(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6821223
(24)【登録日】2021年1月8日
(45)【発行日】2021年1月27日
(54)【発明の名称】組合せ式マスク
(51)【国際特許分類】
A41D 13/11 20060101AFI20210114BHJP
A62B 18/02 20060101ALI20210114BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
A62B18/02 C
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2020-93312(P2020-93312)
(22)【出願日】2020年5月28日
【審査請求日】2020年6月2日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517278004
【氏名又は名称】株式会社スペースファクトリー
(74)【代理人】
【識別番号】110001335
【氏名又は名称】特許業務法人 武政国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】増子 貴志
【審査官】
▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】
特開2016−174736(JP,A)
【文献】
特開2014−140774(JP,A)
【文献】
特開2019−094601(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3138154(JP,U)
【文献】
特開2011−125619(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3113827(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 13/11
A62B 18/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2以上の分割体からなるマスクであって、
前記分割体には、それぞれスライドファスナーの務歯が設けられ、
前記分割体どうしは、スライドファスナーによって連結可能であって分離可能であり、
2以上の前記分割体のうち少なくとも1の該分割体には、着色、及び/又は模様、画像、若しくは文字が付され、
種々の前記分割体を組み合わせることで、多様なバリエーションのマスクを形成することができる、
ことを特徴とする組合せ式マスク。
【請求項2】
前記分割体が、人の口及び鼻を覆う中央分割体と、右耳に掛ける右分割体と、左耳に掛ける左分割体であり、
前記中央分割体の右端及び左端には、スライドファスナーの務歯が設けられ、
前記右分割体の一端には、スライドファスナーの務歯が設けられ、
前記左分割体の一端には、スライドファスナーの務歯が設けられ、
前記中央分割体と前記右分割体は、スライドファスナーによって連結可能であって分離可能であり、
前記中央分割体と前記左分割体は、スライドファスナーによって連結可能であって分離可能である、
ことを特徴とする請求項1記載の組合せ式マスク。
【請求項3】
前記分割体が、右耳に掛ける右分割体と、左耳に掛ける左分割体であり、
前記右分割体の一端には、スライドファスナーの務歯が設けられ、
前記左分割体の一端には、スライドファスナーの務歯が設けられ、
前記右分割体と前記左分割体は、スライドファスナーによって連結可能であって分離可能である、
ことを特徴とする請求項1記載の組合せ式マスク。
【請求項4】
前記右分割体には、右収容部が設けられ、
前記左分割体には、左収容部が設けられ、
前記右収容部にガーゼの一部を収容するとともに、前記左収容部にガーゼの一部を収容することによって、人の口及び鼻の前面にガーゼを配置し得る、
ことを特徴とする請求項2又は請求項3記載の組合せ式マスク。
【請求項5】
前記分割体に、覆体が設けられ、
前記覆体によってスライドファスナーを覆い隠すことができる、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の組合せ式マスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、家庭用マスクや医療用マスク(サージカルマスク)、産業用マスクといったマスクに関するものであり、より具体的には、ユーザがそのデザインを選択することができる組合せ式マスクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
風邪やインフルエンザの症状がある者は、咳やくしゃみによる飛沫防止のためマスクを着用することが多い。また、花粉によるアレルギー症状を起こしやすい者も、花粉を遮断するためマスクを着用する。日本人は、咳エチケットなど他人へ配慮する傾向が強く、欧米諸国に比べマスクを着用する者が多いことで知られている。一方の欧米諸国ではマスクを着用している者は病人と見られる傾向があり、そのためマスクの着用には抵抗があるとされている。もちろん日本人のなかにも、マスクの着用を好まない者もいる。
【0003】
ところが、昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID−19)の影響で、外出するほとんどの者がマスクを着用するようになった。今やマスク不足は世界的な現象となっている。そしてこの新型コロナウイルス感染症は、効果的な治療薬やワクチンが開発されるまでの期間が長期化することが予測されている。
【0004】
風邪やインフルエンザのためにマスクを着用する時期は概ね冬季であり、花粉症のためにマスクを着用する時期は概ね春季であるなど、これまでマスクをする時期はある程度限られていた。しかしながら新型コロナウイルス感染症は、季節に関わらず感染するといわれており、今後は夏季を含む通年でマスクの着用が余儀なくされることが考えられる。また治療薬やワクチンによって新型コロナウイルス感染症が収束したとしても、心理的な影響から今後はマスクを着用する者が増加することも予想される。
【0005】
このようにマスクを着用する機会が増えると、マスクもファッションの一部と捉え、その個性を求める者が現れることも十分考えられる。従来のマスクは、白色やブルー、ピンクなど多少の色合いは選択できるもののほとんどは無地であり、模様や形状などデザイン性を求めるマスクはそれほど市場に流通していない。
【0006】
そこでこれまでにも、デザイン性を意識したマスクが提案されることもあった。例えば特許文献1では、模様(水玉模様やギザギザ模様)が施された織布を利用したマスクについて提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2018−127729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に開示されるマスクは、模様が施されていることから従来のものに比べてそのデザイン性は向上している。しかしながら特許文献1を含む従来のマスクは、市場に提供されたマスクから選択するほかなく、ユーザ自身でいわば独自性のあるマスクに加工することは容易ではない。そのため、他人と同じマスクを着用することも多く、ユーザの個性を引き出したマスクを着用することができなかった。
【0009】
本願発明の課題は、従来が抱える問題を解決することであり、すなわち多様な組合せによってバリエーション豊かなデザインのマスクを得ることができる組合せ式マスクを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願発明は、マスクを2以上の分割体から構成するとともに、分割体どうしをスライドファスナーによって連結する、という点に着目したものであり、従来にはなかった発想に基づいてなされた発明である。
【0011】
本願発明の組合せ式マスクは、2以上の分割体からなるマスクである。この分割体には、それぞれスライドファスナーの務歯が設けられており、分割体どうしはスライドファスナーによって連結可能であって分離可能である。したがって、2以上の分割体からなる組合せを変更することで、様々なデザインのマスクを形成することができる。
【0012】
本願発明の組合せ式マスクは、中央分割体と右分割体、左分割体を分割体とするマスクとすることもできる。なお、中央分割体は人の口と鼻を覆う分割体であり、右分割体は右耳に掛ける分割体、左分割体は左耳に掛ける分割体である。また中央分割体の右端と左端にはスライドファスナーの務歯が設けられ、右分割体の一端にはスライドファスナーの務歯が、左分割体の一端にはスライドファスナーの務歯がそれぞれ設けられる。これにより中央分割体と右分割体はスライドファスナーによって連結可能であって分離可能とされ、中央分割体と左分割体はスライドファスナーによって連結可能であって分離可能とされる。
【0013】
本願発明の組合せ式マスクは、右分割体と左分割体を分割体とするマスクとすることもできる。この場合、右分割体と左分割体がスライドファスナーによって連結可能かつ分離可能とされる。
【0014】
本願発明の組合せ式マスクは、右収容部にガーゼの一部を収容するとともに、左収容部にガーゼの一部を収容することによって、口や鼻の前面にガーゼを配置し得るものとすることもできる。
【0015】
本願発明の組合せ式マスクは、スライドファスナーを覆い隠すことができる覆体が設けられたものとすることもできる。
【発明の効果】
【0016】
本願発明の組合せ式マスクには、次のような効果がある。
(1)スライドファスナーのスライダーを操作するだけで、2以上の分割体からなるマスクを容易に形成することができる。
(2)分割体を種々組合せることによって、バリエーション豊かなデザインのマスクを得ることができる。その結果、他人とは相違する(いわば被らない)マスクを着用することができ、マスクによってユーザの個性を示すことができる。
(3)ファッションとしてのマスクを楽しむことができることから、マスクの着用が促進され、社会的な衛生環境も向上する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】(a)は着色された左右の分割体と中央の分割体が分離した状態の組合せ式マスクの表面側を示す正面図、(b)は着色された左右の分割体と中央の分割体が連結された状態の組合せ式マスクの表面側を示す正面図。
【
図2】(a)は図形が付された中央の分割体と左右の分割体が分離した状態の組合せ式マスクの表面側を示す正面図、(b)は図形が付された中央の分割体と左右の分割体が連結された状態の組合せ式マスクの表面側を示す正面図。
【
図3】(a)は左右2つの分割体が分離した状態の組合せ式マスクの表面側を示す正面図、(b)は左右2つの分割体が連結された状態の組合せ式マスクの表面側を示す正面図。
【
図4】開口部として形成された右係止部と左係止部を備える組合せ式マスクの表面側を示す正面図。
【
図5】ガーゼが配置可能な組合せ式マスクの裏面側を示す背面図。
【
図6】分割体に覆体が設けられた組合せ式マスクの表面側を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本願発明の組合せ式マスクの実施の例を、図に基づいて説明する。なおマスクは、用途に応じて家庭用マスクと医療用マスク、産業用マスクに大別され、また家庭用マスクは、素材に応じてガーゼタイプと不織布タイプに大別され、さらに形状に応じて平型マスクとプリーツ型マスク、立体型マスクに大別されるが、本願発明の組合せ式マスクはこれらいずれの種類のマスクでも実施することができる。
【0019】
本願発明の組合せ式マスクは、2以上の分割体で構成され、そしてこれら分割体がスライドファスナー(ジッパー、チャックと呼ばれることもある)によって連結されることを一つの特徴としている。スライドファスナーは、向かい合った2列の務歯(エレメント)とスライダーによって構成され、スライダーを順方向に移動すると2列の務歯が連結され、スライダーを逆方向に移動すると2列の務歯は分離される構造である。なお本願発明の組合せ式マスクは、務歯が金属製の金属ファスナーや、務歯が樹脂製の樹脂ファスナーなど、種々のスライドファスナーを用いることができる。
【0020】
図1は、着色された分割体200を備えた本願発明の組合せ式マスク100の表面側を示す正面図であり、(a)は分割体200が分離した状態、(b)は分割体200が連結された状態を示している。なお便宜上ここでは、着用したときに他者から見える側(つまり外側)のことを「表面側」、着用したときに口や鼻に接する側(つまり内側)のことを「裏面側」ということとする。
【0021】
図1に示す組合せ式マスク100は、3つの分割体200、すなわち中央分割体210と右分割体220、左分割体230によって構成されている。このうち中央分割体210は、人が着用したときに口と鼻を覆う部分であり、面状の中央本体部211と務歯310を備えたものである。務歯310は、概ね上下に延びるように配置され、中央本体部211の右側端部と左側端部にそれぞれ取り付けられている。なお中央本体部211は、口や鼻の形状に合わせて自在に変形するように、伸縮性の高い素材を利用するとよい。また、従来のマスク同様、中央分割体210の中央付近に折り目を入れることも、上部にノーズフィットを設けることもできる。
【0022】
右分割体220は、面状の右本体部221と右係止部222、務歯310を備えたものである。務歯310は、概ね上下に延びるように配置され、右本体部221の中央側端部(図では右側端部)に取り付けられる。また右係止部222は、右本体部221の一部をくり抜いて形成される挿通孔であって、人の右耳に掛けるために利用される。なお右本体部221は、右耳の形状に合わせて自在に変形するように、伸縮性の高い素材を利用するとよい。
【0023】
左分割体230は、面状の左本体部231と左係止部232、務歯310を備えたものである。務歯310は、概ね上下に延びるように配置され、左本体部231の中央側端部(図では左側端部)に取り付けられる。また左係止部232は、左本体部231の一部をくり抜いて形成される挿通孔であって、人の左耳に掛けるために利用される。なお左本体部231は、左耳の形状に合わせて自在に変形するように、伸縮性の高い素材を利用するとよい。
【0024】
図1では便宜上グレースケールで示しているが、右本体部221と左本体部231はそれぞれ着色されている。例えば、右本体部221を青色とし、左本体部231を赤色とするなど、それぞれ異なる色で着色することもできるし、右本体部221、左本体部231ともに緑色とするなど同じ色で着色することもできる。もちろん中央分割体210にも、種々の色で着色することができる。
【0025】
図1(b)では、中央分割体210と右分割体220がスライドファスナー300によって連結されるとともに、中央分割体210と左分割体230がスライドファスナー300によって連結されている。より詳しくは、中央分割体210の務歯310と右分割体220の務歯310を接近させたうえでスライダー320を順方向(図では上方)に移動することによって中央分割体210と右分割体220が連結され、同じく中央分割体210の務歯310と左分割体230の務歯310を接近させたうえでスライダー320を順方向に移動することによって中央分割体210と左分割体230が連結されている。これにより
図1(b)に示す組合せ式マスク100は、人が着用できる状態となっている。なお
図1では、中央分割体210の右分割体220側の務歯310と、左分割体230の務歯310に、それぞれスライダー320が取り付けられているが、スライダー320は向かい合った務歯310のうちどちらか一方の務歯310に取り付ければよい。
【0026】
また
図1(b)に示す状態から、中央分割体210と右分割体220を連結するスライドファスナー300のスライダー320を逆方向(図では下方)に移動することによって中央分割体210と右分割体220が分離され、同じく中央分割体210と左分割体230を連結するスライドファスナー300のスライダー320を逆方向に移動することによって中央分割体210と左分割体230が分離され、
図1(a)の状態となる。
【0027】
図2は、図形が付された中央分割体210を備えた本願発明の組合せ式マスク100の表面側を示す正面図であり、(a)は分割体200が分離した状態、(b)は分割体200が連結された状態を示している。この図に示す組合せ式マスク100も、
図1と同様、中央分割体210と右分割体220、左分割体230によって構成されている。これら中央分割体210と右分割体220、左分割体230は、それぞれ同じ色(例えば黄色)で着色されており、中央分割体210には「笑顔を印象付ける口」の図形が付されている。もちろん
図2に示す図形に限らず様々な図形を付することができ、中央分割体210に加えて(あるいは代えて)右分割体220や左分割体230に図形を付すこともできる。
【0028】
分割体200には、図形のほか、模様や画像、文字など、あるいはこれらを組合せたものを付すこともできる。また、
図2に示す中央分割体210と、
図1に示す右分割体220や左分割体230を組み合わせて組合せ式マスク100を形成するもことできるし、
図1に示す中央分割体210と、
図2に示す右分割体220や左分割体230を組み合わせて組合せ式マスク100を形成することもできる。このように組合せ式マスク100は、種々の分割体200を自由に組合せることができることから、多様なバリエーションの組合せ式マスク100を形成することができ、ユーザの個性を表した、他人とは相違する(いわば被らない)マスクを着用することができるわけである。
【0029】
図3は、左右2つの分割体200で構成される本願発明の組合せ式マスク100の表面側を示す正面図であり、(a)は分割体200が分離した状態、(b)は分割体200が連結された状態を示している。この図に示す組合せ式マスク100は、右分割体220と左分割体230によって構成されている。
【0030】
図3では便宜上グレースケールで示しているが、右分割体220の右本体部221はその中央側(図では右側)半分が白色、右係止部222周辺が青色で着色されており、また左分割体230の左本体部231はその中央側(図では左側)半分が白色、左係止部232周辺が赤色で着色されている。もちろん右本体部221、左本体部231ともに緑色とするなど同じ色で着色することもできるし、全体的に着色することも、あるいは図形や模様、画像、文字などを付すこともできる。
【0031】
図3(b)では、右分割体220と左分割体230がスライドファスナー300によって連結されている。より詳しくは、右分割体220の務歯310と左分割体230の務歯310を接近させたうえでスライダー320を順方向(図では上方)に移動することによって右分割体220と左分割体230が連結されている。これにより
図3(b)に示す組合せ式マスク100は、人が着用できる状態となっている。なお
図3では、左分割体230の務歯310にスライダー320が取り付けられているが、これに代えて右分割体220の務歯310にスライダー320を取り付けてもよい。
【0032】
また
図3(b)に示す状態から、右分割体220と左分割体230を連結するスライドファスナー300のスライダー320を逆方向(図では下方)に移動することによって右分割体220と左分割体230が分離され、
図3(a)の状態となる。
【0033】
図1〜
図3に示す右分割体220の右係止部222と左分割体230の左係止部232は、いずれも右本体部221や左本体部231の一部を略円形にくり抜いて形成されるものであるが、これに限らず右係止部222と左係止部232は、
図4に示すように比較的大きな開口部として形成することもできる。この場合、右本体部221と左本体部231は、帯状の部材で右係止部222や左係止部232の周り囲む枠状(あるいは環状)として形成するとよい。
【0034】
本願発明の組合せ式マスク100は、口や鼻の前面(表面)にガーゼを配置し得る構造のものとすることもできる。
図5は、ガーゼが配置可能な組合せ式マスク100の裏面側を示す背面図である。この図に示すように、口や鼻の前面にガーゼを配置する場合、右分割体220の裏面側に右収容部223を設け、左分割体230の裏面側に左収容部233を設けるとよい。右収容部223と左収容部233は、いわばポケットのような収容空間を有しており、ガーゼの一部(例えば右端)を右収容部223収容するとともに、ガーゼの一部(例えば左端)を左収容部233収容することによって、組合せ式マスク100の裏面側にガーゼを装着することができる。これにより、ガーゼを容易に装着することができるとともに、その交換も容易であり、常に新鮮なガーゼで口や鼻を保護することができるわけである。
【0035】
また本願発明の組合せ式マスク100は、スライドファスナー300を隠し得る構造のものとすることもできる。
図6は、分割体200に覆体400が設けられた組合せ式マスク100の表面側を示す正面図である。この図に示すように、スライドファスナー300を隠したい(見せたくない)場合、中央分割体210の表面側に覆体400を取り付けるとよい。この覆体400は、細幅の面状(つまり帯状)の部材であり、そのうち上下に延びる一端(一辺)のみが中央分割体210に固定されている。したがって覆体400は、この固定された一端を回転軸(
図6)として回転可能であり、すなわち扉のように覆体400を開閉することができる。例えば、
図6の右側に示す覆体400は、回転する(いわば閉扉する)ことによってスライドファスナー300を覆い隠しており、
図6の左側に示す覆体400は、回転する(いわば開扉する)ことによってスライドファスナー300を表出させている。このように覆体400を設けることによってスライドファスナー300を隠すことができ、より美観に優れた組合せ式マスク100とすることができる。なお、
図6では、中央分割体210の表面側に覆体400を取り付けているが、これに限らず右分割体220や左分割体230の表面側に覆体400を取り付けることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本願発明の組合せ式マスクは、家庭用マスクや医療用マスク、産業用マスクといったマスクに利用することができる。本願発明は、ユーザの個性を示すことができ、あるいはファッションとしてのマスクを楽しむことができることから、マスクの着用が促進され、ひいては社会的な衛生環境も向上することを考えれば、産業上利用できるばかりでなく社会的にも大きな貢献が期待できる発明といえる。
【符号の説明】
【0037】
100 本願発明の組合せ式マスク
200 (組合せ式マスクの)分割体
210 (分割体である)中央分割体
211 (中央分割体の)中央本体部
220 (分割体である)右分割体
221 (右分割体の)右本体部
222 (右分割体の)右係止部
223 (右分割体の)右収容部
230 (分割体である)左分割体
231 (左分割体の)左本体部
232 (左分割体の)左係止部
233 (左分割体の)左収容部
300 (組合せ式マスクの)スライドファスナー
310 (スライドファスナーの)務歯
320 (スライドファスナーの)スライダー
400 (組合せ式マスクの)覆体
【要約】
【課題】本願発明の課題は、従来が抱える問題を解決することであり、すなわち多様な組合せによってバリエーション豊かなデザインのマスクを得ることができる組合せ式マスクを提供することである。
【解決手段】本願発明の組合せ式マスクは、2以上の分割体からなるマスクである。この分割体には、それぞれスライドファスナーの務歯が設けられており、分割体どうしはスライドファスナーによって連結可能であって分離可能である。したがって、2以上の分割体からなる組合せを変更することで、様々なデザインのマスクを形成することができる。
【選択図】
図1