(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
支柱等の支持部材への取り付け部を備えた金属製の開口を持つ本体と、前記開口を塞ぐように組み合わされる透光性及び電波透過性のカバー部材とを備え、前記本体と前記カバー部材で囲まれた器具空間に、発光部、前記発光部の点灯・消灯を制御する制御部、及び外部の通信制御部との信号の受信または送受信動作を行う照明器具側通信制御部が配置され、
前記照明器具側通信制御部はアンテナを含み通信動作機能を有し、
前記アンテナは、その一部または全部が前記器具空間において前記開口よりも前記カバー部材側に位置し、且つ前記発光部よりも前記取り付け部側に位置する、
ことを特徴とする屋外設置型の照明器具。
前記照明器具側通信制御部は、前記アンテナがパターン形成されたアンテナ基板と、通信モジュールを構成する通信モジュール基板とを備え、前記通信モジュール基板と前記アンテナ基板は、前記カバー部材内の前記器具空間において不透明性及び電波透過性の補助カバー部材で覆われている、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の屋外設置型の照明器具。
前記発光部は、前記制御部へ電気的に接続される発光部基板と、前記発光部基板に配置された照明用光源と、前記照明用光源を覆う配光部材とを備え、前記補助カバー部材は前記配光部材と一体形成された、
ことを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の屋外設置型の照明器具。
支柱等の支持部材への取り付け部を後部に備えた金属製の下面開口の本体と、前記下面開口を塞ぐように組み合わされる透光性及び電波透過性のカバー部材とを備え、前記本体と前記カバー部材で囲まれた器具空間に、発光部、前記発光部の点灯・消灯を制御する制御部、及び外部の通信制御部との信号の受信または送受信動作を行う照明器具側通信制御部が配置され、
前記照明器具側通信制御部はアンテナを含み通信動作機能を有し、
前記アンテナは、前記本体または前記照明器具側通信制御部に電気的に接続されたロッドタイプアンテナであり、前記発光部よりも後方で下位に位置し、カバー部材の内側空間に前方に向けた配置である、
ことを特徴とする屋外設置型の照明器具。
支柱の先端が挿入される支柱挿入部を中央下部に備えた金属製の上面開口の本体と、前記上面開口を塞ぐように組み合わされる透光性及び電波透過性の透光カバー部材と、前記透光カバー部材の内側に配置される発光部を有し、前記本体と前記カバー部材で囲まれた器具空間に、発光部、前記発光部の点灯・消灯を制御する制御部、及び外部の通信制御部との信号の受信または送受信動作を行う照明器具側通信制御部が配置され、
前記制御部は前記本体に取り付けられた金属製の保護カバーに覆われ、前記保護カバーの上部に前記発光部が取り付けられ、前記保護カバーの外側で前記透光カバー部材で覆われる空間に電波透過性の補助カバー部材で覆われるように前記照明器具側通信制御部が設けられ、前記照明器具通信制御部はアンテナを含むことを特徴とする屋外設置型の照明器具。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように特許文献1のものでは、下部ハウジング14と一体に形成されたアンテナは、上部ハウジング12内に収容された電気制御システムと配線接続する必要がある。
このため、照明器具の製造時や、照明器具の内部点検時等において、上部ハウジング12に下部ハウジング14を取り付けるとき、その配線接続作業が必要であり、その作業をし易くすること、及び配線が外れないようにするためには、アンテナと電気制御システムを接続する配線を長くする必要がある。
しかし、この配線の影が下部ハウジング14に映らないようにすることが要求され、この長い配線が下部ハウジング14の壁に近づかないようにするために、例えば配線支持具を上部ハウジング12に設けるとかの工夫が必要であり、配線作業も面倒である。
【0006】
また、アンテナは下部ハウジング14と一体であるため、発光部の光がアンテナで邪魔されると共に、下部ハウジング14を通してアンテナの存在が外部から透視でき、デザイン的にも好ましくない。
【0007】
本発明は、このような点に鑑み、アンテナと通信モジュールとの配線接続がし易く、しかもアンテナ及び通信モジュールの配置が、発光部や発光部の点灯を制御する制御部の配置を制限することなく、照明器具内に組み立て可能な構成を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の本発明の屋外設置型の照明器具は、
支柱等の支持部材への取り付け部を備えた金属製の開口を持つ本体と、前記開口を塞ぐように組み合わされる透光性及び電波透過性のカバー部材とを備え、前記本体と前記カバー部材で囲まれた器具空間に、発光部、前記発光部の点灯・消灯を制御する制御部、及び外部の通信制御部との信号の受信または送受信動作を行う照明器具側通信制御部が配置され、
前記照明器具側通信制御部はアンテナを含み通信動作機能を有し、
前記アンテナは、その一部または全部が前記器具空間において前記開口よりも前記カバー部材側に位置し、且つ前記発光部よりも前記取り付け部側に位置する、
ことを特徴とする。
【0009】
第2の本発明の屋外設置型の照明器具は、前記第1において、
前記アンテナは、基板にパターン形成され前記基板のパターン面が開口面と直交する方を向いていることを特徴とする。
【0010】
第3の本発明の屋外設置型の照明器具は、前記第1または第2において、
前記照明器具側通信制御部は、前記器具空間において前記発光部よりも前記取り付け部側に位置することを特徴とする。
【0011】
第4の本発明の屋外設置型の照明器具は、前記第1乃至第3のいずれかにおいて、
前記照明器具側通信制御部は、前記アンテナがパターン形成されたアンテナ基板と、通信モジュールを構成する通信モジュール基板とを備え、前記通信モジュール基板と前記アンテナ基板は、前記カバー部材内の前記器具空間において不透明性及び電波透過性の補助カバー部材で覆われている、
ことを特徴とする。
【0012】
第5の本発明の屋外設置型の照明器具は、前記第4において、
前記通信モジュール基板は前記本体の開口面に水平方向に配置され、前記アンテナ基板は前記通信モジュール基板に交差する配置である、
ことを特徴とする。
【0013】
第6の本発明の屋外設置型の照明器具は、前記第4において、
前記通信モジュール基板は前記本体の開口面に直交する方向に配置され、前記アンテナ基板は前記通信モジュール基板に並行する配置である、
ことを特徴とする。
【0014】
第7の本発明の屋外設置型の照明器具は、前記第4乃至第6のいずれかにおいて、
前記発光部は、前記制御部へ電気的に接続される発光部基板と、前記発光部基板に配置された照明用光源と、前記照明用光源を覆う配光部材とを備え、前記補助カバー部材は前記配光部材と一体形成された、
ことを特徴とする。
【0015】
第8の本発明の屋外設置型の照明器具は、
支柱等の支持部材への取り付け部を後部に備えた金属製の下面開口の本体と、前記下面開口を塞ぐように組み合わされる透光性及び電波透過性のカバー部材とを備え、前記本体と前記カバー部材で囲まれた器具空間に、発光部、前記発光部の点灯・消灯を制御する制御部、及び外部の通信制御部との信号の受信または送受信動作を行う照明器具側通信制御部が配置され、
前記照明器具側通信制御部はアンテナを含み通信動作機能を有し、
前記アンテナは、前記本体または前記照明器具側通信制御部に電気的に接続されたロッドタイプアンテナであり、前記発光部よりも後方で下位に位置し、カバー部材の内側空間に前方に向けた配置である、
ことを特徴とする。
【0016】
第9の本発明の屋外設置型の照明器具は、
支柱の先端が挿入される支柱挿入部を中央下部に備えた金属製の上面開口の本体と、前記上面開口を塞ぐように組み合わされる透光性及び電波透過性の透光カバー部材と、前記透光カバー部材の内側に配置される発光部を有し、前記本体と前記カバー部材で囲まれた器具空間に、発光部、前記発光部の点灯・消灯を制御する制御部、及び外部の通信制御部との信号の受信または送受信動作を行う照明器具側通信制御部が配置され、
前記制御部は前記本体に取り付けられた金属製の保護カバーに覆われ、前記保護カバーの上部に前記発光部が取り付けられ、前記保護カバーの外側で前記透光カバー部材で覆われる空間に電波透過性の補助カバー部材で覆われるように前記照明器具側通信制御部が設けられ、前記照明器具通信制御部はアンテナを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の屋外設置型の照明器具は、後部に支柱等への取り付け部を備え、収容した照明器具側通信制御部によって点灯電力供給部をして発光部の点灯・消灯が制御されるが、照明器具側通信制御部のアンテナは、その一部または全部が本体とカバー部材で囲まれた器具空間において、本体の下面開口よりもカバー部材側に位置し、且つ発光部よりも取り付け部側に位置する。
このため、発光部の光がアンテナで邪魔されることがなく、所期の道路方向への照明ができることとなる。また、カバー部材を通して外部の通信制御部との信号の受信または送信が適切となり、通信機能を備えた屋外設置型の照明器具として好適となる。
【0018】
また本発明の屋外設置型の照明器具は、アンテナは、基板にパターン形成され基板のパターン面がカバー部材の側面方向、またはカバー部材の前方または後方に向いている。
照明器具の設置状況によって、アンテナによる受信または送信が外部環境によって邪魔される虞があるが、本発明によって、アンテナの向きの設定により、そのような電波障害が回避でき、安定した通信が行えるものとなる。
【0019】
また本発明の屋外設置型の照明器具は、
発光部と点灯電力供給部が器具空間で本体内の前後に配置され、照明器具側通信制御部が制御部の下方に離間して配置されている。
これによって、発光部による所期の方向への照明の確保と、発光部と点灯電力供給部が発する熱の放散の良好な配置と、照明器具側通信制御部の通信機能の確保とが、好適となる。
【0020】
また本発明の屋外設置型の照明器具は、
照明器具側通信制御部は、アンテナがパターン形成されたアンテナ基板と、通信モジュールの通信モジュール基板とを備え、通信モジュール基板とアンテナ基板は、発光部よりも取り付け部側に位置し、カバー部材内の器具空間において不透明性及び電波透過性の補助カバー部材で覆われている。
このため、通信モジュール基板とアンテナ基板が発光部による照明の邪魔にならず、また発光部の消灯時は勿論のこと点灯時にも、通信モジュール基板とアンテナ基板の影がカバー部材に投影されることがなく、デザイン的にも好ましく、アンテナを通した通信の確保ができるものとなる。
また、本体からカバー部材を取り外して内部の点検やカバー部材の内面の清掃等を行う場合にも、補助カバー部材がアンテナ及び通信モジュールを覆っているため、これら及び制御部に作業者の手が触れることがなく安心である。
【0021】
また本発明の屋外設置型の照明器具は、
制御基板は本体の下面開口部に横方向配置され、アンテナ基板は通信モジュール基板に交差するよう縦方向配置である。
このため、通信モジュール基板が発光部による照明の邪魔にならず、また、アンテナがパターン形成されたアンテナ基板は、アンテナによる通信が良好な向きとなり、安定した通信が可能となる。
【0022】
また本発明の屋外設置型の照明器具は、
発光部は、点灯電力供給部へ電気的に接続される発光部基板と、発光部基板の下面に配置された照明用光源と、照明用光源を覆う配光部材とを備え、補助カバー部材は配光部材と一体形成される。
このため、補助カバー部材と配光部材とが別途構成に比して、コスト低下と組み立てがし易いものとなる。
【0023】
また本発明の屋外設置型の照明器具は、照明器具側通信制御部のアンテナは、本体または照明器具側通信制御部に電気的に接続されたロッドタイプアンテナであり、発光部よりも後方で下位に位置し、カバー部材の内側空間に前方に向けた配置である。このため、アンテナが発光部による照明の邪魔にならず、且つ照明器具の設置場所による通信障害を受け難い形態となる。
【0024】
また本発明の屋外設置型の照明器具は、支柱の先端が挿入される支柱挿入部を中央下部に備えた金属製の上面開口の本体と、前記上面開口を塞ぐように組み合わされる透光性及び電波透過性の透光カバー部材と、前記透光カバー部材の内側に配置される発光部を有し、前記本体と前記カバー部材で囲まれた器具空間に、発光部、前記発光部の点灯・消灯を制御する制御部、及び外部の通信制御部との信号の受信または送受信動作を行う照明器具側通信制御部が配置され、
前記制御部は前記本体に取り付けられた金属製の保護カバーに覆われ、前記保護カバーの上部に前記発光部が取り付けられ、前記保護カバーの外側で前記透光カバー部材で覆われる空間に電波透過性の補助カバー部材で覆われるように前記照明器具側通信制御部が設けられ、前記照明器具通信制御部はアンテナを含む構成である。
このため、照明器具側通信制御部は照明の邪魔にならず、且つ外部から見えない状態であるため、外観デザイン的にも良好な通信機能を有するものとなる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の屋外設置型の照明器具は、支柱等の支持部材への取り付け部を後部に備えた金属製の下面開口の本体と、前記下面開口を塞ぐように組み合わされる透光性及び電波透過性のカバー部材と、前記本体と前記カバー部材で囲まれた器具空間に配置された照明用光源及び前記照明用光源の点灯・消灯を制御する制御部と、外部の通信制御部との信号の受信または送受信動作を行う照明器具側通信制御部と、を備え、
前記照明器具側通信制御部はアンテナを含み通信動作機能を有し、
前記アンテナは、その一部または全部が前記器具空間において前記下面開口よりも前記カバー部材側に位置し、且つ前記発光部よりも前記取り付け部側に位置する構成である。
以下、本発明の実施形態として、所要箇所に向けた光を発する照明用光源7としてLED素子(発光ダイオード)7が2列配置された照明器具1について、図面を参照して説明する。
【0027】
本発明の屋外設置型の照明器具1は、不透光性の本体2の下面側の開口部2Aの周縁部2Eで囲まれた領域に照明用光源をなすLED素子7が放射する光を所定の配光にて出射する発光部6が取り付けられ、LED素子7の出射光が道路方向に配光される照明器具である。
【0028】
その一つ形態として、
図1〜
図3に示すように、照明器具1は、開口部2Aを塞ぐように本体2に組み合わされるカバー部材3を備える前後方向に長い形態であり、開口部2Aに沿って発光部6を配置している。本体2は、下面の略全域が開口するように開口部2Aを形成し内外両面に防錆効果のある熱伝導性塗装を施した金属製等の熱伝導良好な不透光性で構成され、合成樹脂製のカバー部材3は、透光性及び電波透過性である。
【0029】
本体2は、一つの形態として、アルミニウムを材料としてダイキャスト成形され、上壁2Tと上壁2Tから下降する周囲壁2Sで囲まれ上方に膨らむ形態の前後方向に長い内部空間4を有し、内部空間4は周囲壁2Sで囲まれ下側に開口する開口部2Aを形成し、支柱PL等への取り付け部10を後部に突出状態に備える。
図7に示すように、取り付け部10の孔に刺し通した取り付けバンドTBを支柱PLに巻き付け固定することにより、照明器具1は、左右方向へ延びる道路に対して交差する方向の配置となり、道路方向へ延びる配光によって道路面を照射する。
【0030】
カバー部材3は下方に膨らんだ形態をなし、上端周縁部には上方へ突出する環状フランジ3Fが形成されている。本体2の開口部2Aの周縁部を巡るように、下方へ突出する環状フランジ2Fを形成している。開口部2Aの周縁部には、フランジ2Fの内側にカバー部材3のフランジ3Fが嵌り込む溝2Mを有する。
【0031】
図2に示すように、溝2Mにフランジ3Fが嵌り込むように、カバー部材3を本体2の開口部2Aに組み合わせた状態で、ネジNJで開口部2Aの周縁部にカバー部材3を固定する。溝2Mとフランジ3Fのように嵌り合う凹凸構成によって、本体2とカバー部材3との間が防水構造をなしている。
このように本体2とカバー部材3の組み合わせによって、本体2とカバー部材3で囲まれた器具空間SSが形成される。
なお、溝2Mの上底にパッキンを収容し、このパッキンがフランジ3Fによって圧縮される構成によって、更に好ましい防水効果が得られる。
【0032】
図1等に示すように、発光部6は、LED素子7が放射する光を所定の配光にて所要箇所に向けて光を照射する部分であり、LED素子7と、下側面にLED素子7が配置された発光部基板5とで構成する。なお、LED素子7の発光を所定の配光とするために、LED素子7を覆うように発光部基板5の下側面に組み合わされ、LED素子7が放射する光を所定の配光にて出射する配光部材8を備える構成でもよい。
【0033】
電気絶縁性の発光部基板5は、発光部6を構成する複数のLED素子7を下面に実装し、LED素子7への電路が同じ下面にプリント配線として形成され、このプリント配線を絶縁被膜で覆っている。発光部基板5の下面側には配光部材8が配置されている。
配光部材8は透光性合成樹脂製であり、板状部81に複数の配光部82を一体形成した構成である。
配光部82は、LED素子7ごとに対応して所定の配光となる出射光を形成する部分であり、実施例ではレンズ形態をなす。
図1乃至
図3に示す形態では、カバー部材3は配光部材8を一体形成したものである。
【0034】
図1等に示すように、本体2は内部空間4として前部空間4Aと後部空間4Bを有し、前部空間4Aには、発光部基板5の上面を支える前後方向に並行に延びる複数の熱伝導リブ11と、発光部基板5を取り付ける複数の取り付けボス13が、上壁2Tから垂下するように本体2に一体に形成されており、取り付けボス13にネジ9にて発光部基板5を取り付ける。取り付けボス13に発光部基板5を取り付けた状態で、LED素子7の裏側(上面側)に対向する位置で熱伝導リブ11が発光部基板5の上面に当接し、発光部基板5が本体2に伝熱的に取り付けられた状態となり、LED素子7の発熱が、発光部基板5を介して本体2に伝熱され、本体2から放散される。
【0035】
なお、発光部基板5の上面には、下面のプリント配線とは電気的接続とならない状態に放熱用の熱伝導被膜(図示せず)が形成されており、この熱伝導被膜が熱伝導リブ11に当接することにより、より一層の本体2への伝熱効果が得られる。
【0036】
また、このように取り付けボス13に発光部基板5を取り付けた状態で、発光部基板5は、開口部2Aよりも若干空間4側へ入った位置(前部空間4A側へ入った位置)において、開口部2Aに略並行に沿った状態である。本体2の内部空間4は、前部から後部に向けて次第に深くなる(開口部2Aを基準とすれば次第に上方に高くなる)ように形成され、熱伝導リブ11の左右両側で、本体2の上壁2T及び周囲壁2Sと発光部基板5との間に、本体2の後部から斜め上前方へ延び熱伝導リブ11の前端と後端で連通する空気通路が形成されている。この空気通路を流れる空気によって、本体2内の熱が本体2から有効に放散される。
【0037】
照明器具1は、LED素子7の点灯及び消灯を制御する制御部15が、前部空間4Aの後方に位置する後部空間4Bに配置されている。制御部15は、電源部16と、電源部16の出力電力をLED素子7へ供給するか否かの制御を行う点灯制御回路部17とを含む。
点灯制御回路部17は、照度センサ19が接続されており、照度センサ19が照明器具1の周囲の照度を検出して、明るい照度から所定の暗い照度に低下したときLED素子7を点灯させ、再び所定の明るい照度に上昇したときLED素子7を消灯させるように動作する。
照度センサ19は、センサ基板23に取り付けられ、本体2の後壁に形成した採光孔2Kに嵌合した透光性採光部材24を通して外部の照度を検出する。
【0038】
制御部15は、プリント配線された制御基板15Pに所要の電子回路部品15Eが配置された構成であり、制御基板15Pが本体2の上壁2Tまたは周囲壁2Sの上部から後部空間4Bに延出した取り付けボス18Bにネジで固定される。これによって、制御基板15Pは、後部空間4Bの上下の中間部に横配置で以って前後方向に向かう配置である。
【0039】
図8に示すように、照明器具1は、外部の通信制御部との信号の受信動作を行う照明器具側通信制御部20を備える。照明器具側通信制御部20は、アンテナ21を含み、外部の通信制御部からの信号に基づき発光部6の点灯・消灯制御信号を制御部15の点灯制御回路部17へ発する機能を備える。
このため、照明器具側通信制御部20は、アンテナ21と、通信動作回路を有する通信モジュール22を有する。通信モジュール22は無線通信機能を備えており、プリント配線された通信モジュール基板22Pに所要の電子回路部品22Eが配置された構成である。
【0040】
電源部16は、照明器具1への供給電力が商用の交流電力ACである場合は、交流電力ACを直流電力に変換するAC/DC変換部であり、また、電池である場合は充電可能な蓄電池である。電源部16の出力である直流電力は、電源電力として点灯制御回路部17と通信モジュール22へも供給される。
【0041】
アンテナ21は、アンテナ基板21Pの片側面または両側面に、印刷技術によって四辺形状、渦巻き形状、ジグザグ形状等所期の形状にパターン形成された構成であり、アンテナ基板21Pが通信モジュール基板22Pの端部に取り付けられ、アンテナ21が通信モジュール基板22Pの配線と電気的に接続されている。
【0042】
アンテナ21及び通信モジュール22は、器具空間SSのカバー部材3内空間において、不透明(不透光性)及び電波透過性の補助カバー部材25で覆われ、後部空間4Bに配置した制御部15の下方位置に間隔を存して配置されている。この場合、少なくともアンテナ21が器具空間SSのカバー部材3内空間に配置さればよい。
カバー部材3は、アンテナ21及び通信モジュール22を覆うカバー部分3Pが下方へ膨出形状をなしている。
【0043】
補助カバー部材25の存在によって、制御基板15P、アンテナ基板21P及び通信モジュール基板22P、及びそれらに取り付けられた電子回路部品は、発光部6の発光によっても、照明器具1の外部から目視されず、外観デザインとして好ましい。また、本体2からカバー部材3を取り外して内部の点検やカバー部材3の内面の清掃等を行う場合にも、補助カバー部材25がアンテナ21及び通信モジュール22を覆っているため、これら及び制御部15に作業者の手が触れることがなく安心・安全である。
【0044】
補助カバー部材25は、適所を本体2の上壁2Tまたは周囲壁2Sの上部から後部空間4Bへ延出した取り付けボス26にネジ固定される。
なお、補助カバー部材25の後部は取り付けボス26にネジ固定され、補助カバー部材25の前部は、発光部基板5の後部と共に取り付けボス13にネジ止めする形態でもよい。
【0045】
補助カバー部材25を白色等の合成樹脂製とする場合は、通信モジュール基板22Pは、補助カバー部材25の内面に一体形成した取り付けボスにネジ止めされ、通信モジュール22は制御部15と電気的にコネクタで接続される。
【0046】
上記の構成によって、
図1乃至
図3に示す形態では、本体2の内部空間4の下面開口2Aを覆ように本体2に組み合わされるカバー部材3は、前部空間4Aに対応配置された配光部82と、後部空間4Bに対応配置された制御部15、アンテナ21及び通信モジュール22を覆う部分が一体形成されたものである。
【0047】
アンテナ21は、外部の通信制御部からの信号を十分受信できるようにするために、その一部または全部が器具空間SSにおいて下面開口2Aよりもカバー部材3側に位置し、且つ発光部6よりも取り付け部10側に位置する。
好ましい状態は、アンテナ21は、全部が器具空間SSにおいて下面開口2Aよりもカバー部材3側に位置することであるが、照明器具1の周囲環境によってアンテナ21の受信状況が悪くならないようにすることが必要である。
【0048】
このため、アンテナ基板21Pのパターン面が、カバー部材3の側面方向に向いた状態か、カバー部材3の前方または後方に向く状態とする。また、通信モジュール基板22Pは、
図3及び
図5に示すように、下面開口2Aに沿って横配置で以って前後方向に向かう配置とする。
これらの場合、
図3及び
図5に示すように、アンテナ基板21Pは通信モジュール基板22Pに対して交差状態であり、好ましくは略直角状態とし、補助カバー部材25及びカバー部分3Pの前後左右の壁を通して、外部の通信制御部と電波の送受信を行う構成とする。
【0049】
外部電源ACから照明器具1へ電力供給を行うために、照明器具1へ供給される外部交流電源ラインは、本体2の後壁に形成した貫通孔27に挿入される絶縁ゴム製のブッシング28を貫通し、その先端に取り付けた電源コネクタが制御部15の電源部16に電気的に接続される。
【0050】
照明器具1が受信機能を備える場合は、通信モジュール22は電波信号の受信・増幅等の所期の動作を行う受信回路を備える。このため、例えば、外部の通信制御部からの点灯指令または消灯指令をアンテナ21が受け、通信モジュール22がその受信信号を受信し、通信モジュール22の出力によって制御部15の点灯制御回路部17が、電源部16の直流電力を発光部6へ供給しまたは供給停止し、LED素子7を点灯または消灯させる。
【0051】
このため、通常の照明用LED7の他に、災害警報用の赤色発光のLED素子を発光部基板5に備える場合は、災害発生時に外部の通信制御部から発せられる警報指令が、アンテナ21で受信され通信モジュール22を通して制御部15が動作し、電源部16の直流電力を前記赤色発光のLED素子を点灯させ、市民へ警報を発することができる。
また、照明器具1には照度センサ19を設けず、地域管理センターに設置した外部の通信制御部に照度センサを設け、その地域内の複数の照明器具1の点灯及消灯を外部の通信制御部の指令によって行うようにすることもできる。この場合も、外部の通信制御部から発せられる点灯・消灯指令が、アンテナ21で受信され通信モジュール22を通して制御部15の点灯制御回路部17が動作し、LED素子7を点灯・消灯させる。
【0052】
照明器具1に送受信機能を備え、外部の通信制御部を管理センターに設置し、外部の通信制御部との間で双方向通信を行う形態とすることができる。この場合は、通信モジュール22は電波信号を受信及び発信するための送受信回路を備える。
例えば、照明器具1が、照度センサ19の動作不良、LED素子7の不発光、制御部15の動作不良、点灯制御回路部17の動作不良等の故障検知機能を備え、管理センターにおいてその地域の複数の照明器具1の管理をするシステムとすることができる。
その場合、照明器具1は外部の通信制御部からの指令を受信しそれに基づき故障検知動作を行い、その時の検知情報を外部の通信制御部へ送信する、所謂、送受信応答機能を備える構成である。
【0053】
図4乃至
図6は、カバー部材3が配光部材8と別構成である。
図4乃至
図6において、
図1乃至
図3に示す形態と同じ機能部分は、
図1乃至
図3と同じ符号を付している。
【0054】
図4乃至
図6の形態では、配光部材8は透光性合成樹脂製であり、板状部81にレンズ形態をなす複数の配光部82を一体形成した構成であり、一つの配光部82に一つのLED素子7が対応する関係で、配光部82の裏側に形成した凹部にLED素子7が収容される状態となるように、発光部基板5の下側面に当接状態に配光部材8が配置され、その状態で板状部81を通してネジ9にて配光部材8と発光部基板5を取り付けボス13に取り付けている。
【0055】
図1乃至
図3に示す形態と同様に、制御部15は後部空間4B内に配置され、アンテナ21及び通信モジュール22は、器具空間SSのカバー部材3内空間において、不透明及び電波透過性の補助カバー部材25で覆われ、後部空間4Bに配置した制御部15の下方位置に間隔を存して配置されている。この場合、少なくともアンテナ21が器具空間SSのカバー部材3内空間に配置さればよい。
【0056】
カバー部材3は、本体の下面開口2Aを覆うように、前部分が発光部6を覆い、後部が補助カバー部材25で覆われたアンテナ21及び通信モジュール22を覆う。
アンテナ基板21Pは通信モジュール基板22Pに対して交差状態であり、好ましくは略直角状態とし、補助カバー部材25及びカバー部分3Pの前後左右の壁を通して、外部の通信制御部と電波の送受信を行うことができる。
【0057】
図1乃至
図3に示す形態、及び
図4乃至
図6に示す形態のいずれにおいても、通信モジュール基板22Pを本体2の開口面に直交する方向に配置し、アンテナ基板21Pが通信モジュール基板22Pに並行する配置とすることも可能である。この場合も、アンテナ基板21P及び通信モジュール基板22Pは、補助カバー部材25で覆われる状態である。
【0058】
図9にはアンテナ21がロッドタイプである場合の照明器具1を示している。その一つの形態として、
図4乃至
図6に示す照明器具1において、発光部6よりも後方で下位に位置し、カバー部材3の内側空間に配置されるように、補助カバー部材25の外側に後部から前方へ向けてロッドタイプのアンテナ21が取り付けられている。アンテナ21は、補助カバー部材25で覆われた通信モジュール22と電気的に接続される。
【0059】
図10及び
図11に示す形態の照明器具1は、公園等のような広場の照明に適するものであり、支柱PHの先端が挿入される支柱挿入部62を中央下部に備えた金属製の上面開口60Aの本体60と、この上面開口60Aを塞ぐように組み合わされる透光性及び電波透過性の透光カバー部材61と、透光カバー部材61の内側に配置される発光部6を有し、本体60と透光カバー部材61で囲まれた器具空間に、発光部6、発光部6の点灯・消灯を制御する制御部15、及び外部の通信制御部との信号の受信または送受信動作を行う照明器具側通信制御部20が配置される。制御部15は本体60に取り付けられた金属製の保護カバー66に覆われ、保護カバー66の上部に発光6部が取り付けられ、保護カバー66の外側で透光カバー部材61で覆われる空間に、電波透過性の補助カバー部材67で覆われるように照明器具側通信制御部20が設けられる。照明器具側通信制御部20は、通信モジュール基板22Pに所要の電子回路部品22Eが配置された通信モジュール22と、アンテナ基板21Pにパターン形成にて設けたアンテナ21を含む構成である。
【0060】
この具体的構成を
図10及び
図11に基づき説明する。本体60を構成する取り付け基部60は、地面等に立設した支柱PHの先端部が挿入される支柱挿入部62を中央下部に有し、支柱挿入部62の上部から周方向へ拡大した取り付け部63と、取り付け部63の外周部から上方へ向けて拡径した環状取り付け部64を有し、環状取り付け部64の内側に円形状の上面開口が形成されている。透光カバー部材61は、下部開口周縁部がパッキンを介して環状取り付け部64に取り付けられる。
図1乃至
図3に示す形態と同じ機能部分は、
図1乃至
図3と同じ符号を付している。
【0061】
取り付け部63の上面には、環状取り付け部64の内側において支持台65を介して制御部15が取り付けられ、制御部15は取り付け部63に取り付けた金属製の保護カバー66で覆われている。保護カバー66は、環状取り付け部64の内側において取り付け部63の上面に取り付けた支持台66Dを介して取り付けられる。
このため保護カバー66で覆われた制御部15は、落雷等のサージ電圧に対して保護される。透光カバー部材61は、透光性及び電波透過性の合成樹脂やガラスで構成される。保護カバー66の上部に発光部6が取り付けられており、発光部6の発光により、透光カバー部材61を通して周囲を照明する。
【0062】
保護カバー66の一側部には、アンテナ21及び通信モジュール22を収容する補助カバー部材67を備える。補助カバー部材67は不透光性(不透明性)及び電波透過性である。アンテナ21は、
図1乃至
図3に示すものと同様に、アンテナ基板21Pの片側面または両側面に、印刷技術によって四辺形状、渦巻き形状、ジグザグ形状等所期の形状にパターン形成された構成であり、アンテナ基板21Pが通信モジュール22の電子回路部品を取り付けた通信モジュール基板22Pの端部に通信モジュール基板22Pに並行に取り付けられ、アンテナ21が通信モジュール基板22Pの配線と電気的に接続されている。即ち、
図11に示すように、通信モジュール基板22Pが本体2である取り付け基部60の上面開口60Aの開口面に直交する方向に配置され、アンテナ基板21Pが通信モジュール基板22Pに並行する配置であり、アンテナ基板21P及び通信モジュール基板22Pは、補助カバー部材67で覆われる状態である。
【0063】
取り付け部63の一部を貫通形成した採光孔2Kを通して照明器具1の周囲の照度を検知するように照度センサ19が設けられている。照度センサ19は、
図3に示すものと同様に、照度センサ19は、センサ基板23に取り付けられ、採光孔2Kに嵌合した透光性採光部材24を通して外部の照度を検出する。
【0064】
図10及び
図11に示す形態の照明器具1も
図1乃至
図3に示すものと同様に、外部の通信制御部との信号の受信または送受信動作を行う。支柱挿入部62へ支柱PHの先端部が挿入された状態で、ネジ68によって照明器具1が支柱PHに固定される。
【0065】
本発明に係る照明器具1は、上記のように受信または送受信機能を備えるが、LED素子7の点灯・消灯制御や、故障検知制御や、その他の制御動作を行う場合は、多数の処理動作を行うこととなるため、マイクロプロセッサーによるマイクロコンピュータ制御方式とし、制御部15及び通信モジュール22をディジタル信号による制御方式とすることができる。
それによって、外部の通信制御部との信号の受信または送受信動作が円滑に行えるものとなる。