(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2のフランジが、該フランジの外縁の周囲に延びる冷却管であって、冷却流体流を受け取るように構成された通路を有する冷却管を備えたことを特徴とする、請求項1〜4いずれか1項記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0028】
ここで、本開示の例示的な実施の形態を示す添付図面を参照して、装置及び方法について、以下更に詳細に説明する。同一又は同様の部品には、可能な限り、同じ参照番号を用いている。しかし、本開示は多くの異なる形態で具体化することができ、本明細書に記載の実施の形態に限定されると解釈されるものではない。
【0029】
本明細書において、範囲は「約」1つの特定の値から、及び/又は「約」別の特定の値までと表現することができる。かかる範囲が示された場合、別の実施の形態は、1つの特定の値から、及び/又は別の特定の値まで含んでいる。同様に、先行する「約」を使用することによって、値が近似値として表現されている場合、特定の値が別の実施形態を形成することが理解されるであろう。更に、範囲の各々の終点は、他方の終点に関連して、及び他方の終点とは無関係に、有意であることが理解されるであろう。
【0030】
本明細書において、例えば、上方、下方、右、左、前方、後方、最上部、底部等の方向を示す用語は、描かれている図を参照した場合のみの方向であって、絶対的な方向を意味するものではない。
【0031】
特に明記しない限り、本明細書に記載の方法は、そのステップを特定の順序で実行する必要があると解釈されることを意図するものでは全くなく、又如何なる装置も特定の配向が要求されると解釈されることを意図するものでは全くない。従って、方法クレームが実際にそのステップが従うべき命令を記述していない場合、又は任意の装置クレームが実際に個々の構成要素に関する順序又は方向を記述していない場合、あるいは請求項又は明細書において、ステップが特定の順序に限定されると記述されていない場合、又は装置の構成要素に関する特定の順序又は配向が記述されていない場合、いかなる点においても、順序又は方向が推測されることを意図するものでは全くない。これは、ステップの配列又は動作フロー、構成要素の順序、又は構成要素の配向に関する論理上の問題、文法的な構成又は句読点から得られる明白な意味、本明細書に記載の実施の形態の数又は種類を含む、あらゆる可能な明示されていない根拠による解釈にも当てはまる。
【0032】
本明細書において、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上明らかに別の意味に解釈されない限り、複数の指示対象を含む。従って、例えば、「a」component(構成要素)と言った場合、文脈上明らかに別の意味に解釈されない限り、かかる構成要素を2つ以上有する態様を含む。
【0033】
図1に示すのは、例示的なガラス製造装置10である。一部の例において、ガラス製造装置10は、溶融容器14を有することができる、ガラス溶融炉12を備えることができる。ガラス溶融炉12は、溶融容器14の他に、必要に応じ、バッチを加熱して溶融ガラスに変換する加熱要素(燃焼バーナー又は電極)等、1つ以上の構成要素を更に備えることができる。別の例において、ガラス溶融炉12は、溶融容器の近傍から失われる熱を減少させるように構成された、熱管理装置(例えば、断熱要素)を備えることができる。更に別の例において、ガラス溶融炉12は、バッチ材料をガラス融液に溶融するのを助長するように構成された、電子装置及び/又は電気機械装置を備えることができる。更に、ガラス溶融炉12は、支持構造体(例えば、支持筐体、支持部材等)又はその他の構成要素を備えることができる。
【0034】
ガラス溶融容器14は、通常、耐火セラミック材料等の耐火材料で構成される。一部の例において、ガラス溶融容器14は耐火セラミック煉瓦、例えば、アルミナ又はジルコニアを含む、耐火セラミック煉瓦で構成することができる。
【0035】
一部の例において、ガラス溶融炉は、ガラス基体、例えば連続長のガラスリボンを製造するように構成された、ガラス製造装置の1つの構成要素として組み込むことができる。一部の例において、本開示のガラス溶融炉は、スロットドロー装置、フロートバス装置、ダウンドロー装置、アップドロー装置(例えば、フュージョン法を含む)、プレス圧延装置、管引装置、又は本開示の恩恵を受ける他の任意のガラス製造装置を含む、ガラス製造装置の1つの構成要素として組み込むことができる。一例として、
図1は、ガラスリボンを溶融延伸し、例えば、その後個々のガラスシートに処理される、フュージョンダウンドローガラス製造装置10の1つの構成要素としての、ガラス溶融炉12を示す概略図である。
【0036】
ガラス製造装置10(例えば、フュージョンダウンドロー装置10)は、必要に応じ、ガラス溶融容器14の上流に配置された、上流ガラス製造装置16を備えることができる。一部の例において、上流ガラス製造装置16の一部又は全部を、ガラス溶融炉12の一部として組み込むことができる。
【0037】
図示の例に示すように、上流ガラス製造装置16は、バッチ貯蔵ビン18、バッチ送出装置20、及びバッチ送出装置に接続されたモータ22を備えることができる。貯蔵ビン18は、矢印26で示すように、ガラス溶融炉12のガラス溶融容器14に送り込むことができる、ある量のバッチ24を貯蔵するように構成することができる。バッチ24は、一般に、1種以上のガラス形成金属酸化物、及び1種以上の改質剤を含んでいる。一部の例において、バッチ送出装置20は、貯蔵ビン18から溶融容器14に、所定量のバッチ24を送出するように構成されたモータ22で駆動することができる。別の例において、モータ22は、バッチ送出装置20を駆動し、溶融容器14の下流で検知された溶融ガラスのレベルに基づいて、速度を制御してバッチ24を投入することができる。その後、溶融容器14内のバッチ24を加熱して、溶融ガラス28を形成することができる。
【0038】
ガラス製造装置10は、必要に応じ、ガラス溶融炉12の下流に配置された、下流ガラス製造装置30も備えることができる。一部の例において、下流ガラス製造装置30の一部を、ガラス溶融炉12の一部として組み込むことができる。
図1に示す実施の形態において、破線31が、溶融炉12(及び上流製造装置16)を下流製造装置30から分離している。しかし、一部の例では、以下に説明する第1の接続導管32、又は下流ガラス製造装置30の他の部分を、ガラス溶融炉12の一部として組み込むことができる。第1の接続導管32を含む、下流ガラス製造装置の要素は、貴金属で形成することができる。適切な貴金属には、白金、イリジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、及びパラジウム、又はこれ等の合金から成る金属群から選択される、白金族金属が含まれる。ガラス製造装置の下流の構成要素は、約70〜約90質量%の白金、及び約10〜約30質量%のロジウムを含む、白金−ロジウム合金で形成することができる。しかし、別の適切な材料には、モリブデン、パラジウム、レニウム、タンタル、チタン、タングステン、及びこれ等の合金を含めることができる。
【0039】
下流ガラス製造装置30は、溶融容器14の下流に位置し、前述の第1の接続導管32を介して溶融容器14に連結された、清澄容器34等の第1の調整(即ち、処理)容器を備えることができる。一部の例において、溶融容器14から、第1接続導管32を介して、清澄容器34に溶融ガラス28を重力送りすることができる。しかし、溶融容器14の下流、例えば、溶融容器14と清澄容器34との間に、別の調整容器を配置することができることを理解されたい。一部の実施の形態において、調整容器(図示せず)、例えば、冷却容器を、溶融容器と清澄容器との間に用い、溶融容器から受け取った溶融ガラスを、溶融容器内の溶融ガラスの温度より低い温度に冷却してから、清澄容器に流入させることができる。
【0040】
清澄容器34の内部において、様々な手法によって、溶融ガラス28から泡を除去することができる。例えば、バッチ24は、加熱されると化学還元反応を受け、酸素を放出する酸化錫のような多価化合物(即ち、清澄剤)を含むことができる。他の適切な清澄剤には、ヒ素、アンチモン、鉄、及びセリウムが含まれるが、これに限定されるものではない。清澄容器34は、溶融容器の温度より高い温度に加熱され、それによって清澄剤が加熱される。温度誘発された清澄剤の化学的還元によって生成された酸素の泡は、清澄容器内の溶融ガラスを通して上昇し、溶融炉内で生成された融液中のガスが、清澄剤によって生成された酸素泡に融合することができる。その後、膨らんだ気泡は、清澄容器内の溶融ガラスの自由表面に上昇することができ、その後排出することができる。
【0041】
下流ガラス製造装置30は、清澄容器34の下流に位置することができる、溶融ガラスを混合するための混合容器36等の別の調整容器を更に備えることができる。混合容器36を用いて、均一なガラス融液組成を生成し、それによって清澄容器を出る清澄された溶融ガラスに存在し得る、物理的及び/又は熱的不均一性を低減又は排除することができる。図示のように、清澄容器34は、第2の接続導管38を介して、溶融ガラス混合容器36に連結することができる。一部の例において、清澄容器34から、第2の接続導管38を介して、混合容器36に溶融ガラス28を重力送りすることができる。例えば、重力によって、清澄容器34から混合容器36まで、溶融ガラス28を第2の接続導管38の内部通路を通過させることができる。混合容器36は清澄容器34の下流に示されているが、清澄容器34の上流に配置することができることに留意されたい。一部の実施の形態において、下流ガラス製造装置30は、複数の混合容器、例えば、清澄容器34の上流の混合容器及び清澄容器34の下流の混合容器を備えることができる。これ等複数の混合容器は、同じ設計であっても、互いに異なる設計であってもよい。
【0042】
下流ガラス製造装置30は、混合容器36の下流に位置することができる、送出容器40等の別の調整容器を更に備えることができる。送出容器40は、下流の成形装置に送り込む溶融ガラス28を調整することができる。例えば、送出容器40は、蓄積装置及び/又は流量制御装置として機能し、成形体42に対し、出口導管44を介して、溶融ガラス28を一貫した流量に調整して送出することができる。図示のように、混合容器36は、第3の接続導管46を介して、供給容器40に連結することができる。例えば、重力によって、混合容器36から送出容器40まで、溶融ガラス28を第3の接続導管46の内部通路を通過させることができる。
【0043】
下流ガラス製造装置30は、入口導管50を含む、前述の成形体42を有する成形装置48を更に備えることができる。出口導管44は、溶融ガラス28を、送出容器40から成形装置48の入口導管50に送出するように配置することができる。フュージョン成形処理において、成形体42は、成形体の上面に配置されたトラフ52と、成形体の底端部(根底部)56に沿って収束する、収束成形面54とを有することができる。送出容器40、出口導管44、及び入口導管50を介して、成形体のトラフに送出された溶融ガラスは、トラフの壁をオーバーフローして、個別の溶融ガラス流として、収束成形面54に沿って下降する。個別の溶融ガラス流は、根底部の下方、且つ根底部に沿って合流し、単一のガラスリボン58が生成され、例えば、ガラスリボンに、重力と牽引ロール(図示せず)との組み合わせによる張力を加えることによって、ガラスリボンが根底部56から延伸され、ガラスが冷却する従って、ガラスリボンの寸法が制御される。粘度が増加するつれ、ガラスリボン58は、粘弾性転移を経て、ガラスリボン58に安定した寸法特性を与える機械的特性を得る。ガラスリボンが弾性状態に達すると、ガラスリボンは、その後、ガラス分離装置(図示せず)によって、個別のガラスシートに分離することができる。別の実施の形態では、代わりに、ガラスリボンをロールに巻き取ることができ、一部の例では、ロールを保管して後日使用することができる。
【0044】
一部の実施の形態(図示せず)において、成形装置48は、例えば、上部成形体が、下部成形体のトラフ内の溶融ガラスに交差する1つ以上の溶融ガラス流を生成する、複数の成形体を備えることができる。成形体のかかる組み合わせは、例えば、上部成形体からのガラス流が、下部成形体からの溶融ガラス流の外層を形成する、合わせガラスリボンの生成に用いることができる。適切な成形装置については、例えば、参照により、全内容が本明細書に援用される、Coppola他の米国特許第8,007,913号明細書に記載されている。
【0045】
図2は、
図1に示す例示的なフュージョンガラス製造装置等を含み、これに限定されない、ガラス製造装置を含むことができる、例示的な耐火容器100、例えば、耐火セラミック容器の一部を示す図である。例えば、耐火容器100は、溶融容器14等の溶融容器であってよい。耐火容器100は、側壁102及び底壁104を有している。一部の例において、側壁102及び底壁104は、セラミック煉瓦で形成することができる。
図2は、耐火容器100から溶融ガラス流を受け取る通路を画成する、外壁110を有する導管108であって、耐火容器の側壁102の通路を通して延びる導管を備えた、接続管アセンブリ106を更に示している。別の実施の形態において、導管108は、底壁104の同様の通路を通して延びることができる。導管108は、例えば、外壁110が、導管の長手方向の軸115に対して垂直な平面において、円形断面形状を有する、円筒形の導管であってよい。しかし、様々な別の実施の形態では、導管108は非円形断面形状、例えば、横長の断面形状(例えば、矩形断面形状、長円断面形状、楕円断面形状、又はこれ等若しくは別の形状の組み合わせ)であってよい。導管108は、溶融ガラスの高温及び腐食性に耐えることができる、高温金属で形成することができる。例えば、導管108は白金、ロジウム、イリジウム、パラジウム、オスミウム、ルテニウム、及びこれ等の合金から成る群から選択される、1つ以上の白金族金属で形成することができる。特定の実施の形態において、導管108は、白金−ロジウム合金で形成することができる。具体的な例において、白金−ロジウム合金は、約70質量%〜約90質量%の範囲の量の白金を含むことができ、更に約10質量%〜約30質量%の範囲の量のロジウムを含むことができ、例えば、80質量%−20質量%の白金−ロジウム合金であってよい。
【0046】
接続管アセンブリ106は、導管108の外壁110に接合された第1のフランジ112、及び同様に導管108の外壁110に接合され、第1のフランジ112から離間した第2のフランジ114を更に備え、第1のフランジ112が、容器の側壁102(又は底壁104)と第2のフランジ114との間に配置されている。第1及び第2のフランジ112、114は、溶接又は他の適切な接合技術によって導管108に接合することができる。様々な実施の形態において、第1及び第2のフランジ112、114の各々は、導管108が通過して延びる開口部を有する平坦なディスクであってよく、各フランジの平面は導管108の長手方向の軸115に対し垂直である。従って、第1及び/又は第2のフランジ112、114は、概して、外壁110の周囲に延び、外壁110に接合されたリングとして形成することができる。第1及び第2のフランジ112、114は、例えば、高温金属、例えば、白金、ロジウム、イリジウム、パラジウム、オスミウム、ルテニウム、及びこれ等の合金から成る群から選択される、1つ以上の白金族金属で形成することができる。第1及び第2のフランジ112、114は、酸化物分散強化合金で形成することができる。特定の実施の形態において、第1及び第2のフランジ112、114は、白金−ロジウム合金で形成することができる。具体的な例において、白金−ロジウム合金は、約70質量%〜約90質量%の範囲の量の白金を含むことができ、更に約10質量%〜約30質量%の範囲の量のロジウムを含むことができ、例えば、80質量%−20質量%の白金−ロジウム合金であってよい。
【0047】
図3に最もよく示されているように、接続管アセンブリ106は、第1及び第2のフランジ112、114の周辺領域120に接合されたシール部材118を更に備えることができ、周辺領域120は、破線122(第1のフランジ112に示す)から各々のフランジの最外縁に延びている。
図3は第1のフランジ112と第2のフランジ114との間の断面を示しているため、第2のフランジ114は、
図3には示されていないことに留意されたい。シール部材118は、第1及び第2のフランジ112、114、外壁110、及びシール部材118の間に、閉鎖空間124を形成する。シール部材118は、例えば、金属帯であってよく、金属帯の縁部は、例えば、溶接又は他の適切な接合方法によって、第1及び第2のフランジ112、114の周辺領域120内において、第1及び第2のフランジ112、114に接合される。シール部材118は、例えば、高温金属、例えば、白金、ロジウム、イリジウム、パラジウム、オスミウム、ルテニウム、及びこれ等の合金から成る群から選択される、1つ以上の白金族金属で形成することができる。特定の実施の形態において、シール部材118は、白金−ロジウム合金で形成することができる。具体的な例において、白金−ロジウム合金は、約70質量%〜約90質量%の範囲の量の白金を含むことができ、更に約10質量%〜約30質量%の範囲の量のロジウムを含むことができ、例えば、80質量%−20質量%の白金−ロジウム合金であってよい。
【0048】
更に別の例において、接続管アセンブリ106は、第1のフランジ112と第2のフランジ114との間のシール部材118によって形成された、閉鎖空間124内に配置された耐火断熱材料126を備えることができる。耐火断熱材料126は、例えば、導管の外壁110の周囲に延びる環状体であってよい。適切な耐火断熱材料126は、例えば、Harbison Walker Internationalから入手可能なTAMAX(登録商標)等の高アルミナ含有材料であってよい。特定の例において、耐火断熱材料126は、例えば、耐火シートを積層配置した、複数の環状耐火体を含むことができる。別の例において、耐火断熱材料126は、第1のフランジ112と第2のフランジ114との間の、外壁110の周囲に配置された、複数のブロックを含むことができる。例示的な実施の形態において、耐火断熱材料126は、第1の耐火断熱材料126とシール部材118との間に間隙128(
図3参照)が存在するように、シール部材118から離間している。
【0049】
ガス送出管130は、シール部材118を通して延び、第1のフランジと第2のフランジとの間の、シール部材118によって形成された閉鎖空間124に、ガス供給源131からガスを供給するように構成されている。様々な例において、ガス送出管130は、シール部材118と耐火断熱材料126との間の閉鎖空間124、例えば、間隙128にガスを供給するように構成されている。一部の実施の形態において、例えば耐火繊維テープ(
図2参照)等の繊維質材料132を間隙128内に含めることができ、特定の実施形態では、間隙を完全に埋めることができる。適切な繊維耐火テープは、Unifrax LLCが製造するFiberfrax 970−J等のアルミノシリケート繊維質材料であってよい。繊維質材料132は、ガス送出管130によって供給されるガスが、耐火断熱材料126の外周の周囲に流動可能であるように、多孔性であるように選択される。加えて、この耐火断熱材料126の多孔性は、ガスが耐火断熱材を透過して導管108の外壁と接触することができる程のものである。接続管アセンブリに供給されるガスを用いて、シール部材118と第1及び第2のフランジ112、114との間の閉鎖空間124内の水素分圧(pH
2)及び/又は酸素分圧(pO
2)を制御することができる。これは、例えば、露点等の供給ガスの湿度を制御することによって実現することができる。シール部材118に通気孔134を設けて、空間124からガスが流出できるようにすることができるが、外部の大気圧に対して正の圧力が空間内に維持されるように、十分に小さいものである。一部の実施の形態において、通気孔134はガス送出管130に対向配置することができる。
【0050】
一部の実施の形態において、制御システムを用いて、導管108の外側(非ガラス接触面)周囲の水素レベルを制御して、ガラス製造装置10によって製造されるガラスシートに、ガス状の内包物及び表面気泡が形成されるのを抑制することができる。加えて、制御システムを用いて、酸素を極力抑えた容器周囲の環境を維持して、導管を構成する貴金属の酸化を抑制することができる。
【0051】
溶融ガラス28に内包物が形成されるのを抑制するためには、導管108の外表面の水素レベルが、導管108の内表面(即ち、溶融ガラスに直接接触する導管108の面)の水素レベル以上であることが必要である。導管108の外表面の水素レベルは、水分解反応H
2O→H
2+
1/2O
2の熱力学的平衡によって決定される。熱力学表によれば、水分解反応の自由エネルギー(ΔG)は、58,900−13.1Tであり、ここで、Tはケルビン単位の温度、Gはカロリー/モル単位の自由エネルギーである。所与の温度において、水反応の平衡定数は、K
eg=e
−G/RTの関係を用いて計算することができ、ここでG及びTは前述の通りであり、Rは一般ガス定数である。K
egが分かると、水分破壊に関与する各種ガスの分圧比を算出することができ、ここで、K
eg= [(pH
2) (pO
2)
1/2]/pH
2Oである。例えば、1450℃において、K
egは、2.47×10
−5に等しい。従って、75°F(約23.9℃)の露点空気環境(0.030気圧のpH
2O)が1450℃に加熱された場合、pH
2は1.59×10
−6気圧(1.59ppm)と計算される。この平衡を考慮して、一定の露点(pH
2O)を維持しつつ、酸素分圧を低下させることによって、大気中の水素レベルを実質的に増加させることができる。好ましいガス混合物中の窒素(又は他の不活性ガス)の存在は、水分解反応に直接関与しないことに留意されたい。代わりに、不活性ガスの分圧は、理想気体法則に従って酸素分圧に影響を与える。そして、水の分解による酸素分圧の変化が、形成される平衡ガスに影響を与えるものである。
【0052】
シール部材と第1及び第2のフランジ112、114との間の閉鎖空間124内の雰囲気中の水素レベルは、平衡関係を用いる以下の式で算出される、水素レベル以上でなければならないことが分かる。
pH
2(ppm)=78,000×e
−(G/RT) (1)
ここで、G、R、及びTは既に定義されている。この式は、数値形式で次のように書き直すことができる。
pH
2(ppm)=78,000×e
[(-
58,900+13.1T)/(1.987*T)] (2)
ここで、温度はケルビン単位の温度である。
【0053】
前述に従い、本開示の実施の形態は、導管108と接触する環境/雰囲気を制御し、導管108の金属/ガラス界面において、問題のある酸化反応が生じるのを防止する制御システム136を更に備えることができる。様々な実施形態において、制御システム136は、閉ループ制御システムであってよい。ここでもまた、酸化反応は、ガラス製造装置10によって生成されるガラス物品に、ガス状の内包物を形成させる。加えて、導管108の酸化反応は、導管の破損につながり得る。
【0054】
一部の実施の形態において、制御システム136は、接続管アセンブリ106内、より具体的には、外壁110、シール部材118、並びに第1及び第2のフランジ112、114によって画成される空間124内の水蒸気、酸素、及び窒素の混合物を含むガスシステムを制御する。酸素の代表的な値は、約0.01%〜約1%であり、水分は約2%〜約20%であり、残りのガスは、窒素(又は、アルゴン等の別の不活性ガス)である。ガスシステムは、酸素が約21%まで、露点が約200°F(約93.3℃)までにおいて、動作することができる。200°F(約93.3℃)の露点で、0.01%の酸素及び20%の水分を含むガスシステムは、1700℃において、約1〜約38,000ppmの範囲の水素を与えることができる。これに代えて、空間124に導入されるガスの混合物は、炭化水素(及び酸素)、アンモニア、分解アンモニア生成物及び/又は燃焼生成物を含むことができる。
【0055】
接続管アセンブリ106を用いて、耐火容器100から流動方向138に別の容器又は導管に溶融ガラスを搬送することができる。例えば、
図2の実施の形態によれば、導管108の近傍に第2の導管140を配置することができ、第2の導管140は、導管108及び第2のフランジ114に直接対向する、第2の導管140の端部144に配置されたフランジ142を有している。フランジ142を有する第2の導管140は、例えば、高温金属、例えば、白金、ロジウム、イリジウム、パラジウム、オスミウム、ルテニウム、及びこれ等の合金から成る群から選択される、1つ以上の白金族金属で形成することができる。特定の実施の形態において、第2の導管140及びフランジ142は、白金−ロジウム合金で形成することができる。具体的な例において、白金−ロジウム合金は、約70質量%〜約90質量%の範囲の量の白金を含むことができ、更に約10質量%〜約30質量%の範囲の量のロジウムを含むことができ、例えば、80質量%−20質量%の白金−ロジウム合金であってよい。
【0056】
接続管アセンブリ106は、必要に応じ、第2のフランジ114に連結された、少なくとも1つの冷却管146を備えることができる。例えば、冷却管146は、第2のフランジの外周に取り付けることができる。その後、冷却管の長手方向に延びる通路を通して、冷却流体を流すことができる。冷却流体は、一般に、水等の液体であるが、一部の例では、冷却流体は、空気、窒素、ヘリウム及び/又はアルゴン等を含みこれに限定されないガスであってよい。冷却管は、第2のフランジ114、従って、第2のフランジ114と第2の導管140のフランジ142との間で漏出する溶融ガラスを冷却し、それによって、導管108と第2の導管140との間にガラスシール148を形成する機能を果たす。ガラスシール148は、更に、第2の導管140から、導管108を電気的に絶縁する機能も果たすことができる。
図1において、接続管アセンブリ106は、溶融容器14と接続導管32との間に延びる移行部を形成することができる。例えば、
図1の実施の形態において、ガラスシール148が、破線31(
図2参照)で示す、ガラス溶融炉12と下流ガラス製造装置30との境界である。
【0057】
本開示の別の実施の形態における、接続管アセンブリ200を
図4に示す。接続管アセンブリ200は、第1の端部204と第2の端部との間に延びる導管202を備えている。導管202は、内壁208及び外壁210を更に備えている。内壁208及び外壁210は、導管202の第1の端部204において接合されている。しかし、内壁208と外壁210とは、外壁210の反対側の接合されていない端部において離間している。従って、内壁208と外壁210との間に、外壁210の第1の端部204から対向端部に延びる間隙が存在している。内壁208の長さは、外壁210の長さよりも長く、内壁208は外壁210を越えて長手方向に延びている。導管202は、第1の端部204が耐火容器100の空間に接して又は空間内に配置され、第2の端部206が耐火容器100の外側に配置されるように、耐火容器の側壁102の通路を通して延びている。即ち、一部の実施の形態において、第1の端部204は、側壁102の内表面と同一平面であってよく、別の実施の形態では、第1の端部204は、側壁102の内部で終結することができ、
図4に示す実施の形態等の更に別の実施の形態では、第1の端部204は、耐火容器100の内部に延びることができる。別の例において、導管202は、底壁104の通路を通して、同様に延びることができる。
【0058】
一部の実施の形態において、接続管アセンブリ200は、導管202の外壁210に接合された、第1のフランジ212を更に備えることができる。第1のフランジ212は、耐火容器壁102の外表面(溶融ガラス28の反対側)の近傍に配置されている。例えば、第1のフランジ212は、耐火容器壁102に当接することができる。第1のフランジ212は、内部を通して導管202が延びる開口部を有し、第1のフランジ212の平面は、導管202の長手方向軸に対し垂直である。従って、第1のフランジ212は、リングとして外壁210の周囲に延び、例えば、溶接又は他の適切な接合方法によって、外壁210に接合されている。例えば、第1のフランジ212は高温金属、例えば、白金、ロジウム、イリジウム、パラジウム、オスミウム、ルテニウム、及びこれ等の合金から成る群から選択される、1つ以上の白金族金属で形成することができる。第1のフランジ212は、酸化物分散強化合金、例えば分散強化白金(例えば、ジルコニア強化白金)で形成することができる。特定の実施の形態において、第1のフランジ212は、白金−ロジウム合金で形成することができる。具体的な例において、白金−ロジウム合金は、約70質量%〜約90質量%の範囲の量の白金を含むことができ、更に約10質量%〜約30質量%の範囲の量のロジウムを含むことができ、例えば、80質量%−20質量%の白金−ロジウム合金であってよい。
【0059】
接続管アセンブリ200は、第2のフランジ214であって、第1のフランジ212が、耐火容器壁102と第2のフランジ214との間に位置するように、第1のフランジ212の近傍に離間して配置されたフランジを更に備えている。第2のフランジ214は、内部を通して導管202が延びる開口部を有し、第2のフランジ214の平面は、導管202の長手方向軸に対し垂直である。従って、第2のフランジ214は、リングとして外壁210の周囲に延び、例えば、溶接又は他の適切な接合方法によって、外壁210に接合されている。例えば、第2のフランジ214は高温金属、例えば、白金、ロジウム、イリジウム、パラジウム、オスミウム、ルテニウム、及びこれ等の合金から成る群から選択される、1つ以上の白金族金属で形成することができる。第2のフランジ214は、酸化物分散強化合金、例えば、分散強化白金(例えば、ジルコニア強化白金)で形成することができる。特定の実施の形態において、第2のフランジ214は、白金−ロジウム合金で形成することができる。具体的な例において、白金−ロジウム合金は、約70質量%〜約90質量%の範囲の量の白金を含むことができ、更に約10質量%〜約30質量%の範囲の量のロジウムを含むことができ、例えば、80質量%−20質量%の白金−ロジウム合金であってよい。
【0060】
様々な実施の形態によれば、接続管アセンブリ200は、第1のフランジ212と第2のフランジ214との間の導管202の周囲に配置された第1の耐火断熱材料216を更に備えることができる。例えば、第1の耐火断熱材料216は、内部を通して導管202(例えば、外壁210)が延びる通路を有する環状体であってよい。しかし、別の実施の形態では、第1の耐火断熱材料216は、複数のセグメント、例えば、積層された複数の耐火断熱ディスク又は複数の嵌合ブロックを含むことができる。適切な耐火断熱材料216は、例えば、Harbison Walker International社から入手可能なTAMAX(登録商標)等の高アルミナ含有材料であってよい。
【0061】
接続管アセンブリ200は、内壁208に接合された第3のフランジ218であって、第2のフランジ214が、第1のフランジ212と第3のフランジ218との間に配置されるように、第2のフランジ214から離間したフランジを更に備えることができる。第3のフランジ218は、内部を通して導管202(より具体的には内壁208)が延びる開口部を有し、第3のフランジ218の平面は、導管202の長手方向軸に対し垂直である。従って、第3のフランジ218は、リングとして内壁208の周囲に延び、溶接等によって、内壁208に接合されている。例えば、第3のフランジ218は高温金属、例えば、白金、ロジウム、イリジウム、パラジウム、オスミウム、ルテニウム、及びこれ等の合金から成る群から選択される、1つ以上の白金族金属で形成することができる。第3のフランジ218は、酸化物分散強化合金、例えば、分散強化白金(例えば、ZGS白金として商業的に知られているジルコニア強化白金)で形成することができる。具体的な例において、白金−ロジウム合金は、約70質量%〜約90質量%の範囲の量の白金を含むことができ、更に約10質量%〜約30質量%の範囲の量のロジウムを含むことができ、例えば、80質量%−20質量%の白金−ロジウム合金であってよい。
【0062】
接続管アセンブリ200は、第2のフランジ214と第3のフランジ218との間の、第2及び第3のフランジ214、218の周辺領域222に配置されたシール部材220を更に備えることができ、周辺領域222は、破線224(第2のフランジ214に示す)から各々のフランジの最外縁に延びている(
図4及び5参照)。シール部材220は、第2のフランジ214と第3のフランジ218との間に、閉鎖空間226形成し、閉鎖空間は更に内壁208からシール部材220まで半径方向外側に延びている。シール部材220に適した材料は、例えば、ZIRCAR Refractory Composites社が製造する、ZIRCAR Refractory Sheet Type RS−100であってよい。
【0063】
接続管アセンブリ200は、閉鎖空間226に配置され、内壁208の周囲に延びる第2の断熱材料228を更に備えることができ、第2の断熱材料228は、シール部材220から離間配置され、それによって第2の耐火断熱材料とシール部材220との間に間隙230が形成されている。例えば、第2の耐火断熱材料228は、内部を通して導管202(例えば、内壁208)が延びる通路を有する環状体であってよい。しかし、別の実施の形態では、第2の耐火断熱材料228は、複数のセグメント、例えば、積層された複数の耐火断熱ディスク又は複数の嵌合ブロックを含むことができる。適切な耐火断熱材料228は、例えば、Harbison Walker Internationalから入手可能なTAMAX(登録商標)等の高アルミナ含有材料であってよい。
【0064】
必要に応じ、繊維質材料232、例えば、繊維質紙232をシール部材220と第2及び第3のフランジ214、218の各々との間に配置することができる。繊維質材料232は、繊維質紙であってよい。例えば、繊維質材料は、Unifrax LLC社が製造するFiberfrax 970−J等のアルミノシリケート繊維質材料であってよい。
【0065】
接続管アセンブリ200は、シール部材220を通して、間隙230に延びるガス送出管234を更に備えることができ、ガス送出管234は、ガス供給源(図示せず)と流体連通し、前述のガスを供給することができる。シール部材220は、シール部材220の厚さを通して延びる排気路236を更に有することができ、それを通して閉鎖空間226(例えば、間隙230)内のガスを排出することができる。
【0066】
一部の実施の形態において、制御システムを用いて、導管202の外部(非ガラス接触面)周囲の水素レベルを制御して、ガラス製造装置10によって製造されるガラスシートに、ガス状の内包物及び表面気泡が形成されるのを抑制することができる。加えて、制御システムを用いて、酸素を極力抑えた容器周囲の環境を維持して、導管を構成する貴金属の酸化を抑制することができる。
【0067】
前述及び先の説明に従い、本開示の実施の形態は、導管202と接触する環境/雰囲気を制御し、導管202の金属/ガラス界面において、問題のある酸化反応が生じるのを防止する制御システム136を更に備えることができる。様々な実施の形態において、制御システム136は、供給ガス、特に内壁208を介して、導管202と接触する水素及び又は酸素の分圧を制御する閉ループ制御システムであってよい。ここでもまた、前述の酸化反応は、ガラス製造装置10によって製造されるガラス物品に、ガス状の内包物を形成し得る。加えて、導管202の酸化反応は、導管の破損につながり得る。
【0068】
一部の実施の形態において、制御システム136は、接続管アセンブリ200内、より具体的には、内壁208、シール部材220、並びに第2及び第3フランジ214、218によって画成される閉鎖空間226内の水蒸気、酸素、及び窒素の混合物を含むガスシステムを制御する。酸素の代表的な値は、約0.01%〜約1%であり、水分は約2%〜約20%であり、残りのガスは、窒素(又は、アルゴン等の別の不活性ガス)である。ガスシステムは、酸素が約21%まで、露点が約200°F(約93.3℃)までにおいて、動作することができる。200°F(約93.3℃)の露点で、0.01%の酸素及び20%の水分を含むガスシステムは、1700℃において、約1〜約38,000ppmの範囲の水素を与えることができる。これに代えて、空間124に導入されるガスの混合物は、炭化水素(及び酸素)、アンモニア、分解アンモニア生成物及び/又は燃焼生成物を含むことができる。前述のように、制御システム136は、閉ループ制御システムであってよい。
【0069】
接続管アセンブリ200は、導管202の内壁208と外壁210との間に配置された、第3の耐火断熱材料238を更に備えることができる。第3の耐火断熱材料238は、高温での劣化に耐えることができ、導管202の内壁及び外壁の崩壊を避けるために高い構造的強度を示す必要がある。適切な第3の耐火断熱材料は、例えば、Saint−Gobain社が製造する、Alundum AN485等の高アルミナ含有材料であってよい。しかし、装置の熱的及び構造的要件を満足する任意の適切な耐火断熱材料を用いることができる。
【0070】
第3のフランジ218、及び必要に応じ、第2のフランジ214は、冷却管240であって、その内部通路を通して冷却流体流を受け取るように構成された冷却管を備えることができる。例えば、各々の冷却管240は、第2又は第3のフランジ214、218の外周の少なくとも一部又は全部の周囲に延びることができる。少なくとも第3のフランジ218を冷却することで、導管202(即ち、第3のフランジ218)と隣接する容器、例えば、終端フランジ142を有する、第2の導管140との間に、ガラスシール148を形成する機能を果たす。隣接するフランジ間に漏れる溶融ガラスが冷えてガラスシール148に凝固し、それによって、溶融ガラスが、隣接する2つのフランジ218、142間に連続的に流れるのが防止される。また、冷却管は、電流によって加熱され得るフランジ又は複数のフランジを冷却するように機能し、それによって、フランジに対する熱損傷が防止されることも明らかであろう。
【0071】
一部の実施の形態において、第2及び第3のフランジ214、218は、導管202の内部及び導管202を通して電流を流すように構成することができる。従って、
図6及び7に最もよく示されているように、第2及び第3のフランジ214、218の各々は、(それぞれ)電流源(図示せず)と電気的に接触する電極部分242、244を備えることができる。第2のフランジ214は、導管202の外壁210、より具体的には、外壁210の端部に接合され、第3のフランジ218は、導管202の内壁208、より具体的には、内壁208の端部に接合されているため、導管202の第1の端部204を除いて、内壁208及び外壁210は間隙によって分離されている。第2及び第3のフランジ214、218に供給された電流は、内壁208及び外壁210の実質的に全体を通して、第2のフランジと第3のフランジとの間を流れ、それによって、導管202(及びその内部の溶融ガラス)が加熱される。所望であれば、導管202の全体が電気的に加熱されないように、第2及び第3のフランジを配置することができることは明らかであろう。加えて、第2のフランジ214及び第3のフランジ218の何れか一方又は両方が、導管202の周囲に延びる第1の(内側)リング、及び第1のリングの周囲に延びる第2の(外側)リングを備えることができる。一部の実施の形態において、第1のリングは、最も内側のリングであって導管202に直接接触していてよい。同様に、第2のリングは最も外側のリングであって、それぞれの電極部分に直接接触していてよい。
【0072】
従って、特定の実施の形態において、第2のフランジ214は、外壁210に直接接触する最も内側のリングである、第1のリング246を備えることができる。第2のフランジ214は、最も外側のリングであって、第1のリング246の周囲に延びる、第2のリング248を更に備えることができる。第2のリング248は、第1のリング246の外周に接合されるように、第1のリング246に直接接触することができる。別の実施の形態において、第2のフランジ214は、第1のリング246と第2のリング248との間に、中間リング214を備えることができる。第1のリング246は、導管202に近接しているため、一部の実施の形態において、第1のリング246は高温貴金属、例えば、例えば、白金、ロジウム、イリジウム、パラジウム、オスミウム、ルテニウム、及びこれ等の合金から成る群から選択される、白金族金属で形成することができる。特定の実施の形態において、第1のリング246は、白金−ロジウム合金で形成することができる。具体的な例において、白金−ロジウム合金は、約70質量%〜約90質量%の範囲の量の白金を含むことができ、更に約10質量%〜約30質量%の範囲の量のロジウムを含むことができる。しかし、第2のリング248は、第1のリング246より、導管202から遠くに配置されているため、第2のリング248は、中程度の温度に耐えることができる、より安価な金属で形成することができ、必ずしも導管202を流れる溶融ガラスの高温(一部のガラス製造方法において、溶融容器を出る溶融ガラスは、1500℃を超える可能性がある)に耐える必要はない。従って、一部の実施の形態において、第2のリング248は、ニッケル、モリブデン、又は類似の導電率及び融点を有する他の金属で形成することができる。第2のリング248は、第1のリング246の厚さより大きい厚さを有することができる。前述の中間リングは、貴金属、例えば第1のリングの貴金属、又は第2のリングの金属等の別の金属から形成することができ、第2のリングが最も外側のリングである。しかし、別の実施の形態において、中間リング又は複数の中間リングは、第1及び第2のリングと異なる金属を含むことができる。
【0073】
特定の実施の形態において、第3のフランジ218は、外壁210に直接接触する最も内側のリングである、第1のリング250を備えることができる。第3のフランジ218は、最も外側のリングであって第1のリング250の周囲に延びることができる、第2のリングを更に備えることができる。第2のリング252は、第1のリング250の外周に結合されるように、第1のリング250に直接接触することができる。別の実施の形態において、第3のフランジ218は、第1のリング250と第2のリング252との間に、中間リングを備えることができる。第1のリング250は、導管202に近接しているため、第1のリング250は高温貴金属、例えば、例えば、白金、ロジウム、イリジウム、パラジウム、オスミウム、ルテニウム、及びこれ等の合金から成る群から選択される、白金族金属で形成することができる。特定の実施の形態において、第1のリング250は、白金−ロジウム合金で形成することができる。具体的な例において、白金−ロジウム合金は、約70質量%〜約90質量%の範囲の量の白金を含むことができ、更に約10質量%〜約30質量%の範囲の量のロジウムを含むことができる。しかし、第2のリング252は、第1のリング250より、導管202から遠くに配置されているため、第2のリング248は、中程度の温度に耐えることができる、より安価な金属で形成することができ、必ずしも導管202を流れる溶融ガラスの高温(一部のガラス製造方法において、溶融容器を出る溶融ガラスは、1500℃を超える可能性がある)に耐える必要はない。従って、一部の実施の形態において、第2のリング252は、ニッケル、モリブデン、又は類似の導電率及び融点を有する他の金属で形成することができる。第2のリング252は、第1のリング250の厚さより大きい厚さを有することができる。前述の中間リングは、貴金属、例えば第1のリングの貴金属、又は第2のリングの金属等の別の金属から形成することができ、第2のリングが最も外側のリングである。しかし、別の実施の形態において、中間リング又は複数の中間リングは、第1及び第2のリングと異なる金属を含むことができる。
【0074】
第2及び第3のフランジ214、218は、複数の締結具254、例えば、ボルト又はねじ等によって、一方を他方に連結することができ、この連結が、繊維質材料232をシール材料220に押圧する機能を果たし、それによって密閉性が向上する。例えば、
図4に示す実施の形態において、第3のフランジ218の第2のリング252は、内部を締結具254が延びる開口部を有している。電気的に絶縁するブッシング256が、各々の締結具の周囲に配置され、各々の締結具254が、第3のフランジ218から電気的に絶縁されるように、開口部に挿入される。第2のフランジ214は、各々の締結具254をねじ込むことができる対応するネジを切った開口部を有している(電気絶縁体は、各々の締結具の一端にのみ必要であることは明らかであろう)。他の実施形態では、締結具の位置を交換して、第3のフランジ218がねじ切り通路を有することができることは明らかであろう。電気的に絶縁された締結具を用いることによって、第2のフランジ214と第3のフランジ218との間に電気的短絡を生じさせることなく、締結具の締め付け、及びその後の繊維質材料232の押圧、並びに第2及び第3のフランジ214、218に対するシール部材220の密封が容易になる。
【0075】
前述の説明によって、本明細書に開示の接続管アセンブリは、様々なガラス製造システムに使用できることは明らかであろう。例えば、
図8は、耐火清澄容器334、例えば、耐火セラミック清澄容器を有する、別のガラス製造装置10であって、耐火容器(例えば、溶融容器14又は清澄容器334)に入る若しくは出る(又はその両方の)複数の接続管アセンブリ(例えば、接続管アセンブリ106及び/又は接続管アセンブリ200)を備えたガラス製造装置を示す図である。
【0076】
図9に示す更に別の実施の形態において、ガラス溶融炉12が、溶融容器14の下流かつ清澄容器34の上流において、溶融容器14に直列に接続された第2の溶融容器15を備えた、ガラス製造装置10が示されている。第2の溶融容器15は、溶融容器14以下の温度であってよい。溶融容器15は、一般に、耐火性セラミック材料等の耐火性材料で構成されている。一部の例において、ガラス溶融炉15は、耐火セラミック煉瓦、例えば、アルミナ又はジルコニアを含む、耐火セラミック煉瓦で構成することができる。
図8の例と同様に、
図9のガラス製造装置10は、耐火容器(例えば、溶融容器14又は溶融容器15)に入る若しくは出る(又はその両方の)複数の接続管アセンブリ(例えば、接続管アセンブリ106及び/又は接続管アセンブリ200)を備えている。
【0077】
本発明の精神及び範囲を逸脱せずに、本開示の実施の形態に様々な改良及び変形が可能であることは、当業者には明らかであろう。従って、本開示は、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲に属することを条件に、かかる実施の形態の改良及び変形も包含するものと考える。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0078】
実施形態1
溶融ガラスを調整するための装置であって、
耐火容器の壁を通して延びる導管と、
前記導管に接合された第1のフランジと、
前記導管に接続された第2のフランジであって、該第2のフランジと前記容器との間に、前記第1のフランジが配置されるように、前記第1のフランジから離間して成る第2のフランジと、
前記第1及び前記第2のフランジの外縁領域の周囲に固定され、閉鎖空間を形成するシール部材と、
前記閉鎖空間内に配置された第1の耐火断熱材料と、
を備えた装置。
【0079】
実施形態2
前記シール部材を通して延びるガス送出管であって、前記閉鎖空間にガスを供給するように構成されたガス送出管を更に備えた、実施形態1記載の装置。
【0080】
実施形態3
前記シール部材が金属帯を含む、実施形態1又は2記載の装置。
【0081】
実施形態4
前記金属帯が白金を含む、実施形態3記載の装置。
【0082】
実施形態5
前記第1のフランジ及び前記第2のフランジが白金を含む、実施形態1〜4のいずれかに記載の装置。
【0083】
実施形態6
前記第2のフランジが、該フランジの外縁の周囲に延びる冷却管であって、冷却流体流を受け取るように構成された通路を有する冷却管を備えた、実施形態1〜5のいずれかに記載の装置。
【0084】
実施形態7
前記シール部材と、前記第1の耐火断熱材料との間に配置された繊維質材料を更に備えた、実施形態1〜6のいずれかに記載の装置。
【0085】
実施形態8
前記耐火容器が溶融炉である、実施形態1〜7のいずれかに記載の装置。
【0086】
実施形態9
前記耐火容器が清澄容器である、実施形態1〜7のいずれかに記載の装置。
【0087】
実施形態10
溶融ガラスを調整するための装置であって、
耐火容器と、
前記耐火容器の壁を通して延びる導管であって、内壁及び外壁を有し、前記内壁が、前記外壁の第1の端部において前記外壁に接続され、前記外壁の対向端部において前記外壁から離間して成る、導管と、
前記導管の前記外壁に連結され、前記耐火容器に近接して配置された第1のフランジと、
前記導管の前記外壁に連結され、前記第1のフランジから離間して成る第2のフランジであって、該第2のフランジと前記容器との間に、前記第1のフランジが配置される、第2のフランジと、
前記第1のフランジと前記第2のフランジとの間に配置された第1の耐火断熱材料と、
前記導管の前記内壁に連結され、前記第2のフランジから離間して成る第3のフランジであって、該第3のフランジと前記第1のフランジとの間に前記第2のフランジが配置される、第3のフランジと、
前記第2のフランジと前記第3のフランジとの間に配置された第2の耐火断熱材料と、
前記第2のフランジと前記第3のフランジとの間に配置され、それによって閉鎖空間が形成されるシール部材と、
を備えた装置。
【0088】
実施形態11
前記導管の前記内壁と前記導管の前記外壁との間に配置された、第3の耐火断熱材料を更に備えた、実施形態10記載の装置。
【0089】
実施形態12
前記シール部材と前記第2のフランジ及び前記第3のフランジとの間に配置された、繊維質断熱材料を更に備えた、実施形態10又は11記載の装置。
【0090】
実施形態13
前記シール部材を通して延び、前記閉鎖空間にガスを供給するように構成されたガス供給管を更に備えた、実施形態10〜12のいずれかに記載の装置。
【0091】
実施形態14
前記第3のフランジに連結された第1の冷却部材であって、その通路を通して、冷却流体流を受け取るように構成された冷却部材を更に備えた、実施形態10〜13のいずれかに記載の装置。
【0092】
実施形態15
前記第2のフランジに連結された第2の冷却部材であって、その通路を通して、冷却流体流を受け取るように構成された冷却部材を更に備えた、実施形態14記載の装置。
【0093】
実施形態16
前記第2のフランジが、電力供給源と電気的に連通して成る、実施形態10〜15のいずれかに記載の装置。
【0094】
実施形態17
前記第3のフランジが、電力供給源と電気的に連通して成る、実施形態10〜16のいずれかに記載の装置。
【0095】
実施形態18
前記第2のフランジが複数のリングを有し、内側のリングが、前記導管の前記外壁に取り付けられ、外側のリングが、前記内側のリングの周囲に配置されて成る、実施形態10〜17のいずれかに記載の装置。
【0096】
実施形態19
前記内側のリングが白金を含む、実施形態18記載の装置。
【0097】
実施形態20
前記外側のリングが白金を含まない、実施形態19記載の装置。
【0098】
実施形態21
前記外側のリングがニッケルを含む、実施形態20記載の装置。
【0099】
実施形態22
溶融ガラスを調整するための装置であって、
前記溶融ガラスを搬送するための導管を有する接続管アセンブリであって、
前記導管に接合された、少なくとも2つのフランジ、
前記少なくとも2つのフランジ間の周辺領域に配置され、閉鎖空間を形成するシール部材、及び
前記少なくとも2つのフランジ間に配置された、第1の耐火断熱材料、
を有する接続管アセンブリと、
前記閉鎖空間と流体連通し、前記閉鎖空間の雰囲気を制御するように構成された雰囲気制御システムと、
を備えた装置。
【0100】
実施形態23
前記シール部材が、前記少なくとも2つのフランジ間に延び、かつ該フランジに接合された金属帯である、実施形態22記載の装置。
【0101】
実施形態24
前記金属帯が、前記少なくとも2つのフランジに溶接されて成る、実施形態23記載の装置。
【0102】
実施形態25
前記少なくとも2つのフランジの各々が、前記少なくとも2つのフランジ及び前記導管を通して電流を流すための電極部分を備えた、実施形態22〜24のいずれかに記載の装置。
【0103】
実施形態26
前記少なくとも2つのフランジが、複数の締結具によって連結されて成る、実施形態25記載の装置。
【0104】
実施形態27
前記シール部材が、第2の耐火断熱材料を含む、実施形態26記載の装置。
【0105】
実施形態28
前記導管が、外壁及び内壁を有し、前記少なくとも2つのフランジのうちの1つのフランジが、前記外壁に接合され、前記少なくとも2つのフランジのうちの別のフランジが内壁に接合されて成る、実施形態22〜27のいずれかに記載の装置。
【0106】
実施形態29
ガラス製造装置であって、
耐火溶融炉と、
前記耐火溶融炉の壁を通して延びる導管であって、内壁及び外壁を有し、前記内壁が、前記外壁の第1の端部において前記外壁に接合され、前記外壁の対向端部において前記外壁から離間して成る、導管と、
前記導管の前記外壁に連結され、前記耐火溶融炉に近接して配置された第1のフランジと、
前記導管の前記外壁に連結され、前記第1のフランジから離間して成る第2のフランジであって、該第2のフランジと前記耐火溶融炉との間に、前記第1のフランジが配置される、第2のフランジと、
前記第1のフランジと前記第2のフランジとの間に配置された、第1の耐火断熱材料と、
前記導管の前記内壁に連結され、前記第2のフランジから離間して成る第3のフランジであって、該第3のフランジと前記第1のフランジとの間に前記第2のフランジが配置される、第3のフランジと、
前記第2のフランジと前記第3のフランジとの間に配置された第2の耐火断熱材料と、
前記第2のフランジと前記第3のフランジとの間に配置され、それによって閉鎖空間が形成されるシール部材と、
前記耐火溶融炉と流体連通し、該溶融炉から溶融ガラスを受け取るように構成された成形体と、
を備えた装置。
【0107】
実施形態30
前記導管の前記内壁と前記導管の外壁との間に配置された、第3の耐火断熱材料を更に備えた、実施形態29記載のガラス製造装置。
【0108】
実施形態31
前記シール部材と前記第2のフランジ及び前記第3のフランジとの間に配置された、繊維質断熱材料を更に備えた、実施形態29又は30記載のガラス製造装置。
【0109】
実施形態32
前記シール部材を通して延び、前記閉鎖空間にガスを供給するように構成されたガス供給管を更に備えた、実施形態29〜31のいずれかに記載の装置。
【0110】
実施形態33
前記第3のフランジに連結された第1の冷却部材であって、その通路を通して、冷却流体流を受け取るように構成された冷却部材を更に備えた、実施形態29〜32のいずれかに記載の装置。
【0111】
実施形態34
ガラスを製造する方法であって、
第1の容器において、溶融ガラスを形成するステップと、
前記溶融ガラスを、接続管アセンブリを通して、第2の容器に流すステップであって、前記接続管アセンブリが、
外壁及び内壁を有する導管、
前記導管の前記外壁に連結され、前記第1の容器に近接して配置された第1のフランジ、
前記導管の前記外壁に連結され、前記第1のフランジから離間して成る第2のフランジであって、該第2のフランジと前記第1の容器との間に、前記第1のフランジが配置される、第2のフランジ、
前記第1のフランジと前記第2のフランジとの間に配置された、第1の耐火断熱材料、
前記導管の前記内壁に連結され、前記第2のフランジから離間して成る第3のフランジであって、該第3のフランジと前記第1のフランジとの間に前記第2のフランジが配置される、第3のフランジ、
前記第2のフランジと前記第3のフランジとの間に配置された第2の耐火断熱材料、
前記導管の内壁と前記導管の外壁との間に配置された、第3の耐火断熱材料、及び
シール部材であって、該シール部材と前記第2の耐火断熱材料の外周との間に隙間が形成されるように、前記第2のフランジと前記第3のフランジとの間の、前記第2の耐火断熱材料の周囲に離間して配置されたシール部材を有する、ステップと、
前記第2のフランジと前記第3のフランジとの間に電流を供給することによって、前記導管を加熱するステップと、
前記第3のフランジと前記第2の容器との間の溶融ガラスを冷却して、前記第3のフランジと前記第2の容器との間にガラスシールを形成するステップと、
を備えた方法。