(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記検出部保持部材は、記録媒体の搬送方向におけるプラテンの上流側から下流側にかけて延在させられる請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタ。
前記各検出部のうちの、記録媒体の搬送方向における上流側に配設された検出部は、プラテン及び該プラテンより上流側に配設された媒体案内部と対向させられる請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタ。
前記各検出部のうちの、記録媒体の搬送方向における下流側に配設された検出部は、プラテン及び該プラテンより下流側に配設された媒体案内部と対向させられる請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタ。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画像形成装置としてのインクジェットプリンタについて説明する。
【0020】
図2は本発明の第1の実施の形態におけるインクジェットプリンタの要部を示す斜視図である。
【0021】
図において、10はインクジェットプリンタ、Frは該インクジェットプリンタ10のフレームである。
【0022】
該フレームFrは、インクジェットプリンタ10を前側(図において手前側)から見たときの左端から右端にかけて延在させて配設された受け板PB、該受け板PBの左端から立ち上げて形成された第1の主フレームとしてのサイドプレートPL1、受け板PBの右端から立ち上げて形成された第2の主フレームとしてのサイドプレートPR1、前記サイドプレートPL1より所定の距離だけ右方において受け板PBから立ち上げて形成された第1の副フレームとしての枠体PL2、前記サイドプレートPR1より所定の距離だけ左方において受け板PBから立ち上げて形成された第2の副フレームとしての枠体PR2、並びに各サイドプレートPL1、PR1及び枠体PL2、PR2の各上端を連結する上板PTを備える。
【0023】
前記インクジェットプリンタ10において、サイドプレートPL1、PR1間にレール15が配設(架設)され、該レール15に沿ってキャリッジ17が左右方向、すなわち、主走査方向に移動自在に配設される。そのために、前記サイドプレートPR1に駆動側のプーリ18が、サイドプレートPL1に従動側のプーリ19が回転自在に配設され、駆動側のプーリ18と従動側のプーリ19とによって無端ベルト21が走行自在に張設され、該無端ベルト21の所定の箇所に前記キャリッジ17が取り付けられる。該キャリッジ17内には、一つ又は複数の、本実施の形態においては、カラーの画像を形成することができるように、図示されない複数の記録ヘッドがノズル面を下方に向けて配設される。また、駆動側のプーリ18に近接させてキャリッジ走行用の駆動部としてのキャリッジモータ24が配設される。
【0024】
前記レール15に沿って、かつ、レール15と平行に延在させてリニアスケール23が配設され、該リニアスケール23の目盛りが、キャリッジ17に配設された図示されないエンコーダによって読み取られ、該エンコーダのセンサ出力に基づいてキャリッジ17の位置が検出される。また、キャリッジ17の位置の変化及び時間に基づいてキャリッジ17の移動速度が算出される。
【0025】
したがって、前記キャリッジモータ24を駆動することによって前記駆動側のプーリ18を回転させ、無端ベルト21を走行させると、キャリッジ17を主走査方向に移動させ、各記録ヘッドを主走査方向に移動させることができる。このとき、キャリッジ17の移動に伴って各記録ヘッドから各色のインク滴が記録媒体Pに向けて吐出され、記録媒体Pに付着させられることによって、記録媒体Pに文字、イメージ等の画像が形成される。なお、本実施の形態においては、記録媒体Pとして、用紙のほかに、塩化ビニル、PET等の樹脂製のフィルム等を使用することができる。
【0026】
このようにして、記録ヘッドによる記録が行われ、印刷が行われる。
【0027】
また、前記レール15に沿って、かつ、レール15と平行に、すなわち、主走査方向に延在させて、プレート状の形状を有するプラテン25が配設される。該プラテン25は、前記受け板PB上における枠体PL2、PR2間に延在させて配設され、プラテン25上を搬送される記録媒体Pを支持する。
【0028】
そして、前記プラテン25の下方に、記録媒体Pを負圧によってプラテン25に引き寄せるための図示されない空気吸引装置が配設される。該空気吸引装置は、プラテン25の下方の全域に形成され、吸引室、吸引用のファン等から成る。前記プラテン25には複数の孔が形成され、吸引用のファンによって前記各孔を介してプラテン25上の空気が吸引され、これにより、記録媒体Pはプラテン25によって平坦に支持される。
【0029】
また、前記プラテン25より後方に、第1の媒体案内部としての図示されないリヤペーパガイドが配設され、該リヤペーパガイドは、図示されない繰出しロールから繰り出された記録媒体Pを前記プラテン25に向けて案内する。そのために、前記リヤペーパガイドとプラテン25との間に、搬送部材としての搬送ローラ対30が回転自在に配設される。
【0030】
該搬送ローラ対30は、プラテン25に隣接させて、インクジェットプリンタ10の走査方向に延在させて回転自在に配設された第1のローラとしての搬送ローラ31、及び該搬送ローラ31より上方において、所定のピッチで複数箇所に回転自在に配設され、記録媒体Pを搬送ローラ31に押し付ける第2のローラとしてのピンチローラ32から成る。搬送用の駆動部としての図示されない搬送モータを駆動し、搬送ローラ31を回転させると、ピンチローラ32が連れ回りで回転させられる。
【0031】
これにより、記録媒体Pは、搬送ローラ31とピンチローラ32とによって挟まれた状態で繰出しロールから繰り出され、リヤペーパガイド上をプラテン25に向けて送られる。そして、プラテン25上を搬送されている間に、記録媒体Pと記録ヘッドのノズル面とが対向させられ、記録ヘッドからインク滴が吐出され、記録媒体Pに付着させられる。
【0032】
この場合、前記搬送モータを駆動して記録媒体Pを所定の距離搬送した後、搬送モータを停止させ、その状態でキャリッジ17を移動させ、記録ヘッドからインク滴を吐出することによって、1走査が行われ、1ライン分の画像が形成される。1走査が終了すると、前記搬送モータを再び駆動して記録媒体Pを所定の距離搬送した後、搬送モータを停止させ、その状態でキャリッジ17を移動させ、記録ヘッドからインク滴を吐出することによって、1走査が行われ、1ライン分の画像が形成される。この動作を繰り返すことによって、記録媒体Pに画像が形成され、印刷が行われる。
【0033】
なお、本実施の形態においては、シングルパス方式によって印刷が行われるようになっているが、マルチパス方式によって印刷を行う場合は、前記記録媒体Pを搬送する距離が記録ヘッドのノズル列より短くされ、複数の走査を行うことによって1ライン分の画像が形成される。
【0034】
そして、前記プラテン25より前方に、印刷が行われた後の記録媒体Pを案内し、排出するための第2の媒体案内部としてのフロントペーパガイド33が配設される。該フロントペーパガイド33は、前記プラテン25から水平方向に排出された記録媒体Pを下方に向けて案内するために、湾曲した形状を有する。
【0035】
したがって、記録媒体Pは、リヤペーパガイドによって案内されてプラテン25に送られ、プラテン25上において、記録ヘッドから吐出されたインク滴が付着させられて印刷が行われ、印刷が行われた後、フロントペーパガイド33によって案内され、フレームFrに配設された図示されない巻取装置に送られて、巻き取られる。
【0036】
なお、前記リヤペーパガイド、プラテン25及びフロントペーパガイド33には加熱部材としての図示されないヒータが埋設され、記録媒体Pが、リヤペーパガイドにおいて予熱され、プラテン25及びフロントペーパガイド33において加熱され、これにより、記録媒体Pに付着したインク滴が乾燥するのが促進される。
【0037】
また、枠体PR2とサイドプレートPR1との間には、記録ヘッドのノズルを良好な状態に保持するために、各記録ヘッドのノズル面を払拭する第1のメンテナンス装置としてのワイプユニット41が、サイドプレートPL1と枠体PL2との間には、ノズルの乾燥を防止するとともに、ノズル内で粘度が高くなったインクを吸引する吸引機構等から成る第2のメンテナンス装置としてのキャップユニット42が配設される。
【0038】
ところで、プラテン25によって支持された記録媒体Pに皺が生じる等の異常が発生することがあり、その場合、異常が発生した記録媒体Pが記録ヘッドに当たると、記録ヘッドが破損したり、記録媒体Pにジャムが発生したりしてしまう。
【0039】
そこで、本実施の形態においては、記録媒体Pの異常を複数のセンサによって検出するようにしている。
【0040】
図1は本発明の第1の実施の形態における記録媒体検出ユニットの斜視図、
図3は本発明の第1の実施の形態におけるキャリッジの斜視図、
図4は本発明の第1の実施の形態におけるセンサユニットの斜視図である。
【0041】
図において、17はキャリッジ、45は該キャリッジ17のカバーであり、該カバー45内に前記記録ヘッドが配設される。前記カバー45は、頂壁Ht、前壁Hf、頂壁Htと前壁Hfとの間に形成された傾斜壁Hv、背壁Hr、サイドプレートPL1(
図2)側の側壁Hs1及びサイドプレートPR1側の側壁Hs2を備える。
【0042】
そして、前記キャリッジ17の所定の箇所、本実施の形態においては、側壁Hs1、Hs2の下端部に、記録媒体Pと接触すると、検出信号SGを発生させる記録媒体検出ユニットU1が配設される。
【0043】
該記録媒体検出ユニットU1は、取付基部としての取付ブロック46、センサユニットQ1及び固定部材としての固定プレート49を備え、前記センサユニットQ1は、取付ブロック46と固定プレート49との間に挟まれ、固定プレート49を固定要素としての複数のねじbtによって取付ブロック46に固定することにより、キャリッジ17に取り付けられる。
【0044】
前記取付ブロック46は、固定要素としての図示されないねじ、溶着等によって側壁Hs1、Hs2の下端部に固定される。
【0045】
また、前記センサユニットQ1は、記録媒体Pの搬送方向において互いに隣接させて配設された複数の、本実施の形態においては、三つの検出部としてのセンサSj(j=1、2、3)、及び該各センサSjと一体に形成され、各センサSjを保持する検出部保持部材としての検出板48を備える。
【0046】
前記各センサSjは、矩形の形状を有する検出素子としての図示されない圧電素子から成り、上縁eh1、下縁eh2及び左右の側縁eh3、eh4を備え、変形させられることによって発電し、検出信号SGを発生させる。
【0047】
前記各センサSjにおける上縁eh1の近傍には、検出信号SGを出力する端子t1、t2が形成され、該端子t1、t2にそれぞれリード線51、52が接続される。
【0048】
また、前記検出板48は、矩形の形状を有する板状体から成り、上縁eg1、下縁eg2及び左右の側縁eg3、eg4を備え、左右方向における3箇所に矩形の形状を有する孔としてのポケットpkが形成され、該ポケットpk内に前記センサSjが嵌入される。
【0049】
そして、前記検出板48の下縁eg2は、各センサSjの下方において、センサSjごとに区分されることなく、連続して延在させられる。
【0050】
また、前記検出板48は、インクに対して耐性を有し、絶縁性、加工性、耐久性等の高い可撓性材料、本実施の形態においては、PET樹脂から成り、外力を受けて変形し、センサSjを変形させる。なお、検出板48の幅、すなわち、側縁eg3、eg4間の距離は、キャリッジ17の幅、すなわち、前壁Hfと背壁Hrとの間の距離と等しくされる。したがって、検出板48は、記録媒体Pの搬送方向におけるプラテン25の上流側から下流側にかけて延在させられる。
【0051】
前記各センサSjは、上縁eh1が検出板48の上縁eg1と重なるように、下縁eh2が検出板48の下縁eg2よりわずかに上方に位置するように、かつ、各センサSj間の距離を等しくして、検出板48に一体的に取り付けられる。
【0052】
また、前記固定プレート49は、矩形の形状を有する板状体から成り、上縁ek1、下縁ek2及び左右の側縁ek3、ek4を備え、上縁ek1の左右方向(記録媒体Pの搬送方向)における複数箇所、本実施の形態においては、3箇所に、矩形の形状を有する切欠nck(k=1、2、3)が形成される。
【0053】
そして、固定プレート49は、例えば、絶縁性、加工性、耐久性等の高い樹脂材料から成り、ねじbtによって取付ブロック46に固定されることによって、検出板48の所定の部分を覆い、検出板48を保護するとともに、検出板48及びセンサSjを、取付ブロック46に対して、すなわち、キャリッジ17に対して位置決めする。
【0054】
そのために、前記検出板48の所定の位置、本実施の形態においては、検出板48の高さ方向における中央の近傍に、ねじbtを貫通させるための複数の孔h1が形成される。該各孔h1は、検出板48における各センサSjの側縁eh3側及び側縁eh4側に二つずつ互いに隣接させて形成され、固定プレート49及び検出板48は、記録媒体Pの搬送方向における4箇所において、ねじbtによって取付ブロック46に取り付けられる。
【0055】
これにより、検出板48は、下縁eg2が記録ヘッドのノズル面と同じ高さに位置するように取付ブロック46に固定される。また、前記固定プレート49は、前記切欠nckに各センサSjの上端の近傍及び端子t1、t2を臨ませ、下縁ek2が検出板48の下縁eg2及び各センサSjの下縁eh2より所定の距離だけ上方に位置するように、ねじbtによって、検出板48と重ねられて取付ブロック46に固定される。
【0056】
このとき、前記固定プレート49は、各センサSjを覆って配設されるので、固定プレート49を取付ブロック46に固定することによって、各センサSjが等しい圧力で取付ブロック46に押し付けられる。したがって、各センサSjの検出信号SGにばらつきが生じるのを抑制することができるので、図示されない制御部は、記録媒体Pが検出板48に接触したかどうかを精度良く判断することができる。
【0057】
なお、各センサSjにおける固定プレート49によって覆われる部分は、固定プレート49によって押されるので、変形することはない。
【0058】
また、各切欠nckにおける端子t1、t2のうちの一方の側の縁から保護部材としての切起し55が形成され、該各切起し55によって、リード線51、52のうちの一方が覆われ、保護される。前記切起し55が、リード線51、52の周辺においてセンサSjを固定プレート49に押し付けるので、各センサSjの上端の近傍が変形することはない。
【0059】
すなわち、検出板48における固定プレート49によって覆われる部分は無用に変形することがなく、検出板48及び各センサSjの、固定プレート49の下縁ek2より下方の部分だけが変形する。したがって、各センサSjは検出信号SGを安定させて発生させることができる。
【0060】
また、検出板48は、キャリッジ17に直接取り付けられず、取付ブロック46を介して取り付けられるので、検出板48と側壁Hs1、Hs2との間に所定の隙間が形成される。したがって、記録媒体Pが検出板48に接触したときに、検出板48は、側壁Hs1、Hs2と干渉することなく変形するので、各センサSjは精度良く検出信号SGを発生させることができる。
【0061】
前記構成のインクジェットプリンタ10において、前記キャリッジ17を移動させ、記録ヘッドからインク滴を記録媒体Pに向けて吐出しているときに、記録媒体Pに皺が生じる等の異常が発生し、異常が発生した記録媒体Pが検出板48に接触すると、検出板48が変形し、それに伴って、センサSjのうちの一つ以上のセンサが変形し、検出信号SGが発生させられ、該検出信号SGがリード線51を介して制御部に送られる。該制御部は、検出信号SGが送られたかどうかによって、記録媒体Pに異常が発生したかどうかを判断する。
【0062】
そして、制御部は、記録媒体Pに異常が発生したと判断すると、キャリッジモータ24を停止させ、キャリッジ17を停止させる。
【0063】
この場合、前記検出板48は、各センサSjの下方において、センサSjごとに区分されることなく連続して延在させられ、各センサSjを覆って配設されるので、記録媒体Pが、記録媒体Pの搬送方向における検出板48のいずれの部分に接触しても、検出板48に加わった応力を検出板48の全体で受けることができる。したがって、検出板48の強度が高くなり、変形したり、折れたりすることがなくなり、耐久性が向上するので、検出板48の変形にばらつきが生じることがなく、各センサSjは安定して検出信号SGを発生させることができる。
【0064】
また、検出板48は、連続して延在させられるので、記録媒体Pが接触すると、わずかな時間、変形した後、検出板48の全体が有する弾性によって弾けるように元の形状に戻る。その結果、各センサSjの変形の加速度が高くなるので、各センサSjにおいて十分な出力の検出信号SGを発生させることができ、各センサSjによって記録媒体Pを確実に検出することができる。
【0065】
そして、前記センサSjのうちの、記録媒体Pの搬送方向における最も上流側に配設されたセンサS1が、プラテン25及び該プラテン25より上流側に配設されたリヤペーパガイドと対向させられる。したがって、記録媒体Pに皺、歪み等が生じた場合に、記録媒体Pがプラテン25に到達する前に、記録媒体Pの異常を検出することができる。
【0066】
また、前記センサSjのうちの、記録媒体Pの搬送方向における最も下流側に配設されたセンサS3が、プラテン25及び該プラテン25より下流側に配設されたフロントペーパガイド33と対向させられる。前記吸引用のファンによって、プラテン25に形成された複数の孔を介して空気が吸引され、プラテン25上の記録媒体Pは平坦に支持されるが、フロントペーパガイド33上においては、空気が吸引されず、記録媒体Pがめくれてしまうことがある。その場合、前記センサS3によって、プラテン25を通過した直後の記録媒体Pの異常を検出することができる。
【0067】
本実施の形態においては、プラテン25より上流側に配設されたリヤペーパガイドと対向させてセンサS1が、プラテン25より下流側に配設されたフロントペーパガイド33と対向させてセンサS3が配設されるようになっているが、必ずしもリヤペーパガイド及びフロントペーパガイド33と対向する位置にセンサS1、S3を配設する必要はない。
【0068】
例えば、検出板48の長さをプラテン25の上流側の端部から下流側の端部までの距離と等しくし、プラテン25の上流側の端部と対向させてセンサS1を、プラテン25の下流側の端部と対向させてセンサS3を配設することによって、例えば、プラテン25上の記録媒体Pに発生する浮き等の異常を検出することができる。
【0069】
また、検出板48の長さをプラテン25の上流側の端部と下流側の端部までの距離より長くし、プラテン25の端部よりわずかに上流側の位置と対向させてセンサS1を、プラテン25の端部よりわずかに下流側の位置と対向させてセンサS3を配設することによって、記録媒体Pに発生する異常の検出範囲を広くし、記録媒体Pがプラテン25に到達する直前及び到達した直後の記録媒体Pの異常を検出することができる。
【0070】
なお、キャリッジ17がサイドプレートPR1側からサイドプレートPL1側に移動している場合、側壁Hs1に取り付けられた記録媒体検出ユニットU1において、センサSjによって記録媒体Pが検出され、キャリッジ17がサイドプレートPL1側からサイドプレートPR1側に移動している場合、側壁Hs2に取り付けられた記録媒体検出ユニットU1において、センサSjによって記録媒体Pが検出されるので、キャリッジ17の往路及び復路で記録媒体Pを検出することができる。
【0071】
このように、本実施の形態においては、記録媒体Pの搬送方向において互いに隣接させてセンサSjが配設され、各センサSjと一体に検出板48が形成され、検出板48の下縁eg2が、各センサSjの下方において連続して延在させられるので、記録媒体Pが、記録媒体Pの搬送方向における検出板48のいずれの部分に接触しても、検出板48に加わった応力を検出板48の全体で受けることができる。したがって、検出板48の強度が高くなり、耐久性が向上するので、検出板48の変形にばらつきが生じることがなく、各センサSjによって確実に検出信号SGを発生させることができる。
【0072】
その結果、記録媒体Pに皺が生じる等の異常が発生した場合に、インクジェットプリンタ10において、記録媒体Pの異常を確実に検出することができる。
【0073】
本実施の形態においては、検出板48に三つのセンサS1〜S3が配設されるので、いずれかのセンサに異常が発生しても、少なくとも一つのセンサが正常であれば、記録媒体Pの検出感度は多少低下するが、記録媒体Pの異常を検出することができる。
【0074】
また、検出板48は、下縁eg2とプラテン25とが平行になるように取付ブロック46に取り付けられるので、検出板48のいずれの部分においても、下縁eg2とプラテン25との間の距離が等しくなる。したがって、記録媒体Pが検出板48のいずれの部分に接触しても、各センサSjは、検出信号SGを安定させて発生させることができるので、記録媒体Pを確実に検出することができる。
【0075】
さらに、本実施の形態においては、検出板48の側縁eg3、eg4間の距離が、キャリッジ17の前壁Hfと背壁Hrとの間の距離と等しくされ、検出板48が側壁Hs1、Hs2の全体にわたって配設されるので、記録媒体Pに皺、歪み等が生じた場合に、各センサSjによって記録媒体Pの異常を迅速に検出することができる。
【0076】
また、検出板48は、左右対称に形成されるので、表裏のいずれの側でも側壁Hs1、Hs2と対向させて配設することができる。
【0077】
次に、検出板48に二つのセンサを配設するようにした本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0078】
図5は本発明の第2の実施の形態におけるセンサユニットの斜視図である。
【0079】
図において、Q11はセンサユニット、Sj’(j’=11、12)は検出部としてのセンサ、148は各センサSj’を保持する検出部保持部材としての検出板である。
【0080】
該検出板148は、上縁eg11、下縁eg12及び左右の側縁eg13、eg14を備えた矩形の形状を有する板状体から成り、PET樹脂によって形成される。
【0081】
また、前記各センサSj’は、上縁eh11、下縁eh12及び左右の側縁eh13、eh14を備えた矩形の形状を有する検出素子としての圧電素子から成り、変形することによって発電し、検出信号SGを発生させる。
【0082】
センサS11は検出板148の側縁eg13の近傍に、センサS12は検出板148の側縁eg14の近傍に配設され、検出板148の中央において上縁eg11が切り欠かれ、矩形の形状を有する凹部151が形成される。
【0083】
また、検出板148には、高さ方向における中央の近傍に、固定要素としてのねじbt(
図1)を貫通させるための複数の孔h11が形成される。該孔11は、各センサSj’の側縁eh13側に二つ、側縁eh14側(凹部151の中央)に二つ形成されるので、固定部材としての固定プレート49及び検出板148は、記録媒体Pの搬送方向における3箇所においてねじbtによって取付基部としての取付ブロック46に取り付けられる。
【0084】
この場合、前記センサSj’のうちの、記録媒体Pの搬送方向における上流側に配設されたセンサS11が、プラテン25及び該プラテン25より上流側に配設された第1の媒体案内部としてのリヤペーパガイドと対向させられる。したがって、記録媒体Pがプラテン25に到達する前に、記録媒体Pの異常を検出することができる。
【0085】
また、前記センサSj’のうちの、記録媒体Pの搬送方向における下流側に配設されたセンサS13が、プラテン25及び該プラテン25より下流側に配設された第2の媒体案内部材としてのフロントペーパガイド33(
図2)と対向させられる。したがって、プラテン25を通過した直後の記録媒体Pの異常を検出することができる。
【0086】
本実施の形態においては、プラテン25より上流側に配設されたリヤペーパガイドと対向させてセンサS11が、プラテン25より下流側に配設されたフロントペーパガイド33と対向させてセンサS13が配設されるようになっているが、必ずしもリヤペーパガイド及びフロントペーパガイド33と対向する位置にセンサS11、S13を配設する必要はない。
【0087】
例えば、検出板48の長さをプラテン25の上流側の端部から下流側の端部までの距離と等しくし、プラテン25の上流側の端部と対向させてセンサS11を、プラテン25の下流側の端部と対向させてセンサS13を配設することによって、例えば、プラテン25上の記録媒体Pに発生する浮き等の異常を検出することができる。
【0088】
また、検出板48の長さをプラテン25の上流側の端部と下流側の端部までの距離より長くし、プラテン25の端部よりわずかに上流側の位置と対向させてセンサS11を、プラテン25の端部よりわずかに下流側の位置と対向させてセンサS13を配設することによって、記録媒体Pに発生する異常の検出範囲を広くし、記録媒体Pがプラテン25に到達する直前及び到達した直後の記録媒体Pの異常を検出することができる。
【0089】
このように、本実施の形態においては、センサSj’が、検出板148の左右方向(記録媒体Pの搬送方向)における2箇所に配設され、検出板148と一体にされるので、各センサSj’によって十分に検出信号SGを発生させることができる。
【0090】
前記各実施の形態においては、検出板48、148が、下縁eg2、eg12が記録ヘッドのノズル面と同じ高さに位置するようにキャリッジ17に取り付けられるようになっているが、検出板48、148を、下縁eg2、eg12が記録ヘッドのノズル面よりわずかに下方に位置するようにキャリッジ17に取り付けることができる。その場合、記録媒体Pが検出板48、148に接触するのを確実に防止することができる。
【0091】
また、前記各実施の形態においては、検出板48、148の側縁eg3、eg4、eg13、eg14間の距離が、キャリッジ17の前壁Hfと背壁Hrとの間の距離と等しくされるようになっているが、検出板48、148の側縁eg3、eg4、eg13、eg14間の距離を、記録ヘッドの長手方向における寸法(背壁Hr側の端部と前壁Hf側の端部との間の距離)より長くし、検出板48、148を記録ヘッドの全体にわたって配設することができる。
【0092】
そして、前記各実施の形態においては、各センサSj、Sj’が、検出板48、148に形成された孔としてのポケットpk内に嵌入されるようになっているが、各センサSj、Sj’を、両面テープ、接着剤等の固定部材によって検出板48、148に取り付けることができる。さらに、各センサSj、Sj’を2枚の板状の検出板によって挟むことができる。
【0093】
前記各実施の形態においては、インクジェットプリンタ10について説明したが、本発明を複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置に適用することができる。
【0094】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。