特許第6820945号(P6820945)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6820945光検出器を備える光コネクタ、光コネクタのためのアダプター、及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6820945
(24)【登録日】2021年1月7日
(45)【発行日】2021年1月27日
(54)【発明の名称】光検出器を備える光コネクタ、光コネクタのためのアダプター、及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/36 20060101AFI20210114BHJP
   G02B 6/40 20060101ALI20210114BHJP
   G02B 6/42 20060101ALI20210114BHJP
   G02B 6/02 20060101ALI20210114BHJP
【FI】
   G02B6/36
   G02B6/40
   G02B6/42
   G02B6/02 416
【請求項の数】16
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-556432(P2018-556432)
(86)(22)【出願日】2017年3月15日
(65)【公表番号】特表2019-515346(P2019-515346A)
(43)【公表日】2019年6月6日
(86)【国際出願番号】CN2017076824
(87)【国際公開番号】WO2017185898
(87)【国際公開日】20171102
【審査請求日】2018年12月3日
(31)【優先権主張番号】62/328,184
(32)【優先日】2016年4月27日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/440,759
(32)【優先日】2017年2月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100140534
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 敬二
(72)【発明者】
【氏名】ジピン・ジアン
(72)【発明者】
【氏名】シュ・ユエン
【審査官】 野口 晃一
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2004/0022494(US,A1)
【文献】 韓国公開実用新案第20−2008−0003318(KR,U)
【文献】 特開2009−145676(JP,A)
【文献】 特開平03−276107(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0069497(US,A1)
【文献】 特開2006−165651(JP,A)
【文献】 K. Feder et al.,A compact, low resolution, wavelength monitor applied to Raman pump power monitoring,OFC 2003 Optical Fiber Communications Conference,米国,IEEE,2003年 3月28日,Vol.1,pp.42,DOI: 10.1109/OFC.2003.1247476, https://ieeeeplore.org/document/1247476
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/00
6/02
6/24−6/27
6/30−6/34
6/36−6/43
6/46−6/54
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
−光ファイバーケーブルと一体化した第1の端と;
−外部インターフェースを含む第2の端であって、前記外部インターフェースが、光搬送ポート、機械的接続要素、及び電気的インターフェースを含み、前記外部インターフェースが、アダプターによって着脱可能に受け入れられるように構成された、第2の端と;
−接合点で位置合わせされ且つ一緒に結合されて、前記光搬送ポートと前記光ファイバーケーブルとの間で光を伝搬するための連続した長さの光ファイバーを形成する、第1の長さの光ファイバー及び第2の長さの光ファイバーを含むメイン光導管と;
−光コネクタを通って進む光を検出し且つ前記電気的インターフェースを介して前記検出された光を示す信号を提供するための、前記光搬送ポートと前記接合点との間で前記光ファイバーに接続された、光検出器と;
を含む光コネクタであって、
光の一部をタップするために前記光ファイバーに結合された光タップをさらに含み、前記光検出器が、タップ部分を検出するために前記光タップに結合され、
前記第1の長さの光ファイバーと前記第2の長さの光ファイバーとは、前記接合点で位置合わせされ且つ溶融されている、光コネクタ。
【請求項2】
前記光ファイバーが、コア及び前記コアを囲むクラッディングを含み、前記光タップが、光をタップするために、変化した屈折率を有する前記クラッディングの一部を含む、請求項1に記載の光コネクタ。
【請求項3】
前記光タップが、光をタップするように構成された、前記光ファイバーにおけるブラッグ格子を含む、請求項1に記載の光コネクタ。
【請求項4】
前記光検出器のアウトプットを示す信号を伝達するように構成された外部インターフェースをさらに含む、請求項1から3の何れか一項に記載の光コネクタ。
【請求項5】
前記信号が、電気信号であり、前記外部インターフェースが、電極を含み、
前記電極が、前記コネクタの周縁に配される、請求項4に記載の光コネクタ。
【請求項6】
前記信号が、光信号であり、前記外部インターフェースが、発光装置を含み、
前記発光装置が、発光ダイオードである、請求項4に記載の光コネクタ。
【請求項7】
アウトプット信号を生成するために前記光検出器のアウトプットを処理するように構成された回路をさらに含む、請求項1から6の何れか一項に記載の光コネクタ。
【請求項8】
前記アウトプット信号を伝達するように構成された外部インターフェースをさらに含む、請求項7に記載の光コネクタ。
【請求項9】
前記コネクタの外部からアクセス可能であり且つ前記光検出器に接続された電極をさらに含む、請求項1から8の何れか一項に記載の光コネクタ。
【請求項10】
前記電極が、前記光検出器のために外部ソースから電力を受け取るように構成された、請求項9に記載の光コネクタ。
【請求項11】
前記光検出器が、使用時に前記コネクタによって為された光接続からタップされた光から電力を引き出すように構成された、請求項1から10の何れか一項に記載の光コネクタ。
【請求項12】
前記コネクタが、2つの反対側の端、及び前記端の内の1つで標準インターフェースを有し、
前記標準インターフェースが、FC、SC、ST、LC、MU、DIN、MTRJ、D4及びMPOから成る群から選択される、請求項1から11の何れか一項に記載の光コネクタ。
【請求項13】
前記標準インターフェースが第1の標準インターフェースであり、前記コネクタの他の端で第2のインターフェースをさらに含み、前記第2のインターフェースが、第2の標準インターフェースを有する第2の光コネクタを着脱可能に受け入れるように構成された、請求項12に記載の光コネクタ。
【請求項14】
前記光ファイバーケーブルから前記第2の端へ向かって伝わる光をタップするように構成された指向性光カプラーを含む、又は、
指向性光カプラーが、前記第2の端で前記コネクタに入る光をタップするように構成された、請求項1から11の何れか一項に記載の光コネクタ。
【請求項15】
前記光ファイバーケーブルが、平行に配された複数の光ファイバーを含み、前記光検出器が第1の光検出器であり、前記コネクタが、前記第1の光検出器を含む複数の内蔵光検出器を含み、前記コネクタが、各光ファイバーを伝わる光をタップし且つ前記複数の光検出器の内の個別の1つへ、タップされた光を結合するように構成された、請求項1から11の何れか一項に記載の光コネクタ。
【請求項16】
前記光検出器の応答性及び光タップのタップ比率は、前記光検出器のアウトプットが、前記光コネクタを通って伝わる光の電力の、校正された表示を含むようになっている、請求項3に記載の光コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2016年4月27日に出願された米国仮特許出願番号第62/328,184号、及び2017年2月23日に出願された米国特許出願番号第15/440,759の利益を主張し、その両方はここで参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は一般的に、光通信システムに、及び、特に、このようなシステムにおいて光ファイバーを相互接続するために用いられるコネクタに関する。
【背景技術】
【0003】
光ファイバーの多数のペア間の光接続を効率的に管理するために、正しい接続が為されているかどうか、及びこのような接続を通して伝わる光の電力レベルの可視性を有することが有用である。この目的のために、接続されている光ファイバーを通って伝わる光にアクセスすることが重要である。しかしながら、現在の光学系は、益々密なファイバー接続を有するので、従来の診断ソリューションによってとられる空間は不便になる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の非限定的態様によると、光コネクタ、例えば、光コネクタにおいて光を検出するための内蔵光検出器を含む光ファイバーコネクタ、が提供される。光検出器は、光を伝搬するための光ファイバーに結合された光タップに結合され得る、又は、コネクタにおいて、光ファイバーに統合され得る。例えばコネクタの周縁上に配された電極は、光のタップ部分を受け入れることに応じて光検出器によって生成される光電信号を伝達するための光検出器に結合され得る。外部インターフェース、例えば発光装置、音源等、はまた、光検出器のアウトプットを示す信号を伝達するように提供され得る。
【0005】
第2の非限定的態様によると、光コネクタの電極と電気的に接触するように構成された電極を含む、光コネクタ、例えば上述した光コネクタ、を着脱可能に受け入れるためのアダプターが提供される。
【0006】
第3の非限定的態様によると、各アダプターが、個別の光コネクタの電極と電気的に接触するように構成された電極を含む、複数の光コネクタ、例えば上述した光コネクタ、を着脱可能に受け入れるためのアダプターの配置を含む接続装置が提供される。
【0007】
第4の非限定的態様によると、光コネクタ、例えば上述した光コネクタ、による光接続を為すように構成されたインターフェースと;表示を前記コネクタから受け取るように且つ前記表示を示すフィードバック信号を生成するように構成された処理ユニットと、を含むシステムが提供される。インターフェースは、コネクタによる電気的接続を為すように構成された電極を含み得、システムは、光コネクタのための電力のソースを含み得、電力は電極を介して提供される。
【0008】
第5の非限定的態様によると、光のパラメータ、例えば光出力レベルを代表する光信号又は音響信号へ任意で変換され得る、電気信号を生成するように光に応答する光コネクタが提供される。
【0009】
本発明のこれらの及び他の態様及び特徴は、添付の図面と関連した特定の実施形態の以下の説明のレビューによって当業者にとってここで明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】非限定的実施形態に従う、光検出器対応コネクタによって終端された光ファイバーケーブルの概略図である。
図1B図1Aの光検出器対応コネクタ及び光ファイバーケーブルの斜視図である。
図2図1Aのコネクタ等の複数のコネクタを受け入れるためのインターフェースによって終端され複数のアダプターを有する面板の様々な実施形態を示し、出力装置はコネクタの外部である。
図3図1Aのコネクタ等の複数のコネクタを受け入れるためのインターフェースによって終端され複数のアダプターを有する面板の様々な実施形態を示し、出力装置はコネクタの外部である。
図4図1Aのコネクタ等の複数のコネクタを受け入れるためのインターフェースによって終端され複数のアダプターを有する面板の様々な実施形態を示し、出力装置はコネクタの外部である。
図5図1Aのコネクタ等の複数のコネクタを受け入れるためのインターフェースによって終端され複数のアダプターを有する面板の様々な実施形態を示し、出力装置はコネクタの外部である。
図6】出力装置がコネクタと一体化したさらなる非限定的実施形態に従う内蔵光検出器を有するコネクタによって終端された光ファイバーケーブルを示す。
図7】非限定的実施形態における、2つの背中合わせの光ファイバーケーブルのコネクタを受け入れるための2つのインターフェースによって終端されたアダプターを有する面板の実施形態を示す。
図8】標準光ファイバーケーブルを受け入れるためのスリーブを有する光コネクタの非限定的実施形態を示す。
図9】非限定的実施形態において、図1Aのコネクタ等の複数のコネクタによって終端されたリボンケーブルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面は特定の態様又は実施形態を理解するための補助であり、限定として構成されることはないことが理解されるべきである。
【0012】
本発明の実施形態の適用可能性の非限定的領域は、光ファイバーに沿って伝わる光の存在を検出すること、並びに、光ファイバーに沿って伝わる光の電力レベル及び/又は光信号対ノイズ比(OSNR)をモニタリングすることを含み得る。
【0013】
図1A及び1Bは、非限定的実施形態に従う、光検出器対応コネクタ104によって終端された光ファイバーケーブル102を示す。光ファイバーケーブル102は、ベアファイバ108、及び、ベアファイバ108の周りを包む(図1Aにおいて部分的に除去されて示される)ファイバージャケット110を含み得る、ある長さの光ファイバーを含み得る。その部分に関して、光検出器対応コネクタ104は、ベアファイバ114、及び、追加のサポートのためにベアファイバ114を囲む、(図1Aにおいて部分的に除去されてまた示される)フェルール116又は光ファイバージャケットを含む、ある長さの光ファイバーも含み得る、メイン光導管を有する。「ベアファイバ」との用語は、コア及びコアを囲むクラッディングを指定するためにここで用いられる。
【0014】
メイン光ファイバーのベアファイバ108及びコネクタのメイン光導管のベアファイバ114は、接合点118で位置合わせされ且つ一緒に結合される。ベアファイバ108、114が溶融される場合、それらの位置合わせは、このような溶融によって保持され得る。接合保護スリーブ120は、接合点118で個別のベアファイバの機械的保護を提供し得る。単一モードファイバー等のいくつかのタイプの光ファイバーでは、例えば、ベアファイバ108、114は、125マイクロメートルの直径を有する溶融シリカクラッディングによって囲まれた<10マイクロメートルの直径を有するコアを有し得、2つのベアファイバ108、114の溶融シリカクラッディングは接合点118で接合される。この場合では、図1Aに示されるようなベアファイバ108は、シリカクラッディングを一緒に有するコアに対応し得る。例えば、より大きいコア直径(例えば125マイクロメートル、250マイクロメートル及びより大きい)を有する多モード光ファイバーの場合において等の、他の実施形態では、コアは十分に厚いことがあり、溶融シリカクラッディングの代わりにポリマークラッディングが用いられ得る。
【0015】
光検出器対応コネクタ104は、光タップ122及び内蔵(又は集積)光検出器124をさらに含む。光タップ122は、メイン光導管に結合され、且つ、内蔵光検出器124に接続される。電気前置増幅器(図示されない)はまた、この又は他の実施形態において設けられ得る。電気前置増幅器は、内蔵光検出器124の電気出力を増幅し得る。光タップ122は、光をタップするための変化した屈折率を有するベアファイバ114のコアを囲むクラッディングの一部を含み得る。光タップ122は、光をタップするように適切に構成された、メイン光導管のメイン光ファイバーにおいてブラッグ格子を含み得る。光タップ122は、例えば、図1Aに示される内蔵光検出器124の左側に(チップにより近い)又は右側に、メイン光導管に沿った任意の便利な点に位置し得る。複数の個別の光ファイバーがメイン光導管を占有するとき、同数の光タップ122及び光検出器が設けられ得る。
【0016】
光タップ122はまた、指向性光カプラーであり得、その場合、光検出器は、メイン光導管に沿ったただ1つの方向において通過する光を検出する。他の実施形態では、2つの内蔵光検出器124は、個別の光タップ122を介して同じメイン光ファイバーに接続され得、メイン光導管のいずれかの/両方の方向において伝わる光が、個別の内蔵光検出器124を介して検出されることを可能にする。本発明の実施形態において用いられ得る内蔵光検出器124の非限定的例は、Si及びInGaAs PIN光検出器を含む。
【0017】
光検出器対応コネクタ104は、外部インターフェースをさらに含む。外部インターフェースは、光が光検出器対応コネクタ104に入って出ることを可能にする光搬送ポート128を含む。外部インターフェースはまた、ばね130、プラグ132、フレームストッパー134、フェルール136及びハウジング138等の様々な機械的接続要素を含み得る。機械的接続要素は、光検出器対応コネクタ104が、バックプレーン、マザーボード、パッチパネル又は面板等の接続装置内にしっかりと且つコンパクトに接続することが可能なように配され得る。
【0018】
この実施形態では、外部インターフェースは、1つ又は2つ以上の電極、ピン、コネクタ又は同様のものを含み得る電気的インターフェース140をさらに含む。光検出器対応コネクタ104の電気的インターフェース140は、内蔵光検出器124のアウトプットを示す電気信号を伝達するように構成される。電極によって伝達される電気信号に含まれる情報は、処理ユニット(図1A及び1Bに示されない)によって処理され得、光検出器対応コネクタ104を通って伝わる光の電力レベル及び/又は光信号の光信号対ノイズ比(OSNR)及び/又は光検出器対応コネクタ104によって確立される接続の質に基づいてコネクタは評価され得、結果は例えば(図1A及び1Bに示されない)出力装置を介してユーザーへ信号が送られ得る。処理ユニット及び出力装置を含む様々な構造が、後述されるであろう。
【0019】
図1A及び1Bの実施形態では、電気的インターフェース140は、電極として示されるが、これは決して、限定するものとして考えられるものではない。電気的インターフェース140は、ユーザーへアクセス可能であり且つユーザーによって見えるように、光検出器対応コネクタ104の周縁に配され得る。これは、用いられている所与のコネクタが標準コネクタであるか、又は、光検出器対応コネクタ104の場合のように、本明細書で説明されるような強化された機能性を可能にする光検出器対応コネクタであるかどうかを、ユーザーが、視覚的手掛かりを用いて、迅速にアクセスすることを可能にするであろう。
【0020】
図1A及び1Bの実施形態では、内蔵光検出器124は「能動型」である、つまり、光伝導レジームにおいて動作し、それ自体はバイアス電圧を必要とするが、これは決して、限定するものとして考えられるものではない。バイアス電圧は、例えば、バックプレーン、マザーボード、パッチパネル又は面板によって提供される導体に沿って、光検出器対応コネクタ104(つまり、オフコネクタ)の外側から電気的インターフェース140を介して内蔵光検出器124へ供給され得る。
【0021】
ここで説明されることになる図2、3、4及び5の実施形態は、光検出器対応コネクタ124への電気的接続を確立し、それによって(i)電気的インターフェース140を介して内蔵光検出器124へバイアス電圧を提供する、及び/又は、(ii)電気的インターフェース140を介して内蔵光検出器124によって電気信号アウトプットに含まれる情報を処理するように適応された様々な構造に関連する。
【0022】
図2、3、4及び5の各々は、光学基板204(例えば、バックプレーン、マザーボード、パッチパネル)に接続された接続装置(この場合では、面板202)の例を示す。光信号は、例えばスイッチ、光検出器、変調器、マルチプレクサ等の、光学基板204上の光学機器へ及びそこから伝わる。面板202は、光検出器対応コネクタ104を受け入れ、且つ、光学基板204から出てくる他の1つの光搬送ファイバー(図示されない)への光接続を為すように適合される。具体的には、面板202は、光検出器対応コネクタ104の機械的接続要素を受け入れるように適合された機械的インターフェースを備えるアダプター206を含み得る。面板202は、増加した接続密度のために、複数の光検出器対応コネクタ104と機械的に嵌合するためのアダプター206と同様の複数のアダプターを含み得る。アダプター206の機械的インターフェースは、その中に光検出器対応コネクタ104が挿入されるスリーブの形を有し得る。
【0023】
アダプター206は、光検出器対応コネクタ104が面板202上の機械的インターフェースと機械的に嵌合されるとき、光検出器対応コネクタ104の電気的インターフェース140と係合する又はそうでなければ接触する電気的接触(例えば、電極)208をさらに含む。このように、電気的接続は、アダプター206と電気的インターフェース140との間で為されて、バイアス電圧が内蔵光検出器124へ印加されることを可能にし、また、内蔵光検出器124からの電気信号が光検出器対応コネクタ104の外側に届くことを可能にする。特に、電気的接続のネットワーク(例えば、ワイヤ、ビア、層等)は、アダプター206(及び、該当する場合は、他の同様のアダプター)を処理ユニットへ結合する。処理ユニット及び出力装置を置くための異なる構造が、ここで説明される。
【0024】
図2への特定の参照によって、電気的接続210のネットワーク(例えば、ワイヤ、ビア、層等)は、アダプター206(及び、該当する場合は、他の同様のアダプター)を、光学基板204上に位置する処理ユニット212へ結合する。処理ユニット212は、マイクロプロセッサ、メモリ、I/O及び他の標準構成要素を含み得る。処理ユニット212は、(内蔵光検出器124等の)1つ又は複数の内蔵光検出器のアウトプットを表す(光検出器対応コネクタ104等の)1つ又は複数の光検出器対応コネクタから受け取られる電気信号へデータ処理機能(例えば、アルゴリズム)を適用し得る。データ処理機能のアウトプットは、ユーザー消費に関する診断又は他のフィードバック信号であり得る。フィードバック信号は、例えば、コンソール、携帯情報端末、メインフレーム、モバイルデバイス、ラップトップ、タブレット、ファブレット等の、出力装置214へデータネットワーク(例えば、インターネット)を通じて送られ得る。フィードバック信号は、ワイヤレスで又は有線媒体を通じて送られ得る。フィードバック信号は、例えば携帯電話上で動作するアプリによって解釈され得る。
【0025】
図3への特定の参照によって、電気的接続310のネットワーク(例えば、ワイヤ、ビア、層等)は、アダプター206(及び、該当する場合は、他の同様のアダプター)を、マルチプレクサ−デマルチプレクサ302へ結合し、マルチプレクサ−デマルチプレクサは、光学基板204に対して離れていてよい処理ユニット312によって処理するために多重化信号を送るように、複数のアダプター(及び光検出器対応コネクタ)からの電気信号を一つに束ねる。例えば、多重化信号は、データネットワーク(例えば、インターネット)を通じて送られ得る。処理ユニット312は、マイクロプロセッサ、メモリ、I/O及び他の標準構成要素を含み得る。処理ユニット312は、多重化信号へデータ処理機能(例えば、アルゴリズム)を適用し得る。データ処理機能のアウトプットは、ユーザー消費に関する診断又は他のフィードバック信号であり得る。フィードバック信号は、例えば、コンソール、携帯情報端末、メインフレーム、モバイルデバイス、ラップトップ、タブレット、ファブレット等の、出力装置314を介してユーザーへ伝達され得る。
【0026】
図4への特定の参照によって、電気的接続410のネットワーク(例えば、ワイヤ、ビア、層等)は、アダプター206(及び、該当する場合は、他の同様のアダプター)を、光学基板204上に位置する処理ユニット412へ結合する。処理ユニット412は、マイクロプロセッサ、メモリ、I/O及び他の標準構成要素を含み得る。処理ユニット412は、(内蔵光検出器124等の)1つ又は複数の内蔵光検出器のアウトプットを表す(光検出器対応コネクタ104等の)1つ又は複数の光検出器対応コネクタから受け取られる電気信号へデータ処理機能(例えば、アルゴリズム)を適用し得る。データ処理機能のアウトプットは、ユーザー消費に関する診断又は他のフィードバック信号であり得る。フィードバック信号は、光学基板204上に、又は、示されるように、面板202上に、位置する出力装置414へ送られ得る。出力装置414は、LED、拡声器/音アラーム、又は、処理ユニット412によって作動され得る他のデバイスであり得る。さらに他の実施形態では、出力装置414は、例えば、光検出器対応コネクタ104を通って伝わる光の電力レベル(又は光信号のOSNR)を示すためのデジタルディスプレイであり得る。
【0027】
光検出器対応コネクタ104で電力レベルを正確に報告するために、光タップ122のタップ比率及び内蔵光検出器124の応答性の両方を知ることが有用であり得る。タップ比率(又はタップする比率、又は分割比率)は、すべてのスプリットポートの総電力出力によって割られた個別のスプリットポートの電力出力として測定され得る。応答性に関して、このパラメータは、光入力当たりの電気出力に相当する。両方のパラメータは、測定され得る又は設計によって得られ得、光出力のより正確な測定を可能にし得る。例えば、光検出器の応答性及び/又は光タップのタップ比率は、光検出器のアウトプットが、光検出器対応コネクタ104を通って伝わる光の電力の校正された表示であるように設計され得る。それでもなお、これらのパラメータの知識なしでさえ、より多くの光は、電力レベルのより高い読み取りをもたらし、且つ、それは、2つの値の間のより正確な関係性を得るための校正段階を実施することが可能であり得る。
【0028】
図5への特定の参照によって、電気的接続510のネットワーク(例えば、ワイヤ、ビア、層等)は、面板202に埋め込まれ、且つ、アダプター206(及び、該当する場合は、他の同様のアダプター)を、面板202上に位置する処理ユニット512へ結合する。処理ユニット512は、マイクロプロセッサ、メモリ、I/O及び他の標準構成要素を含み得る。処理ユニット512は、(内蔵光検出器124等の)1つ又は複数の内蔵光検出器のアウトプットを表す(光検出器対応コネクタ104等の)1つ又は複数の光検出器対応コネクタから受け取られる電気信号へデータ処理機能(例えば、アルゴリズム)を適用し得る。データ処理機能のアウトプットは、ユーザー消費に関する診断又は他のフィードバック信号であり得る。フィードバック信号は、面板202上にも位置する出力装置514へ送られ得る。出力装置514は、LED、拡声器/音アラーム、又は、処理ユニット512によって作動され得る他のデバイスであり得る。さらに他の実施形態では、出力装置514は、例えば、光検出器対応コネクタ104を通って伝わる光の電力レベル(又は光信号のOSNR)を示すためのデジタルディスプレイであり得る。
【0029】
実施形態では、出力装置514は、アダプター206を通り抜ける光の電力レベル/光信号のOSNRを代表するアウトプット信号を発するための性能を有し得る。そのため、ユーザーは、接続が為されているか否かを突き止めることができ、且つ、為されていると考えられる接続を通り抜ける光を制御することによって、ユーザーは、接続が実際に為されていることを確認し得る。代わりに、処理ユニット512は内蔵光検出器124を通り抜ける光強度のレベルを測定するので、処理ユニット512はしたがって、光搬送ファイバーのペア間の接続の存在に関してだけでなく、電力レベル及び/又は光信号対ノイズ比(OSNR)に関しても、評価を為し得て、為されている接続(例えば、接続損失に対する確立された接続)の「質」の測定を導き出すために用いられ得る。具体的には、mW又はdBmの単位における光出力の量的尺度は、処理ユニット512で提供される。この情報は、今度は、出力装置514へ前述のフィードバック信号を発するための処理ユニットによって用いられ得る。いくつかの場合では、これは、例えば、予期される接続が検出されない場合、又は電力レベル/OSNR/接続の質が十分に高くない(例えば、光出力の量的尺度又は光信号対ノイズ比がしきい値を超えない)場合に、例えばアラームを引き起こし得る。
【0030】
前述の実施形態は、能動光検出器に焦点を当ててきたが、受動光検出器が用いられ得る。例えば、いくつかの実施形態では、光検出器対応コネクタ104は、受動型である、つまり、電力の外部ソースを必要とせず、そのため内蔵光検出器124へ外部電力を運ぶための電極を必要としない、内蔵光検出器124を含む。例えば、図6への参照によって、受動光検出器624を有する光検出器対応コネクタ604が設けられる。受動光検出器624は、光起電性レジームにおいて動作し得る、又は、光タップ122を介してメイン光導管からタップされた光から電力を引き出し得る。タップされた光出力は、受動光検出器624によって、又は、二次光起電性セル(図示されない)によって、電力へ光変換され得る。いずれの場合でも、受動光検出器624のアウトプットは、発光装置(例えば、LED)又は放音装置等の、集積出力装置614を制御するために用いられ得る。集積出力装置614は、例えば、光検出器対応コネクタ604の周縁上に現れ得る。したがって、光検出器対応コネクタ604は、この場合では、集積出力装置によって部分的に実施される、光検出器対応コネクタ604の外部インターフェースを介した知覚可能な表示の形におけるアウトプット信号を提供し得る。これは、それが適切に接続されているかどうかを、コネクタ自身の単純な検査によって、ユーザーが確立することを可能にする。
【0031】
図7への参照によって、面板702のバージョンが、両面アダプター706を含む。具体的には、両面アダプター706は、個別の光ファイバーケーブル754、764のコネクタ752、762を着脱可能に受け入れるための2つのインターフェース750、760を有する。両面アダプター706のいずれかの側上で受け入れられるコネクタ752、762は、同じ又は異なる形状因子を有し得、したがって、2つのインターフェース750、760は、同じ又は異なる構造を有し得る。実施形態では、両面アダプター706は、コネクタ752、762への着脱可能な機械的接続を提供するだけでなく、コネクタ752、762間の光接続も提供する。加えて、この実施形態では、両面アダプター706は、2つのコネクタ752、762上に存在し得る電極と電気的接触している別個のインターフェース750、760を有する。すなわち、コネクタ752、762が、電極を備えている光検出器対応コネクタである要件は存在しないが、それらの内の1つ又は両方がそのように備えられている場合、両面アダプター706は、電気的接続が、本明細書で上述されたように、個別の光検出器対応コネクタを有して確立されることを可能にするであろう。より具体的には、インターフェース750、760は、コネクタ752、762のいずれか又は両方内に存在し得る受動光検出器によって生成された信号が、処理ユニット712へ運ばれることを可能にする。処理ユニット712は、それに接続された光学基板上に、又は、ネットワークを通じて接続されたデバイス内に、図7に示されるように面板702上に位置し得る。
【0032】
このように、2つのコネクタ752、762間の両面アダプター706によって確立された光接続が存在するとき、及び、両方のコネクタが個別の内蔵光検出器によって有効にされるとき、これは、同じ光接続についての追加の知識(及びより大きな確実性)を処理ユニット712に提供する。代わりに、両面アダプター706の使用は、各コネクタ752、762において一方向性の光検出器の使用(各方向に関して1つ)を可能にするので、両方向の通信において光接続の質の全体像を提供する。
【0033】
特定の実施形態では、本明細書で記載されるアダプターは、光コネクタが内蔵光検出器を含むか含まないかに関わらず、光コネクタのファイバーと光接続を確立する機能を満たし得ることが留意されるであろう。これは、(アダプター706が、そうでなければ受け入れることを期待され得る光検出器無しのコネクタの形状因子に対応する)標準光コネクタのものと同じ形状因子を有する光検出器対応コネクタを設計することによって達成され得る。そのようにして、ユーザーは、光検出器無しのコネクタが用いられるときに光接続を確立するための能力を身に着ける必要はない。むしろ、ユーザーは、様々な使用のためにアダプター706を途切れることなく用い得、且つ、光検出器対応コネクタが実際に用いられるときに、強化されたモニタリング機能性から恩恵を受け得る。
【0034】
光検出器対応コネクタが有するように適合され得る形状因子(外部寸法(external dimensionality))の非限定的例は:
−FC
−SC
−ST
−LC
−MU
−DIN
−MTRJ
−D4
−MPO
を含む。
【0035】
個別のコネクタは、当業者に知られるように、SCの場合では:SC−MM,SC−DX,SC−APC及びSC−0.9等の変形も有する。光検出器対応コネクタの機械的接続要素を設計するときに用いられ得る形状因子標準又はその変形上に特定の限定は存在しない。実際、他の実施形態では、光検出器対応コネクタの形状因子は、まだ標準化されていない形状因子、又は完全に新しい形状因子であり得る。
【0036】
さらなる実施形態では、光検出器無しのコネクタは、ここで説明されるようにアダプターと共に用いられ、このような光検出器無しのコネクタによって為された光接続の質を検証する。これは、延長コネクタを設けることによって達成される。図8を参照すると、延長コネクタ804は、コネクタ端806及びスリーブ端808を有する。スリーブ端808は、標準(光検出器無しの)コネクタ(図示されない)を着脱可能に受け取り、例えば標準光ファイバーケーブルを終端し得る。従って、スリーブ端808は、光搬送ファイバーの先端を受け入れ、且つ、延長コネクタ804の内部光搬送ファイバー810内へこの光を導くように構成された。ファイバー810は、光タップ122に結合され、本明細書で上述されたように、内蔵光検出器124へ光を運ぶ。
【0037】
コネクタ端806は、標準形状因子を有し得る。しかしながら、延長コネクタ804のコネクタ端806の形状因子は、スリーブ端808において受け入れられる標準光ケーブルの形状因子と同じであり得るが、その必要がないこともある。コネクタ端806はまた、処理ユニット(図示されない)へ電気的接続を為し、それによって信号流れ及び/又はバイアス電圧の準備を可能にするように、本明細書で上述された電気的インターフェース140を追加的に含み得る。そのため、延長コネクタ804は、内蔵光検出器の能力、及び、その付随するモニタリング、フィードバック等の可能性を、それらに提供することによって市場上で既存の光検出器無しのコネクタを強化し得る。
【0038】
例えば、図9に示されるような、いくつかの実施形態では、平行に複数の光ファイバーケーブル902を搬送するリボンケーブル900が、本発明の特定の実施形態の特定の態様を組み込み得ることが理解されるべきである。例えば、リボンケーブル900は、複数のコネクタ904によって終端され、その各々は、本明細書で記載されるように光検出器対応コネクタであり得、且つ標準化された形状因子をいまだ保持し得る。
【0039】
上記の説明および図は、いくつかの例示的な実施形態の説明及び図示を提供した一方で、変形が、本発明の範囲内に残ったままで可能であることが理解されるべきである。例えば、当業者に知られているかまたは共通であると予想される特定の要素は記載されていない一方で、記載された特定の特徴は、いくつかの実施形態では省略され得、他では含まれ得る。当然、当業者は、本発明がここに添付された特許請求の範囲によって限定されるのみであることを理解するであろう。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9