特許第6820850号(P6820850)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6820850無線通信システムにおいてPDCPリオーダリングタイマーを再設定する方法及びその装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6820850
(24)【登録日】2021年1月7日
(45)【発行日】2021年1月27日
(54)【発明の名称】無線通信システムにおいてPDCPリオーダリングタイマーを再設定する方法及びその装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/04 20090101AFI20210114BHJP
   H04W 80/02 20090101ALI20210114BHJP
【FI】
   H04W28/04
   H04W80/02
【請求項の数】14
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2017-532104(P2017-532104)
(86)(22)【出願日】2015年7月27日
(65)【公表番号】特表2018-507578(P2018-507578A)
(43)【公表日】2018年3月15日
(86)【国際出願番号】KR2015007808
(87)【国際公開番号】WO2016098982
(87)【国際公開日】20160623
【審査請求日】2018年7月26日
(31)【優先権主張番号】62/093,408
(32)【優先日】2014年12月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】イ ソンチュン
(72)【発明者】
【氏名】リ スンヨン
【審査官】 横田 有光
(56)【参考文献】
【文献】 LG Electronics Inc.,Introduction of Dual Connectivity in PDCP[online],3GPP TSG-RAN WG2 #88 R2-145412,2014年11月28日,[検索日2019.06.26], インターネット<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_88/Docs/R2-145412.zip>, 5.1.2.1.4.1節, 5.1.2.1.4.2節, 7.1節, 7.2節
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおいて受信機(UE)が動作する方法であって、
リオーダリングタイマーを開始する段階と、
前記リオーダリングタイマーを新しい値に設定するためのRRC(Radio Resource Control)メッセージを受信する段階と、
前記リオーダリングタイマーが動作している間前記RRCメッセージ受信されることに基づいて、
前記動作しているリオーダリングタイマーを停止する段階と
前記リオーダリングタイマーを前記新しい値に再設定する段階と
前記リオーダリングタイマーを再開する段階と、 前記リオーダリングタイマーに関連する値を、受信することが予想される次のサービスデータユニット(SDU)の第1カウント(COUNT)値を示す値に設定する段階とを含む、方法。
【請求項2】
第2カウント(COUNT)値のアウトオブオーダープロトコールデータユニット(PDU)が下位層から受信されることに基づいて、前記リオーダリングタイマーが開始する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2カウント値のアウトオブオーダーPDUが前記下位層から受信されることに基づいて、前記第1カウント値を示す値は、前記第2カウント値+1に更新される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記リオーダリングタイマーと関連した値は、前記リオーダリングタイマーをトリガーしたPDUと関連したカウント値に続くカウントの値である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記新しい値が前記リオーダリングタイマーに利用されることを示すメッセージを受信する段階をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記リオーダリングタイマーは、
前記リオーダリングタイマーと関連したリオーダリングバッファに格納された複数のSDUのカウント値の中の最も大きいカウント値でSDUに対する前記新しい値で再開する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記リオーダリングタイマーはパケットデータコンバージェンスプロトコール(PDCP)エンティティに設定される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
無線通信システムで動作する受信機(UE)であって、
無線周波数(RF)モジュールと、
前記RFモジュールと動作的に結合するプロセッサと
を含み、
前記プロセッサは、
リオーダリングタイマーを開始し、
前記リオーダリングタイマーを新しい値に設定するためのRRC(Radio Resource Control)メッセージを受信し、
前記リオーダリングタイマーが動作している間前記RRCメッセージを受信されることに基づいて、
前記動作しているリオーダリングタイマーを停止し、
前記リオーダリングタイマーを前記新しい値に再設定し、
前記リオーダリングタイマーを再開し、
前記リオーダリングタイマーに関連する値を、受信することが予想される次のサービスデータユニット(SDU)の第1カウント(COUNT)値を示す値に設定するように構成された、受信機(UE)。
【請求項9】
第2カウント(COUNT)値のアウトオブオーダープロトコールデータユニット(PDU)が下位層から受信されることに基づいて、前記リオーダリングタイマーが開始する、請求項8に記載の受信機(UE)。
【請求項10】
前記第2カウント値のアウトオブオーダーPDUが前記下位層から受信されることに基づいて、前記第1カウント値を示す値は、前記第2カウント値+1に更新される、請求項9に記載の受信機(UE)。
【請求項11】
前記リオーダリングタイマーに関連する値は、前記リオーダリングタイマーをトリガーしたPDUと関連したカウント値に続くカウントの値である、請求項9に記載の受信機(UE)。
【請求項12】
前記新しい値が前記リオーダリングタイマーに利用されることを示すメッセージを受信する段階をさらに含む、請求項8に記載の受信機(UE)。
【請求項13】
前記リオーダリングタイマーは、
前記リオーダリングタイマーと関連したリオーダリングバッファに格納された複数のSDUのカウント値の中の最も大きいカウント値でSDUに対する前記新しい値で再開する、請求項8に記載の受信機(UE)。
【請求項14】
前記リオーダリングタイマーはパケットデータコンバージェンスプロトコール(PDCP)エンティティに設定される、請求項8に記載の受信機(UE)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線通信システムに関するもので、特に、無線通信システムにおいてPDCPリオーダリングタイマーを再設定する方法及びその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明を適用できる無線通信システムの一例として、3GPP LTE(3rd Generation Partnership Project Long Term Evolution;以下、「LTE」という)通信システムについて概略的に説明する。
【0003】
図1は、無線通信システムの一例として、E―UMTS網の構造を概略的に示した図である。E―UMTS(Evolved Universal Mobile Telecommunications System)は、既存のUMTS(Universal Mobile Telecommunications System)から進化したシステムであって、現在、3GPPで基礎的な標準化作業を進めている。一般に、E―UMTSは、LTE(Long Term Evolution)システムと称することもできる。UMTS及びE―UMTSの技術規格(technical specification)の詳細な内容は、それぞれ「3rd Generation Partnership Project;Technical Specification Group Radio Access Network」のRelease 7とRelease 8を参照することができる。
【0004】
図1を参照すると、E―UMTSは、端末(User Equipment;UE)、基地局(eNode B;eNB)、及びネットワーク(E―UTRAN)の終端に位置し、外部ネットワークと接続される接続ゲートウェイ(Access Gateway;AG)を含む。基地局は、ブロードキャストサービス、マルチキャストサービス及び/又はユニキャストサービスのために多重データストリームを同時に送信することができる。 一つの基地局には一つ以上のセルが存在する。セルは、1.25Mhz、2.5Mhz、5Mhz、10Mhz、15Mhz、20Mhzなどの帯域幅のうち一つに設定され、多くの端末にダウンリンク又はアップリンク送信サービスを提供する。互いに異なるセルは、互いに異なる帯域幅を提供するように設定することができる。基地局は、多数の端末に対するデータ送受信を制御する。ダウンリンク(Downlink;DL)データに対して、基地局は、ダウンリンクスケジューリング情報を送信し、該当端末にデータが送信される時間/周波数領域、符号化、データサイズ、HARQ(Hybrid Automatic Repeat and reQuest)関連情報などを知らせる。また、アップリンク(Uplink;UL)データに対して、基地局は、アップリンクスケジューリング情報を該当端末に送信し、該当端末が使用可能な時間/周波数領域、符号化、データサイズ、HARQ関連情報などを知らせる。各基地局間には、ユーザトラフィック又は制御トラフィックの送信のためのインターフェースを使用することができる。核心網(Core Network;CN)は、AG及び端末のユーザ登録などのためのネットワークノードなどで構成することができる。AGは、複数のセルで構成されるTA(Tracking Area)単位で端末の移動性を管理する。
【0005】
無線通信技術はWCDMA(wideband code division multiple access)に基づいてLTEに開発されて来たが、使用者及びサービス提供者の要求及び期待は増加している。また、他の無線アクセス技術がずっと開発されているので、今後競争力を有するためには、新しい技術進化が要求される。ビット当たりコスト減少、サービス可用性増大、融通性ある周波数帯域の使用、単純な構造、開放型インターフェース、端末の適切なパワー消耗などが要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、基地局が端末内に設定されたPDCPリオーダリングタイマーの値を再設定する場合、無線通信システムでPDCPリオーダリングタイマーを新たな値に再設定する方法及び装置を提供することである。本発明で達成しようとする技術的課題は以上で言及した技術的課題に制限されず、言及しなかった他の技術的課題は下記の記載から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明らかに理解可能であろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、無線通信システムにおいて端末が動作する方法であって、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)リオーダリングタイマーを開始する段階と、新たな値がPDCPリオーダリングタイマーに用いられることを示すRRC(Radio Resource Control)メッセージを受信する段階と、新たな値を有するPDCPリオーダリングタイマーを再開する段階と、新たな値を有するPDCPリオーダリングタイマーが再開する時、reordering_PDCP_RX_COUNTをRX_HFN及びNext_PDCP_RX_SNに関連したCOUNT値に設定する段階を含む方法を提供することによって達成可能である。
【0008】
本発明の他の態様において、無線通信システムで動作する端末であって、無線周波数(RF)ユニットと、RFユニットを制御するように構成されるプロセッサを含み、前記プロセッサは、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)リオーダリングタイマーを開始し、新たな値がPDCPリオーダリングタイマーに用いられることを示すRRC(Radio Resource Control)メッセージを受信し、新たな値を有するPDCPリオーダリングタイマーを再開し、新たな値を有するPDCPリオーダリングタイマーが再開する時、reordering_PDCP_RX_COUNTをRX_HFN及びNext_PDCP_RX_SNに関連したCOUNT値に設定するように構成される端末を提供する。
【0009】
好ましくは、前記reordering_PDCP_RX_COUNTはPDCPリオーダリング機能を使うときにだけ使い、前記reordering_PDCP_RX_COUNTの値はPDCPリオーダリングタイマーをトリガーしたPDCP PDU(Protocol Data Unit)に関連した値に従うCOUNTの値である。
【0010】
好ましくは、前記RX_HFNの変数はPDCPエンティティのための受信されたPDCP PDUに使うCOUNT値の生成のためのHFN(Hyper Frame Number)値を示す。
【0011】
好ましくは、前記Next_PDCP_RX_SNの変数はPDCPエンティティのための受信機による次の予想PDCP SN(Sequence number)を示す。
【0012】
好ましくは、前記reordering_PDCP_RX_COUNTをRX_HFN及びNext_PDCP_RX_SNに関連したCOUNT値に設定する段階は、リオーダリングバッファに保存されたPDCP SDUのうち最高のCOUNT値を有するPDCP SDU(Service Data Unit)に対する新たな値を有する前記PDCPリオーダリングタイマーを再開することに対応する。
【0013】
好ましくは、PDCPリオーダリングタイマーが実行中に前記RRCが受信されれば、前記実行中のPDCPリオーダリングタイマーを中断する。
【0014】
上述した一般的な説明と次の本発明の詳細な説明は例示的に説明するためのもので、本発明の追加の説明を提供するためのものであることを理解しなければならない。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、基地局が端末内に設定されたPDCPリオーダリングタイマーの値を再設定する場合、無線通信システムでPDCPリオーダリングタイマーが新たな値に効率的に再設定されることができる。本発明で得られる効果は以上で言及した効果に制限されず、言及しなかった他の効果は下記の記載から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明らかに理解可能であろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の追加説明を提供するために本明細書の一部として含まれる添付図面は本発明の多様な実施形態を示し、本発明の説明とともに本発明の原理を説明するためのものである。
図1】無線通信システムの例としてE−UMTS(Evolved Universal Mobile Telecommunications System)のネットワーク構造を示す図である。
図2A】はE−UMTSのネットワーク構造を示すブロック図である。
図2B】典型的なE−UTRAN及び典型的なEPCのアーキテクチャーを示すブロック図である。
図3】3GPP(3rd generation partnership project)無線アクセスネットワーク標準に基づいて端末及びE−UTRANの間の無線インターフェースプロトコルの制御平面及び使用者平面を示す図である。
図4】E−UMTSシステムで使われる例示的な物理チャネル構造を示す図である。
図5】本発明の実施例による通信装置のブロック図である。
図6】下りリンクのためのLTEプロトコルアーキテクチャーの一般概要を示す図である。
図7】PDCPエンティティアーキテクチャーの概念図である。
図8】PDCPエンティティの機能を示す概念図である。
図9A】制御平面SRBに対するデータを伝達するPDCPデータPDUのフォーマットを示す図である。
図9B】12ビットのSN長さが使われるときのPDCPデータPDUのフォーマットを示す図である。
図9C】7ビットのSN長さが使われるときのPDCPデータPDUのフォーマットを示す図である。
図9D】一つの散在(interspersed)ROHCフィードバックパケットを伝達するPDCP制御PDUのフォーマットを示す図である。
図9E】12ビットのSN長さが使われるとき、一つのPDCP状態報告を伝達するPDCP制御PDUのフォーマットを示す図である。
図9F】15ビットのSN長さが使われるとき、一つのPDCP状態報告を伝達するPDCP制御PDUのフォーマットを示す図である。
図10】本発明の実施例によるPDCPリオーダリングタイマーの再設定を示す図である。
図11】本発明の実施例によってPDCPリオーダリングタイマーを再設定する例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
UMTS(Universal Mobile Telecommunication System)は、ヨーロッパシステム、GSM(Global system for mobile communication)、及びGPRS(General Packet Radio Service)を基盤とするWCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)で動作する3世代(3rd Generation、3G)非対称移動通信システムである。UMTSのLTE(Long―Term Evolution)は、UMTSを規格化する3GPPによって議論中にある。
【0018】
3GPP LTEは、高速パケット通信を可能にする技術である。ユーザ及び提供者の費用を減少させ、サービス品質を改善し、カバレッジ(coverage)及びシステム容量を拡張及び改善することを目的とするLTE課題のための多くの方法が提案された。3G LTEは、上位―レベル要求であって、ビット(bit)当たりの費用減少、増加したサービス可用性、周波数帯域の柔軟性、単純な構造、開放型インターフェース、及び端末の適切な電力消耗を要求する。
【0019】
以下で、添付の図面を参照して説明した本発明の各実施例により、本発明の構成、作用及び他の特徴が容易に理解され得るだろう。以下で説明する各実施例は、本発明の技術的特徴が3GPPシステムに適用された各例である。
【0020】
本明細書は、LTEシステム及びLTE―Aシステムを用いて本発明の各実施例を説明するが、これは例示に過ぎない。したがって、本発明の各実施例は、前記定義に該当するいずれの通信システムにも適用することができる。また、本明細書は、FDD方式を基準にして本発明の実施例に対して説明するが、これは例示であって、本発明の実施例は、H―FDD方式又はTDD方式にも容易に変形して適用することができる。
【0021】
図2Aは、E―UTRAN(Evolved―Universal Terrestrial Radio Access Network)網構造を示すブロック図である。E―UMTSは、LTEシステムと称することもできる。通信網は、IMS及びパケットデータを通じたVoIP(Voice over IP)などの多様なサービスを提供するために広く配置される。
【0022】
図2Aに示したように、E―UMTS網は、E―UTRAN(evolved UMTS terrestrial radio access network)、EPC(Evolved Packet Core)、及び一つ以上の端末を含む。E―UTRANは、一つ以上のeNB(evolved NodeB)20を含むことができ、複数の端末10が一つのセルに位置することができる。一つ以上のE―UTRAN MME(Mobility Management Entity)/SAE(System Architecture Evolution)ゲートウェイ30は、ネットワークの終端に位置し、外部ネットワークに接続することもできる。
【0023】
本明細書において、「ダウンリンク(downlink)」は、eNB20から端末10への通信を称し、「アップリンク(uplink)」は、端末10からeNB20への通信を称する。端末10は、ユーザによって運搬される通信装置を称し、また、移動局(Mobile Station、MS)、ユーザ端末(User Terminal、UT)、加入者ステーション(Subscriber Station、SS)又は無線デバイスと称することもできる。
【0024】
図2Bは、一般的なE―UTRANと一般的なEPCの構造を示すブロック図である。
【0025】
図2Bに示したように、eNB20は、ユーザ平面及び制御平面のエンドポイント(end point)をUE10に提供する。MME/SAEゲートウェイ30は、セッション及び移動性管理機能のエンドポイントをUE10に提供する。eNB20及びMME/SAEゲートウェイ30は、S1インターフェースを介して接続することができる。
【0026】
eNB20は、一般にUE10と通信する固定局であって、基地局(BS)又はアクセスポイント(access point)と称することもある。一つのeNB20はセルごとに配置することができる。ユーザトラフィック又は制御トラフィックを送信するためのインターフェースをeNB20間で使用することができる。
【0027】
MMEは、eNB20に対するNASシグナリング、NASシグナリング保安、AS保安制御、3GPP接続ネットワーク間の移動性のためのインター(inter)CNノードシグナリング、(ページング再送信の制御及び実行を含む)遊休モード(idle mode)UE接近性(Reachability)、(遊休モード及び活性モード(active mode)のUEのための)トラッキング領域リスト管理、PDN GW及びサービングGW選択、MME変化が伴うハンドオーバーのためのMME選択、2G又は3G 3GPP接続ネットワークへのハンドオーバーのためのSGSN選択、ローミング、認証、専用ベアラ設定を含むベアラ管理、(ETWS及びCMASを含む)PWSメッセージ送信のためのサポートを含む多様な機能を行う。SAEゲートウェイホストは、パー―ユーザ(Per―user)ベースのパケットフィルタリング(例えば、深層パケット検査を使用)、適法なインターセプション(Lawful Interception)、UE IPアドレス割り当て、ダウンリンクでの送信(Transport)レベルパケットマーキング、UL及びDLサービスレベル課金、ゲーティング及びレート強化、APN―AMBRに基づいたDLレート強化を含む多様な機能を提供する。MME/SAEゲートウェイ30は、明確性のために、本明細書で単純に「ゲートウェイ」と称する。しかし、MME/SAEゲートウェイ30は、MME及びSAEゲートウェイの両者を全て含む。
【0028】
複数のノードは、eNB20とゲートウェイ30との間でS1インターフェースを介して接続することができる。各eNB20は、X2インターフェースを介して相互接続することができ、各隣接eNBは、X2インターフェースを有するメッシュネットワーク構造(meshed network structure)を有することができる。
【0029】
図2Bに示したように、eNB20は、ゲートウェイ30に対する選択、無線リソース制御(Radio Resource Control、RRC)活性化の間、ゲートウェイに向かうルーティング、ページングメッセージのスケジューリング及び送信、ブロードキャストチャネル(BCCH)情報のスケジューリング及び送信、アップリンク及びダウンリンクの全てにおける各UE10のための動的リソース割り当て、eNB測定の構成及び準備、無線ベアラ制御、無線承認制御(Radio Admission Control、RAC)、及びLTE_ACTIVE状態での接続移動性制御などの各機能を行うことができる。EPCにおいて、ゲートウェイ30は、ページング発信、LTE_IDLE状態管理、ユーザ平面暗号化、システム構造エボリューション(System Architecture Evolution、SAE)ベアラ制御、及び非―接続層(Non―Access Stratum、NAS)シグナリングの暗号化及び無欠性保護などの各機能を行うことができる。
【0030】
EPCは、移動性管理エンティティ(Mobility Management Entity、MME)、サービング―ゲートウェイ(serving―gateway、S―GW)、及びパケットデータネットワーク―ゲートウェイ(Packet Data Network―Gateway、PDN―GW)を含む。MMEは、主に各端末の移動性を管理する目的で用いられる接続及び可用性に対する情報を有する。S―GWは、E―UTRANを終端点として有するゲートウェイで、PDN―GWは、パケットデータネットワーク(PDN)を終端点として有するゲートウェイである。
【0031】
図3は、3GPP無線接続網規格を基盤とした端末とE―UTRANとの間の無線インターフェースプロトコルの制御平面及びユーザ平面の構造を示す図である。制御平面は、端末(User Equipment;UE)とネットワークがコールを管理するために用いる各制御メッセージが送信される通路を意味する。ユーザ平面は、アプリケーション層で生成されたデータ、例えば、音声データ又はインターネットパケットデータなどが送信される通路を意味する。
【0032】
第1層である物理層は、物理チャネル(Physical Channel)を用いて上位層に情報送信サービス(Information Transfer Service)を提供する。物理層は、上位にある媒体接続制御(Medium Access Control)層とは送信チャネル(Transport Channel)を介して接続されている。前記送信チャネルを介して媒体接続制御層と物理層との間にデータが移動する。送信側と受信側の物理層間には、物理チャネルを介してデータが移動する。前記物理チャネルは、時間と周波数を無線リソースとして活用する。具体的には、物理チャネルは、ダウンリンクでOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)方式で変調され、アップリンクでSC―FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)方式で変調される。
【0033】
第2層の媒体接続制御(Medium Access Control;MAC)層は、論理チャネル(Logical Channel)を介して上位層である無線リンク制御(Radio Link Control;RLC)層にサービスを提供する。第2層のRLC層は、信頼性のあるデータ送信をサポートする。RLC層の機能は、MAC内部の機能ブロックで具現することもできる。第2層のPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層は、帯域幅の狭い無線インターフェースでIPバージョン4(IP version 4、IPv4)パケットやIPバージョン6(IPv6)パケットのようなIP(internet protocol)パケットを効率的に送信するために不必要な制御情報を減少させるヘッダー圧縮(Header Compression)機能を行う。
【0034】
第3層の最下部に位置した無線リソース制御(Radio Resource Control;RRC)層は、制御平面のみで定義される。RRC層は、各無線ベアラ(Radio Bearer;RB)の設定(Configuration)、再設定(Re―configuration)及び解除(Release)と関連して論理チャネル、送信チャネル及び物理チャネルの制御を担当する。RBは、端末とネットワークとの間のデータ伝達のために第2層によって提供されるサービスを意味する。このために、端末とネットワークのRRC層は、互いにRRCメッセージを交換する。
【0035】
eNBの一つのセルは、1.25MHz、2.5MHz、5MHz、10MHz、15MHz及び20MHzなどの各帯域のうち一つで動作するように設定することができ、帯域でダウンリンク又はアップリンク送信サービスを提供するように設定することができる。異なる各セルは、異なる各帯域を提供するように設定することもできる。
【0036】
E―UTRANから端末への送信のためのダウンリンク送信チャネル(Downlink transport Channel)は、システム情報を送信するBCH(Broadcast Channel)、各ページングメッセージを送信するPCH(Paging Channel)、及びユーザトラフィック又は各制御メッセージを送信するためのダウンリンク共有チャネル(Shared Channel、SCH)を含む。ダウンリンクマルチキャスト又はブロードキャストサービスのトラフィック又は制御メッセージの場合、ダウンリンクSCHを介して送信することもでき、又は別途のダウンリンクMCH(Multicast Channel)を介して送信することもできる。
【0037】
端末からネットワークにデータを送信するアップリンク送信チャネルとしては、初期制御メッセージを送信するRACH(Random Access Channel)と、その他にユーザトラフィックや制御メッセージを送信するアップリンクSCH(Shared Channel)とがある。送信チャネルの上位にあり、送信チャネルにマップされる論理チャネルとしては、BCCH(Broadcast Control Channel)、PCCH(Paging Control Channel)、CCCH(Common Control Channel)、MCCH(Multicast Control Channel)、及びMTCH(Multicast Traffic Channel)などがある。
【0038】
図4は、E―UMTSシステムで使用する物理チャネル構造の一例を示した図である。物理チャネルは、時間軸上にある多数のサブフレームと、周波数軸上にある多数のサブキャリア(Sub―carrier)とで構成される。ここで、一つのサブフレーム(Sub―frame)は、時間軸上に複数のシンボル(Symbol)で構成される。一つのサブフレームは、複数のリソースブロック(Resource Block)で構成され、一つのリソースブロックは、複数のシンボル及び複数のサブキャリアで構成される。また、各サブフレームは、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、すなわち、L1/L2制御チャネルのために該当サブフレームの特定シンボル(例えば、1番目のシンボル)の特定サブキャリアを用いることができる。図4には、L1/L2制御情報送信領域(PDCCH)とデータ領域(PDSCH)を示した。一実施例において、10msの無線フレーム(radio frame)が使用され、一つの無線フレームは10個のサブフレーム(subframe)で構成される。また、一つのサブフレームは二つの連続するスロットで構成される。一つのスロットの長さは0.5msである。また、一つのサブフレームは多数のOFDMシンボルで構成され、多数のOFDMシンボルのうち一部のシンボル(例えば、1番目のシンボル)は、L1/L2制御情報を送信するために使用することができる。データ送信のための時間単位である送信時間間隔(Transmission Time Interval、TTI)は1msである。
【0039】
基地局と端末は、一般に特定制御信号又は特定サービスデータを除いては、送信チャネルであるDL―SCHを用いる物理チャネルであるPDSCHを介してデータを送信/受信する。PDSCHのデータがいずれの端末(一つ又は複数の端末)に送信されるもので、前記各端末がどのようにPDSCHデータを受信してデコード(decoding)しなければならないかに対する情報などは、PDCCHに含まれて送信される。
【0040】
例えば、特定PDCCHが「A」というRNTI(Radio Network Temporary Identity)でCRCマスク(masking)されており、「B」という無線リソース(例えば、周波数位置)及び「C」という送信形式情報(例えば、送信ブロックサイズ、変調方式、コーディング情報など)を用いて送信されるデータに関する情報が特定サブフレームを通じて送信されると仮定する。この場合、セル内の端末は、自身が有しているRNTI情報を用いてPDCCHをモニタし、「A」RNTIを有している一つ以上の端末があると、前記各端末はPDCCHを受信し、受信したPDCCHの情報を通じて「B」と「C」によって指示されるPDSCHを受信する。
【0041】
図5は、本発明の実施例に係る通信装置のブロック図である。
【0042】
図5に示された装置は、上述したメカニズムを行うように適応されたユーザ装置(User Equipment、UE)及び/又はeNBであってもよいが、同じ作業を行う任意の装置であってもよい。
【0043】
図5に示したように、装置は、DSP(Digital Signal Processor)/マイクロプロセッサ110及びRF(Radio Frequency)モジュール(送受信機;135)を含むこともできる。DSP/マイクロプロセッサ110は、送受信機135に電気的に接続されて送受信機135を制御する。装置は、設計者の選択によって、電力管理モジュール105、バッテリ155、ディスプレイ115、キーパッド120、SIMカード125、メモリデバイス130、スピーカー145及び入力デバイス150をさらに含むこともできる。
【0044】
特に、図5は、ネットワークから要求メッセージを受信するように構成された受信機135及びネットワークに送/受信タイミング情報を送信するように構成された送信機135を含む端末を示してもよい。このような受信機と送信機は送受信機135を構成できる。端末は、送受信機(受信機及び送信機、135)に接続されたプロセッサ110をさらに含むこともできる。
【0045】
また、図5は、端末に要求メッセージを送信するように構成された送信機135及び端末から送受信タイミング情報を受信するように構成された受信機135を含むネットワーク装置を示してもよい。送信機及び受信機は送受信機135を構成することもできる。ネットワークは、送信機及び受信機に接続されたプロセッサ110をさらに含む。このプロセッサ110は、送受信タイミング情報に基づいて遅延(latency)を計算することもできる。
【0046】
図6は下りリンクのためのLTEプロトコルアーキテクチャーの一般概要を示す図である。
【0047】
下りリンクのためのLTEプロトコルアーキテクチャーの一般概要は図6に示される。また、上りリンク伝送に係わるLTEプロトコル構造は、伝送フォーマット選択及びマルチアンテナ伝送に対して違いがあるが、図6の下りリンク構造に似ている。
【0048】
下りリンクで伝送されるデータはSAEベアラ601のうち一つのベアラ上でIPパケット形態で進入する。無線インターフェースを介した伝送の前、入って来るIPパケットは多数のプロトコルエンティティを介して伝達され、これは以下で要約され、次のセクションでより詳細に記載される。
【0049】
*パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)603はIPヘッダー圧縮を行い、無線インターフェースを介して送信する必要があるビット数を減少させる。ヘッダー圧縮メカニズムは、ROHCに基づいてWCDMAだけでなく幾つかの他の移動通信標準で使われる標準化したヘッダー圧縮アルゴリズムである。また、PDCP603は伝送されたデータの暗号化(ciphering)及び無欠性保護(integrity protection)を担当する。受信機側において、PDCPプロトコルは該当暗号解読(deciphering)及び圧縮解除動作を行う。移動端末のために設定された無線ベアラごとに一つのPDCPエンティティが存在する。
【0050】
*無線リンク制御(RLC)605はセグメンテーション/連結(segmentation/concatenation)、再送信ハンドリング及び上位層への順次伝達を担当する。WCDMAとは違い、LTE無線アクセスネットワークアーキテクチャーでただ一つのタイプのノードが存在するから、RLCプロトコルはeNodeBに位置する。RLC605は無線ベアラの形態でサービスをPDCP603に提供する。端末のために設定された無線ベアラごとに一つのRLCエンティティが存在する。
【0051】
端末のために設定された論理チャネルごとに一つのRLCエンティティが存在し、それぞれのRLCエンティティはi)RLC SDUのセグメンテーション、連結(concatenation)及びリアセンブリ;ii)RLC再送信;及びiii)該当論理チャネルに対する順次伝達及び複製検出を担当する。
【0052】
RLCの他の注目すべき特徴は(1)可変するPDUサイズのハンドリング、及び(2)ハイブリッドARQ及びRLCプロトコルの間の密接な相互作用に対する可能性である。最後に、論理チャネルごとに一つのRLCエンティティが存在し、コンポーネントキャリアごとに一つのハイブリッドARQエンティティが存在するという事実は、キャリアアグリゲーション(carrier aggregation)の場合、一つのRLCエンティティが多数のハイブリッドARQエンティティと相互作用することができるということを暗示する。
【0053】
セグメンテーション及び連結(concatenation)メカニズムの目的は、入って来るRLC SDUから適切なサイズのRLC PDUを生成することである。一つの可能性は固定されたPDUサイズ、妥協可能なサイズを定義することである。サイズが余りにも大きくなれば、最低データレートを支援することができない。また、過度なパッディングが一部のシナリオで要求されることがある。しかし、単一の小さなPDUサイズはそれぞれのPDUと一緒に含まれるヘッダーから高いオーバーヘッドをもたらすことができる。LTEによって支援されるデータレートの非常に大きな動的範囲を考慮すると、特に重要なこのような欠点を避けるために、RLC PDUサイズが動的に変更されうる。
【0054】
RLC SDUをRLC PDUにセグメンテーション及び連結(concatenation)するプロセスにおいて、ヘッダーは、他のフィールドのうち、リオーダリング及び再送信メカニズムによって使われるシーケンス番号を含む。受信機側でのリアセンブリ機能は受信されたPDUからSDUをリアセンブリングする逆動作を行う。
【0055】
*メディアアクセス制御(MAC)607はハイブリッドARQ再送信及び上りリンク及び下りリンクスケジューリングをハンドリングする。スケジューリング機能はeNodeBに位置し、これは上りリンク及び下りリンクに対してセルごとに一つのMACエンティティを有する。ハイブリッドARQプロトコル部分はMACプロトコルの送信及び受信端に存在する。MAC607は論理チャネル609の形態でサービスをRLC605に提供する。
【0056】
*物理層(PHY)611はコーディング/デコーディング、変調/復調、マルチアンテナマッピング及び他の典型的な物理層機能をハンドリングする。物理層611は伝送チャネル613の形態でサービスをMAC層607に提供する。
【0057】
図7はPDCPエンティティアーキテクチャーの概念図である。
【0058】
図7はPDCP副層(sublayer)に対する一つの可能な構造を示すが、具現例を制限してはいけない。それぞれのRB(すなわち、DRB及びSRB;SRB0は除外)は一つのPDCPエンティティに関連される。それぞれのPDCPエンティティはRB特性(すなわち、単方向又は両方向)及びRLCモードによって(それぞれの方向に対する)一つ又は2個のRLCエンティティに関連される。PDCPエンティティはPDCP副層に位置する。PDCP副層は上位層によって設定される。
【0059】
図8はPDCPエンティティの機能を示す概念図である。
【0060】
PDCPエンティティはPDCP副層に位置する。いくつかのPDCPエンティティは端末のために定義されることができる。使用者平面データを伝達するそれぞれのPDCPエンティティはヘッダー圧縮を用いるように構成されることができる。それぞれのPDCPエンティティは一つの無線ベアラのデータを伝達している。明細書のこのバージョンで、ROHC(robust header compression protocol)のみが支援される。全てのPDCPエンティティは多くても一つのROHCコンプレッサインスタンス(compressor instance)及び多くても一つのROHCデコンプレッサインスタンス(decompressor instance)を使う。PDCPエンティティはどの無線ベアラ上でデータを伝達するかによって制御平面又は使用者平面に関連される。
【0061】
図8はPDCP副層のためのPDCPエンティティの機能を示し、これは具現例を制限してはいけない。
【0062】
この文書はPDCPプロトコルを特定するためにPDCPエンティティで使われる多様な状態変数を説明する。全ての状態変数は非負整数である。
【0063】
それぞれのPDCPエンティティの送信側は次の状態変数を維持する。
【0064】
a)Next_PDCP_TX_SN:変数Next_PDCP_TX_SNは与えられたPDCPエンティティに対する次のPDCP SDUのPDCP SNを示す。PDCPエンティティの確立時、端末はNext_PDCP_TX_SNを0に設定する。
【0065】
b)TX_HFN:変数TX_HFNは与えられたPDCPエンティティに対するPDCP PDUに使われるCOUNT値の生成のためのHFN値を示す。PDCPエンティティの確立時、端末はTX_HFNを0に設定する。
【0066】
それぞれのPDCPエンティティの受信側は次の状態変数を維持するであろう。
【0067】
a)Next_PDCP_RX_SN:変数Next_PDCP_RX_SNは与えられたPDCPエンティティに対する受信機による次の予想PDCP SNを示す。PDCPエンティティの確立時、端末はNext_PDCP_RX_SNを0に設定する。
【0068】
b)RX_HFN:変数RX_HFNは与えられたPDCPエンティティに対する受信されたPDCP PDUに使われるCOUNT値の生成のためのHFN値を示す。PDCPエンティティの確立時、端末はRX_HFNを0に設定する。
【0069】
c)Last_Submitted_PDCP_RX_SN:RLC AM上にマッピングされたDRBに対するPDCPエンティティに対し、変数Last_Submitted_PDCP_RX_SNは上位層に伝達される最後のPDCP SDUのSNを示す。PDCPエンティティの確立時、端末はLast_Submitted_PDCP_RX_SNをMaximum_PDCP_SNに設定する。
【0070】
d)Reordering_PDCP_RX_COUNT:この変数はリオーダリング機能が使われるときにだけ使われる。この変数はreorderingTimerをトリガーしたPDCP PDUに関連したCOUNT値に従うCOUNTの値を維持する。
【0071】
e)Reordering_Window:リオーダリングウィンドウはリオーダリングウィンドウのサイズを示す。サイズは、RLC AM上にマッピングされた無線ベアラに対し、12ビットのSN長さが使われるときは2048であり、あるいは15ビットのSN長さが使われるときは16384、つまりPDCP SN空間の半分である。
【0072】
f)Maximum_PDCP_SNはi)15ビットSNの使用のためにPDCPエンティティが用いられれば32767であり、ii)12ビットSNの使用のためにPDCPエンティティが用いられれば4095であり、iii)7ビットSNの使用のためにPDCPエンティティが用いられれば127であり、あるいはiv)5ビットSNの使用のためにPDCPエンティティが用いられれば31である。
【0073】
ULデータ伝送過程の場合、PDCPエンティティにおいて、上位層からのPDCP SDUの受信時、端末はPDCP SDUに関連した廃棄タイマーを開始することができる。上位層から受信されたPDCP SDUに対し、端末はNext_PDCP_TX_SNに対応するPDCP SN(sequence number)をPDCP SDUに関連させ、PDCP SDUのヘッダー圧縮を行い、このPDCP SDUに関連したPDCP SN及びTX_HFNに基づいてCOUNTを用いて無欠性保護(integrity protection)及び暗号化(ciphering)を行い、Next_PDCP_TX_SNを1だけ増加させ、結果としてのPDCPデータPDUを下位層に提出する。
【0074】
Next_PDCP_TX_SNがMaximum_PDCP_SNより大きければ、Next_PDCP_TX_SNは‘0’に設定され、TX_HFNは1だけ増加する。
【0075】
DLデータ伝送過程の場合、RLC AM上にマッピングされたDRBに対し、PDCPエンティティが2個のAM RLCに関連されるか、あるいは最近の再設定によって、PDCPエンティティがPDCP再確立を行わずに2個のAM RLCエンティティに関連された後に一つのAM RLCエンティティに関連されるとき、RDCPエンティティがリオーダリング機能を用いる。
【0076】
RLC AM上にマッピングされたDRBに対し、リオーダリング機能が使われれば、下位層からのPDCPデータPDUの受信時、受信されたPDCP SN−Last_Submitted_PDCP_RX_SN>Reordering_Window又は0≦Last_Submitted_PDCP_RX_SN―received PDCP SN<Reordering_Windowであれば、端末はPDCP PDUを廃棄する。
【0077】
Next_PDCP_RX_SN−受信されたPDCP SN>Reordering_Windowであれば、端末はRX_HFNを1だけ増加させ、PDCP PDUを暗号解読するための受信されたPDCP SN及びRX_HFNに基づいてCOUNTを用い、Next_PDCP_RX_SNを受信されたPDCP SN+1に設定する。
【0078】
受信されたPDCP SN−Next_PDCP_RX_SN≧Reordering_Windowであれば、端末はPDCP PDUを暗号解読するための受信されたPDCP SN及びRX_HFN−1に基づいてCOUNTを用いる。
【0079】
受信されたPDCP SN≧Next_PDCP_RX_SNであれば、端末はPDCP PDUを暗号解読するための受信されたPDCP SN及びRX_HFNに基づいてCOUNTを用い、Next_PDCP_RX_SNを受信されたPDCP SN+1に設定し、Next_PDCP_RX_SNがMaximum_PDCP_SNより大きければ、端末はNext_PDCP_RX_SNを0に設定し、RX_HFNを1だけ増加させる。
【0080】
受信されたPDCP SN<Next_PDCP_RX_SNであれば、端末はPDCP PDUを暗号解読するための受信されたPDCP SN及びRX_HFNに基づいてCOUNTを用いる。
【0081】
前記で、PDCP PDUが廃棄されなければ、同じPDCP SNを有するPDCP SDUが保存され、端末はPDCP PDUを廃棄する。同じPDCP SNを有するPDCP SDUが保存されなければ、端末はPDCP PDUの暗号解読を行い、結果としてのPDCPS DUを保存する。
【0082】
受信されたPDCP SN=Last_Submitted_PDCP_RX_SN+1又は受信されたPDCP SN=Last_Submitted_PDCP_RX_SN−Maximum_PDCP_SNであれば、端末は連関したCOUNT値の昇順に上位層に伝達する。受信されたPDCP PDUに関連したCOUNT値から始まる連続的に関連したCOUNT値を有する全ての保存されたPDCP SDU。
【0083】
そして、端末はLast_Submitted_PDCP_RX_SNを上位層に伝達された最後のPDCP SDUのPDCP SNに設定する。
【0084】
reorderingTimerが実行され、Reordering_PDCP_RX_COUNT−1を有するPDCP SDUが上位層に伝達されれば、端末はreorderingTimerを中断してリセットする。
【0085】
reorderingTimerが実行されずに少なくとも一つの保存されたPDCP SDUがあれば、端末はreorderingTimerを開始し、Reordering_PDCP_RX_COUNTをRX_HFN及びNext_PDCP_RX_SNに関連したCOUNT値に設定する。
【0086】
reorderingTimerが満了すれば、端末は連関したCOUNT値の昇順に上位層に伝達する。Reordering_PDCP_RX_COUNTより小さな連関したCOUNT値を有する保存された全てのPDCP SDU及びReordering_PDCP_RX_COUNTから始まる連続的に関連したCOUNT値を有する保存された全てのPDCP SDU。
【0087】
端末はLast_Submitted_PDCP_RX_SNを上位層に伝達された最後のPDCP SDUのPDCP SNに設定する。
【0088】
少なくとも一つの保存されたPDCP SDUがあれば、端末はreorderingTimerを開始し、Reordering_PDCP_RX_COUNTをRX_HFN及びNext_PDCP_RX_SNに関連したCOUNT値に設定する。
【0089】
図9はPDCPデータPDU及びPDCP制御PDUを示す。
【0090】
PDCP PDUは整列されたバイト長さ(すなわち、8ビットの倍数)のビットストリングである。ビットストリングは最上位ビットが表の最初ラインの最左側ビットであり、最下位ビットが表の最後ラインの最右側ビットであり、より一般的にビットストリングが左側から右側に判読された後にラインの判読順に判読される表で表現される。PDCP PDU内のそれぞれのパラメータフィールドのビット順序は最左側ビット内の最初及び最上位ビット及び最右側ビット内の最後の及び最下位ビットで表現される。
【0091】
PDCP SDUは整列されたバイト長さ(すなわち、8ビットの倍数)であるビットストリングである。圧縮又は非圧縮SDUは第1ビットからずっとつながるPDCP PDUに含まれる。
【0092】
PDCPデータPDUはi)PDCP SDU SN、ii)非圧縮PDCP SDUを含む使用者平面データ、iii)圧縮PDCP SDUを含む使用者平面データ、iv)制御平面データ、又はv)SRBのためのMAC−Iフィールドを伝達するのに使われる。
【0093】
PDCP制御PDUはi)どのPDCP SDUが紛失されるかかつどれがPDCP再確立に従わないかを示すPDCP状態報告、及びii)ヘッダー圧縮制御情報、例えば散在(interspersed)ROHCフィードバックを伝達するのに使われる。
【0094】
図9Aは制御平面SRBに対するデータを伝達するPDCPデータPDUのフォーマットを示す図、図9Bは12ビットのSN長さが使われるときのPDCPデータPDUのフォーマットを示す図である。このフォーマットはRLC AM又はRLC UM上にマッピングされたDRBからデータを伝達するPDCPデータPDUに適用可能である。図9Cは7ビットのSN長さが使われるときのPDCPデータPDUのフォーマットを示す図である。このフォーマットはRLC UM上にマッピングされたDRBからデータを伝達するPDCPデータPDUに適用可能である。図9Dは一つの散在(interspersed)ROHCフィードバックパケットを伝達するPDCP制御PDUのフォーマットを示す図である。このフォーマットはRLC AM又はRLC UM上にマッピングされたDRBに適用可能である。図9Eは12ビットのSN長さが使われるとき、一つのPDCP状態報告を伝達するPDCP制御PDUのフォーマットを示す図、図9Fは15ビットのSN長さが使われるとき、一つのPDCP状態報告を伝達するPDCP制御PDUのフォーマットを示す図である。このフォーマットはRLC AM上にマッピングされたDRBに適用可能である。
【0095】
図9A図9Fに使用されたパラメータのビットは次のように解釈可能である。最左側ビットストリングは最初及び最上位ビットであり、最右側ビットは最後及び最下位ビットである。他に特に言及がなければ、整数は無符号整数に対する標準バイナリエンコーディングでエンコードされる。
【0096】
a)PDCP SN:PDCP SNの長さは、表1に示すように、5、7、12又は15ビットである。
【0097】
【表1】
【0098】
b)データ:データフィールドは圧縮解除されたPDCP SDU(使用者平面データ又は制御平面データ)又は圧縮されたPDCP SDU(使用者平面データのみ)を含む。
【0099】
c)MAC−I:MAC−Iの長さは32ビットである。MAC−Iフィールドは算出されたメッセージ許可コード(message authentication code)を伝達する。無欠性が保障されない制御平面データに対しては、MAC−Iフィールドが依然として存在し、0に設定されたパッディングビットでパッディングされなければならない。
【0100】
d)COUNT:COUNTの長さは32ビットである。暗号化及び無欠性のために、COUNT値が維持される。COUNT値はHFN及びPDCP SNで構成される。PDCP SNの長さは上位層によって設定される。HFN部分のビットサイズは32−PDCP SNの長さと同一である。
【0101】
e)R:Rの長さは1ビットである。このビットは0に設定された留保(reserved)ビットである。留保ビットは受信機によって無視されなければならない。
【0102】
f)D/C:D/Cの長さは1ビットである。表2はD/Cフィールドの意味を示す。
【0103】
【表2】
【0104】
g)PDUタイプ:PDUタイプの長さは3ビットである。表3はPDUタイプの意味を示す。
【0105】
【表3】
【0106】
h)FMS:FMSの長さが12ビットのSN長さが使われるとき12ビットであり、あるいはFMSの長さが15ビットのSN長さが用いられるとき15ビットである。第1損失PDCP SDUのPDCP SN。
【0107】
i)ビットマップ:ビットマップフィールドの長さは0であってもよい。タイプ“Bitmap”の第1オクテットのMSBはSN(FMS+1)モジュロ(modulo)(Maximum_PDCP_SN+1)を有するPDCP SDUが受信されたかかつ選択的に正確に圧縮解除されたかを示す。
【0108】
タイプ“Bitmap”の第1オクテットのLSBはSN(FMS+8)モジュロ(Maximum_PDCP_SN+1)を有するPDCP SDUが受信されたかかつ選択的に正確に圧縮解除されたかを示す。
【0109】
j)散在ROHCフィードバックパケット:フィードバックのみを有する一つのROHCパケット、つまりPDCP SDUに関連しないROHCパケットを含む。
【0110】
PDCPリオーダリングタイマーはPDCP PDUの損失を検出するのに使われる。PDCPエンティティ別にただ一つのリオーダリングタイマーが与えられた時間に実行される。
【0111】
図10は本発明の実施例によるPDCPリオーダリングタイマーの再設定を示す図である。
【0112】
従来技術で、Reordering_PDCP_RX_COUNT−1を有するPDCP SDUが上位層に伝達されたとき、reorderingTimerが実行されず、少なくとも一つの保存されたPDCP SDUが存在すれば、端末はreorderingTimerを開始する。
【0113】
この時、基地局が端末で設定されたPDCPリオーダリングタイマーの値を再設定するために端末にPDCPリオーダリングタイマーの新たな値を知らせれば、端末は実行中のタイマーを止めずにリオーダリングタイマーを再開する。
【0114】
この場合、リオーダリング遅延を避けるために、新たな値がPDCPリオーダリングタイマーに使われることを示すRRCメッセージを端末が受信すれば新たな値にリオーダリングタイマーを再設定する新しいメカニズムが必要である。
【0115】
この発明では、新たな値がPDCPリオーダリングタイマーに使われることを示すRRCメッセージを端末が受信すれば、端末は現在実行されているPDCPリオーダリングを中断し、リオーダリングバッファに保存されたPDCP SDUのうち最高のCOUNT値を有するPDCP SDUに対する新たな値を有するタイマーを開始する。
【0116】
端末は、順序に従わないPDCP SDUのため、PDCPリオーダリングタイマーを開始することができる(S1001)。新たな値がPDCPリオーダリングタイマーに使われることを示すRRCメッセージを端末が受信すれば(S1003)、端末は実行中のPDCPリオーダリングタイマーを中断し(S1005)、RRCメッセージによって指示された新たな値を有するPDCPリオーダリングタイマーを再開する(S1007)。そして、新たな値を有するPDCPリオーダリングタイマーが再開すれば(S1009)、端末はreordering_PDCP_RX_COUNTをRX_HFN及びNext_PDCP_RX_SNに関連したCOUNT値に設定する。
【0117】
reordering_PDCP_RX_COUNTをRX_HFN及びNext_PDCP_RX_SNに関連したCOUNT値に設定する段階はリオーダリングバッファに保存されたPDCP SDUのうち最高のCOUNT値を有するPDCP SDUに対する新たな値を有するPDCPリオーダリングタイマーを再開することに対応する。
【0118】
図11は本発明の実施例によってPDCPリオーダリングタイマーを再設定する例を示す図である。
【0119】
端末がCOUNT値=2を有するPDCP SDUを受信するとき、リオーダリングバッファにCOUNT値=2を有するPDCP SDU以外に任意のPDCP SDUがなければ、端末はCOUNT値=2を有するPDCP SDUのためのPDCPリオーダリングタイマーを開始する(a)。COUNT値=2を有するPDCP SDUのためのPDCPリオーダリングタイマーが実行されるうちにCOUNT値=4、5、6を有する他のPDCP SDUがそれぞれ受信される。この時、端末がPDCPリオーダリングタイマーを再設定するために新たな値がPDCPリオーダリングタイマーに使われるというRRC信号を受信すれば、端末はCOUNT値=2を有するPDCP SDUのためのPDCPリオーダリングタイマーを中断し(b)、リオーダリングバッファに保存されたPDCP SDUのうち最高のCOUNT値を有するPDCP SDUのための新たな値を有するPDCPリオーダリングタイマーを再開する。この場合、端末はCOUNT値=6を有するPDCP SDUのための新たな値を有するPDCPリオーダリングタイマーを再開する(c)。これは端末がreordering_PDCP_RX_COUNTをRX_HFN及びNext_PDCP_RX_SNに関連したCOUNT値に設定することができるということを意味する。
【0120】
以上で説明した実施例は本発明の構成要素及び特徴が所定の形態に結合されたものである。それぞれの構成要素又は特徴は他の明示的言及がない限り選択的なものとして考慮されなければならない。それぞれの構成要素又は特徴は他の構成要素又は特徴と結合されない形態に実施可能である。また、一部の構成要素及び/又は特徴を結合して本発明の実施例を構成することも可能である。本発明の実施例で説明する動作の順序は変更可能である。ある実施例の一部の構成又は特徴は他の実施例に含まれることができ、あるいは他の実施例の対応する構成又は特徴に入れ替えられることができる。特許請求範囲で明示的な引用関係がない請求項を結合して実施例を構成するかあるいは出願後の補正によって新たな請求項として含ませることができるのは明らかである。
【0121】
本発明の実施例において、基地局(BS)によって行われるものとして説明された特定の動作は上位ノードのBSによって遂行されることもできる。すなわち、BSを含む複数のネットワークノードで、MSとの通信のために行われる多様な動作が基地局によって遂行されるか基地局以外の他のネットワークノードによって遂行されることができるのは明らかである。‘eNB’という用語は‘固定局(fixed station)’、‘NodeB、‘基地局(BS)’、アクセスポイントなどに取り替えられることもできる。
【0122】
前述した実施例は、例えばハードウェア、ファームウエア、ソフトウェア又はそれらの組合せなどの多様な手段によって具現されることもできる。
【0123】
ハードウェア設定において、本発明の実施例による方法は、一つ以上のASICs(Application Specific Integrated Circuits)、DSPs(Digital Signal Processors)、DSPDs(Digital Signal Processing Devices)、PLDs(Programmable Logic Devices)、FPGAs(Field Programmable Gate Arrays)、プロセッサ、コントローラー、マイクロコントローラー、マイクロプロセッサなどによって具現可能である。
【0124】
ファームウエア又はソフトウェアによる具現の場合、本発明の実施例による方法は、以上で説明した機能又は動作を行うモジュール、手順又は関数などの形態に具現されることができる。ソフトウェアコードはメモリユニットに記憶され、プロセッサによって駆動されることができる。前記メモリユニットは前記プロセッサの内部又は外部に位置し、既に知られた多様な手段によって前記プロセッサとデータを取り交わすことができる。
【0125】
本発明は本発明の特徴を逸脱しない範疇内で他の特定の形態に具体化されることができるのは当業者に明らかである。したがって、前記詳細な説明は全ての面で制限的に解釈されてはいけなく、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は添付の請求範囲の合理的解釈によって決まらなければならなく、本発明の等価的範囲内の全ての変更は本発明の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0126】
上述した方法は3GPP LTEシステムに適用される例示を中心に説明したが、本発明は3GPP LTEシステムだけではなく多様な無線通信システムに適用可能である。
図1
図2A
図2B
図3(a)】
図3(b)】
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
図10
図11