(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
図55に示す従来のエレキギター200は、ボディ本体201とネック本体202とが所定数の連結ネジ228で着脱可能に接合される構造は、ギター用語では、デタッチャブルギターまたはボルト・オン・ジョイントギター等と一般的に云われる。図に示すように、ボディ本体201は通常一枚の木材によって加工形成されたもので、ボディ本体201には、ネック本体202が接合され、弦203の振動を電気信号に変換するピックアップ装置211、そのピックアップ装置211の音質、音色等を変換するピックアップセレクタースイッチ212と音量、音質等を調整する各種調整ツマミ213、ブリッジベース217等が取付けられ、所定の電気回路に基づいて配線されている。ネック本体202の棹はナット部218方向からネックエンド部202−B方向に向けてテーパー状に加工形成され表面には指板204が接着剤で貼られ(1枚の板材から指板とネック本体が一体構造のものもある。)、その指板204の溝にはフレット205が打ち込まれている。フレット205の上面には弦203が張られており、この弦203は通常6本(ギターの機種によって本数が異なる。)からなり一端がネック本体202のヘッド部207の糸巻装置206に巻き付けられて係止され、他端がトレモロ機構216(トレモロ機構を有さない構造のノントレモロ機構のブリッジもある。)を有するブリッジベース217に係止されている。これらの部材によってエレキギター200が構成されている。
【0003】
図55(a)に示すデタッチャブルギター構造による一体化の構成は、
図55(b)または
図55(c)の断面図に示すようにボディ本体201の表面201−Aにネック差込み溝223を形成し、このネック差込み溝223の上面からネックヒール部229を嵌合してボディ裏面225側から金属製のネックプレート227を介して所定数の連結ネジ228をボディ厚さ方向にねじ込んでネックヒール部229を固定している。この所定数の連結ネジ228のネジ径は、一般的に4mm〜6mmのネジ径を使用している。
【0004】
しかし、ボディ本体201とネック本体202とが所定数の連結ネジ228で着脱可能に接合される構造のために、経年変化によってネックヒール部229とネック差込み溝223の木材含水率の減少や四季の移り変わりによる湿度、温度等の影響でネックヒール部229とネック差込み溝223との間に隙間が発生することがあり、経年変化や物理的衝撃あるいは弦203の線径や弦張力の影響によりネック差込み溝223を中心にネック本体202が1弦側または6弦側の左右いずれかに動いてしまう現象が発生する。その結果、ネック本体202とボディ本体201との接合部のセンターラインにズレが生じ、弦203を弾いた時に弦203がフレット205から滑り落ちてしまう現象が知られている。このセンターラインにズレが発生する現象をギター用語ではセンターズレと一般的に云われる。
【0005】
また
図55(b)に示すように一般的なデタッチャブルギターにおいては3本または4本等の連結ネジ228を使用して、ボディ裏面225側から金属製のネックプレート227または金属製のワッシャーを介してボディ本体201にネック本体202が固定されている。この金属製のネックプレート227または金属製のワッシャーを使用しない場合、ボディ裏面225側から所定数の連結ネジ228をボディ厚さ方向にねじ込んだ時に
図56に示すボディ裏面225に形成した所定数のネジ穴222の割れや欠けまたは塗装面の割れや欠け等が発生すると共に木材に連結ネジ228が食い込んだりあるいは木材の凹み等が発生する場合がある。このネジ穴222の割れや欠けまたは塗装面の割れや欠け等を防ぐためにボディ裏面225側から金属製のネックプレート227または金属製のワッシャーを介して所定数の連結ネジ228によってネックヒール部229を固定している。
【0006】
一般的なエレキギター200のネック本体202のヘッド部207のヘッド角度には2種類あり、そのヘッド角度について説明する。1種類目のヘッド角度は、
図57(a)に示すようにネック本体202のヘッド部207にヘッド角度がない(ヘッド角度なし とも云う。)状態を通称角度なしヘッドまたはフェンダータイプヘッド等と一般的に云われ、ネック本体202の内部に金属製のトラスロッドがネックエンド部202−Bからネック本体202の途中長さ位置まで埋め込まれている。この金属製のトラスロッドは、
図57(b)に示すようにネックエンド部202−B側からマイナスレンチや六角レンチ(ヘックスナットレンチ とも云う。またトラスナットの種類によって工具が異なる。)等をトラスナット237−Aに差し込んで左右どちらかに回して調整する方法が用いられる。2種類目のヘッド角度は、
図57(c)に示すようにネック本体202のヘッド部207にヘッド角度が付いている(ヘッド角度付き とも云う。)状態を通称角度付きヘッドまたはギブソンタイプヘッド等と一般的に云われ、ネック本体202の内部に金属製のトラスロッドがナット溝238からネック本体202の途中長さ位置まで埋め込まれている。この金属製のトラスロッドは、
図57(d)に示すようにヘッド部207のナット溝238から六角レンチやロッドレンチ等(トラスナットの種類によって工具が異なる。)をトラスナット237−Bに差し込んで左右どちらかに回して調整する方法が用いられる。この2種類のネック本体202に埋め込まれたトラスロッドは、指板面やフレット205の上面を真直ぐに調整したり、あるいはエレキギター200に弦203が張られた時に、弦張力によって反ったネック本体202を真直ぐに調整するために用いられている。
【0007】
一般的なデタッチャブルギターに搭載されている弦高(フレットやピックアップ装置等の上面の位置に張られた弦や弦が係止したブリッジやナットに張られた弦の高さ等を云う。)の低いブリッジベース217に弦203を係止したネック本体202のネックヒール部229とボディ本体201のネック差込み溝223の接合構造(ネックジョイント とも云う。)は、
図55(b)、(c)に示すようにネック本体202のネックヒール部229をボディ本体201のネック差込み溝223の上面から嵌合し、ボディ裏面225側から金属製のネックプレート227または金属製のワッシャーを介して連結ネジ228をボディ厚さ方向にねじ込んでネックヒール部229を固定している。この接合構造は、
図55(c)に示すようにネック本体202のネックヒール部229の底面229−Aの接合面及びネック差込み溝223の底面223−Aの接合面はそれぞれ直平面に形成され、ネックヒール部229の底面229−Aとネック差込み溝223の底面223−Aは直平面に接合されていることによりブリッジベース217からネック本体202のヘッド部207の糸巻装置206まで係止された弦高は、
図58の側面図に示すように指板204の上面やフレット205の上面位置等からほぼ一定の高さで弦203がほぼ水平に張られている。このため弦高の低い古いブリッジベース217から弦高の高いノントレモロ機構のブリッジベース217やトレモロ機構216を有したブリッジベース217に改造する場合、ボディ本体201のネック差込み溝223とネック本体202のネックヒール部229の接合構造に接合角度(ネックアングル、ネックジョイント角 等と云われている。)を付けて対応しなければならない。この一般的なデタッチャブルギターの接合構造の接合角度は主に3種類の中から選択することが可能であり、その方法を解説する。
【0008】
一般的なデタッチャブルギターの1種類目の接合角度を有した接合構造は、
図59(a)または
図59(b)の断面図に示すようにネック差込み溝223の底面223−Aに0.5mm厚さ前後の紙やプラスチック等のシム236を置いてネック差込み溝223の上面からネックヒール部229を嵌合し、ボディ裏面225側から金属製のネックプレート227または金属製のワッシャーを介して連結ネジ228をボディ厚さ方向にねじ込んでネックヒール部229を固定した場合、
図62の側面図に示すようにネック本体202とボディ本体201の接合構造に接合角度を付ける事ができる。ところでネック差込み溝223の底面223−Aに置いたシム236の位置や厚さによって接合角度が変更し、ネック差込み溝223とネックヒール部229との間にシム236を挟んでボディ裏面225側から金属製のネックプレート227または金属製のワッシャーを介して連結ネジ228をボディ厚さ方向にねじ込んでネックヒール部229を固定すると
図59(b)の断面図に示すようにネック差込み溝223の底面223−Aとネックヒール部229の底面229−Aとの間に隙間が発生する。するとボディ本体201に近いネック本体202の高音域の指板面が順反り(ネック本体の指板またはフレットに定規をナット方向から指板エンドまで直線に当て、中央部分に隙間が出来るのが順反りである。また中央部分が盛り上がるのが逆反りである。)のような力が発生され、且つネック差込み溝223の下端部223−Bとネック本体202のネックエンド部202−Bとの間に隙間が発生する。また経年変化や木材含水率の減少等によってネック差込み溝223を中心にネック本体202が1弦側または6弦側の左右いずれかに動いてしまいセンターズレが生じることが知られている。(例えば非特許文献4を参照)。
【0009】
一般的なデタッチャブルギターの2種類目の接合角度を有した接合構造は、
図60(a)、(b)、(c)に示すようにマイクロ・ティルト・ネック・アジャストメント235と云われる金具をネックヒール部229の底面229−Aの凹部とネック差込み溝223の底面223−Aの凹部に取付けて、ネック差込み溝223の上面からネックヒール部229を嵌合した後、ボディ裏面225側からマイクロ・ティルト・ネック・アジャストメント専用の金属製のネックプレート227を介して連結ネジ228をボディ厚さ方向にねじ込んでネックヒール部229を固定し、金属製のネックプレート227の穿孔227−Aの上面から六角レンチを差し込んでネック差込み溝223の底面223−Aに取付けたマイクロ・ティルト・ネック・アジャストメント235の金属製のロックスクリュー235−A(イモネジ とも云う。)を回すことによってネック差込み溝223とネックヒール部229の接合構造に接合角度を調整して
図62の側面図に示すようにネック本体202とボディ本体201の接合構造に接合角度を付けることが出来る。しかしながら好みの接合角度に調整出来る一方で接合角度の調整が難しく、且つ経年変化によって徐々にネック取付け強度が低下することでアーム214や弦203を激しく動かした時にネック差込み溝223を中心にネック本体202が1弦側または6弦側の左右いずれかに動いてしまいセンターズレが生じることが知られている。(例えば非特許文献4を参照)。
【0010】
一般的なデタッチャブルギターの3種類目の接合角度を有した接合構造は、治具とトリマーまたはルーター等の機械を使用して、
図61(a)または
図61(b)の断面図に示すようにボディ本体201のネック差込み溝223の底面223−Aを削ることによって、ネック差込み溝223の底面223−Aに角度を付けて接合角度を修正されている。このネック差込み溝223の上面からネックヒール部229を嵌合し、ボディ裏面225側から金属製のネックプレート227または金属製のワッシャーを介して所定数の連結ネジ228によってネックヒール部229を固定した場合、
図62の側面図に示すようにネック本体202とボディ本体201の接合構造に接合角度を付けることが出来る。またネック差込み溝223の底面223−Aの接合面とネックヒール部229の底面229−Aの接合面が密着されていることで、ネックヒール部229に不要な力が発生しない。しかしながらネック差込み溝223の底面223−Aをルーターまたはトリマー等での加工時において傾斜角度を付けすぎたり、塗装面をチップさせてしまうので熟練した技術が要求される。またネック差込み溝223の底面223−Aに傾斜角度を付けすぎるとネックヒール部229の一部がネック差込み溝223に埋まってしまい演奏に影響を与えてしまう場合やネック本体202のネックエンド部202−Bとネック差込み溝223の下端部223−Bとの間に隙間が発生するので好ましくない。また経年変化や物理的衝撃等によってネック差込み溝223を中心にネック本体202が1弦側または6弦側の左右いずれかに動いてしまいセンターズレが生じることが知られている。(例えば非特許文献4を参照)。
【0011】
特開2013−148660号公報には、ボディ本体201の表面201−Aに蟻溝構造でネック差込み溝223を形成し、また蟻溝構造で形成したネックヒール部229をネック差込み溝223に嵌合している。このネックヒール部229の底面229−Aには、連結ネジ228と結合するための金属製の雌螺子を埋め込み、ネック差込み溝223の裏面には凹部が形成され、形成された凹部の締め付け面に円形の金属プレートを差し込んで、円形の金属プレートの上面から一本の連結ネジ228をボディ厚さ方向にねじ込んでネック本体202のネックヒール部229を固定している。この一本の連結ネジ228による締め付けは、20mm〜50mmの大きいサイズの円形の金属プレート(特開2013−148660号公報の
図6では、35mmと記載している。)を介してボディ本体201にネック本体202を固定している。またボディ裏面225に形成された凹部の締め付け面と連結ネジ228の座面との間に円形の金属プレートが置かれ一本の連結ネジ228の締め具合によって接合度を調整してトーンコントロールが変化する構造である。本説明においては、ネックヒール部229として説明しているが、特開2013−148660号公報ではネックヒール部229がネック基端部である。このネック基端部の構造ではヒール部がない。さらに本説明においては、ネック差込み溝223と説明しているが特開2013−148660号公報ではネック差込み溝223がネック受容部である。(例えば特許文献1を参照)。
【0012】
ギター修理専門業者で修理する一部のエレキギター200の中には、演奏中または物理的衝撃等によって頻繁にネック差込み溝223を中心にネック本体202が1弦側または6弦側の左右いずれかに動いてしまうセンターズレが発生するエレキギター200がある。このセンターズレの発生原因には、経年変化による木材含水率の低下や四季の移り変わりによる湿度、温度等の変化及び連結ネジ228をボディ厚さ方向にねじ込んだ時にネックヒール部229の底面229−Aに開けた穿孔232またはボディ裏面225に開けたネジ穴222に連結ネジ228が噛み難いため連結ネジ228の結合強度が低下し、弦203の線径や弦張力等の影響によりネック差込み溝223を中心にネック本体202が1弦側または6弦側の左右いずれかに動いてしまう現象が発生する。そこで
図63(a)、(b)に示すように連結ネジ228の連結力によってネックヒール部229をネック差込み溝223に引き寄せて、ネック差込み溝223とネックヒール部229との結合強度を上げるためにネックヒール部229の底面229−Aの穿孔232に鬼目ナットやインサートナット等の埋込みナット233が取付けられている。埋込みナット233を取付けたネックヒール部229をネック差込み溝223の上面から嵌合してボディ裏面225側から金属製のネックプレート227または金属製のワッシャーを介して所定数の連結ネジ228をボディ厚さ方向にねじ込んでネックヒール部229を固定している。しかしながら埋込みナット233を取付けたネックヒール部229をネック差込み溝223の上面から嵌合し、ボディ裏面225側から金属製のネックプレート227または金属製のワッシャーを介して連結ネジ228でネックヒール部229を固定した場合においてもボディ本体201のネック差込み溝223とネック本体202のネックヒール部229がテーパー状で接合されているためにセンターラインは、経年変化や物理的衝撃等によりズレは生じるが、埋込みナット233がネックヒール部229の底面229−Aの穿孔232に取り付けられていることで、一般的なデタッチャブルギターに使用されている金属製のネックプレート227や金属製のワッシャーを介して固定した木工用の連結ネジ228よりもセンターズレが生じ難い。(例えば、非特許文献5、非特許文献6を参照)。
【0013】
また、ボディ本体201とネック本体202との連結構造については、市販の文献にエレキギター200の製作における様々なネック連結構造が紹介されている。(例えば、非特許文献1、非特許文献2を参照)。
【0014】
アメリカで製造販売されているTom Andersonと云うメーカーでは、センターラインのズレが発生しないようにボディ本体201の表面201−Aに台形型のネック差込み溝223を形成し、台形型のネック差込み溝223と合致するようにネック本体202のネックヒール部229に台形型の形状を形成している。ボディ本体201に形成した台形型のネック差込み溝223の上面から台形型の形状をしたネック本体202のネックヒール部229を嵌合し、ボディ裏面225側から金属製のワッシャーを介して所定数の連結ネジ228によってネックヒール部229を固定している。(例えば、非特許文献3を参照)
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に、本発明を実施するための形態を、実施例により詳しく説明する。
【0033】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本実施例に係るエレキギターの外観図で、
図2はボディ本体のネック差込み溝の形状図であり、
図7〜
図12は6種類あるネック本体のネック接合部の形状図である。
【0034】
図1中のエレキギター23には、木材から別々に形成されたボディ本体1とネック本体3が着脱可能に接合され、ボディ本体1の表面2には、フロントピックアップ形状16、センターピックアップ形状17、リアピックアップ形状18を備え、このピックアップ形状の中にフロントピックアップ12、センターピックアップ13、リアピックアップ14から成るピックアップ装置15が固定され、ピックアップセレクタースイッチ11やノントレモロ機構19のブリッジプレート20と、上述した電気部品とボディ本体1の内部に組み込まれた所定の電気回路に基づいて配線されたアンプ出力ポート21が取付けられている。ネック本体3には、指板5のナット溝にナット部9が取付けられ、指板5のフレット溝に金属製のフレット6が取付けられている。ネック本体3のヘッド部7に糸巻装置8が取付けられ、ボディ本体1のブリッジプレート20方向からネック本体3のヘッド部7の糸巻装置8方向に向けて6本の弦4(ブリッジプレートによって弦の本数が異なる。)を張り係止することでエレキギター23が構成されている。
【0035】
また、本発明を用いて製作されたエレキギター23の外形に関しては、V型形状や瓢箪形状等の多種多様の異なる外形を有したボディ本体1とネック本体3のヘッド部7の作成が可能であり、さらに本発明の構造を用いて、エレクトロリックベースギター、エレクトロリックシタールギター等の多種多様の異なる機種のギター製作ができるため、弦4の本数、ピックアップ装置15、ピックアップ形状、ネック差込み溝24の形状、ネック本体3、ナット部9、糸巻装置8、ヘッド部7の形状に関しては、ボディ本体1に取付けられたブリッジプレート20と全体のギターデザインとに応じた形状で製作するため、本発明を限定するものではない。
【0036】
図2(a)の正面図に示すように、木材から削り出したボディ本体1の表面2に、前端部28からボディ中央部の方向(
図2(a)の右方向)に向けて下端部25までネック差込み溝24が形成され、
図2(b)、(c)に示すネック差込み溝24の両側面には横溝31と突起部29の側面凹凸部と横溝32と突起部30の側面凹凸部がそれぞれ形成されている。このネック差込み溝24の両側面に形成された横溝31と横溝32は、
図2(b)、(c)に示すようにネック差込み溝24の前端部28から下端部25まで形成され、
図2(d)の断面図に示すように横溝31と横溝32の縦幅は、ネック差込み溝24の底面26からネック差込み溝24の途中深度位置24−Aと途中深度位置24−Bまで形成されている。またネック差込み溝24の両側面に形成した横溝31と横溝32の横幅及び突起部29と突起部30の突起幅は、
図2(d)に示すようにネック差込み溝24の左側面の側壁の途中深度位置24−Aの端部位置から横溝31の側面の窪みの側壁の接合面及び右側面の側壁の途中深度位置24−Bの端部位置から横溝32の側面の窪みの側壁の接合面まで形成されている。この横溝31と横溝32がネック差込み溝24の両側面に形成されるとネック差込み溝24の両側面に突起部29と突起部30が前端部28から下端部25まで形成され、
図2(d)の断面図に示すように突起部29と突起部30の厚み幅は、ネック差込み溝24の途中深度位置24−Aと途中深度位置24−Bからボディ本体1の表面2まで形成されている。また
図2(d)の断面図に示すようにボディ本体1のネック差込み溝24の途中深度位置24−Aと途中深度位置24−Bの接合面及びネック差込み溝24周辺のボディ本体1の一部の表面2の接合面は、底面26と平行に形成されている。
図2(b)、(c)に示すようにネック差込み溝24の底面26には、所定数の連結穴27が開けられ、連結穴27の深さはボディ裏面45に貫通されている。なおネック差込み溝24の両側面に形成した突起部29と突起部30の位置、厚み幅、奥行きの長さ、突起幅の形状および横溝31と横溝32の位置、横幅、縦幅、奥行きの長さ形状に関しては木材の材質や弦張力等に応じて設計して形成するため本発明を限定するものではない。なお
図2(d)、
図4、
図5(a)、(b)及び
図6(a)、(b)、(c)は、それぞれ
図3におけるA−A線断面図である。このA−A線の断面図はボディ本体1のネック差込み溝24の前端部28方向から見た図である。
図2(d)または
図4は、
図2(b)、(c)の形状図の断面図である。
図5(a)、(b)はネック差込み溝24の両側面に形成した突起部29と突起部30の周辺形状を変更した断面図である。
図6(a)、(b)、(c)はネック差込み溝24の両側面に形成した横溝31と横溝32の周辺形状を変更した断面図である。
【0037】
図2(a)、(b)、(c)、(d)に示すようにネック差込み溝24の両側面に形成した横溝31と横溝32の縦幅、奥行きの長さ、横幅または突起部29と突起部30の厚み幅、奥行きの長さ、突起幅等の形状は前端部28から下端部25まで対称で形成することが好ましい。
【0038】
ネック差込み溝24の両側面に形成した突起部29と突起部30の厚み幅はネック差込み溝24の深さに対して1/2以上の比率で形成するのが好ましく、ネック差込み溝24の両側面に形成した横溝31と横溝32の縦幅の比率は、ネック差込み溝24の深さに対して1/2以上の比率で形成するのが好ましい。突起部29と突起部30の厚み幅と横溝31と横溝32の縦幅を大きくすると6弦や8弦等のベースギター等の強度を必要とする弦張力にも対応出来る。またネック差込み溝24の両側面に形成した非対称の突起部と横溝の側面凹凸部のものも有効であるが、ネック本体3のネック接合部33をボディ本体1のネック差込み溝24の下端部25まで差し込んで嵌合した場合、弦4を弾いた弦振動の共振特性が極僅かに低下し、音量や音質等の質が極僅かに低下するためネック差込み溝24の両側面に形成した横溝31と突起部29の側面凹凸部と横溝32と突起部30の側面凹凸部は対称で形成するのが好ましい。
【0039】
ネック差込み溝24の両側面に形成した突起部29と突起部30の突起幅の比率は、突起部29と突起部30の厚み幅の比率に対して1/2以上の比率で形成するのが好ましく、横溝31と横溝32の横幅の比率は、横溝31と横溝32の縦幅の比率に対して1/2以上の比率で形成するのが好ましい。ただし柔らかい木材で6弦や8弦等のベースギターやバリトン等の弦張力に対応するための強度を必要とする場合、突起部29と突起部30の突起幅または横溝31と横溝32の横幅を広くして対応しないと弦張力によってネック本体3のネック接合部33が上面方向に引っ張られ、突起部29と突起部30の突起部分またはネック本体3のネック接合部33の一部の木材が折れてしまう場合がある。そのため木材の材質や弦張力等に対応するために、ネック差込み溝24の両側面に形成した突起部29と突起部30の突起幅または横溝31と横溝32の横幅を広くして対応することで接合強度が強まる。なお突起部29と突起部30の突起幅または横溝31と横溝32の横幅は、木材の材質や弦張力等に応じて設計し形成されるため本発明を限定するものではない。
【0040】
図2(b)、(c)または
図2(d)の断面図に示すようにネック差込み溝24の両側面に形成した突起部29と突起部30の形状は、角ばった形状で前端部28から下端部25まで形成されている。しかしながらネック差込み溝24の両側面に形成した突起部29と突起部30の形状を
図5(a)のネック差込み溝24の断面図に示すようにカーブエッジ(メーカーによって名称が異なる。)と云われるルータービット(電動ルーターやCNCルーター等と云われる機械に取り付ける刃の付いた工具で、ルータービットには様々な形状の異なる種類が有り、用途や材質等に応じて刃の種類や刃の名称等が異なる。)や
図5(b)のネック差込み溝24の断面図に示すようにアロージョイント(メーカーによって名称が異なる。)と云われるルータービットを使用して突起部29と突起部30の形状をアロー状またはカーブエッジ状に形成することが可能である。またその他のルータービットの刃の種類の形状によっても突起部29と突起部30の形状を変更することが可能であるため本発明を限定するものではない。さらにルータービット以外にもノミや鉋等の工具やCNCルーター(NCルーター とも云う。)と云われるコンピューター制御された3D加工機械に別種刃形状の異なるルータービットを使用することにより突起部29と突起部30の形状をカーブエッジやアロージョイント等の様々な形状に形成することが可能であるため本発明を限定するものではない。
【0041】
しかしながらその他形状のルータービットや
図5(a)、(b)のネック差込み溝24の断面図に示すようにカーブ状またはアロー状等に形成した突起部29と突起部30は、
図2(b)、(c)または
図2(d)の断面図に示すようにネック差込み溝24の両側面に形成した突起部29と突起部30が角ばった形状からカーブ状またはアロー状等に形成するため、ボディ本体1のネック差込み溝24の両側面に形成した突起部29と突起部30の厚み幅と突起幅の大きさおよびネック本体3のネック接合部33の両側面に形成した側面溝部37と側面溝部38の縦幅と横幅の大きさを変更して弦張力に対応しなければならない。そのためネック接合部33の両側面に形成した側面溝部37と側面溝部38の加工形状に関しては、木材の材質や弦張力等に応じて設計して形成し、且つネック差込み溝24の両側面に形成した突起部29と突起部30の形状に応じて変更が可能であるため本発明を限定するものではない。
【0042】
図2(d)の断面図に示すようにボディ本体1のネック差込み溝24は逆T字型様形状に形成されている。この逆T字型様形状で形成された横溝31と突起部29の側面凹凸部と横溝32と突起部30の側面凹凸部の接合面の形状は直角に形成されている。しかしながら
図4のネック差込み溝24の断面図に示すように破線楕円で囲まれたネック差込み溝24の両側面に形成された横溝31と横溝32周辺のA領域が
図6(a)のネック差込み溝24の断面図に示すようにドロワーロックジョイント(メーカーによって名称が異なる。)と云われるルータービットまたは
図6(b)のネック差込み溝24の断面図に示すように印籠縁ジョイント(メーカーによって名称が異なる。)と云われるルータービットあるいは
図6(c)のネック差込み溝24の断面図に示すようにTスロットテーパー(メーカーによって名称が異なる。)と云われるルータービットのように刃形状の種類によって、ボディ本体1のネック差込み溝24の横溝31と横溝32の周辺形状を様々な形状に変更することが可能である。そのためネック差込み溝24の両側面に形成した横溝31と横溝32の周辺形状に関しては、ルータービットの刃形状の種類によって変更が可能であり本発明を限定するものではない。このネック差込み溝24の両側面に形成した横溝31と横溝32の周辺形状をルータービットによって様々な形状に加工形成することが可能であるため、ボディ本体1のネック差込み溝24の両側面に形成した横溝31と横溝32の縦幅と横幅の大きさおよびネック本体3のネック接合部33の両側面に形成した突起部39と突起部40の厚み幅と突起幅の大きさを変更して弦張力に対応しなければならない。そのためネック接合部33の両側面に形成した突起部39と突起部40の加工形状に関しては、木材の材質や弦張力等に応じて設計して形成し、且つネック差込み溝24の両側面に形成した横溝31と横溝32の形状に応じて変更が可能であるため本発明を限定するものではない。またルータービット以外にもノミや鉋等の工具やCNCルーターと云われるコンピューター制御された3D加工機械に別種刃形状の異なるルータービットを使用することにより横溝31と横溝32の周辺形状を印籠縁ジョイントやドロワーロックジョイント等の様々な形状に形成することが可能であるため本発明を限定するものではない。
【0043】
ネック本体3のネック接合部33の形成方法には6種類あり、
図7〜
図12にてその方法を解説する。
【0044】
1種類目のネック本体3のネック接合部33の形成方法は、
図7(a)、(b)に示すように木材を削り出したネック本体3の一端のネックヒール部に形成されたネック接合部33は、ネックエンド部3−Bから接合部34まで形成され、且つネック接合部33の底面35から指板5の底面5−Bまでネック接合部33の厚み幅が形成されている。さらにネック本体3のネック接合部33の両側面には、ボディ本体1のネック差込み溝24の両側面に形成された横溝31と突起部29の側面凹凸部と横溝32と突起部30の側面凹凸部とが、それぞれ合致するようにネック本体3のネック接合部33の両側面に側面溝部37と突起部39の側面凹凸部と側面溝部38と突起部40の側面凹凸部が形成されている。このネック本体3のネック接合部33の両側面に形成した側面溝部37と突起部39の側面凹凸部と側面溝部38と突起部40の側面凹凸部は、接合部34からネックエンド部3−Bまで形成され、ボディ本体1のネック差込み溝24の前端部28から下端部25まで合致するように形成されている。1種類目のネック接合部33の接合面の一部は、
図7(a)、(b)に示すようにネック接合部33の両側面の木口に接合部34としてそれぞれ形成している。ネック本体3のネック接合部33の底面35には、ネック厚さ方向の途中深度位置まで開けた所定数の穿孔36が形成され、穿孔36の上部からインサートナットや鬼目ナット等の埋込みナット41を所定の深度位置まで埋込んで固着している。穿孔36の深さはネック接合部33を貫通していない。埋込みナット41を取付ける穿孔36は、ネック本体3のネック接合部33をボディ本体1のネック差込み溝24に接合した際、ネック差込み溝24の底面26に形成された所定数の連結穴27と重なる位置に形成されている。
【0045】
2種類目のネック本体3のネック接合部33の形成方法は、
図8(a)、(b)に示すように木材を削り出したネック本体3の一端のネックヒール部に形成されたネック接合部33は、ネックエンド部3−Bから接合部34まで形成され、且つネック接合部33の底面35から指板5の底面5−Bまでネック接合部33の厚み幅が形成されている。またネック接合部33の両側面の一部の厚み幅は、ネック底部50とネック底部51から指板5の底面5−Bまで形成され、ネック本体3のネック接合部33と一体で形成されている。さらにネック本体3のネック接合部33の両側面には、ボディ本体1のネック差込み溝24の両側面に形成された横溝31と突起部29の側面凹凸部と横溝32と突起部30の側面凹凸部とが、それぞれ合致するようにネック本体3のネック接合部33の両側面に側面溝部37と突起部39の側面凹凸部と側面溝部38と突起部40の側面凹凸部が形成されている。このネック本体3のネック接合部33の両側面に形成した側面溝部37と突起部39の側面凹凸部と側面溝部38と突起部40の側面凹凸部は、接合部34からネックエンド部3−Bまで形成され、ボディ本体1のネック差込み溝24の前端部28から下端部25まで合致するように形成されている。2種類目のネック接合部33の接合面の一部は、
図8(a)、(b)に示すようにネック接合部33の両側面の木口に接合部34としてそれぞれ形成している。ネック本体3のネック接合部33の底面35には、ネック厚さ方向の途中深度位置まで開けた所定数の穿孔36が形成され、穿孔36の上部からインサートナットや鬼目ナット等の埋込みナット41を所定の深度位置まで埋込んで固着している。穿孔36の深さはネック接合部33を貫通していない。埋込みナット41を取付ける穿孔36は、ネック本体3のネック接合部33をボディ本体1のネック差込み溝24に接合した際、ネック差込み溝24の底面26に形成された所定数の連結穴27と重なる位置に形成されている。
【0046】
3種類目のネック本体3のネック接合部33の形成方法は、
図7(a)、(b)で形成した1種類目のネック接合部33をベースに、
図9(a)、(b)、(c)、(d)の順に従い、指板5の両側面の一部の底面5−B位置にネック板材3−Cとネック板材3−Dが接着剤とクランプ等を使用してそれぞれ貼られている。またネック本体3のネック接合部33の両側面には、ボディ本体1のネック差込み溝24の両側面に形成された横溝31と突起部29の側面凹凸部と横溝32と突起部30の側面凹凸部とが、それぞれ合致するようにネック本体3のネック接合部33の両側面に側面溝部37と突起部39の側面凹凸部と側面溝部38と突起部40の側面凹凸部が形成されている。このネック本体3のネック接合部33の両側面に形成した側面溝部37と突起部39の側面凹凸部と側面溝部38と突起部40の側面凹凸部は、接合部34からネックエンド部3−Bまで形成され、ボディ本体1のネック差込み溝24の前端部28から下端部25まで合致するように形成されている。3種類目のネック接合部33の接合面の一部は、
図9(a)、(b)、(c)、(d)に示すようにネック接合部33の両側面の木口に接合部34としてそれぞれ形成している。ネック本体3のネック接合部33の底面35には、ネック厚さ方向の途中深度位置まで開けた所定数の穿孔36が形成され、穿孔36の上部からインサートナットや鬼目ナット等の埋込みナット41を所定の深度位置まで埋込んで固着している。穿孔36の深さはネック接合部33を貫通していない。埋込みナット41を取付ける穿孔36は、ネック本体3のネック接合部33をボディ本体1のネック差込み溝24に接合した際、ネック差込み溝24の底面26に形成された所定数の連結穴27と重なる位置に形成されている。ネック板材3−Cとネック板材3−Dの厚さ、長さ、横幅に関しては、寸法や形状の変更が可能であるため本発明を限定するものではない。ネック板材3−Cとネック板材3−Dの形状は、テーパー状に形成された指板5とネック接合部33の形状に応じて形成されるのが好ましい。またネック板材3−Cとネック板材3−Dを一体形成したネック板材を指板5の両側面の一部の底面5−B位置に接着剤で貼ることも有効で、且つネック板材3−Cとネック板材3−Dの材質もネック本体3の材質と同じ材質で製作することも有効であるが、デザイン上において違う材質で製作することも可能なためネック板材3−Cとネック板材3−Dの材質に関しては、異なる種類の材質に変更が可能であるため本発明を限定するものではない。
【0047】
4種類目のネック本体3のネック接合部33の形成方法は、
図10(a)、(b)に示すように木材を削り出したネック本体3の一端のネックヒール部に形成されたネック接合部33は、ネックエンド部3−Bから接合部34まで形成され、且つネック接合部33の底面35から指板5の底面5−Bまでネック接合部33の厚み幅が形成されている。さらにネック本体3のネック接合部33の両側面には、ボディ本体1のネック差込み溝24の両側面に形成された横溝31と突起部29の側面凹凸部と横溝32と突起部30の側面凹凸部とが、それぞれ合致するようにネック本体3のネック接合部33の両側面に側面溝部37と突起部39の側面凹凸部と側面溝部38と突起部40の側面凹凸部が形成されている。このネック本体3のネック接合部33の両側面に形成した側面溝部37と突起部39の側面凹凸部と側面溝部38と突起部40の側面凹凸部は、接合部34からネックエンド部3−Bまで形成され、ボディ本体1のネック差込み溝24の前端部28から下端部25まで合致するように形成されている。1種類目のネック本体3のネック接合部33の接合部34の接合面が、
図7(a)、(b)に示すようにネック接合部33の両側面の木口にそれぞれ形成しているのに対して、
図10(a)、(b)に示すように4種類目のネック本体3のネック接合部33の接合部34の接合面は繋がって形成され、且つネック接合部33の接合部34の接合面の一部は、ネック接合部33の底面35の位置よりネック厚み幅が高くなるように形成されている。ネック本体3のネック接合部33の底面35には、ネック厚さ方向の途中深度位置まで開けた所定数の穿孔36が形成され、穿孔36の上部からインサートナットや鬼目ナット等の埋込みナット41を所定の深度位置まで埋込んで固着している。穿孔36の深さはネック接合部33を貫通していない。埋込みナット41を取付ける穿孔36は、ネック本体3のネック接合部33をボディ本体1のネック差込み溝24に接合した際、ネック差込み溝24の底面26に形成された所定数の連結穴27と重なる位置に形成されている。
【0048】
5種類目のネック本体3のネック接合部33の形成方法は、
図11(a)、(b)に示すように木材を削り出したネック本体3の一端のネックヒール部に形成されたネック接合部33は、ネックエンド部3−Bから接合部34まで形成され、且つネック接合部33の底面35から指板5の底面5−Bまでネック接合部33の厚み幅が形成されている。またネック接合部33の両側面の一部の厚み幅は、ネック底部50とネック底部51から指板5の底面5−Bまで形成され、ネック本体3のネック接合部33と一体で形成されている。さらにネック本体3のネック接合部33の両側面には、ボディ本体1のネック差込み溝24の両側面に形成された横溝31と突起部29の側面凹凸部と横溝32と突起部30の側面凹凸部とが、それぞれ合致するようにネック本体3のネック接合部33の両側面に側面溝部37と突起部39の側面凹凸部と側面溝部38と突起部40の側面凹凸部が形成されている。このネック本体3のネック接合部33の両側面に形成した側面溝部37と突起部39の側面凹凸部と側面溝部38と突起部40の側面凹凸部は、接合部34からネックエンド部3−Bまで形成され、ボディ本体1のネック差込み溝24の前端部28から下端部25まで合致するように形成されている。2種類目のネック本体3のネック接合部33の接合部34の接合面が、
図8(a)、(b)に示すようにネック接合部33の両側面の木口にそれぞれ形成しているのに対して、
図11(a)、(b)に示すように5種類目のネック本体3のネック接合部33の接合部34の接合面は繋がって形成され、且つネック接合部33の接合部34の接合面の一部は、ネック接合部33の底面35の位置よりネック厚み幅が高くなるように形成されている。ネック本体3のネック接合部33の底面35には、ネック厚さ方向の途中深度位置まで開けた所定数の穿孔36が形成され、穿孔36の上部からインサートナットや鬼目ナット等の埋込みナット41を所定の深度位置まで埋込んで固着している。穿孔36の深さはネック接合部33を貫通していない。埋込みナット41を取付ける穿孔36は、ネック本体3のネック接合部33をボディ本体1のネック差込み溝24に接合した際、ネック差込み溝24の底面26に形成された所定数の連結穴27と重なる位置に形成されている。
【0049】
6種類目のネック本体3のネック接合部33の形成方法は、
図10(a)、(b)で形成した4種類目のネック接合部33をベースに、
図12(a)、(b)、(c)、(d)の順に従い、指板5の両側面の一部の底面5−B位置にネック板材3−Cとネック板材3−Dが接着剤とクランプ等を使用してそれぞれ貼られている。またネック本体3のネック接合部33の両側面には、ボディ本体1のネック差込み溝24の両側面に形成された横溝31と突起部29の側面凹凸部と横溝32と突起部30の側面凹凸部とが、それぞれ合致するようにネック本体3のネック接合部33の両側面に側面溝部37と突起部39の側面凹凸部と側面溝部38と突起部40の側面凹凸部が形成されている。このネック本体3のネック接合部33の両側面に形成した側面溝部37と突起部39の側面凹凸部と側面溝部38と突起部40の側面凹凸部は、接合部34からネックエンド部3−Bまで形成され、ボディ本体1のネック差込み溝24の前端部28から下端部25まで合致するように形成されている。3種類目のネック本体3のネック接合部33の接合部34の接合面が、
図9(a)、(b)、(c)、(d)に示すようにネック接合部33の両側面の木口にそれぞれ形成しているのに対して、
図12(a)、(b)、(c)、(d)に示すように6種類目のネック本体3のネック接合部33の接合部34の接合面は繋がって形成され、且つネック接合部33の接合部34の接合面の一部は、ネック接合部33の底面35の位置よりネック厚み幅が高くなるように形成されている。ネック本体3のネック接合部33の底面35には、ネック厚さ方向の途中深度位置まで開けた所定数の穿孔36が形成され、穿孔36の上部からインサートナットや鬼目ナット等の埋込みナット41を所定の深度位置まで埋込んで固着している。穿孔36の深さはネック接合部33を貫通していない。埋込みナット41を取付ける穿孔36は、ネック本体3のネック接合部33をボディ本体1のネック差込み溝24に接合した際、ネック差込み溝24の底面26に形成された所定数の連結穴27と重なる位置に形成されている。ネック板材3−Cとネック板材3−Dの厚さ、長さ、横幅に関しては、寸法や形状の変更が可能であるため本発明を限定するものではない。ネック板材3−Cとネック板材3−Dの形状は、テーパー状に形成された指板5とネック接合部33の形状に応じて形成されるのが好ましい。またネック板材3−Cとネック板材3−Dを一体形成したネック板材を指板5の両側面の一部の底面5−B位置に接着剤で貼ることも有効で、且つネック板材3−Cとネック板材3−Dの材質もネック本体3の材質と同じ材質で製作することも有効であるが、デザイン上において違う材質で製作することも可能なためネック板材3−Cとネック板材3−Dの材質に関しては、異なる種類の材質に変更が可能であるため本発明を限定するものではない。
【0050】
以上、
図7〜
図12で説明した6種類のネック本体3のネック接合部33の中から1種類を選択し、ボディ本体1のネック差込み溝24にピッタリ嵌合されるようにネック本体3のネック接合部33を設計して形成される。なおネック接合部33の板厚、幅、長さに関しては、ネック差込み溝24の深さ、奥行きの長さ、横幅及び木材の材質や弦張力等に応じて設計して形成されている。そのためネック接合部33の板厚、幅、長さの変更が可能であるため本発明を限定するものではない。また
図7〜
図12に示すネック本体3のネック接合部33を底面35側から見た場合、それは舌形状で形成されている。なおネック本体3を形成する場合、ネック本体3の表面に接着剤で指板5を貼り合せた構造または1枚の板材から指板5とネック本体3とを一体構造で形成する構造のどちらの形成方法も可能である。
【0051】
図7〜
図12に示すネック本体3のネック接合部33の両側面に形成した側面溝部37と突起部39の側面凹凸部と側面溝部38と突起部40の側面凹凸部の形状は、1枚の板材で形成されている。この
図7〜
図12に示すそれぞれのネック本体3のネック接合部33の形状を形成する場合、2枚の板材を使用してネック本体3のネック接合部33をネック接合台33−Aとネック接合板33−Bとに分けて形成し、連結ネジ56や接着剤等を使用してネック接合台33−Aとネック接合板33−Bとを接合して一体構造のネック接合部33を形成する方法については
図13〜
図19において説明する。
【0052】
図7のネック本体3のネック接合部33の形状を形成する場合、
図13(a)、(b)、(c)に示すように2枚の板材を使用してネック接合部33をネック接合台33−Aとネック接合板33−Bとに分けて形成し、ネック接合台33−Aは、ネック本体3と一体で形成されている。さらにネック接合台33−Aは、ボディ本体1のネック差込み溝24の前端部28から下端部25までの長さと合致するように、接合部34からネックエンド部3−Bまで形成され、且つボディ本体1のネック差込み溝24の両側面に形成した突起部29と突起部30の接合面の幅と合致するようにネック本体3のネック接合台33−Aの両側面に側面溝部37と側面溝部38の接合面が形成されている。ネック接合板33−Bは、ネック接合台33−Aの接合部34からネックエンド部3−Bまでの長さと合致するように、前端部33−Dからネックエンド部33−Eまで形成され、且つボディ本体1のネック差込み溝24の両側面に形成した横溝31と横溝32の接合面の幅と合致するようにネック接合板33−Bの両側面に突起部39と突起部40の接合面が形成されている。
【0053】
ネック接合台33−Aとネック接合板33−Bとの接合方法は、
図13(a)、(b)、(c)に示すようにネック接合台33−Aの底面33−C位置に接着剤を塗った上面からネック接合板33−Bを接着すると一体構造のネック接合部33に形成することが可能である。一体構造のネック接合部33を形成するとボディ本体1のネック差込み溝24の両側面に形成した横溝31と突起部29の側面凹凸部と横溝32と突起部30の側面凹凸部とが、それぞれ合致するようにネック本体3のネック接合部33の両側面に側面溝部37と突起部39の側面凹凸部と側面溝部38と突起部40の側面凹凸部が形成される。ネック接合板33−Bの底面35に形成した所定数の穿孔36の上部からインサートナットや鬼目ナット等の埋込みナット41を所定の深度位置まで埋込んで固着している。ネック接合板33−Bの底面35に形成した穿孔36は、ネック接合板33−Bの厚さ方向の途中位置またはネック接合板33−Bを貫通して形成することも可能である。埋込みナット41を取付ける所定数の穿孔36は、ネック本体3のネック接合部33をボディ本体1のネック差込み溝24の下端部25まで差込んで嵌合した際、ネック差込み溝24の底面26に形成された所定数の連結穴27と重なる位置に形成されている。また
図7のネック本体3のネック接合部33の形状を形成する時に
図13(a)、(b)、(c)の順で、ネック接合台33−Aの底面33−C位置にネック接合板33−Bを接着剤で取付けて一体構造に形成したネック接合部33のように
図8〜
図12に示すネック本体3のネック接合部33も同様にネック接合台33−Aとネック接合板33−Bとに分けて形成し、ネック接合台33−Aとネック接合板33−Bとを接着固定して一体構造のネック接合部33を形成することも可能である。ただしネック接合台33−Aとネック接合板33−Bとを接着固定する場合、正確な位置にネック接合板33−Bがネック接合台33−Aに接着固定されないとボディ本体1のネック差込み溝24の下端部25までネック本体3のネック接合部33を差込むことが困難であり、また強引にネック本体3のネック接合部33をボディ本体1のネック差込み溝24の下端部25まで差込んだ場合、ネック差込み溝24とネック接合部33との接合部分の一部が破損する場合がある。さらにネック接合板33−Bがネック接合台33−Aの底面33−C位置に接着固定された後には、位置修正が困難であるとともにネック接合台33−Aの底面33−C位置からネック接合板33−Bを取外すことも困難であるためネック接合台33−Aとネック接合板33−Bとの接合方法は連結ネジ56による固定が望ましい。この連結ネジ56によるネック接合台33−Aとネック接合板33−Bとについては
図14〜
図19において説明する。なおネック接合台33−Aとネック接合板33−Bとを固定する接着剤は、材質の種類によって異なるため本発明を限定するものでない。
【0054】
図7、
図8、
図9に示すそれぞれのネック本体3のネック接合部33の形状を形成する場合、
図14(a)、(b)、(c)、
図15(a)、(b)、(c)、
図16(a)、(b)、(c)に示すように2枚の板材を使用してネック接合部33をネック接合台33−Aとネック接合板33−Bとに分けて形成し、ネック接合台33−Aは、ネック本体3と一体で形成されている。さらにネック接合台33−Aは、ボディ本体1のネック差込み溝24の前端部28から下端部25までの長さと合致するように、接合部34からネックエンド部3−Bまで形成され、且つボディ本体1のネック差込み溝24の両側面に形成した突起部29と突起部30の接合面の幅と合致するようにネック本体3のネック接合台33−Aの両側面に側面溝部37と側面溝部38の接合面が形成されている。ネック接合板33−Bは、ネック接合台33−Aの接合部34からネックエンド部3−Bまでの長さと合致するように、前端部33−Dからネックエンド部33−Eまで形成され、且つボディ本体1のネック差込み溝24の両側面に形成した横溝31と横溝32の接合面の幅と合致するようにネック接合板33−Bの両側面に突起部39と突起部40の接合面が形成されている。またネック接合板33−Bの底面35に形成した所定数の穿孔36の上部からインサートナットや鬼目ナット等の埋込みナット41を所定の深度位置まで埋込んで固着することも可能である。ネック本体3のネック裏面3−Aの一端の面位置はネック接合板33−Bの底面35位置にピッタリ合うように形成されている。ネック接合板33−Bの底面35には所定数のネジ穴58がネック接合板33−Bの厚さ途中位置まで形成され、ネック接合板33−Bをネック接合台33−Aの底面33−C位置に置いた時、ネック接合台33−Aの底面33−Cに形成した所定数の穿孔55と重なる位置に形成されている。このネジ穴58の内側には連結ネジ56の雄螺子を通すための所定数の連結穴54が形成され、連結穴54はネック接合板33−Bを貫通して形成されている。ネック接合台33−Aの底面33−Cには所定数の穿孔55がネック厚さ方向の途中深度位置まで形成され、所定数の穿孔55の上部からインサートナットや鬼目ナット等の埋込みナット57を所定の深度位置まで埋込んで固着している。またネック本体3と一体で形成されるネック接合台33−Aを金属やカーボン等で形成する場合には、ネック接合台33−Aの底面33−Cに形成した所定数の穿孔55の内側の側面を雌螺子に形成することも可能である。
【0055】
ネック接合台33−Aとネック接合板33−Bとの接合方法は、
図14(a)、(b)、(c)、
図15(a)、(b)、(c)、
図16(a)、(b)、(c)、に示すようにネック接合板33−Bの底面35に形成した所定数のネジ穴58の上部から所定数の連結ネジ56をネック厚さ方向にねじ込んでネック接合台33−Aの底面33−Cに形成した所定数の穿孔55に埋め込んだ埋込みナット57に連結するとネック接合台33−Aの底面33−C位置にネック接合板33−Bが固定されて所定数の連結ネジ56の頭がネック接合板33−Bの底面35に形成した所定数のネジ穴58に埋め込まれるとともに一体構造のネック接合部33を形成することが出来る。一体構造のネック接合部33を形成するとボディ本体1のネック差込み溝24の両側面に形成した横溝31と突起部29の側面凹凸部と横溝32と突起部30の側面凹凸部とが、それぞれ合致するようにネック本体3のネック接合部33の両側面に側面溝部37と突起部39の側面凹凸部と側面溝部38と突起部40の側面凹凸部が形成される。また
図14、
図15、
図16に示すようにネック接合台33−Aとネック接合板33−Bとが所定数の連結ネジ56で固定されると接合部34はネック接合部33の両側面の木口に形成される。所定数の連結ネジ56を使用してネック接合台33−Aとネック接合板33−Bとを接合する際に埋込みナット57を使用しない場合には、木材用の連結ネジ56や金属用の連結ネジ56等をネック接合板33−Bの底面35に形成した所定数のネジ穴58の上部からネック厚さ方向にねじ込んで、ネック接合台33−Aの底面33−Cに形成した所定数の穿孔55に固定することも可能である。なお
図14は
図7、
図15は
図8、
図16は
図9のネック本体3のネック接合部33のそれぞれの形状図を示し、
図14、
図15、
図16で説明した以外の内容は、
図7、
図8、
図9で説明した内容と同じであるため説明は省略する。
【0056】
図10、
図11、
図12のネック本体3のネック接合部33の形状を形成する場合、
図17(a)、(b)、(c)、
図18(a)、(b)、(c)、
図19(a)、(b)、(c)に示すように2枚の板材を使用してネック接合部33をネック接合台33−Aとネック接合板33−Bとに分けて形成し、ネック接合台33−Aは、ネック本体3と一体で形成されている。さらにネック接合台33−Aは、ボディ本体1のネック差込み溝24の前端部28から下端部25までの長さと合致するように、接合部34からネックエンド部3−Bまで形成され、且つボディ本体1のネック差込み溝24の両側面に形成した突起部29と突起部30の接合面の幅と合致するようにネック本体3のネック接合台33−Aの両側面に側面溝部37と側面溝部38の接合面が形成されている。ネック接合板33−Bは、ネック接合台33−Aの接合部34からネックエンド部3−Bまでの長さと合致するように、前端部33−Dからネックエンド部33−Eまで形成され、且つボディ本体1のネック差込み溝24の両側面に形成した横溝31と横溝32の接合面の幅と合致するようにネック接合板33−Bの両側面に突起部39と突起部40の接合面が形成されている。またネック接合板33−Bの底面35に形成した所定数の穿孔36の上部からインサートナットや鬼目ナット等の埋込みナット41を所定の深度位置まで埋込んで固着することも可能である。ネック本体3のネック接合部33の接合部34の一端の面位置は接合板33−Bの底面35位置よりも出っ張るように形成されている。ネック接合板33−Bの底面35には所定数のネジ穴58がネック接合板33−Bの厚さ途中位置まで形成され、ネック接合板33−Bをネック接合台33−Aの底面33−C位置に置いた時、ネック接合台33−Aの底面33−Cに形成した所定数の穿孔55と重なる位置に形成されている。このネジ穴58の内側には連結ネジ56の雄螺子を通すための所定数の連結穴54が形成され、連結穴54はネック接合板33−Bを貫通して形成されている。ネック接合台33−Aの底面33−Cには所定数の穿孔55がネック厚さ方向の途中深度位置まで形成され、所定数の穿孔55の上部からインサートナットや鬼目ナット等の埋込みナット57を所定の深度位置まで埋込んで固着している。またネック本体3と一体で形成されるネック接合台33−Aを金属やカーボン等で形成する場合には、ネック接合台33−Aの底面33−Cに形成した所定数の穿孔55の内側の側面を雌螺子に形成することも可能である。
【0057】
ネック接合台33−Aとネック接合板33−Bとの接合方法は、
図17(a)、(b)、(c)、
図18(a)、(b)、(c)、
図19(a)、(b)、(c)、に示すようにネック接合板33−Bの底面35に形成した所定数のネジ穴58の上部から所定数の連結ネジ56をネック厚さ方向にねじ込んでネック接合台33−Aの底面33−Cに形成した所定数の穿孔55に埋め込んだ所定数の埋込みナット57に連結するとネック接合台33−Aの底面33−C位置にネック接合板33−Bが固定されて所定数の連結ネジ56の頭がネック接合板33−Bの底面35に形成した所定数のネジ穴58に埋め込まれるとともに一体構造のネック接合部33を形成することが出来る。一体構造のネック接合部33を形成するとボディ本体1のネック差込み溝24の両側面に形成した横溝31と突起部29の側面凹凸部と横溝32と突起部30の側面凹凸部とが、それぞれ合致するようにネック本体3のネック接合部33の両側面に側面溝部37と突起部39の側面凹凸部と側面溝部38と突起部40の側面凹凸部が形成される。また
図17、
図18、
図19に示すようにネック接合台33−Aとネック接合板33−Bとが所定数の連結ネジ56で固定されると接合部34はネック接合部33の底面35の位置よりネック厚み幅が高くなるように形成される。所定数の連結ネジ56を使用してネック接合台33−Aとネック接合板33−Bとを接合する際に埋込みナット57を使用しない場合には、木材用の連結ネジ56や金属用の連結ネジ56等をネック接合板33−Bの底面35に形成した所定数のネジ穴58の上部からネック厚さ方向にねじ込んで、ネック接合台33−Aの底面33−Cに形成した所定数の穿孔55に固定することも可能である。なお
図17は
図10、
図18は
図11、
図19は
図12のネック本体3のネック接合部33のそれぞれの形状図を示し、
図17、
図18、
図19で説明した以外の内容は、
図10、
図11、
図12で説明した内容と同じであるため説明は省略する。
【0058】
図14〜
図19で示した所定数の連結ネジ56でネック接合台33−Aの底面33−C位置に固定されるネック接合板33−Bは木材だけでなく金属、プラスチック、樹脂等を使用することも可能であり、それにより音質や音色等も選択することが可能である。このネック接合板33−Bを金属やプラスチック等で形成した場合、ネック接合板33ーBの底面35に形成した所定数の穿孔36にタップと呼ばれる工具を使用すると
図29(a)、
図30(a)の断面図に示すように穿孔36の内側の側面に雌螺子36−Aが形成される。穿孔36の内側の側面に形成した雌螺子36−Aは、ネック本体3のネック接合部33をボディ本体1のネック差込み溝24に接合した際、ネック差込み溝24の底面26に形成された所定数の連結穴27と重なる位置に形成されている。この穿孔36の内側の側面に形成した雌螺子36−Aは、
図29(a)、
図30(a)の断面図に示すようにネック接合板33−Bの厚さ方向の途中位置またはネック接合板33−Bを貫通して形成することも可能である。なおネック接合板33−Bを形成する時に使用する金属や樹脂等は様々な種類から形成することが可能なため、本発明を限定するものでない。また連結ネジ56のネジ径、長さ、形状、材質等または穿孔36の内側の側面に形成した雌螺子36−Aのネジ径、螺子のピッチ、深さ等に関しては様々なサイズに変更することが可能であるため本発明を限定するものでない。またネック接合台33−Aとネック接合板33−Bとを固定する場合、所定数の連結ネジ56で固定するだけでなく、所定数の連結ネジ56とホゾとの併用や所定数の連結ネジ56とダボとの併用、あるいはホゾ、ダボ、接着剤等を使用してネック接合台33−Aにネック接合板33−Bを固定することも可能であるため本発明を限定するものでない。
【0059】
また
図14〜
図19で示したネック接合台33−Aとネック接合板33−Bとを固定するための所定数の連結ネジ56は、ネック接合台33−Aの底面33−Cに形成した穿孔55の底面位置より進まないように適切な長さで取付けられており安定した連結ネジ56の締め付け強度を得られる。そのためネック接合板33−Bの底面35に形成したネジ穴58の上面からプラスドライバーや六角ドライバー(ヘックスドライバーとも云う。)等で万が一所定数の連結ネジ56を締めすぎた場合でもネック接合板33−Bの底面35に形成したネジ穴58の欠け、割れまたは木材の凹みや木材の食い込み等を防ぎ、且つネック接合台33−Aの底面33−Cに形成した穿孔55のネジ山が連結ネジ56の取付け、取り外しの繰り返しによって潰れたり、穴の広がり等を防止するためにネック接合台33−Aの底面33−Cのネック厚さ方向の途中深度位置まで開けた所定数の穿孔55に埋込みナット57が取り付けられている。なおネック接合板33−Bの底面35に形成した所定数のネジ穴58の上面から金属製のワッシャーを介して所定数の木工用の連結ネジ56または金属製の連結ネジ56等あるいはネック接合板33−Bの底面35に形成した所定数のネジ穴58の上面から木工用の連結ネジ56のみをネック厚さ方向にねじ込んでネック接合台33−Aにネック接合板33−Bを固定することも可能であるため、本発明を限定するものでない。
【0060】
ネック本体3のネック接合部33の底面35のネック厚さ方向の途中深度位置まで開けた所定数の穿孔36に埋め込まれた埋込みナット41の製品またはネック接合台33−Aの底面33−Cのネック厚さ方向の途中位置まで開けた所定数の穿孔55に埋め込まれた埋込みナット57の製品には、ねじ込むタイプや打ち込むタイプ等、様々な異なる種類が知られているが、市販されている全ての形状に対応した埋込みナット41と埋込みナット57の金具に関しては、本発明のエレキギター23を作成する木材或いは合成樹脂等に適合可能なため、本発明を限定するものではない。なおネック厚さ方向に開けた穿孔36の上部から埋込んだ埋込みナット41の作成位置、穿孔位置、穿孔数、埋込みナット41の位置及び埋込む本数等に関しては、ネック差込み溝24の裏面形状のデザインに応じて形成することになるため、本発明を限定するものではない。またネック接合台33−Aの厚さ方向に開けた所定数の穿孔55の上部から埋込んだ埋込みナット57の位置及び埋込む本数等に関しては、ネック接合台33−Aの底面33−Cに取付けるネック接合板33−Bとの接合強度や連結ネジ56の強度等に応じて形成することになるため、本発明を限定するものではない。
【0061】
図21(a)、(b)、(c)または
図22(a)、(b)、(c)は
図20におけるネック本体3の指板エンド5−A方向から見たB−B線断面図である。
【0062】
図21(a)、(b)、(c)または
図22(a)、(b)、(c)の断面図は、
図2(b)、(c)及び
図2(d)に示すボディ本体1のネック差込み溝24の両側面に形成した横溝31と突起部29の側面凹凸部及び横溝32と突起部30の側面凹凸部(以下 ボディ側両側面凹凸部47と呼ぶ。)と合致するように形成された
図7〜
図12に示すネック本体3のネック接合部33の断面図である。ネック本体3のネック接合部33の両側面に形成された側面溝部37と突起部39の側面凹凸部及び側面溝部38と突起部40の側面凹凸部(以下 ネック側両側面凹凸部53と呼ぶ。)は
図21(a)、(b)、(c)または
図22(a)、(b)、(c)の断面図で示すようにネック本体3のネック接合部33に形成されたネック側両側面凹凸部53は逆T字型様形状で形成されている。この逆T字型様形状で形成されたネック側両側面凹凸部53の各々の接合面の形状は直角に形成され、且つ
図21(a)または
図22(a)の断面図に示すようにネック本体3のネック接合部33の指板5の底面5−B及び突起部39上面39−Aと突起部40上面40−Aの接合面及び
図21(b)、(c)または
図22(b)、(c)の断面図に示すようにネック本体3のネック接合部33のネック底部50とネック底部51の接合面及び突起部39上面39−Aと突起部40上面40−Aの接合面は、それぞれ底面35と平行に形成されている。また
図21、
図22の断面図で示すようにネック本体3のネック接合部33に形成されたネック側両側面凹凸部53は対称で形成され、このネック本体3のネック接合部33に形成した突起部39と突起部40の厚み幅は、突起部39の上面39−Aと突起部40の上面40−Aから底面35まで形成されている。また突起部39と突起部40及び側面溝部37と側面溝部38の横幅は、突起部39の上面39−Aの右端部位置から側面溝部37の窪みの側壁の接合面及び突起部40の上面40−Aの左端部位置から側面溝部38の窪みの側壁の接合面まで形成されている。
図21(a)または
図22(a)は、
図7及び
図10に示す1種類目のネック接合部33の形状断面図である。この
図7と
図10に示す側面溝部37と側面溝部38の縦幅は、
図21(a)または
図22(a)に示すように突起部39上面39−Aの接合面と突起部40上面40−Aの接合面から指板5の底面5−Bの接合面まで形成されている。
図21(b)または
図22(b)は、
図8及び
図11に示すネック接合部33の形状断面図である。
図21(c)または
図22(c)は、
図9及び
図12に示すネック接合部33の形状断面図である。
図8、
図9、
図11及び
図12に示す側面溝部37と側面溝部38の縦幅は、
図21(b)、(c)または
図22(b)、(c)に示すように突起部39上面39−Aの接合面からネック底部50の接合面までの間及び突起部40上面40−Aの接合面からネック底部51の接合面までの間でそれぞれ形成されている。
【0063】
図23はボディ本体1のネック差込み溝24にネック本体3のネック接合部33を嵌合させる方法を示す図である。
図23(a)、(b)、(c)、(d)に示すようにネック本体3のネック接合部33をボディ本体1のネック差込み溝24の下端部25まで平行移動しながら差込んで嵌合する。するとボディ本体1のネック差込み溝24に形成したボディ側両側面凹凸部47の接合面とネック本体3のネック接合部33に形成したネック側両側面凹凸部53の接合面の形状が隙間無く嵌合されるとネック接合部33の接合部34の接合面がボディ本体1の前端部28の接合面に接合される。その結果、
図24に示すようにボディ本体1とネック本体3とのセンターライン42が確立され、且つネック差込み溝24に形成したボディ側両側面凹凸部47の接合面とネック接合部33に形成したネック側両側面凹凸部53の接合面の形状が隙間無く接合されることで、大きな嵌合摩擦力を得られるためネック差込み溝24とネック接合部33との接合強度がさらに高まり、弦振動の伝達ロスが少なくなることで音の持続が長く、音量、音質等を向上させる。なおネック本体3のネック接合部33をボディ本体1のネック差込み溝24に嵌合した後のセンターライン42のズレ(センターズレ とも云う)のメンテナンスが不要である。ところでネック本体3のネック接合部33の接合面またはボディ本体1のネック差込み溝24の接合面には接合角度を付けて形成していないため
図23(a)、(b)、(c)、(d)に示すようにネック本体3のネック接合部33をボディ本体1のネック差込み溝24の下端部25まで平行移動して嵌合すると
図36の側面図に示すようにネック本体3のネック接合部33がボディ本体1のネック差込み溝24に平行に接合される。この平行に接合した接合構造は、特に弦高の低いノントレモロ機構19のブリッジプレート20またはトレモロ機構を備えたブリッジプレート20をボディ本体1の表面2に搭載するエレキギター23の製作方法に適している。なお平行に接合した接合構造に弦4を張った場合、弦4は、
図36の側面図に示すように指板5の表面やフレット6の上面またはボディ本体1の表面2やピックアップ装置15等の上面位置からほぼ一定の高さで弦4がほぼ水平に張られる。
【0064】
図26は、ネック本体3のネック接合部33をボディ本体1のネック差込み溝24に接合させた接合断面図である。この
図26(a)、(b)、(c)、(d)に示す4種類の接合断面図は、
図7〜
図12で説明した6種類あるネック本体3のネック接合部33の形状により、ボディ本体1のネック差込み溝24とネック本体3のネック接合部33とが接合する一部の接合面が異なる。この4種類の接合断面図は、
図26(a)、(b)、(c)、(d)においてそれぞれ説明する。また
図26(a)、(b)、(c)、(d)は
図25におけるヘッド部7方向から見たC−C線の断面図である。
【0065】
ネック本体3のネック接合部33とボディ本体1のネック差込み溝24との1種類目の接合は、
図7(a)、(b)で形成した1種類目のネック本体3のネック接合部33あるいは
図10(a)、(b)で形成した4種類目のネック本体3のネック接合部33をボディ本体1のネック差込み溝24の下端部25まで平行移動しながら差込んで嵌合させた場合、
図26(a)の断面図に示すようにネック本体3のネック接合部33に形成されたネック側両側面凹凸部53と底面35の接合面は、ボディ本体1のネック差込み溝24に形成されたボディ側両側面凹凸部47と底面26の接合面に接合される。また指板5の底面5−Bはボディ本体1の表面2に接合されていない。ところでボディ本体1のネック差込み溝24に形成したボディ側両側面凹凸部47の接合面とネック本体3のネック接合部33に形成したネック側両側面凹凸部53の接合面の形状が隙間無く嵌合され、より大きな嵌合摩擦力を得られていることで、一般的なデタッチャブルギター製品よりも弦振動の伝達ロスが少なくなることで音の持続が長く、音量、音質等を向上させている。なお嵌合されたネック接合部33はスムーズ且つ簡単にネック差込み溝24に取付け、取り外しが可能となる。
【0066】
ネック本体3のネック接合部33とボディ本体1のネック差込み溝24との2種類目の接合は、
図7(a)、(b)で形成した1種類目のネック本体3のネック接合部33あるいは
図10(a)、(b)で形成した4種類目のネック本体3のネック接合部33をボディ本体1のネック差込み溝24の下端部25まで平行移動しながら差込んで嵌合させた場合、
図26(b)の断面図に示すようにネック本体3のネック接合部33に形成されたネック側両側面凹凸部53と底面35の接合面は、ボディ本体1のネック差込み溝24に形成されたボディ側両側面凹凸部47と底面26の接合面に接合され、且つ指板5の底面5−Bの接合面がボディ本体1の一部の表面2の接合面に接合される。また
図26(b)に示すようにネック本体3のネック接合部33をボディ本体1のネック差込み溝24全体で包み込むように隙間無く嵌合されていることで、より大きな嵌合摩擦力を得られるため、一般的なデタッチャブルギター製品よりも接合強度が高まって共振特性が向上し、弦振動の伝達ロスが少なくなることで音の持続が長く、音量、音質等をさらに向上させている。その結果、木材の材質の組合せにもよるがセットネックギターのように温かみのある音質、音色等になりやすい。なお嵌合されたネック接合部33はスムーズ且つ簡単にネック差込み溝24に取付け、取り外しが可能となる。そしてネック接合部33をネック差込み溝24から取外した時は、ボディ本体1の一部の表面2の接合面に接合された指板5の底面5−Bの接合面の形状の痕跡がボディ本体1の一部の表面2の塗装面に残り難いためネック差込み溝24周辺の塗装面にひび割れや欠け等が起き難い。
【0067】
ネック本体3のネック接合部33とボディ本体1のネック差込み溝24との3種類目の接合は、
図8(a)、(b)で形成した2種類目のネック本体3のネック接合部33あるいは
図11(a)、(b)で形成した5種類目のネック本体3のネック接合部33をボディ本体1のネック差込み溝24の下端部25まで平行移動しながら差込んで嵌合させた場合、
図26(c)の断面図に示すようにネック本体3のネック接合部33に形成されたネック側両側面凹凸部53と底面35の接合面は、ボディ本体1のネック差込み溝24に形成されたボディ側両側面凹凸部47と底面26の接合面に接合され、且つネック本体3のネック接合部33の両側面に形成されたネック底部50とネック底部51の接合面がボディ本体1の一部の表面2の接合面に接合される。また
図26(c)に示すようにネック本体3のネック接合部33をボディ本体1のネック差込み溝24全体で包み込むように隙間無く嵌合されていることで、より大きな嵌合摩擦力を得られるため、一般的なデタッチャブルギター製品よりも接合強度が高まって共振特性が向上し、弦振動の伝達ロスが少なくなることで音の持続が長く、音量、音質等をさらに向上させている。その結果、木材の材質の組合せにもよるがセットネックギターのように温かみのある音質、音色等になりやすい。なお嵌合されたネック接合部33はスムーズ且つ簡単にネック差込み溝24に取付け、取り外しが可能となる。そしてネック接合部33をネック差込み溝24から取外した時は、ボディ本体1の一部の表面2の接合面に接合されたネック底部50とネック底部51の二箇所の接合面の形状の痕跡がボディ本体1の一部の表面2の塗装面に残り難いためネック差込み溝24周辺の塗装面にひび割れや欠け等が起き難い。またネック接合部33の両側面に形成されたネック底部50とネック底部51はボディ本体1の一部の表面2にピッタリ接合しない場合でもボディ本体1のネック差込み溝24にネック本体3のネック接合部33を接合することも可能だが、出来るだけネック底部50とネック底部51はボディ本体1の一部の表面2にピッタリ接合されている方が音鳴りや弦振動等の伝達が良い。
【0068】
ネック本体3のネック接合部33とボディ本体1のネック差込み溝24との4種類目の接合は、
図7(a)、(b)で形成した1種類目のネック本体3のネック接合部33をベースに、
図9(a)、(b)、(c)、(d)の順に従い、指板5の両側面の一部の底面5−B位置にネック板材3−Cとネック板材3−Dが接着剤で貼られた構造の3種類目のネック本体3のネック接合部33をボディ本体1のネック差込み溝24の下端部25まで平行移動しながら差込んで嵌合させた場合、
図26(d)の断面図に示すようにネック本体3のネック接合部33に形成されたネック側両側面凹凸部53と底面35の接合面は、ボディ本体1のネック差込み溝24に形成されたボディ側両側面凹凸部47と底面26の接合面に接合され、且つ指板5の両側面の一部の底面5−B位置に接着剤で取付けたネック板材3−Cとネック板材3−Dのネック底部50とネック底部51の二箇所の接合面がボディ本体1の一部の表面2の接合面に接合される。また
図26(d)に示すようにネック本体3のネック接合部33をボディ本体1のネック差込み溝24全体で包み込むように隙間無く嵌合されていることで、より大きな嵌合摩擦力を得られるため、一般的なデタッチャブルギター製品よりも接合強度が高まって共振特性が向上し、弦振動の伝達ロスが少なくなることで音の持続が長く、音量、音質等をさらに向上させている。その結果、木材の材質の組合せにもよるがセットネックギターのように温かみのある音質、音色等になりやすい。また嵌合されたネック接合部33はスムーズ且つ簡単にネック差込み溝24に取付け、取り外しが可能となる。そしてネック接合部33をネック差込み溝24から取外した時は、ボディ本体1の一部の表面2の接合面に接合されたネック底部50とネック底部51の二箇所の接合面の形状の痕跡がボディ本体1の一部の表面2の塗装面に残り難いためネック差込み溝24周辺の塗装面にひび割れや欠け等が起き難い。また指板5の底面5−B位置に接着剤で取付けられたネック板材3−Cとネック板材3−Dのネック底部50とネック底部51はボディ本体1の一部の表面2に接合しない場合でもボディ本体1のネック差込み溝24にネック本体3のネック接合部33を接合することも可能だが、出来るだけネック底部50とネック底部51はボディ本体1の一部の表面2にピッタリ接合されている方が音鳴りや弦振動等の伝達が良い。なお
図10(a)、(b)で形成した4種類目のネック接合部33をベースに、
図12(a)、(b)、(c)、(d)の順に従い、指板5の両側面の一部の底面5−B位置にネック板材3−Cとネック板材3−Dが接着剤で貼られた構造の6種類目のネック本体3のネック接合部33をボディ本体1のネック差込み溝24に嵌合させた場合も
図26(d)の断面図に示す内容と同じであるため説明は省略する。
【0069】
なおネック接合部33をネック差込み溝24の下端部25まで平行移動しながら接合すると、ネック差込み溝24に形成されたボディ側両側面凹凸部47の接合面とネック接合部33に形成されたネック側両側面凹凸部53の接合面の形状が隙間無く接合されることで大きな嵌合摩擦力を得られるためネック本体3のネック接合部33がネック差込み溝24から外れ難く、且つ連結ネジ44が無い状態でも一体型となったギター本体のネック本体3側を持ち上げた場合でもボディ本体1を持ち上げる事が可能なネック取付け構造を具備するエレキギター23を提供することができる。
【0070】
エレキギター23に弦4を張った場合、ネック差込み溝24の前端部28周辺に掛かる弦張力とネック接合部33のネック接合先端部分周辺に掛かる弦張力の負荷は、ボディ本体1のネック差込み溝24に形成されたボディ側両側面凹凸部47の接合面とネック本体3のネック接合部33に形成されたネック側両側面凹凸部53の接合面の形状がストップバーの役目となってネック接合部33がネック差込み溝24の上面方向に引っ張られなく、且つネック差込み溝24に形成されたボディ側両側面凹凸部47の接合面とネック本体3のネック接合部33に形成されたネック側両側面凹凸部53の接合面の形状が隙間無く接合されることで大きな嵌合摩擦力が発生することによってネック接合部33とネック差込み溝24全体に弦張力の負荷が分散されることで強度上の制約がなくなる。特に
図34に示すようにネック差込み溝24の前端部28の板厚は強度を確保した上で極力薄く形成することが可能となり、ネック差込み溝24の前端部28周辺のひび割れや欠け等を防止できると共に
図31(c)または
図32(c)に示すようにボディ本体1とネック本体3との裏面の接続形状が意匠登録第1413739号のようにネック本体3のネック裏面3−Aの曲線形状とボディ本体1のネック差込み溝24裏面の曲面傾斜面46とが連接されるよう形成することにより、曲面傾斜面46を連続した滑らかな丸い曲線形状を製作出来る。さらにネック差込み溝24の裏面のボディデザイン形状が
図31(a)または
図32(a)あるいは
図33に示すデタッチャブルギターに代表されるスラントカット形状(製造会社によって呼び名が異なる。)や
図31(b)または
図32(b)に示すセットネックギターに代表されるSNカット形状(製造会社によって呼び名が異なる。)のような様々なネック差込み溝24の裏面のデザイン形状を製作することも可能であるためボディ本体1のネック差込み溝24の裏面形状に関しては本発明を限定するものではない。そのため図で示したネック差込み溝24の裏面のボディデザイン形状以外にも様々なネック差込み溝24の裏面のボディデザイン形状を具備するエレキギター23を提供することが出来る。
【0071】
またエレキギター23に弦4を張った時に発生する弦張力の負荷は、特にボディ本体1のネック差込み溝24に形成されたボディ側両側面凹凸部47の接合面とネック本体3のネック接合部33に形成されたネック側両側面凹凸部53の接合面の形状がストップバーの役目となってネック接合部33がネック差込み溝24の上面方向に引っ張られなくなるため、万が一連結ネジ44が緩んだ場合でもボディ本体1のネック差込み溝24からネック本体3のネック接合部33が外れることはない。またボディ本体1のネック差込み溝24に形成されたボディ側両側面凹凸部47の接合面とネック接合部33に形成されたネック側両側面凹凸部53の接合面の形状が隙間無くピッタリ接合されて大きな嵌合摩擦力を得られ接合強度が高くなる。そのため弦4を弾いた弦振動はネック差込み溝24全体で拡散されてボディ本体1とネック本体3全体に広がり弦振動の伝達ロスが少なくなることで音の持続が長くなり、音量、音質等を向上させ、且つネック差込み溝24を中心にネック接合部33が1弦側または6弦側の左右いずれかに動いてしまうセンターズレ現象が発生し難い。
【0072】
図27、
図28、
図29及び
図30は、ネック本体3のネック接合部33をボディ本体1のネック差込み溝24の裏面から連結ネジ44によって固定する方法を示す図である。
図27(a)、
図28(a)、
図29(a)及び
図30(a)の断面図で示すように、ボディ本体1のネック差込み溝24の底面26には所定数の連結穴27が穿孔されて、ボディ裏面45のボディ厚さ方向の途中深度位置まで形成された所定数のネジ穴43とつながっている。
図27(a)、
図28(a)に示すようにネック接合部33の底面35にはネック厚さ方向の途中深度位置まで開けられた所定数の穿孔36に埋込みナット41が取付けられている。また
図29(a)、
図30(a)に示すようにネック接合部33のネック接合板33−Bの底面35にはネック厚さ方向の途中深度位置まで開けられた所定数の穿孔36の内側の側面に形成された雌螺子36−Aまたはネック接合部33のネック接合板33−Bの厚さ方向に貫通された所定数の穿孔36の内側の側面に雌螺子36−Aが形成されている。
【0073】
図27(b)、
図28(b)、
図29(b)及び
図30(b)で示すように、ボディ裏面45に形成した所定数のネジ穴43の上面から所定数の連結ネジ44をボディ厚さ方向にねじ込んで、ネック接合部33の底面35に形成された所定数の穿孔36に取り付けた埋込みナット41またはネック接合部33のネック接合板33−Bの底面35に形成された所定数の穿孔36の内側の側面に形成した雌螺子36−Aに連結されると、
図27(c)、
図28(c)または
図29(c)及び
図30(c)の断面図に示すようにネック本体3のネック接合部33がボディ本体1のネック差込み溝24に固定される。その結果、ボディ本体1のネック差込み溝24とネック本体3のネック接合部33との結合強度がさらに高まり、弦4を弾いた弦振動、倍音成分等がよりダイレクトにボディ本体1を介してネック本体3に伝達されることで音量、音質等の振動特性が向上され、且つネック本体3とボディ本体1との接合位置関係を維持出来る。さらに所定数の連結ネジ44でネック本体3がボディ本体1に固定されていることで、ネック接合部33とネック差込み溝24との間の微小な隙間が埋まることにより、ネック接合部33とネック差込み溝24がより密着し、弦振動の伝達ロスが少なくなることで音の持続が長くなり、音量、音質等をさらに向上させる。また所定数の埋込みナット41をネック本体3のネック接合部33の底面35に形成した所定数の穿孔36に固着していない場合でも木工用の連結ネジ44ならびに金属製のワッシャー等を使用して、ボディ裏面45に形成した所定数のネジ穴43の上面から所定数の連結ネジ44をボディ厚さ方向にねじ込んでネック本体3のネック接合部33をボディ本体1のネック差込み溝24に固定させることも可能である。なおボディ裏面45に形成した所定数のネジ穴43の位置決め、深度、径状、形状数は設計上またはデザイン上の変更が可能であり、所定数の連結ネジ44の数量、ネジ径、材質、ネジの形状等に関しては本発明を限定するものではない。また
図27(c)、
図28(c)または
図29(c)及び
図30(c)の断面図に示すように所定数の連結ネジ44をボディ厚さ方向にねじ込んでネック接合部33をネック差込み溝24に固定すると、所定数の連結ネジ44の頭が所定数のネジ穴43に埋め込まれる。
【0074】
本発明は、所定数の連結ネジ44をボディ厚さ方向にねじ込む場合、一般的なデタッチャブルギターのネック差込み溝24裏面に取付けられる金属製のネックプレートあるいはボディ裏面45に形成したネジ穴43に取付けられる金属製のワッシャー等を一切使用しない。さらにネック接合部33の底面35のネック厚さ方向の途中深度位置まで開けた所定数の穿孔36は、
図27(a)、
図28(a)に示すようにネック本体3を貫通していないため、ボディ裏面45に形成した所定数のネジ穴43の上部から適切な長さの所定数の連結ネジ44をボディ厚さ方向にねじ込んでネック接合部33の底面35に形成した所定数の穿孔36に取付けた埋込みナット41に連結すると、
図27(c)、
図28(c)に示すように連結ネジ44が穿孔36の底面位置より進まないように取付けられており安定した連結ネジ44の締め付け強度を得られる。そのためボディ裏面45に形成したネジ穴43の上面からプラスドライバーや六角ドライバー(ヘックスドライバーとも云う。)等で万が一所定数の連結ネジ44を締めすぎた場合でもボディ裏面45に形成したネジ穴43の欠け、割れまたは木材の凹みや木材の食い込み等を防ぎ、且つネック接合部33の底面35に形成した穿孔36のネジ山が連結ネジ44の取付け、取り外しの繰り返しによって潰れたり、穴の広がり等を防止するためにネック本体3のネック接合部33の底面35のネック厚さ方向の途中深度位置まで開けた所定数の穿孔36に埋込みナット41が取り付けられている。なお使用する木材の材質の種類やパーツの材質の種類等にもよるが金属製のネックプレートや金属製のワッシャー等を使用していないためボディ本体1とネック本体3の振動特性が向上して弦振動の伝達ロスが少なくなることで良質な音量や音質等が向上され、且つセットネックギターのような温かみのある音質や音色等にすることが出来る。なお
図29、
図30に示す金属や樹脂等で形成したネック接合板33ーBの底面35に形成した穿孔36の内側の側面に形成された雌螺子36−Aや連結ネジ44等も上述した内容と同じであるため説明は省略する。ただし
図30(c)に示すように連結ネジ44がネック接合台33−Aの底面33−C位置より進まないように取付けられている。
【0075】
連結ネジ44の材質の種類またはネック接合部33の底面35に形成した所定数の穿孔36に取付けられた埋込みナット41の材質の種類あるいはネック接合板33−Bの材質の種類によってエレキギター23の弦4を弾いた時の振動特性が異なるため一般的なデタッチャブルギターよりもギターのレスポンス(弦を弾いた時の反応速度 を云う。)が向上される。すると輪郭のある音質や厚みのある音色等にすることが出来る。エレキギター23の音質や音色等を変更する場合には、埋込みナット41の材質の種類、連結ネジ44の材質の種類あるいはネック接合板33−Bの材質の種類を交換することによって音の性質が変化するため弦楽器の製造技術分野において有益である。ところで本発明のエレキギター23に使用される埋込みナット41と連結ネジ44のみを様々な種類の材質に変更した場合、音質や音色等が極僅かに変化する。この変化する音質や音色等はネック本体3のネック接合部33に形成されたネック側両側面凹凸部53とボディ本体1のネック差込み溝24に形成されたボディ側両側面凹凸部47が隙間無く接合されていることによって、埋込みナット41や連結ネジ44の材質の振動特性を引き出して音質や音色等を変化していると考えられる。振動特性の異なる材質を使用してネック接合板33−Bを作成することによりエレキギター23の音質や音色等も選択できるため弦楽器の製造技術分野において有益である。この連結ネジ44、埋込みナット41、ネック接合板33−Bの材質の種類の組合せによってより幅広い音質や音色等にする事が出来る。なお埋込みナット41の材質の種類や連結ネジ44の材質の種類に関しては本発明を限定するものではない。
【0076】
ネック本体3のネック接合部33とボディ本体1のネック差込み溝24との嵌め合い構造が正確であれば所定数の連結ネジ44で固定する必要がない。そのため連結ネジ44が無い状態でも弦4が張られた弦張力に対してもネック本体3とボディ本体1の接合位置関係が保たれる大きな勘合摩擦力でネック接合部33をネック差込み溝24に固定することも可能である。しかしながら経年変化による木材含水率の減少や四季の移り変わりによる湿度、温度等の要因によりネック差込み溝24とネック接合部33との間に大きな隙間が発生し、ネック差込み溝24とネック接合部33との接合強度が落ちる可能性がありネック接合部33とネック差込み溝24との接合位置関係が不安定になり安全性に欠けることが考えられる。万が一ボディ本体1とネック本体3とが所定数の連結ネジ44で固定されていない場合、経年変化や木材含水率の減少等によってネック差込み溝24とネック接合部33との接合強度不足が原因となってネック本体3の接合位置や音程等が狂うだけでなく一体型となっているギター本体からボディ本体1が落ちてギター本体の一部が破損し、且つボディ本体1が足元に落ちて怪我を被る可能性がある。そのためネック本体3とボディ本体1との接合位置ならびに安全性の確保等を維持するために所定数の連結ネジ44で固定されている必要がある。
【0077】
経年変化により、稀に連結ネジ44が緩むことが確認されているが、ボディ裏面45に形成した所定数のネジ穴43の上面からプラスドライバーや六角ドライバー等で所定数の連結ネジ44を簡単に締め直すことが可能となるため、締め直し作業が簡単にできるネック取付け構造を具備するエレキギター23を提供することが出来る。
【0078】
また連結ネジ44によってネック本体3のネック接合部33とボディ本体1のネック差込み溝24とが固定されている場合において経年変化による木材含水率の減少や四季の移り変わりによる湿度、温度等の要因により、万が一ボディ本体1のネック差込み溝24に形成されたボディ側両側面凹凸部47の接合面とネック本体3のネック接合部33に形成されたネック側両側面凹凸部53の接合面との間に大きな隙間が出来た場合においても、ネック接合部33の接合部34の接合面がボディ本体1のネック差込み溝24の前端部28の接合面に接合されていることによってセンターライン42のズレが発生しない。またはネック接合部33の接合部34の接合面とボディ本体1のネック差込み溝24の前端部28の接合面との間に大きな隙間が発生した場合でも、ネック本体3のネック接合部33に形成されたネック側両側面凹凸部53の接合面がボディ本体1のネック差込み溝24に形成されたボディ側両側面凹凸部47の接合面に隙間無く接合されていることによってセンターライン42のズレが発生しない。ただし経年変化による木材含水率の減少や四季の移り変わりによる湿度、温度等の要因によりネック本体3の異常な反りやネジレ等が発生した場合にあっても、簡単にネック本体3を交換修理することが出来る。
【0079】
図31(c)または
図32(c)に示すようにボディ本体1とネック本体3との裏面の接続形状が意匠登録第1413739号のようなネック本体3のネック裏面3−Aの曲線形状とボディ本体1のネック差込み溝24裏面の曲面傾斜面46とが連接されるよう連続した滑らかな丸い曲線形状で曲面傾斜面46を形成した場合、手の動きが制限されることなくボディ本体1の前端部28付近に近いネック裏面3−Aを把持している指で無理なく1弦から6弦までの弦4を押さえることができるためナット部9側から指板エンド5−A側までスムーズな演奏が可能となるだけでなく、ボディ本体1の前端部28付近に近いネック裏面3−Aを把持している手の親指が指板エンド5−A側の高音域の演奏中にボディ本体1の前端部28またはボディ裏面45に形成したネジ穴43に当たらないように演奏することが出来る。さらに
図31または
図32あるいは
図33で示したネック差込み溝24裏面のボディデザイン形状以外にもデタッチャブルギターの様々なネック差込み溝24裏面のボディデザイン形状に加えて、セットネックギターやスルーネックギター等のような様々なネック差込み溝24裏面のボディデザイン形状を形成することが可能で、且つ必要最小限の連結ネジ44でネック接合部33をネック差込み溝24に固定することが出来る。そのためボディ本体1のネック差込み溝24裏面のボディデザイン形状は、様々なデザイン形状から選択可能となるとともに外観上の美観も兼備えたネック取付け構造を提供することができるため弦楽器の製造技術分野において有益である。
【0080】
ネック本体3のネック接合部33をボディ本体1のネック差込み溝24の下端部25まで差し込んで嵌合した場合、ボディ本体1のネック差込み溝24に形成されたボディ側両側面凹凸部47の接合面とネック本体3のネック接合部33に形成されたネック側両側面凹凸部53の接合面の形状による嵌合摩擦力が大きい。そのため連結ネジ44の強度を確保した上で、1mm〜3mm前後のネジ径の極力小さい一本の連結ネジ44でボディ本体1にネック本体3を固定することが可能で、且つネック差込み溝24裏面のボディデザイン形状に応じて複数本の連結ネジ44を使用してボディ本体1のネック差込み溝24にネック本体3のネック接合部33を固定することも可能である。また極力小さい連結ネジ44は、
図31、
図32、
図33で示したネック差込み溝24裏面のボディデザイン形状以外にも様々なネック差込み溝24裏面のボディデザイン形状のネジ穴43の上面から一本または複数本の連結ネジ44でボディ本体1のネック差込み溝24にネック本体3のネック接合部33を固定出来るとともに外観上の美観も兼備えたネック取付け構造を提供することができるため弦楽器の製造技術分野において有益である。この極力小さい連結ネジ44は1mm〜3mm前後のネジ径と示しているが、連結ネジ44の強度がある場合は、1mm以下のネジ径の連結ネジ44を使用することも可能である。上記で説明した極力小さい連結ネジ44を使用する場合、ボディ裏面45に形成したネジ穴43の形状を小さくすることが可能である。特にボディ裏面45に形成したネジ穴43の形状を目立たなくする効果があるとともにボディ裏面45の外観上の美観を兼備えた弦楽器を提供することが出来る。なおネック差込み溝24裏面のボディデザイン形状に応じてネジ穴43の形状数が形成され、ネジ穴43の形状数に応じてネック差込み溝24の底面26に形成された連結穴27の穿孔数あるいはネック接合部33の底面35のネック厚さ方向の途中深度位置まで開けた穿孔36に取付けられる埋め込みナット41の取付け数量等が決定されるため、ネジ穴43の形状数や連結穴27の穿孔数等は本発明を限定するものでない。
【0081】
図28(a)、(b)、(c)または
図29(a)、(b)、(c)あるいは
図31(a)、(b)、(c)に示すようにボディ裏面45に形成したネジ穴43の上面から1本の連結ネジ44をボディ厚さ方向にねじ込んでネック接合部33を固定した場合、1本の連結ネジ44で固定した周辺の隙間が密着している。しかしながら万が一経年変化による木材含水率の減少や四季の移り変わりによる湿度、温度等が原因でネック差込み溝24に形成した接合面とネック接合部33に形成した接合面との間に大きな隙間が発生した時は連結ネジ44の結合強度が低下するためネック差込み溝24を中心にネック本体3が1弦側または6弦側の左右いずれかに動いてしまうことによって、ネック差込み溝24とネック接合部33との間の隙間が変化してセンターライン42のズレが生じる恐れがある。そのためより安全性を高め、且つネック接合部33とネック差込み溝24全体の隙間をより密着させるために
図27(a)、(b)、(c)や
図30(a)、(b)、(c)または
図32(a)、(b)、(c)あるいは
図33に示すように2本以上の複数の連結ネジ44でネック接合部33をネック差込み溝24に固定した場合、ネック接合部33とネック差込み溝24全体の微小な隙間がより密着され、弦振動の伝達ロスが少なくなることで音の持続が長くなり、音量、音質等をさらに向上させる。ただし2本以上の複数の連結ネジ44でボディ本体1のネック差込み溝24にネック本体3のネック接合部33を固定した場合、連結ネジ44の本数が増えるほどネック接合部33とネック差込み溝24との連結強度は増して微小な隙間がより密着されるが、材質の種類によっては金属製の性質が音に影響を与えるために音質や音色等が硬質音になる場合がある。本発明においては、ネック本体3のネック接合部33をボディ本体1のネック差込み溝24の下端部25まで差し込んで、ボディ裏面45に形成した2箇所のネジ穴43の上面から2本の連結ネジ44をボディ厚さ方向にねじ込んでネック接合部33をネック差込み溝24に固定されているのが好ましいが、ボディ裏面45に形成した所定数のネジ穴43の上面から2本以上の複数の連結ネジ44でネック本体3のネック接合部33を固定することも可能である。またRoasted Wood(別名 サーモウット とも云う。また特殊加工処理によって木材に含まれるヤニ、木材含水率等が0%であるため湿度や気圧等の影響を受けない特殊な木材である。)やカーボン等の特殊な素材をネック本体3やボディ本体1に使用する場合には、経年変化による木材含水率の減少や四季の移り変わりによる湿度、温度等の要因による変化がないためボディ裏面45に形成した1箇所のネジ穴43の上面から1本の連結ネジ44をボディ厚さ方向にねじ込んでネック接合部33を固定する方法が望ましい。そのため材質の種類やネック差込み溝24裏面のボディデザイン形状等によって連結ネジ44の本数やボディ裏面45に形成したネジ穴43の形状数または位置等が異なるため連結ネジ44の本数やネジ穴43の形状数や位置等に関しては本発明を限定するものでない。
【0082】
ボディ本体1の構造には、
図35に示すようにトップ材1−Aとバック材1−Bを貼り合せた二層構造のエレキギター23を製作することが可能である。この二層構造を持ったボディ本体1の構造には、ソリッド型のドロップトップ構造やアーチトップ構造等だけでなく、ボディ本体1のトップ材1−Aとバック材1−Bを貼り合せた内側の部分には、トップ材1−Aとバック材1−Bを中空にくり抜いた構造やバック材1−Bだけ中空にくり抜いてトップ材1−Aを貼り合せた構造等を持ったエレクトロリック・アコースティックギターやセミホロー・ギター等と云われる構造を有した形状も本発明構造を使用して製作することが可能であり、更にボディ本体1は、一枚板や二層構造だけでなく、三層構造、四層構造など多層構造も可能であるため、本発明を限定するものではない。
【0083】
尚、ボディ本体1となるトップ材1−Aとバック材1−Bの材質は、木材や圧縮材、プラスチック等の樹脂、或いはセラミックや金属材料で作成することが可能であるため、本発明を限定するものではない。
【0084】
また、ボディ本体1の構造を何枚かの木材や樹脂等をサイド方向に並べて接着剤で接合して形成した一枚の木材や樹脂、或いは小さく切断された木材片を接着剤で貼り合わせて形成された板材で作製された二層構造、三層構造等の多層構造の木材、樹脂等で、本発明に係るエレキギター23のボディ本体1やネック本体3を作成することが可能であるため、本発明を限定するものではない。
【0085】
弦高の高いブリッジプレート20をボディ本体1の表面2に搭載して新規に製作するエレキギター23や弦高の低いブリッジプレート20から弦高の高いノントレモロ機構19のブリッジプレート20またはトレモロ機構を備えたブリッジプレート20に取り替えて改造する場合は、新しくネック本体3を製作する。
図37、
図38、
図39、
図40、
図41、
図42の側面図に示すようにネック本体3のネック接合部33のネック接合台33−Aの底面33−C、ネックエンド部3−B及び接合部34の破線は、弦高の低いブリッジプレート20を搭載したエレキギター23のネック本体3のネック接合部33の接合面の接合構造に接合角度の加工形成を有していない接合構造の接合面の位置を表している。ネック本体3のネック接合部33に接合角度を付けたネック接合部33の形状を形成する場合、
図37(a)、(b)、
図38(a)、(b)、
図39(a)、(b)、
図40(a)、(b)、
図41(a)、(b)及び
図42(a)、(b)に示すように2枚の板材を使用してネック接合部33をネック接合台33−Aとネック接合板33−Bとに分けて形成し、ネック接合台33−Aはネック本体1と一体で形成されている。このネック接合台33−Aは、ボディ本体1の表面2に取付けたブリッジプレート20の弦高の高さに応じてネック接合台33−Aの底面33−C、ネックエンド部3−B及び接合部34の接合面に接合角度を付けて形成している。さらにネック接合台33−Aは、ボディ本体1のネック差込み溝24の前端部28から下端部25までの長さと合致するように、接合部34からネックエンド部3−Bまで形成され、且つボディ本体1のネック差込み溝24の両側面に形成した突起部29と突起部30の接合面の幅と合致するようにネック本体3のネック接合台33−Aの両側面に側面溝部37と側面溝部38の接合面が形成されている。ネック接合板33−Bは、ネック接合台33−Aの接合部34からネックエンド部3−Bまでの長さと合致するように、前端部33−Dからネックエンド部33−Eまで形成され、且つボディ本体1のネック差込み溝24の両側面に形成した横溝31と横溝32の接合面の幅と合致するようにネック接合板33−Bの両側面に突起部39と突起部40の接合面が形成されている。このネック接合台33−Aの底面33−Cの接合面を形成すると接合部34側のネック接合台33−Aのネック厚み幅は短く形成され、ネックエンド部3−B側のネック接合台33−Aのネック厚み幅は長く形成されていることでネック接合台33−Aの底面33−C位置にネック接合板33−Bを接合するとネック接合部33に接合角度を付けて形成することが出来る。また接合部34とネックエンド部3−Bもブリッジプレート20の弦高の高さに応じて接合角度を付けて形成しないと、ネック接合部33をネック差込み溝24の下端部25までスムーズに平行移動して差込むことが出来ないため、必ずブリッジプレート20の弦高の高さに応じて接合部34とネックエンド部3−Bに接合角度を付けて形成しなければならない。なおネック接合板33−Bの表面59と底面35は直平面に形成されている。
【0086】
ネック接合台33−Aの底面33−C、ネックエンド部3−B、接合部34の接合面に接合角度を付けたネック接合台33−Aとネック接合板33−Bとの接合方法は、
図14〜
図19で説明したように、ネック接合板33−Bの底面35に形成した所定数のネジ穴58の上部から所定数の連結ネジ56をネック厚さ方向にねじ込んでネック接合台33−Aの底面33−Cに形成された穿孔55に埋め込んだ所定数の埋込みナット57に連結されると
図43(a)、(b)、
図44(a)、(b)、
図45(a)、(b)、
図46(a)、(b)、
図47(a)、(b)及び
図48(a)、(b)に示すように接合角度が付いた一体構造のネック本体3のネック接合部33を形成することが出来る。一体構造のネック接合部33を形成するとボディ本体1のネック差込み溝24の両側面に形成した横溝31と突起部29の側面凹凸部と横溝32と突起部30の側面凹凸部とが、それぞれ合致するようにネック本体3のネック接合部33の両側面に形成した側面溝部37と突起部39の側面凹凸部と側面溝部38と突起部40の側面凹凸部が形成され、且つネック接合台33−Aの底面33−C位置にネック接合板33−Bが所定数の連結ネジ56で固定されると所定数の連結ネジ56の頭がネック接合板33−Bの底面35に形成した所定数のネジ穴58に埋め込まれる。
図37〜
図48で説明した以外のネック接合台33−Aとネック接合板33−Bとの構成については
図14〜
図19で説明した内容と同じである。なお
図37に示す側面図は
図7、
図38に示す側面図は
図8、
図39に示す側面図は
図9、
図40に示す側面図は
図10、
図41に示す側面図は
図11、
図42に示す側面図は
図12を示し、接合角度を付けたネック接合台33−Aとネック接合板33−Bとのそれぞれの形状を表している。また
図43に示す図は
図7、
図44に示す図は
図8、
図45に示す図は
図9、
図46に示す図は
図10、
図47に示す図は
図11、
図48に示す図は
図12の形状図を示し、この形状図はネック接合台33−Aとネック接合板33−Bとを所定数の連結ネジ56で接合したそれぞれのネック接合部33の形状を表している。
【0087】
弦高の高い位置に弦4を係止するノントレモロ機構19のブリッジプレート20やトレモロ機構を備えたブリッジプレート20をボディ本体1の表面2に搭載する場合には、
図49(a)、(b)または
図49(c)の断面図に示すようにネック差込み溝24の下端部25周辺から前端部28までボディ本体1の一部の表面2を傾斜面に加工形成している。この傾斜面に加工形成したボディ本体1の一部の表面2は、ブリッジプレート20の弦高の高さに応じて接合角度を付けて形成する。またネック差込み溝24の下端部25周辺から前端部28までボディ本体1の一部の表面2を傾斜面に加工形成すると、
図43〜
図48に示す接合角度を有したネック接合部33をネック差込み溝24の下端部25までスムーズに平行移動しながら差込むことが出来る。なお
図49(c)は、
図50におけるD−D線の断面図である。
【0088】
図43、
図44、
図45、
図46、
図47及び
図48に示す接合角度を有したネック本体3のネック接合部33を
図49(a)、(b)、(c)に示すボディ本体1の一部の表面2を傾斜面に加工形成したボディ本体1のネック差込み溝24の下端部25まで嵌合する場合、
図51(a)、(b)、(c)の嵌合方法に示すようにネック本体3のネック接合部33をボディ本体1のネック差込み溝24の下端部25まで平行移動しながら差し込んで嵌合する。するとボディ本体1のネック差込み溝24に形成したボディ側両側面凹凸部47の接合面とネック本体3のネック接合部33に形成したネック側両側面凹凸部53の接合面の形状が隙間無く嵌合されるとネック接合部33の接合部34の接合面がボディ本体1の前端部28の接合面に接合される。ネック本体3のネック接合部33とボディ本体1のネック差込み溝24とが接合されると弦高の高いノントレモロ機構19のブリッジプレート20やトレモロ機構を備えたブリッジプレート20に対応することが出来るため、
図52の側面図に示すようにネック本体3とボディ本体1の接合構造に接合角度を付けたエレキギター23の製作をすることが出来る。また接合角度が付いたネック接合部33をボディ本体1のネック差込み溝24の下端部25まで嵌合した場合、
図26(a)、(b)、(c)、(d)で説明した4種類の嵌合方法が出来る。この
図26(b)、(c)、(d)の断面図に示す指板5の一部の底面5−Bの接合面とボディ本体1の一部の表面2の接合面との接合またはネック底部50とネック底部51の接合面とボディ本体1の一部の表面2の接合面との接合は、
図52の側面図に示すように傾斜をしながら平行に接合される。また
図26(a)の断面図に示す指板5の一部の底面5−Bの接合面は、ボディ本体1のネック差込み溝24周辺の一部の表面2に接合されないが、ネック本体3のネック接合部33がボディ本体1のネック差込み溝24に接合されると
図52の側面図のように接合角度を付けた接合構造を形成することが出来る。
【0089】
また
図52の側面図に示すようにネック本体3とボディ本体1の接合構造に接合角度を付けたエレキギター23は、ボディ本体1の表面2に取付けられたブリッジプレート20からネック本体3のヘッド部7の糸巻装置8まで弦4が係止されて、ブリッジプレート20からナット部9まで徐々に傾斜をしながら弦4が張られ、指板5の表面やフレット6等の上面位置からほぼ一定の高さで弦4が張られている。ただし弦高の低いブリッジプレート20から弦高の高いブリッジプレート20に改造する場合、ボディ本体1のネック差込み溝24周辺の一部の表面2の塗装面は、
図49(a)、(b)、(c)に示すように下端部25周辺から前端部28まで傾斜面を付けて形成するため、形成した箇所の塗装面が削られてしまう。そのためタッチアップ塗装または全ての塗装面を削り落として再度塗装する方法等が求められる。
【0090】
図43、
図44、
図45、
図46、
図47及び
図48に示す接合角度を有したネック本体3のネック接合部33を
図49(a)、(b)、(c)に示すボディ本体1のネック差込み溝24に嵌合した後、
図27、
図28、
図29及び
図30で説明したようにボディ裏面45に形成した所定数のネジ穴43の上部から連結ネジ44をボディ厚さ方向にねじ込んでネック接合部33の底面35に形成した所定数の穿孔36に埋め込んだ埋込みナット41またはネック接合部33のネック接合板33−Bの底面35に形成した所定数の穿孔36の内側の側壁に形成した雌螺子36−Aに連結されるとネック接合部33をネック差込み溝24に固定することが出来る。
【0091】
本実施例のエレキギター23の材質の説明を木材で行ったが、現在エレキギター23の材質には、木材、圧縮材、合成樹脂、カーボン、アルミ等の金属、セラミック等の素材で作成されているため、材質を木材に限定するものではない。
【0092】
図2(a)に示すボディ本体1のネック差込み溝24の形状は、舌状形状をしている。同様に
図7〜
図12に示すネック本体3のネック接合部33の形状も舌状形状をしている。
図2(a)及び
図7〜
図12においては舌状形状として表しているが、
図53に示すようにボディ本体1のネック差込み溝24の下端部25の形状を変更することにより、舌形状を変更することが可能である。そのためボディ本体1のネック差込み溝24の形状とネック本体3のネック接合部33の形状に関しては本発明を限定するものではない。なおネック差込み溝24の下端部25の形状に応じてネック本体3のネック接合部33のネックエンド部3−Bと指板エンド5−Aが形成されるのが好ましい。
【0093】
ヘッド部7のヘッド角度には、2種類ありその説明をする。1種類目のヘッド角度は、
図54(a)に示すように、ネック本体3のヘッド部7にヘッド角度なしのネック本体3を形成することが出来る。このネック本体3の内部には、金属製のトラスロッドがネックエンド部3−Bからネック本体3の途中長さ位置まで埋め込まれ、
図54(b)に示すように金属製のトラスロッドは、ネックエンド部3−B側からマイナスレンチまたはヘックスレンチ等(トラスナットの種類によって工具が異なる。)をトラスナット48に差し込んで左右どちらかに回して調整する方法が用いられる。2種類目のヘッド角度は、
図54(c)に示すようにネック本体3のヘッド部7にヘッド角度付きのネック本体3を形成することが出来る。このネック本体3の内部には、金属製のトラスロッドがヘッド部7のナッド溝52からネック本体3の途中長さ位置まで埋め込まれている。この金属製のトラスロッドは、
図54(d)に示すようにヘッド部7のナット溝52からロッドレンチまたはヘックスレンチ等(トラスナットの種類によって工具が異なる。)をトラスナット49に差し込んで左右どちらかに回して調整する方法が用いられる。ヘッド部7の形状を形成する場合、ヘッド角度なしまたはヘッド角度付きの内どちらかを選択し、ヘッド部7の様々なデザイン形状の図面を設計してヘッド部7を形成することが可能なためネック本体3のヘッド部7のデザインの幅が広がるため弦楽器の製造分野において有益である。なおトラスロッドの種類には様々なタイプのモデルがあり、さらにトラスナットの種類も様々なタイプのモデルがあるため本発明を限定するものでない。
【0094】
本発明のボディ本体1とネック本体3は別々に加工、形成、塗装等を施した後、ネック本体3のヘッド部7に糸巻装置8を取付け、ボディ本体1には、フロントピックアップ形状16、センターピックアップ形状17、リアピックアップ形状18のそれぞれに嵌合するピックアップ装置15とピックアップセレクタースイッチ11及びアンプ出力ポート21等の電気部品を取付けた後、配線材と半田を使用して各電気部品の端子を所定の電気回路に基づき配線される。
【0095】
その後でボディ本体1にノントレモロ機構19のブリッジプレート20を取付け、このブリッジプレート20からヘッド部7の糸巻装置8にかけて弦4を係止した後、各種調整、音出し後、エレキギター23が完成となる。
【0096】
また、ノントレモロ機構19のブリッジプレート20だけでなくトレモロ機構を備えたブリッジプレート20を取付けることも可能である。さらにブリッジプレート20及び電気部品等の様々な部品に関しては多くの市販された製品から選択し組み込むことが可能であり本発明を限定するものではない。またフロントピックアップ形状16、センターピックアップ形状17、リアピックアップ形状18は、ボディ本体1のデザイン形状やボディ本体1とネック本体3等の材質等に応じて形成されるため本発明を限定するものでない。
【0097】
また、本発明を用いてエレキギター23を製作する場合、ネック本体3の指板5のナット溝に接着剤または連結ネジで取付けられるナット部9には、牛骨ナットやカーボンナット等、様々な異なる多種多様の製品から選択することが可能であり、ナット部9を取付ける箇所の指板5の加工、形成、及び指板5に取付けるナット部9の加工、形成に関しては選択した製品により異なるため本発明を限定するものではない。
【0098】
以上、本実施例に係るエレキギターの構成は、気候の影響や経年変化等によるネック本体とボディ本体との接合部に生じる緩み等によって発生するセンターズレを防止し、ネック接合部をボディ本体のネック差込み溝に差込んで嵌合した後のセンターズレのメンテナンスが不要である。またボディ本体のネック差込み溝に形成したボディ側両側面凹凸部とが合致するようにネック接合部にネック側両側面凹凸部を形成し嵌合することで、必要最少限に定めた所定数の連結ネジで固定しても十分な結合強度を実現しネック本体とボディ本体とを確実に一体化することができる。
【0099】
また、ボディ本体のネック差込み溝の裏面のボディデザイン形状は、様々な形状に加工することが可能であり、ネック差込み溝とネック接合部とが正確な嵌め合い構造により隙間無く嵌合されることで共振特性が向上し、弦振動、音質等も改善することが可能で、且つネック接合部のネック接合板の材質、連結ネジの材質、埋込みナットの材質の種類を選択することで音質や音色等を選択することが出来るエレキギターを提供することができる。