特許第6821116号(P6821116)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6821116
(24)【登録日】2021年1月8日
(45)【発行日】2021年1月27日
(54)【発明の名称】スケートボードのトラック構造
(51)【国際特許分類】
   A63C 17/02 20060101AFI20210114BHJP
【FI】
   A63C17/02
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2020-555085(P2020-555085)
(86)(22)【出願日】2020年7月20日
(86)【国際出願番号】JP2020027989
【審査請求日】2020年10月7日
(31)【優先権主張番号】特願2019-240108(P2019-240108)
(32)【優先日】2019年12月31日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】300063002
【氏名又は名称】株式会社サーパストレーディング
(74)【代理人】
【識別番号】100180415
【弁理士】
【氏名又は名称】荒井 滋人
(74)【代理人】
【識別番号】100205693
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 協一郎
(72)【発明者】
【氏名】山田 勉
【審査官】 宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】 特表2018−517530(JP,A)
【文献】 実開昭56−001685(JP,U)
【文献】 国際公開第2011/128944(WO,A1)
【文献】 特開2004−081757(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0125670(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63C 17/00 − 17/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デッキに固定する支持台盤と、該支持台盤に枢軸で枢着されると共にトラック部を有する揺動部とからなり、該揺動部をトラック部のニュートラル位置から左右方向にターン可能に支持すると共にニュートラル位置に復帰可能に付勢するコイルスプリングを備えたスケートボードのトラック構造において、
支持台盤に上側摺接面で下端が開口し、枢軸の上方を貫挿する上方貫通孔を設け、
該上方貫通孔と同一軸線上に、揺動部に前記上側摺接面と接し上端が開口して枢軸の下方を貫挿する下方貫通孔を設け、
前記下方貫通孔に、前記枢軸の少なくとも下方軸部に外嵌する筒形のニードルベアリングを収納する拡径孔部を設けてなり、
前記枢軸の下方軸部を筒形のニードルベアリングで軸受してなり、
前記枢軸は、同一軸線上に整合する上方貫通孔と下方貫通孔に貫挿されるカラーと該カラー内に貫挿される固定ボルトとからなっており、
カラーの下方が、下方に向かって漸次小径となるテーパ状に形成されており、
下方貫通孔の拡径孔部に収納される筒形のニードルベアリングが、枢軸の少なくとも下方軸部に外嵌するテーパ状のニードルベアリングからなっていることを特徴とするスケートボードのトラック構造。
【請求項2】
支持台盤の上側摺接面に上方貫通孔を中心に、小径の内輪部と該内輪部と同心大径の外輪凹部が形成され、揺動部の下側摺接面に下方貫通孔を中心に、小径の内輪部と該内輪部と同心大径の外輪凹部が形成されており、前記支持台盤及び前記揺動部の内輪部と外輪凹部のそれぞれに、上方および下方の貫通孔の軸線を中心に等間隔で環状に配列された有底の円孔が形成されており、支持台盤の内輪部と揺動部の内輪凸部とを隙間無く接触させた際に、支持台盤の外輪凹部と揺動部の外輪凹部との間に形成される隙間に、スラストベアリングをワッシャで上下に挟んだ第1スラストベアリングが設けられてなることを特徴とする請求項1に記載のスケートボードのトラック構造。
【請求項3】
ニードルベアリングの下端と、固定ボルトの下端に螺着されるナットとの間にスラストベアリングをワッシャで上下に挟んだ第2スラストベアリングが設けられてなることを特徴とする請求項1または2に記載のスケートボードのトラック構造。
【請求項4】
カラーの下部に第2スラストベアリングを掛止める小径段部が形成されていることを特徴とする請求項3に記載のスケートボードのトラック構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、スケートボードのトラック構造にかかり、枢軸の長手方向を筒形のニードルベアリングで軸受して、体重移動による舵角操作をスムーズに行わせる構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、本出願人は、特開2004−81757号のスケートボードのトラック構造では、トラックをニュートラル位置から左右方向にターン可能に支持すると共に、ニュートラル位置に復帰可能に付勢する支持具を備えたスケートボードのトラック構造において、支持具が、デッキに固定される台盤と、この台盤に左右方向へターン可能に枢着されてトラックを着脱可能に固定する支持盤とからなっており、台盤と支持盤との間にリンク片が枢着されて、前記支持盤がニュートラル位置から左右方向にターンすると、リンク片により圧縮されたコイルスプリングのような弾性部材の反発力で支持盤をニュートラル位置に復帰させる構造を提案していいる。
上記構成では、台盤と支持盤を貫通して支持盤を枢動させる枢軸は、貫通孔内で枢軸の軸心を中心に旋回するが、枢軸に軸方向以外の力がかかった際に、余計な摩擦が生じてしまうという問題点がある。
また、WO−A1−2011/128944のスケートボードのトラック構造では、体重移動によりウイルを自動復帰させる舵角操作に際して、弾性ブロックを用いてニュートラル位置に復帰させることができるトラック構造を提案し、コイルスプリングを用いない構造を提案したが、枢軸を支持するカラーは弾性ブロックにより支持されているので、枢軸を安定して支持することは困難であった。
一方、米国公開2002/125670号(米国特許6793224号)のスケートボード用台車では、固定台枠と枢動枠の貫通孔にカラーを挿入し、該カラーにねじ棒を貫挿して枢軸とし、その枢動面にスラストニードルベアリングのような平面のベアリングを介設して、回転を円滑に行えるようにしている。
同様に、WO2016/203076公報(日本特許6444542号)においても、ボルトを回転軸として回転させる際に、2つのワッシャとスラストニードルベアリングとからなるベアリングシステムと、別の2つのワッシャおよびスラストニードルベアリングとからなる第2の軸ニードルベアリングシステムによって、ボルトの回転軸に対してスムーズに回転させることができる。
これらの構成では、回転軸をスラスト方向に回転させるには安定するが、ラジアル方向にかかる負荷を支持するには未だ十分に安定させることが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−81757号公報
【特許文献2】WO−A1−2011/128944号公報
【特許文献3】米国公開2002/125670号公報
【特許文献4】WO2016/203076公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明が解決しようとする問題点は、台盤と支持盤を貫通して支持盤を枢動させる枢軸には、使用者の体の動きにより、さまざまな方向から付加がかかるが、枢軸の軸方向に沿ってニードルベアリングを設けることで、回転軸と垂直方向に負荷がかかってもラジアル方向にスムーズに安定して回転することができるスケートボードのトラック構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、上記課題を解決するために、請求項1の発明では、
デッキに固定する支持台盤と、該支持台盤に枢着されると共にトラック部を有する揺動部とからなり、該揺動部をトラック部のニュートラル位置から左右方向にターン可能に支持すると共にニュートラル位置に復帰可能に付勢するコイルスプリングを備えたスケートボードのトラック構造において、
支持台盤に枢軸の上方を貫挿する上方貫通孔を設け、
該上方貫通孔と同一軸線上に、揺動部に枢軸の下方を貫挿する下方貫通孔を設け、
前記下方貫通孔に、前記枢軸の少なくとも下方軸部に外嵌する筒形のニードルベアリングを収納する拡径孔部を設けてなり、
前記枢軸の下方軸部を筒形のニードルベアリングで軸受してなることを特徴とする。
請求項2の発明では、前記枢軸は、同一軸線上に整合する上方貫通孔と下方貫通孔に貫挿されるカラーと該カラー内に貫挿される固定ボルトとからなっている。
【発明の効果】
【0006】
従来は、枢軸のラジアル方向の荷重を軸受する筒形のベアリングがなく、スラスト方向に平形のベアリング2個で枢軸またはカラーを挟む形で枢軸を中心に回転させていた。
そのため垂直方向以外の力がかかった際に余計な摩擦が生じるという欠点があったが、枢軸の長手方向の途中に筒形のニードルベアリングを追加して軸受したことにより、使用者の体重移動によって揺動部をスムーズに回転させ安定性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施例1のスケートボードのトラック構造の断面図である。
図2】同側面図である。
図3】同分解斜視図である。
図4(a)】トラックの後方から見た斜視図である。
図4(b)】トラックの前方から見た斜視図である。
図5(a)】台盤の下方摺動面を示す底面図である。
図5(b)】揺動部の上面摺動面を示す平面図である。
図6】台盤と揺動部の摺接面の第1スラストベアリングの位置を説明する部分断面図である。
図7】ニードルベアリングと第2スラストベアリングの位置を示す部分拡大図である。
図8】実施例2のスケートボードのトラック構造である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
この発明は、デッキに固定される台盤と、トラック(truck)を支持する揺動部の間に上下に貫通して揺動部を揺動可能に固定する枢軸をラジアル方向に軸受する筒形のニードルベアリングで軸受して、使用者の体重移動により揺動部を変位させ、コイルスプリングを反発可能に撓ませて舵角をニュートラル位置に自動復帰させるトラック構造において、揺動部の舵角操作の回転の安定性を実現した。
【実施例1】
【0009】
[トラック構造]
以下に、この発明のスケートボードのトラック構造の実施例1について図面を参照しながら説明する。
図1から図7に示す本実施例のトラック構造1は、デッキDに固定する支持台盤2と、該支持台盤2に枢着されると共にトラック部20を有する揺動部10とからなっている。
この実施例1のトラック構造1は、図示例の場合、スケートボードの後輪装置として用いられているが、この発明では、前輪側でも、前後両輪側でもいずれに用いてもよい。
【0010】
[支持台盤]
支持台盤2は、スケートボードのデッキDに固定するためのネジ孔を多数有するベース部3と、該ベース部3と並んで一体に形成された軸受基部4とからなっている(図1図3参照)。
【0011】
[ベース部]
ベース部3は、デッキDと略同一面に設定されて、ネジ孔を用いてデッキDにネジ止めされる固定用の底面部3aと、該底面部3aの端部中央に穿設された窓孔3bとが形成されている。
【0012】
[軸受基部]
軸受基部4は、支持台盤2側に形成される固定ボルト18用の上方部分を軸受する部分で、上端はデッキDから離間するように下降傾斜して窪んでおり、下端に、揺動部10の下側摺接面13と接する略円形の上側摺接面5が形成されている。
また、軸受基部4の略中央部分には、固定ボルト18用の上方貫通孔6が穿設されており、軸受基部4の上面側には上方貫挿孔6の上方に平面視六角形に窪んだボルト頭部の嵌合用の受部6aが形成されている。
【0013】
[摺動面]
ここで、上側摺接面5と下側摺接面13とは、図6に模式的に示すように、上側摺接面5には上方貫通孔6の軸線を中心にして小径で下向きの平坦面からなる内輪部5aと、該内輪部5aと同心大径で平坦面からなる外輪凹部5bが形成されており、下側摺接面13には下方貫通孔14の軸線を中心にして小径で上向きの平坦面からなる内輪凸部13aと、該内輪凸部13aと同心大径で平坦面からなる外輪凹部13bが形成されている。
そして、上方貫挿孔6と下方貫通孔14とを整合して、上側摺接面5と下側摺接面13とを重ねると、内輪部5aと内輪凸部13aの先端面が整合し、外輪凹部5bと外輪凸13bとが整合する。
【0014】
内輪部5aには、上側摺接面5側で開口する孔k1が、前記軸線を中心に等間隔で環状に一列となるように多数(図示例では14個)が形成されており、下側摺接面13側の内輪凸部13aにも同様に孔k1’が軸線を中心に等ピッチで環状に一列となるように多数形成されている
これにより上下の内輪凸部5a、13aが衝合しても接触面積が狭まりスムーズに回転させることができる。
【0015】
同様に、外輪凹部13bには、下側摺接面13側で開口する孔k2’が、前記軸線を中心に等間隔で環状に一列となるように多数(図示例では20個)突設されており、上側摺接面5側の外輪凹部5bにも同様に孔が軸線を中心に等ピッチで環状に一列となるように孔k2が多数凹設されている(図5図6参照)
【0016】
[第1スラストベアリング]
そこで、上側摺接面5の外輪凹部5bと、下側摺接面13の外輪凹部13bとが第1スラストベアリングを介して嵌合し、上側摺接面5の内輪部5aと、下側摺接面13の内輪部13aとが整合する。
そして、外輪凹部5bと外輪凹部13bとの間に形成される隙間には第1スラストベアリング7が隙間無く介設されてる。
【0017】
上記第1スラストベアリング7は、上方のワッシャ7aと、中央のスラストニードルベアリング7bと、下方のワッシャ7cとからなっている。
上下の外輪凹部5bと外輪凹部13bとは、上記第1スラストベアリング7を介設することで、摺接面5、13の摺動時の摩擦を軽減させることができる。
更に、上下の外輪凹部5a、13aはワッシャとの接触面積も狭まりスムーズに回転させることができる(図6参照)。
【0018】
[揺動部]
次に、揺動部10は、前記軸受基部4に対応して枢着される回転基部11と、該回転基部11と並んだ後方で一体に形成されてウイルWの車軸を支持するトラック部20とからなっている。
【0019】
[下方貫通孔]
前述のように、上方貫通孔6と、揺動部10の回転基部11に形成された下方貫通孔14とは、同軸線上に並んでおり、上下に並んで1つの貫通孔として機能している。
ここで、下方貫通孔14は、その上部は上方貫通孔と同じ径からなっているが、僅かに下方から下端までは前記上方貫通孔6より拡径された大径の拡径孔部14’となって下端まで続いている。
【0020】
[ニードルベアリング]
上記拡径孔部14’は、カラー15の外側に筒型(ラジアル型)のニードルベアリング8が隙間無く収納される大きさからなっている。
図示例でニードルベアリング8は、保持器付きの針状ころ軸受を使用しているが、枢軸をラジアル方向に軸受しうるニードルベアリングであればよい。
このようにして一連となった上方貫通孔6と下方貫通孔14とにカラー15が一連に貫挿され、該カラー15に枢軸となる固定ボルト18が貫挿される。
そして、上記カラー15をラジアル方向に軸受するニードルベアリング8は、カラー15の挿入前に、下方貫通孔14の拡径孔部14’内に貫挿される。
そして、下方貫通孔14から下方に突出したボルト18の下端は、第2スラストベアリング16を介してナット19によって緊締される。
【0021】
[第2スラストベアリング]
前記揺動部10の下方貫通孔14の端部で、筒形のニードルベアリング8の下端とナット19との間には、摺動時の摩擦を軽減させるためにカラー15下端の小径段部15aに孔部が掛止められるように小径のドーナツ状の第2スラストベアリング16が介設されている。
【0022】
ここで第2スラストベアリング16は、上方のワッシャ16aと、中央のスラストニードルベアリング16bと、下方のワッシャ16cとからなっている。
そして、第2スラストベアリング16は、ニードルベアリング8の下端に上方のワッシャ16aが接し、スラストニードルベアリン16bを介して下方のワッシャ16cが固定ボルト18の下端に緊締されるナット19の上面と接している(図7参照)。
【0023】
[トラック台部]
次に、前記回転基部11は長手方向に延びてトラック部20のトラック台部21となっている。
トラック台部21には、下面で開口するピボット孔27と、上下に貫通するキングピン26挿通用の孔部28とを有している。
【0024】
[トラック部]
トラック部20は、走行方向と直交する向きに水平に延び左右両端にウイル取付軸22aを固定したヨーク22を備えており、ウイルWはこのウイル取付軸にナットなどによって回転自在に軸着されている。
前記ヨーク22は、その中央でヨーク本体の側面から横方向に突出する舌片状のハンガー23を備えており、このハンガー23をウレタンゴムなどの弾性体からなる上下2つのブッシュゴム25で上下両面から挟み付けた上で、これら部材の中心位置に明けられたボルト穴にキングピン26を挿通し、下端でナットとワッシャによって緊締されている。
【0025】
前記ヨーク22はこのキングピン26にブッシュゴム25によってその上下両面を挟まれた状態で弾性的に支持されている。
一方、ヨーク22には、前記キングピン26に所定の角度で交わるピボット24が形成されており、このピボット24の先端をピボット孔27にゴムブッシュ等を介して挿入することにより回動可能に軸支された公知構成からなっている。
【0026】
次に、揺動部10の後方内面には、左右に延びる左右の側壁と後壁とで収納部30が形成されており、コイルスプリングSが嵌め込まれる。
また、収納部30の後壁30aの中央には、先端にネジが刻設された調整ボルト31が螺着されて収納部30の中央を長手方向に延びており、ローレットが形成された頭部31aが後壁30aから外に突出している。
【0027】
この調整ボルト31は、収納部30内で前記コイルスプリングSの中央の中空を貫通して延びており、調整ボルト31の先端には、収納部30内で回転しないように角形に形成された板状ナット32が螺着されている。
【0028】
従って、調整ボルト31の頭部31aを回すことにより、板状ナット32を調整ボルト31の軸方向に沿って螺進退させることができる。
この板状ナット32は、前記コイルスプリングSの先端と衝合しており、後述のリンク片33と共に、コイルスプリングSを反撥可能に圧縮す る。
【0029】
次に、台盤2と揺動部10との間には前記リンク片33が架け渡される。
このリンク片33は、断面略L状の板片からなっており、長手片33aの先端が、前記軸受基部4側の上面に固設された突軸34に枢着され、折れ曲がった短手片33bには孔が穿設されており、前記収納部30内でコイルスプリングSを覆い、このコイルスプリングSの後端に接した位置で前記調整ボルト31が貫挿しており、リンク片33の後端が枢着されている。
【0030】
従って、前記調整ボルト31の頭部31bを締付方向に回すと、板状ナット32とリンク片33の端部33bとの間に挟まれたコイルスプリングSが、板状ナット32のリンク片33へ向かう進動で徐々に圧縮され、逆方向に回すと板状ナット32の退動で徐々に圧縮が弱まるようになっており、弾性力の微調整を行うことができる。
【実施例2】
【0031】
上記実施例1では、ニードルベアリング8が同一横断面の筒形からなっている場合を例示したが、この発明では、図8に示すようにニードルベアリング8’の軸受面がテーパ面状となるものでもよい。
図示例では、カラー15の略下半分で、下方貫通孔14に収納される側が、下方に向かって徐々に小径となるテーパ面15bに形成されている。
【0032】
このカラー15のテーパ面15bに沿うように、ニードルベアリング8は下向きに幅狭なテーパ姿勢となるように斜めに配列されて円錐形のベアリングとなっている。
これによって、揺動部10の旋回が不規則に揺れることなく、一層スムーズに軸受することができる。
その他の構成は、前記実施例1の構造と同様なので、その説明を省略する。
この発明は、上記実施例に限定されることなく、この発明の要部を変更しない範囲で種々設計変更することができる。
【符号の説明】
【0033】
1 トラック構造
2 支持台盤
3 ベース部
4 軸受基部
5 上側摺接面
5a 内輪
5b 外輪凹部
6 上方貫通孔
7 第1スラストベアリング
8 ニードルベアリング
10 揺動部
11 回転基部
13 下側摺接面
13a 内輪凸部
13b 外輪凹部
14 下方貫通孔
14’ 拡径孔部
15 カラー
15a 小径段部
16 第2スラストベアリング
18 固定ボルト
19 ナット
20 トラック部
D デッキ
S コイルスプリング
W ウイル
【要約】
【課題】スケートボードのトラック構造にかかり、枢軸の長手方向を筒形のニードルベアリングで軸受して、体重移動による舵角操作をスムーズに行わせる。
【解決手段】支持台盤に上側摺接面で下端が開口し、枢軸の上方を貫挿する上方貫通孔を設け、該上方貫通孔と同一軸線上に、揺動部に前記上側摺接面と接し上端が開口して枢軸の下方を貫挿する下方貫通孔を設け、前記下方貫通孔に、前記枢軸の少なくとも下方軸部に外嵌する筒形のニードルベアリングを収納する拡径孔部を設けてなり、前記枢軸の下方軸部を筒形のニードルベアリングで軸受してなることを特徴とする。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4(a)】
図4(b)】
図5(a)】
図5(b)】
図6
図7
図8