにとってかなり多くのステップを作りだし、いくつかのステップを省略してしまう可能性を生み出す。例えば、モジュールの1つ又は複数が電源オンにされない場合、システムがなぜ作動しないかをユーザが決定しようとする間、貴重な時間が失われる可能性がある。更に、モジュールの1つが不注意で電源オフにされない場合、それは、電池を減少させ、緊急看護で必要とされるとき使用することができない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本原理によれば、緊急医療デバイスは、上記デバイスの1つ又は複数のサブシステムに電力供給するよう構成される電源を含む。ユーザ活動検出モジュールは、上記1つ又は複数のサブシステムにおけるユーザ活動を検出するよう構成され、臨床活動検出モジュールは、上記1つ又は複数のサブシステムにおいて臨床活動を検出するよう構成される。制御モジュールは、上記1つ又は複数のサブシステムに結合され、上記ユーザ活動検出モジュール及び上記臨床活動検出モジュールの少なくとも1つにおいて検出される活動に基づき、上記1つ又は複数のサブシステムの電源状態を変えるよう構成される。
【0005】
緊急医療デバイスは、上記デバイスの1つ又は複数のサブシステムに電力供給するよう構成される電源であって、上記1つ又は複数のサブシステムが、スタンバイモードを持つ少なくとも1つのモジュールを含む、電源と、上記1つ又は複数のサブシステムに結合され、自動的な電源管理モジュールを含む制御モジュールとを含む。上記制御モジュールが、上記1つ又は複数のサブシステムの電源状態を変更するためパラメータを制御するよう構成される。上記1つ又は複数のサブシステムの上記電源状態は、ユーザ活動検出モジュール及び臨床活動検出モジュールの少なくとも1つにおいて検出される活動に基づき変えられる。ここで、上記ユーザ活動検出モジュールは、上記1つ又は複数のサブシステムにおけるユーザ活動を検出するよう構成され、上記臨床活動検出モジュールは、上記1つ又は複数のサブシステムにおける臨床活動を検出するよう構成される。
【0006】
医療デバイスの電源管理に関する方法が、上記デバイス上で実行される1つ又は複数のユーザ活動及び/又は1つ又は複数の臨床活動に応答するよう制御モジュールを構成するステップと、上記デバイス、及び上記デバイスの1つ又は複数のサブシステムの少なくともいずれかの電源状態を変更するための条件が満たされるかを決定するため、ユーザ活動及び臨床活動を検出するステップと、上記検出されるユーザ活動及び臨床活動に基づき、上記デバイス全体及び上記1つ又は複数のサブシステムの少なくともいずれかの上記電源状態を変えるステップとを含む。
【0007】
上記電源状態は、電源オフ状態、電源オン状態、及びスタンバイモードのいずれかを含むことができる。上記1つ又は複数のサブシステムが、測定モジュール、プリンタ及びディスプレイの1つ又は複数を含むことができる。ユーザ活動は、ユーザとデバイスとの間の物理的相互作用を含むことができ、臨床活動は、患者との臨床的相互作用、上記患者に関する器材の準備、患者パラメータの測定を含むことができる。上記制御モジュールを構成することが、上記電源状態を変更するため、ユーザがパラメータをセットすることを可能にすることを含むことができる。デバイスは、モニタ、除細動器又はこれらの組み合わせを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】ある実施形態による除細動器/モニタデバイスを示すブロック/フロー図である。
図2】ある実施形態による除細動器に関する電源制御モジュール及びこれにより電力供給されるモジュールを示すブロック/フロー図である。
図3】例示的な実施形態による除細動器を作動させるシステム/方法を示すブロック/フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示におけるこれら及び他の目的、特徴及び利点は、添付の図面と共に参照される、その説明的な実施形態の以下の詳細な説明から明らかになる。
【0010】
本開示は、以下の図面を参照して好ましい実施形態の以下の説明を詳細に提供する。
【0011】
本原理によれば、除細動器又はモニタの電源をオンにする際の有用性問題を緩和するため、自動化された電源管理機能が与えられる。これは、全体のシステムをより使いやすくし、緊急看護に対するシステムの準備性を改良する。自動化された電源管理に関する現在の技術は、除細動器又はモニタの使用パターンにうまく適合していない。ユーザ非活動は、多くの家電デバイスが電源節約モードに入るのに使用する主なトリガーである。電源節約モードは、デバイスにおける電力の最大消費者の1つであるディスプレイ画面の電源をオフにする。除細動器又はモニタにおいて、見かけ上ユーザ非活動が長い期間続く間でも、スクリーン上に表示されるバイタルサインデータが必要とされることがある。更に、ユーザは、例えば高心拍、低血圧又は患者のECGにおいて検出される不整脈のようなより複雑な状態といった生理的警報状態を連続してチェックするため、除細動器/モニタに頼る。従って、除細動器/モニタの自動的な電源管理を単純なユーザ非活動測定基準に依存して行うことはできない。
【0012】
役立つ実施形態によれば、自動的な電源節約モード切り替えを起動するのに、ユーザ活動に加えて臨床活動が使用される。臨床活動手段は、以下の1つ又は複数を含むことができる。1)治療パッド又はパドルが、デバイスから患者に付けられること、2)心電図(ECG)リードが、デバイスから患者に付けられること、有効なECGデータが、パッド、パドル又はECGリードから受信されること、有効なPleth波信号が、Sp02センサから受信されること、有効なカプノグラムが、EtC02センサから受信されること、デバイスに接続される心肺蘇生術(CPR)コーチングセンサで圧縮が検出されること、測定システムを作動させること等である。
【0013】
特定のサブシステムの電源オフをトリガーするのに使用される臨床活動のレベルは、それらのサブシステムを電源オンにするものとは異なる必要がある。誤った非活動検出を防止するため、この規則は電源オフのための高い閾値を提供する必要がある。サブシステムを再起動するための規則は、すべての活動状態が検出されることを確実にするため、より低い閾値を使用する。例えば、デバイスにECGリードを付けることは、ECGモニタリング機能を電源オンにするのに十分な条件である。しかしながら、ECGモニタリング機能の電源を切ることは、ECGリード及び例えばパッド又はパドルといった他のECGソースの両方を取り外すことを必要とすることができる。ユーザ活動は、ノブを回す、ボタンを押す、又は、遠隔使用のためモジュールのドッキングを解除する等のデバイスの任意の直接的又は肯定的な制御を含む。
【0014】
所定の時間期間においてユーザ活動及び臨床活動がともに存在しない場合にのみ、デバイスは電源節約モードに入る。作動の電源節約モードにある間、デバイスは、デバイスが自動的に再起動される必要があるかを決定するため、ユーザ活動及び特定のタイプの臨床活動を検知し続ける。
【0015】
ユーザ又は臨床活動を検出する機構は、超低電源消費量を持つよう設計される。デバイスがすぐに起動されることができる動作のスタンバイモードにおいて、プロセッサ及びメモリは、電源をオンにされ続けることを必要とする点に留意されたい。従って、ユーザ及び臨床活動検出メカニズムは、これらの作動中の処理要素を利用することができる。例えば、デバイスは、負荷が特定の治療ポートピンの間の接続されるときを検出する単純な入力/出力方法を用いることにより、パッドケーブルがデバイスに接続されるときを検出することができる。
【0016】
本原理によるシステムは、電源節約モードにおいて作動する間、即時オン機能を提供する。従って、ユーザ活動又は臨床活動の新たな発生のちょうど前にシステムが電源節約モードに入る場合、回復は瞬間的である。自動化された電源管理は、緊急医療デバイスにおいて必要とされる高水準の堅牢性を提供する。なぜなら、デバイスによりなされる自動化された電源節約処理が、即時オン機能を介してユーザによりすぐに反転されることができるからである。ある実施形態において、特定タイプの非活動に基づかれる複数の電源節約モード及びスイッチが、使用されることができる。例えば、(ユーザから、又は、例えば不整脈警報のような自動印刷機能からの)印刷リクエストがない場合、プリンタの電源はオフにされる。ユーザに対して全て透過的な印刷リクエストが発生する場合、プリンタの電源は回復される。患者搬送のような長期の患者モニタリングでは、ディスプレイ及びプリンタをオフにするが、患者警報状態をモニタし続け、警報状態が検出される場合、システムを自動的に再起動する電源節約モードで、かなりのバッテリーパワーが節約される。
【0017】
本発明は、医療器具に関して表されるが、本発明の教示は、非常に広く、電力消費を減らすことを必要とする任意のバッテリデバイスに適用できる点を理解されたい。いくつかの実施形態において、本原理は、病院又は緊急車両において、家において、公共の場所などにおいて使用される除細動器/モニタにおいて採用される。図面に示される要素は、ハードウェア及びソフトウェアの様々な組合せにおいて実現されることができ、単一の要素又は複数の要素において組み合わせられることができる機能を提供することができる。
【0018】
図面に示されるさまざまな要素の機能は、専用ハードウェアの使用を介してというだけでなく、適切なソフトウェアに関連してソフトウェアを実行することができるハードウェアの使用を介して与えられることができる。プロセッサ又はコントローラにより提供されるとき、この機能は、単一の専用プロセッサにより、単一の共有プロセッサにより、又は複数の個別のプロセッサにより与えられることができる。個別のプロセッサの幾つかは、共有されることができる。更に、「プロセッサ」又は「コントローラ」という用語の明確な使用は、ソフトウェアを実行することができるハードウェアを排他的に参照するものとして解釈されるべきではなく、デジタル信号プロセッサ(「DSP」)ハードウェア、ソフトウェアを格納する読出し専用メモリ(「ROM」)、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)及び不揮発性ストレージを暗に含むが、これらに限定されるものではない。
【0019】
更に、本発明の原理、側面及び実施形態並びにその特別の実施例を述べる本書におけるすべての記載は、その構造的及び機能的均等の範囲の両方を含むものとして意図される。更に、斯かる均等物が、現在既知の均等物だけでなく将来開発される均等物の両方を含む。即ち、構造に関係なく、同じ機能を実行すべく開発される任意の要素を含む。従って、例えば、本願明細書に与えられるブロック図は、本開示の原理を実現する説明的な回路の概念表示を表すという点を当業者は理解されたい。同様に、任意のフローチャート、流れ図、状態遷移図、擬似コード等は、コンピュータ可読媒体において実質的に表されるさまざまな処理を示し、従って、コンピュータ又はプロセッサが明示的に示されるかどうかに関係なく、斯かるコンピュータ又はプロセッサにより実行される点を理解されたい。
【0020】
更に、本発明の実施形態は、コンピュータ若しくは任意の命令実行システムによる使用又はこれに関連した使用のためのプログラムコードを提供する、計算機が使用可能な又はコンピュータ可読のストレージ媒体から、アクセス可能なコンピュータプログラムの形をとる又はこれを含むことができる。この説明のため、計算機が使用可能な又はコンピュータ可読ストレージ媒体は、命令実行システム、装置又はデバイスによる使用又はこれに関連した使用のためのプログラムを、包含、格納、通信、伝搬、又は輸送することができる任意の装置とすることができる。媒体は、電気、磁気、光学、電磁気、赤外線若しくは半導体システム(又は、装置若しくはデバイス)、又は伝搬媒体とすることができる。コンピュータ可読媒体の例は、半導体又はソリッドステートメモリ、磁気テープ、リムーバブルコンピュータディスケット、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、リジッド磁気ディスク及び光学ディスクを含む。光学ディスクの現在の例は、読出し専用コンパクトディスク(CD−ROM)、読出し/書込みコンパクトディスク(CD−R/W)、Blu−ray(登録商標)及びDVDを含む。
【0021】
ここで同様な数字が同じ又は類似する要素を表す図面を参照し、まず最初に図1を参照すると、ブロック/フロー図が、例えば、一実施形態による除細動器、モニタ又はこの組み合わせである緊急医療デバイス10を示す。除細動器/モニタデバイス10は、例えば、例えばバッテリもしくは電池、DC電源又はAC電源といった電源12を含む。治療供給回路20は、ショック供給デバイス24に供給されるエネルギー量及びパルスの形状を制御する。これは、パッド又はパドルを含むことができる。治療供給回路20が、充電及び放電を可能にするため、治療コンデンサ22へのアクセスを提供する。除細動器/モニタデバイス10は、他の電子機器又はソフトウェアプログラム18を含むことができる。電子機器18は、例えばクロック、タイマー、電源測定デバイス、ライト、ディスプレイ等の他の特徴を含むことができる。モニタリングデバイス機能36は、心電図記録(ECG)デバイス、酸素飽和デバイス(Sp02)、非侵襲性血圧デバイス(NBP)、カプノグラフィデバイス(EtC02)、温度デバイス及びその他を含むことができる。
【0022】
除細動器/モニタデバイス10がショックを供給する必要があるとき、治療供給回路20は、バッテリ又は電池12(又はAC若しくはDC電源)から電流を送ることにより治療コンデンサ22を充電する。ユーザがエネルギーのリリースを始動するとき、治療コンデンサ22において格納されたエネルギーが、患者の胸部に置かれるパッド又はパドル24を介して放出される。
【0023】
除細動器/モニタデバイス10は、コントロール回路又はモジュール30を含む。これは、1つ又は複数のプロセッサ34及びメモリ32を含むことができる。制御モジュール30は、除細動器/モニタ10の他のモジュール又は機能の動作及び機能を制御する。
【0024】
除細動器/モニタデバイス10は、除細動器/モニタシステムの使用を単純化し、電池動作時間を延長するためエネルギーを節約する自動的な電源管理メカニズム40の組み合わせを含む。除細動器/モニタデバイス10は、該当する場合(例えば、システムプロセッサ又はコンピュータ処理ユニット(CPU)34上でリアルタイムオペレーティングシステムを起動するといった)冗長なプロセッサ起動時間を回避するため、即時電源オン機能を持つ選択されたサブシステムに関する電源節約スタンバイモードを提供する。除細動器/モニタデバイス10は、該当する場合(例えば、呼気終末C02測定モジュールといった)冗長なウォームアップ時間を回避する又は減らし、センシング回路又はデバイス16を用いてユーザ又は臨床活動をモニタするため低電力機構40を提供する。除細動器/モニタデバイス10は、有意な起動又はウォームアップ時間なしに電源をオンにされることができる(例えば、プリンタ、非侵襲性の血圧測定モジュール等の)選択されたモジュールに関する独立した電源制御を提供する。
【0025】
ユーザ又は臨床活動を検出する低電力メカニズム40は、ボタンを押す、タッチスクリーンにタッチする、ノブを回す、治療又は測定ケーブルをデバイスに接続する、分離可能なシステムモジュールのドッキングを解除する等のユーザ活動を含むことができる。臨床活動は、患者上にECGリードを置く、患者上に治療パッド若しくはパドル24を置く、有効なECG信号を得る、又は心肺蘇生術(CPR)センサを介して心臓マッサージを検出すること等を含むことができる。
【0026】
除細動器/モニタデバイス10は、ユーザ及び/又は臨床活動が検出されるとき、スタンバイモードを自動的に切り替え(即時オン)、モジュールの電源をオンにするよう構成される。除細動器/モニタデバイス10は、ユーザ非活動及び臨床非活動の間隔の後、スタンバイモードに自動的に切り替わり、モジュールの電源を切るよう構成される。他の実施態様において、電源オフにする又はスタンバイに切替えることは、特定の制限されたタイプのユーザ非活動及び臨床非活動に関して、システムの部分に対して選択的に実行される。例えば、印刷リクエストがないとき、プリンタは電源を切られ、活動がないとき、手動で制御されたバイタルサイン測定モジュールは電源を切られ(例えば、非侵襲性の血圧モジュール)、患者に接続されないとき、バイタルサイン測定モジュールは、電源節約スタンバイモードに切替えられ(例えば、呼気終末タイダルC02モジュールに接続されるセンサーケーブルがない場合)、治療が供給されることができないモードにおいてデバイスが動作しているとき、治療供給回路が電源オフにされる(例えば、モニタモードでは、ショックは供給されることができない)。
【0027】
これらの自動的な電源管理特徴40の組み合わせは、必要なときに、デバイスがすぐに作動されることができ、デバイスが、使用のとき誤って電源オフにならない、及びバッテリーパワーの消費が減らされることを確実にする。
【0028】
図2を参照すると、ブロック図は、本原理による制御モジュール30及び電源管理モジュール/自動電源管理モジュール40に関する例示的なハードウェア実施形態を示す。制御モジュール30は、デバイス機能を制御し、とりわけ、「オン」から「スタンバイ」への遷移をもたらすよう作動状態を制御する処理器、メモリ及びソフトウェアを提供する。電源制御44は、例えば、スイッチ及びコネクタといった特定のサブシステムをオン/オフにするハードウェアを含む。
【0029】
制御モジュール30は、自動的な電源管理モジュール40を含む。任意の数の独立して電力供給されるデバイスのサブシステム46又は例えば、プリンタ64、治療供給20、ディスプレイ58等の他のデバイスを電源オンにするのに、電源制御モジュール44が作動されるべきかを決定するため、自動的な電源管理モジュール40は複数の異なるモジュールから入力を受信する。
【0030】
これの説明的な例は、正面パネルボタンを押すといったユーザ活動を検出することを含む。ユーザインタフェース制御60は、ボタン押圧を検出し、制御モジュール30に信号を送る。この信号は、除細動器/モニタ機能制御モジュール62により処理される。更に、この信号は、このボタン押圧がデバイス(デバイスがスタンバイ状態にある場合)の1つ又は複数のサブシステムを作動させる又は非活動タイマーをリセットするかを決定するため、ユーザ活動モニタリングモジュール56に渡される。
【0031】
臨床活動モニタリングの説明的な例は、バイタルサイン測定データを取得及び処理し、表示などのため除細動器/モニタ機能制御62にこのデータを送信する測定サブシステム46を含む。更に、有効なECG信号の最初の取得といった臨床処理が、この取得がデバイス(デバイスがスタンバイ状態にある場合)の1つ又は複数のサブシステムを作動させる又は非活動タイマーをリセットするかを決定するため、臨床活動モニタリングモジュール54に信号通知される。
【0032】
スタンバイモードを持つモジュール50及び/又は独立電源制御を持つモジュールが、機能制御モジュール62を用いて制御される。電源制御モジュール44は、モジュール50に関してスタンバイモードを制御し、各サブシステム46、ディスプレイ58、プリンタ64等に関して独立して電源オン又はオフを切替える。自動的な電源管理モジュール40は、ユーザ活動及び臨床活動に関するタイマーを提供し、ユーザ活動検出デバイス又は回路56から、及び臨床活動モニタリングデバイス又は回路54から入力を受信する。非活動期間閾値が超えられるとき、サブシステム46は、スタンバイモードに切替えられるか、又はサブシステム46の機能に基づき、電源オフにされる。同様に、新たなユーザ又は臨床活動が、ブロック56及び/又は54において検出されるとき、対応するサブシステム46又は他のデバイスが、自動的にオンにされる。
【0033】
除細動器/モニタデバイス10のサブシステム46は例えば、呼気終末C02測定モジュール、プリンタ64、非侵襲性の血圧測定モジュール、ディスプレイ58、バイタルサイン測定モジュール、治療供給回路などを含むことができる。各サブシステム46は、そのサブシステム46に特有なユーザ又は臨床活動を測定する局所センサを含むことができる。サブシステム46が無活動であると決定されるとき、サブシステム46は、その機能及びそのサブシステム46にとってそうすることの利点に基づき、電源オフにされる、又はスタンバイモードに入る。電源オフ又はスタンバイモードは、追加的なユーザ又は臨床活動又はこの両方の組み合わせに基づき、反転されることができる。例えば、ユーザ活動(例えば、パドルのためリードを差し込む)及び臨床活動(例えば、患者上に治療パッド又はパドル24を置く)の両方が、スタンバイモードから切り替えるために必要とされる場合がある。
【0034】
ある実施形態において、電源オフ及びスタンバイモードの組み合わせ及び態様(例えば、非活動時間等)は、ユーザインタフェース60を用いてユーザによりプログラムされることができる。インタフェース60は、ディスプレイ58(タッチスクリーンを含むことができる)及び/又は例えばボタン、ノブ、キーボード、マウス、ジョイスティックなどの別のデータ入力デバイス60を含むことができる。ディスプレイ58、プロセッサ34等は、同様に電源オフモードを含むことができ、自動的な電源管理モジュール40に基づき制御されることができる点に留意されたい。
【0035】
各サブシステムに特有な異なる条件及び警報のセットアップを可能にするため、データ構造35が、メモリ32(図1)に格納されることができる。これらの条件及び警報は、ユーザによりカスタマイズされることができる、又はデフォルトパラメータが使用されることができる。パラメータは、あるタイプの活動、使用若しくは非活動の持続期間、使用の頻度、又はデバイス10の全体として若しくはサブシステムの任意の1つ若しくは複数として、デバイス10の活動状態を決定することに役立つ他の任意の関連する情報を含むことができる。他パラメータも、同様に想定される。
【0036】
個別のサブシステム46に対する電源を制御することに加えて、デバイス10の全体の作動状態が、ユニットとして制御されることができる。例えば、スタンバイ機能を持つすべてのサブシステムが、任意のシステムレベルの活動又は非活動に基づき同時に電源オン又はオフにされることができる。
【0037】
図3を参照すると、ブロック/フロー図が、本原理による除細動器/モニタの電源管理に関する方法を示す。ブロック102において、制御モジュールが、除細動器上で実行される1つ又は複数のユーザ活動及び/又は1つ又は複数の臨床活動に応答するよう構成される。これは、取るアクションに対して検出される活動をインデックス化するため、データ構造(35)、例えばルックアップテーブル等を、メモリ(32)にセットアップすることを含むことができる。こうして、複数の電源オフ、電源オン及び/又はスタンバイモードが、除細動器全体に対して、又は1つ又は複数のサブシステムに対してセットされることができる。ブロック104において、ユーザは、電源状態を変えるためパラメータをセットする、又はデフォルト設定を修正することを可能にされる。
【0038】
ブロック106において、除細動器の、及び除細動器の1つ又は複数のサブシステムの少なくともいずれかの電源状態を変える条件が満たされるかを決定するため、ユーザ活動及び臨床活動が検知される。1つ又は複数のサブシステムは、測定モジュール、プリンタ、ディスプレイなどを含むことができる。他のサブシステムも想定される。電源状態は、電源オフ、電源オン、及びスタンバイモードのいずれかを含むことができる。状態は、どれくらいの量の電源が減らされたかの尺度を、例えば、パーセンテージの形で含むこともできる。
【0039】
ブロック108において、除細動器及び1つ又は複数のサブシステムの少なくともいずれかの電源状態が、検知されるユーザ活動及び臨床活動に基づき変更又は修正されることができる。ユーザ活動は、ユーザ及び除細動器の間の物理的相互作用を含み、臨床活動は、患者との相互作用、患者に関する器材の準備、患者のパラメータの測定を含む。他の活動も想定される。
【0040】
添付の特許請求の範囲を解釈するにあたり、以下の点を理解されたい。
【0041】
a)「有する」という語は、所与の請求項に記載される要素又は行為以外の他の要素又は行為の存在を除外するものではない。
【0042】
b)ある要素に先行する「a」又は「an」という語は、斯かる要素が複数存在することを除外するものではない。
【0043】
c)請求項における任意の参照符号は、それらの範囲を制限するものではない。
【0044】
d)複数の「手段」が、同じアイテム、又は、ハードウェア、又はソフトウェア実現による構造体、又は機能により表されることができる。
【0045】
e)特に指定がない限り、行為の特定のシーケンスが必要とされること意図するものではない。
【0046】
体外式除細動器に関する自動的な電源管理に関して好ましい実施形態が説明されたが(これは、説明のためであり限定を意図するものではない)、上記の教示を考慮して修正及び変更が当業者によりなされることができる点に留意されたい。従って、添付の特許請求の範囲により概説され開示される実施形態の範囲に含まれるものとして、本開示の特定の実施形態において変更がなされることができる点を理解されたい。こうして、本開示の内容が特許法により必要とされる範囲で詳細に記載されてきたが、特許証により保護されることを望む保護の請求は、添付の特許請求の範囲に記載される。
図1
図2
図3