特許第6820905号(P6820905)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6820905交換可能エネルギー貯蔵装置ステーションを管理するためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6820905
(24)【登録日】2021年1月7日
(45)【発行日】2021年1月27日
(54)【発明の名称】交換可能エネルギー貯蔵装置ステーションを管理するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/42 20060101AFI20210114BHJP
   H02J 7/10 20060101ALI20210114BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20210114BHJP
【FI】
   H01M10/42 P
   H02J7/10 L
   H01M10/44 Q
【請求項の数】20
【外国語出願】
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2018-245532(P2018-245532)
(22)【出願日】2018年12月27日
(65)【公開番号】特開2019-164989(P2019-164989A)
(43)【公開日】2019年9月26日
【審査請求日】2019年1月7日
(31)【優先権主張番号】62/612,249
(32)【優先日】2017年12月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514022545
【氏名又は名称】ゴゴロ インク
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【弁理士】
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100179213
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 未知子
(74)【代理人】
【識別番号】100170542
【弁理士】
【氏名又は名称】桝田 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100150072
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 賢司
(72)【発明者】
【氏名】▲頼▼ ▲均▼君
(72)【発明者】
【氏名】莊 勝欽
(72)【発明者】
【氏名】施 怡芬
(72)【発明者】
【氏名】陳 建中
【審査官】 下林 義明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−197932(JP,A)
【文献】 特開2016−116403(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/42 − 10/48
H02J 7/00 − 7/12
H02J 7/34 − 7/36
B60L 1/00 − 3/12
B60L 7/00 − 13/00
B60L 15/00 − 58/40
G01R 31/36 − 31/396
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリ交換ステーションを管理する方法であって、
サーバから、第1の期間に対応する前記バッテリ交換ステーションに対する需要情報を受信するステップと、
前記バッテリ交換ステーションに記憶されている第1の命令セットおよび前記第1の期間に対応する前記需要情報に基づいて、前記第1の期間に対応する前記バッテリ交換ステーションに配置された複数のバッテリの充電計画を形成するステップと
を含み、
前記第1の命令セットは、複数の充電規則、および、前記バッテリ交換ステーション内に配置された前記複数のバッテリの各々に対する前記複数の充電規則の割り当てを示す情報を含み、
前記充電計画は、前記バッテリ交換ステーションに配置された前記複数のバッテリの各々に対する、複数の割り当てられた充電規則を含む、方法。
【請求項2】
前記方法は、前記複数のバッテリの各々に対する前記複数の割り当てられた充電規則、前記第1の期間中の前記複数のバッテリの各々のステータスに基づいて、前記バッテリ交換ステーションに配置された前記複数のバッテリの各々に対する充電コマンドを生成するステップをさらに含み、前記第1の期間は、1つまたは複数の時間間隔を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記サーバから第2の命令セットを受信するステップであって、前記第2の命令セットは、1つまたは複数の更新された充電規則を含む、受信するステップと、
前記1つまたは複数の更新された充電規則に基づいて前記複数の割り当てられた充電規則を更新するステップと、
前記更新された複数の割り当てられた充電規則および前記複数のバッテリの各々の前記ステータスに基づいて、前記複数のバッテリの各々に対する前記充電コマンドを更新するステップと
をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数のバッテリの各々の前記ステータスは、温度およびSoCのうちの少なくとも一方を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記サーバから、前記第1の期間よりも遅い第2の期間に対応する前記バッテリ交換ステーションに対する需要情報を受信するステップと、
前記バッテリ交換ステーションに記憶されている前記第1の命令セットおよび前記第2の期間に対応する前記需要情報に基づいて、前記第2の期間に対応する前記バッテリ交換ステーションに配置されている前記複数のバッテリに対する前記充電計画を更新するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記バッテリ交換ステーションに対する前記充電計画を定期的に更新するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
トリガイベントに応答して前記充電計画を更新するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記トリガイベントは、前記サーバと前記バッテリ交換ステーションとの間の接続切断を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記トリガイベントに応答して、前記第1の期間に対応する前記バッテリ交換ステーションに対する前記需要情報を、前記第1の期間よりも遅い第2の期間に対応する前記バッテリ交換ステーションの需要情報として考慮するステップと、
前記バッテリ交換ステーションに記憶された前記第1の命令セット、および、前記第1の期間に対応する前記バッテリ交換ステーションに対する前記需要情報に基づいて、前記第2の期間に対応する前記バッテリ交換ステーションに位置する前記複数のバッテリの前記充電計画を生成するステップと
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の期間は、第1の時間間隔と、前記第1の時間間隔に後続する第2の時間間隔とを含み、前記第1の期間に対応する前記バッテリ交換ステーションに対する前記需要情報は、前記第1の時間間隔に対する第1の需要予測および前記第2の時間間隔に対する第2の需要予測を含み、
前記方法は、前記複数のバッテリの各々のステータスに基づいて、前記バッテリ交換ステーションに配置されている前記複数のバッテリの各々に優先順位値を割り当てるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記複数のバッテリの各々の前記優先順位値に基づいて前記第1の需要予測を満たすように、前記バッテリ交換ステーションに配置された前記複数のバッテリのうちの第1のバッテリセットを割り当てることと、
前記複数のバッテリの各々の前記優先順位値に基づいて前記第2の需要予測を満たすように、前記バッテリ交換ステーションに配置された前記複数のバッテリのうちの第2のバッテリセットを割り当てることと
によって、前記充電計画を形成するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の需要予測に基づいて、前記第1のバッテリセットの各々に前記複数の充電規則からの少なくとも1つの充電規則を割り当てることと、
前記第2の需要予測に基づいて、前記第2のバッテリセットの各々に前記複数の充電規則からの少なくとも1つの充電規則を割り当てることと
によって、前記充電計画を形成するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
エージングポリシに基づいて前記第1の命令セットを管理するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記エージングポリシに基づいて、前記第1の命令セットが期限切れになっているか否かを検証することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の命令セットが期限切れになっているときに、前記第1の命令セットをデフォルト規則のセットに置き換えるステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
シミュレーション結果を生成するために前記第1の命令セットをシミュレーションするステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記シミュレーション結果に基づいて前記第1の命令セットを更新するか否かを決定するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記バッテリ交換ステーションに配置された前記複数のバッテリのうちの少なくとも1つに対する充電プロセスをシミュレートするステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
バッテリ交換ステーションであって、
プロセッサと、
前記プロセッサに結合されているバッテリ管理構成要素と
を備え、前記バッテリ管理構成要素は、
サーバから、第1の期間に対応する前記バッテリ交換ステーションに対する需要情報を受信することと、
前記バッテリ交換ステーションに記憶されている第1の命令セットおよび前記第1の期間に対応する前記需要情報に基づいて、前記第1の期間に対応する前記バッテリ交換ステーションに配置された複数のバッテリの充電計画を形成することと
を行うように構成されており、
前記第1の命令セットは、複数の充電規則、および、前記バッテリ交換ステーション内に配置された前記複数のバッテリの各々に対する前記複数の充電規則の割り当てを示す情報を含み、
前記充電計画は、前記バッテリ交換ステーションに配置された前記複数のバッテリの各々に対する、複数の割り当てられた充電規則を含む、バッテリ交換ステーション。
【請求項20】
前記プロセッサに結合されており、エージングポリシに基づいて前記第1の命令セットを管理するように構成されている命令管理構成要素をさらに備える、請求項19に記載のバッテリ交換ステーション。
【発明の詳細な説明】
【関連出願との相互参照】
【0001】
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国仮出願第62/612,249号(2017年12月29日出願)の利益および優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
本技術は、交換可能エネルギー貯蔵装置(例えば、交換可能充電式バッテリ)ステーションを管理するためのシステムおよび方法に関する。より具体的には、本技術は、その中に記憶されている命令のセットに基づいてバッテリ交換ステーションを管理するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
電気自動車の中には交換可能なバッテリによって給電されるものがある。このような電気自動車のユーザは通常、バッテリを交換するためにバッテリ交換ステーションに行く。ユーザがバッテリ交換をしたいときに十分に充電されたバッテリをユーザにとって利用可能にすることは、満足のいくユーザ体験を提供するにあたっての重要な因子である。しかし、ユーザがいつどこでバッテリを交換することを所望し得るかを予測することは非常に困難である。多数のバッテリを扱うバッテリ交換ステーションの場合、ステーションがバッテリ需要を予測し、それに応じて応答することはさらに困難である。バッテリを充電しそしてこれらのバッテリの充電状態を維持することは相当量のエネルギーを必要とする。不必要な充電または維持は、コストの非効率性およびエネルギーの非効率性をもたらし得る。したがって、前述の問題に対処するための改善されたシステムおよび方法を有することが有利である。
【図面の簡単な説明】
【0004】
開示される技術の実施形態を、添付の図面を用いて記述および説明する。
【0005】
図1A】開示されている技術の実施形態によるシステムを示す概略図である。このシステムは、バッテリ交換ステーションのバッテリ管理計画を決定するように構成されている。
【0006】
図1B】開示されている技術の実施形態によるシステムを示す概略図である。システムは、複数のバッテリ交換ステーションからバッテリ需要情報を収集するように構成されている。収集された情報は、その後、将来のバッテリ需要を予測するために使用される。
【0007】
図2】本技術の実施形態によるサーバシステムを示す概略図である。
【0008】
図3】開示されている技術の実施形態によるステーションシステムを示す概略図である。
【0009】
図4】開示されている技術の実施形態による地域マスタステーションを有するシステムを示す概略図である。
【0010】
図5A】開示されている技術の実施形態によるステーション特性を示すグラフ図である。
【0011】
図5B】開示されている技術の実施形態によるステーション特性を示すグラフ図である。
【0012】
図6】開示されている技術の実施形態による方法を示すフローチャートである。
【0013】
図7】開示されている技術の実施形態による方法を示すフローチャートである。
【0014】
図面は必ずしも縮尺通りに描かれていない。例えば、図面の要素のいくつかの寸法は、様々な実施形態の理解を向上させるのを助けるために拡大または縮小されている場合がある。同様に、いくつかの実施形態の記述の目的のために、いくつかの構成要素および/または動作を異なるブロックに分離してもよく、または単一のブロックに組み合わせてもよい。さらに、特定の実施形態が図面に例として示され、以下に詳細に説明されているが、当業者は、修正、等価物、および代替物が添付の特許請求の範囲内に入ることを認識するであろう。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書において、「いくつかの実施形態」、「一実施形態」などへの言及は、説明されている特定の特徴、機能、構造または特性が、開示されている技術の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書におけるそのような句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すとは限らない。一方、言及された実施形態は必ずしも相互に排他的ではない。
【0016】
本技術は、所定の動作規則のセットおよびバッテリ需要予測に基づいて自律的に動作することができるバッテリ交換ステーションに関する。バッテリ交換ステーションは、その中に(例えば、記憶装置/構成要素、メモリなどの中に)記憶された命令セット(またはバッテリ管理計画)を含むことができる。命令セットおよび需要情報(例えば、今後12時間または24時間などの第1の期間にわたるサーバからの予測需要)に基づいて、バッテリ交換ステーションは、ステーション内に配置されたバッテリの充電計画(例えば、1つまたは複数の充電規則に基づいて各バッテリを充電する方法)を形成することができる。命令セットは、(1)1つまたは複数の充電規則、(2)バッテリ交換ステーションに配置されたバッテリの各々への1つまたは複数の充電規則の割り当てを示す情報(例えば、「充電論理」)を含む。命令セットおよび需要情報の両方は、サーバによって(例えば、第1の期間よりも遅い第2の期間の更新された命令セットまたは予測需要をバッテリ交換ステーションに送信することによって)更新することができる。
【0017】
サーバとバッテリ交換ステーションとの間の接続が中断または切断されるとき、本技術は、バッテリ交換ステーションがそこに記憶されている最新の命令セットおよび需要情報に基づいて動作し続けることを可能にする。例えば、最新の命令セットは、それらの充電状態(SoC)に従って異なるレートでバッテリを充電すること(例えば、SoCがより高いバッテリをより低いレートで充電し、SoCがより低いバッテリをより高いレートで充電すること)を指定する充電規則を含み得る。最新の需要情報は、22時間前に受信した24時間の需要予測であってもよい。充電計画は、24時間の需要予測を満たすために「そのSoC充電規則をステーション内のすべてのバッテリに適用すること」(例えば、この部分は上述の「充電論理」である)を含むことができる。この例では、ステーションは現在の充電計画を2時間にわたって実施し続けることができる。2時間後にサーバからの予測需要の更新がない場合、ステーションは将来の需要として以前に受信した24時間の需要予測(例えば、またはデフォルト需要情報のセット)を使用することができ、それに応じてその充電計画を更新することができる。いくつかの実施形態では、ステーションは、以前に(例えば、過去の週、月、または年に)受信された需要予測および実際の需要に基づいて需要情報を計算および予測することができる。この構成により、バッテリ交換ステーションは、最新の命令セットおよび予測需要に基づいて自律的に動作することができる。
【0018】
明確にするために、いくつかの実施形態では、「全体的充電計画」は、(例えば、バッテリ交換に対する)予測需要を満たすために1つまたは複数の充電規則に基づいて複数のステーションを管理し、その中のバッテリを充電するためのサーバに対する命令を指すことができる。「充電計画」は、予測需要を満たすために1つまたは複数の充電規則に基づいてその中の1つまたは複数のバッテリを充電する方法に関して有益であるバッテリ交換ステーションに対する命令を指すことができる。「充電規則」は、目的を達成する(例えば、バッテリ寿命を延ばす、バッテリ温度を制御するなどの)ために、バッテリの特性に基づいてバッテリを充電する方法に関する情報を含むことができる。充電計画に基づいて、ステーションは充電規則を実施するための「充電コマンド」を生成することができる。例えば、充電コマンドは、ステーションがバッテリを充電するための特定のコマンド(例えば、特定の充電レートで、いずれの時間の間に、いずれの電源を使用して、など)であり得る。
【0019】
バッテリの特性は、例えば、(1)バッテリ製造情報、(2)バッテリ基本特性情報、(3)バッテリ充電情報、(4)バッテリ使用情報、および(5)他の適切なバッテリ情報(例えば、追跡または管理目的のためにバッテリ交換プランプロバイダによって作成される一意のバッテリ識別シリアル番号)のうちの1つまたは複数を含んでもよい。これらの情報セットを分析し、分析結果を(例えば、参照情報として)バッテリの特性と比較することによって、1つまたは複数の充電規則を決定することができる。
【0020】
バッテリ製造情報の例は、バッテリ製造者(例えば、異なる製造者によって製造されたバッテリは、それらのバッテリ仕様は同じであり得るが異なる特性を有する場合がある)、製造日(例えば、異なる日に作成されたバッテリの特性は異なる場合がある)、製造バッチ(例えば、異なるバッチで製造されたバッテリは依然として異なる特性を有し得る)、ハードウェアバージョン、ファームウェアバージョン、電池タイプ、および/または製造シリアル番号(例えば、バッチ内で作成されたバッテリは、依然として異なる特性を有し得る)を含むことができる。
【0021】
バッテリ基本特性情報の例は、バッテリ容量(例えば、フル充電容量FCC)、バッテリ放電容量(例えば、ある条件下でバッテリがどれだけの電流を供給することができるか)、健康状態(SOH)、および/または推奨バッテリ動作温度(例えば、5から35℃などの温度範囲)を含む。
【0022】
バッテリ充電情報の例は、現在の充電状態(SOC)情報、現在のバッテリ温度情報、現在の電池温度情報、現在の回路温度情報、エラーステータス情報(例えば、バッテリの異常な充電または放電イベントに応答してバッテリ管理システム(BMS)によって生成されるエラーまたは警告メッセージ)、推奨バッテリ充電温度(例えば、25から40℃などの温度範囲)、推奨バッテリ充電電流(例えば、一定または調整された電流)、推奨バッテリ充電電圧(例えば、一定または調整された電圧)、推奨バッテリ充電サイクル(例えば、1週間に少なくとも1回のフル充電)、推奨バッテリ充電速度(例えば、5分間内にバッテリの全容量の0から10%への増加)および/または推奨バッテリ充電時間(例えば、5時間を超えて連続的に充電されないようにする)を含む。
【0023】
バッテリ使用情報の例は、バッテリ寿命情報(例えば、使用時間および/またはサイクルカウント)、バッテリ直流内部抵抗(DCIR)情報、実際のバッテリ充電温度(例えば、バッテリは、昨日は30℃で充電され、今日さきほど25分にわたって35℃で充電された)、実際のバッテリ充電電流(例えば、1〜200アンペア)、実際のバッテリ充電電圧(例えば、1〜220ボルト)、実際のバッテリ充電サイクル(例えば、バッテリは50回のフル充電サイクルおよび125回の部分サイクルを経ている)、実際のバッテリ充電速度または充電レート(例えば、20アンペア毎時)、実際のバッテリ充電時間(例えば、バッテリは昨日56分間充電された)、実際のバッテリ動作温度(例えば、バッテリは昨日2時間にわたって35℃で動作していた)、および実際のバッテリ放電時間(例えば、バッテリは昨日66分にわたってフル電流容量で放電する)を含む。
【0024】
開示されている技術は、サーバからの命令セットまたはバッテリ管理計画(例えば、1つまたは複数のバッテリを充電する方法/時期)を検証し実施するバッテリ交換ステーションシステムを提供する。バッテリ管理計画は、エージングポリシに基づいて検証することができる(例えば、バッテリ管理計画または命令セットは、サーバによって生成または発行されてから24時間にわたって有効である)。バッテリ管理計画が検証される場合、それはステーションシステムによって実施される。バッテリ管理計画が検証されない(例えば、期限切れの)場合、ステーションシステムは、デフォルトの規則に基づいてバッテリを管理することができる(例えば、ステーションシステム内に配置されるとすぐにバッテリの充電を開始する、バッテリ温度が温度閾値を超えるとバッテリの充電を停止する、など)。サーバは、ネットワークを介してリアルタイム(例えば、数ミリ秒から数分)でステーションシステムと通信するように構成されているが、時には、ネットワーク接続が切断または中断される可能性がある。これが起こっても、本技術のステーションシステムは依然としてバッテリユーザに中断のないサービスを提供するために適切に動作することができる。
【0025】
背景情報として、サーバは、バッテリに取り付けられているバッテリメモリ、バッテリ交換ステーション、車両、バッテリユーザのモバイル装置などのような様々なソースからバッテリ関連情報(例えば、バッテリ特性、充電/維持情報、特定の期間中の異なるバッテリ交換ステーションにおけるバッテリ需要、ユーザ挙動など)を収集する。収集されたバッテリ情報に基づいて、サーバは、各(または各タイプの)バッテリ交換ステーションについてバッテリ需要特性のセット(例えば、図5Aおよび図5Bに示される曲線/線)を生成する。バッテリ需要特性のセットは、各バッテリ交換ステーションに対するバッテリ需要を予測するために使用される。そのようなバッテリ需要予測により、バッテリ交換ステーションは、それに応じてそのバッテリを充電、準備、および/または維持することができる(例えば、目標はバッテリユーザに満足のいくバッテリ体験を提供するように予測需要を満たすことである)。
【0026】
サーバはリアルタイムでバッテリ需要を生成することができるが、そのような需要予測をリアルタイムで生成/計算することは相当量の計算資源を消費する可能性があるため、実用的ではないかまたは正当化されない場合がある。また、1人もしくは複数の新たなユーザ(例えば、バッテリ交換プラン加入者)または1つもしくは複数の新たなバッテリ交換ステーションがバッテリ交換システムに追加される(またはそこから除去される)と、それに応じて予測バッテリ需要が変化する可能性がある。予測バッテリ需要が変わると、対応するバッテリ管理計画も変わる。上述のように、開示されているシステムは、個々のバッテリ交換ステーションがそのバッテリ管理計画を効率的に管理(例えば、検証、実施など)することを可能にすることによって上述の問題に対処するための解決策を提供する。
【0027】
開示されているバッテリ交換ステーションシステムは、ステーションシステムが新たなまたは更新されたバッテリ管理計画を実施するか否かをローカルに決定することができるように、新たなまたは更新されたバッテリ管理計画または命令セットに対するシミュレーションを実行するように構成されるシミュレーション構成要素/モジュール/プロセッサを含む。例えば、100人の新たなユーザが1時間前にバッテリ交換プランに加入したばかりである。サーバは、これらの新たなユーザによって提供された住所に基づいて、更新されたバッテリ管理計画を生成する(例えば、サーバはこれらの新たなユーザがどこに行き、バッテリを交換するかを予測するために住所を使用する)。例えば、サーバは、これらの新たなユーザが(例えば、住所によって識別されるのと同じ地理的領域内の)10箇所のバッテリ交換ステーションにおいてバッテリを交換すると判定する。したがって、サーバは、更新されたバッテリ管理計画を10箇所のバッテリ交換ステーションの各々に送信する。いくつかの実施形態では、個々のバッテリ交換ステーションが、異なる更新された管理計画を有することができる(例えば、1つのステーションは需要が大幅に増大する場合があり、別のステーションは需要増大が中程度である場合がある)。
【0028】
個々のバッテリ交換ステーションがその更新されたバッテリ管理計画を受信すると、バッテリ交換ステーションはその更新されたバッテリ管理計画に対してシミュレーションを実行することができる。シミュレーションは、既存のバッテリ管理計画の実行と実質的に干渉しないバックグラウンドプロセスとして実行される。シミュレーションは、更新されたバッテリ管理計画に基づいて、バッテリステーション内に配置されたバッテリに対する充電プロセスをシミュレートすることを含む。例えば、予測される需要増加に起因して、更新されたバッテリ管理計画は、(使用される既存のバッテリ管理計画である)通常のレートよりも速い増大した充電レートでそのバッテリを充電するようにステーションに要求する。ある期間(例えば、24時間)の後、シミュレーション結果が生成される(例えば、増加した充電レートで充電する結果として、ステーション全体に対して2℃の温度上昇がもたらされる)。次に、シミュレーション結果が現実世界の事例と比較される(例えば、現在実施されている計画によって充電する)。例えば、現実世界の事例は、通常のレートを使用してバッテリを充電する結果として、過去24時間以内にバッテリ需要が満たされていないことを示している(例えば、ユーザが自身の予約したバッテリについて、フル充電される前に10分間ステーションの前で待っていた)。そのような実施形態では、開示されているシステムは、より良好なユーザバッテリ体験を提供するために、更新されたバッテリ管理計画を実施することを決定することができる。
【0029】
本技術の一態様は、集中型サーバによって生成されるバッテリ需要予測をチェックするために複数のバッテリ交換ステーションによってそれをシミュレートおよび検証することができることである。複数のバッテリ交換ステーションは、サーバがそのバッテリ需要予測を改善するのを容易にするために、定期的に集中型サーバにフィードバックを提供することができる。サーバによって実行されるバッテリ需要予測に関する実施形態は、図1B図2図5A、および図5Bを参照して以下で詳細に説明される。いくつかの実施形態では、バッテリ交換ステーションは、そのステーションにおいて測定/収集される情報(例えば、ステーションの温度、そのステーションにおける平均バッテリ交換時間など)に基づいて、その中に配置されたバッテリを管理するように構成されるバッテリ管理構成要素/モジュール/プロセッサを含むことができる。いくつかの実施形態では、バッテリ管理構成要素は、1つまたは複数の機械学習プロセスを実行することによって、測定/収集された情報を処理することができる。
【0030】
本技術の別の態様は、デフォルト動作規則のセットに従って独立して自律的に動作することができるバッテリ交換ステーションを提供することである。サーバへの接続が切断または中断されても、開示されているバッテリ交換ステーションは依然として動作し、バッテリユーザにサービスを提供することができる。いくつかの実施形態では、開示されているシステムは、バッテリ交換ステーションに記憶された所定の動作命令のセット(すなわち命令セット)を含む。動作命令は、バッテリ交換ステーションがその中に配置された充電式バッテリをどのように管理、充電、または維持すべきかを指示する。動作命令の例は、(1)バッテリ製造者、製造日/バッチ、他の適切なバッテリ特性(例えば、後述するバッテリ情報)などを識別することによってバッテリタイプを決定するための命令(例えば、上述の「充電論理」)など、(2)決定されたタイプに基づいてバッテリを充電するための命令(例えば、上述の「充電規則」)、および(3)(例えば、閾値温度を超えないように)バッテリを維持するための命令を含む。バッテリ交換ステーションは、動作命令のセットに基づいて独立して(例えば、サーバからのコマンドなしで)動作することができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、動作命令は、バッテリの充電、ペアリング、選択、または解放に関する1つまたは複数のアルゴリズムに基づいて決定することができる。アルゴリズムを実施する際には、バッテリ特性(充電状態SoC、SoC差分、フル充電容量FCC、FCC差分、バッテリ使用状況、放電時間/サイクルカウント、充電時間/サイクルカウント、ハードウェア/ファームウェアバージョン、電池タイプ、シリアス番号、回路温度、電池温度、バッテリカウント、バッテリラックカウントなど)、ユーザ挙動(例えば、乗車習慣、乗車履歴など)、ユーザプロファイル(加入済みバッテリプラン、バッテリ嗜好など)、バッテリ需要予測、バッテリ価格決定などを含む様々な因子が考慮され得る。いくつかの実施形態では、動作命令は、バッテリ交換ステーション内の機械学習構成要素によって決定または「訓練」することができる。
【0032】
図1Aは、開示されている技術の実施形態によるシステム100Aを示す概略図である。システム100Aは、バッテリ交換ステーション107に対する命令セットまたはバッテリ管理計画(例えば、各々が1つまたは複数の充電規則を有する)を決定するように構成される。システム100Aは、サーバ103と、データベース105と、バッテリ交換ステーション107とを含む。サーバ103、データベース105、およびバッテリ交換ステーション107は、ネットワーク109を介して互いに通信することができる。図示のように、バッテリ交換ステーション107は、(i)ユーザと対話するように構成されたディスプレイ115と、(ii)充電されるバッテリを収容するように構成された8つのバッテリスロット117a〜hを有するバッテリラック119とを含む。サーバ103は、需要情報(例えば、経験的データおよびその分析に基づく将来のバッテリ交換のための予測需要)を生成/受信するように構成される。サーバ103はまた、充電計画を形成するためのバッテリ交換ステーション107に対する命令セットを生成するように構成される。サーバ103は、定期的に、またはトリガイベント(例えば、バッテリ交換、バッテリ交換ステーション107のための利用可能な電力への変更、バッテリの予約など)に応答して、命令セットおよび/または需要情報をバッテリ交換ステーション107に送信/更新するように構成される。命令セットおよび需要情報は、異なるスケジュールに基づいて更新/送信することができる。
【0033】
動作中、6つのバッテリスロット(例えば、スロット117a、117b、117d、117e、117f、および117h)のみがバッテリによって占有され、残りの2つのスロット(例えば、スロット117cおよび117g)は、ユーザが、交換されるべきバッテリ(例えば、低電力または使い切ったバッテリ)を挿入するために確保される。いくつかの実施形態では、バッテリ交換ステーション107は、異なる数のラック、ディスプレイ、および/またはスロットなどの異なる構成を有することができる。いくつかの実施形態では、バッテリ交換ステーション107は、オペレータがバッテリ交換ステーション107の容量を簡便に設置または拡張することを可能にするモジュール式構成要素(例えば、モジュール式ラック、モジュール式ディスプレイなど)を含むことができる。バッテリ交換ステーション107は、1つまたは複数の電源(例えば、電力網、電力線、電力貯蔵装置、発電所/変電所など)に電気的に結合されて、その中に配置されたバッテリを充電し、他の動作を実行する(例えば、サーバ103と通信する)ために電力を受け取ることができる。いくつかの実施形態では、ユーザは、事前にバッテリを挿入することなく、バッテリ交換ステーション107からバッテリを取り外すことができる。いくつかの実施形態では、バッテリ交換ステーション107は、その中に配置されたバッテリを固定するためのロック機構を有することができる。いくつかの実施形態では、バッテリ交換ステーション107はロック機構なしで実施することができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、バッテリ交換ステーション107は、サーバ103から命令セット(例えば、第1の命令セット)を受け取り、それを記憶することができる。命令セットは、(1)1つまたは複数の充電規則、および(2)充電論理(例えば、バッテリ交換ステーション107に配置された各バッテリに1つまたは複数の充電規則をどのように適用するかを示す情報)を含み得る。いくつかの実施形態では、充電論理に基づいて、バッテリ交換ステーション107は、異なる目標を達成するために充電規則をどのように実施するかを決定することができる。サーバ103とバッテリ交換ステーション107との間の接続が中断されたとき(例えば、停電などの事故に起因して)、バッテリ交換ステーション107は、受信した命令セットおよび需要情報に基づいて依然として動作することができる。
【0035】
例えば、充電規則は、規則A、B、およびCを含むことができる。規則Aは、可能な限り最高のバッテリ健全性を達成するように(例えば、バッテリのフル充電容量(FCC)の減少などのバッテリ劣化を軽減するように)設計することができる。例えば、規則Aがバッテリを充電するために実施される場合、バッテリは700充電サイクル後にわずかな劣化(例えば、そのFCCの5%〜10%の減少)を有すると予測される。規則Bは、中程度のバッテリ健全性目標を達成するように設計することができる。例えば、規則Bがバッテリを充電するために実施される場合、バッテリは500充電サイクル(例えば、規則Aよりも少ない)後にわずかな劣化(例えば、そのFCCの5%〜10%の減少)を有すると予測される。規則Cは、(例えば、バッテリ需要を満たすための)戦略的目標を達成し、バッテリ健全性を許容可能なレベルに維持するように設計することができる。例えば、規則Cがバッテリを充電するために実施される場合、バッテリは500充電サイクル後により大きい劣化(例えば、そのFCCの10%〜15%の減少)を有すると予測される。
【0036】
上述の実施形態では、規則Aは、規則BおよびCと比較して、相対的に長時間にわたって相対的に低い電流でバッテリを充電することができる。例えば、規則Aは最大10アンペアの充電電流しか許容せず、一方、計画Bは、最大15アンペアの充電電流を許容する。例えば、規則Aは20%FCCから95%FCCまでの充電サイクルを完了するのに1時間を必要とし、一方、規則Cはそうするのに30分しか必要としない。規則A、B、およびCの温度閾値は異なる場合がある。例えば、規則Aの温度閾値は45°であり、規則Bの温度閾値は52°Cであり、規則Cの温度閾値は55°Cである。
【0037】
したがって、バッテリ交換ステーション107は、予測需要を満たすために受信された命令セットに基づいて実施するための充電計画を形成することができる。例えば、バッテリ交換ステーション107が6つのバッテリB1〜B6を有すると仮定すると、充電計画は、「規則Aを用いてバッテリB1およびB2を充電する」、「規則Bを用いてバッテリB3を充電する」、および規則Cを用いてバッテリB3〜B6を充電する」を含み得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、需要情報が実際に起こったことを反映することができない場合、バッテリ交換ステーション107は充電計画を調整することができる。例えば、需要情報は、過去1時間以内に2回のバッテリ交換があったはずであることを示している。しかし、過去1時間以内に4回のバッテリ交換が行われた。言い換えれば、バッテリ交換ステーション107は、予測需要(2つのバッテリが交換されると予測された)と実際に起こったこと(4つのバッテリが交換された)との間の差を補うために将来さらに2つのバッテリを準備する必要がある。この場合、バッテリ交換ステーション107は、実際の需要を満たすように、(例えば、より高い電圧/電流を使用してバッテリを充電する)バッテリをより速く充電することができる充電規則を選択することによって充電計画を調整することができる。この構成により、バッテリ交換ステーションは、実際のバッテリ需要に基づいて充電計画を調整することによって自律的に動作することができる。図1Bを参照して後述するように、複数のサンプリングバッテリ101から収集したバッテリ情報に基づいて参照情報のセットが生成される。バッテリ情報の例は、バッテリハードウェア/ファームウェアバージョン、電池タイプ、バッテリ充電状態(SOC)、電池温度、バッテリ回路温度、バッテリフル充電容量(FCC)、バッテリ健康状態(SOH)、バッテリ寿命(時間またはサイクルカウント)、バッテリエラーステータス、バッテリ直流内部抵抗(DCIR)などを含む。いくつかの実施形態では、参照情報はデータベース105またはサーバ103に記憶される。図1Aに示すように、ユーザは、交換可能バッテリ101(上述の様々なタイプのバッテリ情報を記憶するように構成されたバッテリメモリ113を含む)をバッテリ交換ステーション107の空のバッテリスロット(例えば、図1Aに示すスロット117c)に挿入することができる。バッテリ交換ステーション107は、記憶されているバッテリ情報を読み出してサーバ103に送信することができる。サーバ103は、収集したバッテリ情報を分析し、挿入されたバッテリの特性を識別する。次に、システムは識別された特性を他のバッテリからの記憶されている情報と比較する。比較に基づいて、例えば、サーバ103は、記憶された参照情報から充電時の適切な温度要件を選択することができる。それに応じて、サーバ103は、目的(例えば、最長寿命、高性能など)を達成するために交換可能バッテリ101のためのカスタマイズされたバッテリ管理計画を生成する。その後、サーバ103は、バッテリ交換ステーション107全体についてのカスタマイズされたバッテリ管理計画を生成することができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、サーバ103は、交換可能バッテリ101の1つまたは複数の特性を識別し、参照情報から一致(または大まかな一致)を見つけることによってカスタマイズされたバッテリ管理計画(または命令セット)を生成することができる。いくつかの実施形態では、サーバ103は、最初に(例えば収集された情報から)バッテリ交換ステーション107に対する以前のバッテリ管理計画を識別し、次に、バッテリ交換ステーション107のためのカスタマイズされたバッテリ管理計画を生成するために、参照情報(例えば新たに受け入れたバッテリからまたはシステムもしくは検出された環境内の他のバッテリから読み出される情報あるいは他の情報)に基づいてこれを調整することができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、参照情報はバッテリ交換ステーション107に記憶することができる。そのような実施形態では、バッテリ交換ステーション107は、収集された情報および参照情報を分析/比較して、カスタマイズされたバッテリ管理計画を生成する。バッテリ交換ステーション107はまた、将来の使用のために、生成され、カスタマイズされたバッテリ管理計画のセットをローカルに記憶/管理することができる。いくつかの実施形態では、バッテリ交換ステーション107は、将来の使用のために、生成され、カスタマイズされたバッテリ管理計画をサーバ103にアップロードすることができる。
【0041】
図1Aに示すように、ユーザはステーション107において充電済みバッテリ111(バッテリメモリ114を有する)を取得することができる。充電済みバッテリ111は、充電済みバッテリ111用にカスタマイズされたバッテリ管理計画(例えば、このバッテリ管理計画は、充電済みバッテリ111がバッテリスロット117dに挿入されたときに生成/呼び出し/更新されている)に基づいてバッテリ交換ステーション107によって充電されている。バッテリのスケジュールされている取得時間(またはバッテリ需要予測)およびバッテリ管理計画に基づいて、システム100は、ステーション107が交換バッテリに対するユーザの需要を満たすように適切に動作することを保証することができる。これにより、全体的なユーザ体験が向上し、バッテリ性能が向上する。
【0042】
図1Bは、開示されている技術の実施形態によるシステム100Bを示す概略図である。示されるように、システム100Bは、1つまたは複数のバッテリ交換ステーション101A〜D、メインサーバ103、データベース105、およびネットワーク107を含む。図示のように、バッテリ交換ステーション101A、101Dは、ネットワーク107を介してメインサーバ103に無線結合されている。バッテリ交換ステーション101B、101Cは、有線接続を介してネットワーク107を介してメインサーバ103に結合されている。メインサーバ103は、データベース105にさらに結合されており、データベース105は、参照情報(例えば、図5Aおよび図5Bに示すようなバッテリ需要参照情報)を記憶することができる。バッテリ交換ステーション101A〜Dは、1つまたは複数の電源(例えば、電力網、電力線、電力貯蔵装置、電力ステーション/サブステーションなど)に電気的に結合されて、その中に配置されたバッテリを充電し、他の動作を実行する(例えば、メインサーバ103と通信する)ために電力を受け取ることができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、メインサーバ103は、クライアント要求を受信し、サーバ109A〜Cなどの他のサーバを通じてそれらの要求の履行を調整するエッジサーバとすることができる。サーバ109A〜Cはさらにデータベース111A〜Cに結合されている。メインサーバ103およびサーバ109A〜Cの各々は論理的に単一のサーバとして表示されているが、これらのサーバは各々、同じまたは地理的に離れた物理的場所に配置された複数のコンピューティング装置を含む分散コンピューティング環境であり得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、メインサーバ103およびサーバ109A〜Cは各々、他のサーバ/クライアント装置に対するサーバまたはクライアントとして機能することができる。図示のように、メインサーバ103はデータベース105に接続する。サーバ109A〜Cは各々、データベース111A〜Cのうちの1つに接続することができる。上述のように、メインサーバ103およびサーバ111A〜Cの各々はサーバのグループに対応することができ、これらのサーバの各々はデータベースを共有してもよく、または、独自のデータベースを有してもよい。
【0045】
データベース105、111A〜Cは、本開示に関連する情報(例えば、メインサーバ103によって収集された情報、メインサーバ103によって分析された情報、メインサーバ103によって生成された情報、参照情報、ユーザアカウント情報、ユーザバッテリプラン、ユーザ履歴、ユーザ挙動、ユーザ習慣など)を記憶することができる。いくつかの実施形態では、データベース111A〜Cのうちの少なくとも1つは、政府機関または民間団体によって維持される公的にアクセス可能なデータベース(例えば、天気予報データベース、旅行警告データベース、交通情報データベース、位置情報サービスデータベース、地図データベースなど)であってもよい。いくつかの実施形態では、データベース111A〜Cのうちの少なくとも1つは、気密情報(例えば、ユーザアカウント、ユーザクレジット履歴、ユーザ加入情報など)を提供するプライベートデータベースであってもよい。
【0046】
図示の実施形態では、メインサーバ103は、バッテリ交換ステーション101A〜Dからバッテリ需要に関する情報を収集するようにプログラムされている。例えば、収集される情報は、(1)バッテリ交換ステーション101A〜Dの位置、(2)バッテリ交換ステーション101A〜D内に位置するバッテリの数、(3)バッテリ交換ステーション101A〜D内に配置されていないバッテリの数/位置(例えば、バッテリは現在、車両に設置されているか、またはユーザによって保持もしくは保管されている)、(4)上記バッテリの充電のステータス、(5)バッテリの使用履歴、(6)バッテリ交換ステーション101A〜Dの近くのイベント、(7)バッテリ交換ステーション101A〜Dの近くの環境条件、(8)サンプリングステーションまたはバッテリに関連するユーザの挙動(例えば、バッテリ使用状況、ユーザ運転/乗車履歴、ユーザ挙動、ユーザ習慣など)、および/または(9)他の適切な情報を含むことができる。
【0047】
そのような情報を収集した後、メインサーバ103は、収集された情報を分析して、バッテリ交換ステーション101A〜Dの特性またはパターンを識別する。例えば、メインサーバ103は、分析に基づいて1つまたは複数のバッテリ需要特性/パターンを決定する。その後、決定された特性/パターンは、バッテリ交換ステーション101A〜Dを動作させるための、またはメインサーバ103に結合された他のバッテリ交換ステーションを動作させるためのガイダンスとして使用される。また、決定された特性/パターンを使用して、バッテリ交換ステーション101A〜Dに対するバッテリ価格戦略(例えば、バッテリ需要を高めるためにステーションにおいて低いバッテリ交換価格を設定する、バッテリ需要を減らすために別のステーションにおいては高いバッテリ交換価格を設定するなど)を生成することもできる。メインサーバ103の動作に関する実施形態は、図2を参照して以下に説明される。
【0048】
ネットワーク107は、ローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)とすることができるが、他の有線または無線ネットワークとすることもできる。ネットワーク107は、インターネットまたは他の何らかの公衆またはプライベートネットワークとすることができる。バッテリ交換ステーション101A〜Dは、有線または無線通信などのネットワークインターフェースを介してネットワーク107に接続することができる。メインサーバ103とサーバ109A〜Cとの間の接続は別個の接続として示されているが、これらの接続は、ネットワーク107を含む任意の種類のローカル、ワイドエリア、有線、もしくは無線ネットワーク、または別個の公衆もしくはプライベートネットワークであってもよい。いくつかの実施形態では、ネットワーク107は、私設団体(例えば、会社など)によって使用される安全なネットワークを含む。
【0049】
図2は、本技術の実施形態によるサーバシステム200を示す概略図である。サーバシステム200は、システム200によって配備または管理され得る複数のバッテリに関連する情報を収集するように構成される。サーバシステム200はまた、収集された情報を分析し、その分析に基づいて、その中のプロセス(例えば、充電プロセス)を制御するようにクライアントステーション20に信号または命令のセットを送信するようにも構成される。いくつかの実施形態では、クライアントステーション20は、上述のバッテリ交換ステーション101A〜Dとして実装することができる。他の実施形態では、クライアントステーションは他の適切なクライアント装置として実施することができる。
【0050】
図2に示すように、サーバシステム200は、プロセッサ201と、メモリ203と、入出力(I/O)装置205と、記憶構成要素207と、需要分析構成要素209と、電源分析構成要素211と、ステーション分析構成要素213と、バッテリ分析構成要素215と、ユーザ挙動分析構成要素217と、車両分析構成要素219と、通信構成要素221とを含む。プロセッサ201は、サーバシステム200内のメモリ203および他の構成要素(例えば構成要素205〜221)と対話するように構成される。いくつかの実施形態では、プロセッサ201は、装置内の単一の処理装置もしくは複数の処理装置とすることができ、または複数の装置にわたって分散させることができる。プロセッサ201は、例えばPCI(周辺構成要素相互接続)バスまたはSCSI(小型コンピュータシステムインターフェース)バスなどのバスを使用することによって、他のハードウェア装置に結合することができる。プロセッサ201は、構成要素205〜221などの装置のためのハードウェアコントローラと通信することができる。一実施形態では、構成要素201、207、209、211、213、215、219、221の各々は、本明細書に記載の論理を実施するためのソフトウェアルーチンまたは特殊なハードウェア(フィールドプログラマブルゲートアレイ、FPGAなど)のセットである。
【0051】
メモリ203は、プロセッサ201に結合され、他の構成要素または他の情報を制御するための命令を記憶するように構成される。メモリ203はまた、サーバシステム200内に他の情報を記憶するようにも構成される。いくつかの実施形態では、メモリ203は、揮発性および不揮発性記憶のための様々なハードウェア装置のうちの1つまたは複数を含むことができ、読み取り専用および書き込み可能の両方のメモリを含むことができる。例えば、メモリ203は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、プロセッサレジスタ、読み出し専用メモリ(ROM)、書き込み可能不揮発性メモリ、フラッシュメモリ、装置バッファなどを含むことができる。メモリ203は、基礎となるハードウェアから分離された伝搬信号ではなく、したがって非一時的なものである。メモリ203は、オペレーティングシステムなどのプログラムおよびソフトウェアを記憶するプログラムメモリをさらに含むことができる。メモリ203はまた、サーバシステム200に関連する情報を記憶することができるデータメモリを含むことができる。
【0052】
I/O装置205は、オペレータと通信する(例えば、オペレータから入力を受け取る、および/またはオペレータに情報を提示する)ように構成される。いくつかの実施形態では、I/O装置205は1つの構成要素(例えば、タッチスクリーンディスプレイ)とすることができる。いくつかの実施形態において、I/O装置205は、入力装置(例えば、キーボード、ポインティングデバイス、カードリーダ、スキャナ、カメラなど)および出力装置(例えば、ディスプレイ、ネットワークカード、スピーカ、ビデオカード、オーディオカード、プリンタ、または他の外部装置)を含んでもよい。
【0053】
記憶構成要素207は、一時的または永続的に、サーバシステム200に関連する情報/データ/ファイル/信号(例えば、収集された情報、参照情報、分析されるべき情報、分析結果など)を記憶するように構成される。いくつかの実施形態では、記憶構成要素207は、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ、または他の適切な記憶手段とすることができる。通信構成要素221は、有線または無線信号を介して他のシステム(例えば、クライアントステーション20または他のステーション)および他の装置(例えば、ユーザによって担持されるモバイル装置、車両など)と通信するように構成される。
【0054】
需要分析構成要素209は、分析されるべき情報を収集し(例えば、記憶構成要素207内に)記憶するように構成される。収集される情報は、(1)複数のサンプリングステーション(例えば、いくつかの実施形態では、クライアントステーション20を含むが、他の実施形態では、クライアントステーション20を含まない)の位置、(2)複数のサンプリングステーション内に配置されているバッテリの数、(3)複数のサンプリングステーション内に配置されていないバッテリの数および位置、(4)バッテリ製造者、製造日/バッチ、バッテリが経験した充電サイクル数、バッテリが経験した動作温度、バッテリの充電/放電エネルギー量/速度、バッテリのフル/現在の充電容量および/または他の適切なバッテリ情報に関する情報、(5)ユーザのバッテリ経験を潜在的に変更する可能性のある活動またはイベント(例えば、ユーザがバッテリを使用/交換する方法)、(6)ユーザのバッテリ経験を変える可能性があり得る環境条件、ならびに/または(7)ユーザバッテリプラン、ユーザ運転/乗車履歴、ユーザ挙動、ユーザ習慣などに関するユーザプロファイル情報を含むことができる。収集された情報を受け取った後、需要分析構成要素209は収集された情報を分析することができる。上記の各タイプの収集された情報を分析して、(例えば、以下で詳細に記載する図5Aおよび図5Bに示される特性曲線の形で)この特定のタイプの収集された情報を表す特性/パターンを識別することができる。これらの識別された特性/パターンは、クライアントステーション20に対するバッテリ需要予測を生成するために、需要分析構成要素209によって個々にまたは組み合わせて考慮され得る。バッテリ需要予測はさらに、クライアントステーション20のためのバッテリ管理計画を生成するために使用することができる。
【0055】
いくつかの実施形態では、需要分析構成要素209は、収集された情報をその相対的な重要性または信頼性に基づいて優先順位付けすることができる。例えば、需要分析構成要素209は、クライアントステーション20のバッテリ需要予測を決定するときに、「ステーションの位置」を一次因子として使用し、他の項目を二次因子として設定することができる。そのような実施形態では、システム200は、サンプリングステーションの位置に基づいて、クライアントステーション20の日次バッテリ需要曲線を(例えば、下記に詳述する図5Aおよび図5Bに示されるように)識別することができる。次いで、需要分析構成要素209は、日次バッテリ需要予測/曲線を調整するために他の二次因子を考慮することができる。例えば、需要分析構成要素209は、ユーザプロファイル情報に基づいて、クライアントステーション20の予測ユーザが高需要ユーザであると判定した場合、バッテリ需要予測を増加させることができる。
【0056】
いくつかの実施形態では、需要分析構成要素209は、異なるタイプの収集された情報に異なる重み付けを与えることができる。例えば、需要分析構成要素209は、1つの因子が実際に測定された需要と相関する傾向がある場合、特定のステーションにおけるバッテリの予測需要を計算するときに、「ステーションの位置」、「ユーザ挙動」、「バッテリ充電サイクル」、および「環境条件」の因子に対して異なる重み付けを設定することができる。そのような実施形態では、各タイプの収集された情報の識別された特性/パターンは、その後、期待される需要を統計的に予測するために、重み付けに基づいて組み合わせることができる。いくつかの実施形態では、需要分析構成要素209は、経験的研究、機械学習プロセスの結果、および/またはシステムオペレータの嗜好に基づいて、いずれのタイプの収集された情報を予測に含めるかを決定することができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、需要分析構成要素209は、収集された情報の信頼性に基づいて各タイプの収集された情報の優先順位または重み付けを決定することができる。例えば、測定され、バッテリに接続されたメモリから収集された情報に対して、システム200はそのような情報が直接的/内部的であり、したがって、環境条件(例えば、天気予報、イベント通知など)のような間接的/外部的情報より信頼できると考えるため、需要分析構成要素209は、これにより高い重み付けまたは優先順位を与えることができる。
【0058】
いくつかの実施形態では、需要分析構成要素209は、システム200内の他の構成要素(例えば構成要素211〜219)と通信し、それと協働して、クライアントステーション20のバッテリ需要予測を生成することができる。
【0059】
電源分析構成要素211は、その中のバッテリを充電するためにクライアントステーション20に電力を供給するために使用される1つまたは複数の電源のステータス(例えば、信頼性、安定性、継続性など)を分析するように構成される。例えば、電源分析構成要素211は、クライアントステーション20に電力を供給するために使用される電源が、特定の日付の午前1時から午前3時の間に中断され得ることを決定することができ、その後、電源分析構成要素211はそれに従って、バッテリ需要予測に基づいてクライアントステーション20への充電命令を調整することができる。例えば、当初のバッテリ需要予測は、クライアントステーション20が特定の日付の午前2時において5個のフル充電バッテリが利用可能であることを必要とすることを示し得る。決定された、可能性のある電力供給中断に起因して、電源分析構成要素211は、予測される停電の前の特定の日付の午前1時までに準備ができるように、必要なバッテリを充電するようにクライアントステーション20に命令することができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、電源分析構成要素211はまた、異なる期間における充電のためのコストを考慮することもできる。例えば、電源分析構成要素211は、電源からの充電コストがオフピーク時間の間に低減されると判定する。電源分析構成要素211は、需要分析構成要素209からのバッテリ需要予測に基づいて、オフピーク時間中にクライアントステーション20がそのバッテリを充電することが可能であるか否かを分析する。そうである場合、電源分析構成要素211は、充電コストを削減するために、これらのオフピーク時間の間にバッテリを充電するようにクライアントステーション20に命令することができる。
【0061】
ステーション分析構成要素213は、需要分析構成要素209がその分析の基礎としてそのような情報を使用することができるように、複数のサンプリングステーションを様々なタイプに分類し、各タイプの代表的な特性/パターンを識別するように構成される。例えば、ステーション分析構成要素213は、収集された情報を分析し、バッテリの需要に基づいて複数のサンプリングステーションを様々なタイプに分割することができる。例えば、バッテリが交換される時間を分析することによって、ステーションは、「常時高需要(high−demand−all−time)」、「ピーク時間に高需要(high−demand−peak−hours)」、「休日に高需要(high−demand−holidays)」、「週末に高需要(high−demand−weekends)」、「イベント時に高需要(high−demand−events)」、および「常時低需要(low−demand−all−time)」として分類することができる。いくつかの実施形態では、「常時高需要」タイプは、ステーションが交通量の多い道路に位置することを示すことができる。「ピーク時に高需要」タイプは、ピーク時間帯に通勤ユーザが頻繁にそのステーションを訪れることを推測することができる。「休日に高需要」タイプまたは「週末に高需要」タイプは、そのようなステーションが観光名所または観光地にあることを示すことができる。「イベント時に高需要」タイプは、ステーションがイベント開催施設またはスタジアムにあることを意味し得る。「常時低需要」は、ステーションが2つの主要都市間の中継ステーションとして構築された戦略的ステーションであることを示し得る。他の同様の状況にあるステーションと比較したステーションの位置に基づいて、需要分析構成要素209およびステーション分析構成要素213は、特に収集された情報が、需要分析構成要素209が通常の分析を実行するのに不十分である場合に、クライアントステーションに対する適切なバッテリ需要予測を決定し得る。
【0062】
ステーション分析構成要素213と同様に、バッテリ分析構成要素215、ユーザ挙動分析構成要素217、および車両分析構成要素219はまた、バッテリ、ユーザ挙動、およびバッテリによって駆動される自動車をそれぞれ様々なタイプに分類し、各タイプの代表的な特性/パターンを識別するようにも構成される。例えば、バッテリ分析構成要素215は、バッテリの製造者、使用期間、当初のフル充電容量(FCC)、現在のFCC、充電サイクル、経験した動作温度、充電/放電プロファイル(例えば、一定またはピークを有する)、バッテリハードウェア/ファームウェアバージョン、電池タイプ、バッテリ充電状態(SoC)、バッテリ健康状態(SoH)、バッテリ直流内部抵抗(DCIR)などに基づいてバッテリを分類することができる。そのようなタイプまたはカテゴリは、システム200が、いずれのタイプのバッテリがクライアントステーション20において交換されているかを知っていることを条件として(例えば、そのような情報は、クライアントステーション20によってサーバ200に提供され得る)、需要分析構成要素209が、クライアントステーション20に対するそのバッテリ需要予測(および対応する充電命令)を微調整することを容易にすることができる。いくつかの実施形態では、ステーション分析構成要素213は、クライアントステーション20のための命令セットを生成するように構成することができる。
【0063】
同様に、ユーザ挙動分析構成要素217は、ユーザがバッテリを交換および/または使用する方法に基づいてユーザ挙動を分類することができる。例えば、ユーザはバッテリ性能を非常に必要としている可能性がある(例えばプロのレーサ)。別の例として、別のユーザは、毎日の用事(例えば、子供を迎える、または日用品購入)のために、その車両に電力を供給するためにバッテリを使用するだけでよい場合がある。ユーザがクライアントステーション20においてバッテリを予約すると、クライアントステーション20はその予約に関連する情報をサーバシステム200に提供する。次いで、サーバシステム200は、予約をしたユーザのタイプ/カテゴリを決定し、それに応じてクライアントステーション20に関するバッテリ需要予測(および対応する充電命令)を調整することができる。いくつかの実施形態では、そのような調整はクライアントステーション20によって行うことができる。
【0064】
車両分析構成要素219は、ユーザが運転することを計画している車両のタイプを分類することができる。各タイプの車両について、車両分析構成要素219は、いずれのタイプのバッテリが各タイプの車両に対して最もよく機能するかを決定することができる。例えば、車両分析構成要素219は、特定の充電プロセスの後、電気スクータが特定のタイプのバッテリによって最もよく機能することを決定することができる。そのような実施形態では、サーバシステム200が関連する車両情報を受信した場合、車両分析構成要素219は、需要分析構成要素209と協働してバッテリ需要予測(および対応する充電命令)を調整することができる。いくつかの実施形態では、そのような情報はユーザプロファイルまたはアカウント情報に見出すことができる。他の実施形態では、そのような車両情報は、クライアントステーション20によってサーバシステム200に提供することができる。
【0065】
いくつかの実施形態では、サーバシステム200は、リアルタイムまたはほぼリアルタイムでバッテリ需要予測をクライアントステーション20に提供することができる。そのような実施形態では、サーバシステム200はクライアントステーション20のステータスを監視する。クライアントステーション20の充電プロセスに影響を与える可能性がある変化(例えば、ユーザがちょうど2つのフル充電されたバッテリを取り外し、クライアントステーション20に2つの空のバッテリを残した)または潜在的な変化(例えば、ユーザがクライアントステーション20においてバッテリを交換する予約をする)があると、サーバシステム200は、上述した分析を実行し、クライアントステーション20が追跡するための更新されたバッテリ需要予測を生成することができる。いくつかの実施形態では、変化または潜在的な変化は、モバイル装置(例えば、ユーザがバッテリ予約をするためにその上にインストールされたアプリを使用する)、別のサーバ(例えば、ユーザによって使用されるアプリと関連するウェブサービスサーバ)、および/またはクライアントステーション20からサーバシステム200に送信され得る。
【0066】
いくつかの実施形態では、クライアントステーション20は新たなクライアントステーション(例えば、サンプリングステーションに含まれない)であり得る。そのような実施形態では、サーバシステム200は、(例えば、参照情報として)以前に収集された情報および/またはサーバシステム200によって実行された以前の分析に基づいてバッテリ需要予測を生成することができる。バッテリ需要予測はさらに、クライアントステーション20のためのバッテリ管理計画を生成するために使用することができる。例えば、サーバシステム200は、クライアントステーション20が特定のタイプのステーション(例えば、「交通量が多い」タイプ、「中間交通量」タイプ、「交通量が少ない」タイプ、「都市通勤」タイプ、「観光名所」タイプ、「イベント駆動」タイプなど)であり得ると判定し、その後、判定されたタイプに基づいてバッテリ需要予測を生成することができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、サーバシステム200は複数のクライアントステーションを同時に管理する。そのような実施形態では、サーバシステム200はこれらのクライアントステーションを監視し、そこから情報を収集し、各クライアントステーションについてのバッテリ需要予測を生成することができる。
【0068】
図3は、開示されている技術の実施形態によるステーションシステム300を示す概略図である。示されるように、ステーションシステム300は、プロセッサ301、メモリ303、ユーザインターフェース305、通信構成要素307、バッテリ管理構成要素309、命令管理/シミュレーション構成要素310、1つまたは複数のセンサ311、記憶構成要素313、および8つのバッテリスロット317a〜nに結合されている充電構成要素315を含む。プロセッサ301は、ステーションシステム300内のメモリ303および他の構成要素(例えば構成要素305〜317)と対話するように構成される。メモリ303は、プロセッサ301に結合され、ステーションシステム300内の他の構成要素または他の情報を制御するための命令を記憶するように構成される。
【0069】
ユーザインターフェース305は、ユーザと対話するように(例えば、ユーザ入力を受信し、ユーザに情報を提示するように)構成される。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェース305はタッチスクリーンディスプレイとして実装することができる。他の実施形態では、ユーザインターフェース305は他の適切なユーザインターフェース装置を含むことができる。記憶構成要素313は、ステーションシステム300に関連する情報、データ、ファイル、または信号(例えば、センサ313によって測定された情報、バッテリ317a〜nによって収集された情報、参照情報、充電命令、ユーザ情報など)を一時的または永続的に記憶するように構成される。通信構成要素307は、他のシステム(例えば、車両システム31、サーバ33、および/または他のステーション)および他の装置(例えば、ユーザによって担持されるモバイル装置32)と通信するように構成される。
【0070】
バッテリ管理構成要素309は、バッテリスロット317a〜n内に配置されたバッテリを管理および制御するように構成されている。いくつかの実施形態では、バッテリ管理構成要素309は、(いくつかの実施形態では、サーバシステム200と同様に機能することができる)サーバ33からの命令(例えば、上述したバッテリ管理計画)に基づいてバッテリを管理することができる。いくつかの実施形態において、バッテリ管理構成要素309は、ステーションシステム300(例えば、記憶構成要素313)に記憶された所定の命令または指針(例えば、動的価格戦略)に基づいてバッテリを管理することができる。いくつかの実施形態では、バッテリ管理構成要素309は、更新命令を要求するためにサーバ33と定期的に通信することができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、バッテリ管理構成要素309はまた、バッテリスロット317a〜nに配置されたバッテリに関する情報、ステーションシステム300に関する情報、1つまたは複数の電源35に関する情報、ユーザに関する情報(例えば、通信構成要素307を介してモバイル装置32から受信される)、および/または車両システム30に関する情報を収集するように構成することもできる。バッテリ管理構成要素309は、さらなる分析またはプロセスのために収集した情報をサーバ33に送信またはアップロードすることができる。
【0072】
命令管理/シミュレーション構成要素310は、いずれのシステム300がバッテリスロット317a〜nに配置されたバッテリを管理、制御、充電、および/または維持するかに基づいて、動作命令(例えば、いくつかの軽量/高速アルゴリズム)のセットを管理するように構成される。いくつかの実施形態では、命令管理/シミュレーション構成要素310は、サーバ33からのバッテリ管理計画(例えば、1つまたは複数のバッテリを充電する方法/時期)を検証および実施するように構成される。いくつかの実施形態において、バッテリ管理計画は、エージングポリシに基づいて検証することができる(例えば、バッテリ管理計画は、サーバ33によって生成または発行されてから12時間にわたって有効である)。バッテリ管理計画が検証される場合、それはステーションシステム300によって実施される。バッテリ管理計画が検証されない(例えば、期限切れになる)場合、ステーションシステム300は、デフォルト規則(例えば、システム300に記憶されている所定の動作命令のセット)に基づいてバッテリを管理することができる。いくつかの実施形態では、各バッテリ交換ステーションに対するデフォルトの規則は異なり得る(例えば、バッテリ交換ステーションの場所、予測バッテリ需要などに応じて)。いくつかの実施形態では、命令管理構成要素310は、システム300(例えば、記憶構成要素313)に記憶されている命令セットを管理、維持、および更新するように構成することができる。
【0073】
いくつかの実施形態において、命令管理/シミュレーション構成要素310は、ステーションシステムが新たなまたは更新されたバッテリ管理計画を実施するか否かをローカルに決定することができるように、新たなまたは更新されたバッテリ管理計画に対するシミュレーションを実行するように構成される。例えば、定期保守のために別のバッテリ交換ステーションがオフラインになった。サーバ33は、ステーションシステム300のための更新されたバッテリ管理計画を生成する。例えば、サーバ33は、そのバッテリ交換ステーションがオフラインになる結果として、ステーションシステム300に対するバッテリ需要の増加がもたらされると判定する。したがって、サーバ33は、ステーションシステム300に対する更新されたバッテリ管理計画を送信する。
【0074】
更新されたバッテリ管理計画を受信した後、シミュレーション構成要素310は、更新されたバッテリ管理計画についてシミュレーションを実行する。いくつかの実施形態では、シミュレーションはサーバによって実行することができる。シミュレーションは、既存のバッテリ管理計画の実行と実質的に干渉しないバックグラウンドプロセスとして実行される。いくつかの実施形態において、シミュレーションは、更新されたバッテリ管理計画に基づいて、バッテリステーション内に配置されたバッテリに対する充電プロセスをシミュレートすることを含む。いくつかの実施形態では、シミュレーションは、更新されたバッテリ管理計画を実施することが実際の需要を満たすのに十分な数の充電済みバッテリを生成できるか否かをシミュレーションすることを含む。例えば、予測される需要増加に起因して、更新されたバッテリ管理計画は、(使用される既存のバッテリ管理計画である)通常のレートよりも速い増大した充電レートでそのバッテリを充電するようにステーションシステム300に要求する。ある期間(例えば、12時間)の後、シミュレーション結果が生成される(例えば、増加した充電速度で充電する結果として、ステーション全体に対して5℃の温度上昇がもたらされる)。シミュレーション結果は実際の需要と比較される。例えば、実際の需要は、バッテリを充電するために通常のレートを使用することが過去12時間以内で依然として実際の需要を満たしていることを示す(例えば、予約されたバッテリを待つユーザがいなかった)。そのような実施形態では、ステーションシステム300は、更新されたバッテリ管理計画を実施しないと決定することができる。
【0075】
センサ311は、ステーションシステム300に関連する情報(例えば、動作温度、環境条件、電力接続、ネットワーク接続など)を測定するように構成される。センサ311はまた、バッテリスロット317a〜n内に配置されたバッテリを監視するように構成することもできる。測定された情報は、さらなる分析のためにバッテリ管理構成要素309およびサーバ33に送信することができる。
【0076】
充電構成要素315は、バッテリスロット317a〜n内に配置されたバッテリの各々に対する充電プロセスを制御するように構成される。いくつかの実施形態では、ステーションシステム300は他の数のバッテリスロットを含むことができる。バッテリスロット317a〜nは、その中に配置および/またはロックされたバッテリを収容し充電するように構成されている。充電構成要素315は、電源35から電力を受け取り、次いで、その電力を使用して、サーバ33から受信される、または記憶構成要素313に記憶されている所定のバッテリ管理計画に基づいて、バッテリスロット317a〜nに位置するバッテリを充電する。いくつかの実施形態では、バッテリ管理計画は、サーバ33によって生成されたバッテリ需要予測に基づいて決定することができる。
【0077】
いくつかの実施形態では、バッテリ管理計画は、フル充電点(例えば、そのフル充電容量の98%)までバッテリを充電することを含む。このような実施形態では、バッテリがそのフル充電点まで充電されると、充電構成要素315は充電プロセスを停止する。いくつかの実施形態では、システム300は、充電構成要素315によって実行される充電プロセス中に充電電圧を制御または調整することができる。
【0078】
いくつかの実施形態では、ユーザがバッテリをバッテリスロット317a〜nのうちの1つに配置すると、ステーションシステム300はそのバッテリの存在を検出し、バッテリと関連付けられるメモリに記憶されている情報を引き出すことができる。例えば、バッテリ管理構成要素309は、挿入されるバッテリの内部にある、またはバッテリに結合されているバッテリメモリから、そのバッテリに関連する情報(例えば、バッテリ使用履歴、バッテリ識別情報、充電サイクル、フル充電容量、挿入されるバッテリが関連付けられている車両の車両情報、バッテリが関与していたユーザ活動など)を引き出すことができる。いくつかの実施形態では、バッテリメモリ内の情報は、通信構成要素307を介してサーバ33に送信することができる。
【0079】
図4は、本技術の実施形態によるシステム400を示す概略図である。図4に示すように、システム400は、サーバ403(例えば、上述のサーバシステム200)と、複数のバッテリ交換ステーション405(グループA内のステーション405A1〜A3およびグループB内のステーション405B1〜B2として示される)とを含む。いくつかの実施形態では、ステーション405A1〜A3はエリアAに配置され、ステーション405B1〜B2はエリアBに配置される。他の実施形態では、ステーションは予測バッテリ需要の類似性などの他の因子に基づいてグループ化することができる。各グループに対して、システム400は地域マスタステーションを指定することができる。図示の実施形態では、ステーション405A1はグループAの地域マスタステーションであり、ステーション105B1はグループBの地域マスタステーションである。サーバ403はバッテリ管理計画P1を地域マスタステーション405A1に送信する(例えば、矢印C1として示される)。地域マスタステーション405A1は、(例えば、上述した検証/シミュレーションプロセスによって)バッテリ管理計画P1を検証しシミュレートする。次に、地域マスタステーション405A1は、グループA内のすべてのステーションについてバッテリ管理計画P1を採用するか否かを判定する。採用する場合、地域マスタステーション405A1は次に、バッテリ管理計画P1をステーション405A2〜A3に送信する(例えば、矢印C2〜C4として示される)。同様に、サーバ403は、バッテリ管理計画P2を地域マスタステーション405B1に送信する(例えば、矢印C5として示す)。地域マスタステーション405B1は、バッテリ管理計画P2を検証およびシミュレートし、グループB内のすべてのステーションについてバッテリ管理計画P2を採用するか否かを判定する。採用する場合、地域マスタステーション405A1は次に、バッテリ管理計画P2をステーション405B2に送信する(例えば、矢印C6として示される)。ステーション間の通信は有線または無線であってもよい。この構成により、システム400は、サーバ403が個々のステーション405と通信することを必要とせずに複数のステーション405を効率的に管理することができる。これにより、サーバ403の計算/通信負荷を軽減することができる。
【0080】
図5Aおよび図5Bは、開示されている技術の実施形態によるステーション特性を示す概略図である。ステーション特性は、(各ステーションのバッテリ管理計画の基礎となる)バッテリ需要予測を生成するために使用される。図5Aでは、3つの二次元特性曲線501A、501Bおよび501Cが示されている。しかしながら、他の実施形態では、特性曲線は、そのような特性曲線を生成するときに考慮されるべき因子の数に応じて、三次元または多次元であり得る。
【0081】
特性曲線501A〜Cは、複数のサンプリングステーションに関連する情報(例えば、上述の収集された情報)に基づいて(例えば、サーバシステム200などのサーバによって)生成されるステーションA〜Cのバッテリ需要予測(または電力消費予測)を表す。いくつかの実施形態では、これらの特性曲線501A〜Cを実際の測定値と比較して、これらの曲線の正確度を検証および/または向上させることができる(例えば、特性曲線501AをステーションAにおいて行われる実際の測定によって生成される曲線と比較する)。そのような実施形態では、比較の結果を使用して特性曲線501A〜Cをさらに調整することができる。いくつかの実施形態では、本技術は、この手法を使用して、様々な因子、因子に対する重み付け、アルゴリズムなどに基づいてその分析を微調整することができる。
【0082】
図5Aに示すように、特性曲線501Aは、ステーションAが「ピーク時に高需要」タイプのステーションであることを示すことができるピーク部分503を有する。特性曲線501Bは日中は時間とともに減少しピークのない滑らかな曲線を有し、これはステーションBがある期間(例えば、朝)に相対的に高いバッテリ需要を有し、したがって「通勤」タイプのステーションであり得ることを示すことができる。ステーションCに関しては、特性曲線501Cは一日の中ほどにより高いプラトー部分505を有する。プラトー部分505は、ステーションCに近い有名なレストランへの交通によって引き起こされ得る、正午に相対的に高いバッテリ需要をステーションCが有することを示し得る。いくつかの実施形態では、本技術は、バッテリ交換ステーションのバッテリ需要予測を決定するための参照情報として使用することができる、複数のタイプの特性曲線またはパターンを提供し得る。
【0083】
図5Bは、開示されている技術の実施形態によるステーションシステムの複数の時間枠の間の特性を説明する概略図である。図5Bでは、ステーションXについての3つの特性曲線507A〜Cが示されている。特性曲線507A〜Cは、ステーションで行われた交換に関連する情報、バッテリ内の情報、ステーションにおいて測定または予測されている交換、計画されている社交行事などに基づいて生成される、異なる時間枠(例えば、日、週、および年)におけるステーションXのバッテリ需要予測を表す。
【0084】
示されるように、特性曲線507Aは2つのピーク部分508および509を有する。ピーク部分508および509は、ステーションXに近い通勤交通を示すことができる。特性曲線507Bは、平日の間のプラトー部分511を有し、これは、ステーションXが週末ではなく平日に通勤者によって集中的に使用される道路に近いことを示し得る。特性曲線507Cもまた、それぞれ2月および7月に2つのピーク部分513と514を有する。これら2つのピーク部分513および514は、ステーションXに近いスタジアムで開催されているイベント(例えば、2月および7月に開催される年中行事)によって引き起こされるバッテリ需要を示すことができる。
【0085】
図6は、開示されている技術の実施形態による方法600を示すフローチャートである。方法600は、バッテリステーションを管理するように構成される。方法600はバッテリ交換ステーション(例えばステーションシステム300)によって実施することができる。方法600は、ブロック601において、サーバから予測バッテリ需要情報に基づく第1のバッテリ管理計画を受信することによって開始する。
【0086】
ブロック603において、方法600は、ローカル参照情報のセットに基づいて第1のバッテリ管理計画を検証することによって継続する。ローカル参照情報のセットはエージングポリシを含む。ブロック605において、方法600は次に、サーバから予測バッテリ需要情報の更新に基づく第2のバッテリ管理計画を受信する。ブロック607において、方法600は、次に、第1の結果を生成するために、バッテリ交換ステーションに配置された1つまたは複数のバッテリを充電するための第1のバッテリ管理計画を実施する。
【0087】
ブロック609において、方法600は、第2の結果を生成するために、第2のバッテリ管理計画に基づいてバッテリのシミュレーションを実行する。ブロック611において、第1の結果と第2の結果とが比較される。ブロック613において、方法600は、比較に基づいて第2のバッテリ管理計画を実施するか否かを決定する。方法600はその後戻り、さらなる命令を待つ。
【0088】
図7は、開示されている技術の実施形態による方法700を示すフローチャートである。方法700は、バッテリ交換ステーション(例えば、バッテリ交換ステーション107または207、クライアントステーション20、ステーションシステム300など)によって実施することができる。ブロック701において、方法700は、サーバから、第1の期間に対応するバッテリ交換ステーションに関する需要情報を受信することによって開始する。いくつかの実施形態において、第1の期間は、2時間、3時間、12時間、24時間、1週間の期間であり得る。いくつかの実施形態では、第1の期間は複数の時間間隔(例えば、1時間、30分など)を含むことができる。例えば、第1の期間に対応する需要情報は、「HOUR 1内に2回のバッテリ交換」、「HOUR 2内に3回のバッテリ交換」、「HOUR 3内に4回のバッテリ交換」などとすることができる。HOUR 1は現時点からの次の時間を指し、HOUR 2は当該次の時間の後の時間を指し、HOUR 3はHOUR 2の後の時間を指す。
【0089】
ブロック703において、方法700は、(1)バッテリ交換ステーションに記憶された第1の命令セット、および(2)第1の期間に対応する需要情報に基づいて、第1の期間に対応するバッテリ交換ステーションに配置されたバッテリの充電計画を形成することを含む。いくつかの実施形態において、第1の命令セットは、(i)1つまたは複数の充電規則、および(ii)バッテリ交換ステーションに配置されたバッテリの各々への1つまたは複数の充電規則の割り当てを示す情報(例えば、「充電論理」)を含むことができる。いくつかの実施形態では、充電計画は、バッテリ交換ステーションに配置されたバッテリの各々に対する(例えば、第1の命令セット内の1つまたは複数の充電規則から選択される)1つまたは複数の割り当てられた充電規則を含む。充電計画が形成されると、方法700は、充電計画に基づいてその中のバッテリを充電することができる。
【0090】
ブロック705において、方法700は、(例えば、充電計画内の)各バッテリに対する1つまたは複数の割り当てられた充電規則と、第1の期間中の各バッテリのステータス(例えば、SoC、バッテリのセル温度など)とに基づいて、装置交換ステーションに配置されたバッテリの各々に対する充電コマンドを生成することを含む。例えば、HOUR 1の予測需要は「2回のバッテリ交換」であり得、バッテリ交換ステーションにはSoCが「95%」、「91%」、「80%」、「75%」、「60%」、「50%」および「45%」のバッテリB1〜B6があると仮定し得る。HOUR 1の予測需要を満たすために、ステーションは、(例えば、バッテリB1およびB2が90%のSoC閾値を超えるSoCを有するため)バッテリB1およびB2に対して低速充電規則を割り当てることができ、このとき、バッテリB1およびB2に対する対応する充電コマンドは、「今からバッテリB1が交換されるまでの間、0.1Cの低速でバッテリB1を充電する」および「今からバッテリB2が交換されるまでの間、0.2Cの低速でバッテリB2を充電する」であり得る。「C」はバッテリ充電の「Cレート」を意味する)
【0091】
いくつかの実施形態では、第1の命令セットはサーバによって更新することができる。例えば、方法700は、(1)サーバから第2の命令セットを受信するステップであって、第2の命令セットは、1つまたは複数の更新された充電規則を含む(例えば、製造業者Mによって製造されたバッテリBを温度T未満で充電する結果として、バッテリの劣化が少なくなるなど、バッテリの特性に関する分析に基づいて更新される)、受信するステップと、(2)1つまたは複数の更新された充電規則に基づいて1つまたは複数の割り当てられている充電規則を更新する(例えば、ステーションの充電計画を更新する)ステップと、(3)更新された1つまたは複数の割り当てられている充電規則および各バッテリの状態に基づいて、各バッテリに対する充電コマンドを更新するステップとを含むことができる。
【0092】
いくつかの実施形態では、需要情報もサーバによって更新することができる。例えば、方法700は、(1)サーバから、第1の期間よりも遅い第2の期間に対応するバッテリ交換ステーションに対する需要情報を受信するステップと、(2)バッテリ交換ステーションに記憶されている第1の命令セット(第1の命令セットが第2の命令セットによって更新または置換されている場合は第2の命令セットの)および第2の期間に対応する需要情報に基づいて、第2の期間に対応するバッテリ交換ステーションに配置されているバッテリに対する充電計画を更新するステップとを含むことができる。例えば、第1の期間は今から12時間、2番目の期間は今から13〜24時間とすることができる。他の実施形態では、第1の期間および第2の期間はステーションまたはサーバのオペレータによって設定され得る。
【0093】
いくつかの実施形態では、充電計画は定期的に更新することができる(例えば、毎日、12時間ごとなど)。いくつかの実施形態では、充電計画は、トリガイベント(例えば、バッテリの交換、バッテリ交換に対する新規ユーザ加入などの予測需要の変化をもたらすイベント、および、停電などの電源の変化をもたらすイベント、周囲温度の変化などの環境条件の変化など)に応答して更新することができる。
【0094】
いくつかの実施形態では、トリガは、サーバとバッテリ交換ステーションとの間の接続切断であり得る。バッテリ交換ステーションが接続切断を検出すると(例えば、30分などの一定期間にわたって、またはサーバが通常ステーションと通信する時間の2倍の時間後にサーバからの応答がない)、バッテリ交換ステーションは、「自律」モードに入り、最新の命令セット(第1の命令セットまたは第2の命令セット)および最新の需要情報を使用してサーバユーザを維持することができる。
【0095】
例えば、方法700は、(1)トリガイベントに応答して、第1の期間に対応するバッテリ交換ステーションに対する需要情報を、第1の期間よりも遅い第2の期間に対応するバッテリ交換ステーションの需要情報として考慮するステップと、(2)バッテリ交換ステーションに記憶された第1の命令セット、および、第1の期間に対応するバッテリ交換ステーションに対する需要情報に基づいて、第2の期間に対応するバッテリ交換ステーションに位置するバッテリの充電計画を生成するステップとをさらに含むことができる。例えば、ステーションは、第1の期間(今から0〜24時間)の予測需要を第2の期間(今から25〜48時間)の予測需要として使用することができる。
【0096】
いくつかの実施形態では、バッテリ交換ステーションは、各バッテリのステータスに基づいて、バッテリ交換ステーション内に配置された各バッテリに優先順位値を割り当てることができる。この構成により、バッテリ交換ステーションは、充電計画を形成するために充電規則をどのように適用するかを迅速に決定することができる。例えば、バッテリ交換ステーションは、「25℃」、「26℃」、「27℃」、「28℃」、「29℃」、「30℃」の温度を有するバッテリB1〜B6を有することができる。したがって、バッテリB1〜B6の優先順位は、「6」、「5」、「4」、「3」、「2」、および「1」とすることができる。この例では、(例えば、温度が最も低いことに起因して)優先順位値が最も高いバッテリB1は、HOUR 1における予測需要を満たすために割り当てられ得る。優先順位値が2番目に高いバッテリB2も、HOUR 1における予測需要を満たすために割り当てられ得る。HOUR2に対する予測需要が「1回のバッテリ交換」であると仮定すると、優先順位値が3番目に高いバッテリB3が、HOUR2における予測需要を満たすために割り当てられ得る。
【0097】
バッテリが予測需要を満たすために割り当てられると、(ステーションに記憶されている第1の命令セットまたは第2の命令セット内の充電規則からの)少なくとも1つの充電規則を、割り当てられたバッテリの各々に割り当てることができ、バッテリは、割り当てられた充電規則に基づいて充電される。
【0098】
いくつかの実施形態では、方法700は、(1)エージングポリシに基づいて第1の命令セットを管理するステップと、(2)エージングポリシに基づいて第1の命令セットが期限切れになっているか否かを検証するステップと、(3)第1の命令セットが期限切れになったときに、第1の命令セットをデフォルト規則のセットに置き換えるステップとをさらに含む。いくつかの実施形態では、エージングポリシは、第1の命令セットが有効であるか否かを判定するために使用される規則のセットとすることができる。例えば、エージングポリシは、期間(例えば、第1の命令セットが生成された時点からカウントして、12時間、24時間、2日、1週間など)を含むことができ、そしてこの期間の後、第1の命令セットは期限切れになる。いくつかの実施形態では、命令セットが期限切れと見なされると、ステーションはその命令セットをデフォルト規則(またはデフォルト命令セット)に置き換えることができる。例えば、デフォルト規則は、バッテリがステーション内に配置されるとすぐにバッテリの充電を開始すること、バッテリ温度が温度閾値を超えたときにバッテリの充電を停止することなどを含むことができる。他の実施形態では、デフォルト規則は、サーバからのガイダンスなしにステーションを操作するために使用される命令を含むことができる。いくつかの実施形態において、ステーションは、デフォルト規則自体を(例えば、ステーションの実際のバッテリ需要に基づいて)更新することができる。いくつかの実施形態では、ステーションは、様々なタイプのトリガイベントに応答して、デフォルト規則の複数のセットを有することができる。
【0099】
いくつかの実施形態では、方法700は、(1)シミュレーション結果を生成するために第1の命令セットをシミュレートするステップと、(2)シミュレーション結果に基づいて第1の命令セットを更新するか否かを決定するステップと、(3)バッテリ交換ステーションに配置されたバッテリのうちの少なくとも1つに対する充電プロセスをシミュレートするステップとを含むことができる。いくつかの実施形態では、第1の命令セットを実施する前にシミュレーションを実行することができる。いくつかの実施形態では、シミュレーション結果は将来の参照のためにサーバに送信することができる。
【0100】
理解されるように、サーバは、任意の所与の交換ステーションに対するバッテリ需要予測を行うために、バッテリ交換ステーションからのバッテリ使用情報、交換される個々のバッテリからの情報、バッテリ予約需要、天気情報、特別なイベントの情報などを継続的に受信している。様々な構成要素(例えば、サーバ内のソフトウェアルーチンまたは専用論理)は、満足のいく顧客体験を提供するために各交換ステーションによって必要とされるバッテリの数およびタイプを推定するために記載された機能に従って動作する。
【0101】
バッテリ管理計画(または命令セット)は、バッテリ需要予測に基づいており、充電スロット内の個々のバッテリに対する充電命令を提供する。上記のように、各バッテリ交換ステーションは、個々のバッテリが充電されるレート、充電される量、バッテリの最大充電温度、および他の因子を制御することができる。交換ステーションにおけるバッテリの予測需要が変化した場合には、サーバは交換ステーションに送信される新たなバッテリ管理計画を生成する。
【0102】
いくつかの実施形態では、新たなバッテリ管理計画は直ちに実施されるか、または交換ステーションに新たな計画を直ちに実施するように要求するコードとともに送信される。他の実施形態では、新たなバッテリ管理計画は、既存のバッテリ管理計画に対してシミュレートされて、新たな計画が現在のバッテリ管理計画より良いか悪いかが判定される。そのような新たな計画は、それがより多くの品質カテゴリ(例えば、より多くのバッテリが利用可能である、予測需要に対してバッテリを充電するのに使用されるエネルギーのコストがより低い、交換ステーション内の全体的な温度がより低い、など)の1つにおいてより良い場合、交換ステーションが新たなバッテリ管理計画を自由に実施できることを示す異なるコードとともに送信され得る。
【0103】
この場合、交換ステーションは、提案された新たなバッテリ管理計画の下で複数の様々な品質カテゴリについての結果を計算し、その結果を既存のバッテリ管理計画を用いて実際に達成または測定されたものと比較するようにプログラムされたプロセッサを含む。様々な品質カテゴリを比較することによって、バッテリ交換ステーションのプロセッサは、新たなバッテリ管理計画が実施されているか否かを判定することができる。次いで、バッテリ交換ステーションのプロセッサは、新たなバッテリ管理計画が実施されたか否かを示すメッセージを中央サーバに送信する。
【0104】
例として、現在のバッテリ管理計画が午後4時までに6つのフル充電されたバッテリを交換する準備をすることを要求し、新たなバッテリ管理計画が、全体的により遅い充電レートを要求し、結果、バッテリが午後5時30分まで準備できないことになる場合、交換ステーションのプロセッサは、午後5時30分以降まで実際にバッテリが必要か否かを確認するために、バッテリに対する需要を監視することができる。そうである場合、新たなバッテリ計画が採用され得る。午後4時30分にバッテリに対する需要の急増が検出された場合、新たな計画ではより良好な顧客体験が提供されなかったことになるため、採用される可能性は低い。
【0105】
理解されるように、バッテリ管理計画が実際に採用されるか否かは、シミュレートされ測定される品質データと比較される2つ以上の品質因子に基づいていずれの計画が最良の総合スコアを与えるかによって決定される多変量決定であり得る。
【0106】
いくつかの実施形態において、本技術は、異なる時間枠において異なる因子を選択することによって他のタイプの特性またはパターンを提供することができる。この構成により、本技術は、オペレータが特定のバッテリ交換ステーション(例えば、このステーションは新たなものまたは既存のものであり得る)に対するバッテリ需要を効率的に予測することを可能にする。本技術は、複数のバッテリ交換ステーションを効率的に維持するための柔軟性を提供する。本技術はエネルギー効率を高めることができ、したがってバッテリを管理/充電するための全体的な費用を削減することができる。
【0107】
本明細書に記載された実施形態では、「構成要素」は、プロセッサ、制御論理、デジタル信号プロセッサ、コンピューティングユニット、および/または上述の機能を実施するための命令を実行するように構成またはプログラムされた任意の他の適切な装置を含み得る。
【0108】
本技術は、特定の例示的な実施形態を参照して説明されているが、本技術は、記載された実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲の精神および範囲内で修正および改変されて実施され得ることが認識されよう。したがって、本明細書および図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味において考えられるべきである。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7