【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような除害方法は、炉管内の粉末状化合物の輸送流量、注入流量および放射状分散の点で、現在のところ調整することが困難である多くの制約を課している。
【0008】
まず第1に、粉末(粉末状化合物)の炉管への注入は、粉末が内部に不十分に分散し、ある場合には、あまりにも大き過ぎるこれらのガスの圧力の効果の下で炉管の壁に凝集することを防止するために、前記炉管内に存在する排ガスの流量よりも多い流量で行われなければならない。そのような排ガスの速度は、30m/s以上、さらには50m/s以上に達する可能性がある。
【0009】
第2に、炉管への注入点への粉末の輸送は、輸送管内の粉末の摩擦/磨耗および/または目詰まりの現象に至る危険性をもたらす速度よりも大きい約15〜20m/sの速度で実施されなければならず、および後者の現象は、粉末が消石灰を含む場合、前記粉末の炭酸化にもつながる。
【0010】
最後に、ガス状汚染物質の均質かつ効率的な除害を可能にするために、粉末は、(炉管内の排ガスの流れに関して)炉管の横断面全体にわたって均等に分散されなければならない。この分散は、特に、炉管の大きさおよびそれを通過するガスの流量に依存する。このような管は、一般的に、その中心に「脈部」(すなわち、排ガスの速度がより速い領域)があり、これは炉管内の粉末の均質な分布に悪影響を及ぼす。これらの分散の問題を克服するために、「貫通ノズル」(すなわち、炉管を貫通し、従って排ガスを全面的に受ける金属ダクト)が現在使用されている。
【0011】
それにもかかわらず、これらの「貫通ノズル」には依然として多くの欠点がある。
【0012】
まず第1に、それらが炉管内で曝される温度および酸性条件に耐えることは非常に困難であり、それらは、非常に限定された耐用年数(特に、それらが高い温度を受ける場合は1ヶ月未満)を有する。従って、それらは、無視できない運転コストを発生させることに加えて、場合によっては数日間、炉を停止する必要がある頻繁な交換が必要となる。貫通ノズルを交換するために、炉の各停止後に燃焼を再開することは、燃焼中にこれらの炉が迅速かつ容易にそれらの平衡に達することがない場合に問題となる。
【0013】
これらの「貫通ノズル」はまた、粉末状化合物の特性およびその凝集力のために内部の目詰まりを起こす。
【0014】
従って、これらの「貫通ノズル」は、炉管内に粉末の良好な分散を可能にするものの、前記ノズルは炉の最適な運転を可能にしないので(特に、メンテナンスの点で)意図された用途にあまり適合しない多くの実施上の問題を提起する。
【0015】
特許文献1には、吸収剤を輸送するためのノズルと周辺空気を注入するためのノズルであって、これらのノズルは同心であり、炉管の内面に開口するノズルを使用して炉管内の酸性ガスおよび重金属を除害する装置および方法が記載されている。しかしながら、この方法およびこの装置には欠点がある。
【0016】
まず第1に、それらは、454℃(850°F)以下の排ガス温度で使用できる。このような温度は、常に最適な除害条件に達することを可能にするとは限らない。実際に、ガス状汚染物質の除害のための最適温度は、特に、除害される汚染物質の性質および使用される粉末状化合物の性質に依存する。例えば、消石灰を含有する粉末状化合物の場合、粉末状消石灰とガス状SO
2との間の反応は、特に850℃(1562°F)〜1150℃(2102°F)の温度範囲で促進させることができることが注目された。
【0017】
さらに、この文献は、最大6000m
3/hの非常に高い周辺空気流量を使用して、排ガスの流量に対する周辺空気の質量流量の比が3〜5%になることを示唆している。このような流量は、排ガスを処理するための設備の全体的な動作を必然的に妨害することになる。
【0018】
実際、排ガスの流量と比較して周囲空気の流量が非常に高いため、排ガスに添加される空気の量は無視できないものであり、特にこれらの排ガスの望ましくない冷却を招き、こうして炉の全体的なエネルギー性能を低下させる。このような装置はまた、前記装置の下流に位置する排ガスの総流量および酸素濃度を増加させる効果を有し、従って、排ガスを処理するためのラインを操作者が変えることを強いる。
【0019】
特許文献2に特に記載されているように、アンモニアの水溶液を使用して排ガスを脱窒素する方法もあり、この方法を実施するための装置もまた開示されている。このタイプの方法は、粉末状製品の注入時と同じ問題を、特に輸送流量の制約に関して、含まないことは明らかである。
【0020】
従って、本発明の目的は、上述した欠点を有さない(すなわち、貫通装置を使用することなく、汚染物質の除害の点で高収率をもたらし、同時に排ガスを処理するための設備の全体的な動作を可能な限り妨害することなく)汚染物質の除害のための粉末状化合物で排ガスを処理するための装置を提供することによって先行技術の欠点を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
この目的のために、処理される排ガスの他の特性(特にそれらの流量および温度)を実質的に変えることなく、広い範囲の動作条件(すなわち、処理される排ガスの温度、除害される汚染物質の性質、および使用される粉末状化合物の性質の点で)の適合を可能にする炉管内において排ガスの汚染物質を除害するための粉末状化合物で処理するための装置および方法が開発された。
【0022】
従って、第1の目的によれば、本発明は、排ガスの汚染物質の除害のための粉末状化合物を炉管に注入するための装置に関し、前記装置は、
・周辺管に接続され、周辺ガスを前記チャンバおよび前記周辺管内に送風するように配置された第1の送風要素および前記周辺管を介して前記炉管に接続されるように構成されたチャンバであって、前記周辺管は、チャンバに接続された直径DP1を有する第1の部分と、下流端部を有する、第1の部分とは反対側の、直径DP2を有する第2の部分とを含み、炉管と連通するように意図されたチャンバと、
・粉末状化合物を輸送するための管であって、輸送ガスをこの輸送管内に、同時に周辺ガスの噴流に送風するように構成された第2送風要素に接続されるように意図され、前記輸送管は、直径DTおよび下流端部を有し、前記輸送管の下流端部が、周辺管の第1の部分と第2の部分との間の割線面内に位置するように、輸送管は、周辺管の前記第1の部分を同心かつ長手方向に貫通する管とを含む。
【0023】
本発明に係るこの装置は、周辺管の第2の部分の長さLが、周辺管の第2の部分の直径(DP2)以上であり、輸送管の直径(DT)および周辺管の第2の部分の直径(DP2)は、以下の関係によって結ばれている。
【数1】
【0024】
本発明によれば、「下流」および「上流」という用語は、排ガスの流れの方向に関して使用される。例えば、ガスが一方向の流れで管を通って進む場合、ガスは管の上流端部を介して入り、管の下流端部を介して出る。
【0025】
本発明によれば、輸送ガスおよび/または周辺ガスは、好ましくは、互いに独立した大気の周囲空気である。
【0026】
実際、本発明によれば、輸送ガスとは、粉末状化合物を空気輸送により輸送管内を炉管へ向かって運ぶことを可能にする任意の気体(特に、空気)を意味する。
【0027】
本発明によれば、周辺ガスとは、輸送管の周囲の周辺管に運ばれる任意の期待(特に、空気)を意味する。
【0028】
周辺管に接続されたチャンバの存在と、輸送管がそれを不透過的に通過するという事実により、2つの同軸のガス噴流(粉末状化合物を輸送するための流れと、周辺ガスの流れ)を形成することが可能になる。さらに、周辺管の長さLを有する第2の部分の存在と、輸送管の直径(DT)と周辺管の第2の部分の直径(DP2)との相対的比率の存在により、ベンチュリ効果を生成させ、装置の出力部でガス噴流を加速させることが可能となり、こうして炉管に注入された粉末状化合物の浸透性が改善される。従って、先行技術の「貫通ノズル」とは対照的に、侵入型装置を使用する必要なしに、先行技術の特許文献1の装置および方法とは対照的に、炉管内の粉末状除害化合物の良好な浸透を可能にするために必要な周辺ガスの量を減少させながら、炉管内に粉末を最適な方法で分布させることができる。
【0029】
周辺ガスの量を減らすことにより、周辺空気の非常に高い流量を必要とする特許文献1の装置とは対照的に、排ガスの特性(特に、それらの温度、それらの流量、およびそれらの酸素濃度)の擾乱を制限することが可能になる。
【0030】
従って、本発明はまた、周辺ガスの噴流が回収前に排ガスを遥かに冷やすので、排ガス中に存在する熱量(カロリー)の回収を改善することができる。それはまた、注入された粉末状化合物による汚染物質の除害を促進する最適温度条件に近づき維持されることを可能にする。
【0031】
実際、上述したように、特定の温度の特定の範囲によって、ガス状汚染物質の除害反応は促進可能となる。これらの最適な温度範囲は、特に、除害される汚染物質の性質および使用される粉末状化合物の性質に依存する。本発明は、使用される周囲空気の流量が低いため、(特に、粉末状化合物の注入の時点で)排ガスの温度を実質的に変えることができないので、最適な反応温度が維持されることが保証される。
【0032】
本発明の特定の一実施形態では、直径DP1は、直径DP2以上である。
【0033】
本発明の別の特定の一実施形態では、直径DP1は、直径DP2以下である。
【0034】
有利には、周辺管の第2の部分の下流端部は、炉管に直接接続されている。
【0035】
本発明の別の有利な一実施形態では、周辺管は、上流端部を備えた上流部と、直径DP2より小さい直径DP3を有する下流端部を備えた下流部とを含む第3の部分をさらに含むことができ、前記上流端部は、周辺管の第2の部分の下流端部に接続されるように意図され、前記下流端部は、炉管に接続されることを意図されている。
【0036】
この特定の実施形態は、第2のベンチュリ効果を生成することを可能にし、こうして、装置の出力におけるガス噴流の加速現象をさらに改善し、従って炉管内の粉末状化合物の浸透性をさらに改善する。
【0037】
好ましくは、周辺管の第3の部分の下流端部は、炉管に直接接続される。
【0038】
「炉管に直接接続される」という用語は、周辺管の第2の部分または第3の部分の下流端部が、前記炉管の内壁で最も遠くに終わることを意味する。産業用装置の文脈では、周囲管の第2部分または第3部分の下流端部が、本発明に係る炉管の厚さを通過した後に内壁をわずかに超えて延びないことを完全に排除することはできないが、周辺管の第2の部分または第3の部分の下流端部が炉管の厚さ内で終わること、または周辺管の第2の部分または第3の部分の下流端部が炉管の外面に接続されることが、より意図されている。
【0039】
有利には、周辺管の第3の部分の前記上流部分は、切頭円錐の形状を有する。
【0040】
好ましい一実施形態によれば、前記粉末状化合物は、式aCaCO
3・bMgCO
3・xCaO・yMgO・zCa(OH)
2・tMg(OH)
2・ulを有するカルシウム−マグネシウム化合物であり、ここで、lは不純物を表し、a、b、x、y、z、tおよびuは、前記カルシウム−マグネシウム化合物の全重量に対してそれぞれ0〜100%、u≦5%の質量分率であり、質量分率の合計a+b+x+y+z+t+uは、前記カルシウム−マグネシウム化合物の全重量の100%に等しい。
【0041】
有利には、前記粉末状除害化合物は、式aCaCO
3・bMgCO
3・xCaO・yMgO・zCa(OH)
2・tMg(OH)
2・ulを有するカルシウム−マグネシウム化合物であり、ここで、lは不純物を表し、a、b、x、y、z、tおよびuは、前記カルシウム−マグネシウム化合物の全重量に対してそれぞれ0〜100%、u≦3%(好ましくは、u≦2%(特に、u≦1%))の質量分率であり、質量分率の合計a+b+x+y+z+t+uは、前記カルシウム−マグネシウム化合物の全重量の100%に等しい。
【0042】
これらの好ましい実施形態によれば、排ガスの除害装置の性能は、高温での汚染物質(特に、SO
2)の低減のためにさらに改善される。実際、カルシウム−マグネシウム化合物は、850℃〜1150℃の排ガスの温度範囲で特に効果的であり、特に、しばしば効率よく捕捉することがより困難である酸性汚染物質(例えば、SO
x)を捕捉する場合に効果的である。対照的に、特許文献1の教示によれば、粉末状化合物が接触する場所に低い温度(454℃未満)が存在するため、この結果は、ともかく得ることができなった。水酸化カルシウムの形態のカルシウム−マグネシウム化合物の場合に、それは特に石灰のCO
2との反応が促進される温度である。
【0043】
本発明の別の有利な一実施形態では、粉末状化合物は、上記で定義したカルシウム−マグネシウム化合物、炭素化合物(例えば、活性炭または亜炭コークス)、ナトリウム鉱物化合物(例えば、炭酸ナトリウムまたは重炭酸ナトリウム)、フィロケイ酸塩を含有する鉱物化合物(例えば、セピオライトまたはハロイサイト)、およびそれらの混合物から選択することができる。
【0044】
有利には、本発明に係る装置は、
・チャンバに接続され、前記チャンバ内および周辺管内に周辺ガスを送風するように構成された第1の送風要素と、
・輸送管に接続され、前記輸送管に輸送ガスを送風するように構成された第2の送風要素と、
・輸送ガスの流れの方向に対して前記第2の送風要素の下流において、粉末状化合物のタンクおよび輸送管に接続され、輸送ガスが投与された粉末状化合物を駆動させるために構成された粉末状化合物を投与するための手段とをさらに含む。
【0045】
有利には、本発明に係る装置では、前記第1の送風要素および第2の送風要素は、第1の送風要素および第2の送風要素の流量を別々に調整できるように、流量の調整手段を含む。
【0046】
この構成は、装置に良好な利用の柔軟性を提供し、排ガスの広い範囲の特性(温度、速度、汚染物質...)、管直径の広い範囲の特性、および使用される粉末状除害化合物の広い範囲の特性に適合させることを可能にする。
【0047】
有利には、粉末状除害化合物のタンクは、式aCaCO
3・bMgCO
3・xCaO・yMgO・zCa(OH)
2・tMg(OH)
2・ulを有するカルシウム−マグネシウム化合物のタンクとすることができ、ここで、lは不純物を表し、a、b、x、y、z、tおよびuは、前記カルシウム−マグネシウム化合物の全重量に対してそれぞれ0〜100%、u≦5%の質量分率であり、質量分率の合計a+b+x+y+z+t+uは、前記カルシウム−マグネシウム化合物の全重量の100%に等しい。
【0048】
有利には、粉末状除害化合物のタンクは、式aCaCO
3・bMgCO
3・xCaO・yMgO・zCa(OH)
2・tMg(OH)
2・ulを有するカルシウム−マグネシウム化合物のタンクとすることができ、ここで、lは不純物を表し、a、b、x、y、z、tおよびuは、前記カルシウム−マグネシウム化合物の全重量に対してそれぞれ0〜100%、u≦3%(好ましくは、u≦2%(特に、u≦1%))の質量分率であり、質量分率の合計a+b+x+y+z+t+uは、前記カルシウム−マグネシウム化合物の全重量の100%に等しい。
【0049】
好ましくは、カルシウム−マグネシウムは、少なくとも消石灰を含む。
【0050】
本発明の別の有利な一実施形態では、粉末状除害化合物のタンクは、上記定義されたカルシウム−マグネシウム化合物、炭素化合物(例えば、活性炭または亜炭コークス)、ナトリウム鉱物化合物(例えば、炭酸ナトリウムまたは重炭酸ナトリウム)、フィロケイ酸塩を含有する鉱物化合物(例えば、セピオライトまたはハロイサイト)、およびそれらの混合物から選択することができる。
【0051】
実際には、粉末状化合物を注入するためのシステムを形成するために、上で定義したような粉末状化合物を注入するための複数の装置を使用することができる。
【0052】
本発明に係る装置の他の構成および利点は、添付の特許請求の範囲に記載される。
【0053】
第2の目的によれば、本発明は、上で定義した粉末状除害化合物を注入するための少なくとも1つの装置を備えた炉管に関する。
【0054】
本発明に係る炉管の他の構成および利点は、添付の特許請求の範囲に記載される。
【0055】
第3の目的によれば、本発明は、排ガスの汚染物質の除害用の粉末状化合物による炉管内の排ガスの処理方法であって、
・排ガス流量Q
Fを有する前記排ガス中に前記粉末状除害化合物を輸送することを意図された質量流量Q
Tを有する輸送ガスの噴流を注入するステップと、
・同時に、輸送ガスの噴流に対して周辺にガスの噴流を注入して、質量流量Q
Pを有する周辺ガスの噴流の形成するステップとを含む。
【0056】
この方法は、前記排ガスの質量流量に対する前記周辺ガスの前記質量流量が、0.05%〜0.25%の比Q
P/Q
Fを形成することを特徴とする。
【0057】
本発明に係る方法によれば、「貫通ノズル」、すなわち、炉管を貫通する金属ダクト、およびそれに関連するすべての問題を排除することが可能になる。それは、侵襲性装置(例えば、貫通ノズル)を使用する必要なく、炉管内の所望の領域に達するように、粉末の搬送および注入の制約を除去可能とし、前記粉末の半径方向の分布を制御可能とする。
【0058】
さらに、排ガスの質量流量に対する周辺ガスの流量の比が非常に低いため、それは、炉の排ガスの特性(特に温度、流量、および酸素濃度に関して)を実質的に変更させないことが可能であり、こうして、炉の全体的なエネルギー性能が低下することを防止し、これらの排ガスを処理する設備の全体的な運転が妨げられることを防止しつつ、除害反応の最適温度を維持することを確実にする。
【0059】
反対に、特許文献1は、粉末状化合物(混合物)の流れを分散させ、キャリアガスの流れの中に、付随して排ガスの流れの中に粉末状化合物の渦を形成するために、乱流を作り出すために明らかにより大きな流量比を使用することを教示している。
【0060】
本発明に係る方法の好ましい一実施形態では、前記搬送ガスは速度V
Tを有し、前記周辺ガスは速度V
Pを有し、周辺ガスの速度V
Pは、2V
T≦V
P≦20V
Tに従って輸送ガスの速度V
Tの2倍〜20倍である。
【0061】
本発明の特定の一実施形態では、排ガスの質量流量Q
Fに対して周辺ガスの質量流量Q
Pに加えられる輸送ガスの質量流量Q
Tが、0.1〜0.5%の比(Q
T+Q
P)/Q
Fを形成する。従って、排ガスの質量流量に対する輸送ガスと周辺ガスの質量流量の合計の比は0.1〜0.5%である。
【0062】
有利には、粉末状化合物は質量流量Q
Aで注入され、粉末状化合物の質量流量に対する輸送ガスの質量流量Q
Tは、5〜10の比Q
T/Q
Aを形成する。従って、粉末状化合物の質量流量に対する輸送ガスの質量流量の比は5〜10とすることができる。
【0063】
本発明に係る方法の好ましい一実施形態では、輸送ガスおよび周辺ガスの噴流の注入は、炉管の内面で行われる。
【0064】
有利には、本発明に係る方法では、処理される排ガスの温度は、850℃〜1150℃である。
【0065】
さらに、本発明に係る方法では、処理される排ガスの速度は、2m/s〜150m/s(好ましくは、3〜50m/s(特に、5〜30m/s))である。
【0066】
好ましい一実施形態では、輸送ガスおよび周辺ガスの噴流の速度は、互いに独立して調整される。
【0067】
有利には、本発明に係る方法では、輸送ガスおよび/または周辺ガスは、互いに独立した空気である。
【0068】
汚染物質の除害方法(例えば、本発明に係る方法)において、排ガスは、酸性ガス(すなわち、硫化および/またはハロゲン化されたもの)、重金属、フラン、ダイオキシンおよびそれらの混合物からなる群から選択される汚染物質を含む。
【0069】
より詳細には、本発明に係る方法では、酸性ガスは、SO
2、SO
3、HCl、HF、HBr、およびそれらの混合物からなる群から選択される汚染物質を含む。
【0070】
本発明の有利な一実施形態では、粉末状化合物は、カルシウム−マグネシウム化合物、炭素化合物(例えば、活性炭または亜炭コークス)、ナトリウム鉱物化合物(例えば、炭酸ナトリウムまたは重炭酸ナトリウム)、フィロケイ酸塩を含有する鉱物化合物(例えば、セピオライトまたはハロイサイト)、およびそれらの混合物から選択することができる。
【0071】
有利には、本発明に係る方法において使用される粉末状除害化合物は、カルシウムおよびマグネシウムから選択されるアルカリ土類金属の炭酸塩、水酸化物および/または酸化物、またはそれらの混合物を含む。
【0072】
好ましくは、粉末状除害化合物は、式aCaCO
3・bMgCO
3・xCaO・yMgO・zCa(OH)
2・tMg(OH)
2・ulを有するカルシウム−マグネシウム化合物を含み、ここで、lは不純物を表し、a、b、x、y、z、tおよびuは、前記カルシウム−マグネシウム化合物の全重量に対してそれぞれ0〜100%、u≦5%の質量分率であり、質量分率の合計a+b+x+y+z+t+uは、前記カルシウム−マグネシウム化合物の全重量の100%に等しい。
【0073】
有利には、前記粉末状化合物は、式aCaCO
3・bMgCO
3・xCaO・yMgO・zCa(OH)
2・tMg(OH)
2・ulを有するカルシウム−マグネシウム化合物であり、ここで、lは不純物を表し、a、b、x、y、z、tおよびuは、前記カルシウム−マグネシウム化合物の全重量に対してそれぞれ0〜100%、u≦3%(好ましくは、u≦2%(特に、u≦1%))の質量分率であり、質量分率の合計a+b+x+y+z+t+uは、前記カルシウム−マグネシウム化合物の全重量の100%に等しい。
【0074】
本発明に係る方法の好ましい実施形態によれば、粉末状化合物は、50重量%を超える(すなわち、90重量%を超える)Ca(OH)
2水酸化カルシウムを含む。
【0075】
本発明に係る方法の他の構成および利点は、添付の特許請求の範囲に記載されている。
【0076】
本発明の他の構成、詳細および利点は、以下の記載から、非限定的に、実施例および添付の図面を参照して明らかになるであろう。