特許第6821204号(P6821204)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6821204
(24)【登録日】2021年1月8日
(45)【発行日】2021年1月27日
(54)【発明の名称】二段収納棚装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 5/04 20060101AFI20210114BHJP
   A47B 51/00 20060101ALI20210114BHJP
   A47B 77/04 20060101ALI20210114BHJP
【FI】
   B60R5/04 Z
   A47B51/00 501E
   A47B77/04 Z
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-75477(P2019-75477)
(22)【出願日】2019年4月11日
(65)【公開番号】特開2020-172191(P2020-172191A)
(43)【公開日】2020年10月22日
【審査請求日】2020年10月9日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519132333
【氏名又は名称】株式会社洛香
(74)【代理人】
【識別番号】100121418
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 修
(72)【発明者】
【氏名】河内 敏
【審査官】 菅 和幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−038267(JP,A)
【文献】 韓国登録特許第10−1878436(KR,B1)
【文献】 中国特許出願公開第108158232(CN,A)
【文献】 特開2007−068838(JP,A)
【文献】 実開昭54−120816(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R5/00−5/04
A47B51/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに略同サイズの方形の底板、天板およびこれらの間に配置される二枚の方形棚板を備え、底板の四隅に回転自在にそれぞれ立設された各二本の雄ネジ支柱が前記二枚の棚板の四隅を貫通して天板まで伸び、一方の棚板の四隅における二本の雄ネジ支柱のうち、一組の4本の雄ネジ支柱の貫通部分には該雄ネジ支柱と螺合する第一雌ネジ孔が形成され、他の一組の4本の雄ネジ支柱の貫通部分には該雄ネジ支柱を通す第一透孔が形成され、他方の棚板の四隅における二本の雄ネジ支柱のうち、前記一組の雄ネジ支柱の貫通部分には該雄ネジ支柱を通す第二透孔が形成され、他の一組の雄ネジ支柱の貫通部分には該雄ネジ支柱と螺合する第二雌ネジ孔が形成されており、全ての雄ネジ支柱の上部または下部にスプロケットまたはプーリーが装着され、前記同組の各スプロケットにはチェーンが架け渡され、各プーリーにはベルトが架け渡され、これらチェーンまたはベルトを介して手動または電動で同組の雄ネジ支柱を選択的に正逆回転させることで、二枚の棚板が昇降自在となされている、二段収納棚装置。
【請求項2】
底板の各角部からその上方の棚板および天板の各角部まで伸びる横断面略L字状のガイドフレームを更に有し、各ガイドフレームの内面軌道部に沿って各棚板が昇降する、請求項1記載の二段収納棚装置。
【請求項3】
底板、棚板および天板の各両側および各後側を覆う両側壁部と後側壁部を備えたガイドジャケットを更に有し、ガイドジャケットの両側壁部と後側壁部の内面軌道部に沿って各棚板が昇降する、請求項1記載の二段収納棚装置。
【請求項4】
二枚の棚板の各四隅を貫通する二組の雄ネジ支柱のうち、いずれかの隅部を貫通する互いに異なる組の2本の雄ネジ支柱の端部に一方のベベルギアが装着され、これらベベルギアと噛み合うように設けられた他方のベベルギアを手動または電動で駆動させることで、前記2本の雄ネジ支柱が直接回転し、これに伴って二枚の棚板の他の隅部を貫通する雄ネジ支柱がチェーンまたはベルトを介して従動するようになされている、請求項1〜請求項3のうちのいずれか一項記載の二段収納棚装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所謂SUVやミニバン等のワンボックスカーの後部荷室や家庭のキッチン等における収納スペースを有効に活用するための収納棚装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の後部荷室のスペースにおける収納装置としては、所謂、跳ね上げ式の荷室扉を有する開閉自在な後部荷室に、基礎部分となる棚ベースと、棚ベース上に立設された前後左右の枠体と、枠体内に、所定の段数だけ設けられた棚板を有する荷物棚を設置し、該荷物棚がリンク機構を介して前記後部扉に連結され、後部扉を開けると荷物棚がスライドして出てくる構造のものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−083858号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した従来の収納装置の場合、荷物棚は、予め荷室のスペースに合わせて製作しておく必要があり、所謂、自動車ごとに専用のものを製作する必要があった。しかも、前述した通り、リンク機構を介して荷物棚がスライド自在に出し入れされる構造は非常に複雑であるため、実質的には自動車ごとの組み込み作業によって実現されるものであった。
【0005】
そのため、用途が荷物を配達のための業務用車両に限定され、一般の自家用自動車には設置できないものであった。
【0006】
また、近年、SUVやミニバン等の大幅な増加に伴って、車中泊やキャンプを行うユーザーが増え、そのため、車中泊のための寝具や食事のための食器、食品および調理器具、並びに衣類といった多くの荷物を後部荷室に積み込む必要があるが、後部荷室のスペースを有効に活用するための収納装置がなかったため、後部荷室に前述した種々の荷物を適当に積み重ねて収納する場合が多い。しかしながら、適当に積み上げられた荷物は、自動車の走行中に荷崩れを起こし易い。
【0007】
この他、前述した車中泊に使用するための組立て式ベットが市販されているが、これは後部荷室および後部座席を含む広範な車内スペースに人が横たわれる寝台を形成するためのもので、荷物を収納するものではなかった。
【0008】
本発明の目的は、SUVやミニバン等の種々の自動車の後部荷室や家庭のキッチン等に簡単に設置することができ、しかも荷物の量やサイズに合わせて収納スペースの調整が可能な収納棚装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の本発明は、互いに略同サイズの方形の底板、天板およびこれらの間に配置される二枚の方形棚板を備え、底板の四隅に回転自在にそれぞれ立設された各二本の雄ネジ支柱が前記二枚の棚板の四隅を貫通して天板まで伸び、一方の棚板の四隅における二本の雄ネジ支柱のうち、一組の4本の雄ネジ支柱の貫通部分には該雄ネジ支柱と螺合する第一雌ネジ孔が形成され、他の一組の4本の雄ネジ支柱の貫通部分には該雄ネジ支柱を通す第一透孔が形成され、他方の棚板の四隅における二本の雄ネジ支柱のうち、前記一組の雄ネジ支柱の貫通部分には該雄ネジ支柱を通す第二透孔が形成され、他の一組の雄ネジ支柱の貫通部分には該雄ネジ支柱と螺合する第二雌ネジ孔が形成されており、全ての雄ネジ支柱の上部または下部にスプロケットまたはプーリーが装着され、前記同組の各スプロケットにはチェーンが架け渡され、各プーリーにはベルトが架け渡され、これらチェーンまたはベルトを介して手動または電動で同組の雄ネジ支柱を選択的に正逆回転させることで、二枚の棚板が昇降自在となされている二段収納棚装置である。
【0010】
なお、本発明に係る二段収納棚装置においては、前記雄ネジ支柱と雌ネジ孔との螺合について、所謂ボールネジを使用することも含まれる。
【0011】
請求項2記載の本発明は、前記請求項1記載の二段収納棚装置について、底板の各角部からその上方の棚板および天板の各角部まで伸びる横断面略L字状のガイドフレームを更に有し、各ガイドフレームの内面軌道部に沿って棚板が昇降することを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の本発明は、前記請求項1記載の二段収納棚装置について、底板、棚板および天板の各両側および各後側を覆う両側壁部と後側壁部を備えたガイドジャケットを更に有し、ガイドジャケットの両側壁部と後側壁部の内面軌道部に沿って棚板が昇降することを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の本発明は、前記請求項1〜請求項3のうちのいずれか一項記載の二段収納棚装置について、二枚の棚板の各四隅を貫通する二組の雄ネジ支柱のうち、いずれかの隅部を貫通する互いに異なる組の2本の雄ネジ支柱の端部に一方のベベルギアが装着され、これらベベルギアと噛み合うように設けられた他方のベベルギアを手動または電動で駆動させることで、前記2本の雄ネジ支柱が直接回転し、これに伴って二枚の棚板の他の隅部を貫通する雄ネジ支柱がチェーンまたはベルトを介して従動するようになされているものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る二段収納棚装置は、前述した構成であるため、SUVやミニバンといった種々の自家用自動車の荷室に簡単に載置することができ、従来の専用品のような組み込み設置作業も不要である。また、自動車以外の一般家庭の流し台や洗面、或いはクローゼット等の収納スペースにも簡単に設置でき、これら収納スペースにおけるデッドスペースの発生を解消して有効な収納空間を形成することができる。
【0015】
そして、本発明に係る二段収納棚装置では、各雄ネジ支柱に架け渡されたチェーンまたはベルトを介して手動または電動で各雄ネジ支柱を正逆回転させるだけで底板と天板との間の上下二段の棚板が昇降して、両棚板間の間隔の他、上段の棚板とその上方の天板との間隔および下端の棚板とその下方の底板との間隔をそれぞれ収納する荷物の量やサイズに合わせて適宜調整変更することができるため、前記自動車の荷室の他、一般家庭におけるキッチンやクローゼット等における収納スペースの有効活用が可能となる。
【0016】
更に、ガイドジャケットやガイドフレームを備えた本発明の二段収納棚装置によれば、前述した棚板の昇降がより安定的に行え、しかも収納装置全体としての強度が高められるため、特に自動車の荷室に載置した場合に、走行中の揺れ等に対していっそう強固に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態に係る二段収納棚装置が載置されたワンボックスカーのハッチバックを開いた状態の正面図である。
図2】同実施形態に係る二段収納棚装置における一組の雄ネジ支柱の貫通部分を切欠して示す部分断面図である。
図3】同実施形態に係る二段収納棚装置における他の一組の雄ネジ支柱の貫通部分を切欠して示す部分断面図である。
図4図2図3におけるA−A線断面図である。
図5図2図3におけるB−B線断面図である。
図6図2図3におけるC−C線断面図である。
図7図5と同位置における断面図であって、ガイドジャケットをガイドフレームに変更した場合を示す。
図8図6と同位置における断面図であって、ガイドジャケットをガイドフレームに変更した場合を示す。
図9】本発明の他の実施形態に係る二段収納棚装置の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の実施形態を図面にしたがって説明するが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。
【0019】
図1図6に示すように、本実施形態に係る二段収納棚装置1は、例えばミニバン等のワンボックスカーCBの後部荷室BRに載置されて、該後部荷室BRのスペースの有効利用を図るために用いられる。
【0020】
二段収納棚装置1は、互いに略同サイズの方形の底板2、天板3およびこれらの間に配置される上下二段の方形棚板4A・4Bを備え、底板2の四隅にそれぞれ回転自在に立設された隣り合う各二本の雄ネジ支柱5A・5Bが前記二段の棚板4A・4Bの四隅を貫通して天板3まで伸び、下段の棚板4Aの四隅における隣り合う二本の雄ネジ支柱5A・5Bのうち、一組の4本の雄ネジ支柱5A(隅部寄り)の貫通部分には該雄ネジ支柱5Aと螺合する第一雌ネジ孔6Aが形成され、他の一組の4本の雄ネジ支柱5B(内方寄り)の貫通部分には該雄ネジ支柱5Bを通す第一透孔20Bが形成され、上段の棚板4Bの四隅における隣り合う二本の雄ネジ支柱5A・5Bのうち、前記一組の雄ネジ支柱5A(隅部寄り)の貫通部分には該雄ネジ支柱5Aを通す第二透孔20Aが形成され、他の一組の雄ネジ支柱5B(内方寄り)の貫通部分には該雄ネジ支柱5Bと螺合する第二雌ネジ孔6Bが形成されており、全ての雄ネジ支柱5A・5Bの下部にスプロケット7A・7Bが装着され、各雄ネジ支柱5A(隅部寄り)の各スプロケット7Aと各雄ネジ支柱5B(内方寄り)のスプロケット7Bにはそれぞれチェーン8A・8Bが架け渡され、これらチェーン8A・8Bを介して二軸モータMによる電動で同組の雄ネジ支柱5A(隅部寄り)同士および雄ネジ支柱5B(内方寄り)同士が選択的に正逆回転され、これによって上下二枚の棚板4A・4Bが昇降自在となされている。
【0021】
なお、本実施形態では、前述したチェーン8Aとチェーン8Bの選択的な回動は、支軸P1を支点とする切換シャフト12aの揺動によって、その先端部の駆動ギア12がチェーン8Aとまたはチェーン8Bのいずれかと噛合することで行われる(図4参照)。
【0022】
より詳細には、一般的に公知の種々の揺動機構によって、支軸P1を支点として切換シャフト12aがチェーン8A側に移動するか、またはチェーン8B側に移動する構造となされ、そして、前記切換シャフト12a先端の駆動ギア12がチェーン8Aまたはチェーン8Bと選択的に噛合し、この際、駆動ギア12が前記モータMによって、電動回転するのに伴ってチェーン8Aまたはチェーン8Bが連動し、この連動によって最終的に前記上下二段の棚板4A・4Bが選択的に動く構造となされている。
【0023】
すなわち、下段の棚板4Aは、その第一雌ネジ孔6Aに四本の雄ネジ支柱5A(隅部寄り)が螺合しているため、チェーン8Aによる雄ネジ支柱5Aの正逆回転によって棚板4Aが昇降するようになされており、他の四本の雄ネジ支柱5B(内方寄り)は、棚板4Aの第一透孔20B内を通過しているため、雄ネジ支柱5B(内方寄り)の正逆回転によって、棚板4Aは昇降しない。
【0024】
上段の棚板4Bは、その第二雌ネジ孔6Bに四本の雄ネジ支柱5B(内方寄り)が螺合しているため、雄ネジ支柱5Bの正逆回転によって棚板4Bが昇降するようになされており、他の四本の雄ネジ支柱5A(隅部寄り)は、棚板4Bの第二透孔20A内を通過しているため、雄ネジ支柱5A(隅部寄り)の正逆回転によって、棚板4Bは昇降しない。
【0025】
なお、前記駆動ギア12の回転は、該駆動ギア12の移動位置によって、モータMにおける二本の回転軸(図示せず)と選択的に連動して行われる。また、モータMの正逆回転に伴って、チェーン8Aまたはチェーン8Bも時計回りまたは半時計回りに回動することとなる。
【0026】
なお、前記スプロケット7A・7Bはプーリーに、前記チェーン8A・8Bはベルトに変更される場合もある。
【0027】
雄ネジ支柱5A・5Bは、その上下両端部5a・5bが底板2と天板3内に組み込まれた軸受部材としてのボールベアリング9によって回転自在に立設されている。
【0028】
また、雌ネジ孔6A・6Bは、本実施形態では、棚板4内に内設されたナット11によって形成されている。
【0029】
更に、本実施形態の二段収納棚装置1では、各雄ネジ支柱5A・5Bに装着されたチェーン8A・8Bに係合する駆動スプロケット12の連携支軸13にハンドルHを同軸に取付け自在としてモータMではなく、ハンドルHによる手動での棚板4A・4Bの昇降を行うことも可能である。
【0030】
なお、雄ネジ支柱5A・5Bを正逆に回転させるための機構は、既に公知の種々のものを利用する。例えばモータMでは、減速装置や正逆回転の切り替えを行う制御回路基盤を設けたり、手動ハンドルHの場合は、双方向の機械的な回転構造とする。
【0031】
また、本実施形態の二段収納棚装置1は、前述した底板2、天板3および棚板4A・4Bの各両側および各後側を覆う両側壁部15aと後側壁部15bを備えたガイドジャケット15を備え、ガイドジャケット15の両側壁部15aと後側壁部15bの内面軌道部16に沿って棚板4A・4Bが昇降する構造となされている。
【0032】
図7および図8に示すように、本発明に係る二段収納棚装置1では、前述した両側壁部15aと後側壁部15bを備えたガイドジャケット15に代えて、底板2の各角部2aからその上方の天板3および棚板4A・4Bの各角部3a・4aまで伸びる横断面略L字状のガイドフレーム35を設ける場合もある。この場合、ガイドフレーム35の内面軌道部35aに沿って棚板4A・4Bが昇降する。
【0033】
なお、本発明に係る二段収納棚装置1では、前述したガイドジャケット15やガイドフレーム35以外に、底板2および天板3等を連結して一体化する支持躯体を別途設ける場合もある.
【0034】
次に、本実施形態に係る二段収納棚装置1の使用要領について説明すると、図1に示すように、ワンボックスカーCBの後部荷室BRに二段収納棚装置1を載置して、駆動ギア12をチェーン8Aに噛合させれば、これに伴ってチェーン8Aが架け渡されたスプロケット7Aを有する4本の各雄ネジ支柱5Aが回動し、該雄ネジ支柱5Aと噛合する第一雌ネジ孔6Aを有する下段の棚板4Aが昇降して、該棚板4Aの高さ位置を調整する。またこの際、上段の棚板4Bにおける各雄ネジ支柱5Aの貫通部分は第二透孔20Aとなっているため、各雄ネジ支柱5Aの回転によって、上段の棚板4Bは昇降しない。
【0035】
一方、駆動ギア12をチェーン8Bに噛合させれば、これに伴ってチェーン8Bが架け渡されたスプロケット7Bを有する4本の各雄ネジ支柱5Bが回動し、該雄ネジ支柱5Bと噛合する第二雌ネジ孔6Bを有する下段の棚板4Bが昇降して、該棚板4Bの高さ位置を調整する。またこの際、下段の棚板4Aにおける各雄ネジ支柱5Bの貫通部分は第一透孔20Bとなっているため、各雄ネジ支柱5Bの回転によって、下段の棚板4Aは昇降しない。
【0036】
図9に示すように、本発明の二段収納棚装置21は、前述した二段収納棚装置1と同様の基本構成とし、棚板24A・24Bの昇降機構を変更したものである。
【0037】
すなわち、二段収納棚装置21は、互いに略同サイズの方形の底板22、天板23および棚板24A・24Bを備え、底板22の四隅に回転自在に立設された隣り合う二本の雄ネジ支柱25A・25Bが上下二段の棚板24A・24Bの四隅を貫通して天板23まで伸び、棚板24A・24Bにおける前記雄ネジ支柱25A・25Bの貫通部分には、該雄ネジ支柱25A・25Bと螺合する雌ネジ孔26や透孔30等が形成され、各雄ネジ支柱25A・25Bの下部にスプロケット27A・27B等が装着され、各スプロケット27A・27Bにはそれぞれチェーン28等が架け渡され、これらチェーン28等を介して後述する左右一対のモータM21・M22で各雄ネジ支柱25A・25Bを正逆回転させることで棚板24A・24Bが昇降自在となされているものである。
【0038】
前述した二段収納棚装置21における雄ネジ支柱25A・25Bによる上下二段の棚板24A・24Bの昇降機構は、前述した二段収納棚装置1における雄ネジ支柱5A・5Bによる昇降機構と同様である。本実施形態の二段収納棚装置21では、雄ネジ支柱25A・25Bの回動機構が異なっており、より詳細には、雄ネジ支柱25A・25Bの下部に従動用べベルギア32が装着され、左右一対のモータM1・M2に主動用べベルギア31がそれぞれ設けられ、モータM1とモータM2の選択的駆動によって、主動用べベルギア31と従動用べベルギア32との噛合構造を介して雄ネジ支柱25A・25Bが選択的に正逆回転するようになされている。
【0039】
なお、図中29は軸受部材としてのボールベアリングを示す。また、22a、23a、24aは当該二段収納棚装置21における底板22、天板23および棚板24A・24Bの各隅部を示し、25aおよび25bは前記雄ネジ支柱25A・25Bの上下端部を示す。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明の収納棚装置によれば、昇降する棚板の位置によって、該棚板と底板並びに該棚板と天板の間隔を収納しようとする荷物の量やその大きさに合わせて適宜変更し得るため、自動車用品やキッチン用品等の分野において幅広い利用が期待できる。
【符号の説明】
【0041】
1・21 収納棚装置
2・22 底板
3・23 天板
4・24 棚板
5・25 雄ネジ支柱
6・26 雌ネジ孔
7・27 スプロケット
8・28 チェーン
15 ガイドジャケット
35 ガイドフレーム
M モータ
H ハンドル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9