(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
組成物の総重量に基づいて0.5〜10重量%のボイドを有するラテックス粒子を前記組成物に添加することを含む、前記組成物の可視光散乱を改善する方法であって、前記組成物は、
(i)(a)コアポリマーの総重量に基づいて30〜50重量%の、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロキシプロピオン酸、イタコン酸、アコニット酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、シトラコン酸、マレイン酸モノメチル、フマル酸モノメチル、イタコン酸モノメチル及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つのカルボン酸基を含有するモノエチレン性不飽和モノマーと、(b)前記コアポリマーの総重量に基づいて50〜70重量%のスチレン、ビニルトルエン、エチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート及びこれらの混合物からなる群から選択される非イオン性エチレン性不飽和モノマーと、から誘導される重合単位を含む少なくとも1つのコアポリマーと、
(ii)(a)シェルポリマーの総重量に基づいて65〜75重量%のメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、スチレン、エチルビニルベンゼン、t−ブチルスチレン、及びこれらの混合物からなる群から選択される非イオン性エチレン性不飽和モノマーと、(b)前記シェルポリマーの総重量に基づいて22〜30重量%のジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレート、テトラ(メタ)アクリレート、ポリアリルモノマー、ポリビニルモノマー、混合エチレン性官能基を有する(メタ)アクリルモノマー、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリエチレン性不飽和モノマーと、(c)前記シェルポリマーの総重量に基づいて0.1〜5重量%の(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロキシプロピオン酸、イタコン酸、アコニット酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、フマル酸モノメチル、イタコン酸モノメチル及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つのカルボン酸基を含有するモノエチレン性不飽和モノマーと、(d)前記シェルポリマーの総重量に基づいて0.1〜5重量%の2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸及びスチレンスルホン酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1つの非カルボン酸基を含有するモノエチレン性不飽和モノマーと、から誘導される重合単位を含む少なくとも1つのシェルポリマーと、
を含み、
前記組成物は少なくとも1つの無機金属酸化物顔料粒子を含み、前記ボイドを有するラテックス粒子はボイドを含み、400nm〜1500nmの粒子径を有する、方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明者らは、ここで、驚くべきことに、コアポリマー及びシェルポリマーを含み、400nm〜1500nmの粒子径を有するボイドを有するラテックス粒子が、顔料グレードの無機金属酸化物粒子を含有する組成物への光散乱を改善すると共に、皮膚に塗布する場合にホワイトニング(whitening)効果が長時間持続することを見出した。したがって、本発明は、一態様では、ボイドを有するラテックス粒子及び光散乱顔料グレードの無機金属酸化物粒子を含むパーソナルケア組成物を提供する。
【0011】
本発明では、「パーソナルケア」は、皮膚へ塗布してそのままにするもの、例えば、ローション、クリーム、ゲル、ゲルクリーム、美容液、化粧水、拭き取り、パック、液体ファンデーション、化粧品、色付き乳液、オイル、フェイス/ボディスプレー、及び局所用医薬品等、並びに、皮膚へ塗布し洗い流すもの、例えば、身体/顔/手の洗浄剤、石けん及び洗剤等、を含む化粧用並びにスキンケア組成物を指すことを意図する。「パーソナルケア」は、局所的に塗布される(即ち、摂取されない)組成物に関する。パーソナルケア組成物は化粧品として許容できことが好ましい。「化粧品として許容できる」は、パーソナルケア組成物において典型的に使用される成分を指し、パーソナルケア組成物中に典型的に見出される量で存在する場合に毒性である材料は、本発明の一部としては考えられないことを強く意図する。本発明の組成物は、当技術分野で周知の方法、例えば、従来の混合、溶解、顆粒化、乳化、カプセル化、封入又は凍結乾燥法により調製されることができる。
【0012】
本明細書で使用される場合、用語「ポリマー」は、同じタイプ又は異なるタイプのモノマーを重合することによって調製されるポリマー化合物を指す。一般的な用語「ポリマー」には、用語「ホモポリマー」、「コポリマー」及び「ターポリマー」が含まれる。本明細書で使用される場合、「から誘導される重合単位」という用語は、生成物ポリマーが重合反応の出発物質である構成モノマーから誘導される「重合単位」を含有する重合技術に従って合成されるポリマー分子を指す。本明細書で使用される場合、「(メタ)アクリル」という用語は、アクリル又はメタクリルのいずれかを指す。
【0013】
本明細書で使用される場合、「ガラス転移温度」又は「T
g」という用語は、ガラス質ポリマーがポリマー鎖のセグメント運動を受ける温度又はそれ以上の温度を指す。ポリマーのガラス転移温度を、Fox方程式(Bulletin of American Physical Society, 1(3)123ページ(1956))により以下のように推定することができる。
1/T
g=w
1/T
g(1)+w
2/T
g(2)
【0014】
コポリマーの場合、w
1及びw
2は2つのコモノマーの重量分率を指し、T
g(1)及びT
g(2)はモノマーから調製される2つの対応するホモポリマーのガラス転移温度を指す。3つ以上のモノマーを含有するポリマーについては、追加の項(w
n/T
g(n))が加えられる。例えば、“Polymer Handbook”,J.Brandrup及びE.H. Immergut著, Interscience Publishersに記載されている、ホモポリマーのガラス転移温度の適切な値を用いることにより、ポリマーのT
(g)を計算することもできる。ポリマーのT
gは、例えば、示差走査熱量測定(DSC)を含む様々な技術により測定することもできる。本明細書で報告されるT
gの値は、DSCにより測定される。
【0015】
本発明のパーソナルケア組成物はボイドを有するラテックス粒子を含有する。本発明に有用なボイドを有するラテックス粒子は、少なくとも1つのコアポリマー及び少なくとも1つのシェルポリマーを含有する多段粒子を含む。コア重量対総ポリマー重量の比は、1:4(25%コア)〜1:100(1%コア)、好ましくは1:8(12%コア)〜1:50(2%コア)である。
【0016】
少なくとも1つのコアポリマーは、少なくとも1つのカルボン酸基を含有するモノエチレン性不飽和モノマーと非イオン性エチレン性不飽和モノマーとから誘導される重合単位を含む。例えば、少なくとも1つのカルボン酸基を含有するモノエチレン性不飽和モノマーのエマルジョン単独重合により、又は少なくとも1つのカルボン酸基を含有する2つ以上のモノエチレン性不飽和モノマーの共重合により、コポリマーを得ることができる。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのカルボン酸基を含有するモノエチレン性不飽和モノマーは、1つ又は複数の非イオン性(即ち、イオン化可能な基を持たない)エチレン性不飽和モノマーと共重合される。理論に束縛されることを望むものではないが、イオン化可能な酸基の存在は、塩基を含有する水性又は気体状の媒体等の膨潤剤の作用によりコアを膨潤可能にし、酸性コアポリマーを部分的に中和し、水和により膨潤させる、と考えられる。
【0017】
コアポリマーの少なくとも1つのカルボン酸基を含有する好適なモノエチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロキシプロピオン酸、イタコン酸、アコニット酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、フマル酸モノメチル、及びイタコン酸モノメチル、並びに対応する無水物、アミド、及びエステル等の他の誘導体が挙げられる。いくつかの好ましい実施形態では、少なくとも1つのカルボン酸基を含有するモノエチレン性不飽和モノマーは、アクリル酸及びメタクリル酸から選択される。いくつかの実施形態では、コアは、コアポリマーの総重量に基づいて、20〜60重量%、好ましくは30〜50重量%、より好ましくは35〜45重量%の量で少なくとも1つのカルボン酸基を含有するモノエチレン性不飽和モノマーの重合単位を含む。
【0018】
好適なコアポリマーの非イオン性エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、エチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸の(C
1−C
22)アルキルエステル並びに(C
3−C
20)アルケニルエステル、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート及びステアリル(メタ)アクリレート等、が挙げられる。いくつかの好ましい実施形態では、非イオン性エチレン性不飽和モノマーは、メチルメタクリレート及びブチルメタクリレートから選択される。いくつかの実施形態では、コアは、コアポリマーの総重量に基づいて40〜80重量%、好ましくは50〜70重量%、更に好ましくは55〜65重量%の量の非イオン性エチレン性不飽和モノマーの重合単位を含む。
【0019】
本発明における使用に好適なボイドを有するラテックス粒子はまた、少なくとも1つのシェルポリマーを含む。少なくとも1つのシェルポリマーは、非イオン性エチレン性不飽和モノマーとポリエチレン性不飽和モノマーとから誘導される重合単位を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのシェルポリマーは、少なくとも1つのカルボン酸基を含有するモノエチレン性不飽和モノマーと、少なくとも1つの「非カルボン」酸基を含有するモノエチレン性不飽和モノマーとの少なくとも1つから誘導される重合単位を任意に含む。いくつかの実施形態において、ボイドを有するラテックス粒子のシェル部分は、単一段階で、好ましくは2段階で、より好ましくは少なくとも3段階で重合される。本明細書で使用される場合、用語「最外層」は、ボイドを有するラテックス粒子を調製するために使用される
最後の異なる重合段階の組成物を指す。最外層が多段階重合プロセスによって提供されるいくつかの実施形態では、最外層は、ボイドを有するラテックス粒子の総シェル部分の少なくとも25重量%、好ましくは少なくとも35重量%、より好ましくは少なくとも45重量%を含む。
【0020】
好適なシェルポリマーの非イオン性エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、窒素含有環状化合物不飽和モノマー、ビニル芳香族モノマー、エチレン系モノマー、及び選択された(メタ)アクリル酸誘導体等が挙げられる。好適な(メタ)アクリル酸誘導体としては、例えば、(C
1−C
22)アルキル(メタ)アクリレート、置換(メタ)アクリレート、及び置換(メタ)アクリルアミドモノマー等が挙げられる。いくつかの好ましい実施形態では、(メタ)アクリル酸誘導体は、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、及びこれらの混合物より選択される。好適なビニル芳香族モノマーとしては、例えば、スチレン
、α−メチルスチレン
、ビニルトルエン、アルキル−置換スチレン(例えば、t−ブチルスチレン及びエチルビニルベンゼン等)、並びにハロゲン化スチレン(例えば、クロロスチレン及び3,5−ビス(トリフオロメチル)スチレン)等が挙げられる。いくつかの好ましい実施形態では、ビニル芳香族モノマーは、スチレン、エチルビニルベンゼン、t−ブチルストレン、及びこれらの混合物から選択される。いくつかの実施形態では、シェルポリマーは非イオン性エチレン性不飽和モノマーの重合単位を、シェルポリマーの総重量に基づいて55〜85重量%、好ましくは60〜80重量%、更に好ましくは65〜75重量%の量を含む。
【0021】
好適なシェルポリマーのポリエチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、ジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレート、テトラ(メタ)アクリレート、ポリアリルモノマー、ポリビニルモノマー、及び混合エチレン性官能基を有する(メタ)アクリルモノマー等が挙げられる。好適なポリビニルモノマーとしては、例えば、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ジビニルベンゼン、ジビニルケトン、ジビニルピリジン、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、グリセロールトリビニルエーテル、トリビニルベンゼン、1,2,4−トリビニルシクロヘキサン、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、部分的にフッ素化されたα,ω−ジエン、(例えばCF
2=CFCF
2CF
2CH
2CH=CH
2)、トリフルオロアルカジエン、トリフルオロジビニルベンゼン、及びフッ素化1,2−エタンジオールのフッ素化ジビニルエーテル等が挙げられる。いくつかの好ましい実施形態では、ポリビニルモノマーはジビニルベンゼンを含む。好適な混合エチレン性官能基を有する(メタ)アクリルモノマーとしては、例えば、ネオペンチルグリコールモノジシクロペンテニルエーテルのアクリレートエステル、アリルアクリルオキシプロピオネート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、クロチルアクリレート、クロチルメタクリレート、3−シクロヘキセニルメチレンオキシエチルアクリレート、3−シクロヘキセニルメチレンオキシエチルメタクリレート、ジシクロペンタジエニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンタジエニルオキシエチルメタクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、ネオペンチルグリコールモノジシクロペンテニルエーテルのメタクリレートエステル、メタアリルアクリレート、トリメチロールプロパンジアリルエーテルモノ−アクリレート、トリメチロールプロパンジアリルエーテルモノ−メタクリレート、及びN−アリルアクリルアミド等が挙げられる。いくつかの好ましい実施形態では、混合エチレン性官能基を有する(メタ)アクリルモノマーは、アリルメタクリレートを含む。いくつかの実施形態では、シェルポリマーはエチレン性不飽和モノマーの重合単位を、シェルポリマーの総重量に基づいて15〜45重量%、好ましくは20〜35重量%、更に好ましくは22〜30重量%の量を含む。いくつかの実施形態では、最外層シェルはポリエチレン性不飽和モノマーの重合単位を、最外層シェルポリマーの総重量に基づいて10〜100重量%、好ましくは15〜70重量%、更に好ましくは20〜60重量%の量を含む。
【0022】
好適なシェルポリマーの少なくとも1つのカルボン酸基を含有するモノエチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロキシプロピオン酸、イタコン酸、アコニット酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、フマル酸モノメチル、及びイタコン酸モノメチル、並びに他の誘導体、例えば対応する無水物、アミド、及びエステル等、が挙げられる。いくつかの好ましい実施形態では、少なくとも1つのカルボン酸基を含有するモノエチレン性不飽和モノマーは、アクリル酸及びメタクリル酸から選択される。いくつかの実施形態では、シェルポリマーは、シェルポリマーの総重量に基づいて0.1〜10重量%、好ましくは0.3〜7.5重量%、更に好ましくは0.5〜5重量%の量の、少なくとも1つのカルボン酸基を含有するモノエチレン性不飽和モノマーの重合単位を含む。
【0023】
好適なシェルポリマーの少なくとも1つの「非カルボン」酸基を含有するモノエチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、アリルスルホン酸、アリルホスホン酸、アリルオキシベンゼンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(このモノマーに関して、acryonym「AMPS」はLubriZol Corporation, Wickliffe, Ohio, USAの商標である)、2−ヒドロキシ−3−(2−プロペニルオキシ)プロパンスルホン酸、2−メチル−2−プロペン−1−スルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、3−メタクリルアミド−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸、3−スルホプロピルアクリレート、3−スルホプロピルメタクリレート、イソプロペニルホスホン酸、ビニルホスホン酸、ホスホエチルメタクリレート、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、並びにこれらのアルカリ金属及びアンモニウム塩等が挙げられる。いくつかの好ましい実施形態では、少なくとも1つの「非カルボン」酸基を含有するモノエチレン性不飽和モノマーは、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸
、スチレンスルホン酸
およびスチレンスルホン酸ナトリウムから選択される。いくつかの実施形態では、シェルポリマーは、シェルポリマーの総重量に基づいて0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜7.5重量%、更に好ましくは1〜5重量%の量の、少なくとも1つの「非カルボン」酸基を含有するモノエチレン性不飽和モノマーの重合単位を含む。
【0024】
本発明における使用に好適なラテックス粒子のシェルポリマーは、ラテックス粒子内のボイドを保持するために保持するのに十分高いT
g値を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのシェルのT
g値は、50℃より高く、好ましくは60℃より高く、より好ましくは70℃より高い。
【0025】
いくつかの実施形態では、コアポリマー及びシェルポリマーは、単一の重合工程で製造される。いくつかの他の実施形態において、コアポリマー及びシェルポリマーは、一連の重合工程で製造される。本発明のパーソナルケア組成物中に含まれるボイドを有するラテックス粒子を調製するのに好適な重合技術には、例えば逐次乳化重合が含まれる。いくつかの実施形態では、ボイドを有するラテックス粒子のシェルポリマーの乳化重合において使用されるモノマーは、1つ又は複数の非イオン性エチレン性不飽和モノマーを含む。水性乳化重合プロセスは、典型的には、少なくとも1つのモノマー及び種々の合成補助剤、例えばフリーラジカル源、緩衝剤、及び還元剤、を水性反応媒体内に含有する水性反応混合物内で行われる。いくつかの実施形態では、分子量を制限するために連鎖移動剤を使用することができる。水性反応媒体は、水性反応混合物の連続流体相であり、水性反応媒体の重量に基づいて、50重量%を超える水及び場合により1つ又は複数の水混和性溶媒を含有する。好適な水混和性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、エチレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、及びジアセトンアルコールが挙げられる。
【0026】
いくつかの実施形態では、ラテックス粒子のボイドは、1つ又は複数の揮発性成分を含有する膨潤剤でコアを膨潤させることにより調製される。膨潤剤はシェルを透過してコアを膨潤させる。次いで、ラテックス粒子を乾燥させることによって膨潤剤の揮発性成分を除去し、ラテックス粒子内にボイドを形成させることができる。いくつかの実施形態では、膨潤剤は水性塩基である。コアを膨潤させるために有用な好適な水性塩基としては、例えば、アンモニア、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウムのようなアルカリ金属水酸化物、又はトリメチルアミン若しくはトリエチルアミンのような揮発性アミンが挙げられる。いくつかの実施形態では、ボイドを有するラテックス粒子は、コア内に存在する膨潤剤と共に組成物に添加される。ラテックス粒子をコア内に存在する膨潤剤と共に組成物に添加すると、膨潤剤の揮発性成分は組成物の乾燥時に除去される。いくつかの他の実施形態では、ボイドを有するラテックス粒子は、膨潤剤の揮発性成分を除去した後に組成物に添加される。
【0027】
いくつかの実施形態では、ボイドを有するラテックス粒子は、1%〜70%、好ましくは5%〜50%、より好ましくは10%〜40%、更により好ましくは25%〜35%のボイド率でボイドを含む。ボイド率は、ラテックス粒子が遠心分離器内で希薄分散液から圧縮された後のラテックス粒子が占める体積を、同じ組成のボイドを有さない粒子の体積と比較することにより決定される。いくつかの実施形態では、ボイドを有するラテックス粒子は、Brookhaven BI−90による測定で400nm〜1500nmの粒子径を有する。いくつかの実施形態では、ボイドを有するラテックス粒子は、Brookhaven BI−90による測定で400nm〜800nm、好ましくは400nm〜700nm、より好ましくは400nm〜600nm、更により好ましくは400nm〜550nmの粒子径を有する。いくつかの実施形態では、ボイドを有するラテックス粒子は、Brookhaven BI−90による測定で800nm〜1500nm、好ましくは400nm〜700nm、より好ましくは400nm〜600nm、更により好ましくは400nm〜550nmの粒子径を有する。
【0028】
当業者は、本明細書に記載の利点(例えば、無機金属酸化物粒子を含有し、皮膚に塗布すると長時間持続するホワイトニング効果を提供する組成物への光散乱の改善)を示すために、特定の組成物において使用されるボイドを有するラテックス粒子の有効量を、適用可能な分野の一般的な知識と必要な場合には日常の実験とを組み合わせて、容易に決定することができる。非限定的な例として、本発明の組成物中のボイドを有するラテックス粒子の量は、組成物の総重量に基づいて0.5〜20固形分重量%、好ましくは1〜7固形分重量%、より好ましくは1〜2固形分重量%の範囲である。
【0029】
本発明のパーソナルケア組成物はまた、無機金属酸化物粒子を含む。好適な無機金属酸化物粒子としては、例えば、酸化亜鉛(ZnO)、二酸化チタン(TiO
2)、及びこれらの混合物が挙げられる。いくつかの実施形態では、無機金属酸化物粒子は、光散乱に起因する白色外観を生成する顔料グレードのZnO又は顔料グレードのTiO
2である。いくつかの実施形態では、良好な着色特性を有する顔料グレードの無機金属酸化物粒子は、250nm〜1000nm、好ましくは250nm〜500nm、より好ましくは250nm〜350nmの範囲の粒子径を有する。好適なZnO及びTiO
2粒子としては、例えば、市販のPresperse Corporation製の商品名AQUASPERSABIL Rutile TiO
2及びOLEOSPERSE TiO
2、並びにTyca Corporation製のTITANIX TiO
2が挙げられる。いくつかのの実施形態では、スキンケア組成物は、組成物の総重量に基づいて0.1〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%の量の無機金属酸化物粒子を含む。
【0030】
本発明の組成物はまた、皮膚科学的に許容される担体を含む。そのような物質は、典型的には、皮膚に有意な刺激を引き起こさず、組成物中の活性物質の活性及び特性を無効にしない担体又は希釈剤として特徴付けられる。本発明において有用な皮膚科学的に許容される担体の例としては、脱イオン水若しくは蒸留水等の水、水中油型若しくは油中水型エマルジョン等のエマルジョン、エタノール若しくはイソプロパノール等のアルコール、プロピレングリコール若しくはグリセリン等のグリコール、クリーム、水溶液、油、軟膏、ペースト、ゲル、ローション、ミルク、フォーム、懸濁液、粉、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、組成物は、組成物の総重量に基づいて、約99.99〜約50重量%の皮膚科学的に許容される担体を含有する。
【0031】
また本発明のパーソナルケア組成物としては、例えば、増粘剤、追加の皮膚軟化剤、乳化剤、湿潤剤、界面活性剤、懸濁剤、皮膜形成剤、低級モノアルコールポリオール、高沸点溶剤、噴射剤(propellant)、鉱油、シリコン感触調整剤(silicon feel modifiers)、又はこれらの混合物が挙げられる。このような成分で提供される所望の特性を達成するのに有効な任意の成分の量は、当業者によって容易に決定され得る。
【0032】
本発明の組成中に他の添加物、例えば、研磨材、吸収材、芳香剤等の審美的な構成要素、顔料、彩色/着色剤、精油、皮膚刺激剤(skin sensates)、収斂剤(例えば、クローブ油、メントール、樟脳、ユーカリ油、オイゲノール、乳酸メンチル、ウィッチへーゼル留出物)、防腐剤、固結防止剤、発泡剤、消泡剤、抗菌剤(例えば、ヨードプロピルブチルカルバメート)、酸化防止剤、バインダー、生物学的添加剤、緩衝剤、嵩高剤、キレート剤、化学添加剤、着色剤、化粧品収斂剤、化粧品殺生剤、変性剤、薬物収斂剤、外部鎮痛剤、組成物のフィルム形成特性及び持続性を助けるためのフィルム形成剤又は材料、例えばポリマー(例えば、エイコセンとビニルピロリドンとのコポリマー)、不透明化剤、pH調節剤、噴射剤、還元剤、金属イオン封鎖剤、肌美白(skin bleaching)剤及び肌美白(skin lightening)剤(例えば、ヒドロキノン、コウジ酸、アスコルビン酸、アスコルビル酸リン酸マグネシウム、アスコルビルグルコサミン)、スキンコンディショニング剤(例えば、皮膚保護剤及び多種成分の保湿剤)、皮膚鎮静剤及び/又は治癒剤(例えばパンテノール及び誘導体(エチルパンテノール等)、アロエベラ、パントテン酸及びその誘導体、アラントイン、ビサボロール及びグリチルリチン酸二カリウム等)、皮膚治療剤、並びにビタミン(例えば、ビタミンC)及びその誘導体等、を含み得るがこれらに限定されない。このような成分で提供される所望の特性を達成するのに有効な任意の成分の量は、当業者によって容易に決定され得る。
【0033】
上記のように、本発明のパーソナルケア組成物は、肌美白剤として非常に有効である。それらは、塗布後の有効性が短時間であるという欠点を有することなく、以前から知られているパーソナルケア用途の組成物以上ではないかもしれないが、同等の肌美白特性を示す。したがって、一態様では、本発明は、パーソナルケア組成物が肌の色調を明るくするための方法において使用され得ることを示している。別の態様では、本発明は、少なくとも1つの顔料グレードの無機金属酸化物粒子を含む組成物にボイドを有するラテックス粒子を添加することにより、組成物の可視光散乱を改善する方法を提供する。本発明の方法の実施において、パーソナルケア組成物は、一般的に、組成物を皮膚に塗る又は広げることにより、局所的に塗布される。当業者は、組成物を適用すべき頻度を容易に決定することができる。頻度は、例えば、個人が望むとみられる肌美白のレベルに依存し得る。非限定的な例として、1日に少なくとも1回の頻度での塗布が望ましい場合がある。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態を、以下の実施例で詳細に説明する。
また本発明の実施態様には以下の態様1〜態様10が含まれる。
[態様1] パーソナルケア組成物であって、
(A)(i)(a)コアポリマーの総重量に基づいて20〜60重量%の、少なくとも1つのカルボン酸基を含有するモノエチレン性不飽和モノマーと、(b)前記コアポリマーの総重量に基づいて40〜80重量%の非イオン性エチレン性不飽和モノマーと、
から誘導される重合単位を含む少なくとも1つのコアポリマーと、
(ii)(a)シェルポリマーの総重量に基づいて55〜85重量%の非イオン性エチレン性不飽和モノマーと、(b)前記シェルポリマーの総重量に基づいて15〜45重量%のポリエチレン性不飽和モノマーと、から誘導される重合単位を含む少なくとも1つのシェルポリマーと、
を含むボイドを有するラテックス粒子と、
(B)少なくとも1つの顔料グレードの無機金属酸化物粒子と、を含み、
前記ボイドを有するラテックス粒子は、前記組成物の総重量に基づいて0.5〜10重量%の量で存在し、前記ボイドを有するラテックス粒子はボイドを含み、400nm〜1
500nmの粒子径を有する、パーソナルケア組成物。
[態様2] 前記少なくとも1つのシェルポリマーの前記非イオン性エチレン性不飽和モノマーは、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、スチレン、エルビニルベンゼン、t−ブチルスチレン、及びこれらの混合物からなる群から選択されるモノマーを含み、
前記少なくとも1つシェルポリマーの前記ポリエチレン性不飽和モノマーは、
ジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレート、テトラ(メタ)アクリレート、ポルアリルモノマー、ポリビニルモノマー、及び混合エチレン性官能基を有する(メタ)アクリルモノマー、及びこれらの混合物からなる群から選択されるモノマーを含む、
態様1に記載のパーソナルケア組成物。
[態様3] 前記コアポリマーの少なくとも1つのカルボン酸基を含有する前記モノエチレン性不飽和モノマーは、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロキシプロピオン酸、イタコン酸、アコニット酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、フマル酸モノメチル、イタコン酸モノメチル、及びこれらの混合物からなる群から選択されるモノマーを含み、
前記コアポリマーの前記非イオン性エチレン性不飽和モノマーは、スチレン、ビニルトルエン、エチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、及びこれらの混合物からなる群から選択されるモノマーを含む、
態様1に記載のパーソナルケア組成物。
[態様4] 前記少なくとも1つのシェルポリマーは、0.1〜5重量%の、少なくとも1つのカルボン酸基を含有するモノエチレン性不飽和モノマーから誘導される重合単位を更に含む、態様1に記載のパーソナルケア組成物。
[態様5] 前記少なくとも1つのシェルポリマーは、0.1〜5重量%の、少なくとも1つの「非カルボン」酸基を含有するモノエチレン性不飽和モノマーから誘導される重合単位を更に含む、態様1に記載のパーソナルケア組成物。
[態様6] 前記ボイドを有するラテックス粒子は1%〜70%のボイド率を有する、態様1に記載のパーソナルケア組成物。
[態様7] 前記顔料グレードの無機金属酸化物粒子は、顔料グレードのZnO、顔料グレードのTiO2、及びこれらの混合物からなる群から選択される1つ又は複数の無機金属酸化物を含む、態様1に記載のパーソナルケア組成物。
[態様8] 前記顔料グレードの無機金属酸化物粒子は、前記組成物の総重量に基づいて、0.1〜20重量%の量で存在する、態様1に記載のパーソナルケア組成物。
[態様9] 有効量のパーソナルケア組成物を皮膚に局所的に塗布することを含む、肌の色調を明るくする方法であって、前記パーソナルケア組成物は、
(A)(i)(a)コアポリマーの総重量に基づいて20〜60重量%の、少なくとも1つのカルボン酸基を含有するモノエチレン性不飽和モノマーと、(b)前記コアポリマーの総重量に基づいて40〜80重量%の非イオン性エチレン性不飽和モノマーと、から誘導される重合単位を含む少なくとも1つのコアポリマーと、
(ii)(a)シェルポリマーの総重量に基づいて55〜85重量%の非イオン性エチレン性不飽和モノマーと、(b)前記シェルポリマーの総重量に基づいて15〜45重量%のポリエチレン性不飽和モノマーと、から誘導される重合単位を含む少なくとも1つのシェルポリマーと、
を含むボイドを有するラテックス粒子と、
(B)顔料グレードの無機金属酸化物粒子と、を含み、
前記ボイドを有するラテックス粒子は、前記組成物の総重量に基づいて0.5〜10重量%の量で存在し、前記ボイドを有するラテックス粒子はボイドを含み、400nm〜1
500nmの粒子径を有する、方法。
[態様10] 組成物の総重量に基づいて0.5〜10重量%のボイドを有するラテックス粒子を前記組成物に添加することを含む、前記組成物の可視光散乱を改善する方法であって、前記組成物は、
(i)(a)コアポリマーの総重量に基づいて20〜60重量%の、少なくとも1つのカルボン酸基を含有するモノエチレン性不飽和モノマーと、(b)前記コアポリマーの総重量に基づいて40〜80重量%の非イオン性エチレン性不飽和モノマーと、から誘導される重合単位を含む少なくとも1つのコアポリマーと、
(ii)(a)シェルポリマーの総重量に基づいて55〜85重量%の非イオン性エチレン性不飽和モノマーと、(b)前記シェルポリマーの総重量に基づいて15〜45重量%のポリエチレン性不飽和モノマーと、から誘導される重合単位を含む少なくとも1つのシェルポリマーと、
を含み、
前記組成物は少なくとも1つの顔料グレードの無機金属酸化物粒子を含み、前記ボイドを有するラテックス粒子はボイドを含み、400nm〜1500nmの粒子径を有する、方法。
【実施例】
【0035】
実施例1
例示的なコポリマー粒子及び比較のコポリマー粒子の調製
本発明による例示的なボイドを有するラテックス粒子及び以下の実施例における比較粒子は、表1に列挙される成分を含む。
【0036】
【表1】
【0037】
オーバーヘッドスターラー、熱電対、加熱マントル、アダプターインレット、水コンデンサ及び窒素導入口を取付けたクライゼンヘッド、並びにインレットアダプターを備えた3リットルの4つ口丸底フラスコに、875.3グラム(g)の脱イオン水を加え、これを窒素雰囲気下で84℃に加熱した。加熱した水に、15.5gの脱イオン水中に0.30gの酢酸と1.70gの過硫酸ナトリウムを含む脱イオン水を添加し、続いて平均粒子径が約110〜220nmである31%のポリ(MMA/MAA//60/40)アクリルシード(コア)ポリマーの水性分散液を添加した。この82℃で加熱された混合物に、71.5gの脱イオン水、2.1gの23%SDBSの水溶液、91.6gのMMA、8.9gのBMA、及び3.1gのMAAを含有するモノマーエマルジョンを90分間かけて計量投入し、続いて脱イオン水ですすいだ。次に、32.8gの脱イオン水中に0.65gの過硫酸ナトリウムを含む溶液を90分かけて添加し、反応温度を90℃に上げ、同時に48.3gの脱イオン水、0.35gの23%SDBS水溶液、120.5gのSty、6.45gのDVB、及び0.70gの亜麻仁油脂肪酸を含有する第2のモノマーエマルジョンを30分かけて添加した。第2のモノマーエマルションの添加の完了時に、8.0gの28%水酸化アンモニウム水溶液を添加し、10分間保持した。91℃の反応混合物に、100.5gの脱イオン水、1.0gの23%SDBS水溶液、104.2gのSty、及び115.25gのDVBを含有する第3のモノマーエマルジョンを60分かけて添加し、続いて脱イオン水ですすいだ。反応器の内容物を91℃で30分間保持した後、0.10gのFeSO
4・7H
2Oと0.10gのベルセンを含有する5.8gの水溶液を添加し、続いて、19.0gの脱イオン水中の5.10gのt−ブチルヒドロペルオキシド(70%)と19.0gの脱イオン水中の2.6gのイソアスコルビン酸を、91℃に維持した反応器に60分かけて同時に添加した。ラテックスを室温に冷却し、次に濾過した。
【0038】
実施例2
例示的なラテックス粒子及び比較のラテックス粒子のキャラクタリゼーション
表2に示すように、実施例1で調製したボイドを有するラテックス粒子を、粒子径及びボイド率パーセントについて評価した。
【0039】
【表2】
【0040】
粒子径はBrookhaven BI−90を用いて測定した。ラテックス粒子のボイド率パーセントは、各試料をプロピレングリコールで10重量%分散させることにより測定し、各試料を混合し、ガロン当たりの重量カップ(weight−per−gallon cup)に注ぎ、蓋をして秤量した。10%の参照水も測定し、重量の差を用いて試料密度を計算し、それからボイド率パーセントを求めた。
【0041】
実施例3
例示的な肌美白配合物の調製
本発明による例示的な肌美白配合物は、表3に列挙される成分を含有する。
【0042】
【表3】
【0043】
Ultrez10及び1,3−ブタンジオールを水に加え、Ultrez10が完全に溶解するまで混合することにより、肌美白配合物を調製した。次に、相Iの残りの成分を混合物に添加した。相II成分を別々に混合し、70℃に加熱して、すべての成分が確実に溶解するようにした。次に、混合しながら相Iと相IIとを合わせ、約50℃に冷却し、この時点で相III成分を混合物に添加した。混合物を約30℃に冷却し、トリエタノールアミンを滴下して加えることにより、pHを約5.5−6.0に調整した。
【0044】
実施例4
比較の肌美白配合物の調製
比較の肌美白配合物は表4に列挙される構成成分を含む。
【0045】
【表4】
【0046】
Ultrez10及び1,3−ブタンジオールを水に加え、Ultrez10が完全に溶解するまで混合することにより、肌美白配合物を調製した。次に、相Iの残りの成分を混合物に添加した。相II成分を別々に混合し、70℃に加熱して、すべての成分が確実に溶解するようにした。次に、混合しながら相Iと相IIとを合わせ、約50℃に冷却し、この時点で相III成分を混合物に添加した。混合物を約30℃に冷却し、トリエタノールアミンを滴下して加えることにより、pHを約5.5−6.0に調整した。
【0047】
実施例5
1重量%のTiO
2及び例示的な400nmの粒子を含む肌美白配合物のホワイトニング研究
実施例3及び4で調製した1重量%のTiO
2及びポリマーA粒子を含む例示的な配合物、並びに1重量%のTiO
2を含む比較配合物のホワイトニング効果を、実質的に以下の手順に従ってインビトロ(in vitro)技術を用いて測定した。インビトロでのホワイトニング試験を、温度70〜75°F、相対湿度48〜55%の環境制御室内で行った。試験に用いた基材はLeneta製Form 2A不透明カード(Opacity Card)であり、反射率はNovo−Shade Duo 45/0反射率計を用いて測定した。ドローダウンフィルムを作るために、BYK製幅2インチ、厚さ3ミルのウェットフィルムバードアプリケータ(Wet Film Bird Applicator)を使用した。
【0048】
不透明カードを、真空を用いて真空プレート上に置いた。各試験配合物について、3ミルのウェットフィルムバードアプリケータを用いてドローダウンフィルムを作製した。カードの白黒両面上の反射率を、ドローダウンフィルムに触れないように好適なガードを備えた反射率計を用いて、不透明モードで測定した。最初の反射率測定は、カードの白黒両面上にドローダウンフィルムを作製してから1分後に行い、その後120分まで15分間隔で測定した。ドローダウンフィルムを作製してから4時間後及び24時間後に更に2回測定した。
【0049】
白黒チャートの両方の反射率データを収集し、コントラスト比を計算した。コントラスト比と反射率の相関関係による解析のために黒チャート上の反射率のみを採用している。
【0050】
1%のTiO
2を含むフィルムの反射率測定の結果を、反射率として表5及び
図1に示す。
【0051】
【表5】
【0052】
測定結果によれば、1%TiO
2を単独で使用した場合、初期のホワイトニング性能を示すが、おそらくTiO
2の凝集により乾燥して性能が低下し、また、本発明に従って調製される例示的なホワイトニング配合物は、比較の配合物よりも非常に高く一定で持続する反射率を示す。
【0053】
実施例6
2重量%のTiO
2及び例示的な400nmの粒子を含む肌美白配合物のホワイトニング研究
実施例3及び4で調製した2重量%のTiO
2及びポリマーA粒子を含む例示的な配合物、並びに2重量%のTiO
2を含む比較配合物のホワイトニング効果を、実質的に実施例5に記載の手順に従ってインビトロ技術を用いて測定した。反射率測定の結果を、反射率パーセントとして表6及び
図2に示す。
【0054】
【表6】
【0055】
測定結果によれば、2%TiO
2を単独で使用した場合、初期のホワイトニング性能を示すが、おそらくTiO
2の凝集により乾燥して性能が低下し、また、本発明に従って調製される例示的なホワイトニング配合物は、比較の配合物よりも非常に高く一定で持続する反射率を示す。
【0056】
実施例7
1重量%のTiO
2及び例示的な400nmの粒子又は例示的な550nmの粒子を含む肌美白配合物のホワイトニング研究
実施例3及び4で調製した1重量%のTiO
2及びポリマーA粒子を含む例示的な配合物(E1)、1重量%のTiO
2及びポリマーB粒子を含む例示的な配合物(E5)、並びに1重量%のTiO
2及びポリマーC粒子を含む比較の配合物(C5)のホワイトニング効果を、実質的に実施例5に記載の手順に従ってインビトロ技術を用いて測定した。反射率測定の結果を、反射率パーセントとして表7及び
図3に示す。
【0057】
【表7】
【0058】
この結果は、本発明に従って調製される、400nm及び550nmの粒子を含む1重量%のTiO
2を含むホワイトニング配合物が、350nmの粒子を含む比較配合物と比較して非常に高い反射率値を示すことを示す。
【0059】
実施例8
2重量%のTiO
2及び例示的な400nmの粒子又は例示的な550nmの粒子を含む肌美白配合物のホワイトニング研究
実施例3及び4で調製した2重量%のTiO
2及びポリマーA粒子を含む例示的な配合物(E4)、2重量%のTiO
2及びポリマーB粒子を含む例示的な配合物(E6)、並びに2重量%のTiO
2及びポリマーC粒子を含む比較の配合物(C6)のホワイトニング効果を、実質的に実施例5に記載の手順に従ってインビトロ技術を用いて測定した。反射率測定の結果を、反射率パーセントとして表8及び
図4に示す。
【0060】
【表8】
【0061】
この結果は、本発明に従って調製される、400nm及び550nmの粒子を含む1重量%のTiO
2を含むホワイトニング配合物が、350nmの粒子を含む比較配合物と比較して非常に高い反射率値を示すことを示す。
【0062】
実施例9
1重量%の例示的な1000nmの粒子及びTiO
2を含む例示的な肌美白配合物のホワイトニング研究
実施例3及び4で調製した1重量%のTiO
2及び1重量%のポリマーC粒子を含む例示的な配合物(E7)、並びに2重量%のTiO
2を含む比較の配合物(C3)のホワイトニング効果を、実質的に実施例5に記載の手順に従ってインビトロ技術を用いて測定した。反射率測定の結果を、反射率パーセントとして表9及び
図5に示す。
【0063】
【表9】
【0064】
測定結果によれば、2%TiO
2を単独で使用した場合、初期のホワイトニング性能を示すが、おそらくTiO
2の凝集により乾燥して性能が低下し、また、本発明に従って調製される例示的なホワイトニング配合物は、比較の配合物よりも非常に高く一定で持続する反射率を示す。
【0065】
実施例10
1重量%の例示的な1000nmの粒子及びTiO
2を含む例示的な肌美白配合物のホワイトニング研究
実施例3及び4で調製した2重量%のTiO
2及び2重量%のポリマーC粒子を含む例示的な配合物(E8)並びに4重量%のTiO
2を含む比較の配合物(C7)のホワイトニング効果を、実質的に実施例5に記載の手順に従ってインビトロ技術を用いて測定した。反射率測定の結果を、反射率パーセントとして表10及び
図6に示す。
【0066】
【表10】
【0067】
測定結果によれば、4%TiO
2を単独で使用した場合、初期のホワイトニング性能を示すが、おそらくTiO
2の凝集により乾燥して性能が低下し、また、本発明に従って調製される例示的なホワイトニング配合物は、比較の配合物よりも非常に高く一定で持続する反射率を示す。