(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記クラッドが、(i)前記第1の導波路の前記入力端を含む第1の側、および(ii)前記第1の導波路の前記出力端を含む第2の側、以外の前記第1のコアの複数の側に沿って配置される、請求項10に記載のシステム。
前記第1のコアと前記第2のコアとの間に配置された吸収材をさらに備え、前記吸収材は、前記第1のコアから前記クラッドを通って消えていくエバネッセント光が、前記第2のコアに伝播することを防止する、請求項9に記載のシステム。
前記アレイ内の前記光検出器が互いに並列に接続されていることに基づいて前記アレイ内の前記光検出器からの出力を組み合わせることをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0016] 本明細書に記載されるいずれの例示的な実施形態も特徴も、必ずしも他の実施形態または特徴よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。本明細書に記載される例示的な実施形態は限定的であることを意味しない。開示された実装形態の特定の態様は、多種多様な異なる構成で配置されそして組み合わされ得ることが容易に理解されるであろう。さらに、図に示されている特定の構成は限定的なものと見なされるべきではない。他の実装形態が所与の図に示される各要素をより多くまたはより少なく含み得ることを理解されたい。さらに、図示された要素のいくつかは組み合わされても省略されてもよい。同様に、例示的な実践形態は、図には示されていない要素を含み得る。
【0012】
I.概要
[0017] 例示的な実装形態は、光検出器のアレイに与えられるバックグラウンド光を低減するための装置、システム、および方法に関するものであり得る。アレイ内の光検出器は、シーンからの光を感知することができる。例えば、光検出器は、光検出測距(LIDAR)装置の感知構成要素であり得る。
【0013】
[0018] 一例のシステムはレンズを含む。レンズは、シーンからの光を焦点面に集束させるために使用されてもよい。しかしながら、レンズは、システムによって観察されることを意図しないバックグラウンド光(例えば、シーン内の太陽光)も集束し得る。光を選択的にフィルタリングする(すなわち、シーン内の情報に対応する光からバックグラウンド光を分離する)ために、不透明材料(例えば、選択的にエッチングされた金属、マスクで部分的に覆われたガラス基板)をレンズの後ろに置くことができる。不透明材料は、様々な実施形態においてスラブ、シート、または様々な他の形状として成形することができる。不透明材料内に、アパーチャを画定することができる。アパーチャは、レンズによって不透明材料に向かって集束されるシーンの光の領域または全体を選択することができる。
【0014】
[0019] 不透明材料の裏側(すなわち、レンズとは反対側の不透明材料の側)では、アパーチャによって選択された光はアパーチャを透過し得る。アパーチャを透過する光の方向において、システムは複数の隣接する導波路を線形配置で含み得る。各導波路は、アパーチャに隣接する入力端と、入力端と反対側の(例えば、アパーチャからより遠い距離にある)出力端とを有することができる。さらに、各導波路について、システムはまた、導波路の出力端に沿って配置された光検出器(例えば、SPAD)のアレイを含み得る。この光検出器のアレイは、導波路を通って出力端に向かって導波される光の一部(例えばその光強度)を検出し得る。光は導波路の内側で発散するので、検出領域に収まることができる光検出器(例えば、導波路の出力端を透過する光を遮断する検出器)の数は、そこから光の一部が導波路の入力端中に透過されるアパーチャの部分に対応する検出領域に収まるよりも多くなり得る。これは、アパーチャから移動された距離の所よりもアパーチャの所で検出領域がより集束されること、したがってより小さいことによる。
【0015】
[0020] さらに、いくつかの実装形態では、複数の導波路は、発散が1つの方向(たとえばアパーチャの長軸に垂直な方向)に沿って別の方向(たとえばアパーチャの長軸に平行な方向)よりも多く発生するように導波光の発散を制御するように構成することができる。例として、2000μm(長軸)×200μm(短軸)の断面積を有するアパーチャを考える。この例では、複数の導波路は、それぞれ200μmの(アパーチャの長軸に沿った)長さを有する10個の積層導波路として実装することができる。この例では、導波路の入力端に入る光の部分は、200μm×200μmの断面積を有することができ、それは数百のSPADを収容するのに適し得る(例えば、各SPADは200μm
2から600μm
2の間の断面積を有する)。比較すると、導波光が導波路の内側で発散して出力端を通って出た後、出力端における導波光の断面積は、例えば導波路の寸法に応じてより大きくなることがあり、したがって数千またはそれ以上のSPADを収容し得る。さらに、いくつかの例では、SPADのアレイを互いに並列に接続することができ、それによって、接続されたSPADからの信号を組み合わせてシステムの感度を向上させる(例えば、SPADの組み合わせ検出領域を増やす)ことが可能であり得る。
【0016】
[0021] さらに、この構成では、第1の導波路に結合された光検出器の第1のアレイはアパーチャの第1の部分を透過した光を受け取り得、第2の導波路に結合された光検出器の第2のアレイはアパーチャの第2の部分を介して光を受け取り得る。結果として、システムは、アパーチャのサイズに対してより大きい検出領域を依然として可能にしながら、シーンの一次元(1D)画像を決定することができる。例えば、光検出器の各アレイを並列に接続して、シーンの単一の画像画素を表す合成出力を提供することができる。
【0017】
[0022] 導波路がないと、例えば、アパーチャを透過した光の一部は、光検出器のアレイに到達する前に発散して重なり合う可能性がある。これに対して、複数の導波路を用いると、各導波路は、導波部分が隣接する導波路の内側の光の別の導波部分と重ならないように、その中を導波される光の一部の発散を制限することができる。結果として、光検出器の各アレイは、アパーチャの各部分の近接度またはアパーチャと光検出器のそれぞれのアレイとの間の距離にかかわらず、アパーチャのそれぞれの部分に対応する導波光を受け取ることができる。追加的または代替的に、システムは、アパーチャ間の距離または光検出器アレイとアパーチャとの間の距離にかかわらず、シーンの1Dまたは2D画像を生成するために、複数の近接配置されたアパーチャ(または単一アパーチャの複数部分)を同時に透過する光を検出できる。
【0018】
[0023] いくつかの例では、複数の導波路は、アパーチャに隣接して積み重ねられた複数のガラス板として実装することができる。この構成では、ガラス板に隣接するアパーチャの一部を透過した光はガラス板を通って伝播することができる。例えば、積層されたガラス板は、低屈折率材料(例えば、ポリマーコーティング、フッ素ドープガラス等)によって分離されて、(例えば、全内反射等によって)隣接する導波路の方向におけるその中の導波光の発散を低減させる一方、別の(例えば垂直な)方向における導波光の発散を可能にすることができる。
【0019】
[0024] いくつかの実装形態では、システムはまた、1つの導波路内の導波光が別の導波路内に漏れるのを防ぐために、隣接する導波路間に配置された吸収材(例えば、カーボンブラック)を含み得る。例えば、光吸収層は、隣接する導波路の表面を通って漏れるエバネッセント光を吸収するのに、および/または導波路のコアの内部ではなく導波路のクラッドの内部(例えばクラッドモード)を伝播する光を吸収するのに適した厚さを有することができる。
【0020】
II.例示的なシステムおよび装置
[0025]
図1Aは、例示的実施形態による、アパーチャを含むノイズ制限システム100の図である。示されるように、システム100は、(検出器112および114によって例示される)光検出器のアレイ110、不透明材料120内に画定されたアパーチャ122、およびレンズ130を含む。システム100は、シーン内の物体104によって散乱された光102を測定し得る。光102はまた、少なくとも部分的にはバックグラウンド光源から来ることもある。したがって、いくつかの例では、システム100は光検出測距(LIDAR)装置に含まれ得る。例えば、LIDAR装置は、自律車両のナビゲーションに使用することができる。さらに、いくつかの実施形態では、システム100またはその一部は、レンズ130および/またはアパーチャ122を通る外光以外の外光にさらされない領域内に収容され得る。これは、周囲光がアレイ110内の検出器をトリガし、それにより測定値に影響を及ぼすことを防止し得る。
【0021】
[0026] アレイ110は、検出器112および114によって例示される光検出器の配置を含む。様々な実施形態において、アレイ110は異なる形状を有してもよい。示されるように、アレイ110は長方形の形状を有する。しかしながら、他の実施形態では、アレイ110は円形でもよく、または異なる形状を有してもよい。アレイ110のサイズは、アパーチャ122から発散する光110の予想される断面積に従って選択されてもよく、したがって、アレイ110とアパーチャ122との間の距離、アパーチャ122の寸法、レンズ130の光学特性等に基づいてもよい。いくつかの実施形態では、アレイ110は移動可能であり得る。例えば、アレイ110は、アパーチャ122に接近して、またはアパーチャ122から離れて作動され得る。そのために、例えば、アレイ110は、一次元、二次元、または三次元に並進することができる電気ステージ上に取り付けられ得る。
【0022】
[0027] さらに、いくつかの実装形態では、アレイ110は、コンピューティング装置または論理回路に1つまたは複数の出力を提供することができる。例えば、マイクロプロセッサ実装コンピューティング装置は、アレイ110に入射する光102の強度を示す電気信号をアレイ110から受信することができる。コンピューティング装置は次に、電気信号を使用して、物体104に関する情報(例えば、アパーチャ122からの物体104の距離等)を決定することができる。いくつかの実施形態では、アレイ110内の光検出器のいくつかまたはすべてを互いに並列に相互接続することができる。そのために、例えば、アレイ110は、アレイ110内の光検出器の特定の配置および種類に応じて、SiPMまたはMPPCとすることができる。
【0023】
[0028] 光検出器112、114等は、様々な種類の光検出器を含み得る。一例では、検出器112、114等はSPADを含む。SPADは、SPAD上の所与の入射照明に対する出力電流を増加させるために、逆バイアスされたp‐n接合(すなわち、ダイオード)内で電子なだれ降伏を利用することがある。さらに、SPADは、単一の入射光子に対して複数の電子−正孔対を生成することができ得る。別の例では、光検出器112、114等はAPDを含み得る。いくつかの例では、APDまたはSPADは、電子なだれ降伏電圧を超えてバイアスをかけられることがある。そのようなバイアス条件は、1より大きいループ利得を有する正のフィードバックループを作り出す可能性がある。さらに、しきい値電子なだれ降伏電圧を超えてバイアスされたAPDまたはSPADは、単一光子感受性であり得る。他の例では、光検出器112、114等は、とりわけ、フォトレジスタ、電荷結合素子(CCD)、および/または光電池を含むことができる。
【0024】
[0029] いくつかの実装形態では、アレイ110は、アレイにわたって1つより多くの種類の光検出器を含み得る。例えば、アレイ110は、複数の所定の波長の光102を検出するように構成することができる。そのために、例えば、アレイ110は、1つの波長範囲に敏感ないくつかのSPADおよび異なる波長範囲に敏感な他のSPADを含むことができる。いくつかの実施形態では、光検出器110は、400nmから1.6μmの間の波長(可視波長および赤外線波長)に敏感であり得る。さらに、光検出器110は、所与の実施形態内または様々な実施形態にわたって様々なサイズおよび形状を有することができる。いくつかの実施形態では、光検出器112、114等は、アレイ110の面積の1%、0.1%、または0.01%のパッケージサイズを有するSPADを含むことができる。
【0025】
[0030] 不透明材料120は、レンズ130によって集束されるシーンからの光102の一部(例えばバックグラウンド光)がアレイ110に透過されるのを阻止することができる。したがって、不透明材料120は、アレイ110によって実行される測定の精度に悪影響を及ぼし得る特定のバックグラウンド光を阻止するように構成され得る。不透明材料120、したがってアパーチャ122は、レンズ130の焦点面またはその近くに配置され得る。一例では、不透明材料120は、光102を吸収することによって透過を阻止し得る。別の例では、不透明材料120は、光102を反射することによって透過を阻止し得る。不透明材料120の例示的な実装形態の非網羅的リストは、数ある可能性の中でも、エッチングされた金属、ポリマー基板、二軸配向ポリエチレンテレフタレート(BoPET)シート(Mylar(登録商標)シートともよばれる)、または不透明マスクで覆われたガラスを含む。
【0026】
[0031] アパーチャ122は、光102を透過させることができるポートを不透明材料120内に提供する。アパーチャ122は、様々な方法で不透明材料120内に画定することができる。一例では、不透明材料120が金属を含む場合、金属をエッチングしてアパーチャ122を画定することができる。別の例では、不透明材料120がマスクで覆われたガラス基板である場合、マスクは(例えばフォトリソグラフィを介して)アパーチャ122を画定するギャップを含むことができる。様々な実施形態において、アパーチャ122は、部分的または全体的に透明であり得る。例えば、不透明材料120がマスクで覆われたガラス基板である場合、アパーチャ122は、マスクで覆われていないガラス基板の一部として画定することができ、その結果アパーチャ122は完全に中空ではなくむしろガラスでできている。したがって、例えば、アパーチャ122は、(大部分のガラス基板は100%透明ではないので)物体104によって散乱された1つまたは複数の波長の光102に対して完全ではないがほぼ透明である。
【0027】
[0032] (不透明材料120と関連して)アパーチャ122は、焦点面においてシーンからの光102を空間的にフィルタリングするように構成されてもよい。例えば、光102は表面不透明材料120に沿って焦点面上に集束され得、アパーチャ122は集束された光の一部のみがアレイ110に透過されることを可能にし得る。したがって、アパーチャ122は光ピンホールとして振る舞い得る。一実施形態では、アパーチャ122は、0.02mm
2〜0.06mm
2(例えば、0.04mm
2)の断面積を有することができる。他の実施形態では、アパーチャ122は、レンズ130の光学特性、アレイ110までの距離、アレイ110内の光検出器のノイズ除去特性等などの様々な要因に応じて異なる断面積を有することができる。
【0028】
[0033] アパーチャ122に関して上で使用した「アパーチャ」という用語は、それを通して光が透過され得る不透明材料中の凹部または穴を表すが、「アパーチャ」という用語は、幅広い光学的特徴を含み得ることに留意されたい。一例では、本記載および特許請求の範囲を通して使用されるとき、「アパーチャ」という用語は、それを通して光が部分的に透過され得る不透明材料内に画定された透明または半透明の構造をさらに包含し得る。別の例では、「アパーチャ」という用語は、不透明材料で囲まれた鏡など、別の方法で選択的に光の通過を(例えば、反射または屈折を通して)制限する構造を表すことができる。1つの例示的な実施形態では、不透明材料で囲まれた鏡アレイが、特定の方向に光を反射するように配置されてもよく、それによって反射部分を画定する。この反射部分は「アパーチャ」とよばれることがある。
【0029】
[0034] アパーチャ122は長方形の形状を有するように示されているが、アパーチャ122は、とりわけ、丸みを帯びた形状、円形、楕円形などの異なる形状を有することができることに留意されたい。いくつかの例では、アパーチャ122は代替的に、システム100内の光学収差を考慮するように特に設計された不規則な形状を有することができる。例えば、鍵穴形状のアパーチャは、エミッタ(例えば光102を発する光源)と受光器(例えばレンズ130およびアレイ110)と間に生じる視差を考慮するのに一役買うかもしれない。例えば、エミッタと受光器が同じ位置に配置されない場合、視差が生じることがある。特定のシーン内にあると予想される特定の物体に対応する特別に成形されたアパーチャ、または光102の特定の偏光(例えば水平偏光または垂直偏光)を選択する不規則なアパーチャなど、他の不規則なアパーチャ形状も可能である。
【0030】
[0035] レンズ130は、シーンからの光102を、アパーチャ122が配置されている焦点面に集束させることができる。この構成では、レンズ130でシーンから収集された光強度は、光102が投影される断面積が小さくなるように(すなわち、光102の空間パワー密度を増加させるように)集束することができる。例えば、レンズ130は、数ある例の中でも、収束レンズ、両凸レンズ、および/または球面レンズを含み得る。あるいは、レンズ130は、連続して配置された一連のレンズ(例えば、光を第1の方向に集束させる両凸レンズと光を第2の方向に集束させる追加の両凸レンズ)として実装することができる。他の種類のレンズおよび/またはレンズ構成も可能である。さらに、システム100は、レンズ130に入射する光102を不透明材料120に集束させるのを助けるために、レンズ130の近くに配置された他の光学素子(例えば、ミラー等)を含むことができる。
【0031】
[0036] 物体104は、システム100を取り囲むシーン内に配置されたいずれかの物体であり得る。システム100がLIDAR装置に含まれる実装形態では、物体104は、光102(またはその一部)を放射するLIDAR送信機によって照射され得る。LIDAR装置が自律車両のナビゲーションに使用される例示的な実施形態では、物体104は、とりわけ、歩行者、他の車両、障害物(例えば、木)、または道路標識を含み得る。
【0032】
[0037] 上述のように、光102は、物体104によって散乱され、レンズ130によって集束され、不透明材料120内のアパーチャ122を透過し、アレイ110内の光検出器によって測定され得る。このシーケンスは物体104に関する情報を決定するために(例えば、LIDAR装置内で)起こり得る。いくつかの実施形態では、アレイ110によって測定される光102は、追加的にまたは代替的に、他の可能性の中でも、複数の物体から散乱された光、別のLIDAR装置の送信機によって送信された光、周囲光、太陽光を含み得る。
【0033】
[0038] さらに、物体104を分析するために使用される光102の波長は、シーン内にあると予想される物体の種類とレンズ130からのそれらの予想距離とに基づいて選択されてもよい。例えば、物体がシーン内にあると予想され500nm波長のすべての入射光を吸収する場合、500nm以外の波長が、物体104を照射し、システム100によって分析されるように選択されてもよい。(例えば、LIDAR装置の送信機によって送信される場合)光102の波長は、光102を生成する光源に関連付けられ得る。例えば、光がダイオードレーザによって生成される場合、光102は、900nm(またはダイオードレーザの他の波長)を中心とする波長範囲内の光を含み得る。したがって、光102を生成するために様々な種類の光源(例えば、光ファイバ増幅器、様々な種類のレーザ、フィルタを備えた広帯域光源等)が可能である。
【0034】
[0039]
図1Bは、システム100の別の図である。示されるように、システム100はフィルタ132も含み得る。フィルタ132は、所定の波長範囲内の光を選択的に透過するように構成された任意の光学フィルタを含み得る。例えば、フィルタ132は、可視波長範囲、赤外線波長範囲、またはエミッタ140によって放射された光信号の他の任意の波長範囲内の光を選択的に透過するように構成することができる。例えば、光学フィルタ132は、特定の波長の光をアレイ110から逸らすように構成することができる。例えば、光学フィルタ132は、エミッタ140によって放射された波長範囲の光ではない光102の一部をアレイ110から逸らすことができる。したがって、光学フィルタ132は、アレイ110による測定に悪影響を及ぼす周囲光またはバックグラウンド光を少なくとも部分的に減らすことができる。
【0035】
[0040] 様々な実施形態において、光学フィルタ132はアレイ110に対して様々な位置に配置されてもよい。示されるように、光学フィルタ132はレンズ130と不透明材料120との間に配置される。しかしながら、光学フィルタ132は代替的に、レンズ130と物体104との間、材料120とアレイ110との間に配置されてもよく、アレイ110と組み合わせてもよく(例えば、アレイ110は、表面スクリーンその光学フィルタ132を有し得る、またはアレイ110内の光検出器のそれぞれが個別の光学フィルタによって個別に覆われ得る、等)、アパーチャ122と組み合わせてもよく(例えば、アパーチャ122は特定の波長範囲に対してのみ透明であり得る等)、またはレンズ130と組み合わせてもよい(例えば、レンズ130上に配置された表面スクリーン、特定の波長範囲に対してのみ透明なレンズ130の材料等)。
【0036】
[0041] さらに、示されるように、システム100は、アレイ110によって測定されるべき光信号を放射するエミッタ140と共に使用され得る。エミッタ140は、ファイバレーザ、フォトダイオード、フィラメント、LIDAR送信機、または任意の他の光源を含み得る。示されるように、エミッタ140は、シーン内の物体104によって散乱され、アレイ110によって最終的に測定される(少なくともその一部)光を放射することができる。いくつかの実施形態では、エミッタ140は光ファイバ増幅器またはレーザエミッタ140のパワー出力を増大する他の増幅システムを含むレーザエミッタであり得る。追加的または代替的に、いくつかの実施形態では、エミッタ140は、(連続波レーザとは対照的に)パルスレーザとして実装されてもよく、同等の連続パワー出力を維持しながらピークパワーを増加することを可能にする。
【0037】
[0042] 以下は、レンズ130によって受光されるバックグラウンド光の量をアレイ110によって検出される信号光の量と比較する数学的説明図である。示されるように、物体104とレンズ130との間の距離は「d」であり、レンズ130と不透明材料120との間の距離は「f」であり、不透明材料120とアレイ110との間の距離は「x」である。上述のように、材料120およびアパーチャ122はレンズ130の焦点面に配置されてもよい(すなわち、「f」は焦点距離に等しくてもよい)。さらに、示されるように、エミッタ140は物体104から距離「d」の所に配置されている。
【0038】
[0043] 例示のために、物体104は垂直入射で太陽光によって完全に照射されると仮定され、ここで太陽光はバックグラウンド光源を表す。さらに、物体104を照射する光はすべて、ランベルトの余弦則に従って散乱されると仮定される。さらに、アレイ110に到達するすべての光(バックグラウンドおよび信号の両方)がアレイ110によって完全に検出されると仮定する。
【0039】
[0044] アパーチャ122、したがってアレイ110に到達するエミッタ140によって放射される信号のパワーは、以下を用いて計算することができる:
【数1】
式中、P
signalはアレイ110に到達するエミッタ140によって放射された光学信号の放射束(例えば単位W)を表し、P
txはエミッタ140によって送信されたパワー(例えば単位W)を表し、Γは物体104の反射率を表し(例えばランベルトの余弦則を考慮して)、A
lensはレンズ130の断面積を表す。
【0040】
[0045] レンズ130に到達するバックグラウンド光は以下のように計算することができる:
【数2】
式中、
【数3】
はフィルタ132によって選択的に通過される波長帯内にあるレンズ130に到達する(物体104から散乱される太陽光によって引き起こされる)バックグラウンド光の放射輝度(例えば単位W/m
2・sr)を表し、
【数4】
は、太陽(すなわちバックグラウンド光源)による放射照度(例えば単位W/m
2)密度を表し、T
filterはフィルタ132(例えば、帯域光学フィルタ)の透過係数を表す。係数1/πは垂直入射からの物体104のランベルト拡散の仮定に関連する。
【0041】
[0046] アパーチャ122は、アレイ110へ透過されることを許されるバックグラウンド光の量を低減する。アレイ110に到達するバックグラウンド光のパワーを計算するために、アパーチャ122を透過した後、アパーチャ122の面積は考慮される。アパーチャ122の断面積(A
aperture)は、以下のように計算することができる:
A
aperture=w×h
式中、A
apertureは物体104に関するアパーチャ122の表面積を表し、wおよびhはアパーチャ122のそれぞれ幅および高さ(または長さ)を表す。さらに、レンズ130が円形レンズの場合、レンズ130の断面積(A
lens)は以下のように計算することができる:
【数5】
式中、d
lensはレンズの直径を表す。
【0042】
[0047] したがって、アパーチャ122を通してアレイ110に透過されるバックグラウンドパワーは、以下のように計算することができる:
【数6】
式中、P
backgroundはアレイ110上のバックグラウンドパワー入射を表し、A
aperture/f
2は、受け入れ立体角をステラジアンで表す。上記式は、P
backgroundが、レンズ130およびアパーチャ122によって低減された後のバックグラウンド信号中の放射輝度の量であることを示す。
【0043】
【数7】
[0048]A
aperture、およびA
lensに上で定義された値を代入すると、以下を導き出すことができる:
【数8】
【0044】
[0049] さらに、量F=f/d
lensは、レンズ130の「F値」と称されることがある。したがって、もう1つの代入によれば、バックグラウンドパワーとして以下を推論することができる:
【数9】
【0045】
[0050] 同様の代入をすると、アレイ110に到達するエミッタ140から送信される信号パワーについて以下を推論することができる:
【数10】
【0046】
[0051] さらに、システム100の信号対ノイズ比(SNR)は、P
signalをP
backgroundと比較することによって決定され得る。実証されるように、バックグラウンドパワー(P
background)は、特に小さいwおよび/または小さいh(上記のP
background式の分子)を有するアパーチャについて、アパーチャ122を含むことにより、信号パワーに対して大幅に低減され得る。アパーチャ面積を減少させることに加えて、エミッタ140による送信パワー(P
tx)を増大すること、透過係数(T
filter)を減少させること(すなわち、フィルタを透過するバックグラウンド光の量を低減させること)、および物体104の反射率(Γ)を増大させることが、SNRを改善する方法であり得る。さらに、エミッタ140がパルス信号を放射する実装形態では、バックグラウンドのパワーとは対照的に、バックグラウンドのショットノイズが、SNRを計算するときに主に関連し得ることに留意されたい。したがって、いくつかの実装形態では、ショットノイズを信号パワーと比較することによってSNRを代替的に計算することができる。
【0047】
[0052]
図1Aに示されるように、光102は、それがアパーチャ122から離れるように伝播するにつれて発散する。発散のため、アレイ110における検出領域(例えば、光102によって照射される陰影領域として示される)は、焦点面におけるアパーチャ122の断面積よりも大きい可能性がある。所与の光パワー(例えばWで測定)に対する検出面積(例えばm
2で測定)の増加は、アレイ110上の入射光強度(例えばW/m
2で測定)の減少をもたらし得る。
【0048】
[0053] 光強度の低減は、アレイ110がSPADまたは高感度を有する他の光検出器を含む実施形態において特に有益であり得る。例えば、SPADは、半導体内に電子なだれ降伏をもたらす大きな逆バイアス電圧からそれらの感度を引き出す。この電子なだれ降伏は、例えば単一光子の吸収によって引き起こされる可能性がある。SPADが単一の光子を吸収して電子なだれ降伏が始まると、SPADは、(例えば、逆バイアス電圧を回復することによって)クエンチされるまで追加の光子を検出することができない。SPADがクエンチされるまでの時間は回復時間とよばれることがある。追加の光子が回復時間に近い時間間隔(例えば、10倍以内)で到着している場合、SPADは飽和し始め、したがってSPADによる測定は信頼性が低くなる可能性がある。アレイ110内のいずれかの個々の光検出器(例えば、SPAD)に入射する光パワーを減少させることによって、アレイ110内の光検出器(例えば、SPAD)は不飽和のままであり得る。その結果、各個別のSPADによる光測定は、向上した精度を有し得る。
【0049】
[0054]
図2は、例示的実施形態による、LIDAR装置200の簡略ブロック図である。いくつかの例示的な実施形態では、LIDAR装置200は車両に搭載し、その車両の周囲環境(例えば、物体204などを含むシーン等)をマッピングするために使用することができる。示されるように、LIDAR装置200は、エミッタ140と同様であり得るレーザエミッタ240を含む。さらに、示されるように、LIDAR装置200は、コントローラ250を含む。さらに、示されるように、LIDAR装置200は、システム100と同様であり得るノイズ制限システム290を含む。例えば、示されるように、システム290は、光検出器のアレイ210と、その中にアパーチャが画定された(図示せず)不透明材料220と、レンズ230とを含み、それらはそれぞれアレイ110、不透明材料120およびレンズ130と同様である。LIDAR装置200は、代替的に、示されているものよりも多いまたは少ない構成要素を含み得ることに留意されたい。例えば、LIDAR装置200は光学フィルタ(例えばフィルタ132)を含むことができる。したがって、システム290は、システム100および/または本明細書に記載の他の任意のノイズ制限システムと同様に実装することができる。装置200は、物体204を含むシーンに向けて光202を放射するようにエミッタ240を動作させることができる。次に、装置200は、散乱光202を検出して、物体204に関する情報をマッピングまたは別の方法で決定することができる。
【0050】
[0055] コントローラ250は、LIDAR装置200の構成要素を制御し、LIDAR装置200の構成要素(例えば、光検出器のアレイ210)から受信した信号を分析するように構成されてもよい。そのために、コントローラ250は、装置200を操作するために装置200のメモリ(図示せず)に格納されている命令を実行する1つまたは複数のプロセッサ(たとえば、マイクロプロセッサ等)を含むことができる。追加的にまたは代替的に、コントローラ250は、本明細書に記載の様々な機能のうちの1つまたは複数を実行するように配線されたデジタルまたはアナログ回路を含み得る。
【0051】
[0056] いくつかの実装形態では、コントローラ250は、アレイ210によって測定された信号に関連するタイミング情報を使用して、物体204の位置(例えば、LIDAR装置200からの距離)を決定することができる。例えば、レーザエミッタ240がパルスレーザである実施形態において、コントローラ250は、出力光パルスのタイミングを監視し、それらのタイミングをアレイ210によって測定された信号パルスのタイミングと比較することができる。例えば、コントローラ250は、光の速度および光パルスの移動時間(これはタイミングを比較することによって計算することができる)に基づいて装置200と物体204との間の距離を推定することができる。いくつかの実装形態では、コントローラ250は、(例えば、レーザエミッタ240とレンズ230とが空間内の同じ位置に配置されていないために)視差を考慮するように構成され得る。視差を考慮することによって、コントローラ250は、出力光パルスのタイミングとアレイ210によって測定された信号パルスのタイミングとの間の比較の精度を改善することができる。
【0052】
[0057] いくつかの実装形態では、コントローラ250は、エミッタ240によって放射される光202を変調することができる。例えば、コントローラ250は、(たとえばエミッタ240を取り付ける機械的ステージを作動させることによって)エミッタ240の投影(例えば指向)方向を変更することができる。別の例として、コントローラ250は、エミッタ240によって放射される光202のタイミング、パワー、または波長を変調することができる。いくつかの実装形態では、コントローラ250は、数ある可能性の中でも、光202の伝播経路に沿ったフィルタ(例えばフィルタ132)の追加または除去、装置200の様々な構成要素(例えば、アレイ210、不透明材料220(およびその中のアパーチャ)、レンズ230、等)の相対位置の調整など、装置200の他の動作局面も制御し得る。
【0053】
[0058] いくつかの実装形態では、コントローラ250は、材料220内のアパーチャ(図示せず)を調整することもできる。例えば、いくつかの実施形態では、アパーチャは不透明材料内に画定された複数のアパーチャから選択可能であり得る。そのような実施形態では、レンズと不透明材料との間に配置されたMEMSミラーは、光が複数のアパーチャのうちのどれに向けられているかを決定するためにコンピューティング装置によって調整可能であり得る。いくつかの実施形態では、様々なアパーチャは異なる形状およびサイズを有してもよい。さらに他の実施形態では、アパーチャはアイリス(または他の種類の絞り)によって画定されてもよい。アイリスは、例えばアパーチャのサイズまたは形状を制御するために、コントローラ250によって拡大または縮小されてもよい。
【0054】
[0059] このプロセスを通して、LIDAR装置200は、物体204および/またはシーンに関する追加のまたは異なる情報を取得するためにシステム290を調整することができる。第1の例では、コントローラ250は、システム290によって受信されたバックグラウンドノイズが現在比較的低い(例えば夜の間)と判断することができる。この例では、コントローラ250は、アパーチャのサイズを大きくして、通常であればアパーチャの外側の不透明材料220の領域に投影され得る光202の特定の散乱光パルスを捕捉する可能性を向上させることができる。第2の例では、コントローラ250は、物体204とは異なる物体から、またはシーン内の異なる領域から反射された散乱光202を遮断するようにアパーチャの位置を調整することができる。
【0055】
[0060] いくつかのシナリオでは、SNRに大きな影響を及ぼすことなく、現在のアパーチャ構成を使用して取得された情報と同時に上述の追加情報(例えば、異なるアパーチャ位置等)を取得することが望ましい場合がある。例えば、エミッタ240によって放射された光パルスは、LIDAR装置200まで異なる距離にあるいくつかの物体から散乱することがあり、したがって散乱光の一部はレンズ230を介して現在のアパーチャの外側の不透明材料220の領域に集束されることがある。したがって、例として
図1Aを参照し直すと、アパーチャ122に集束した光を同時に検出しながらアパーチャ122に隣接する領域に集束した光を検出することが望ましい場合がある。しかしながら、追加のアパーチャがアパーチャ122に隣接して配置される(またはアパーチャ122のサイズが増加する)場合、追加のアパーチャからの発散光は、アレイ110に到達する前に発散光102と重なり合う可能性があり、それによって検出信号のSNRが低下する。
【0056】
[0061] したがって、レンズ230の焦点面に沿った比較的より広い領域に集束した光を検出し、同時にバックグラウンドノイズを低減し、光検出器を配置できる検出領域を増加させるための例示的な実装形態を本明細書に記載する。
【0057】
[0062]
図3Aは、例示的実施形態による、アパーチャおよび導波路アレイを含むノイズ制限システム300の図である。いくつかの実装形態では、システム300は、システム290の代わりに、またはシステム290に加えて、LIDAR装置200とともに使用することができる。示されるように、それぞれシステム100、物体104および光102と同様に、システム300はシーン内の物体304によって散乱される光302を測定し得る。
【0058】
[0063] 示されるように、システム300は、光検出器アレイ310、316、および318を含み、それらのそれぞれは、光検出器アレイ110と同様であり得る。例えば、光検出器アレイ310は、アレイ310に入射する発散光部分302aを遮断および/または検出するために配置された、検出器112および114と同様の複数の光検出器を含み得る。さらに、アレイ310内の光検出器からの出力は、アレイ110内の光検出器の出力と同様に組み合わせることができる(例えば、並列回路接続、コントローラ250を介した計算等)。出力を組み合わせることによって、例えば、システム300は、アパーチャ322における光部分302aの対応する断面積と比較して、光302aを検出するための検出面積(アレイ310の陰影領域として示される)を増大させることができる。示されるように、システム300はまた、不透明材料320、アパーチャ322、およびレンズ330を含み、それらはそれぞれ不透明材料120、アパーチャ122、およびレンズ130と同様であり得る。例示のために、アパーチャ322は、アパーチャ122の形状(長方形)と比較して異なる形状(楕円形)を有するように示されている。示されるように、システム300はまた、アパーチャ322とアレイ310、316、318との間に挿入された導波路アレイ360を含む。
【0059】
[0064] 導波路アレイ360は、アパーチャ322を透過してアレイ360の受光側360a(陰影の付いた側の領域360aとして示す)上に投影される光302を受光するように構成された複数の導波路(図示せず)を含むことができる。
【0060】
[0065]
図3Bは、例示的実施形態によるシステム300の断面図を示す。示されるように、導波路アレイ360は、クラッド層362、366、372、376、382、および386、コア層364、374、および384、ならびに吸収層368および378を含む。クラッド層362、366、372、376、382および386は、例えばポリマー被覆またはフッ素ドープガラス基板などの比較的低い屈折率の材料を含んでもよい。コア層364、374、および384は、たとえばガラスまたは高屈折率のポリマー基板など、少なくともいくつかの光302の波長に対して透明である比較的高い屈折率の材料を含むことができる。吸収層368および378は、導波路アレイ360内を導波される光302の波長を吸収するのに適した任意の材料から形成された吸収材を含むことができる。そのために、例示的な吸収材の非網羅的リストには、とりわけ、カーボンブラック、ブラッククロムが含まれる。
【0061】
[0066] いくつかの例では、導波路アレイ360は、クラッド層362、366、372、376、および386に対応するドープ領域を含むガラス基板から形成することができる。したがって、ドープされていないガラス基板の領域は、コア層364、374および378に対応し得る。この構成では、アレイ360内の複数の導波路のうちの第1の導波路は、クラッド362、コア364、およびクラッド366を含み得る。同様に、第2の導波路は、クラッド372、コア374、およびクラッド376を含み得る。同様に、第3の導波路は、クラッド382、コア384、およびクラッド386を含み得る。
【0062】
[0067] さらに、示されるように、アレイ360内の各導波路は、側360aの表面に沿ったそれぞれの入力端(例えば、それぞれのコアの露出面)と、(側360aの反対側の)出力側360bの表面に沿ったそれぞれの出力端(例えば、それぞれのコアの別の露出面)とを有することができる。さらに、アレイ360内の導波路は、数ある要因の中でも、アパーチャ322のサイズ、アパーチャ322とレンズ330との間の距離、およびレンズ330の特性(例えば、焦点距離)に基づいて所定の寸法を有することができる。アレイ360内の導波路はまた、各導波路が側360aに投影された光302のそれぞれの部分を受光するように積層されるか、別の方法でアパーチャ322と整列されてもよい。示されるように、例えば、アレイ360内の導波路は、アパーチャ322の長手方向(例えば、長軸)に平行な(例えば、側360cと360dとの間に垂直に積層された)積層配置であり得る。
【0063】
[0068] その結果、第1の導波路は、側360aに投影されクラッド層362と366との間に延びる光302の一部(すなわち、第1の導波路の入力端)を受光することができる。次いで、第1の導波路は、光302のこの第1の部分を、例えば全内反射を介して、第1の発散光部分302aとして第1の導波路の出力端(例えば、側360bのコア364の表面)に向かって、およびそこから出るように導波し得る。さらに、示されるように、光検出器アレイ310は、発散光部分302aを遮断および検出するために第1の導波路の出力端に隣接して配置されてもよい。同様に、第2の導波路は第2の発散光部分302bを光検出器アレイ316に向けて導波することができ、第3の導波路は第3の発散光部分302cを光検出器アレイ318に向けて導波することができる。
【0064】
[0069] 示されるように、各導波路は、側360cと360dとの間で垂直に(例えば、アパーチャ322の長軸に平行に)、そして側360eと側360eの反対側のアレイ360の別の側との間で水平に(例えば、
図3Bのページ外を向くアパーチャ322の短軸に平行に)延在し得る。さらに、示されるように、各導波路は、導波路の積層方向(例えば、垂直方向)における(例えば、クラッド層での導波光の反射等による)発散を低減させ得る一方で、積層方向に対して垂直な方向(例えば水平方向)においてより大きな発散を許容する。その結果、例えば、アレイ360は、アパーチャ322の断面積に対して光検出器アレイにおけるそれぞれの検出面積を増大させながら、隣接する導波路内を導波されるそれぞれの発散光部分302a、302b、302c間の重なりを防止し得る。
【0065】
[0070] さらに、この構成では、システム300は、各光検出器アレイ310、316、318に入射する光部分を別々にかつ同時に検出することによってシーンのマルチ画素画像を取り込むことができる。示されるように、例えば、光検出器アレイ(310、316、または318)からの各出力は、シーンを表す画素の垂直配置の画像画素に対応し得る。さらに、画像画素は、それぞれの入力端に入る光302の一部の断面積よりも大きい断面積にわたって検出される。したがって、例えば、導波路アレイ360は、様々な光検出器アレイの間でアパーチャ322を透過した光302のパワー密度を分散する光拡散器として使用することができる。
【0066】
[0071] いくつかのシナリオでは、導波光部分は隣接する導波路に漏れる可能性がある。例としての第1の導波路では、そのような漏れは、クラッド366とコア364との間の界面における導波光の入射角が臨界角に近づくことに起因し得る。その結果、第1の導波路内の導波光は、第2の導波路に向かって消えていくエバネッセント場としてクラッド366を通って漏れる可能性がある。この漏れを軽減するために、示されるように、吸収層368は、第1の導波路および/または第2の導波路から消えていくエバネッセント場を吸収するのに適した厚さを有する吸収材(例えば、カーボンブラック)を含む。同様に、吸収層378は、第2の導波路と第3の導波路との間のエバネッセント光を吸収するように構成されてもよい。
【0067】
[0072] いくつかの実装形態では、アレイ360内の導波路のコアは、導波路の露出した入力端および出力端以外のコアのすべての側に沿ってクラッド層によって囲まれることができる。例えば、クラッド362は側360e(およびアレイ360の反対側)でコア364の周りに延びてクラッド層366と接続することができる。これらの実装形態では、第1の導波路は、第1の導波路の内側を導波される光部分302aの二次元の横方向の光学的閉じ込めを提供する非平面導波路として構成することができる。あるいは、他の実装態様では、コアはコアの2つの側だけに沿って平面クラッド層の間に挟むことができる。例えば、クラッド層372および376は、アレイ360の側360e(およびその反対側)に沿ってではなく、コア374の2つの対向する側に沿って配置されてもよい。したがって、これらの実装形態では、第2の導波路は第2の導波路の内側を導波される光部分302bの一方の横方向のみに光学的閉じ込めを提供する平面導波路として構成され得る。
【0068】
[0073]
図3Aおよび
図3Bに示される様々な構成要素および特徴のサイズ、位置、および形状は、必ずしも一定の縮尺ではなく、説明の便宜上示されるように図示されていることに留意されたい。さらに、いくつかの実施形態では、システム300は、示されているものより少ないまたは多い構成要素を含み得る。さらに、いくつかの実施形態では、示されている構成要素のうちの1つまたは複数を組み合わせるか、別々の構成要素に分割することができる。
【0069】
[0074] 第1の実施形態では、光検出器アレイ310、316、318は、導波路アレイ360の側360bから距離を置いて配置されるように示されているが、光検出器アレイ310、316、318のうちの1つまたは複数は代替的に側360b上に配置することができる。例えば、アレイ310は、第1の導波路の出力端(コア364の露出面)に配置(例えば、モールド成形等)することができ、光検出器アレイ316は、第2の導波路の出力端(コア374の露出面)に配置することができ、および/または光検出器318は、第3の導波路の出力端(コア384の露出面)に配置することができる。
【0070】
[0075] 第2の実施形態では、導波路アレイ360とアパーチャ322との間の距離は変化し得る。一例では、示されるように、導波路アレイ360は、不透明材料320に沿って(例えば、それと接触した状態で等)配置することができる。したがって、例えば、アレイ360内の導波路の入力端は、アパーチャ322と実質的に同一平面上にあることができる。この構成では、アパーチャ322は(例えば、アパーチャ322の長軸または長手方向に平行な)1つの方向の制限アパーチャとして構成することができ、アレイ360内の導波路の入力端は(例えば、アパーチャ322の短軸または幅方向に平行な)別の方向の制限アパーチャとして構成することができる。さらに、例えばこの構成では、導波路アレイ360は、アパーチャ302を透過した後の光部分の発散および/または混合の前に、光部分302a、302b、302cを導波することができる。しかしながら、他の例では、導波路アレイ360は代替的に不透明材料320(およびアパーチャ322)から距離(たとえばギャップ)を置いて配置することができる。例えば、光検出器アレイ310、316、318の出力は、アパーチャ322を透過した光302の発散/混合を考慮するように(例えば、コントローラ250を介して)処理することができる。
【0071】
[0076] 第3の実施形態では、レンズ330に対するアパーチャ322(および/またはアレイ360の側360a)の配置は変化し得る。
【0072】
[0077] 一例では、アパーチャ322(および/またはアレイ360内の導波路の入力端)はレンズ330の焦点面に沿って配置することができる。
【0073】
[0078] 別の例では、アパーチャ322(および/またはアレイ360内の導波路の入力端)は、レンズ330の焦点面と平行であるが、焦点面とレンズ330との間の距離とは異なるレンズ330までの距離の所に配置され得る。したがって、この例では、システム300の光学特性(たとえば焦点構成等)は、システム300の用途に応じて調整することができる。したがって、いくつかの例では、集束された光302は、光検出器アレイ310、316、318に向かって発散し始める前に導波路360の内側で(アパーチャ322を透過した後)収束し続けることができる。いくつかの例では、システム300はまた、シーンを走査しながら特定の光学的構成を達成するためにレンズ330、不透明材料320、および/またはアレイ360を動かすアクチュエータを含むことができる。
【0074】
[0079] さらに別の例では、アパーチャ322(および/またはアレイ360の側60a)は、レンズ330の焦点面に対してオフセットした向きに配置することができる。例えば、システム300は不透明材料320(および/またはアレイ360)を(例えばアクチュエータを介して)回転させ、アレイ360の各導波路への光302の入射角度を調整することができる。そうすることによって、コントローラ(例えばコントローラ250)は、数ある要因の中でも、レンズ330のレンズ特性、システム300の環境(例えば、走査されたシーンの特定の領域から到来するノイズ/干渉などを低減するために等)など、様々な要因に応じてシステム300の光学特性をさらに制御することができる。
【0075】
[0080] 第4の実施形態では、不透明材料320はシステム300から省略することができる。例えば、この構成では、アレイ360内の導波路のそれぞれの各入力端は、システム300のそれぞれのアパーチャに対応し得る。
【0076】
[0081] 第5の実施形態では、導波路アレイ360は、アパーチャ322の長軸と平行に垂直に配置された複数の導波路を含むように示されているが、アレイ360は代替的にアパーチャ322の短軸と平行に配置された(例えば水平方向に積層された)導波路を含むことができる。代替的または追加的に、導波路アレイ360は、システム300がシーンの二次元(2D)画像を取得できるように、水平方向および垂直方向の両方に配置された導波路グリッドを含むことができる。
【0077】
[0082] 第6の実施形態では、導波路アレイ360は単一の物理的構造物として示されているが、アレイ360内の導波路は別個の物理的構造物として代替的に実装することができ、別個の物理的導波路は吸収材368および378が様々な導波路間に適切に挿入された状態で(例えば垂直に)積層することができる。例えば、導波路は、アパーチャ322の長手方向と平行な積層方向に互いに積層されたガラス板として実装することができる。
【0078】
[0083] 第7の実施形態では、クラッド層362、366、372、376、382、386、および/または吸収材368、378のうちの1つまたは複数を省略することができる。
【0079】
[0084] 第8の実施形態では、クラッド層362、366、372、376、382、および/または吸収材368、378のいずれかの厚さを側360aと360bとの間で変えることができる。例えば、クラッド層(および/または吸収材)は、側360b付近の対応する厚さと比較して、側360aの付近でより薄い厚さを有することができる(例えば、漸増、テーパ状等)。このような構成では、例えば、側360aに入射するより広い範囲の光302をコア364、374、384の露出面に投影し、それによってアレイ360内の導波路を通して光検出器アレイ310、316、318に向けて導波することができる。
【0080】
[0085] 第9の実施形態では、導波路アレイ360は、示されている3つの導波路よりも少ないまたは多い導波路を含むことができる。
【0081】
[0086] 第10の実施形態では、アレイ360内の導波路の入力端は同様のサイズを有するように示されているが、導波路の入力端は代替的に異なるサイズを有することができる。例として、クラッド層362と366との間に延在する第1の導波路の入力端は、クラッド層372と376との間に延在する第2の導波路の入力端とは異なるサイズを有することができる。この例では、光検出器アレイ310で検出される光部分302aは、システム300の視野(FOV)内で走査されて光検出器アレイ316で光部分302bとして検出される角度範囲と比較して、そのFOV内で走査されるより広いまたはより狭い角度範囲に対応し得る。
【0082】
[0087] 第11の実施形態では、光検出器アレイ310、316、318は別個の物理的構造物として示されているが、光検出器アレイ310、316、318は代替的に単一の物理的基板上に実装することができ、ここで光検出器の1つまたは複数の列は互いに接続されるが単一基板内の他の光検出器の列には接続されない。
【0083】
[0088] 第12の実施形態では、システム300を制御する装置(例えば、LIDAR装置200等)は、2つ以上の光検出器アレイからの出力を組み合わせて、組み合わされて検出される光部分に関連する検出領域および有効アパーチャサイズを増大するように構成することができる。例えば、アレイ310および316からの出力は、2つの入力端のうちの1つのみに入射する単一の光部分に対応するより小さい有効アパーチャサイズと比較して、第1および第2の導波路の2つの入力端に入射する光302の2つの部分に対応するより大きい有効アパーチャサイズが達成され得るように組み合わせることができる。
【0084】
III.例示的な方法およびコンピュータ可読媒体
[0089]
図4は、例示的実施形態による方法400のフローチャートである。方法400は、例えば、システム100、300、および/または装置200のうちのいずれかとともに使用され得る方法の実施形態を提示する。方法400は、ブロック402〜410のうちの1つまたは複数によって示されるような1つまたは複数の動作、機能、またはアクションを含み得る。ブロックは連続した順序で示されているが、これらのブロックはいくつかの例では並行して、および/または本明細書に記載されたものとは異なる順序で実行されてもよい。また、様々なブロックは、所望の実装形態に基づいて、より少ないブロックに結合されても、追加のブロックに分割されても、および/または除去されてもよい。
【0085】
[0090] さらに、方法400および本明細書に開示されている他のプロセスおよび方法について、フローチャートは、本実施形態の1つの可能な実装形態の機能および動作を示している。これに関して、各ブロックは、製造または動作プロセスのモジュール、セグメント、一部、またはプログラムコードの一部を示し得るものであり、プログラムコードはプロセス内の特定の論理機能またはステップを実装するためにプロセッサによって実行可能な1つまたは複数の命令を含む。プログラムコードは、例えば、ディスクまたはハードドライブを含む記憶装置などの任意の種類のコンピュータ可読媒体に記憶することができる。コンピュータ可読媒体は、例えばレジスタメモリ、プロセッサキャッシュ、およびランダムアクセスメモリ(RAM)のような短期間データを記憶するコンピュータ可読媒体などの非一時的コンピュータ可読媒体を含み得る。コンピュータ可読媒体はまた、例えば、読み取り専用メモリ(ROM)、光ディスクまたは磁気ディスク、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD‐ROM)のような、二次的または持続的長期記憶装置などの非一時的媒体を含み得る。コンピュータ可読媒体はまた、他の任意の揮発性または不揮発性記憶システムであり得る。コンピュータ可読媒体は、例えばコンピュータ可読記憶媒体、または有形記憶装置と見なすことができる。
【0086】
[0091] 追加的または代替的に、方法400ならびに本明細書に開示される他のプロセスおよび方法に関して、
図4の各ブロックは、プロセス内の特定の論理機能を実行するように配線されている回路を表し得る。
【0087】
[0092] ブロック402において、方法400は、シーンに対して配置されたレンズ(例えばレンズ130)によって、シーンからの光をレンズの焦点面に向けて集束させることを含む。いくつかの例では、シーンからの光は、シーン内の物体(例えば物体104)によって散乱されることがある。いくつかの例では、コンピューティング装置(たとえば、コントローラ250)は、レンズの特性(たとえば、焦点面、焦点距離等)を作動させるか調整することができる。
【0088】
[0093] ブロック404において、方法400は、不透明材料(例えば不透明材料120)内に画定されたアパーチャ(例えばアパーチャ122)を介して、シーンからの集束された光を透過することを含む。
【0089】
[0094] ブロック406において、方法400は、複数の導波路のうちの所与の導波路の入力端において、アパーチャを透過した光の一部を受光することを含む。
【0090】
[0095] ブロック408において、方法400は、所与の導波路によって、光の受光部分を所与の導波路の出力端に向かって導波することを含む。
【0091】
[0096] ブロック410において、方法400は、光検出器のアレイを介して、出力端から伝播する導波光を検出することを含む。検出される光の断面積は、入力端で受光された光の一部の断面積よりも大きい場合がある。
【0092】
[0097] 上記の詳細な記載は、添付の図面を参照しながら、開示されたシステム、装置、および方法の様々な特徴および機能を記載している。様々な態様および実施形態が本明細書に開示されているが、他の態様および実施形態が明らかであろう。本明細書に開示されている様々な態様および実施形態は単に例示を目的としており、限定を意図するものではなく、真の範囲は以下の特許請求の範囲によって示されている。