(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記予め設定した符号誤り閾値は第1の符号誤り閾値と第2の符号誤り閾値とを備えており、前記第1の符号誤り閾値は前記第2の符号誤り閾値を超える、請求項2に記載の方法。
前記予め設定した符号誤り閾値は第1の符号誤り閾値と第2の符号誤り閾値とを備えており、前記第1の符号誤り閾値は前記第2の符号誤り閾値を超える、請求項6に記載の端末。
それ自体に記録されるプログラムを有するコンピュータ可読記憶媒体であって、前記プログラムは、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法をコンピュータに実行させる、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、端末間で行われる通信ネゴシエーションの概略図である。例として第1の端末と第2の端末との間の音声通信を用いるが、高速移動時の第1の端末が第2の端末とデータ通信を行う必要があるとき、第1の端末は、第1の端末によってサポートされる音声符号化レートに基づいて第2の端末と符号化レートについてネゴシエートし、その後、ネゴシエートされた符号化レートに基づいて音声通信を行う。
【0013】
たとえば、端末中のアダプティブ・マルチレートワイドバンド・スピーチ・コーデック(Adaptive Multi−Rate−Wideband speech codec,AMR−WB)は、9つのレート、6.6Kbps,8.85Kbps,12.65Kbps,14.25Kbps,15.85Kbps,18.25Kbps,19.85Kbps,23.05Kbpsおよび23.85Kbpsを有し、一般的に、端末はネゴシエートの際に23.85Kbpsの符号化レートを用いる。端末は、高い符号化レートで大きい音声データボリュームを生成する。したがって、同じ通信ネットワークでは、高い符号化レートを有する端末は良好な通信品質を有する。
【0014】
しかし、高速移動時の端末が位置する通信ネットワークの信号カバレッジ能力は一般的に低い。したがって、端末が過度に高い符号化レートでの端末であるときに生成される大きいデータボリュームを第2の端末に適時に伝送することができず、また、いくらかのデータのロスや誤伝送などの異常が、第2の端末が受けるデータで生じることで、音声通信においてストールまたはノイズが生じ、通信品質に影響が出る。
【0015】
図2は、本出願の実施の形態に係る符号化レート調節方法の実現例のフローチャートであり、高速鉄道上の端末のデータ通信が例として用いられている。
図1に示されている第1の端末または第2の端末に本実施の形態を適用して、高速移動時の端末のデータ通信の低品質についての技術的課題を解決する。
図2では、データ通信に対して端末を準備すると、端末は以下のステップを実行する。
【0016】
S201:端末が高速移動状態にあるか否かを判断し、端末が高速移動状態にある場合にS202を実行するか、端末が高速移動状態にない場合にS203を実行する。
【0017】
例として高速移動時の高速鉄道上の端末を用いて、端末は、端末が高速移動状態にあるか否かを複数の手法で判断して、端末が高速鉄道乗車状態にあるか否かを判断してもよい。
【0018】
たとえば、端末が位置する通信ネットワークによってフィードバックされるシステムメッセージ中のフィールドhighspeedflagの内容を用いて端末が高速移動状態にあるか否かを端末は判断する。フィールドhighspeedflagは端末の移動状態を示すのに用いられる。たとえば、フィールドhighspeedflagがtrueである場合、端末が高速移動状態にある、すなわち、高速鉄道専用ネットワーク中で乗車状態にあることを示す。
【0019】
端末が高速鉄道乗車状態にあるか否かを別の手法で別様に判断してもよく、すなわち、内蔵センサハブ(sensor hub)によって収集される情報を用いて端末が高速移動状態にあるか否かを端末は判断する。たとえば、最初に端末はsensor hubを用いて、加速度センサ、ジャイロスコープおよび気圧計などの様々なセンサによって収集される加速度、傾きの程度および気圧などの感知パラメータを収集する。検知パラメータを統合した後、分類子および決定木などの一般的なアルゴリズムを特定の実現例と組み合わせることによって、端末の状態、たとえば、静止、歩行、ランニング、サイクリング、乗車を取得し、これにより、端末が高速移動状態にあるか、すなわち、高速鉄道専用ネットワークの乗車状態にあるか否かを判断することができる。
【0020】
端末が現在高速移動状態にあるか否かをS201で判断するという条件付きで、端末の移動速度が速度閾値を超えるか否かを判断するS202をさらに実行する必要がある。端末が高速移動状態にない場合には特定の移動速度を判断する必要はない。
【0021】
S202:移動速度が予め設定した速度閾値を超えるか否かを判断し、移動速度が速度閾値を超える場合にS204を実行するか、移動速度が速度閾値を超えない場合にS203を実行する。
【0022】
本実施の形態では、端末はGPSおよびsensor hubを用いて端末の移動速度を取得してもよく、その後、端末は、端末の移動速度が速度閾値を超えるか否かを、取得された移動速度に基づいて判断する。
【0023】
これの代わりに、端末は、端末のモデムMODEMがリンク状態にあるときに、対応するアルゴリズムを用いて端末の移動速度を計算してもよく、その後、端末は移動速度が速度閾値を超えるか否かを判断する。
【0024】
MODEMがリンク状態にあるとは、通話状態またはショートメッセージサービス・メッセージ伝送状態などのデータ伝送状態に端末があることを意味し、MODEMが非リンク状態にあるのとは異なる。MODEMが非リンク状態にあるとは、端末がスタンバイ状態にあることを意味する。
【0025】
ここでの速度閾値は、たとえば毎時200キロメートルであってもよい。
【0026】
S203:現在の第1の符号化レートに基づいてデータ通信を実行する。
【0027】
S204:端末の現在の第1の符号化レートを予め設定した第2の符号化レートに調節し、S205を実行する。
【0028】
S205:調節後に取得された第2の符号化レートに基づいてデータ通信を実行する。
【0029】
ここでの、第2の符号化レートが第1の符号化レート未満か否かは、履歴データまたは経験則的データに基づいて判断してもよく、第2の符号化レートと第1の符号化レートとの双方は端末中のコーデックによってサポートすることができる符号化レートである。
【0030】
たとえば、端末のコーデックはAMR−WBである。第1の符号化レートは23.05Kbpsである。本実施の形態では、端末が高速移動状態にあって、列車速度が200km/hを超えると端末が判断する場合、この例では端末の符号化レートを12.65Kbps,14.25Kbpsなどに減少させる。
【0031】
すなわち、本実施の形態では、端末がデータ通信を行う前、端末が高速鉄道乗車状態にあることが判明した場合、端末の符号化レートを減少させてもよく、これにより、端末は調整後に取得された符号化レートに基づいてデータ通信を行う。このように、端末は低符号化レートで大きいデータボリュームを生成せず、低いネットワーク信号カバレッジ能力を有する通信ネットワークにおいてであってもなお、端末はデータを相手側に適時に伝送することができる。このように、データロスや誤伝送などの異常な事態が避けられる。たとえば、音声通信におけるストールおよびノイズが避けられる。したがって、データ通信の通信品質が改善され、本実施の形態の目的が実施される。
【0032】
図3に示されているように、
図3は実施の形態に係る別の符号化レート調節方法の実現例のフローチャートである。移動速度が速度閾値を超えると端末が判断する場合、端末は、通信において端末が担う役割を判断することによって、対応する通信モードをさらに調節して、通信品質を改善してもよい。
図1の端末は、
図3の以下のステップを実行することによって符号化レートを調節する。
【0033】
S301:移動速度が速度閾値を超えるか否かを判断し、移動速度が速度閾値を超える場合にS302を実行するか、移動速度が速度閾値を超えない場合にS303を実行する。
【0034】
本実施の形態では、移動速度が速度閾値を超えるか否かを判断する端末についての実現例については、
図2の関連するステップの内容を参照し、詳細はここでは重ねて説明しない。
【0035】
S302:端末がデータ通信の開始側であるか否かを判断し、端末が開始側である場合にS304を実行するか、端末が開始側でない場合にS305を実行する。
【0036】
データ通信では、以下の通信特徴が存在し、すなわち、端末が発呼側である場合、端末はデータ通信に適切な通信規格を選択してもよく、または、端末が被呼側である場合、端末の通信規格は、端末がデータ通信要求を受けたときに端末がその際に位置した通信ネットワークに基づいて判断され、通信規格は変更すなわち切り替えられることはない。したがって、本実施の形態では、端末がデータ通信の開始側であるか受信側であるかを端末はまず判断する。
【0037】
たとえば、音声通信では、端末が音声通信の発呼側であるか被呼側であるかを端末は判断する。
【0038】
S303:現在の第1の符号化レートに基づいてデータ通信を実行する。
【0039】
S304:端末が位置する通信ネットワークのネットワーク信号値が予め設定した信号閾値未満であるか否かを判断し、ネットワーク信号値が信号閾値未満である場合にS306を実行するか、ネットワーク信号値が信号閾値未満ではない場合にS305を実行する。
【0040】
ここでのネットワーク信号値は、通信ネットワークのネットワーク通信能力、たとえば、通信ネットワークのデータ伝送レート値または通信ネットワークの信号強度値を表すことができるパラメータ値である。たとえば、ネットワーク信号値が予め設定した信号閾値未満である場合、この例では通信ネットワークのデータ伝送レートが低いことを示す。
【0041】
S305:端末の現在の第1の符号化レートを予め設定した第2の符号化レートに調節し、S307を実行する。
【0042】
S306:端末の通信規格を切り替え、S308を実行する。
【0043】
本実施の形態では、通信規格を単一無線音声通信継続(Single Radio Voice Call Continuity,SRVCC)の手法で切り替えてもよい。
【0044】
S307:調整後に取得された第2の符号化レートに基づいてデータ通信を実行する。
【0045】
S308:切り替え後に取得された通信規格で、第1の符号化レートを用いてデータ通信を実行する。
【0046】
前述の説明の通信特徴に基づけば、たとえば、端末が最初に位置する通信ネットワークは4Gネットワークである。本実施の形態では、端末の移動速度が速度閾値を超えると端末が判断する場合、通信において端末が発呼側の役割を担うか被呼側の役割を担うかを判断することによって端末は通信モードを調節してもよく、これにより、通信品質を改善する。
【0047】
たとえば、端末が現在位置する4Gネットワークのネットワーク信号値が信号閾値未満である場合、言い換えると、データ伝送レートが低い場合、端末の通信規格を2Gまたは3Gモードに切り替えた後、データ通信を行うことを選択して、データ通信の通信品質を改善してもよい。
【0048】
または、前述の実施の形態の実現例に関連するが、端末が現在位置する4Gネットワークのネットワーク信号値が信号閾値未満ではない場合、言い換えると、データ伝送レートが高い(ここでの「高い(high)」は、関連するネットワーク信号値が信号閾値未満であるケースを指す)場合、端末の符号化レートのみを減少させる必要があり、端末は引き続き現在の通信規格を用いてもよく、これにより、通信品質を改善する。
【0049】
本実施の形態では、端末が位置する通信ネットワークのネットワーク通信能力が高い場合、端末は、通信規格を直接切り替えず、その代わりにある程度符号化レートを減少させて、伝送する必要があるデータボリュームを減らしてもよい。端末が高速移動状態でデータ通信を行うとき、端末はデータ伝送を適時に行って通信品質を改善することができる。
【0050】
したがって、通信規格を切り替えることによって通信品質を改善する先行技術における実施解決手段と比較して、本実施の形態では、符号化レートを減少させることによって通信品質を改善し、これにより、通信品質を改善する解決手段の価値が高まり、通信品質に対するユーザの要求が満たされる。
【0051】
図2または
図3では、端末の移動速度が速度閾値を超える場合、端末は、データ通信に用いられる符号化レートを、予め設定した低い第2の符号化レートに調節して通信品質を改善する。
【0052】
しかし、実際の実施の際には、第2の符号化レートが誤っている場合が存在する場合がある。たとえば、符号化レートが依然として高いか、符号化レートが過度に低く調整される。したがって、第2の符号化レートを補正する必要がある。
【0053】
第2の符号化レートを補正することを目的として、
図4は本出願の実施の形態に係る別の符号化レート調節方法のフローチャートである。この方法は
図1に示されているいかなる端末にでも適用可能であり、端末は
図4に示されているステップを実行することによって第2の符号化レートを補正する。
図4は以下のステップを含むと考えることができる。
【0054】
S401:端末が第2の符号化レートを用いてデータ通信を行い、データ通信が終了した後、第2の符号化レートを用いて行われたデータ通信の符号誤り率を取得する。
【0055】
S402:符号誤り率が予め設定した第1の符号誤り閾値を超えるか否かを判断し、符号誤り率が第1の符号誤り閾値を超える場合にS403を実行するか、符号誤り率が第1の符号誤り閾値を超えない場合にS404を実行する。
【0056】
S403:第2の符号化レートが、端末によってサポートされる最小符号化レートであるか否かを判断し、第2の符号化レートが、端末によってサポートされる最小符号化レートである場合にS405を実行するか、第2の符号化レートが、端末によってサポートされる最小符号化レートでない場合にS406を実行する。
【0057】
S404:符号誤り率が予め設定した第2の符号誤り閾値未満であるか否かを判断し、ここで、第2の符号誤り閾値は第1の符号誤り閾値未満であり、符号誤り率が第2の符号誤り閾値未満である場合にS407を実行するか、符号誤り率が第2の符号誤り閾値未満ではない場合にS405を実行する。
【0058】
本仕様書で説明されている符号誤り率は、符号誤り比、すなわち、ビットの総数に対するエラービットまたは失われたビットの数の比としても理解してもよい。
【0059】
S405:端末によって行われる次のデータ通信に用いられる符号化レートとして第2の符号化レートを不変に保ち、S409を実行する。
【0060】
S406:第2の符号化レートを減少させて、端末によって実行される次のデータ通信に用いられる符号化レートを取得し、S409を実行する。
【0061】
ここでの、第2の符号化レートを減少させるステップは、第2の符号化レートを、端末によってサポートされる符号化レート内にあって、少なくとも1レートギア(rate gear)だけ現在の第2の符号化レートよりも低いレートまで減少させるステップであってもよい。ここでのレートギアは、端末によってサポートされる符号化レートレベルとして理解してもよく、各符号化レートレベルはレートギアとして用いられる。
【0062】
例として端末でコーデックAMR−WBを用いれば、端末は以下の符号化レート、すなわち、6.6Kbps,8.85Kbps,12.65Kbps,14.25Kbps,15.85Kbps,18.25Kbps,19.85Kbps,23.05Kbpsおよび23.85Kbpsをサポートする。
【0063】
一実現例では、端末によって第2の符号化レートを減少させるステップは、符号化レートを、1レートギアだけ現在の符号化レートよりも低い符号化レートに減少させるステップであってもよい。
【0064】
たとえば、端末の現在の第2の符号化レートが12.65Kbpsであれば、符号誤り率が第1の符号誤り閾値を超える場合、端末は第2の符号化レートを8.85Kbpsまで減少させる。これの代わりに、端末の現在の第2の符号化レートが19.85Kbpsであれば、符号誤り率が第1の符号誤り閾値を超える場合、端末は第2の符号化レートを18.25Kbpsまで減少させる。
【0065】
別の実装例では、端末によって第2の符号化レートを減少させるステップは、符号化レートを、2レートギアだけ現在の符号化レートよりも低い符号化レートに減少させるステップであってもよい。
【0066】
たとえば、端末の現在の第2の符号化レートが23.05Kbpsであれば、符号誤り率が第1の符号誤り閾値を超える場合、端末は第2の符号化レートを18.25Kbpsまで減少させる。これと異なり、端末の現在の第2の符号化レートが6.6Kbpsであり、この場合の符号化レートが端末によってサポートされる最小符号化レートであり、符号誤り率が第1の符号誤り閾値をやはり超える場合であっても、端末は第2の符号化レートを減少させない。
【0067】
S407:第2の符号化レートが、端末によってサポートされる最大符号化レートであるか否かを判断し、第2の符号化レートが、端末によってサポートされる最大符号化レートである場合にS405を実行するか、第2の符号化レートが、端末によってサポートされる最大符号化レートでない場合にS408を実行する。
【0068】
実際の応用の際、今回、端末の移動速度が速度閾値を超え、前のデータ通信での端末の移動速度も速度閾値を超える場合、一般的に前のデータ通信での端末の符号化レートは特定の程度減少した符号化レートであって、一般的に、端末によってサポートされる最大符号化レートではない点に留意するべきである。したがって、本実施の形態において、実際の応用の際、S407を省略してもよく、S404で符号誤り率が第2の符号誤り閾値未満であると判断される場合にS408を実行する。
【0069】
S408:第2の符号化レートを増加させて、端末によって行われる次のデータ通信に用いられる符号化レートを取得し、S409を実行する。
【0070】
ここでの、第2の符号化レートを増加させるステップは、第2の符号化レートを、端末によってサポートされる符号化レート内にあって、少なくとも1レートギアだけ現在の第2の符号化レートよりも高いレートまで増加させるステップであってもよい。
【0071】
一実現例では、端末によって第2の符号化レートを増加させるステップは、符号化レートを、1レートギアだけ現在の符号化レートよりも高い符号化レートに増加させるステップであってもよい。
【0072】
たとえば、端末の現在の第2の符号化レートが12.65Kbpsであれば、符号誤り率が第2の符号誤り閾値未満である場合、端末は第2の符号化レートを14.25Kbpsまで増加させる。これの代わりに、端末の現在の第2の符号化レートが19.85Kbpsであれば、符号誤り率が第2の符号誤り閾値未満である場合、端末は第2の符号化レートを23.05Kbpsまで増加させる。
【0073】
別の実装例では、端末によって第2の符号化レートを増加させるステップは、符号化レートを、2レートギアだけ現在の符号化レートよりも高い符号化レートに増加させるステップであってもよい。
【0074】
たとえば、端末の現在の第2の符号化レートが23.05Kbpsであれば、符号誤り率が第2の符号誤り閾値未満でありかつ1ギアだけ23.05Kbpsよりも高い符号化レートが既に、端末によってサポートされる最大符号化レートである場合に、端末は、第2の符号化レートを、端末によってサポートされる最大符号化レート、すなわち23.85Kbpsまで直接増加させる。これと異なり、端末の現在の第2の符号化レートが23.85Kbpsであれば、この場合、符号化レートは端末によってサポートされる最大符号化レートであり、端末は第2の符号化レートを増加させない。
【0075】
S409:移動速度が速度閾値を超えるか否かを判断し、端末の移動速度が速度閾値を超える場合にS410を実行するか、端末の移動速度が速度閾値を超えない場合にS411を実行する。
【0076】
ここでの、移動速度が速度閾値を超えるか否かを端末が判断するということは、端末がデータ通信を実行しようとしているときに実行されるステップである。すなわち、データ通信を実行する前ごとに、端末は、端末の現在の移動速度が速度閾値を超えるか否かを判断する。
【0077】
S410:このデータ通信で用いられる符号化レートとして、処理後に取得された第2の符号化レート、たとえば、S405,S406またはS408の後に取得された符号化レートを用いてデータ通信を行う。
【0078】
S411:第1の符号化レートを用いてデータ通信を行う。
【0079】
第1の符号誤り閾値および第2の符号誤り閾値は通信品質に対する要件に基づいて設定してもよい。たとえば、第1の符号誤り閾値を5%に設定してもよく、第2の符号誤り閾値を1%に設定してもよい。符号誤り率が5%を超える場合、端末の符号化レートが低いことを示し、符号誤り率が1%未満である場合、端末の符号化レートが高いことを示し、したがって、これに応じて符号化レートを調節する必要がある。
【0080】
図4に示されている手順が、端末の符号化レートが第2の符号化レートに調節された後にデータ通信を行って、このデータ通信に基づいて端末の符号化レートを補正して、補正後に取得された第2の符号化レートを次のデータ通信に用いる実施手順である点に留意するべきである。このような解決手段は、端末がデータ通信を行う前ごとに、端末が符号化レートを補正する事例に適用可能である。
【0081】
すなわち、データ通信を行う前ごとに、端末の現在の移動速度が速度閾値を超えるか否かを端末は判断し、端末の現在の移動速度が速度閾値を超えると端末が判断する場合、端末は第2の符号化レートを用いてデータ通信を行う。ここでの第2の符号化レートは補正処理後に取得された第2の符号化レートであり、ここでの補正解決手段は、移動速度が速度閾値を超える端末の最新のデータ通信の符号誤り率に依存する。
【0082】
たとえば、第2の符号化レートを用いる端末によって行われるデータ通信を第1のデータ通信として用いる。第1のデータ通信が終了した後、移動速度が速度閾値を超える最新のデータ通信に用いられる第2の符号化レートを、
図4に示されている解決手段を用いて符号誤り率に基づいて補正する。特に、端末は第1のデータ通信の符号誤り率を取得する。符号誤り率が第1の符号誤り閾値を超える場合、端末は第1のデータ通信で用いられた符号化レートを1レートギアだけ減少させて、第2のデータ通信に用いられる符号化レートを取得するか、あるいは、符号誤り率が第1の符号誤り閾
値未満である場合に端末は第1のデータ通信で用いられた符号化レートを増加させて、第2のデータ通信に用いられる符号化レートを取得する。
【0083】
第2のデータ通信を行う必要がある前に、端末は、端末の移動速度が速度閾値を超えるか否かをまず判断する。端末の移動速度が速度閾値を超える場合、端末は、前述の説明で取得された第2のデータ通信に用いられる符号化レートを用いて第2のデータ通信を直接行う。端末の移動速度が速度閾値を超えない場合、端末は元の第1の符号化レートを続けて使用して第2のデータ通信を行う。端末の移動速度がまたしても速度閾値を超える場合、
図2または
図3に示されている解決手段に関連するが、データ通信において端末によって用いられる符号化レートをもう一度調節し、調整後に取得される符号化レートについては、第2のデータ通信に用いられた符号化レートを利用する。第2のデータ通信が終了した後、移動速度が速度閾値を超える最新のデータ通信に用いられる第2の符号化レートを、
図4に示されている解決手段を用いて符号誤り率に基づいて補正する。特に、端末は第2のデータ通信の符号誤り率を取得する。符号誤り率が第1の符号誤り閾値を超える場合、端末は第2のデータ通信で用いられた符号化レートを1レートギアだけ減少させて、第3のデータ通信に用いられる符号化レートを取得する。符号誤り率が第2の符号誤り閾値未満である場合、端末は第2のデータ通信で用いられた符号化レートを増加させて、第3のデータ通信に用いられる符号化レートを取得する。
【0084】
類推すれば、データ通信が終了するごとに、端末はデータ通信の符号誤り率に基づいて符号化レートを補正して、移動速度が速度閾値を超える次のデータ通信に用いられる符号化レートとして補正後に取得された符号化レートを用いる。したがって、符号化レートは、移動速度が閾値を超える移動時に端末がデータ通信を行う場合に最適なものに調節されることで、符号誤り率は第1の符号誤り閾値と第2の符号誤り閾値との間に維持され、これにより、端末が、移動速度が閾値を超える移動時の端末であるときに端末によって行われるデータ通信の通信品質が改善される。
【0085】
図5は
図1に示されている端末の概略構成図であり、
図5に示されている端末は以下の構成、すなわち、端末中のすべての構成要素を接続するように構成されるバス501と、通信インタフェース502およびアンテナ503であって、アンテナ503は通信インタフェース502を用いてバス501に接続される、通信インタフェース502およびアンテナ503と、バス501に接続されており、アプリケーションプログラム、およびアプリケーションプログラムの実行中に生成されるデータを記憶するように構成されるメモリ504と、端末の移動速度が予め設定した速度閾値を超えるか否かを判断し、端末の移動速度が速度閾値を超える場合に端末の第1の符号化レートを第2の符号化レートに調節する機能を実施するアプリケーションプログラムを実行し、第2の符号化レートが、前のデータ通信において端末によって用いられた符号化レートに基づいて決定され、アンテナ503ではデータ通信に第2の符号化レートが用いられる、ように構成される、プロセッサ505とを含んでもよい。
【0086】
端末の実施構成が
図5に示されている。端末中の各構成によって実施される機能については、前述の実現例を参照し、詳細はここでは重ねて説明しない。
【0087】
本明細書の実施の形態はすべて累進的な手法で説明され、実施の形態中の同じ部分または類似部分については、当該実施の形態を参照し、各実施の形態では他の実施の形態との差異に注目している。